JP2009006133A - X線ct装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライン軌道スキャン中にコリメータ板を動作させて、再構成に寄与しない部分のX線を減少させて追加被曝を最小限に抑えたX線CT装置及びその制御方法を提供することである。
【解決手段】ライン軌道スキャンにてX線管球11からのX線束が、コリメータ板13によって再構成に寄与するデータ使用範囲以外の部分が遮蔽され、被検体Pを介して該被検体Pの体軸方向に曝射される。そして、2次元検出器システム12でX線を検出し、同一条件で円軌道スキャンによりX線管球11と被検体Pとの相対回転運動によるX線を検出する。そして、再構成装置30にて、2つの検出されたX線に基づいて前記被検体Pのデータを逆投影することにより画像を再構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ライン軌道スキャンにてX線管球11からのX線束が、コリメータ板13によって再構成に寄与するデータ使用範囲以外の部分が遮蔽され、被検体Pを介して該被検体Pの体軸方向に曝射される。そして、2次元検出器システム12でX線を検出し、同一条件で円軌道スキャンによりX線管球11と被検体Pとの相対回転運動によるX線を検出する。そして、再構成装置30にて、2つの検出されたX線に基づいて前記被検体Pのデータを逆投影することにより画像を再構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コーンビーム再構成を実現するX線CT装置及びその制御方法に関し、特にX線を生体に照射し体内の情報を画像として得る医用X線CT装置に関するものである。
近年、第3世代CTとして、X線束を発生するX線管と、被検体を挟み対向する位置にあるX線検出器とが被検体の回りを回転しながら様々な角度からの投影データを収集する方式が定義されている。従来、X線束はファンビーム状のX線束、検出器は1次元アレイ型検出器であった。
また、スキャン方式は、コンベンショナルスキャン方式と、ヘリカルスキャン方式の2種類が存在している。このうち、コンベンショナルスキャン方式とは、X線管が同一の円軌道を周回する(同じ円周上を周回する)円軌道スキャン方法として定義されている。一方、ヘリカルスキャン方式とは、X線源と検出器とが被検体の回りを連続的に回転し、その回転と同期して被検体を載置した寝台が体軸に沿って移動するスキャン方式として定義されている。ヘリカルスキャン方式は、被検体と共に移動する移動座標系を考えると、X線管が螺旋軌道を描くことから、この名称が使われている。尚、移動座標系に於いて、X線管が1回転する間に変位する体軸方向、すなわちZ軸方向の距離は、ヘリカルピッチとして定義される。
また、近年、第3世代或いは第4世代のCTに於いて、ファンビーム状のX線束ではなく体軸方向に広がりを持って円錐に近似したコーンビーム状のX線束を発生するX線管と、2次元アレイ型検出器と、を有するCTが知られており、これをコーンビームCTと称する。2次元アレイ型検出器とは、X線検出器が複数の1次元アレイ型検出器をZ軸方向に複数列、例えばN列積み重ねたように、検出器素子がマトリクス状に配列された検出器である。
そして、コンベンショナルスキャン方式の断層撮影法では、その撮影により得られた画像再構成に於いて、Feldkampらが提案している円軌道コーンビーム再構成法が知られている(例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2参照)。ところが、この円軌道コーンビーム再構成法は、コーンビームアーチファクトを発生するためにデータが完全なものとならず、画質が劣化することが証明されている。
そのため、その解決策として、円軌道スキャンにライン軌道スキャンを加えた、Line+Circle(以下、ラインサークルと記すものとする)再構成法が提案されている。近年、Katsevichより「フィルタ+逆投影」という形式でラインサークル再構成法の提案がなされている。
特開2002−360562号公報
特開平5−324801号公報
しかしながら、前述したラインサークル構成法をシステム実装する上で、以下のような課題がある。
すなわち、ラインデータは追加スキャン、つまり過剰な被曝と見なされるため、追加となる被曝はできる限り減らさなくてはならない。加えて、ラインデータは、基本的に大コーン角のデータを必要とするが、再構成に寄与する部分は一部であり、その他の部分は無駄な被曝となっている。
