JP2009125250A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高画質のマルチエネルギー撮影画像が得られるマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置を提供する。
【解決手段】一対のX線源及びX線検出器を用いて被検体を異なるX線条件で複数回らせんスキャンするらせんマルチエネルギー撮影手段を備え、設定したマルチエネルギー撮影X線条件で前記被検体の体軸方向のすべての位置で有効視野内の領域を異なるX線条件で2回オーバーラップして撮影し、らせんマルチエネルギー撮影画像を再構成するための有効視野内の投影データを用いてマルチエネルギー画像を再構成する。この再構成は、同一のX線条件で得た不連続な投影データから再構成に使用する投影データ範囲を決定し、該投影データ範囲のデータに重み付けをしてパラレルビームベースらせんFeldkamp法で再構成する。
【選択図】図9
【解決手段】一対のX線源及びX線検出器を用いて被検体を異なるX線条件で複数回らせんスキャンするらせんマルチエネルギー撮影手段を備え、設定したマルチエネルギー撮影X線条件で前記被検体の体軸方向のすべての位置で有効視野内の領域を異なるX線条件で2回オーバーラップして撮影し、らせんマルチエネルギー撮影画像を再構成するための有効視野内の投影データを用いてマルチエネルギー画像を再構成する。この再構成は、同一のX線条件で得た不連続な投影データから再構成に使用する投影データ範囲を決定し、該投影データ範囲のデータに重み付けをしてパラレルビームベースらせんFeldkamp法で再構成する。
【選択図】図9
Description
本発明は、同一CT値となる対象物を弁別するマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置に係り、特に高速、安価にマルチエネルギー撮影画像を取得可能なX線CT装置に関する。
X線CT装置には、1回のX線曝射で一つのスライスの断層画像が得られるシングルスライス型X線CT装置と、1回のX線曝射で複数のスライスの断層画像が得られるマルチスライス型X線CT装置とがある。
前記シングルスライス型X線CT装置は、多数のX線検出素子を1列、すなわち1次元方向(チャネル方向)に配列したX線検出器を用い、被検体にファンビーム、すなわち扇形のX線ビームをX線管から照射し、前記被検体透過後のX線を計測して被検体の投影データを得る。
これに対して、前記マルチスライス型X線CT装置は、被検体にコーンビーム、すなわち円錐形もしくは角錐形のX線ビームをX線管から照射し、多数のX線検出素子を2次元方向(チャネル方向と列方向)に配列したX線検出器によって前記被検体透過後のX線を計測して被検体の投影データを得る。
いずれのX線CT装置においても、X線管から放射されたX線が被検体を透過し、該透過した被検体内の物質(組織)のX線減弱係数に応じて減衰したX線強度をX線検出器で検出して投影データを収集し、この投影データに再構成フィルタを重畳してフィルタ補正投影データを得、このフィルタ補正投影データに対して撮影条件によって決定される断層像の位置によらずにビュー(離散的なX線管の位置)方向に略同一の形状の重み(以下、ビュー方向重みと記す)を加重しながら逆投影(画像再構成)することで、被検体内部のX線減弱係数の分布図として非破壊的に断層像を画像化するものである。
前記被検体内部のX線減弱係数は、透過するX線のエネルギーに応じて変化する。言い換えれば、X線管の陽極に衝突する電子のエネルギー、さらに言い換えれば、X線管の陽極と陰極間に印加される直流の高電圧(以下、管電圧と記す)に応じて変化することが知られている。
具体的には、X線減弱係数が高いほどX線遮断率が高く、X線の透過量が減少する。また、X線減弱係数は、X線が照射される物体の材質や密度などによって変化し、X線管から照射されたX線のエネルギーが低いほどX線減弱係数は高くなり、人体においては消化管や血管などの軟部組織ではX線減弱係数が低く、骨や歯などではX線減弱係数が高いことが知られている。
X線のエネルギーが低い場合にはX線減弱係数が高く、高い場合にはX線減弱係数は低くなることは、言い換えれば、あるX線エネルギーで撮影した撮影画像において、単一のX線エネルギーによる撮影では近い輝度値(CT値)を示して物質の違いが弁別できない場合でも、異なるエネルギーのX線で撮影すれば異なるCT値を示して物質の違いを弁別することができることを意味する。
このようなCT値の特性を利用して、近年、同一断層面を複数の異なる管電圧でスキャンしたり、検出器にX線光子エネルギーの弁別機能を持たせることにより、異なる実効光子エネルギーによるCT画像を得る、マルチエネルギー撮影機能を持つX線CT装置が登場している。このマルチエネルギー撮影の利点は、単一実効エネルギーでは同一CT値となって弁別できない対象物、たとえば、骨と適当な造影濃度の造影血管とが異なる実効エネルギーでは異なるCT値となることにより弁別可能となることにある。
上記マルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置として以下のものがあり、いずれも2006年の北米放射線学会及び下記の特許文献で周知となっている。
(1)第1の方法
X線CT装置にX線管とX線検出器の対を複数搭載し、各々の対で異なる管電圧による計測を行う方法である(以下、多線源・多検出器法と記す)。
この方法は、特許文献1に開示されている。
X線CT装置にX線管とX線検出器の対を複数搭載し、各々の対で異なる管電圧による計測を行う方法である(以下、多線源・多検出器法と記す)。
この方法は、特許文献1に開示されている。
(2)第2の方法
X線検出器をX線の透過方向に対して多層化し、低エネルギーの光子はX線源に対向する少ない層数で吸収され、高エネルギーの光子が吸収されるにはそれより多くの層が必要なことを利用して、異なる実効エネルギーによる計測データを得る方法である(以下、多層検出器法と記す)。
この多層検出器法は、異なる管電圧によるスキャンを行わずに1回のスキャンでマルチエネルギー撮影が可能で、特許文献2に開示されている。
X線検出器をX線の透過方向に対して多層化し、低エネルギーの光子はX線源に対向する少ない層数で吸収され、高エネルギーの光子が吸収されるにはそれより多くの層が必要なことを利用して、異なる実効エネルギーによる計測データを得る方法である(以下、多層検出器法と記す)。
この多層検出器法は、異なる管電圧によるスキャンを行わずに1回のスキャンでマルチエネルギー撮影が可能で、特許文献2に開示されている。
(3)第3の方法
一対のX線源と非多層X線検出器を備えて同一断層面に対して管電圧の異なる複数回のスキャンを行う方法である。
特に、1回転中の約2/3回転の間にX線を照射し、残りの約1/3回転の間はX線照射を止めて次に撮影する異なる管電圧でのX線照射に備える、という方法が代表的である(以下、マルチハーフスキャン法と記す)。
この方法は、2006年の北米放射線学会の非特許文献1に開示されている。
一対のX線源と非多層X線検出器を備えて同一断層面に対して管電圧の異なる複数回のスキャンを行う方法である。
特に、1回転中の約2/3回転の間にX線を照射し、残りの約1/3回転の間はX線照射を止めて次に撮影する異なる管電圧でのX線照射に備える、という方法が代表的である(以下、マルチハーフスキャン法と記す)。
