JPH1160482A - 性機能改善剤 - Google Patents

性機能改善剤

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JPH1160482A
JPH1160482A JP22793697A JP22793697A JPH1160482A JP H1160482 A JPH1160482 A JP H1160482A JP 22793697 A JP22793697 A JP 22793697A JP 22793697 A JP22793697 A JP 22793697A JP H1160482 A JPH1160482 A JP H1160482A
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methyl
amino
chloro
oct
asadicyclo
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JP22793697A
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Hiroyuki Yoshimura
裕之 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬として優れた作用を有する、インポテン
ス特に心因性またはストレス性インポテンスの予防・治
療・改善を目的とする性機能改善剤を提供する。 【解決手段】 N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3
α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛
(I)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とす
るインポテンス予防・治療・改善を目的とする性機能改善
剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として優れた作用
を有する、インポテンス特に心因性またはストレス性イ
ンポテンスの予防・治療・改善を目的とする性機能改善剤
に関する。
【0002】
【発明の背景】インポテンスの患者数は極めて多大であ
り、中でも社会心理的ストレスを背景要因とする心因性
インポテンスの通院患者および潜在患者は、合わせて約
800万人に達するといわれているが、その薬物療法は未
だ確立されていないのが現状である。
【0003】
【従来技術】近年、生体内モノアミンの一つであるセロ
トニン(以下、5HT)が雄性性行動に対し抑制的に作用し
ていることが報告されている。しかしながら、社会心理
的要因による心因性インポテンスの病態モデルが開発さ
れていなかったため、科学的な薬効評価は行われてこな
かった。最近、Yoshimuraらは、敗北経験を反復して経
験した雄性動物が、著名な性行動障害を発現することを
見出し(Yoshimura & Kimura, 1991)、心因性インポテン
スを対象とした前臨床評価に極めて有用なモデルである
ことが明らかになった。
【0004】
【本発明が解決しようとする問題点】しかしインポテン
スの発症機序はいまだに不明な部分が多く、根本的な治
療薬はないのが現状である。また、以前、吉村らが開発
した長期隔離飼育による性行動障害モデルは、身体的変
化や攻撃性の増加などを伴い、心因性インポテンスの精
神病理を考慮すれば、必ずしも妥当性あるモデルとは言
えなかった。
【0005】このような背景から、よりヒトの病態に近
いモデルで有効性が確認され、かつ安全性が高く、臨床
における有用性の高い性機能改善剤が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、経
口投与が可能であり、かつ安全性が高い経口性機能改善
剤を開発すべく、長年にわたって種々の評価モデルおよ
び種々の化合物について鋭意研究を重ねてきた。その結
果、意外にも以下の化学式で表されるN-(エント゛-8-メチル-8-
アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-
フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)またはその薬理学的に許容され
る塩が、ヒトの病態により近い闘争敗北経験モデルにお
いて評価した結果、所期の目的を達することを見い出し
本発明を完成した。本発明にかかるN-(エント゛-8-メチル-8-アサ
゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛
チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)またはその薬理学的に許容される
塩は優れたインポテンス予防・改善・治療作用と高い安全
性を有するという大きな特徴を有しており、本発明の価
値は極めて高い。
【0007】ここで、本発明にかかるN-(エント゛-8-メチル-8-
アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-
フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)は下記化学式で表され、特開平6
-128254号公報の実施例5に記載されている化合物であ
る。
【0008】
【化2】
【0009】また本発明にかかるN-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ
゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニ
ル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)は分子内に不斉炭素原子を1個有して
おり、光学異性体が存在するが、本発明においては限定
されず、いずれか一方の光学異性体あるいはラセミ体で
あってもよい。しかし通常は(-)-(S)-体がより好ましい
薬理活性を有する。(-)-(S)-N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ
[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキ
シヘ゛ンス゛アミト゛(II)は、特開平6-128254号公報の実施例6に
記載されている化合物である。
【0010】次に本発明における薬理学的に許容される
塩とは、本発明にかかるN-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.
