JPWO2005092195A1 - ヒール効果補正フィルタ、x線照射装置、x線ct装置及びx線ct撮像方法 - Google Patents

ヒール効果補正フィルタ、x線照射装置、x線ct装置及びx線ct撮像方法 Download PDF

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Abstract

ヒール効果によって不均一になるX線束の照射強度分布を均一にして、被検体への必要以上の被ばくを防ぐ。さらには、X線CT装置による画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にする。陰極から陽極に熱電子ビーム束を照射して陽極で発生するX線束を被検体に向け照射する際に、X線束が陽極から被検体の体幅方向に広がりつつヒール効果によって体軸線方向に略扇形に広がって形成されるX線束照射領域で、被検体の体軸線方向に不均一となるX線強度角度分布を均一とする厚さに形成されているヒール効果補正フィルタであって、この厚さは、所定の計算式によって求めることができる。

Description

本発明は、被検体にX線束を照射する際に、ヒール効果によるX線束のX線強度角度分布の不均一を均一に補正するヒール効果補正フィルタ及びX線照射装置並びにX線CT装置に関する。さらには、X線CT装置による画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にするヒール効果補正フィルタ、X線照射装置、X線CT装置及びX線CT撮像方法に関する。
一般に、X線発生装置は、陰極から陽極に向け熱電子ビーム束を照射し、陽極でX線束を発生する装置である。X線発生装置から発生するX線束を被検体に向け照射し、被検体を透過したX線束を所定の検出手段で検出すると、その透過部の断層状態の情報を得ることができる。また、X線断層撮像装置は、X線発生装置からX線束を被検体に向け照射し、被検体を透過したX線束を面状に配設した検出手段で検出し、その検出した情報に基づき作成した断層データを作成する装置であり、その断層データを見て断層の状態を診断するのに使用されている。
また、X線照射装置を使用する最も代表的な装置としてX線CT装置(以下、「CT(Computed Tomography)」という。)が知られている。CTは、例えば、X線照射装置と、シンチレータと半導体とを組み合わせた検出手段とで構成されているが、X線を検出できるものなら何でもX線照射装置と組み合わせてCTとして用いることが可能である。このようなX線CT装置において、シンチレータと半導体とを組み合わせた多数の検出器が被検体を挟むようにその体軸線周りを周回しながら被検体の体幅方向の断層を体軸線方向に連続的に撮像するX線診断装置である。
なお、体軸線方向と体幅方向とは直交する関係にあり、X線束の照射軸線は、体軸線方向と体幅方向とに直交している。
このCTはガントリーと寝台とを有し、ガントリーは薄い円筒状に形成されており、そのガントリーの中空部の中心軸線は熱電子線の入射軸線とX線束の照射軸線とを含む平面(以下、「軸平面」という。)と重なるように設定されている。寝台はX線束照射を受ける被検体の体軸線がガントリーの中心軸と重なるように、ガントリーの中空部内に進退可能に設けられている。さらに、ガントリーの内部にはX線管と、中空部を挟んだその対向位置に多数の検出器とがあり、両者が寝台に横たわって中空部に挿入された被検体の体軸線周りを一体に回転し、一方寝台もそれに伴い進退し、その間にX線管から照射されて被検体を透過したX線束を各検出器が検出して被検体の体軸線方向の所定長さにわたる断層データを得る。その断層データをコンピュータ解析して多数の断層の画像データを作成することで、被検体内の診断を行っている。
従って、被検体を透過して各検出器に入射するX線束の強度の相違から透過した断層部の状態が判定できるわけであるが、被検体の被ばくを軽減するためには、検出器が最低検知可能な範囲まで、X線束のX線強度角度分布をできるだけ低くすると共に、X線束強度の相違の幅をできるだけ狭くすることが好ましい。
なお、断層データとは、被検体を透過して各検出器に入射するX線束の強度の相違から被検体の断層部の状態を電気的なデータとして生成されたものである。
また、画像データとは、この断層データを画像として視覚的に表したデータである。
そこで、CTには被検体に対する過剰な被ばく量を少しでも少なくするために次の手段が講じられている。すなわち、例えば、被検体が人間(以下、「被検者」という。)である場合に、照射位置の被検者は、その体軸線方向に見た場合、体幅方向においてその中央部の厚さが最も厚く、両端部の厚さが最も薄くなっている。したがって、被検者の身体におけるX線束照射時のX線の吸収は、身体中央部が最も大きく、両端部に寄るほど少なくなる。そこで、そのような被検者の厚さの影響による体幅方向位置でのX線束の吸収の相違を補正して前記検出器が最低検知可能な範囲(以下「適正範囲」という)に納めるため、X線管と被検者間にウェッジフィルタを設けることが従来から行われている。このウェッジフィルタはアルミ材などからなり、その透過面は体軸線方向に見たその縦断面が照射軸線と軸対象な凹レンズ状となる凹円筒状の曲面になっている。これにより、凹円筒状のウェッジフィルタの厚さの薄い中央部分を透過した比較的強いX線が身体中央部に到達し、凹円筒状のウェッジフィルタの両端側の厚さの厚い部分を透過した比較的弱いX線が身体の薄い両端部に到達するので、X線束の強度がウェッジフィルタを透過する間に厚さの相違により相殺されて身体の厚みの変化に対応させている。
なお、ウェッジフィルタはX線検出器及び検出器と一体に回転するので、実際には被検者の体の断面を真円として設計することが行われている。
一方、被検者の体軸線方向へのX線束照射では、X線発生装置によってX線束を照射すると、熱電子ビーム束のビーム照射軸線とX線束の照射軸線とを含む軸平面上において、陽極から所定距離離れた照射軸線と直交する軸上でのX線強度角度分布がコーンアングル(略扇形状)になる、いわゆるヒール効果という現象が生じる。このヒール効果により、X線束のX線強度角度分布が体軸線方向に不均一な状態で被検者に照射される。すなわち、体軸線方向にわたる断層データを得る際は、被検者の身体の厚さを体軸線方向に均等とみなすので、その方向の照射量は均一でよく、従ってX線照射強度の強い部分が必要以上の照射量となってしまい、被検者の身体の一部に過剰な被ばくが生じることとなる。
しかしながら、従来からこのヒール効果による過剰な被ばくは考慮されておらず、また、透過したX線束を検出器で検出して得られる断層データが一部不鮮明となっていたが、鮮明な断層データを得るために、得られた断層データ自体を補正することによりヒール効果の影響をキャンセルしていたにすぎなかった。一例としては、被検者が寝台にいない状態であらかじめセンサーなどでX線束の照射範囲の各部位の強度分布を測定しておき、X線画像を得るたびに事前に得ておいたデータを参照して、その強度分布のばらつきをキャンセルするようにコンピュータプログラムで補正のみすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
最近になって、金属性のフィルタを介することによってX線を均一に照射するX線均一照射装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
具体的には、特許文献2に開示される発明は、ターゲットに電子線を照射することにより発生するX線をX線照射口から外部に出力するX線管と、そのX線管のX線照射口に装着され、当該X線間の照射口から出力されるX線の線量分布の測定結果に基づき、線量の強い部位ほど厚く形成された金属性のフィルタと、を有するX線均一照射装置である。
また、X線CT撮像において常に問題となるのが、アーチファクト(障害陰影)である。アーチファクトは、装置の故障、画像再構成系に起因するもの、スキャン状況など様々な要因によって、断層の画像データに虚像が入り込んでしまうものである。例えば、リングアーチファクトは検出器の不具合に起因し、ビームハードニングアーチファクトはX線束が被検体を透過する際にエネルギが吸収されることによる出射X線のエネルギの相違に起因すると言われている。アーチファクトの発生によって、断層の画像データに基づいて行われる被検体の診断精度などが低下する。