この方法は、2006年の北米放射線学会の非特許文献1に開示されている。
しかし、上記のマルチエネルギー撮影方法には、経済性、性能の点において以下の課題がある。
(1)多線源・多検出器法
複数のX線発生系及びX線検出系をスキャナ回転部に搭載する必要があるので、非常に大型で高価なものとなる。
(1)多線源・多検出器法
複数のX線発生系及びX線検出系をスキャナ回転部に搭載する必要があるので、非常に大型で高価なものとなる。
(2)多層検出器法
異なる管電圧でスキャンするマルチエネルギー撮影に比べて実効エネルギーの差が小さいので、上記多線源・多検出器法、マルチハーフスキャン法に比べて物質弁別性能が劣る。
また、多層X線検出器を使用するため、多線源・多検出器法ほどではないが、高価になる。
異なる管電圧でスキャンするマルチエネルギー撮影に比べて実効エネルギーの差が小さいので、上記多線源・多検出器法、マルチハーフスキャン法に比べて物質弁別性能が劣る。
また、多層X線検出器を使用するため、多線源・多検出器法ほどではないが、高価になる。
(3)マルチハーフスキャン法
上記非特許文献3のCONCLUSION/SUMMARYに記載されているように、
管電圧の切り替えのため、1回転あたり約1/3回転のX線無照射時間が必要であり、しかも画像再構成に利用できるのは、約2/3回転のX線照射時間に計測されたデータの全てではなく、1/2回転分のデータであるため、通常のいわゆるフルスキャン(1回転中にX線無照射時間がない)に比べて画像ノイズが大きくなる。また、ハーフスキャンでは対向データ(X線管が180度の対向位置にある時の計測データ)が存在しないため、いわゆるオフセットディテクタの効果(空間分解能向上、ストリークアーチファクト低減)が得られない。
上記非特許文献3のCONCLUSION/SUMMARYに記載されているように、
管電圧の切り替えのため、1回転あたり約1/3回転のX線無照射時間が必要であり、しかも画像再構成に利用できるのは、約2/3回転のX線照射時間に計測されたデータの全てではなく、1/2回転分のデータであるため、通常のいわゆるフルスキャン(1回転中にX線無照射時間がない)に比べて画像ノイズが大きくなる。また、ハーフスキャンでは対向データ(X線管が180度の対向位置にある時の計測データ)が存在しないため、いわゆるオフセットディテクタの効果(空間分解能向上、ストリークアーチファクト低減)が得られない。
上記(1)、(2)の方法は、装置が大型で高価であるという問題を有しており、これらよりも安価なマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置が望まれている。この要望に対して、(3)のマルチハーフスキャン法は、一対のX線源と非多層X線検出器とでスキャナを構成できるので、上記(1)、(2)の方法よりも小型、安価であるという特長を有する。
しかしながら、上記(3)のマルチハーフスキャン法には以下の問題がある。
すなわち、らせんスキャンを行わない単一のスライス位置でのマルチハーフスキャン法は、管電圧の切り替えのための無照射時間が必要であるために、体軸方向に広範囲を撮影する場合は、ある位置でマルチハーフスキャンを実施後、撮影位置を移動して撮影を行わなければならない。例えばスキャナ回転板の1回転目で高い管電圧で撮影し、2回転目で低い管電圧で撮影して、次の撮影位置に移動して高管電圧と低管電圧での2回の撮影を行い、これを最終の撮影位置まで行わなければならない。すなわち、ある撮影位置で寝台を停止して高管電圧での撮影と低管電圧での撮影を行い、次の撮影位置に寝台を移動して、この位置で停止して高管電圧での撮影と低管電圧での撮影を行なわなければならないので、寝台を停止して撮影(高低両管電圧での撮影)→寝台を次の撮影位置に移動→この撮影位置で寝台を停止して撮影(高低両管電圧での撮影)→次の撮影位置に寝台を移動→・・・最終の撮影位置に移動して撮影するということになるので、検査時間が非常に長くなるという課題を有する。
すなわち、らせんスキャンを行わない単一のスライス位置でのマルチハーフスキャン法は、管電圧の切り替えのための無照射時間が必要であるために、体軸方向に広範囲を撮影する場合は、ある位置でマルチハーフスキャンを実施後、撮影位置を移動して撮影を行わなければならない。例えばスキャナ回転板の1回転目で高い管電圧で撮影し、2回転目で低い管電圧で撮影して、次の撮影位置に移動して高管電圧と低管電圧での2回の撮影を行い、これを最終の撮影位置まで行わなければならない。すなわち、ある撮影位置で寝台を停止して高管電圧での撮影と低管電圧での撮影を行い、次の撮影位置に寝台を移動して、この位置で停止して高管電圧での撮影と低管電圧での撮影を行なわなければならないので、寝台を停止して撮影(高低両管電圧での撮影)→寝台を次の撮影位置に移動→この撮影位置で寝台を停止して撮影(高低両管電圧での撮影)→次の撮影位置に寝台を移動→・・・最終の撮影位置に移動して撮影するということになるので、検査時間が非常に長くなるという課題を有する。
この問題を解決するためには、マルチハーフスキャン法にてらせんスキャン(以下、らせん・マルチスキャン法と記す)を行うことが考えられるが、高管電圧での撮影と低管電圧での撮影が交互に行われることから、撮影データのビュー方向の不連続性により、らせんピッチによって、また画像スライス位置によっては撮影データが不完全になることが推定されるので、従来の一般的な再構成方法では再構成することができない。
本発明の目的は,1回の高低両管電圧では撮影が不可能な被検体の撮影部位を高速に撮影可能で、かつ高画質のマルチエネルギー撮影画像が得られるマルチエネルギー撮影機能を備えたX線CT装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のX線CT装置は以下のように構成される。
(1)被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線を検出する一対のX線源及び非多層X線検出器と、この一対のX線源及び非多層X線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記X線源からのX線照射領域を制限するX線制限手段と、前記被検体の同一スライス位置を異なるX線条件で複数回スキャンするマルチエネルギー撮影手段と、前記異なるX線条件を設定するマルチエネルギー撮影X線条件設定手段と、前記スキャナ回転手段の特定のビュー範囲毎に前記設定した異なるX線条件に遷移するX線条件遷移手段と、前記異なるX線条件に対応するX線量を制御するX線制御手段と、前記マルチエネルギー撮影による断層像の再構成を含む再構成手段と、前記再構成手段で再構成した画像及び各種情報を表示する表示手段とを備えたX線CT装置であって、前記マルチエネルギー撮影手段は、前記マルチエネルギー撮影X線条件設定手段で設定したX線条件でらせんスキャンを行うらせんマルチエネルギースキャン手段を備え、前記再構成手段は、前記らせんマルチエネルギー撮影手段でスキャンして取得した投影データを用いて再構成するらせんマルチエネルギー再構成手段を備えたものである。