したがって本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライン軌道スキャン中にコリメータを動作させてスライス方向におけるX線照射幅を変えて、再構成に寄与しない部分へのX線照射を減少させて追加被曝を最小限に抑えたX線CT装置及びその制御方法を提供することである。
すなわち本発明は、被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置に於いて、前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら第1の投影データを収集し、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するように制御するスキャン制御手段と、前記第1の投影データを収集する際に、その収集位置に応じて、前記X線源から発生されるX線ビームの遮蔽量を変更するX線遮蔽手段と、前記X線遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データと前記第2の投影データを合成して再構成処理を行う再構成処理手段と、を具備することを特徴とする。
また本発明は、被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置に於いて、前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら第1の投影データを収集するように制御する第1のスキャン制御手段と、前記第1の投影データを収集する際に、前記X線源から発生されるX線ビームの少なくとも一部を遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データに基づいて、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するためのスキャン範囲設定用画像を表示する範囲設定手段と、前記範囲設定手段により設定された前記スキャン範囲または画像生成範囲に基づいて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するように制御する第2のスキャン制御手段と、前記遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データと前記第2の投影データを合成して再構成処理を行う再構成処理手段と、を具備することを特徴とする。
更に本発明は、被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置の制御方法に於いて、前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動すると共に、前記第1の投影データを収集する際に、前記X線源から発生されるX線ビームの少なくとも一部を遮蔽して、第1の投影データを収集するステップと、前記第1の投影データに基づいて、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するための範囲設定用画像を表示して、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するステップと、設定された前記スキャン範囲または画像生成範囲に基づいて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するステップと、前記第1の投影データと、前記第2の投影データとを合成して再構成処理を行うステップと、を具備することを特徴とする。
本発明は、被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、前記X線検出手段で検出されたX線ビームに基づいて前記被検体のデータを逆投影処理することにより画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段によって再構成された画像を表示する表示手段と、を備えたX線CT装置に於いて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第1の投影データを収集し、前記第1の投影データに基づいて求めた投影方向に基づいて、前記X線源と前記被検体とを体軸方向に相対移動的に移動しながら第2の投影データを収集するように制御するスキャン制御手段と、前記第1の投影データと前記第2の投影データに基づいて再構成処理を行う再構成処理手段と、を具備することを特徴とする。