そこで、一度撮像した後にアーチファクトの種類、形状から発生源を特定して原因を取り除いたり、画像データをコンピュータプログラムで補正することによって、アーチファクトの発生を低減させる工夫がなされている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2000−079114号公報(段落0008〜0029、図2) 特開2004−214130号公報(請求項1) 辻岡 勝美、"X線CT装置の機器工学(5)−アーチファクト−"(PDFファイル)、p737、6.マルチスライスCTのコーン角によるアーチファクト、[online]、藤田保健衛生大学衛生学部、[平成17年3月16日検索]、インターネット<URL:http://www.fujita-hu.ac.jp/~tsujioka/education.html>
前記のようなX線束照射の現状において、現在最新のCTの検出器は16列(ガントリーの中空部の軸線方向に配列)が主流であるが、コンピュータプログラムにおけるX線画像の補正の高精度化等により、さらに、例えば、32、40、64、124列など、32列以上に多列化されることで、測定時間短縮、画像の高精度化、三次元画像化などの利点が期待される。同時に、被検体の体軸線方向への照射幅が増加する傾向にある。これにより、X線断層撮像装置などのX線発生装置を用いてX線束の照射を受ける被検体(例えば、病院における患者)を、ヒール効果による必要以上の被ばくがますます大きくなることが心配される。X線束を多量に照射させると被検体に多大な負担がかかり、繰り返しX線束を照射されるような場合には、被検者に思わぬ障害(障害には、発ガンや炎症などいろいろな病気を含む。)を発症させてしまうという恐れがある。
また、前記のようなX線CT装置の現状において、アーチファクトの発生源を特定して発生源を取り除いたり、画像データをコンピュータプログラムで補正したりすることは、CT撮像やデータ処理に時間がかかり、また、手間が増えるなどの問題があった。特に32列以上の検出器を備えたX線CT装置では非特許文献1にあるようにアーチファクトの問題が顕著になる。従って、32列以上の検出器を備えたX線CT装置の開発にあたり、X線CT撮像後の処理だけではなく、撮像時において予めアーチファクトの発生を低減させる解決方法が求められている。
そこで、本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、ヒール効果によって不均一になるX線束のX線強度角度分布を均一にして、被検体への必要以上の被ばくを防ぐヒール効果補正フィルタ及びX線照射装置並びにX線CT装置を提供することを課題とする。さらには、X線CT装置による画像データの画質を、特に32列以上の検出器を備えたX線CT装置において、体軸線方向に均一かつ良好にするヒール効果補正フィルタ、X線照射装置、X線CT装置及びX線CT撮像方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のヒール効果補正フィルタは、陰極から陽極に熱電子ビーム束を照射して陽極で発生するX線束を、被検体の体幅方向に凹円筒状の曲面となるウェッジフィルタを介して前記被検体に向け照射する際に、前記X線束が前記陽極から前記被検体の体幅方向に広がりつつヒール効果によるX線強度角度分布によって前記被検体の体幅方向と直交する体軸線方向に略扇形に広がって形成されるX線束照射領域で前記被検体の体軸線方向に不均一となる前記X線強度角度分布を均一とする厚さに形成されているヒール効果補正フィルタであって、前記厚さは、前記X線束の照射軸線と前記熱電子ビーム束のビーム照射軸線とを含む平面において、X線束の照射軸線をY軸とし、X線束の照射方向にY軸に沿って距離FCD離れた位置でY軸と直交する軸をZ軸とし、z´とy´が各々Z軸とY軸との交点を原点とする各軸方向の位置とし、FFDが前記陽極位置からY軸に沿った所定距離を示し、θが前記陽極位置からこのX線束の照射軸線に対して対称に広がって成すコーンアングルの範囲内の所定の角度であり、La(θ)が前記角度θにおけるy´の方向の長さを示す場合において、次の式1の計算式で求めても良い。
このように、式1の計算式でヒール効果補正フィルタの厚さを求めることにより、ヒール効果を補正してX線束のX線強度角度分布を均一にすることができる。
また、X線角度分布の測定値に基づいて厚さを求めるのではなく、計算式によって厚さを求めることにより、設計を容易に行うことができる。
また、このように、式1の計算式でヒール効果補正フィルタの厚さを求めることにより、熱電子ビーム束のビーム照射軸線とX線束の照射軸線とを含む軸平面上において、陽極から所定距離離れた照射軸線と直交する軸上での実効エネルギを、高くかつ均一にすることができる。被検体に入射するX線の実効エネルギが高いと、被検体を透過する際にエネルギが吸収されにくくなり、被検体から出射するX線の実効エネルギの相違が小さくなる。このようなヒール効果補正フィルタをX線CT装置などに適用した場合には、ビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトの発生を減少させ、画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にすることができる。
また、本発明の請求項2に記載のヒール効果補正フィルタは、請求項1に記載のヒール効果補正フィルタであって、複数に分割可能に構成され、使用時において前記X線束が前記ヒール効果補正フィルタを透過する距離が、前記厚さに一致する構成としたことを特徴とする。
このように、ヒール効果補正フィルタの厚さを、X線束の透過する距離によって規定することによって、前記した所定の効果を備えつつも多様な形状に形成することができる。
また、本発明の請求項3に記載のヒール効果補正フィルタは、請求項1又は請求項2に記載のヒール効果補正フィルタであって、前記X線束の入射側透過面又は出射側透過面の一方が前記被検体の体軸線方向に延びる凸円筒状の曲面に形成され、他方が平面に形成しても良い。
このように、ヒール効果補正フィルタのX線の入射側透過面又は出射側透過面の一方を曲面に、他方を平面に形成したことにより、ヒール効果補正フィルタの設計が容易となり、同時に加工コストも低く抑えることができる。
また、本発明の請求項4に記載のヒール効果補正フィルタは、請求項1又は請求項2に記載のヒール効果補正フィルタであって、前記X線束の入射側透過面又は出射側透過面のいずれか一方が前記体軸線方向に延びる凸円筒状の曲面に形成され、他方が前記体軸線方向と直交する体幅方向に延びる凹円筒状の曲面に形成しても良い。
これにより、ヒール効果補正フィルタとウェッジフィルタを兼ねた、一体構成のヒール効果補正フィルタに形成されているので、ヒール効果補正フィルタを備えるX線照射装置がコンパクトに設計できる。
また、本発明の請求項5に記載のヒール効果補正フィルタは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタであって、X線検出器を32列以上の検出器を備えたX線CT装置に用いてもよい。
このようなヒール効果補正フィルタは、X線検出器を32列以上の検出器を備えたX線CT装置に適用されることによって、X線束のX線強度角度分布が均一となるので、被検体に必要以上のX線束の照射を防ぐことができる。また、このようなX線照射装置を適用したことにより、ビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトを減少させ、体軸線方向の画像データの画質を均一にすることができる。
特に、32列以上の検出器を備えたX線CT装置は、例えば、X線束の実効エネルギが不均一になりやすくなるためにアーチファクトが発生しやすいが、このようなヒール効果補正フィルタを適用することによって、アーチファクトの発生をより効果的に低減させることができる。
また、本発明の請求項6に記載のX線照射装置は、陰極から陽極に熱電子ビーム束を照射し、陽極で発生するX線束を被検体に向け照射するX線照射装置において、前記X線束が前記陽極から前記被検体の体幅方向に広がりつつヒール効果によって前記被検体の体幅方向と直交する体軸線方向に略扇形に広がるX線束照射領域で前記被検体の体軸線方向に不均一となるX線束のX線強度角度分布を均一に補正する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタを、陽極と被検体との間に所定の距離で設けたことを特徴とする。