(1)被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線を検出する一対のX線源及び非多層X線検出器と、この一対のX線源及び非多層X線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記X線源からのX線照射領域を制限するX線制限手段と、前記被検体の同一スライス位置を異なるX線条件で複数回スキャンするマルチエネルギー撮影手段と、前記異なるX線条件を設定するマルチエネルギー撮影X線条件設定手段と、前記スキャナ回転手段の特定のビュー範囲毎に前記設定した異なるX線条件に遷移するX線条件遷移手段と、前記異なるX線条件に対応するX線量を制御するX線制御手段と、前記マルチエネルギー撮影による断層像の再構成を含む再構成手段と、前記再構成手段で再構成した画像及び各種情報を表示する表示手段とを備えたX線CT装置であって、前記マルチエネルギー撮影手段は、前記マルチエネルギー撮影X線条件設定手段で設定したX線条件でらせんスキャンを行うらせんマルチエネルギースキャン手段を備え、前記再構成手段は、前記らせんマルチエネルギー撮影手段でスキャンして取得した投影データを用いて再構成するらせんマルチエネルギー再構成手段を備えたものである。
(2)前記らせんマルチエネルギースキャン手段は、前記スキャナ回転手段の周回方向にある一定以上の角度範囲を有し、前記被検体の体軸方向のすべての位置で有効視野内の領域が2回オーバーラップして撮影する手段を備え、前記有効視野は、単一のX線条件での撮影画像を再構成するための第1の有効視野と、この視野よりも狭い視野であるマルチエネルギー撮影画像を再構成するための第2の有効視野から成る。
(3)前記第2の有効視野で取得する投影データの範囲は、撮影位相角度に一致する低X線エネルギー画像を生成するための第1の投影データ範囲と、高X線エネルギー画像を生成するための第2の投影データ範囲とを有する。
(4)前記らせんマルチエネルギースキャン手段は、前記設定した第2の有効視野のサイズと撮影条件であるらせんピッチとを関連付けた投影データ幅設定手段を備えて成る。
以上、本発明によれば、X線源と単層X線検出器を1対のみ有することで、多線源・多検出器法や多層検出器法のように高価な装置でなく、有効視野サイズや撮影データ幅に応じたらせんピッチによるらせんスキャンにより、十分なX線実効エネルギーの差を有する高速スキャン、高画質のマルチエネルギー撮影画像を安価な構成で取得するX線CT装置を提供することができる。
以下、添付図面に従って本発明のX線CT装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
なお、本発明は、シングルスライス型、マルチスライス型のいずれにも適用可能であるが、ここではマルチスライス型のX線CT装置に適用した場合について説明する。
なお、本発明は、シングルスライス型、マルチスライス型のいずれにも適用可能であるが、ここではマルチスライス型のX線CT装置に適用した場合について説明する。
図1は、本発明に係るマルチスライス型のX線CT装置の全体外観図、図2は図1の詳細を示すX線CT装置の全体構成図である。
本発明に係るマルチスライス型のX線CT装置は、図1、図2に示すように、被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線データを収集するスキャナ1と、被検体を載置して前記被検体を撮影位置に移動する寝台2と、各種動作設定を行うと共に収集したX線データに基づいてX線断層像を再構成し表示する入力装置、演算装置、表示装置を備えた操作ユニット3とにより構成される。
本発明に係るマルチスライス型のX線CT装置は、図1、図2に示すように、被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線データを収集するスキャナ1と、被検体を載置して前記被検体を撮影位置に移動する寝台2と、各種動作設定を行うと共に収集したX線データに基づいてX線断層像を再構成し表示する入力装置、演算装置、表示装置を備えた操作ユニット3とにより構成される。
前記スキャナ1は、X線高電圧装置1aによって制御されてX線を発生するX線源としてのX線管を備えたX線発生装置1bを有する。該X線発生装置1bから放射されたX線は、コリメータ制御装置1cによって制御されるコリメータ1d(X線制限手段)により、例えば角錐形のX線ビーム、すなわちコーンビームX線とされて被検体4に照射され、該被検体4を透過したX線は非多層のX線検出器1eに入射する(一対のX線源及び非多層X線検出器)。
前記X線高電圧装置1aは、管電圧である高電圧を発生して前記X線管の陽極と陰極間に印加する高電圧発生装置1a1と、前記管電圧及び前記X線管の陽極と陰極間に流す電流(以下、管電流と記す)を制御するX線制御装置1a2を備えて構成され、該X線制御装置1a2により後述の操作ユニット3の入力装置3a2から入力したX線撮影条件に対応する管電圧、管電流を制御してX線量を制御する(X線制御手段)。
前記X線検出器1eと前記X線発生装置1bのX線源(X線管)の焦点との位置関係には、空間分解能向上とファインストリークアーチファクトの低減を図るために1/4チャネルオフセットディテクタ方式が採用され、前記X線検出器1eは、チャネル方向と列方向に二次元的に配列された複数のX線検出素子を有する。
このX線検出素子は、例えばシンチレータとフォトダイオードとの組み合わせによって構成され、検出器全体として円筒面状若しくはチャネル方向に関して折れ線状に湾曲したX線入射面が構成されている。検出素子の配列数としてのチャネル番号iは1〜1000程度、列番号jは1〜1000程度である。
このX線検出素子は、例えばシンチレータとフォトダイオードとの組み合わせによって構成され、検出器全体として円筒面状若しくはチャネル方向に関して折れ線状に湾曲したX線入射面が構成されている。検出素子の配列数としてのチャネル番号iは1〜1000程度、列番号jは1〜1000程度である。
前記X線検出器1eにおけるチャネルの配列方向に一致するコーンビームX線のチャネル方向の広がり角度、すなわちファン角度はαであり、またX線検出器11における列の配列方向に一致するコーンビームX線の列方向の広がり角度、すなわちコーン角度はγである。
このように構成されたX線検出器1eにはプリアンプ1fが接続され、このプリアンプ1fで増幅されたX線検出値がA/Dコンバータ1gでディジタルデータに変換されて後述の演算装置3bの画像処理装置3b1に入力される。
上記のX線高電圧装置1e、プリアンプ1f等は、X線発生装置1b及びX線検出器1eと共にスキャナガントリ1の回転板5(スキャナ回転手段)に搭載され、この回転板5はスキャナ制御装置1hによって制御される駆動装置1iからの駆動力により被検体4の周囲を回転する。
前記スキャナ回転板5に搭載された搭載物(X線高電圧装置1a、X線検出器1e等)には、スリップリングとブラシから成る電力及び信号伝達機構によりスキャナ固定側から電力が供給されると共に各種信号の授受が行われて連続的らせんスキャンが可能に構成されている。
前記寝台2は、寝台制御装置1jによって適切な寝台高さにされると共に、被検体4をスキャナガントリ1のX線照射空間に搬入および搬出される。
また、寝台移動計測装置1kは、体軸方向および鉛直方向の寝台位置を検出し、その情報を後述の演算装置3bに入力する。