そして本発明は、被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、前記X線検出手段で検出されたX線ビームに基づいて前記被検体のデータを逆投影処理することにより画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段によって再構成された画像を表示する表示手段と、を備えたX線CT装置の制御方法に於いて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第1の投影データを収集するステップと、前記第1の投影データに基づいて、第2の投影データを収集するための投影方向を求めるステップと、前記投影方向に基づいて前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら前記第2の投影データを収集するステップと、前記第1の投影データと前記第2の投影データに基づいて再構成処理を行うステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、ライン軌道スキャン中にコリメータを動作させて、再構成に寄与しない部分へのX線照射を減少させて被曝を最小限に抑えたX線CT装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線CT装置10の構成を示したブロック図であり、図2は、図1のX線CT装置10による断層像撮影形態を示した斜視図である。
尚、X線CT装置には、X線管球と検出器システムとが一体化して被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプ、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管球のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ、電子ビームを偏向させることで電子的にX線源の位置をターゲット上で移動するタイプ等、様々なタイプが存在するが、本発明の技術的思想は、何れのタイプにも適用可能である。すなわち、本発明の技術的思想は、X線管球とマルチスライススキャン対応の検出器を有する構成であれば、どのような装置であっても適用することが可能である。
尚、以下の説明では、現在主流を占めている回転/回転タイプのX線CT装置を例として説明する。また、スキャン方式は、前述したFeldkampらによる円軌道コーンビーム再構成法にライン軌道スキャンを加えた、Line+Circle(ラインサークル)再構成法である。
図1に示されるように、X線CT装置10は、X線管球11、回転リング12、X線遮蔽部材を板状にしたコリメータ板13、2次元検出器システム14、データ収集回路(DAS)15、非接触データ伝送装置16、前処理装置17、被検体を載置する寝台18、架台駆動部19、スリップリング20、コリメータ駆動機構21、高電圧発生装置23、寝台駆動部24、ホストコントローラ25、記憶装置27、補助記憶装置28、データ処理装置29、再構成装置30、入力装置31、画像処理部33、表示装置35、ネットワーク通信装置37、及びデータ/制御バス40を有して構成される。また、データ/制御バス40を介して、当該装置本体10には外部の画像処理装置(図示せず)が接続されている。
前記X線管球11はX線を発生するX線源であり、回転リング12に設けられている。当該X線管球11には、X線の曝射に必要な電力が高電圧発生装置23からスリップリング20を介して供給される。X線管球11は、供給された高電圧により電子を加速させてターゲットに衝突させることで、有効視野領域FOV内の寝台18上に載置された被検体Pに対して四角錘状等のコーン状のX線を照射する。
また、前記X線管球11は、より精度の高い撮影を実現するために、撮影の際にX線ビームの中心が2次元検出器システム14の中心と向かい合うように相対的に位置調節されていることが好ましい。
尚、X線管球11から照射されるX線ビームは、図3にも示されるように、コリメータ板13によってコリメートされる。このコリメータ板13は、ホストコントローラ25からの制御によりコリメータ駆動機構21が駆動されることによって、後述するように開閉する。図3に示される例の場合、図示右側のコリメータ板13をX線ビームの中心線近傍にまで移動させることにより、X線管球11の焦点11aから照射されるX線ビームは、その右側のほぼ半分が遮蔽されることを示している。このようにして、前記X線ビームを遮蔽して、所望量のX線を被検体Pに対して曝射することが可能になる。