2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛
ンス゛アミト゛(I)と付加塩を形成するものであれば限定されな
いが、具体的には、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩等の無機酸の付加塩、酢酸、シュウ酸塩、コハク
塩、フマル酸塩等の有機酸の付加塩、酸性アミノ酸の付
加塩などを挙げることができる。これらの中でも塩酸塩
がより好ましい。
【0011】なお、本発明にかかるN-(エント゛-8-メチル-8-アサ
゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛
チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)は水和物を形成することもあり、
その場合は二水和物がより好ましい。
【0012】次に本発明化合物の投与剤型としては、例
えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル
剤などの経口製剤、軟膏、貼付剤等の外用剤、坐剤およ
び注射用製剤等が挙げられる。製剤化の際には、通常の
製剤担体を用いて常法により製造することができる。
【0013】すなわち経口製剤を製造するには、本発明
化合物と賦形剤、さらに必要に応じて酸化防止剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた
後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠
剤、カプセル剤等とする。
【0014】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結
晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、
例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メ
チルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ト
ラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリ
オキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなど
が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、
結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カ
ルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポ
リエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色
剤としては医薬品に添加することが許可されているもの
が、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香
散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの
錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることはもちろん差支えない。
【0015】また注射用製剤を製造する際には、本発明
化合物にpH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応
じて溶解補助剤、安定化剤、酸化防止剤などを加えて、
常法により製剤化する。
【0016】外用剤を製造する際の方法は限定されず、
常法により製造することができる。すなわち製剤化にあ
たり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、
化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能
である。
【0017】使用する基剤原料として具体的には、例え
ば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級ア
ルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン
脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分
子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さら
に必要に応じ、pH調整剤、酸化防止剤、キレート剤、防
腐防黴剤、着色料、香料などを添加することができる
が、本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定さ
れない。また必要に応じて血流促進剤、殺菌剤、消炎
剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質
溶解剤等の成分を配合することもできる。なお上記基剤
原料の添加量は、通常外用剤の製造にあたり設定される
濃度になる量である。
【0018】本発明におけるN-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ
[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキ
シヘ゛ンス゛アミト゛(I)またはその薬理学的に許容される塩の臨
床投与量は、症状、重症度、年齢、合併症などによって
異なり限定されず、また塩の種類・投与経路などによっ
ても異なるが、通常成人1日あたり0.01mg〜2000mgであ
り、好ましくは0.1mg〜1000mgであり、さらに好ましく
は1mg〜500mgであり、これを経口、静脈内、筋肉内、経
直腸または経皮投与する。
【0019】
【発明の効果】次に本発明化合物の性機能改善改善剤と
しての有用性を示すため、以下に効果例として薬理実験
例および毒性試験例を掲げるが、本発明化合物の用途が
これらに限定されないことは言うまでもない。
【0020】薬理実験例 1. 実験方法 実験には、ICR系雌雄マウスを用いた。実験は吉村らの
敗北経験による性行動障害を惹起させる方法(Neuroscie
nce and Biobehavioral Review, 15:497-500,1991.)を
適用した。すなわち、約8週齢の雌雄マウス一対ずつ20
ペアーをポリカーボネート製ケージ内で約5週間同居飼
育し、それらの雄居住マウスに縄張りを確立させた。こ
れらの雄居住マウスを攻撃側の動物とした。
【0021】離乳後から雄マウスのみでポリカーボネー
ト製ケージ内で10匹づつ群居飼育したもの4群を侵入マ
ウスとし、敗北を経験させる被攻撃側の動物とした。こ
れらの雄侵入マウスは、交尾経験および敗北経験のない
約8週齢の個体である。
【0022】居住マウスのホームケージ内に侵入マウス