また、寝台移動計測装置1kは、体軸方向および鉛直方向の寝台位置を検出し、その情報を後述の演算装置3bに入力する。
前記X線制御装置1a2、スキャナ制御装置1h、寝台制御装置1jは、前記操作ユニット3の操作指令に対応して中央制御装置1lによって制御される。
なお、前記スキャナ制御装置1hは、前記中央制御装置1lからの制御信号によりコリメータ制御装置1cに制御指令を与えてコリメータ1dを制御する。
なお、前記スキャナ制御装置1hは、前記中央制御装置1lからの制御信号によりコリメータ制御装置1cに制御指令を与えてコリメータ1dを制御する。
前記操作ユニット3は、スキャナ1を統括制御するための前記中央制御装置1lに操作指令を入力及び後述の演算装置3bとの間で信号を授受する入出力装置3aと、前記A/Dコンバータ1gのディジタルのX線検出信号が入力されてCT画像生成のための各種演算を行う演算装置3bとを備えて構成される。
前記入出力装置3aは、操作及び画像演算に必要な各種データ、前記演算装置3bで演算して生成した画像データ、及びX線CT装置の機能を実現するためのプログラム等を記憶する記憶装置3a1と、前記スキャナ1を操作するための操作指令や前記演算装置3bで演算に必要なデータ等を入力する入力装置3a2と、前記演算装置3bで生成した再構成画像データに表示制御処理を施して再構成画像等を表示する表示装置3a3(表示手段)とを備えて構成される。
前記演算装置3bは、ディジタルX線検出データが入力されてLOG変換、キャリブレーション等を行って投影データを得るための画像処理装置3b1と、該画像処理装置3b1で処理して得られた投影データを用いて再構成演算を行う再構成演算装置3b2とを備えて構成される(再構成手段)。
この再構成された再構成画像データは、前記入出力装置3aの記憶装置3a1に保存され、前記表示装置3a3にCT画像として表示される。もしくは、スキャノグラム画像のように再構成演算が不要な場合等は、画像処理装置3b1にて加工された後、表示装置3a3に再構成が不要なスキャノグラム等の画像が表示される。
この再構成された再構成画像データは、前記入出力装置3aの記憶装置3a1に保存され、前記表示装置3a3にCT画像として表示される。もしくは、スキャノグラム画像のように再構成演算が不要な場合等は、画像処理装置3b1にて加工された後、表示装置3a3に再構成が不要なスキャノグラム等の画像が表示される。
このように構成されたX線CT装置において、前記操作ユニット3の入力装置3b2から撮影条件(寝台移動速度、管電流、管電圧、スライス位置など)や再構成パラメータ(関心領域、再構成画像サイズ、逆投影位相幅、再構成フィルタ関数など)が入力されると、その指示に基づいて、撮影に必要な制御信号が中央制御装置1lから、X線制御装置1a2、寝台制御装置1j、スキャナ制御装置1hに送られる。
前記指示に基づいて、X線制御装置1a2、寝台制御装置1j、スキャナ制御装置1hから各制御信号が発せられ、寝台2に載置された被検体4がスキャナ1のガントリの開口部(図示省略)の撮影位置に搬入される。
また、前記コリメータ1dの開口幅は、前記コリメータ制御装置1cにより制御されてコーンビームX線のコーン角度γが設定される。
また、前記コリメータ1dの開口幅は、前記コリメータ制御装置1cにより制御されてコーンビームX線のコーン角度γが設定される。
前記撮影準備を確認後、入力装置3b2からの撮影スタート信号を受けて撮影が開始される。撮影が開始されると、X線制御装置1a2によりX線発生装置1bのX線管のフィラメントが加熱され、高電圧発生装置1a1から高電圧(管電圧)が前記X線管の陽極と陰極間に印加されてX線発生装置1bから設定された管電圧、管電流に応じたX線が被検体4へ照射される。
同時に、スキャナ制御装置1hから駆動装置1iにスキャナ回転板5の回転駆動制御信号が送られ、X線発生装置1b、X線検出器1e、プリアンプ1f等が被検体4の周りに周回される。
同時に、スキャナ制御装置1hから駆動装置1iにスキャナ回転板5の回転駆動制御信号が送られ、X線発生装置1b、X線検出器1e、プリアンプ1f等が被検体4の周りに周回される。
一方、被検体4を載せた寝台2は、前記寝台制御装置1jによりらせんスキャンを行わないスキャン時は撮影位置で静止したままで撮影を行い(以下、このスキャンをノーマル・スキャンと記す)、らせんスキャン時は寝台制御装置1jによりX線発生装置1b等の周回軸方向に平行移動される。
上記により照射されたX線は、コリメータ1dで照射領域が制限され、被検体内の各組織で吸収(減衰)されて被検体4を透過し、X線検出器1eで検出される。このX線検出器1eで検出されたX線は、電流に変換されてプリアンプで増幅され、A/Dコンバータでディジタルデータに変換されて画像処理装置3b1に入力される。この入力されたデータは、LOG変換、キャリブレーション等が行われて投影データとなり再構成演算装置3b2に入力される。
再構成演算装置3b2は入力された投影データを、画像再構成処理して再構成画像データを生成する。生成された画像データは入出力装置3a内の記憶装置3a1に保存され、表示装置3a3にCT画像として表示される。
再構成演算装置3b2は入力された投影データを、画像再構成処理して再構成画像データを生成する。生成された画像データは入出力装置3a内の記憶装置3a1に保存され、表示装置3a3にCT画像として表示される。
図3は、マルチスキャン法に基づくマルチエネルギー撮影の例を示す図で、同図(a)はノーマル・マルチスキャン法、(b)はらせん・マルチスキャン法を示す。どちらの場合も1対のX線源とX線検出器を用いてエネルギーの異なるX線を交互に照射することで、マルチエネルギー撮影データを収集することができる。
図4は、マルチスキャン法における撮影とX線条件(管電圧、管電流)の切り替えに関する例を示す図である。マルチスキャン法では、図4に示すように、撮影とX線条件の切り替えを交互に行いながら撮影を行う。
このマルチスキャン法において、画像を生成するためには、スキャナ回転板5の周回方向および周回軸方向(以下、体軸方向)に十分な撮影データを収集するために、ある一定の条件を満たす必要がある。
このマルチスキャン法において、画像を生成するためには、スキャナ回転板5の周回方向および周回軸方向(以下、体軸方向)に十分な撮影データを収集するために、ある一定の条件を満たす必要がある。
まず、周回方向の必要条件として、ノーマル・マルチスキャン法、らせん・マルチスキャン法のいずれの場合も、周回方向にある一定以上の角度範囲を撮影する必要がある。ここで、周回方向へのX線ビームの開き角(以下、ファン角)をα[rad]、逆投影に使用するデータ角度範囲をφ[rad]、周回方向への撮影位相角度範囲をβ[rad]とすると、撮影対象物を撮影するための撮影範囲は、
β≧φ+α (式1)
φ≧π (式2)
を満たす必要がある。
β≧φ+α (式1)
φ≧π (式2)
を満たす必要がある。
また、体軸方向の必要条件として、らせん・マルチスキャン法において体軸方向に特定の条件を満たす必要がある。
この条件は、らせん・マルチスキャンにおいて、ある断層位置で周回軸を中心とした円で表される有効視野範囲の直径fom[mm]の撮影データを2πF[rad]分収集するときに、図5及び後述の図9、図10に示すように、体軸方向のすべての位置で有効視野FOV(Field of View)内の領域が2回オーバーラップして撮影されることを保証する条件であり、この条件を満たすことによって撮影位置における高管電圧、低管電圧の両撮影データを収集することができる。