前記回転リング12には、X線管球11及びコリメータ板13と、2次元検出器システム14と、データ収集回路15が設けられている。回転リング12は、架台駆動部19によって駆動されるもので、X線管球11、コリメータ板13及び2次元検出器システム14と共に、1回転あたり1秒以下という高速で被検体Pの回りを回転する。寝台18は被検体Pを載置するためのもので、この寝台18を挟んで回転リング12の対向する位置に、X線管球11と2次元検出器システム14が配置されている。
2次元検出器システム14は、被検体Pを透過したX線を検出する検出器システムであり、前述したように、X線管球11に対向するようにして回転リング12に取り付けられている。図2に示されるように、2次元検出器システム14には、シンチレータとフォトダイオードとの組み合わせで構成される複数の検出素子が、被検体Pの体軸方向(スライス方向)Aとそれに直交するチャンネル方向Bとに関して、2次元状に配列されている。例えば、チャンネル方向に関しては1,000個(1,000チャンネル)程度の検出素子が配列されている(以下、この1,000個の検出素子が配列された一の列を「検出素子列」と称する)。
本X線CT装置10は、例えば256列のマルチ(256列マルチとは、256列の断層像が同時に収集されるものを言う。実際には検出素子列が64列、128列、256列等多数配列される。)で構成される。尚、本発明にかかるラインサークル再構成は、特にスライス方向(被検者の体軸、又は、X線管球及び検出器の回転軸に沿った方向)に於ける検出器の幅が広くなり、X線ビームのコーン角が大きくなった時に有効であり、例えば64列以上の検出素子列を持ったX線CT装置で有用である。尚、検出器は、検出素子を円弧状、平面状のいずれの形状に配置したものでも良い。
データ収集回路(DAS)15は、複数のDASチップを有し、2次元検出器システム14で検出されたM×Nの全チャンネルに関する膨大なデータ(1ビューあたりのM×Nチャンネル分のデータを、以下“投影データ”と称する)を入力する。そして、増幅処理、A/D変換処理等の後、一括して光通信を応用した非接触データ伝送装置16を介して固定側のデータ処理ユニットに伝送する。
前記非接触データ伝送装置16は、収集したX線透過データを光学的に次段装置に伝送する。当該非接触データ伝送装置16やデータ収集回路15等については、2次元検出器システム14に於いて、膨大、且つ高速に発生する2次元投影データを時間遅れなく伝送するための超高速処理化が図られている。
すなわち、被検体を透過したX線は、2次元検出器システム14に於いてアナログ電気信号に変換される。更に、このアナログ電気信号は、データ収集回路15でデジタル電気信号の2次元投影データに変換された後、各種補正を行う前処理装置17に送られる。
前処理装置17は、非接触データ伝送装置16から2次元投影データを入力し、感度補正やX線強度補正等の前処理を行う。前処理を受けた2次元投影データは、直接、或いは記憶装置27に一旦記憶された後、データ処理装置29に送られる。尚、本実施形態では、前処理後の投影データを記憶しているが、前処理前の投影データを記憶するようにしても良い。
架台駆動部19は、診断用開口内に挿入された被検体の体軸方向に平行な回転中心軸のまわりに、X線管球11と2次元検出器システム14とを一体で回転させる等の駆動制御を行う。この架台駆動部19は、X線管球11のみを中心軸のまわりに回転させるものとしても良い。寝台駆動部24は、被検体Pが載置された寝台18を、主に体軸方向に移動させる等の駆動制御を行うためのものである。
高電圧発生装置23は、X線の曝射に必要な電力を、スリップリング20を介してX線管球11に高電圧を供給する装置であり、高電圧変圧器、フィラメント加熱変換器、整流器、高電圧切替器等から成っている。この高電圧発生装置23によるX線管球11への高電圧供給は、スリップリング20により行われる。
ホストコントローラ25は、撮影処理、データ処理、画像処理等の各種処理に関する統括的な制御を行う。例えば、撮影処理に於いては、ホストコントローラ25は、予め入力されたスライス厚等のスキャン条件を内部メモリに格納する。そして、患者ID等によって自動的に選択されたスキャン条件(或いは、マニュアルモードに於いて、入力装置31から直接設定されたスキャン条件)に基づいて、高電圧発生装置23、寝台駆動部24、架台駆動部19、及び寝台18の体軸方向への送り量、送り速度、X線管球11、コリメータ板13の開閉及び2次元検出器システム14の回転速度、回転ピッチ、及びX線の曝射タイミング等を制御する。これにより、被検体Pの所望の撮影領域に対して、多方向から複数の検出素子列にX線が照射されるように、スライス方向に広がりを有するコーン状のX線ビームを照射して投影データの収集を行う。更に、ホストコントローラ25は、この収集した投影データに対して再構成処理を行ってX線CT画像を生成する。
