JPWO2005099311A1 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

有機EL素子2、及びこの有機EL素子2を封止する、導電膜からなるバリア膜3を含んでなる有機EL表示装置。有機EL素子、色変換層、及びこの色変換層を封止する、導電膜からなるバリア膜を含んでなる有機EL表示装置。及び有機エレクトロルミネッセンス素子2、及びこの有機エレクトロルミネッセンス素子2を封止する、応力緩和層3bを含むバリア膜3、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。

Description

本発明は、民生用及び工業用のディスプレイ、具体的には、携帯電話、PDA、カーナビ、モニター、TV等のディスプレイとして好適な、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関する。
有機EL表示装置は、対向する電極間に発光層を挟持した有機EL素子から構成されている。有機EL素子の両電極間に電圧を印加すると、一方の電極から注入された電子と他方の電極から注入されたホールとが、発光層で再結合する。発光層中の有機発光分子は、再結合エネルギーによりいったん励起状態となり、その後、励起状態から基底状態に戻る。この際に放出されるエネルギーを光として取り出すことにより、有機EL素子は発光する。
このような発光原理を有する有機EL素子から構成された有機EL表示装置は、完全固体素子であり、視認性に優れ、軽量化、薄膜化が図れ、その上、わずか数ボルトという低電圧で駆動させることができる。このため、有機EL表示装置は、カラーディスプレイとしての利用が期待され、現在盛んに研究されている。
しかしながら、有機EL表示装置は、陰極に活性の高い合金材料を使用しており、水分や酸素との反応により腐食や酸化を生じやすい。このような陰極の劣化は、ダークスポットと呼ばれる発光しない領域が生じる原因になる。さらに、有機EL素子も、外部から侵入する水分、酸素、他の部材から発生する揮発成分等によってダメージを受け、ダークスポットが生じる原因となっている。
そこで、バリア膜を設けて、このようなダークスポットを防ぐことが試みられているが、バリア膜にピンホールが存在すると、バリア性が低下する。ピンホールの中心には、基板上の突起、外部環境からの混入又は成膜に起因する異物(〜1μm)がある。
従って、ピンホールを排除してバリア性を確保するために、バリア膜の膜厚を厚くして、異物を包み込むことが必要であった。
しかしながら、緻密な膜を厚く成膜するには時間を要し、量産性が悪いという問題があった。また、バリア性の高い、緻密な膜(無機膜)を厚く成膜すると、膜の内部応力が高くなるため、バリア性の欠損、層の剥離、クラックの原因となることがあった。
このため、バリア層を厚く形成できないため、充分なバリア性を付与できず、また、色変換基板上にバリア層を形成してもその表面平坦性が充分ではなく、バリア層上に形成する有機EL素子の電極平坦性が悪くなり、輝線が発生する原因となっていた。
また、バリア層の上に有機EL素子の電極をパターニングして形成する際に、薬液を使用するため、薬液耐性が必要となるが、厚膜とすることができなかったため、耐薬品性が十分ではなかった。
バリア膜の例として、特許文献1では、エポキシ樹脂をスピンコート又はスクリーン印刷により厚膜成膜して平坦化層を形成している。しかし、平坦化は得られても、真空系から切り離しての大気下での成膜となるため、樹脂層自身が水分を吸着することになり、この水分により、素子は劣化する。
また、特許文献2では、真空蒸着にて成膜可能な有機材料(シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン等)を開示している。特許文献3では、プラズマ重合膜(ヘテロ環式化合物をモノマー)を開示している。
上記何れの膜においても平坦化は得られたとしても、膜自体のバリア性が低いため、断面からの水分の浸入があり、表示端部からの素子劣化を防ぐことは難しい。
一方、特許文献4,5は、ボトムエミッションタイプの有機EL表示装置であって、有機EL素子の封止層を開示している。特許文献4の封止層はAg,Al,Au等の金属、TiN,ZnO,SnO,In等の合金からなる導電性無機層であり、特許文献5の封止層は六方晶層状構造のIn(ZnO)からなる保護層である。また、特許文献6は、ボトムエミッションタイプの有機EL表示装置であって、色変換層の封止層を開示している。特許文献6の封止層は高抵抗酸化物層であり、隣接する有機EL素子の低抵抗酸化物層(下部電極)と同一元素から構成されているが、酸素含有量が異なる。
しかしながら、特許文献4,5の装置をマトリックス駆動で表示させる場合は、封止層と有機EL素子の電極の間が離間していない。単純マトリックス駆動で表示させる場合、有機EL素子電極は分離しておく必要がある。特許文献4、5の装置のように、分離した電極の上に導電性の封止層を覆うと、電極が短絡することになり、駆動表示できなくなる。また、特許文献6の封止層は高抵抗層であり電気的な離間はできるが、同一元素組成であり下部電極の化学的なパターニング時に高抵抗酸化物層も併せてパターニングされてしまう可能性が高い。
バリア膜の内部応力を緩和する技術としては、応力緩和層を形成する方法が開示されている。具体的には、応力緩和材料として、ヤング率の小さい有機系材料、例えば、シリコーン樹脂が使用されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかしながら、断面からの水分の浸入があり、表示端部からの素子劣化を防ぐことは難しかった。
また、特許文献8には、酸化珪素又は酸化窒化珪素を主成分とするバッファ層を有する発光装置が記載されている。
特許文献9には、保護層が原子層成長法により形成され、保護層を構成する成分中に、保護層に発生する応力を緩和するための応力緩和成分を含有している有機EL素子が記載されている。
特許文献10には、保護膜がアモルファス窒化炭素の単独膜又は無機膜との積層膜である有機電界発光素子が記載されている。
しかしながら、特許文献9、10はボトムエミッション型、特許文献8ではトップエミッション型での、応力緩和層を挿入した有機EL素子の封止が記載されているが、応力緩和層を用いた厚膜封止による封止性能向上に関する記載はない。
特開2002−25765号公報 特開2003−17244号公報 特開2002−117973号公報 特開平10−247587号公報 特開2000−68560号公報 特開2004−31242号公報 特開2000−182780号公報 特開2003−257657号公報 特開2001−284042号公報 特開2003−282237号公報
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、高度なバリア性を付与しつつ、ダークスポットを抑制し、表面平滑性及び耐薬品性を付与するのに充分な膜厚を有するバリア膜を形成した有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究したところ、導電膜からなるバリア膜を形成することで、高い成膜速度で厚膜化することができ、かつ高いバリア性を付与できることを見出した。
さらに、高いバリア性を有する無機材料からなるバリア層と、バリア層の内部応力を緩和する無機物からなる応力緩和層とを含むバリア膜を形成することによって、バリア性の高い材料を使用してもその層の内部応力を低減でき、バリア膜の膜厚を充分に厚くできることを見出した。
本発明によれば、以下の有機EL表示装置を提供できる。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子、及び前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する、導電膜を含むバリア膜、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
2.有機エレクトロルミネッセンス素子、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、及び前記色変換層を封止する、導電膜を含むバリア膜、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
3.支持基板、前記支持基板上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子、及び前記有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基板の反対側、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子と支持基板の間に形成された、導電膜を含むバリア膜、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
4.支持基板、有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、導電膜を含むバリア膜、及び有機エレクトロルミネッセンス素子をこの順に含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
5.前記バリア膜の導電膜と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極とが離間する構成である1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
6.前記導電膜と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極との間に、絶縁膜が介在する5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
7.前記絶縁膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物及びカルコゲナイドから選択される少なくとも1つから形成されている6に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
8.前記導電膜が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極と異なる物質から形成されている1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
9.前記導電膜が、非結晶性物質から形成されている1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