なお、上記Fは逆投影されるデータの幅(=逆投影位相幅)を示す指標で、F周分(2πF)のデータが逆投影されることを表す。
この条件は、らせん・マルチスキャンにおいて、ある断層位置で周回軸を中心とした円で表される有効視野範囲の直径fom[mm]の撮影データを2πF[rad]分収集するときに、図5及び後述の図9、図10に示すように、体軸方向のすべての位置で有効視野FOV(Field of View)内の領域が2回オーバーラップして撮影されることを保証する条件であり、この条件を満たすことによって撮影位置における高管電圧、低管電圧の両撮影データを収集することができる。
なお、上記Fは逆投影されるデータの幅(=逆投影位相幅)を示す指標で、F周分(2πF)のデータが逆投影されることを表す。
本発明は、上記周回方向の必要条件と体軸方向の必要条件とを満たすことにより、撮影データのビュー方向の不連続性により、らせんピッチによって、また画像スライス位置によっては撮影データが不完全になるという問題を解消するものである。以下、これについて詳細に説明する。
X線源と周回軸間の距離をsod[mm]、X線源とX線検出器間の距離をsid[mm]、1スキャンあたりの寝台移動量(以下、寝台移動速度)をtable[mm/rotation]、再構成する撮影データのビュー方向のサイズ(撮影データ幅)を2πF[rad]、体軸方向のX線検出器素子サイズをdapp[mm]、X線検出器列数をrow[rows]とすると、寝台移動速度tableは(式3)のように表される。
table≦dapp×(row-1)×(sod-fom/2)/sid)/(2F) (式3)
また、撮影データ幅2πFと逆投影位相幅φとの関係は(式4)のように表される。
2πF=φ+α (式4)
X線源と周回軸間の距離をsod[mm]、X線源とX線検出器間の距離をsid[mm]、1スキャンあたりの寝台移動量(以下、寝台移動速度)をtable[mm/rotation]、再構成する撮影データのビュー方向のサイズ(撮影データ幅)を2πF[rad]、体軸方向のX線検出器素子サイズをdapp[mm]、X線検出器列数をrow[rows]とすると、寝台移動速度tableは(式3)のように表される。
table≦dapp×(row-1)×(sod-fom/2)/sid)/(2F) (式3)
また、撮影データ幅2πFと逆投影位相幅φとの関係は(式4)のように表される。
2πF=φ+α (式4)
ここで、具体的な数値を用いて、らせん・マルチスキャンとノーマル・マルチスキャンの撮影時間を比較する。まず、(式3)を用いて、らせん・マルチスキャンの場合の寝台移動速度上限を求める。(式3)に、標準的なCT装置の例としてdapp=0.625[mm]、row=64[rows]、sod=600[mm]、sid=1000[mm]、fom=500[mm]を代入し、F=0.5(180度再構成)とすると、寝台移動速度の上限はtablemax≦13.8[mm/rotation](らせんピッチ上限HPmax≦0.34)となる。さらに1スキャンあたりのスキャン速度0.4[s/rotation]とすると、撮影の速度は34.5[mm/s]となる。次にノーマル・マルチスキャンの場合の撮影速度を同じ条件で求める。ただし、180度再構成で、1スキャンあたりのスキャン時間0.4[s]のうち、撮影時間を0.3[s]、管電圧切替時間を0.1[s]とする。さらに、寝台移行時間を1.0[s]として1度だけ寝台を移行させるとすると撮影距離は27.6[mm]、撮影時間は2.4[s]となり、撮影速度は11.5[mm/s]となる。両者を比較すると、らせん・マルチスキャンのほうが約3倍速い。このように、らせん・マルチスキャンはノーマル・マルチスキャンよりも高速撮影が可能となる。
図6は本発明に係るマルチスキャン法におけるX線条件である管電圧と管電流の切り替えに関する説明図である。
例えば、スキャンを1周行う毎に管電圧を切り替える場合、図6に示すよう
に1回転目と2回転目の間に管電圧遷移期間を設け、この期間に管電圧を切り替える。その際、管電圧の切り替えに合わせ、管電流を変調することが望ましい。これは、管電圧の2乗に比例してX線管から照射されるフォトン数が増加するためであり、フォトン数を管電圧切り替え前後で同等にすることで管電圧の違いによるノイズむらを抑制することができる。
例えば、スキャンを1周行う毎に管電圧を切り替える場合、図6に示すよう
に1回転目と2回転目の間に管電圧遷移期間を設け、この期間に管電圧を切り替える。その際、管電圧の切り替えに合わせ、管電流を変調することが望ましい。これは、管電圧の2乗に比例してX線管から照射されるフォトン数が増加するためであり、フォトン数を管電圧切り替え前後で同等にすることで管電圧の違いによるノイズむらを抑制することができる。
この場合、管電圧は降順に遷移する際の遷移時間を管電圧の遷移時間とすること(高い管電圧から低い管電圧に切り替えること)が以下の理由により望ましい。
フォトン数を同じにする場合、高管電圧では低管電圧より低い管電流で撮影する必要があり、高管電圧から低管電圧へ切り換える場合には管電圧を上げる必要があり、逆の場合は下げる必要がある。
この際、管電流を下げる場合には熱慣性の影響により、管電圧を上げる場合よりも長い時間を要する。そのため低管電圧から高管電圧への切り換え時間を管電圧の遷移時間とすると良い。
管電流の遷移時間に管電圧の遷移時間を合わせることは容易である。そこで、図6に示すようにスキャナ回転板5の1回転目と2回転目の間に管電圧と管電流を変更する短時間(例えば、0.1秒程度)の遷移期間を設け、かつ管電流遷移期間と管電圧遷移期間とを一致させて(X線条件遷移手段)、管電圧と管電流を切り替える。
図6は、管電圧を下げた場合で、管電圧の遷移前後のフォトン数を同じにするために管電流を大きくする例である。
フォトン数を同じにする場合、高管電圧では低管電圧より低い管電流で撮影する必要があり、高管電圧から低管電圧へ切り換える場合には管電圧を上げる必要があり、逆の場合は下げる必要がある。
この際、管電流を下げる場合には熱慣性の影響により、管電圧を上げる場合よりも長い時間を要する。そのため低管電圧から高管電圧への切り換え時間を管電圧の遷移時間とすると良い。
管電流の遷移時間に管電圧の遷移時間を合わせることは容易である。そこで、図6に示すようにスキャナ回転板5の1回転目と2回転目の間に管電圧と管電流を変更する短時間(例えば、0.1秒程度)の遷移期間を設け、かつ管電流遷移期間と管電圧遷移期間とを一致させて(X線条件遷移手段)、管電圧と管電流を切り替える。
図6は、管電圧を下げた場合で、管電圧の遷移前後のフォトン数を同じにするために管電流を大きくする例である。
前記管電圧遷移期間のデータは、キャリブレーションによりそれぞれの管電圧での撮影データ相当に変換を行う。これにより、データの利用効率を改善することができる。
具体例として、撮影により得られた投影データをSdata、サイズがR[mm]である水ファントムなどのキャリブレーションファントムをK[kV]にて撮影したキャリブレーション投影データをCdata、キャリブレーション投影データから得られた補正関数をCorr、Sdataを変換して得られたデータをCSdata、Cdataから補正曲線を算出する関数をApfとすると、目的の管電圧TKへの補正処理は、例えば、(式5)、(式6)にて行って前記管電圧遷移期間のデータを得る(投影データ変換手段)。