また、ホストコントローラ25は、スキャン条件に基づいて、2次元検出器システム14のスイッチ群の各スイッチ切り替え制御を行う。すなわち、ホストコントローラ25は、2次元検出器システム14が有する各検出素子とデータ収集素子との接続状態を切り替え、各検出素子で検出されたX線透過データを所定の単位で束ねる。そして、スキャン条件に対応した複数スライスのX線透過データとして、後段のデータ収集回路15に送り出し、所定の処理を実行する。
補助記憶装置28は、再構成装置30により生成された再構成画像データを記憶可能な大容量の記憶領域を有する装置である。
データ処理装置29は、例えばCPU等を有するコンピュータ回路を搭載しており、2次元検出器システム14により収集された投影データを記憶する。そして、データ処理装置29は、撮影系(X線管球11、コリメータ板13及び2次元検出器システム14)の回転による多方向から得られた同一スライスの全ての投影データを加算する処理や、その加算処理により得られた多方向データに対して必要に応じて補間処理、補正処理等を施すようになっている。
再構成装置30は、データ処理装置29によりデータ処理されて得られた投影データを再構成処理して、所定のスライス分の再構成画像データを生成する。具体的には、再構成装置30は、スライス方向に於けるコーン角を無視して平行なX線であるとの仮定の元に再構成を行う2次元画像再構成、或いはFeldkamp法に代表されるスライス方向に於けるX線パスのコーン角を考慮して再構成を行う3次元画像再構成アルゴリズムによる再構成を行う。更に、体軸方向を横切る複数断面毎のX線吸収系数の2次元的分布データ、或いは体軸方向に広い対象領域(ボリューム)内に於けるX線吸収系数の3次元的分布データ(ボクセルによる3次元ボリュームデータの集まりであり、「ボクセルボリュームデータ」と称される。)を再構成する。尚、当該再構成装置30は、1枚の断層像の再構成に必要な多方向の投影データを収集するのに要する時間より、短時間で多方向の投影データから断層像を再構成する、所謂リアルタイム再構成を行う。
入力装置31は、図示されないキーボードや各種スイッチ、マウス等を備えており、オペレータを介してスライス厚やスライス数等の各種スキャン条件を入力可能な装置である。
画像処理部33は、再構成装置30により生成された再構成画像データに対して、ウィンドウ変換、RGB処理等の、表示のための画像処理を行って表示装置35に出力する。また、画像処理部33は、オペレータの指示に基づき、任意断面の断層像、任意方向からの投影像、3次元表面画像等のいわゆる疑似3次元画像の生成を行い、表示装置35に出力する。出力された画像データは、表示装置35に於いてX線CT画像として表示される。
ネットワーク通信装置37は、院内LAN、インターネット等のネットワークを介して、通信機能を有する他の装置と情報のやり取りを行う。特に、ネットワーク通信装置37は、インターネット等を介して当該本X線CT装置10の画像情報やメンテナンス情報の送受信を行う。
尚、再構成、断面変換等のデータ処理、表示オペレーションに関する演算処理等は、X線CT装置10内で行われるのが一般的である。しかし、ワークステーション等の外部画像処理装置に於いて、これらの各処理を実行する構成であってもよい。この場合、X線CT装置10の本体から、外部画像処理装置に送られるデータは、再構成前でも、再構成後でも、データ処理後の表示直前でも、何れの状態でも本実施形態の効果を妨げるものではない。
X線CT装置ではスキャン計画のために、事前にスキャノグラム(撮影位置の設定を行うためのX線透過画像)を収集するのが一般的である。したがって、Line+Circle(ラインサークル)再構成法の場合、スキャノグラム収集が行われた後、ライン軌道スキャンによりライン軌道上の投影データ(以下、ライン軌道データという。)が収集され、円軌道スキャンにより円軌道上の投影データ(以下、円軌道データという。)を得て、次にこれらの両方のデータに基づいてアーチファクトの生じない再構成画像を形成するようになっている。