10.前記導電膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、ホウ化物及びカルコゲナイドから選択される少なくとも1つから形成されている1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
11.前記導電膜が、In、Zn、Sn、W、Zr及びTaから選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物から形成されている1〜10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
12.前記導電膜の比抵抗が10Ω・cm以下である1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
13.前記支持基板が、プラスチック基板である1〜12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
14.前記バリア膜が、気相成長法により形成される1〜13のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
15.前記気相成長法が、スパッタ法である14に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
16.有機エレクトロルミネッセンス表示装置がアクティブ駆動型であり、前記導電膜が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極と電気的に接続されている1〜15のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
17.有機エレクトロルミネッセンス素子、及び前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する、応力緩和層を含むバリア膜を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
18.有機エレクトロルミネッセンス素子、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、及び前記色変換層を封止する、応力緩和層を含むバリア膜、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
19.支持基板、前記支持基板上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子、及び前記有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基板の反対側、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子と支持基板の間に形成された、応力緩和層を含むバリア膜、を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
20.支持基板、有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、応力緩和層を含むバリア膜、及び有機エレクトロルミネッセンス素子をこの順に含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
21.前記応力緩和層を含むバリア膜が、気相成長法により形成される17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
22.前記気相成長法が、スパッタリング法又は化学蒸着法(CVD法)である21に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
23.前記応力緩和層を含むバリア膜が、無機金属化合物を含む17〜22のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
24.前記無機金属化合物が、酸化物、窒化物、炭化物、窒化酸化物、炭化酸化物又は炭化窒化物である23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
25.前記無機金属化合物が、下記式(1)で示される化合物からなる23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
uMvNxOyCz ・・・(1)
「式中、M、Mはそれぞれ異なる金属元素であり、u、vは、0≦u、v≦1、u+v=1を満たすとき、x、y、zは、0≦x、y、zであり、前記バリア層では、x>0.6、y+z<0.2の関係を満たし、前記応力緩和層では、x<0.2、y+z>0.6の関係を満たす。」
26.前記無機金属化合物が、下記式(2)で示される化合物からなる23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
・・MO ・・・(2)
「式中、M、M・・Mはそれぞれ異なる金属元素であり、前記バリア層ではnは2以上の整数であり、前記応力緩和層ではnは1である。」
27.前記無機金属化合物の金属が、Si、Al及びZnから選択される元素を少なくとも一つ含有する24〜26のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
28.前記応力緩和層を含むバリア膜が、炭素を含む非晶性膜である17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
29.前記応力緩和層を含むバリア膜の内部応力の絶対値が200MPa以下である17〜28のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
30.前記支持基板がプラスチック基板である17〜29のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明によれば、以下の効果を奏する有機EL表示装置が得られる。
1.バリア膜として、導電性無機膜を使用し、厚膜化することにより、ガスバリア性の改善された膜が得られる。
2.従来バリア膜として使用されているSiOx、SiON膜のスパッタ成膜と比較すると、導電性無機膜は、成膜速度を高めることができ、量産性に適している。
3.バリア性の高い無機材料からなるバリア層と応力緩和層を組み合わせたバリア膜を形成することで、バリア膜を厚膜化することにより、ピンホールの発生や、バリア膜の剥離、クラック等を抑制できるので、バリア性の改善された膜が得られる。
以上のバリア膜を形成した本発明の有機EL表示装置では、連続表示させても、発光表示面積の縮小又はダークスポットの拡大が改善される。
また、バリア層の表面平滑性及び耐薬品性が向上するので、バリア層上に形成される有機EL素子の性能を向上できる。従って、耐久性に優れた有機EL表示装置が得られる。
さらに、バリア膜の光透過性も高く、トップエミッション型の有機EL表示装置にも好適に使用できる。
本発明の実施形態1にかかる有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態3にかかる有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態4にかかる有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態4にかかる他の有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態4にかかる他の有機EL表示装置を示す図である。 本発明の実施形態5にかかる有機EL表示装置を示す図である。 無機材料膜の内部応力の方向性を判断する方法を説明するための図である。 ポリシリコンTFTの形成工程を示す図である。 ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す回路図である。 ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す平面透視図である。
実施形態1
図1(a),(b)に本発明の一実施形態にかかる有機EL表示装置を示す。
図1に示す有機EL表示装置では、支持基板1の上に、有機EL素子2及びバリア膜3が形成されている。有機EL素子2は、対向する第1の電極2aと第2の電極2bと、その間にある発光層2cからなる。この有機EL表示装置は、トップエミッションで、アクティブ駆動タイプである。トップエミッションであるため、第1の電極2aは光透過性が必要であり、透明電極を使用する。
このバリア膜3により有機EL素子2が外部からの水、酸素等から遮断されていて、バリア膜3は有機EL素子の封止材として機能している。
本実施形態において、バリア膜3は、導電膜から形成されている。導電膜の比抵抗は好ましくは10Ω・cm以下である。
導電膜を形成する導電性化合物の例として、金属の酸化物が挙げられる。具体的には、In酸化物、Sn酸化物、Zn酸化物、In―Sn酸化物、In―Zn酸化物、In―Zn―Sn酸化物、さらに、これら酸化物にドーパントを添加した化合物が挙げられる。好ましくは、InxOy、InxZnyOz、ZnxOy(0<x<2.1、0<y<3.3、0<z<3.3)及びこれらにSn、Al、Sb、Ga等を0.2〜40at.%添加した化合物である。特に好ましくは、ITO(In酸化物にSnをドープ)、IZO(In−Zn混合酸化物)、ATO(Sn酸化物にSbをドープ)、AZO(Zn酸化物にAlをドープ)、GZO(Zn酸化物にGaドープ)である。
さらに、In酸化物、Sn酸化物、Zn酸化物、In―Sn酸化物、In―Zn酸化物、In―Zn―Sn酸化物に、他の金属として、Al、Ta、Mg、希土類金属、Ti、Ni、Ir、Zr、Wを添加した化合物も好ましい。
導電性化合物の他の例として、窒化物、炭化物、ホウ化物、カルコゲナイドがあり、具体的には、TiN、ZrN、LaB、ZnSe、ZnS(これらの組成は正規組成よりずれていても良い)が挙げられる。
バリア膜3の導電性化合物は、有機EL素子2の第1の電極2aとは異なる物質であることが好ましい。例えば、バリア膜3の導電性化合物は非結晶性物質、有機EL素子2の第1の電極2aは結晶性物質が挙げられる。