を一匹ずつ入れると、雄居住マウスは侵入マウスを激し
く攻撃する。雄居住マウスから噛みつかれた回数を一日
20回に実験的に統制し、5日間連続して経験させると、
敗北した雄侵入マウスは、発情期の雌マウスと遭遇させ
ても性行動を示さなくなる。
【0023】性行動の観察は、敗北経験を負荷する前日
と負荷した翌日の2回行った。雌マウスは、交尾経験の
ないものを使用し、エストロゲンおよびプロゲステロン
の前処置により発情期を招来させた。ポリカーボネート
製ケージ内で、雄侵入マウスと発情期の雌マウスを遭遇
させ、それらの行動を高感度ビデオシステムにより記録
した後、イベントレコーダーを用いて解析した。雄マウ
スの性行動は、雌マウスへの乗駕(mounting)、ペニスの
挿入(intromission)、ペニスを舐める行動(penis licki
ng)を指標とした。性行動の観察は、暗期の19:00から2
2:00の間に実施した。
【0024】本発明化合物の代表例として、(-)-(S)-N-
(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-ク
ロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛・塩酸塩・二水和物(I
V)を被験化合物に用い、0μg/Kg、5μg/Kg、10μg/Kg、
20μg/Kgとなるよう、0.1%アスコルヒ゛ン酸含有等張生理食塩
水に溶解して、被験液を調製した。敗北経験負荷の翌
日、各被験溶液を腹腔内注射し、その30分後に性行動を
観察した。
【0025】2. 結果 以下に結果を示す。
【0026】3. 有意差検定 発現率はFisher exact probabolity testで、発現頻度
はMann-whitney U-testで有意差検定を行った。その結
果を表1および図1中に示す。
【0027】上記表1および図1から、本発明化合物の
有する優れた性機能改善作用が明らかである。続いて、
本発明化合物の安全性を示すため、単回投与毒性試験結
果を掲げる。
【0028】毒性試験例 1. 実験方法 被験化合物として、薬理実験と同様に(-)-(S)-N-(エント゛-
8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-
(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛・塩酸塩・二水和物(IV)を
非験化合物に用いた。
【0029】(1) ラット 被験化合物の125, 250, 500mg/Kgを、SD系ラット1群雌
雄各5匹に単回強制経口投与し、14日間観察した。被験
化合物の5, 10, 20mg/Kgを、SD系ラット1群雌雄各5匹
に単回静脈内投与し、14日間観察した。 (2) ビーグル 被験化合物の30, 100, 300mg/Kgを、ビーグル犬1群雌
雄各1頭に単回強制経口投与し、14日間観察した。
【0030】2. 結果 (1) ラット 経口投与では、125mg/Kg群では死亡例は認められなかっ
たが、250mg/Kg群において雌雄4/5に死亡例が認められ
た。静脈内投与では、10mg/Kg群では死亡例は認められ
なかったが、20mg/Kg群において雌雄5/5に死亡例が認め
られた。 (2) ビーグル 30mg/Kg群では死亡例は認められなかったが、100mg/Kg
群において雄1/5に死亡例が認められた。
【0031】上記毒性試験結果から本発明化合物の優れ
た安全性が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明化合物投与群と対照群におけるmounti
ngの変化を示した図である。(頻度、平均±標準誤差)
【図2】 本発明化合物投与群と対照群におけるintrom
issionの変化を示した図である。(頻度、平均±標準誤
差)
【図3】 本発明化合物投与群と対照群におけるpenis
lickingの変化を示した図である。(頻度、平均±標準
誤差)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式で表されるN-(エント゛-8-メチル-8-
    アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-
    フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛(I)またはその薬理学的に許容され
    る塩を有効成分とするインポテンス予防・治療・改善を目
    的とする性機能改善剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 インポテンスが心因性またはストレス性
    インポテンスである請求項1記載の性機能改善剤。
  3. 【請求項3】 N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3
    α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛
    (I)が、(-)-(S)-N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-
    3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛
    (II)である請求項1または2記載の性機能改善剤。
  4. 【請求項4】 N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3
    α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛
    (I)が、(-)-(S)-N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-
    3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛・
    塩酸塩(III)である請求項1ないし3記載の性機能改善
    剤。
  5. 【請求項5】 N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-3
    α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛
    (I)が、(-)-(S)-N-(エント゛-8-メチル-8-アサ゛ヒ゛シクロ[3.2.1]オクト-
    3α-イル)-4-アミノ-5-クロロ-2-(1-メチル-2-フ゛チニル)オキシヘ゛ンス゛アミト゛・
    塩酸塩・二水和物(IV)である請求項1ないし4記載の性
    機能改善剤。
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Cited By (2)

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