このように、ヒール効果補正フィルタを陽極と被検体との間に所定の距離で設けたことによりX線束のX線強度角度分布が均一となるので、被検体に必要以上のX線束の照射を防ぐことができる。
また、このように、ヒール効果補正フィルタを陽極と被検体との間に所定の距離で設けたことにより、熱電子ビーム束のビーム照射軸線とX線束の照射軸線とを含む軸平面上において、陽極から所定距離離れた照射軸線と直交する軸上での実効エネルギを、高くかつ均一にすることができる。
また、本発明の請求項7に記載のX線CT装置は、請求項6に記載のX線照射装置を採用したことを特徴とする。
このように、本発明のX線CT装置が、ヒール効果補正フィルタを備えたX線照射装置を採用したことにより、X線束がヒール効果補正フィルタを透過した後に、軸平面及びその平行な平面上においてX線束のX線強度角度分布が均一となるので、被検体に必要以上のX線束の照射を防ぐことができるようになっている。
また、このように、本発明のX線CT装置が、ヒール効果補正フィルタを備えたX線照射装置を採用したことにより、X線束がヒール効果補正フィルタを透過した後に、実効エネルギが所定方向に高くかつ均一になるとともに、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトを減少させ、体軸線方向の画像データの画質を均一にすることができる。
また、本発明の請求項8に記載のX線CT撮像方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタをX線CT装置に適用し、体軸線方向に沿って撮像される画像データのCT値の差を低減することによって、前記X線CT装置で撮像される画像データのアーチファクトを低減させることを特徴とする。
このように、本発明のX線CT撮像方法において、ヒール効果補正フィルタがX線CT装置に適用されることによって、このX線CT装置の陽極から照射されるX線束がヒール効果補正フィルタを透過した後に、実効エネルギが所定方向に高くかつ均一になるとともに、体軸線方向に沿って撮像される画像データのCT値の差を低減することによって、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトを減少させ、X線CT装置による画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にすることができる。
このようなヒール効果補正フィルタによれば、ヒール効果によって不均一になるX線束のX線強度角度分布を均一にすることができる。さらに、このようなヒール効果補正フィルタによれば、所定方向に実効エネルギを高くかつ均一にすることができる。
また、このようなX線照射装置によれば、ヒール効果によって不均一になるX線束のX線強度角度分布を均一にすることができるため、被検体に与える必要以上の被ばく量をより少なくすることができる。さらに、このようなX線照射装置によれば、所定方向に実効エネルギを高くかつ均一にすることができる。
また、このようなX線CT装置によれば、ヒール効果によって不均一になるX線束のX線強度角度分布を均一にすることができるため、被検体に与える必要以上の被ばく量をより少なくすることができる。さらに、このようなX線CT装置によれば、所定方向に実効エネルギが高くかつ均一になるとともに、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトを減少させ、体軸線方向の画像データの画質を均一にすることができる。
また、このようなX線CT撮像方法によれば、所定方向に実効エネルギが高くかつ均一になるとともに、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトを減少させ、体軸線方向の画像データの画質を均一にすることができる。
本発明の第一の実施形態に係るX線照射装置の一例を模式的に示す平面図である。 照射されるX線束のX線束照射領域の一例を示す模式図である。 (a)はヒール効果補正フィルタの一例を示す斜視図であり、(b)はウェッジフィルタの一例を示す斜視図である。 (a)はヒール効果補正フィルタを用いない場合を示す模式図であり、(b)はヒール効果補正フィルタを用いない場合のX線の強度分布図であり、(c)はヒール効果補正フィルタを用いた場合を示す模式図であり、(d)はヒール効果補正フィルタを用いた場合のX線のX線強度角度分布を示すグラフである。 計算式で用いられる記号の位置関係を示す模式図である。 (a)は、X線の強度の最大値と最小値を示す模式図であり、(b)は、X線の強度が最小値で均一になっている状態を示す模式図である。 ヒール効果補正フィルタの厚さを示すグラフである。 (a)は本発明の第二の実施形態に係るX線照射装置の一例を示す模式図であり、(b)は第二の実施形態におけるX線のX線強度角度分布を示すグラフであり、(c)は本発明の第三の実施形態に係るX線照射装置の一例を示す模式図であり、(d)は第三の実施形態におけるX線のX線強度角度分布を示すグラフであり、(e)は本発明の第四の実施形態に係るX線照射装置の一例を示す模式図であり、(f)は第四の実施形態におけるX線のX線強度角度分布を示すグラフである。 本発明の第五の実施形態に係るX線照射装置に用いられるヒール効果補正フィルタの一例を示す斜視図である。 X線強度と厚さとの関係を示すグラフである。 線量分布の測定結果を示す図である。 実効エネルギの測定結果を示す図であって、(a)は比較例のウェッジフィルタを適用した場合、(b)は本実施例のヒール効果補正フィルタを適用した場合である。 撮像したCTファントムの画像データである。 異なる形態のX線照射装置におけるX線の強度分布図であって、(a)は、コリメータを介してX線束が照射される場合のX線束の強度分布図、(c)は、特にコリメータなどによって規制されずにX線束が照射される場合のX線強度角度分布図である。また、(b)、(d)は、それぞれ(a)、(c)の形態において適切なヒール効果補正フィルタを適用した場合である。
符号の説明
1 X線CT装置
10 X線照射装置
11a 陽極(X線源)
11b 陰極
13 ウェッジフィルタ
13a 曲面
14a,15a 曲面
13b,14b 平面
14,15 ヒール効果補正フィルタ
14c,15c 頂点部
15b 曲面
20 検知手段
XR X線束
S 照射軸線
H 被検者(被検体)
B 寝台
次に、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態において、被検体を病院における患者(以下、「被検者」という。)として説明する。
また、本発明のヒール効果補正フィルタ及びX線照射装置をX線CT装置で用いた場合について説明する。
また、X線束の照射方向は、被検者Hの互いに直交する体幅方向と体軸線方向とに直交する方向とする。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係るX線照射装置の一例を模式的に示す平面図である。図2は、照射されるX線束のX線束照射領域の一例を示す模式図である。図3(a)はヒール効果補正フィルタの一例を示す斜視図であり、図3(b)はウェッジフィルタの一例を示す斜視図である。図4(a)はヒール効果補正フィルタを用いない場合を示す模式図であり、図4(b)はヒール効果補正フィルタを用いない場合のX線の強度分布図であり、図4(c)はヒール効果補正フィルタを用いた場合を示す模式図であり、図4(d)はヒール効果補正フィルタを用いた場合のX線のX線強度角度分布を示すグラフである。図5は、計算式で用いられる記号の位置関係を示す模式図である。図6(a)は、X線の強度の最大値と最小値を示す模式図であり、図6(b)は、X線の強度が最小値で均一になっている状態を示す模式図である。図7は、ヒール効果補正フィルタの厚さを示すグラフである。