本実施形態のバリア膜3は、気相成長法により形成できる。気相成長法には、DCスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ法、RFスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法、ECRスパッタ等のスパッタ法、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法等の真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等がある。バリア膜は、ターゲットの組成により、製造する膜を容易に変化させ製造することのできるスパッタ法より形成することが好ましい。
スパッタ法により製造する場合、バリア膜3は、導電性化合物から形成されているので、導電性ターゲットを使用できる。導電性ターゲットであれば、DC電源でのスパッタが可能であり、高周波(RF)印加の場合と比較し、スパッタリングが連続して生じる(スパッタリングはターゲットが陰極の場合に発生)。また、投入電流を大きくすることができるので、成膜出力があがり、成膜速度もあがる。従って、容易に厚膜化でき量産性を向上させることができる。
また、図1(b)に示すように、支持基板1と有機EL素子2の間にも同様の第二のバリア膜4を介在させてもよい。特に、支持基板1がプラスチックフィルムの場合、支持基板1の上にバリア膜4があると、フィルムから発生する水分、ガス成分を内部に閉じ込められ、また、フィルムを透過してくる水分、酸素を遮断できる。
実施形態2
図2に本発明の実施形態2にかかる有機EL表示装置を示す。
図2に示す有機EL表示装置は、ボトムエミッションで、パッシブ駆動タイプである。パッシブ駆動タイプでは電極パターンが必要であり、有機EL素子2の第1の電極2aとバリア膜3を離間させなければならない。この実施形態では、バリア膜側の有機EL電極2aと離間するために絶縁膜5を介在させた構成となっている。また、ボトムエミッションであるため、第1の電極2aは光透過性が不要であり、電極としては金属電極が使用できる。
尚、実施形態1の有機EL表示装置は、アクティブ駆動であるため、電極は共通電極でありパターン化は不要である。従って、バリア膜3と、バリア膜側の有機EL電極2aとを離間する介在層(絶縁性材料)は不要である。しかし、介在層はあっても構わない。
絶縁膜5を構成する絶縁性無機物の例として、金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、カルコゲナイド等があり、具体的には、SiOx、SiOxNy、SiNx(0<x<2.2、0<y<2.2)、AlOx、AlOxNy、AlNx(0<x<2.2、0<y<2.2)が挙げられる。絶縁膜5の比抵抗は好ましくは1015Ω・cm以上である。
実施形態3
図3に本発明の実施形態3にかかる有機EL表示装置を示す。
図3に示す有機EL表示装置では、支持基板1の上に、色変換層6、導電膜からなるバリア膜3、絶縁膜5及び有機EL素子2が形成されている。
この有機EL表示装置は、ボトムエミッションで、パッシブ駆動タイプである。従って、実施形態2と同様に、電極パターンが必要なため、有機EL素子2の第2の電極2bとバリア膜3を離間させなければならない。そのため、絶縁膜5が介在している。また、ボトムエミッションであるため、第2の電極2bは光透過性が必要であり、透明電極を使用する。
バリア膜3により、色変換層6から発生する水、ガス成分が内部に閉じ込められ、有機EL素子2が保護される。
バリア膜3と絶縁膜5を構成する材料及びその製造方法は、実施形態1,2で説明した通りである。絶縁膜3bの透過率は好ましくは50%以上である。
この実施形態では、色変換層6の上にバリア膜3を形成しているが、さらに、有機EL素子2を封止するために有機EL素子2の上にもバリア膜3を形成してもよい。また、支持基板1と色変換層6の間に設けることもできる。
また、上述したように、この実施形態の有機EL表示装置は、有機EL素子2から発せられた光を色変換層6が調整及び/又は変換して、支持基板1側からその光を取り出すボトムエミッションタイプであるが、支持基板1上に、有機EL素子2、色変換層6を形成して、支持基板1の反対側から光を取り出すトップエミッションタイプでもよい。この場合も、有機EL素子2を保護するために、支持基板と有機EL素子の間、有機EL素子と色変換層の間、色変換層の上等に、バリア膜3を形成できる。
実施形態4
図4(a),(b)に本発明の実施形態4にかかる有機EL表示装置を示す。
図4に示す有機EL表示装置では、支持基板1の上に、有機EL素子2及びバリア膜3が形成されている。有機EL素子2は、上述した各実施形態と同じである。この有機EL表示装置は、トップエミッションで、アクティブ駆動タイプである。トップエミッションであるため、第1の電極2aは光透過性が必要であり、透明電極を使用する。
このバリア膜3により有機EL素子2が外部からの水、酸素等から遮断されていて、バリア膜3は有機EL素子2の封止材として機能している。
本発明では、バリア膜3を、バリア層3aと応力緩和層3bを有する積層構造とすることにより、バリア層3aとしてバリア性の高い緻密な無機材料を使用しても、その層が有する内部応力を緩和することができる。これにより、内部応力に起因するバリア膜3のクラックや剥離の発生を防止できる。
また、図4(b)に示すように、支持基板1と有機EL素子2の間にも同様の第二のバリア膜4を介在させてもよい。特に、支持基板1がプラスチックフィルムの場合、支持基板1の上にバリア膜4があると、フィルムから発生する水分、ガス成分を内部に閉じ込められ、また、フィルムを透過してくる水分、酸素を遮断できる。
この実施形態では、有機EL表示装置は支持基板1の反対側から光を取り出すトップエミッションタイプであるが、図5に示すように支持基板1側から光を取り出すボトムエミッションタイプとしてもよい。この場合も、有機EL素子2を保護するために、有機EL素子の上、支持基板と有機EL素子の間等に、バリア膜4を形成できる。
尚、バリア層3aと応力緩和層3bの界面は、明確に区別される必要はない。
図6は、本実施形態の他の有機EL表示装置の概略断面図である。
この有機EL表示装置のバリア膜3’は、有機EL素子2に接する面から上方に向けて、徐々に性質の異なる無機材料を傾斜的に形成している。即ち、バリア膜3’の有機EL素子2に接する面の近傍では、応力緩和層として機能する無機材料を主に含む領域が形成され、外部側に移行するにつれて、バリア性の高い無機材料を主に含む領域が形成されている。
実施形態5
図7は、本発明の実施形態5の有機EL表示装置の概略断面図である。
有機EL表示装置は、ボトムエミッションで、パッシブ駆動タイプである。
有機EL表示装置は、支持基板1上に色変換層6を形成し、色変換層6を、実施形態4と同じバリア膜3が覆っている。そして、このバリア膜3の上に有機EL素子2及び、素子への外部からの水分等の浸入を遮断する封止バリア膜7が形成されている。
この有機EL表示装置では、色変換層6が含んでいる水分・ガス成分等の外部への漏洩を高度に防止できる。従って、有機EL素子の各部材の劣化が抑制でき、有機EL素子を連続表示させたときに発生する発光表示面積の縮小又はダークスポットの拡大が改善でき、耐久性に優れた有機EL表示装置が得られる。
また、応力緩和層を挿入することでバリア膜を厚膜化できるため、バリア層の表面平坦性が改善される。そのため、その上に形成される有機EL素子の電極の平坦性が向上し、EL素子の輝線の発生等が抑制できるので、表示特性が改善される。
尚、この実施形態では、色変換層6の上にバリア膜を形成しているが、さらに、有機EL素子2を封止するために有機EL素子2の上にもバリア膜3を形成してもよい。また、支持基板1と色変換層6の間に設けることもできる。
また、上述したように、この実施形態の有機EL表示装置は、有機EL素子2から発せられた光を色変換層6が調整及び/又は変換して、支持基板1側からその光を取り出すボトムエミッションタイプであるが、支持基板1上に、有機EL素子2、色変換層6を形成して、支持基板1の反対側から光を取り出すトップエミッションタイプでもよい。この場合も、有機EL素子2を保護するために、支持基板と有機EL素子の間、有機EL素子と色変換層の間、色変換層の上等に、バリア膜3を形成できる。
続いて、本発明で使用するバリア膜について説明する。
バリア膜を形成するバリア層及び応力緩和層を構成する無機材料としては、金属(合金)の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物が使用できる。
好ましくは、AOx、ANx、ACx,AOxNy、AOxCy、ACxNy(式中、Aは金属又は合金であり、0<x<2.2,0<y<2.2である)で示される無機金属化合物である。
バリア層及び応力緩和層は、下記式(1)で示される化合物であることが好ましい。
uMvNxOyCz ・・・(1)、
「式中、M、Mはそれぞれ異なる金属元素であり、u、vは、0≦u、vであり、u+v=1を満たすとき、x、y、zは、0≦x、y、zであり、バリア層では、x>0.6、y+z<0.2の関係を満たし、応力緩和層では、x<0.2、y+z>0.6の関係を満たす。」
式(1)において、窒素(N)の比率が高い化合物は、密度の高い緻密な膜を形成しやすい。そのため、水分・ガスバリア性の高い膜となるためバリア層の材料として適している。
一方、式(1)において、窒素(N)の比率が低い化合物は、膜の緻密性は低下するものの、内部応力の小さい膜が形成しやすいため、応力緩和層の材料として適している。
例えば、Siは密度が3.1g/cmであり、バリア性の高い膜を形成する。一方、SiOは密度が2.2g/cmであり、バリア性は低下するものの内部応力は小さい膜となる。SiOyNxは、これらの中間的な密度を有し、x、yを変化させることによってバリア性と内部応力を調整できる。
また、金属酸化物は、下記式(2)で示される化合物からなることも好ましい。
・・MO ・・・(2)
「式中、M、M・・Mはそれぞれ異なる金属元素であり、前記バリア層ではnは2以上の整数であり、前記応力緩和層ではnは1である。」
上記A,Mで表される金属の好ましいものとしては、Si、Al、Zn、Ti及びBを挙げることができる。また、合金としては、SiとZnの合金、SiとAlの合金及びZnとAlの合金を上げることができる。
無機材料として、炭素を含む非晶性化合物、例えば、ダイアモンド炭素、窒化炭素(CNx)も好ましく使用できる。
これらの無機材料の、製膜したときに生じる内部応力の方向性を考慮して、バリア層及び応力緩和層として使用する無機材料を選定する。
図8は、無機材料の有する内部応力の方向性を評価する方法を説明するための図である。
測定用基板31上に、無機材料層32を形成したときに生じる反りの方向によって内部応力の発生方向を定義する。無機材料層32を形成した面の方向に凹型の反りが生じた場合を引張り性応力とし、+と表記する(図8(b))。一方、無機材料層32を形成した面の方向に凸型の反りが生じた場合を圧縮性応力とし、−と表記する(図8(c))。