尚、ライン軌道データの代わりに、ヘリカル軌道スキャンを行って得られたヘリカル軌道データと、円軌道データを合成して再構成処理を行うようにしても良い。また、ライン軌道データに限られずに、ヘリカル軌道等で架台を停止させて再構成処理を行うようにしても良い。
スキャノグラムによるデータ収集方法は、図4(a)に示されるように、例えば1mm×2列の狭いコーン角で行われる。一方、ライン軌道データは、図4(b)に示されるように、例えば0.5mm×256列の広いコーン角が必要となる。つまり、架台回転を静止させてデータを収集するということでは、スキャノグラムとラインデータ収集は共通である。そして、ルーチン検査のように、予めスキャンプロトコルが固定されているような場合には、ラインデータをスキャノグラムの代わりに収集し、ラインデータの中央列付近のデータのみを使用してスキャノグラムを形成することが可能である。
ここで、図5乃至図7を参照して、ラインデータの収集範囲とコリメータ板13との動作について説明する。
図5に示されるように、被検体Pに対するラインデータの収集範囲をLZ、所定のコーン角を有するラインデータ範囲をLとする。再構成に寄与する部分、すなわちデータ使用範囲はその一部であり、例えば、Z1 に於いてはラインデータ範囲Lに対して、データ使用範囲は、図に斜線で示されるL1 である。同様に、ラインデータ範囲Lに対してデータ使用範囲は、Z2 に於いては図に斜線で示されるL2 であり、Z3 に於いて図に斜線で示されるL3 である。つまり、前述したL1 、L2 、L3 以外の部分は再構成には寄与しない部分であるので、これらデータ使用範囲以外の部分をコリメータ板13によってX線ビームを遮蔽すればよい。
この場合、X線管球11のZ方向への移動(スキャン)に伴ってデータ使用範囲も変化しているので、この範囲に応じて、ホストコントローラ25がコリメータ駆動機構21を駆動して、コリメータ板13のスライス方向に於ける開口を調整するようにする。
図6は、スキャン面に対する実際のデータ使用範囲を表した図である。
同図に於いて、斜線で示されるS1 、S2 が、前述したデータ使用範囲である。これらデータ使用範囲S1 、S2 以外の部分は、ラインデータとして収集されるものの、再構成には寄与しない部分である。したがって、このデータ使用範囲S1 、S2 に合わせてコリメータ板13の開口面を調整すればよい。この図6からわかるように、どのZ位置であっても、全データの半分以下しか再構成には寄与しないことがわかる。
尚、収集条件となる前記データ使用範囲S1 、S2 は、データの収集位置(体軸方向)の位置に応じて可変のものである。そして、前記データ使用範囲S1 、S2 は、スキャン条件、再構成ROIの大きさ/位置、架台チルト角、ラインデータの収集方向(X線管球の位置)等によって決定されるが、図6に示された例が代表的なものである。
図7は、図6に表されるデータ使用範囲に対してコリメータ板13を動作させた例を示した図である。
再構成処理の原理上で必要なデータを得るには、データ使用範囲S1 、S2 以外の部分全てをコリメータ板13で遮蔽すれば良いが、コリメータ板13の開閉動作の応答性を加味すると、実際には困難である。したがって、図7に示されるように、データ使用範囲S1 、S2 と追従範囲S3 、S4 以外の範囲を、コリメータ板13で遮蔽するのが現実的な例である。前記追従範囲S3 、S4 とは、コリメータ板13の開閉動作の応答制御を考慮して、該コリメータ板13を無理なく動作させるために、データ使用範囲S1 、S2 以外ではあるがX線が曝射される部分である。
但し、図7に示される例では、コリメータ板13は略リニアに制御されているが、勿論この限りではない。例えば、制御点数を増加させたり、ノンリニア制御等を加えたりすれば、データ使用範囲以外の部分を、より正確に遮蔽することが可能である。
図8は、こうした詳細なコリメータ板開閉動作の制御によるコリメータ板13の遮蔽の例を示した図である。図8に於いて、縦軸は0を中心とした体軸(スライス)方向の距離(mm)を表しており、横軸は0を中心としたチャンネル(スキャン)方向の距離(mm)を表している。
尚、各動作ラインは、2次元検出器システム14を構成する検出素子の個数(例えば、256、128、64、…)に応じて変化する。
図9は、図8のコリメータ板13の開閉特性の一部を拡大して示した図である。図9に於いて、縦軸は投影データの素子数(列;seg)を表しており、横軸はスキャン面からの中心からスライス方向に於ける相対位置(h;mm)を表している。また、図中SegTopとはコリメータ板の上限を表し、同SegBotはコリメータ板の下限を表している。