本発明の第一の実施形態に係るX線CT装置1は、X線照射装置10と検知手段20と寝台Bと図示しないガントリーとから構成されており、寝台Bに横たわる被検者Hに向けてX線照射装置10が被検体の体軸線周りを回転しながらX線束を照射し、一方寝台Bもそれに伴い進退し、その間、検知手段20が被検者を透過するX線束を検知して断層データを生成し、図示しないコンピュータによりその断層データを画像処理して画像データに変換するものであって、被検者Hの体軸線方向の所定長さにわたる画像データをモニターに映したり、フィルムに焼き付けるなどをして、被検者Hの診断が行われる。
ここで、ガントリーは円筒形状に形成されており、その円筒周面内部にX線照射装置10と、中空部を挟んだ対向位置に検知手段20を構成する多数の検出器が陽極を中心とする円弧上に配設されている。また、このガントリーの中空部に進退可能に挿入される寝台Bが配置されている。
なお、例えば、被検者Hの体軸線方向は、この寝台Bの進退方向と平行であり、被検者Hの体幅方向は、寝台Bの幅方向と平行である。
検知手段20は、従来から用いられているものを適用することができ、前記したように、X線照射装置10と検知手段20との間に配置される寝台Bに横たわる被検者Hを透過するX線束XRを検知する役割を果たし、また、被検者Hを透過したX線束XRを検知した後に、その検知したX線束XRから断層データを生成する役割も果たす。
この検知手段20は、体幅方向において、陽極11aからの距離が一定の所定間隔Rとなるように、陽極11aを原点とする半径Rの円弧状に配置されている。
X線照射装置10は、図示しないガントリー内に設けられる装置であって、図1に示すように、陽極(以下、「X線源」という。)11aから照射されるX線束XRが被検者Hを透過して寝台B側の検知手段20の表面でX線強度角度分布が均一となるようにX線束XRを照射する装置であって、陰極11bとX線源11aと、コリメータ12と、凹円筒状の曲面13aを有するウェッジフィルタ13と、凸円筒状の曲面14aを有するヒール効果補正フィルタ14と、から構成されている。
このX線照射装置10によるX線束XRの被検者Hの体軸線方向のX線強度角度分布は、後記するヒール効果補正フィルタ14をX線束XRが透過することによって、均一となる。
まず、X線束XRの照射の構造を説明する。
陰極11bから電界で加速した熱電子ビーム束が回転する円盤状(図示せず)のX線源11aに衝突し、その衝撃でX線束XRが発生して、熱電子ビームと所定の角度α(図示せず)をなす一定方向に照射される。なお、一般的に、その陰極11bとX線源11aは、絶縁油と共に照射方向の安定のために図示しないX線管容器内に一体に封入されている。陰極11bには加熱して熱電子を放出させる図示しない線状のフィラメントが設けられており、一方、図示しないが、前記の回転する円盤状のX線源11aでは全体がタングステンで構成されており、X線束XRを一定方向に放射するために、ターゲットと呼ばれる熱電子の衝突する面体が傾斜している。熱電子がその傾斜したターゲット面に衝突した衝撃によりターゲットからX線束XRが一定方向に照射されるが、軸平面上においてのX線強度角度分布は略扇状に分布する。これが、前記したヒール効果と呼ばれている現象である。
ここで、X線束XRは、図2に示すように、X線源11aから被検者Hの体幅方向に広がりつつヒール効果によって被検者Hの体幅方向と直交する体軸線方向に略扇形に広がってX線束照射領域Vを形成する。
このX線束照射領域Vは、体幅方向がX線源11aを中心とする円弧状に形成された検知手段20まで到達する。
このとき、例えば、X線束XRの照射軸線Sと体幅方向に直交するA1−A2ラインに沿って、X線束XRのX線強度角度分布が均一となる。
また、検知手段20上のA3−A4及びA5−A6ラインに沿っても、X線束XRのX線強度角度分布が均一となる。
このように、体幅方向が円弧状となる検知手段20の体軸線方向の各面上においてもX線束XRのX線強度角度分布が均一となる。
なお、本実施形態において、X線CT装置の形態を説明する際に用いる「列」とは、X線CT装置の形態を説明する場合に通常使用される表現であって、図2においては、検知手段20に使用されて放射線を検出するシンチレータが、A1−A2、A3−A4、A5−A6ラインなどの体軸線方向に沿って配列する数を示す。
次に、各構成要素の位置関係について説明する。
図1に示すように、X線束XRの照射軸線Sは陰極11bのビーム照射軸線と一定の角度をなし、寝台Bに横たわった被検者Hを透過する向きに設定されている。
そして、このX線束XRの照射軸線Sを跨ぐようにX線源11aから所定距離FFDで間隔を開けてヒール効果補正フィルタ14が配置されている。また、X線源11aとヒール効果補正フィルタ14との間にコリメータ12が配置され、X線源11aとコリメータ12との間にウェッジフィルタ13が配置されている。以下、各構成要素の詳細について説明する。
X線源11aは、被検者Hに向かってX線束XRを照射する。このとき、X線束XRは、被検者Hに近づくにつれて照射範囲が照射軸線Sに対して、X線源11aを原点にして角度θで広がるように照射される。
コリメータ12は、板状の部材であって、その表面の中央部に開口部12aが形成されている。このコリメータ12はX線源11aと被検者Hとの間に配置され、開口部12aを通過したX線束XRのみが被検者Hに照射されることとなる。
ヒール効果補正フィルタ14は、アルミニウムで形成されており、図1及び図3(a)に示すように、X線束XRの入射側透過面が軸平面と直交方向に延びる凸円筒状の曲面(略かまぼこ状)14aに、被検者H側、つまり、凸円筒状の曲面14aの反対側の出射側透過面が平面14bに形成されており、X線源11aから照射されるX線束XRのX線強度角度分布をヒール効果補正フィルタ14を透過した後は体軸線方向に均一となるように補正する役割を果たす。
このヒール効果補正フィルタ14の凸円筒状の曲面14aは、体軸線方向における平面14bに対して厚さが変化するように形成されている。これにより、X線束XRがヒール効果補正フィルタ14を透過すると、X線束照射領域Vの体軸線方向のX線束XRのX線強度角度分布が連続して均一となり、被検体は体軸線方向にその厚みを均等と見なすので、被検体を透過した後も体軸線方向に均一となるといえる。図1においては、ヒール効果補正フィルタ14は、コリメータ12と被検者Hとの間でコリメータ12に近接する位置である。さらに、ヒール効果補正フィルタ14は、照射軸線Sと直交し、かつ、ヒール効果補正フィルタ14の凸円筒状の曲面14aの頂点部14cを通る軸から、X線源11aまでの最短距離が、所定距離FFD離れた位置となるように配置される。このようにヒール効果補正フィルタ14を配置すると、X線源11aから所定距離FCD離れた位置が前記検知手段20の位置となり、この検知手段20に沿ってX線束XRのX線強度角度分布が均一となる。なお、所定距離FCDは所定距離FFDよりも大きい値である。
ヒール効果補正フィルタ14の厚さは、例えば、図7に示すように、被検者Hの体軸線方向において、ヒール効果補正フィルタ14の一方の端部から次第に厚みが増し、X線束XRの照射軸線Sから離れた位置で最大厚さとなって頂点部14cを形成し、他方の端部に近づくにつれて厚みが減るようになっている。
ヒール効果補正フィルタ14の厚さをこのようにしたのは、ヒール効果によってX線束XRのX線強度角度分布が略扇形に広がるため、被検者Hの体軸線方向と平行であってX線束XRの照射軸線Sと直交する体軸線方向の所定の垂直線(例えば、図6(a)に示すX線強度Imin)でこのX線強度角度分布を跨ぐと、垂直線とX線強度角度分布とが交わる位置のX線束XRの強度を基準にした場合、X線束XRの強度が照射軸線Sから離れた位置が最も強く、その位置から垂直線とX線強度角度分布とが交わる位置に近づくにつれてしだいにX線束XRの強度が小さくなるので、これに対応させるために、厚さをX線の強度が強い位置では厚く、X線の強度が弱い位置では薄くなるようにしている。
なお、ヒール効果補正フィルタ14の厚さの算出基準となるX線強度の最小値Iminは、適用されるX線照射装置10の形態に応じて選択できる。
図14は、異なる形態のX線照射装置におけるX線の強度分布図であって、(a)は、X線束照射領域の形状を規制するコリメータを介してX線束が照射される場合のX線強度角度分布図、(c)は、X線束照射領域の形状が特にコリメータなどによって規制されずにX線束が照射される場合のX線強度角度分布図である。また、(b)、(d)は、それぞれ(a)、(c)の形態において適切なヒール効果補正フィルタ14を適用した場合のX線束XRの強度分布図である。