尚、測定用基板31としては、Si基板等を使用すればよい。
内部応力は、基板上の成膜前後の基板の反りの変化を光学的に検出することにより算出する。具体的には、薄膜の内部応力σは下記のStoneyの式より計算できる。
Figure 2005099311
(式中、E/(1−ν)は測定用基板の2軸弾性係数、hは測定用基板の厚み、tは成膜した薄膜の厚み、Rは測定用基板の成膜による反りの曲率半径である。)
試験片の長さをL、撓みをδとすると、Rは幾何学的にR=L/(2δ)であるから、上記式は
Figure 2005099311
と変形できる。撓みδを光学的に検出することにより内部応力σを測定できる。
尚、この測定方法は、例えば、「応力・ひずみ測定評価技術」((株)総合技術センター発行)に記載されている。
本発明において、バリア膜、即ち、バリア層及び応力緩和層の総内部応力の絶対値は200MPa以下であることが好ましく、50MPa以下であることが特に好ましい。絶対値が200MPaを超えると、バリア膜の剥離やクラックが発生しやすくなる。
絶対値を200MPa以下とするには、例えば、圧縮応力を有する膜と引張り応力を有する膜を組合せたり、圧縮又は引張りを問わず内部応力の小さい膜を組合せることで、バリア膜全体の内部応力を小さくすることが考えられる。
バリア膜としての膜厚は300nm〜2μm、好ましくは500nm〜1.5μmである。300nm未満では、異物を包埋できないため、ダークスポットの発生を充分に抑制できないおそれがある。一方、2μmを越えると、成膜に要する時間が長くなり、生産性の面より適さない。
尚、バリア膜を構成するバリア層及び応力緩和層の各膜厚は、内部応力の値等により適宜調整する。
バリア膜は、気相成長法により形成できる。気相成長法には、DCスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ法、RFスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法、ECRスパッタ等のスパッタ法、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法等の真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等がある。
スパッタ法でバリア膜を形成する場合は、不活性ガスとしてAr,He等、ターゲットとして上述した無機材料を使用すればよい。
反応性DCスパッタでバリア膜を形成する場合は、不活性ガスとしてAr,He等、反応性ガスとしてN,O,NH,H,CH、ターゲットとして各種金属(Si,Al,Si−Al等)使用すればよい。
プラズマCVDでバリア膜を形成する場合の原料ガスには、例えば、Si源として、SiH(シラン),Si(ジシラン),Si(OC(テトラエトキシシラン(TEOS))、O源として、O、N源として、N,NH、C源として、CO,CO、C−O源として、CO,CO、N−O源として、NO,NO,NOを使用すればよい。
上記第一及び第二発明で使用する支持基板、有機EL素子、色変換層は、特に限定されず、通常のものを使用できる。これら部材について以下に説明する。
支持基板の材料としては、例えば、ガラス板、金属板、セラミックス板又はプラスチック板(例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂)等が挙げられる。
有機EL素子は、発光層と、これを挟持する第1及び第2の電極とにより構成されている。第1及び第2の電極はいずれが陽極又は陰極であってもよい。
発光層の発光材料としては、例えば、p−クオーターフェニル誘導体、p−クィンクフェニル誘導体、ベンゾジアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、金属キレート化オキシノイド化合物、オキサジアゾール系化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、ブタジエン系化合物、ナフタルイミド化合物、ペリレン誘導体、アルダジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、8−キノリノール誘導体を配位子とする金属錯体、ポリフェニル系化合物等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。
尚、発光層の他に、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層等を形成してもよい。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい材料が好ましく、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム銅(CuIn)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アンチモン(Sb23、Sb24、Sb25)、酸化アルミニウム(Al23)等の一種単独、又は、二種以上の組合せを用いることができる。
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、セシウム、マグネシウム、リチウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、インジウム、希土類金属、これら金属と有機発光媒体材料との混合物、及び、これらの金属と電子注入層材料との混合物等からなる電極材料を一種単独、又は、二種以上組み合わせて使用することが好ましい。
有機EL素子が発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層としては、(1)カラーフィルタ単独の場合、(2)蛍光媒体単独の場合、又は、(3)カラーフィルタと蛍光媒体とを組み合わせた場合の三通りの場合が挙げられる。
カラーフィルタは、光を分解又はカットして色調整又はコントラストを向上させる機能を有する。
カラーフィルタの材料としては、例えば、下記色素又は、当該色素をバインダー樹脂中に溶解又は分散させた固体状態のものを挙げることができる。
赤色(R)色素:
ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料ジケトピロロピロール系顔料等の単品及び少なくとも二種類以上の混合物が使用可能である。
緑色(G)色素:
ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料、ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料、トリフェルメタン系塩基性染料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等の単品及び少なくとも二種類以上の混合物が使用可能である。
青色(B)色素:
銅フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等の単品及び少なくとも二種類以上の混合物が使用可能である。
カラーフィルタの材料のバインダー樹脂としては、透明な(可視光領域における透過率50%以上)材料を使用することが好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂(高分子)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合使用が可能である。
蛍光媒体は、有機EL素子の発光を吸収して、より長波長の蛍光を発光する機能を有する。
蛍光媒体の材料は、例えば、蛍光色素及び樹脂、又は蛍光色素のみからなり、蛍光色素及び樹脂は、蛍光色素を顔料樹脂及び/又はバインダ−樹脂中に溶解又は分散させた固形状態のものを挙げることができる。
具体的な蛍光色素について説明すると、有機EL素子における近紫外光から紫色の発光を青色発光に変換する蛍光色素としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン(以下Bis−MBS)、トランス−4,4′−ジフェニルスチルベン(以下DPS)等のスチルベン系色素、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(以下クマリン4)等のクマリン系色素が挙げられる。
有機EL素子における青色、青緑色又は白色の発光を緑色発光に変換する場合の蛍光色素については、例えば、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフロルメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン(以下クマリン153)、3−(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン6)、3−(2′−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン7)等のクマリン色素、その他クマリン色素系染料であるベ−シックイエロ−51、また、ソルベントイエロ−11、ソルベントイエロ−116等のナフタルイミド色素が挙げられる。
有機EL素子における青色から緑色までの発光、又は白色の発光を、橙色から赤色までの発光に変換する場合の蛍光色素については、例えば、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(以下DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パ−クロレ−ト(以下ピリジン1)等のピリジン系色素、ロ−ダミンB、ロ−ダミン6G等のロ−ダミン系色素、その他にオキサジン系色素、ベーシックバイオレット11、クマリン6等が挙げられる。
バインダー樹脂については、カラーフィルタと同様のバインダー樹脂を使用できる。
この他、支持基板、有機EL素子、色変換層等の構成部材については、国際公開第02/017689号公報、国際公開第03/043382号公報、国際公開第03/069957号公報、国際出願JP03/02798号、特願2002−301852号公報等に記載されているものを用いることができる。
[実施例]
実施例1
この実施例では、支持基板1上にTFT(図示せず)、有機EL素子2及びバリア膜3を順次形成し、図1(a)に示す層構成の有機EL表示装置(トップエミッション、TFTアクティブタイプ)を作製した。
(1)TFTの作製