いま、例えばh=100のときのコリメータ板について考えると、図10に示されるようにコリメーション幅が設定される。ここで、vTOP 〜vBOT がデータとして使用される部分であり、これらの位置は図9に示されるSegTop、SegBotによって決定される。
図10はコリメーション幅の設定例を説明するためのもので、縦軸が検出器のスライス方向の距離(mm)を表し、横軸がセンタチャンネルから該当チャンネルまでのファン角度(°)を表している。vTOP より上の部分はコリメータ板13によって遮蔽される部分である。また、vTOP 〜vBOT 間に表示されている複数の線は、フィルタリングの方向を示しており、この線上の投影データが再構成処理に必要となる。この必要な投影データに対応する部分の投影データが得られ、不要な部分についてはX線が照射されないようにコリメータ板13を移動させながらスキャン動作を行う。
次に、図11のフローチャートを参照して、本実施形態に於けるX線CT装置の基本的な動作について説明する。
先ず、ステップS1に於いて、X線管球11からX線が曝射されてライン軌道スキャンが行われてライン軌道データの収集が行われる。それと共に、前述した再構成寄与範囲以外に曝謝されるX線を遮蔽すべく、コリメータ駆動機構21が駆動されてコリメータ板13の動きが制御される。
一連のプロトコル中のライン軌道データの列数、収集厚、X線管の管電圧、架台のチルト角は、円軌道スキャンと同一にする必要があるため、一意に決定される。逆に、ライン軌道スキャンと、予め設定されているスキャン計画中の円軌道スキャンの条件が一致しない場合は、ラインサークル再構成ができないため、ユーザに対して注意を促すべく警告を促す。これは、例えば、表示装置に再構成ができない旨の表示をしたり、図示されないが音等で注意を促すようにしても良い。尚、スキャン条件の他に、患者の識別情報、撮影部位の情報、撮影日の情報等を用いて、再構成に適した組合せか否かを判断するようにしても良い。
このステップS1で収集されたライン軌道データは、記憶装置27に記憶される。この時、ライン軌道データと共に、そのスキャン条件を対応付けて記憶する。
次に、ステップS2にて収集範囲が決定される。ライン軌道データからスキャノ像(撮影範囲設定用の画像)が生成される。ライン軌道データは、撮影位置を変えながら複数の位置で2次元的な投影データが収集される。これらの2次元的な各投影データは、スライス方向でそれぞれ重畳するように収集されている。
スキャノ像は、スライス方向に於けるコーン角の小さい投影データが、各位置で収集された2次元的な投影データから抜き出されて合成されることにより、スキャノ像が生成される。言い換えると、スライス方向中央近傍の検出器列で収集された投影データが、各撮影位置に於ける2次元的な投影データから抽出され、それらが各位置に対応されてスライス方向に並べられることにより、スキャノ像が生成される。このスキャノ像上に画像生成範囲またはスキャン範囲を表すマーカが表示され、それが移動されることによりそれらの範囲が設定される。
前述したようにして設定された画像生成範囲またはスキャン範囲の再構成が行われるのに十分なライン軌道データが無いときは、警告または次のステップへの移行が中止される。十分なデータがあるかどうかは、後述の方法で求められる範囲のライン軌道データがあるか否かで判断される。
ライン軌道データの収集範囲は、再構成ROIの大きさ及び存在位置によって一意に決定される。つまり、キャリブレーションFOV、チルト角、外挿部分のマスクの有り/無し、再構成範囲、スキャン位置、ラインデータの収集方向(管球位置)の関数となる。尚、この収集範囲の計算は、ホストコントローラ25、データ処理装置29等により行われるが、詳細な説明は省略する。
このようにして収集範囲が決定されると、当該収集範囲に従って、ステップS3で円軌道スキャンが行われる。このステップS3で収集された円軌道データは、記憶装置27に記憶される。この時、円軌道データと共に、そのスキャン条件が対応付けて記憶される。そして、ステップS4にて、前記ステップS1のライン軌道スキャンで得られたデータと前記ステップS3の円軌道スキャンで得られたデータを基に、再構成装置30に於いて画像の再構成が実行される。尚、この画像再構成の詳細は周知であるので説明は省略する。
こうして、再構成画像が求められたならば、ステップS5にてその再構成画像が表示装置35に表示される。
尚、前述した図11のフローチャート以外にも、X線CT装置の動作は変形が可能である。