図14(a)においては、コリメータ12によって、本来のX線束照射領域のうち陰極11b側のA´領域と陽極11a側のB´領域が規制されている。そして、図14(a)においては、A´領域とX線照射領域Vとの境界点a´が、X線照射領域Vのなかで最も低いX線強度(Imin)を示している。そして、X線束XRの強度分布がIminで均一となる厚さにヒール効果補正フィルタ14を形成することができる。図14(a)で示したX線照射装置10に対し、このようなヒール効果補正フィルタ14を適用した場合には、図14(b)に示すようなX線の強度分布を示す。
図14(c)においては、X線束照射領域Vが特にコリメータ12などによって制限されていない。図14(c)に示すように、通常、X線強度角度分布は照射軸線Sから所定距離離れた位置にX線強度が極大となる極大点Kを有し、極大点Kから陰極11b側に離れるに従ってX線強度が低下する第一の勾配K1と、この第一の勾配から連続してこの第一の勾配より大きな勾配によりX線強度が低下する第二の勾配K2とを含んでいる。このとき、第一の勾配K1と第二の勾配K2との境界点a´におけるX線強度をIminと設定し、X線束XRの強度分布がIminで均一となる厚さにヒール効果補正フィルタ14を形成することができる。図14(c)で示したX線照射装置に対し、このようなヒール効果補正フィルタを適用した場合には、図14(d)に示すようなX線の強度分布を示す。
このように設定したX線強度の最小値Iminを用いて、ヒール効果補正フィルタ14の厚さを以下に示すように求めることができる。
つまり、図4(a)に示すように、コリメータ12の開口部12aを通過した範囲でヒール効果補正フィルタ14を用いない場合のX線束XRの強度が、図4(b)に示すように、照射軸線Sから離れた位置で最大となり、そこから次第に小さくなっているため、このX線強度角度分布の不均一を均一にするために前記のごとく凸円筒状の曲面14aを形成したものである。
したがって、図4(c)に示すように、このヒール効果補正フィルタ14を用いた場合は、図4(d)に示すように、ヒール効果補正フィルタ14に入射するX線束XRの強度が最も大きくなる位置ではヒール効果補正フィルタ14の厚さが最も厚く形成され、X線束XRの強度がしだいに弱くなる位置に対応してヒール効果補正フィルタ14の厚さが薄くなるように形成されるので、X線源11aから所定距離FCDにおいて、被検者Hの体軸線方向に沿ってX線束XRのX線強度角度分布が均一になる。
なお、このヒール効果補正フィルタ14の厚さは、次の式1から求めることもできる。
すなわち、X線束XRの照射軸線Sと熱電子ビーム束のビーム照射軸線とを含む平面において、図5に示すように、X線束XRの照射軸線SをY軸とし、Y軸上の焦点(X線源11a)から距離FCD離れた位置を座標軸(Y−Z)の原点とする。そして、この原点を通りつつY軸と直交し、かつ被検者Hの体軸線方向と平行となる向きをZ軸とする。この距離FCDは、X線源11aからアイソセンタ、つまり、寝台B側の検知手段20までの距離となっている。
また、X線束XRの照射軸線Sに対するX線束XRの広がりの角度θにおけるヒール効果補正フィルタ14の透過前のX線束XRの強度をI0(θ)、ヒール効果補正フィルタ14の透過後のX線束XRの強度をI(θ)とする。角度θにおけるヒール効果補正フィルタ14のみかけ厚さをL(θ)とする。このθは、前記X線源11a位置からこのX線束の照射軸線に対して対称に広がって成す±コーンアングルの範囲内の所定の角度である。式中のzとyが各々Z軸とY軸との交点を原点とする各軸方向の位置とし、FFDが前記X線源11a位置からY軸に沿った所定距離を示す。
このとき、角度θでヒール効果補正フィルタ14をX線束XRが透過する場合、みかけ厚さをL(θ)は、斜距離として表されるので、これをY軸の方向の長さ(厚さ)La(θ)で示す。
そして、図6(a)に示すように、X線強度角度分布を補正する範囲において、後記するフィッティング関数をあてはめる。このとき、X線強度の最大値をImax、最小値をImin、そして角度θにおけるX線強度をI(θ)とする。また、減弱係数をμとする。
また、図6(b)に示すように、このI(θ)をIminにするために以下に示す式2を用いて必要なみかけ厚さL(θ)を求める。
I(θ)=I0(θ)EXP(−μx) (式2)
ここで、xはみかけ厚さである。
このとき、xにL(θ)、I0(θ)にIminを代入してL(θ)を求めると、以下に示す式3のように表される。
L(θ)=1/μ×ln(I(θ)/Imin) (式3)
これを実際の厚さLa(θ)を求めるために、以下の式4に示すようにy,z成分に分解する。
ヒール効果補正フィルタ14を設置する位置を、焦点の位置から距離FFD離れた位置とすると、式4は、下記に示す式1のように表せる。
ここで、y´とz´は、体軸線方向の位置に対する厚さと、体軸線方向の位置と、を示す。
この式から三角関数を消去すると、以下に示す式5のように表すことができる。
この式5をy´について解くとヒール効果補正フィルタ14の厚さLa(θ)を求めることができる。
この式1を用いて形成したヒール効果補正フィルタ14は、その凸円筒状の曲面14aが向く向きを、被検者H側やX線源11a側に変えて用いることもできる。
なお、ここでは、ヒール効果補正フィルタ14を一枚の構成のものとしたが、複数枚に分割した構成とする場合などは、X線束が透過する距離がこの厚さに一致するように設計すればよい。
ウェッジフィルタ13は、図3(b)に示すように、被検者H側の透過面が体軸線方向に延びる凹円筒状をなし、X線源11a側の透過面が平面13bをなす形状に形成されており、被検者Hの胴回りのX線束XRの強度を補正する役割を果たし、X線源11aとコリメータ12との間であってコリメータ12に近接する位置に配置される。
なお、ウェッジフィルタ13の配置位置は、コリメータ12と被検者Hとの間や、コリメータ12とヒール効果補正フィルタ14との間であってもよい。
(使い方)
次に、本発明のX線CT装置1の使用方法について図1を参照して説明する。
まず、被検者HをX線照射装置10のX線源11a下方の水平な寝台Bに横たわらせる。この状態でX線源11aからX線束XRを照射すると、X線束XRはウェッジフィルタ13を透過して体幅方向のX線強度角度分布が均一となるように補正されコリメータ12に到達する。コリメータ12の開口部12aにより照射範囲を制限されたX線束XRは、さらにヒール効果補正フィルタ14を透過しつつ体軸線方向のX線強度角度分布を均一に補正されて被検者Hに到達する。被検者Hを透過したX線束XRは、さらに体軸線方向のX線強度角度分布が均一なまま多数の検知手段20に到達することになる。
このように、ヒール効果補正フィルタ14を構成したので、X線束XRのヒール効果によるX線強度角度分布をヒール効果補正フィルタ14を透過した後に体軸線方向に均一にすることができる。
また、このようにX線照射装置10を構成したので、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぐことができる。
さらに、このように、X線CT装置1を構成したので、X線源11aから所定距離FCDでX線束XRのX線強度角度分布を均一にすることができ、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぐことができる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係るX線CT装置は、X線照射装置10aが、図8(a)に示すように、X線束XRの入射側透過面となるヒール効果補正フィルタ14の平面14bがX線源11a側に形成され、X線束XRの出射側透過面となる凸円筒状の曲面14aが被検者H側に形成されている点で第一の実施形態と異なる。
このヒール効果補正フィルタ14の平面14bがコリメータ12と被検者Hとの間でコリメータ12に近接しつつX線源11aから所定距離FFD離れた位置に配置されると、X線源11aから所定距離FCD離れた位置で、X線束照射領域Vの連続する体軸線方向に沿ってX線束XRのX線強度角度分布が均一となる。