図9(a)〜(i)は、ポリシリコンTFTの形成工程を示す図である。また、図10は、ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す回路図であり、図11はポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す平面透視図である。
まず、112mm×143mm×1.1mmのガラス基板1(OA2ガラス、日本電気硝子(株)製)上に、減圧CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition、LPCVD)等の手法により、α−Si層40を積層した(図9(a))。次に、KrF(248nm)レーザ等のエキシマーレーザをα−Si層40に照射して、アニール結晶化を行い、ポリシリコンとした(図9(b))。このポリシリコンを、フォトリソグラフィにより、アイランド状にパターン化した(図9(c))。得られたアイランド化ポリシリコン41及び基板1の表面に、絶縁ゲート材料42を化学蒸着(CVD)等により積層して、ゲート酸化物絶縁膜42とした(図9(d))。次に、ゲート電極43を、蒸着又はスパッタリングで成膜して形成し(図9(e))、ゲート電極43をパターニングするとともに、陽極酸化を行った(図9(f)〜(h))。さらに、イオンドーピング(イオン注入)により、ドーピング領域を形成し、それにより活性層を形成して、ソース45及びドレイン47とし、ポリシリコンTFTを形成した(図9(i))。この際、ゲート電極43(及び図10の走査電極50、コンデンサー57の底部電極)をAl、TFTのソース45及びドレイン47をn+型とした。
次に、得られた活性層上に、層間絶縁膜(SiO)を500nmの膜厚でCRCVD法にて形成した後、信号電極線51及び共通電極線52、コンデンサー上部電極(Al)の形成と、第2のトランジスタ(Tr2)56のソース電極と共通電極との連結、第1のトランジスタ(Tr1)55のドレインと信号電極との連結を行った(図10、図11)。各TFTと各電極の連結は、適宜、層間絶縁膜SiOを弗酸によるウエットエッチングにより開口して行った。
次に、CrとITOを順次、スパッタリングにより、それぞれ2000Å、1300Åで成膜した。この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士フィルムアーチ製)をスピンコートし、90μm×320μmのドット状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得た。
次に、47%臭化水素酸からなるITOエッチャントにて、露出している部分のITOをエッチングし、次に硝酸セリウムアンモニウム/過塩素酸水溶液(HCE:長瀬産業製)にて、Crをエッチングした。次に、レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、Cr/ITOパターン(陽極)を得た。
この際、Tr2 56と陽極10が開口部59を介して接続された(図11)。
次に、第二の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト(V259BK:新日鉄化学社製)をスピンコートし、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像した。次に、180℃でベークして、Cr/ITOのエッジを被覆した(ITOの開口部が70μm×200μm)有機膜の層間絶縁膜を形成した(図示せず)。
(2)有機EL素子の作製
このようにして得られた層間絶縁膜付き基板を純水及びイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、Airブローにて乾燥後、UV洗浄した。
次に、TFT基板を、有機蒸着装置(日本真空技術製)に移動し、基板ホルダーに基板を固定した。尚、予め、それぞれのモリブテン製の加熱ボートに、正孔注入材料として、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)、発光材料のホストとして、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)、ドーパントとして、1,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノスチリルベンゼン)](DPAVB)、電子注入材料及び陰極として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)とLiをそれぞれ仕込み、さらに陰極の取出し電極としてIZO(前出)ターゲットを別のスパッタリング槽に装着した。
その後、真空槽を5×10−7torrまで減圧にしたのち、以下の順序で正孔注入層から陰極まで途中で真空を破らず一回の真空引きで順次積層した。
まず、正孔注入層としては、MTDATAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚160nm及び、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、有機発光層としては、DPVBiとDPAVBをそれぞれ蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、蒸着速度0.03〜0.05nm/秒を共蒸着して膜厚50nm、電子注入層としては、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、さらに、陰極として、AlqとLiをそれぞれ蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、0.005nm/秒で共蒸着し、膜厚を20nmとした。
次に、基板をスパッタリング槽に移動し、陰極の取り出し電極としてITOを、成膜速度0.1〜0.3nm/秒で、膜厚200nmとし、有機EL素子を作製した。
(3)バリア膜の作製
次に、有機EL素子の陰極上にバリア膜として、IZOをターゲットとしてDCマグネトロン方式によりバリア膜を成膜した。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.7kWで、500nmの厚膜とした。成膜時間は50分であった。同一装置にて、RFマグネトロン方式でSiOを同一膜厚成膜する場合、250分を要することから、本発明が量産性に適していることが判る。このようにEL封止膜としてバリア膜を形成した後、外部からの物理的な接触防止のために、有機EL素子を完全に覆うようにガラス蓋を基板に紫外線硬化接着剤を用い、紫外線を照射し接着した。
尚、成膜したIZO膜組成はX線光電子分光(XPS)法を用いて原子組成を求めたところ、In/Zn/O(36/5/59)(5×10−4Ω・cm)であった。
(4)有機EL表示装置の信頼性評価
このようにして、アクティブ有機EL表示装置を作製し、その陽極(ITO/Cr)と陰極(ITO)にDC7Vの電圧を印加(陽極:(+)、陰極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。尚、バリア膜はIZOであり陰極と密着しており電気的に接続されている。
次に、本装置について、85℃保存試験を500時間実施し、発光画素領域の縮小率を顕微鏡観察にて、測定したところ、2%であり、耐久性に優れた有機EL表示装置が得られたことを確認した。
縮小率(%)=(試験前の発光画素面積−試験後の発光画素面積)
×100/試験前の発光画素面積
また、同時にダークスポット(DS)として30μm径以上の個数を4mm角の面積で表示領域の中央及び4隅の合計5箇所より計測し、平均数を算出したところ、0.2個であった。
(5)水蒸気透過度の測定
水蒸気透過度をJIS K7129に基づき実施した。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上面に本実施例で使用したバリア膜を成膜し、試料とした。JIS K7129に示された方法に従い測定したところ、0.001g/m・24hrの測定限界以下であった。有機EL表示において、充分な性能であることが確認できた。
実施例2
実施例1において、導入するガスを酸素濃度10%のArとの混合ガスとした以外は同一条件にて成膜した。膜の組成はIZO(In/Zn/O=27/3/70)(1×10Ω・cm)であった。信頼性評価の結果を表1に示す。
実施例3〜8
実施例1において、バリア膜を以下に示す組成で形成した以外は、同一条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例3: ITO(In/Sn/O=37/3/60)
(7×10−4Ω・cm)
実施例4: IZWO
(In/Zn/W/O=34.4/6.6/0.2/58.8)
(8×10−4Ω・cm)
実施例5: TiN(Ti/N=52/48)(6×10−3Ω・cm)
実施例6: ZrC(Zr/C=60/40)(8×10−3Ω・cm)
実施例7: LaB(La/B=55/45)(7×10−2Ω・cm)
実施例8: ZnS(Zn/S=60/40)(5×10−2Ω・cm)
比較例1
実施例1において、バリア膜としてSiOをターゲットとして、RFマグネトロン方式によるスパッタ成膜を行い、スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.2kWで、500nmの厚さで成膜したこと以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。成膜時間は250分であった。バリア膜の原子組成はSi/O=35/65であった。
その結果、発光画素領域の縮小率は50%であり、実施例に比べ、有機EL表示装置の耐久性が顕著に劣った。また、DSの発生は信頼性評価後で数十個であった。
実施例9
実施例1において、IZOからなるバリア膜(500nm)の上に、絶縁膜としてSiOターゲットにNガスを導入し、RFマグネトロン方式によるスパッタ成膜を行い、スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.2kWで、150nmの厚さで成膜したこと以外は、同一条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。IZO膜の原子組成はIn/Zn/O=36/5/59、SiON膜の原子組成はSi/N/O=50/40/10であった。
実施例10
実施例9において、バリア膜と絶縁膜の構成を以下に示すように変えた以外は、同一条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。