CSdata=Corr(Sdata,TK) ‥‥(式5)
Corr=Apf(Cdata(kV,R)) ‥‥(式6)
なお、前記補正を行うデータは、キャリブレーションデータとしてテーブル化し、これを記憶装置3a1に保存し、適宜読み出して使用する方法でも良い。
具体例として、撮影により得られた投影データをSdata、サイズがR[mm]である水ファントムなどのキャリブレーションファントムをK[kV]にて撮影したキャリブレーション投影データをCdata、キャリブレーション投影データから得られた補正関数をCorr、Sdataを変換して得られたデータをCSdata、Cdataから補正曲線を算出する関数をApfとすると、目的の管電圧TKへの補正処理は、例えば、(式5)、(式6)にて行って前記管電圧遷移期間のデータを得る(投影データ変換手段)。
CSdata=Corr(Sdata,TK) ‥‥(式5)
Corr=Apf(Cdata(kV,R)) ‥‥(式6)
なお、前記補正を行うデータは、キャリブレーションデータとしてテーブル化し、これを記憶装置3a1に保存し、適宜読み出して使用する方法でも良い。
図7、図8はノーマル・スキャンにおける寝台移動量DとFOVの関係を示すための撮影領域を周回軸と垂直な方向から見た概念図であり、図7は低管電圧と高管電圧の両者で撮影された領域、図8は体軸方向に常に低管電圧と高管電圧の両者で撮影を確保できるFOVの領域を示している。
前記図7、図8のFOV1は、マルチエネルギー画像および通常画像の再構成を保証するFOV範囲を示し、図7、図8の(b)は(a)と比較して、より広いFOV範囲を収集する場合を示している。
前記図7、図8のFOV1は、マルチエネルギー画像および通常画像の再構成を保証するFOV範囲を示し、図7、図8の(b)は(a)と比較して、より広いFOV範囲を収集する場合を示している。
図7、図8において、S1〜S6は低管電圧、または高管電圧による撮影を示しており、例えば、S1、S3、S5は高管電圧、S2、S4、S6は低管電圧により撮影が行われる。また、図7、図8の(a)、(b)において、通常画像およびマルチエネルギー画像を再構成できるFOV範囲は低管電圧、高管電圧の両者で撮影が行われた領域、すなわち図7の斜線領域(FOV1の範囲)となり、実際に使用できる領域は図8の斜線領域A1(=FOV1)に示すような軸方向に常に確保されるFOV領域である。
このとき、高管電圧と低管電圧の両撮影が行われた後の寝台移動量は、S1(S2)とS3(S4)との間の距離Dとなる。
このとき、高管電圧と低管電圧の両撮影が行われた後の寝台移動量は、S1(S2)とS3(S4)との間の距離Dとなる。
図9、図10はらせんスキャンにおけるFOVと撮影データ幅と寝台移動速度(らせんピッチ)の関係を示すための撮影領域を周回軸と垂直な方向から見た概念図で、図9は低管電圧と高管電圧の両者で撮影された領域、図10は体軸方向に常に確保できるFOVの領域を示し、図9、図10の(b)は(a)と比較して、より広いFOV範囲を収集する場合、すなわちらせんピッチが(a)>(b)の場合である。
また、図9のFOV2(第1の有効視野)は通常画像(マルチエネルギー撮影を行わない画像)、図9及び図10のFOV3(第2の有効視野)はマルチエネルギー画像の再構成を保証するFOV範囲を示す。
これらの図9、図10のS1、S2、S3は連続する撮影(S2はS1の1周後、S3はS2の1周後)を示しており、らせん・マルチスキャン法において、例えば、S1、S3にて低管電圧、S2にて高管電圧による撮影が行われ、この管電圧の切り替えと共に管電流も図6に示すように、低管電圧に対応する大管電流から高管電圧に対応する小管電流に切り替える。
これらの図9、図10のS1、S2、S3は連続する撮影(S2はS1の1周後、S3はS2の1周後)を示しており、らせん・マルチスキャン法において、例えば、S1、S3にて低管電圧、S2にて高管電圧による撮影が行われ、この管電圧の切り替えと共に管電流も図6に示すように、低管電圧に対応する大管電流から高管電圧に対応する小管電流に切り替える。
図9、図10の(a)、(b)において、マルチエネルギー画像を再構成できるFOV範囲は、ノーマル・マルチスキャンの場合と同様に低管電圧、高管電圧の両者で撮影が行われた領域となるが、寝台2の移動中に高管電圧と低管電圧の撮影が交互に行われるので、再構成に使用するデータ分のマージン(図中のY)が必要となるため、図10の斜線領域FOV3のような領域となる。
前記マージンYは、後述の図12にも関連するが、画像を生成する場合、前記(式1)に示したように、撮影データが最低限β=φ+α[rad]以上必要となる。
ここで、らせん・マルチスキャンにおいて、S1とS3の中間の位置で画像を生成する場合、図7のようにマージンがないと十分なデータを収集することができない。このマージンは、管電圧を切り替えながららせん撮影することによる同一管電圧データのビュー方向へのデータ不連続性に対して、全ての位置で十分なデータを確保するために必要である。
なお、このときのらせんピッチの最大は、(式3)として示される。
ここで、らせん・マルチスキャンにおいて、S1とS3の中間の位置で画像を生成する場合、図7のようにマージンがないと十分なデータを収集することができない。このマージンは、管電圧を切り替えながららせん撮影することによる同一管電圧データのビュー方向へのデータ不連続性に対して、全ての位置で十分なデータを確保するために必要である。
なお、このときのらせんピッチの最大は、(式3)として示される。
図11は、らせん・マルチスキャンにより得られたデータにおいて、後述する図12に示す再構成位置P1、P2、P3の画像を再構成するために使用するデータ範囲を示す概念図であり、横軸に体軸(周回軸)を示している。
図11のS1〜S6における横方向の実線は、X線源の位置を基準とした当該管電圧で撮影された範囲(以下、X線源範囲)、横方向の破線はFOV範囲を含むX線照射範囲を示す。また、縦方向の破線は管電圧(kV)、管電流の切り替え位置を示す。
図11のS1〜S6における横方向の実線は、X線源の位置を基準とした当該管電圧で撮影された範囲(以下、X線源範囲)、横方向の破線はFOV範囲を含むX線照射範囲を示す。また、縦方向の破線は管電圧(kV)、管電流の切り替え位置を示す。
図12は、らせん・マルチスキャンにおいて再構成に使用できる投影データの範囲を示す図である。図12(a)はP1の位置(X線源位置が高管電圧での撮影位置)において低管電圧(低kV)画像を生成するために使用可能なデータ範囲(第1の投影データ範囲)、図12(b)はP2の位置(X線源位置が低管電圧での撮影位置)において低管電圧画像を生成するために使用可能なデータ範囲(第1の投影データ範囲)、図12(c)はP3の位置(高管電圧と低管電圧の切り替え位置)において高管電圧(高kV)画像を生成するために使用可能なデータ範囲(第2の投影データ範囲)を示している。
図12(a)では使用可能なデータがS1とS3にまたがっており、合わせたデータ範囲は撮影位相角度β[rad]に一致し、(式1)に示すようにφ+α[rad]以上必要となる。図9に示すマージンYは、S1とS3のそれぞれのデータ幅を合わせてφ+α[rad]となるように調整される。