このように、ヒール効果補正フィルタ14を配置しても第一の実施形態と同様に、図8(b)に示すように、X線源11aからの所定距離FCD(検知手段20)でX線束XRのX線強度角度分布を均一にすることができ、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぐことができる。
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態に係るX線CT装置は、X線照射装置10bが、図8(c)に示すように、X線束XRの入射側透過面となるヒール効果補正フィルタ14の平面14bがX線源11a側に形成され、X線束XRの出射側透過面となる凸円筒状の曲面14aが被検者H側に形成され、ヒール効果補正フィルタ14がX線源11a側に位置するウェッジフィルタ13と、コリメータ12との間に配置されている点で第一の実施形態と異なる。
このように、ヒール効果補正フィルタ14を配置しても第一の実施形態と同様に、図8(d)に示すように、X線源11aからの所定距離FCD(検知手段20)でX線束XRのX線強度角度分布を均一にすることができ、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぐことができる。
(第四の実施形態)
本発明の第四の実施形態に係るX線CT装置は、X線照射装置10cが、図8(e)に示すように、X線束XRの入射側透過面となるヒール効果補正フィルタ14の凸円筒状の曲面14aがX線源11a側に形成され、X線束XRの出射側透過面となる平面14bが被検者H側に形成され、ヒール効果補正フィルタ14がX線源11a側に位置するウェッジフィルタ13と、X線源11aとの間に配置されている点で第一の実施形態と異なる。
このように、ヒール効果補正フィルタ14を配置しても第一の実施形態と同様に、図8(f)に示すように、X線源11aからの所定距離FCD(検知手段20)でX線束XRのX線強度角度分布を均一にすることができ、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぐことができる。
(第五の実施形態)
本発明の第五の実施形態に係るX線CT装置は、X線照射装置が、図9に示すヒール効果補正フィルタ15を、被検者Hの体軸線方向に凸円筒状の曲面15aと、凸円筒状の曲面15aの反対側に体幅方向に凹円筒状の曲面15bとに形成している点で第一の実施形態と異なる。
また、このヒール効果補正フィルタ15は、被検者Hの体軸線方向に凸円筒状の曲面15aと、凸円筒状の曲面15aの反対側に体幅方向に凹円筒状の曲面15bとが形成されている。また、凸円筒状の曲面15aには、X線束XRの照射軸線Sから離れた位置に頂点部15cが形成されている。
つまり、このヒール効果補正フィルタ15は、第一の実施形態で用いたヒール効果補正フィルタ14の平面14bに、第一の実施形態で用いたウェッジフィルタ13の平面13bを当接させた形状となっている。好ましくは、第一の実施形態で用いたヒール効果補正フィルタ14とウェッジフィルタ13とを一体で形成する。
このヒール効果補正フィルタ15にX線束XRを透過させると、X線源11aから所定距離FCD(検知手段20)で、X線束XRの照射軸線Sに対して垂直となる被検者Hの体軸線方向に沿ってX線束XRのX線強度角度分布を均一にすることができ、また、被検者Hの体幅方向に被検者Hの厚さの変化に応じてX線束XRの強度の補正をすることができるので、被検者Hに必要以上に被ばくさせるのを防ぎつつ、鮮明な断層データを得ることができる。
このように、本発明のヒール効果補正フィルタ14,15によれば、被検体HにX線束XRを照射する際に、ヒール効果によるX線束XRのX線強度角度分布の不均一を体軸線方向で均一になるように補正することができる。
さらに、本発明のヒール効果補正フィルタ14,15は、本発明者らによる詳細な技術的検討によって、従来のヒール効果に関する知見からでは推察しえない新たな機能および効果とその用途が見出された。
ここで、本発明のヒール効果補正フィルタ14,15が備える新たな機能および効果とその用途を示す。
通常、X線CT装置1においてX線源11aから照射されるX線束XRは、広帯域のエネルギスペクトルからなる連続X線であって、その線質評価には、一般に実効エネルギが用いられる。実効エネルギは、X線束XRの半価層と等しい半価層を与える単色X線のエネルギ値であって、従来公知の方法によって、照射されるX線束XRの半価層から容易に算出することができる。なお、半価層は、入射X線量に対し出射X線量を半減させるフィルタの厚みで表現されるものである。
本発明者らによる調査の結果、従来のウェッジフィルタのみを適用したX線照射装置においては、ウェッジフィルタを透過したX線束の実効エネルギが、所定方向に不均一であることが見出されていた。従来では、X線照射装置において、考慮されるのは線量分布のみであって実効エネルギの分布は考慮されず、被検体に照射されるX線束の実効エネルギが不均一であることの不利益に関しては、課題にすらなっていなかった。
図1に示したように、本実施形態のX線照射装置10は、陽極(X線源)11aから照射されるX線束XRが被検者Hを透過して寝台B側の検知手段20の表面でX線強度角度分布が均一となるようにX線束XRを照射する装置であって、陰極11bとX線源11aと、コリメータ12と、凹円筒状の曲面13aを有するウェッジフィルタ13と、凸円筒状の曲面14aを有するヒール効果補正フィルタ14と、から構成されている。
このX線照射装置10によるX線束XRの被検者Hの所定方向の実効エネルギは、ヒール効果補正フィルタ14をX線束XRが透過することによって、高くかつ均一となる。
本実施形態のヒール効果補正フィルタ14は、X線源11aから照射されるX線束XRがヒール効果補正フィルタ14を透過した後は、その実効エネルギを所定方向に均一となるように補正する役割を果たすものである。具体的には、このようなヒール効果補正フィルタ14を用いると、ウェッジフィルタ13を透過後のX線束XRの実効エネルギが低い位置では厚く、ウェッジフィルタ13を透過後のX線束XRの実効エネルギが高い位置では薄くなるようになっているため、熱電子ビーム束のビーム照射軸線とX線束の照射軸線Sとを含む軸平面上において、陽極11aから所定距離離れた照射軸線Sと直交する軸上での実効エネルギを、高くかつ均一にすることができる。
このように実効エネルギが高くなるのは、ヒール効果補正フィルタ14は所定の厚さを備えているために、ヒール効果補正フィルタ14をX線束XRが透過することによって、X線束XRに含まれる低いエネルギのX線は吸収され、X線束XRのエネルギ分布が高エネルギ側にシフトするためと考えられる。被検体Hに入射するX線の実効エネルギが高いと、被検体Hを透過する際にエネルギが吸収されにくくなり、被検体から出射するX線の実効エネルギの相違が小さくなる。このようなヒール効果補正フィルタ14をX線CT装置1などに適用した場合には、ビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトの発生を減少させ、画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にすることができる。
さらには、所定方向に実効エネルギを均一にするヒール効果補正フィルタ14の厚さを算出する式として、前記した式1を適用してもよい。
ヒール効果補正フィルタ14を一枚の構成のものとしたが、複数枚に分割した構成とする場合などは、X線束が透過する距離がこの厚さに一致するように設計すればよい。
また、ヒール効果補正フィルタを所定方向に実効エネルギを均一にする用途に使用する場合においても、前記第一の実施形態〜第五の実施形態で示したように、ヒール効果補正フィルタを多様に配置した構成としてもよい。
なお、このようなヒール効果補正フィルタ14をX線CT装置1などに適用した場合に低減させることができるアーチファクトは、ビームハードニングアーチファクトに限定されるものではない。例えば、リングアーチファクトは、検出器の不具合により画像データに環状のアーチファクトが生じるものであるが、通常、コンピュータプログラムによって、画像データにおけるリングアーチファクトを検出し、補正する処理がなされている。ところが、画像データにリングアーチファクトとともにビームハードニングアーチファクトが存在すると、コンピュータプログラムによるリングアーチファクトを検出し、補正する処理が正確になされないことがある。従って、本実施形態のヒール効果補正フィルタ14は、画像データにおけるビームハードニングアーチファクトを低減させるだけでなく、リングアーチファクトなど、他のアーチファクトの低減に対しても効果を奏するものである。