この実施例では、先に絶縁膜(SiON)(150nm)を形成し、その後導電膜(IZO)(500nm)を形成した。SiON膜の原子組成はSi/N/O=50/40/10、IZO膜の組成はIn/Zn/O=36/5/59であった。
実施例11
実施例9において、バリア膜と絶縁膜の構成を以下に示すように変えた以外は、同一条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。
この実施例では、絶縁膜(SiON)(Si/N/O=50/40/10)(150nm)、導電膜(バリア膜)(IZO)(In/Zn/O=36/5/59)(500nm)、絶縁膜(SiON)(Si/N/O=50/40/10)(150nm)の三層構成にした。
表1に示されるように、実施例9〜11では、導電膜による厚膜化と絶縁膜との積層化により、バリア性能が向上した。
実施例12
この実施例では、図2に示す層構成の有機EL表示装置(ボトムエミッション、パッシブタイプ)を作製した。
(1)パッシブ型有機EL素子の作製
102mm×133mm×1.1mmの支持基板(透明基板)(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、IZO(インジウム亜鉛酸化物)をスパッタリングにより200nm膜厚で成膜した。
次に、この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士オーリン製)をスピンコートし、陰極の取り出し部と90μmライン、20μmギャップのストライプ状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得た。
次に、5%蓚酸水溶液からなるIZOエッチャントにて、露出している部分のIZOをエッチングした。次に、レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、IZOパターン(下部電極:陽極、ライン数960本)を得た。
次に、第一の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト(V259PA:新日鉄化学社製)をスピンコートし、パターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像した。次に、160℃でベークして、IZOのエッジを被覆した(IZOの開口部が70μm×290μm)層間絶縁膜を形成した。
次に、第二の層間絶縁膜(隔壁)として、ネガ型レジスト(ZPN1100:日本ゼオン製)をスピンコートし、20μmライン、310μmギャップのストライプパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光後、さらに露光後ベークを行なった。次に、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液でネガレジストを現像し、IZOストライプに直交した有機膜の第二の層間絶縁膜(隔壁)を形成した。
このようにして得られた基板を純水およびイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、Airブローにて乾燥後、UV洗浄した。
次に、基板を有機蒸着装置(日本真空技術製)に移動し、基板ホルダーに基板を固定した。なお、あらかじめ、それぞれのモリブテン製の加熱ボートに、正孔注入材料として、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)、発光材料として、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)、電子注入材料として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)をそれぞれ仕込み、さらに陰極としてAlLi合金(Li濃度:10atm%)をタングステン製フィラメントに装着した。
その後、真空槽を5×10−7torrまで減圧にしたのち、以下の順序で正孔注入層から陰極まで途中で真空を破らず一回の真空引きで順次積層していった。
まず、正孔注入層としては、MTDATAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚60nmおよび、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、有機発光層としては、DPVBiを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚50nm、電子注入層としては、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、で蒸着し、さらに陰極としては、AlとLiを、それぞれ蒸着速度0.5〜1.0nm/秒で蒸着し、膜厚を150nmとした。なお、有機層(正孔注入層〜電子注入層まで)は、マスク蒸着したが、陰極は先に形成したIZO取り出し電極に接続できるようにマスク蒸着した。陰極は、先に基板上に作製した隔壁により、自動的に分離されたパターン(ライン数240本)となっていた。
(2)絶縁膜とバリア膜の作製
次に、有機EL素子の陰極上に、絶縁膜としてSiOターゲットにNガスを導入し、RFマグネトロン方式によるスパッタ成膜を行い、スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.2kWで、150nmの厚さで成膜し、次に、バリア膜として、IZOをターゲットとしてDCマグネトロン方式によりバリア膜を成膜した。バリア膜はスパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.7kW、導入ガスを酸素濃度10%のArとの混合ガスとし、500nmの厚膜とした。さらに有機EL素子を完全に覆うようにガラス蓋を基板に紫外線硬化接着剤を用い、紫外線を照射し接着した。SiON膜の原子組成はSi/N/O=50/40/10、IZO膜の原子組成はIn/Zn/O=27/3/70(高抵抗)であった。
このようにして、陽極と陰極がXYマトリックスを形成してなるフルカラー有機EL表示装置(開口率56%)を作製し、その陽極と陰極にDC7Vの電圧を印加(陽極:(+)、陰極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。
次に、本装置について、85℃保存試験を500時間実施し、発光画素領域の縮小率を顕微鏡観察にて、測定したところ、2%であり、耐久性に優れた有機EL表示装置が得られたことを確認した。また、DSの発生数は信頼性評価後で0.2個であった。
実施例13
実施例12において、絶縁膜とバリア膜を以下に示す組成で形成した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。
絶縁膜: SiON(Si/N/O=50/40/10)
バリア膜: TiN(Ti/N=52/48)
実施例14
実施例12において、支持基板として、以下のバリア膜付き支持基板を用いた以外は、同一条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表1に示す。
102mm×133mmに切り出したポリエーテルサルフォン(住友ベークライト社製)(厚み300μm)基板にバリア膜として、IZOをターゲットとしてDCマグネトロン方式により成膜した。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.7kW、導入ガスを酸素濃度10%のArとの混合ガスとし、500nmの厚膜とした。その後、同一装置内にて、絶縁膜として、SiOをターゲットとしてRFマグネトロン方式によるスパッタ成膜を行った。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.2kWで、150nmの厚さで成膜した。これにより、バリア膜付き支持基板を得た。
バリア膜: IZO(In/Zn/O=27/3/70)(高抵抗)
絶縁膜: SiO(Si/O=35/65)
Figure 2005099311
実施例15
この実施例では、支持基板1上に色変換層6、バリア膜3及び有機EL素子2を順次形成し、図3に示す層構成の有機EL表示装置(ボトム・エミッション、パッシブタイプ)を作製した。
(1)色変換膜の作製
102mm×133mm×1.1mmの支持基板(透明基板)(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、ブラックマトリックス(BM)の材料としてV259BK(新日鉄化学社製)をスピンコートし、格子状のパターンになるようなフォトマスクを介して紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、ブラックマトリックス(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、青色カラーフィルタの材料として、V259B(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、緑色カラーフィルタの材料として、V259G(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタの隣に緑色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、赤色カラーフィルタの材料として、V259R(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフィルタと緑色カラーフィルタの間に赤色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成した。
次に、緑色蛍光媒体の材料として、0.04mol/kg(対固形分)となる量のクマリン6をアクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製)に溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、緑色カラーフィルタ上を紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラーフィルタ上に緑色変換膜のパターン(膜厚10μm)を形成した。