図12(a)では使用可能なデータがS1とS3にまたがっており、合わせたデータ範囲は撮影位相角度β[rad]に一致し、(式1)に示すようにφ+α[rad]以上必要となる。図9に示すマージンYは、S1とS3のそれぞれのデータ幅を合わせてφ+α[rad]となるように調整される。
図11において、X線源範囲は管電圧(kV)の切り替え位置にて前後の撮影データと重複はなく、X線照射範囲は前後の撮影データとの重複(オーバーラップ)がある。
ここで、従来の単一管電圧のらせんスキャンにおける再構成方法では、撮影されたデータS1〜S6が同一管電圧の連続したデータであり、再構成に使用するデータはX線源範囲のデータのみを必ず含む必要がある。
ここで、従来の単一管電圧のらせんスキャンにおける再構成方法では、撮影されたデータS1〜S6が同一管電圧の連続したデータであり、再構成に使用するデータはX線源範囲のデータのみを必ず含む必要がある。
しかしながら、図11に示すようならせん・マルチスキャン法におけるデータは、S1〜S6まで高管電圧と低管電圧による撮影が交互に行われており、同一管電圧としては不連続なデータである。また、周回軸方向にはX線源範囲のデータが存在しない領域があるため、従来の再構成方法をそのまま使用することができない。
本発明における再構成方法では、まず初めに、同一管電圧である不連続な撮影データにおける再構成に使用するデータ範囲を決定する(投影データ幅設定手段)。
具体的に、図13に示すようにP1の位置を再構成するためS1、S3におけるX線照射範囲のデータから成るデータD1を使用する。同様に、P2の位置を再構成するためS3におけるX線源範囲のデータから成るデータD2を使用する。
同様に、P3の位置を再構成するためS5におけるX線源範囲のデータとS5のX線照射範囲のデータから成るデータD3を使用する。
具体的に、図13に示すようにP1の位置を再構成するためS1、S3におけるX線照射範囲のデータから成るデータD1を使用する。同様に、P2の位置を再構成するためS3におけるX線源範囲のデータから成るデータD2を使用する。
同様に、P3の位置を再構成するためS5におけるX線源範囲のデータとS5のX線照射範囲のデータから成るデータD3を使用する。
このように決定したデータ範囲に対して、これ以降で説明する重み関数を使用して、(式7)、(式8)、(式9)に示す従来の再構成法であるパラレルビームベースらせんFeldkamp再構成法を適用することで、再構成画像を得ることができる(らせんマルチエネルギー再構成手段)。
なお、Pfanはファンビーム投影データ、Pparaはパラレルビーム投影データ、fPparaはフィルタ処理パラレルビーム投影データ、gは再構成フィルタ関数、Iは再構成画像データ、Wはビュー方向重み関数、αはファンビームデータのファン角度、φ他はパラレルビームデータの周回位相、vはファンビーム、およびパラレルビームデータの列方向位置、tはパラレルビーム投影データのチャネル方向位置で、上記(式7)はファンビーム投影データからパラレルビーム投影データへの並べ替え処理、(式8)は再構成フィルタ処理、(式9)は重み付き逆投影処理である。
ここで、ファンビーム投影データPfanは、撮影中においてビュー方向(周回位相方向)に連続であり、そのため、再構成処理に使用されるデータもビュー方向に連続なデータが使用される。
また、従来の重み付き逆投影処理(式9)におけるビュー方向重み関数は、スライス毎に同一形状であり、そのため例えば、円筒状の水ファントムなどをらせんスキャンした再構成画像はスライス位置によらず、ほぼ同一のノイズ量となる。また、低管電圧の画像を再構成する際には低管電圧の撮影データの重みが0以上となり、高管電圧の撮影データの重みは0となるようにする。
なお、Pfanはファンビーム投影データ、Pparaはパラレルビーム投影データ、fPparaはフィルタ処理パラレルビーム投影データ、gは再構成フィルタ関数、Iは再構成画像データ、Wはビュー方向重み関数、αはファンビームデータのファン角度、φ他はパラレルビームデータの周回位相、vはファンビーム、およびパラレルビームデータの列方向位置、tはパラレルビーム投影データのチャネル方向位置で、上記(式7)はファンビーム投影データからパラレルビーム投影データへの並べ替え処理、(式8)は再構成フィルタ処理、(式9)は重み付き逆投影処理である。
ここで、ファンビーム投影データPfanは、撮影中においてビュー方向(周回位相方向)に連続であり、そのため、再構成処理に使用されるデータもビュー方向に連続なデータが使用される。
また、従来の重み付き逆投影処理(式9)におけるビュー方向重み関数は、スライス毎に同一形状であり、そのため例えば、円筒状の水ファントムなどをらせんスキャンした再構成画像はスライス位置によらず、ほぼ同一のノイズ量となる。また、低管電圧の画像を再構成する際には低管電圧の撮影データの重みが0以上となり、高管電圧の撮影データの重みは0となるようにする。
図14は本発明に係るマルチエネルギー撮影により得られたデータを再構成するためのビュー方向重み関数を説明する図である。
図14において、マルチエネルギー撮影により得られた撮影データにおいて、P1を再構成するため、S1、S3から成る投影データにWP1で示すような管電圧切り替え部、およびデータ端部の重みが小さくなる重みを使用する。
同様に、P2、P3においても図14に示すような管電圧切り替え部、およびデータ端部の重みが小さくなる重みを使用する。
図14において、マルチエネルギー撮影により得られた撮影データにおいて、P1を再構成するため、S1、S3から成る投影データにWP1で示すような管電圧切り替え部、およびデータ端部の重みが小さくなる重みを使用する。
同様に、P2、P3においても図14に示すような管電圧切り替え部、およびデータ端部の重みが小さくなる重みを使用する。
また、再構成に使用できるデータ範囲がスライス位置に応じて異なり、この影響によりノイズ量がスライス位置毎に変化することを回避するため、ノイズ量がスライス位置毎に略一定となるように再構成に使用するデータ範囲を制限する(データ幅制限手段)。
この制限条件は、(式10)で示される条件である。
(再構成に使用するデータ幅)≦(再構成に使用可能データ幅)‥‥(式10)
この際、重み関数の形状によってノイズ量が変化する。重み関数形状(再構成に使用するデータ幅を含む)とノイズ量の関係は(式11)、(式12)のように表され、この重み関数形状による影響と再構成に使用するデータ幅による影響を考慮して、再構成画像のノイズ量σ2がスライス位置によらず一定になるように決定する。
ここで、σ2は再構成画像のノイズの分散値、σp 2は投影データのノイズの分散値、mは再構成に使用するデータ幅(ビュー数)、W'(i)は(式12)で表される重み関数W(i)を正規化した重み関数である。
この制限条件は、(式10)で示される条件である。
(再構成に使用するデータ幅)≦(再構成に使用可能データ幅)‥‥(式10)
この際、重み関数の形状によってノイズ量が変化する。重み関数形状(再構成に使用するデータ幅を含む)とノイズ量の関係は(式11)、(式12)のように表され、この重み関数形状による影響と再構成に使用するデータ幅による影響を考慮して、再構成画像のノイズ量σ2がスライス位置によらず一定になるように決定する。