ここで、このように実効エネルギを高くかつ均一にし、アーチファクトを低減するという新たな機能および効果とその用途を備えたヒール効果補正フィルタを用いたX線CT撮像方法について図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るX線CT撮像方法に使用されるX線CT装置11は、このようなヒール効果補正フィルタ14が設置されたX線照射装置10と検知手段20と寝台Bと図示しないガントリーとから構成されており、寝台Bに横たわる被検者Hに向けてX線照射装置10が被検体の体軸線周りを回転しながらX線束XRを照射し、一方寝台Bもそれに伴い進退し、その間、検知手段20が被検者を透過するX線束を検知して断層データを生成し、図示しないコンピュータによりその断層データを画像処理して画像データに変換するものである。なお、X線CT装置1の構成は前記したものと同様であるので説明は省略する。
そして、本実施形態に係るX線CT撮像方法は、まず、被検者HをX線照射装置10のX線源11a下方の水平な寝台Bに横たわらせる。この状態でX線源11aからX線束XRを照射すると、X線束XRはウェッジフィルタ13を透過してコリメータ12に到達する。コリメータ12の開口部12aにより照射範囲を制限されたX線束XRは、さらにヒール効果補正フィルタ14を透過しつつ、熱電子ビーム束のビーム照射軸線とX線束XRの照射軸線とを含む軸平面上において、X線源11aから所定距離離れた照射軸線と直交する軸上での実効エネルギを高くかつ均一に補正されて被検者Hに到達する。このようなヒール効果補正フィルタ14を介したX線束XRは、被検者Hを透過する際にエネルギが吸収されにくくなり、被検体Hから出射するX線の実効エネルギの相違が小さくなる。被検者Hを透過したX線束XRは、その実効エネルギを保持したまま多数の検知手段20に到達する。そして、検知手段20がこのX線束を検知して断層データを生成し、図示しないコンピュータによりその断層データを画像処理して画像データに変換する。
このようなヒール効果補正フィルタ14を用いたX線CT撮像方法によれば、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトの発生を減少させ、画像データの画室を体軸線方向に均一かつ良好にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、X線束の照射方向は、垂直方向や、水平方向、斜め方向等としても良い。
また、被検体は人体に限るものではなく、動物あるいは植物全般、建物や機械などの構造物であってもよい。
また、各実施形態において、ウェッジフィルタ13を用いてX線束XRを照射しているが、このウェッジフィルタ13を除いてX線束XRを照射しても良い。
また、本発明のX線照射装置10はCTでの使用に限定されるものでなく、診療用X線装置、デジタルラジオグラフィ(DR)、あるいはその他の一般的なX線束を照射する装置においても使用できるものである。
また、角度θは、コリメータ12の開口部12aの開口幅がX線束XRの照射軸線Sに対して均等にならない状態で配置されても、適宜用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1>
ここで、式1の計算式から、第一の実施形態で用いたヒール効果補正フィルタ14の厚さを求める。
ここで、X線CT装置1には256列CT、120kv、頭部用ウェッジを用い、X線強度角度分布がわかるように138mmビーム幅で照射した。
そして、二次式となっているフィッティング関数である以下の式6を用いてフィッティングした。
ここで、X線強度のImaxを100%、Iminを74%とした。
この条件において、ヒール効果補正フィルタ14を用いることで、全体のX線強度が74%になるように計算した。
このとき、ヒール効果補正フィルタ14の厚さとX線透過率の関係は、図10のような測定結果となり、以下の式7で表される。
I=EXP(−0.13x) (式7)
I:透過後X線強度、x:ヒール効果補正フィルタ14の厚さ
この式7を用いてX線強度をIminにするための必要なみかけ厚さL(θ)を計算する。
L(θ)=7.67n(I(θ)/74) (式8)
式1からコーンアングルを考慮し、実際に求めるヒール効果補正フィルタ14の厚さLa(θ)を求める。このとき、FCD=600mm、FFD=40mm、とした。
これにより求められたヒール効果補正フィルタ14の厚さLa(θ)は、図7に示すように表される。
<実施例2>
本実施例では、実際に作製したヒール効果補正フィルタをX線CT装置1に適用し、その効果に関して検証を行った。
本実施例において、ヒール効果補正フィルタは、前記した第五の実施形態で用いた形状のものを使用した。すなわち、このヒール効果補正フィルタは、図9に示すように、体軸線方向に凸円筒状の曲面15aと、凸円筒状の曲面15aの反対側に体幅方向に凹円筒状の曲面15bとが形成されている。また、凸円筒状の曲面15aには、X線束XRの照射軸線Sから離れた位置に頂点部15cが形成されている。言い換えると、本実施例で使用したヒール効果補正フィルタ15は、第一の実施形態で用いたヒール効果補正フィルタ14の平面14bに、第一の実施形態で用いたウェッジフィルタ13の平面13bを当接させた形状である。
比較例として、ヒール効果補正フィルタは用いず、第一の実施形態で用いたウェッジフィルタ13のみを使用して測定した。
なお、本実施例で使用したヒール効果補正フィルタ15と比較例で使用したウェッジフィルタ13の材質は、同一のアルミニウム材からなる。
そして、作製した本実施例のヒール効果補正フィルタ15および比較例のウェッジフィルタ13をそれぞれ図1に示すX線CT装置1にセットして、下記の評価を行った。
[線量分布]
線量分布は、X線CT装置1として256列CTを用い、固定されたX線管から管電圧120kV、管電流200mAの条件で鉛直下方にX線を照射し、体軸線方向に沿って配設されている複数の検出器によってX線の強度を測定した。検出器には、2.8mm(体幅方向)×2.8mm(体軸線方向)×2.7mm(厚さ方向)の検出感度があるSi PIN フォトダイオード線量計(浜松ホトニクス社、S2506−04)を用いた。
そして、実施例および比較例に関して、それぞれ体軸線方向の線量分布を評価した。
[実効エネルギ]
前記したように、実効エネルギは、X線束XRの半価層と等しい半価層を与える単色X線のエネルギ値であって、従来公知の方法によって、照射されるX線束の半価層から容易に算出することができる。
半価層は、入射X線量に対し出射X線量を半減させるフィルタの厚みで表現される。具体的には、固定されたX線管を様々な厚さのアルミニウムフィルタで覆い、X線管から鉛直下方に照射されるX線の強度を電離箱式照射線量計により測定して照射減弱曲線を作成し、この照射減弱曲線に基づいて半価層を算出した。なお、本実施例では、電離箱式照射線量計として、0.6ml体積の電離箱式照射線量計(応用技研社、C−110)を使用した。
そして、実施例および比較例に関して、それぞれ体軸線方向とこれに直交する体幅方向とを含む平面における実効エネルギ分布を評価した。
[画像データ]
画像データは、X線CT装置1として256列CTを用い、管電圧120kV、管電流200mA、照射時間1秒、ガントリ回転時間1秒、スライス厚1mmの条件で、寝台Bに静置されたCTファントムを撮像することによって取得した。撮像対象としたCTファントムには、低コントラスト評価用ファントム(Phantom Laboratory社、Catphan 500)を使用した。
そして、実施例および比較例に関して、それぞれ体軸線方向位置−40mm,0mm,40mmにおいて撮像された画像データを用いて評価を行った。
以上の評価を行った結果を、図面を参照して説明する。