次に、赤色蛍光媒体の材料として、クマリン6:0.53g、ベーシックバイオレット11:1.5g、ローダミン6G:1.5g、アクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製):100gに溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、赤色カラーフィルタ上を紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、180℃でベークして、赤色カラーフィルタ上に赤色変換膜のパターン(膜厚10μm)を形成し、色変換基板を得た。
平坦化膜として、アクリル系熱硬化性樹脂(V259PH:新日鉄化学製)を先の基板上にスピンコートし、180℃でベークして平坦化膜(膜厚12μm)を形成した。
(2)絶縁膜とバリア膜の作製
次に、平坦化膜上にバリア膜として、IZOをターゲットとしてDCマグネトロン方式によりバリア膜を成膜した。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.7kWで、500nmの厚膜とした後、導入するガスを酸素濃度を10%の混合ガスとして、IZO高抵抗層を150nm連続成膜した。その後、同一装置内にて、絶縁膜として、SiOをターゲットとしてRFマグネトロン方式によるスパッタ成膜を行った。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.2kWで、150nmの厚さで成膜した。これにより、色変換基板を得た。膜の原子組成は、IZO膜In/Zn/O=36/5/59、IZO高抵抗層In/Zn/O=27/3/70、SiO膜Si/O=35/65であった。
(3)パッシブ型有機EL素子の作製
実施例12と同一方法にて有機EL素子を色変換基板上に作製した。
次に、本装置について、85℃保存試験を500時間実施し、発光画素領域の縮小率を顕微鏡観察にて、測定したところ、2%であり、耐久性に優れた有機EL表示装置が得られたことを確認した。
また、DSの発生数は信頼性評価後で0.2個であった。
実施例16〜18
実施例15において、バリア膜と絶縁膜を以下に示す組成で形成した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。結果を表2に示す。
実施例16: IZWO(In/Zn/W/O=34.4/6.6/0.2/
58.8)、SiON(Si/N/O=50/40/10)
実施例17: TiN(Ti/N=52/48)、アルミホウケイ酸ガラス
実施例18: LaB(La/B=55/45)、SiON(Si/N/O=
50/40/10)
比較例2
実施例15において、バリア膜を形成しなかったこと以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、信頼性評価を実施した。
その結果、発光画素領域の縮小率は100%であり、実施例に比べ、有機EL表示装置の耐久性が顕著に劣った。
Figure 2005099311
実施例19
この実施例では、支持基板1上にTFT(図示せず)、有機EL素子2及びバリア膜3を順次形成し、図4又は図5に示す層構成の有機EL表示装置(トップエミッション、TFTアクティブタイプ)を作製した。
尚、TFTの作製及び有機EL素子の作製は、実施例1の(1)及び(2)と同様にした。
・バリア膜の作製
有機EL素子上にバリア膜として、SiをターゲットとしてArガスに酸素及び窒素ガスとの混合ガスを流し、DCマグネトロンによる反応性スパッタを用いて成膜した。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力1.0kW一定で、酸素ガスと窒素ガスの混合割合を変化させることにより、内部応力を制御した。開始時の条件として酸素ガス20%、窒素ガス5%として600nm成膜した。その後、酸素ガス5%、窒素ガス20%として200nm成膜した。
X線光電子分光(XPS)による深さ方向による元素分析を行い、原子分率として基板側より600nmの層はSi:O:Nが1:1.5:0.3、その外側200nmは1:0.2:0.7であった。酸素を多く含んだ基板側の層が応力緩和層となっている。
このようにEL封止膜としてバリア膜を形成した後、外部からの物理的な接触防止のために、有機EL素子を完全に覆うようにガラス蓋を、基板に紫外線硬化接着剤を用い、紫外線を照射して接着した。
このようにして、アクティブ有機EL表示装置を作製し、その陽極(ITO/Cr)と陰極(ITO)にDC7Vの電圧を印加(陽極:(+)、陰極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。
このアクティブ有機EL表示装置について、実施例1と同様にして画素縮小率及びダークスポット発生状況を測定した。さらに、バリア膜の内部応力を以下の方法で測定した。
・バリア膜の内部応力の測定方法
図8を用いて説明した測定方法によって、バリア膜の内部応力を測定した。測定試料は、色変換基板のバリア膜形成時に、内部応力測定用基板であるSi基板を併置し、同時に成膜することにより、Si基板上にバリア膜を形成して作製した。
このSi基板に生じた反りを、試験片の撓みδを光学的に検出することにより、内部応力を算出した。
実施例19及び後述する実施例20−28及び比較例3,4について、バリア膜の組成、成膜方法及び成膜条件を表3に示す。また、上記評価の結果を表4に示す。
Figure 2005099311
Figure 2005099311
実施例20
実施例19において、バリア層の成膜を窒素ガス20%、酸素ガス0%として200nm成膜した以外は、同一条件にて有機EL表示装置を作製し、評価した。表4に示すように評価結果は良好であった。
比較例3
実施例19において、混合ガスとして、Arガスをベースに酸素ガス5%、窒素ガス20%を流して、膜厚800nm成膜したこと以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
その結果、発光画素領域の縮小率は60%であり、実施例19にて作製した膜と比べて劣っていた。電子顕微鏡で観察したところ、微小なクラックが部分的に発生していることが分かった。
同時成膜したSi基板の膜サンプルを用いて内部応力を測定したところ、300MPaであった。
実施例21
実施例19において、バリア膜を下記に示すRFスパッタ法で成膜した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
バリア膜の作製
有機EL素子上にバリア膜として、SiOをターゲットとし、Arガスを導入してRFマグネトロンスパッタを用いて、スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.5kWで600nm成膜した。その後、同一装置内にてコーニング1737をターゲットとして、スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力0.5kWで200nm成膜した。
また、XPSによる深さ方向による元素分析を行い、原子分率として基板側より600nmの層はSi:Oが1:1.7、その外側200nmはSi:Al:B:Oが0.7:0.2:0.1:1.9であった。金属を1元素しか含まない層が応力緩和層となっている。
表4に示すように評価結果は良好であった。
実施例22
実施例21において、バリア層として、SiAlONをターゲットとして、RFスパッタを行った以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
表4に示すように評価結果は良好であった。
実施例23
実施例19において、応力緩和層を以下に示す方法で成膜した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
バリア膜の作製
有機EL素子上にバリア膜として、プラズマCVD法で成膜した。原料ガスとしてSiHガス、窒素ガス、NOガスの混合ガスを流し、成膜出力100W一定で、窒素ガスとNOガスの混合割合を変化させることにより、内部応力を制御した。開始時の条件としてSiHガス30%、酸素ガス70%として800nm成膜した。その後、SiHガス15%、窒素ガス85%として200nm成膜した。
また、XPSによる深さ方向による元素分析を行い、原子分率として基板側より800nmの層はSi:Oが1:1.5、その外側200nmはSi:Nが1:0.7であった。酸素を多く含んだ基板側の層が応力緩和層となっている。
表4に示すように評価結果は良好であった。
実施例24〜27
実施例23において、表5のとおり、原料ガス、応力緩和層の膜厚を代えて成膜した。
表4に示すように評価結果は良好であった。
Figure 2005099311
比較例4
実施例23において、SiHガス15%、窒素ガス85%、として800nm成膜したこと以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価を実施した。
その結果、発光画素領域の縮小率は80%であり、実施例23にて作製した膜と比べて劣っていた。電子顕微鏡で観察したところ、微小なクラックが部分的に発生していることが分かった。
同時成膜したSi基板の膜サンプルを用いて内部応力を測定したところ、400MPaであった。
実施例28
実施例24において、支持基板をプラスチックフィルム基板であるポリエーテルサルフォン(住友ベークライト社製)とし、バリア膜の層厚を変えた以外は、同一条件にて有機EL表示装置を作製し、評価を実施した。
表4に示すように評価結果は良好であった。
実施例29
(1)色変換層の作製
実施例15と同様にした。
(2)バリア膜の作製
平坦化膜上にバリア膜として、SiをターゲットとしてArガスに酸素及び窒素ガスとの混合ガスを流し、DCマグネトロンによる反応性スパッタを用いて成膜した。スパッタ圧0.2Pa、スパッタ出力1.0kW一定で、酸素ガスと窒素ガスの混合割合を変化させることにより、内部応力を制御した。開始時の条件として酸素ガス20%、窒素ガス5%として600nm成膜した。その後、酸素ガス5%、窒素ガス20%として200nm成膜した。これにより、色変換基板を得た。
X線光電子分光(XPS)による深さ方向による元素分析を行い、原子分率として基板側より500nmの層はSi:O:Nが1:1.5:0.3、その外側150nmは1:0.2:0.7であった。酸素を多く含んだ基板側の層が応力緩和層となっている。
(3)パッシブ型有機EL表示装置の作製
(2)で作製した色変換基板上に、実施例12(1)と同一方法にて有機EL素子を作製した。その後、実施例1と同様にして画素縮小率及びダークスポット発生状況を測定した。
(4)水蒸気透過度の測定
実施例19と同様にして水蒸気透過度を測定したところ、0.001g/m・24hrの測定限界以下であった。有機EL表示において、充分な性能であることが確認できた。