ここで、σ2は再構成画像のノイズの分散値、σp 2は投影データのノイズの分散値、mは再構成に使用するデータ幅(ビュー数)、W'(i)は(式12)で表される重み関数W(i)を正規化した重み関数である。
さらに、重み関数は対向データを含めた重み係数の和が(式13)に示すように、ビュー位置やスライス位置によらず一定値にする。
より具体的には、ノイズ量をスライス位置によらず一定とするため、再構成に使用するデータの全範囲(離散的なデータに対してはそれらの全て)の幅として、スライス位置によらず確保可能な最大幅を決定する。
そのデータ範囲における周回方向に同位相データまたは対向位相に位置する冗長なデータ範囲に対して、(式13)を満たすためにデータ端部の重みが0となるように重み関数を決定する。その結果として、図14に示すような、スライスの位置に応じた異なる重み関数が決定される。
より具体的には、ノイズ量をスライス位置によらず一定とするため、再構成に使用するデータの全範囲(離散的なデータに対してはそれらの全て)の幅として、スライス位置によらず確保可能な最大幅を決定する。
そのデータ範囲における周回方向に同位相データまたは対向位相に位置する冗長なデータ範囲に対して、(式13)を満たすためにデータ端部の重みが0となるように重み関数を決定する。その結果として、図14に示すような、スライスの位置に応じた異なる重み関数が決定される。
ここで、マルチエネルギー撮影によって得られたデータからマルチエネルギー画像を生成できるFOVの外側の領域も通常の再構成にて画像化することができる。この外側の領域は断層像の全体像を把握する上で重要な情報となり得る。
そのため、図9に示すように撮影時にマルチエネルギー画像用のFOV3と通常画像用のFOV2の2種類を設定し、マルチエネルギー画像が生成できるFOV3はマルチエネルギー画像を表示し、その外側の通常画像が生成可能なFOV2は通常画像を表示する。
そのため、図9に示すように撮影時にマルチエネルギー画像用のFOV3と通常画像用のFOV2の2種類を設定し、マルチエネルギー画像が生成できるFOV3はマルチエネルギー画像を表示し、その外側の通常画像が生成可能なFOV2は通常画像を表示する。
らせん・マルチスキャンにおいてFOV2の領域は低管電圧、高管電圧のデータのいずれかしか存在しない場合がある。また、撮影した管電圧以外の管電圧に相当する画像を表示したい場合がある。これは、一般にマルチエネルギー撮影が80kV、140kVで行われ、通常撮影が120kVで行われるため、通常画像には120kV相当の画像が所望されるためである。この場合には(式5)、(式6)に示す変換により所望の管電圧相当のデータに変換(任意X線条件投影データ変換手段)して再構成された画像を表示することができる。
以上の実施例で説明した如く、本発明によるマルチエネルギー撮影機能を適用したX線CT装置は、X線源と単層X線検出器を1対のみ有することで、多線源・多検出器法や多層検出器法のように高価なCT装置でなく、有効視野サイズや撮影データ幅に応じたらせんピッチによるらせんスキャンにより、十分なX線実効エネルギーの差を有する高速スキャン、高画質のマルチエネルギー撮影画像を安価な構成で取得することができる。
本発明の様々な実施例に関する上記のことから、本発明の目的が達成されたことは明らかである。本発明を詳細にわたって述べると共に図示したが、これらは説明及び例示のみを意図したものであって、これらに限定されるものではない。
1 スキャナ、1a X線高電圧装置、1a1 X線制御装置、1b X線発生装置、1d コリメータ、1e X線検出器、1h スキャナ制御装置、1j 寝台制御装置、1l 中央制御装置、2 寝台、3操作ユニット、3a 入出力装置、3a3 表示装置、3b 演算装置、3b1 画像処理装置、3b2 再構成演算装置、α 周回方向へのX線ビームの開き角[rad]、β 周回方向への撮影位相角度範囲[rad]、φ 逆投影に使用するデータ角度範囲[rad]、FOV1 ノーマル・マルチスキャンにおける有効視野、FOV2 らせん・マルチスキャンにおける通常画像の再構成を保証する有効視野、FOV3 らせん・マルチスキャンにおけるマルチエネルギー画像の再構成を保証する有効視野、S1、S3、S5 低管電圧発生時のX線源の位置、S2、S4、S6 高管電圧発生時のX線源の位置、P1 高管電圧での撮影位置、P2 低管電圧での撮影位置、P3 高管電圧と低管電圧の切り替え位置、Wp1、Wp2、Wp3 重み関数波形
Claims (5)
- 被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線を検出する一対のX線源及び非多層X線検出器と、この一対のX線源及び非多層X線検出器を搭載して前記被検体の周りを回転するスキャナ回転手段と、前記X線源からのX線照射領域を制限するX線制限手段と、前記被検体の同一スライス位置を異なるX線条件で複数回スキャンするマルチエネルギー撮影手段と、前記異なるX線条件を設定するマルチエネルギー撮影X線条件設定手段と、X線条件を前記スキャナ回転手段の特定のビュー範囲毎に前記設定した異なるX線条件に遷移するX線条件遷移手段と、前記異なるX線条件に対応してX線量を制御するX線制御手段と、前記マルチエネルギー撮影による断層像の再構成を行う再構成手段と、前記再構成手段で再構成した画像及び各種情報を表示する表示手段とを備えたX線CT装置であって、前記マルチエネルギー撮影手段は、前記マルチエネルギー撮影X線条件設定手段で設定したX線条件でらせんスキャンを行うらせんマルチエネルギースキャン手段を備え、前記再構成手段は、前記らせんマルチエネルギースキャン手段でスキャンして取得した投影データを用いてマルチエネルギー画像を再構成するらせんマルチエネルギー再構成手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
- 前記らせんマルチエネルギースキャン手段は、前記スキャナ回転手段の周回方向にある角度範囲を有し、前記被検体の体軸方向のすべての位置で有効視野内の領域を2回以上オーバーラップして撮影する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
- 前記有効視野は、単一のX線条件での撮影画像を再構成するための第1の有効視野と、この視野よりも狭い視野であるマルチエネルギー撮影画像を再構成するための第2の有効視野から成ることを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
- 前記第2の有効視野で取得する投影データの範囲は、撮影位相角度に一致する低X線エネルギー画像を生成するための第1の投影データ範囲と、高X線エネルギー画像を生成するための第2の投影データ範囲とを有することを特徴とする請求項3に記載のX線CT装置。
- 前記らせんマルチエネルギースキャン手段は、前記設定した第2の有効視野のサイズと撮影条件であるらせんピッチとを関連付けた投影データ幅設定手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
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