図11は、線量分布の測定結果を示す図である。図11において、縦軸はX線強度、横軸は体軸線方向位置(照射軸線と体軸線との交点から陰極側を−、陽極側を+で示す)である。そして、図11において、破線は、本実施例のヒール効果補正フィルタ15を適用した場合(図中では、HEC Wedgeと記載)、実線は、比較例のウェッジフィルタのみを適用した場合(図中では、Conventional Wedgeと記載)の線量分布を示す。なお、図11で縦軸に示すX線強度は、比較例において最大となるX線強度を1.0とした場合の相対値で表している。
図11に示すように、本実施例では極大値を有する比較例に比べ、体軸線方向に沿って低くかつ均一なX線強度分布を示した。
さらに、本実施例によってX線強度分布が低くかつ均一となった結果、本実施例の積分線量も比較例に比べて20%低下させることができた(図11においては、面積比に相当)。従って、本実施例によれば、X線CT装置1で撮像する際に被検者Hの被爆を大幅に低減させることができる。
なお、本実施例においては、線量計を使用して線量分布を測定したが、このような測定方法に限定されない。例えば、X線CT装置においてX線管球が回転する場合には、X線管球を固定させて鉛直下方にX線束を照射し、体軸線方向に沿って配設された所定のフィルムによって測定することができる。そして、X線曝射されたフィルムの黒度化をデンシトメータなどで測定し、線量分布を取得する。
図12は、実効エネルギの測定結果を示す図であって、(a)は比較例のウェッジフィルタを適用した場合、(b)は本実施例のヒール効果補正フィルタを適用した場合である。図12において、縦軸と横軸によって、体軸線方向と体幅方向を含む平面の座標を示し、縦軸は体軸線方向位置(照射軸線と体軸線との交点から陰極側を−、陽極側を+で示す)、横軸は体幅方向位置(照射軸線と体幅線との交点から一方の側を−、他方の側を+で示す)である。そして、図12において、実効エネルギが等しい座標は、等エネルギ線として同一の線で結ばれている。また、濃色で示す領域ほど実効エネルギは低く、淡色で示す領域ほど実効エネルギは高い。
図12に示すように、比較例では、体軸線方向に陰極側が低く陽極側が高い不均一な分布を示したのに対して、本実施例では、体軸線方向の陰極側から陽極側にかけて、均一な分布を示した。
図13は、撮像したCTファントムの画像データである。図13に示すように、比較例では陽極側に移るに従ってファントムの中心部に黒い円状のアーチファクトが現れる。その一方で、本実施例においては、どの体軸線方向位置に関わらず、アーチファクトは見られず、画像データの画質は均一であった。
また、このようにアーチファクトの発生に影響される画像データの画質の均一性の評価は、CT値を用いて行うことができる。CT値は、次の式9により表される。
式9において、μは、対象物質の線減弱係数を示し、μwaterは、水の線減弱係数を示す。水のCT値は0、空気は−1000で定義されている。このときの単位をHU(ハンスフィールドユニット)を用いる。
ここで、比較例の体軸線方向位置−40mmと40mmとを比較すると、画像データの中心部のCT値の差が、2〜3%であった。一方で、本実施例の体軸線方向位置−40mmと40mmとを比較すると、画像データの中心部のCT値の差が、0.3%であった。すなわち、本実施例は、比較例に比べ、体軸方向位置によるCT値の差を低減することができた。このようにCT値の差が低減されることにより、アーチファクトが低減し、例えば、肝臓などの診断上低コントラストが重要な要素となる部位で、特に、微小な腫瘍や血管などを描出する場合においても、良好な画像データを取得することができる。
なお、本実施例において、X線束の実効エネルギは55keVであった。ただし、この値は画像データにおいてアーチファクトが低減された場合の実効エネルギ値の一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
なお、測定結果を図示しないが、撮像対象となるファントムを他の種類のものに代えて撮像した場合でも、比較例においては特に陽極側でアーチファクトが現れた一方で、本実施例の画像データにおいてはアーチファクトが現れなかった。本発明によれば、撮像対象に関わらず、アーチファクトを減少させ、体軸線方向に画像データの画質を均一にすることが可能である。
このように本発明のヒール効果補正フィルタによれば、256列の検出器を備えたX線CT装置でもアーチファクトを低減させることができる。すなわち、本発明に係るヒール効果補正フィルタは、被検者に照射するX線束の所定方向のX線角度分布を均一にすることで被検体の被爆を低減し、実効エネルギを所定方向に高くかつ均一にすることで、特にビームハードニングアーチファクトなどのアーチファクトの発生を減少させ、画像データの画質を体軸線方向に均一かつ良好にすることができるという効果を有するヒール効果補正フィルタとして、例えば、32、40、64、124列など、32列以上に多列化した検出器を備えたX線CT装置に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 陰極から陽極に熱電子ビーム束を照射して陽極で発生するX線束を、被検体の体幅方向に凹円筒状の曲面となるウェッジフィルタを介して前記被検体に向け照射する際に、
    前記X線束が前記陽極から前記被検体の体幅方向に広がりつつヒール効果によるX線強度角度分布によって前記被検体の体幅方向と直交する体軸線方向に略扇形に広がって形成
    されるX線束照射領域で前記被検体の体軸線方向に不均一となる前記X線強度角度分布を均一とする厚さに形成されているヒール効果補正フィルタであって、
    前記厚さは、
    前記X線束の照射軸線と前記熱電子ビーム束のビーム照射軸線とを含む平面において、X線束の照射軸線をY軸とし、X線束の照射方向にY軸に沿って距離FCD離れた位置でY軸と直交する軸をZ軸とし、z´とy´が各々Z軸とY軸との交点を原点とする各軸方向の位置とし、FFDが前記陽極位置からY軸に沿った所定距離を示し、θが前記陽極位置からこのX線束の照射軸線に対して対称に広がって成すコーンアングルの範囲内の所定の角度であり、La(θ)が前記角度θにおけるy´の方向の長さを示す場合において、次の式1の計算式で求められることを特徴とするヒール効果補正フィルタ。
  2. 複数に分割可能に構成され、使用時において前記X線束が前記ヒール効果補正フィルタを透過する距離が、前記厚さに一致することを特徴とする請求項1に記載のヒール効果補正フィルタ。
  3. 前記X線束の入射側透過面又は出射側透過面の一方が前記被検体の体軸線方向に延びる凸円筒状の曲面に形成され、他方が平面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒール効果補正フィルタ。
  4. 前記X線束の入射側透過面又は出射側透過面のいずれか一方が前記体軸線方向に延びる凸円筒状の曲面に形成され、他方が前記体軸線方向と直交する体幅方向に延びる凹円筒状の曲面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヒール効果補正フィルタ。
  5. X線検出器を32列以上備えたX線CT装置に用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタ。
  6. 陰極から陽極に熱電子ビーム束を照射し、陽極で発生するX線束を被検体に向け照射するX線照射装置において、
    前記X線束が前記陽極から前記被検体の体幅方向に広がりつつヒール効果によって前記被検体の体幅方向と直交する体軸線方向に略扇形に広がるX線束照射領域で前記被検体の体軸線方向に不均一となるX線束のX線強度角度分布を均一に補正する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタを、陽極と被検体との間に所定の距離で設けたことを特徴とするX線照射装置。
  7. 請求項6に記載のX線照射装置を採用したことを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のヒール効果補正フィルタをX線CT装置に適用し、体軸線方向に沿って撮像される画像データのCT値の差を低減することによって、前記X線CT装置で撮像される画像データのアーチファクトを低減させることを特徴とするX線CT撮像方法。

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