実施例29及び後述する実施例30−32について、バリア膜の組成、成膜方法及び成膜条件を表6に示す。また、評価結果を表7に示す。
Figure 2005099311
Figure 2005099311
実施例29で作製した有機EL表示装置では、有機EL素子作製のための工程である陽極成膜、パターニング工程においても、バリア膜にクラック、剥離を生ずることがなかった。
実施例30
実施例29において、バリア膜を実施例21と同じ条件で平坦化膜上に成膜した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
表7に示すように評価結果は良好であった。
実施例31
実施例29において、バリア膜を実施例23と同じ条件で平坦化膜上に成膜し、応力緩和層の膜厚を1000nmとした以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
表7に示すように評価結果は良好であった。
実施例32
実施例29において、バリア膜を実施例25と同じ条件で平坦化膜上に成膜した以外は、同一の条件にて、有機EL表示装置を作製し、評価した。
表7に示すように評価結果は良好であった。
実施例30−32で作製した有機EL表示装置では、有機EL素子作製のための工程である陽極成膜、パターニング工程においても、バリア膜にクラック、剥離を生ずることがなかった。
本発明の有機EL表示装置は、民生用及び工業用のディスプレイ、具体的には、携帯電話、PDA、カーナビ、モニター、TV等に使用できる。

Claims (30)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する、導電膜を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 有機エレクトロルミネッセンス素子、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、及び
    前記色変換層を封止する、導電膜を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  3. 支持基板、
    前記支持基板上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子、及び
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基板の反対側、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子と支持基板の間に形成された、導電膜を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  4. 支持基板、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、
    導電膜を含むバリア膜、及び
    有機エレクトロルミネッセンス素子
    をこの順に含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 前記バリア膜の導電膜と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極とが離間する構成である請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  6. 前記導電膜と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極との間に、絶縁膜が介在する請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  7. 前記絶縁膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物及びカルコゲナイドから選択される少なくとも1つから形成されている請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  8. 前記導電膜が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極と異なる物質から形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  9. 前記導電膜が、非結晶性物質から形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  10. 前記導電膜が、酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、ホウ化物及びカルコゲナイドから選択される少なくとも1つから形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  11. 前記導電膜が、In、Zn、Sn、W、Zr及びTaから選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物から形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  12. 前記導電膜の比抵抗が10Ω・cm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  13. 前記支持基板が、プラスチック基板である請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  14. 前記バリア膜が、気相成長法により形成される請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  15. 前記気相成長法が、スパッタ法である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  16. 有機エレクトロルミネッセンス表示装置がアクティブ駆動型であり、前記導電膜が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子のバリア膜側の電極と電気的に接続されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  17. 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する、応力緩和層を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 有機エレクトロルミネッセンス素子、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、及び
    前記色変換層を封止する、応力緩和層を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  19. 支持基板、
    前記支持基板上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子、及び
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基板の反対側、及び/又は前記有機エレクトロルミネッセンス素子と支持基板の間に形成された、応力緩和層を含むバリア膜、
    を含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  20. 支持基板、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層、
    応力緩和層を含むバリア膜、及び
    有機エレクトロルミネッセンス素子
    をこの順に含んでなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  21. 前記応力緩和層を含むバリア膜が、気相成長法により形成される請求項17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  22. 前記気相成長法が、スパッタリング法又は化学蒸着法(CVD法)である請求項21に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  23. 前記応力緩和層を含むバリア膜が、無機金属化合物を含む請求項17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  24. 前記無機金属化合物が、酸化物、窒化物、炭化物、窒化酸化物、炭化酸化物又は炭化窒化物である請求項23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  25. 前記無機金属化合物が、下記式(1)で示される化合物からなる請求項23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    uMvNxOyCz ・・・(1)
    「式中、M、Mはそれぞれ異なる金属元素であり、u、vは、0≦u、v≦1、u+v=1を満たすとき、x、y、zは、0≦x、y、zであり、前記バリア層では、x>0.6、y+z<0.2の関係を満たし、前記応力緩和層では、x<0.2、y+z>0.6の関係を満たす。」
  26. 前記無機金属化合物が、下記式(2)で示される化合物からなる請求項23に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    ・・MO ・・・(2)
    「式中、M、M・・Mはそれぞれ異なる金属元素であり、前記バリア層ではnは2以上の整数であり、前記応力緩和層ではnは1である。」
  27. 前記無機金属化合物の金属が、Si、Al及びZnから選択される元素を少なくとも一つ含有する請求項24〜26のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  28. 前記応力緩和層を含むバリア膜が、炭素を含む非晶性膜である請求項17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  29. 前記応力緩和層を含むバリア膜の内部応力の絶対値が200MPa以下である請求項17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  30. 前記支持基板がプラスチック基板である請求項17〜20のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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