例えば、シーケンスが開始されて、スキャン順序及びスキャン条件を定めるところのスキャン計画の設定が行われて、ライン軌道スキャンと円軌道スキャンのスキャン条件が設定され、ライン軌道スキャン、円軌道スキャン、或いは再構成度にスキャン条件が比較されて、それぞれ適さない組合わせである場合は、その旨の警告を出す、或いは次のステップに移行しないようにする、というようにしても良い。
尚、これらのシーケンスは、操作者が任意に切り替えて選択することが可能である。
また、前述したラインデータ収集条件としての、データの収集厚、列数、X線源の管電圧、架台のチルト角、更に収集開始位置、収集長さは、ライン軌道スキャンと円軌道スキャンとで同じものとしなければならないが、それらはユーザが設定するものであっても良いし、ホストコントローラ25等によって同じ値が設定されるようにしても良い。
このように、ライン軌道スキャン時にコリメータ板を用いて、再構成に寄与するデータ使用範囲以外の部分に曝射されるX線を遮蔽するので、X線による追加被曝を最小限に抑えることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
尚、以下に述べる第2の実施形態に於いて、X線CT装置の構成及び基本的な動作については、前述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
前述したように、ラインデータの収集方向(X線管球の位置)は、X線管球11が回転リング12に設けられているため、その位置には自由度がある。そのため、図12に示されるように、被検体Pに対して、どの方向(位置)からでもX線を曝射することができる。つまり、X線管球11の位置を移動させることによって、被検体Pの体厚が変化することになり、どの方向の体厚が最も少ないかがわかる。言い換えれば、最も体厚が少ない方向からラインデータを収集すれば、ラインデータの線量を最小限にすることができるということである。
例えば、被検体Pの肩の部分や腹部を収集する場合、撮影方向(AP方向)の体厚よりもこれに直交する方向(LR方向)の体厚の方が厚くなる。これは、前述したように、円軌道スキャンにより投影データからも判断することができる。
ある投影データのフォトンカウントの総和値を計算し、フォトンカウントの最も少ない位置のX線管球角度方向が、検出器が受けるフォトンという観点が有利な方向である。また、ラインデータは、その方向から収集すると、最もノイズの影響を受けない、つまり線量を最小限にすることが可能となる。
例えば、図13に示されるように、被検体Pに対して、X線が曝射される2方向について考える。すると、それぞれの減衰量の最大値を比較して最大値の低い方、すなわち、同図の場合上方向からのX線曝射がラインデータの収集に有利であると言える。
このようにX線管球の位置を特定するためには、円軌道の撮影データが利用される。つまり、円軌道データの収集後に、ライン軌道データを収集することになる。円軌道の各投影データの積算値等を利用すれば、被検体Pのどの方向の体厚が最も少ないかを知ることができる。
以下、図14のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施形態に於けるX線CT装置の基本的な動作について説明する。
先ず、ステップS11に於いて、X線が曝射されてライン軌道スキャンが行われる際のスキャノ収集、撮影範囲の設定が行われる。前記範囲は、再構成ROIの大きさ及び存在位置によって一意に決定される。つまり、キャリブレーションFOV、チルト角、外挿部分のマスクの有り/無し、再構成範囲、スキャン位置、ラインデータの収集方向(管球位置)の関数となる。尚、この収集範囲の計算は、ホストコントローラ25、データ処理装置29等により行われるが、詳細な説明は省略する。
次いで、ステップS12にて、前記ステップS11で設定された撮影範囲に従い、X線管球11からX線が曝射されて円軌道データが収集される。このステップS12で収集された円軌道データは、記憶装置27に記憶される。この時、円軌道データと共に、そのスキャン条件が対応付けて記憶される。
そして、ステップS13にて、前記ステップS12の円軌道スキャンで得られたデータに基づいて、ライン軌道データの収集角度が決定される。つまり、前述したように、被検体Pの体厚の薄い方向をライン軌道スキャンの方向にするべく、ライン軌道スキャン時のX線管球11の位置が決定される。
図15は、図14のフローチャートのステップS13に於けるサブルーチン「ライン軌道データの収集角度決定」の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
この場合、先ず、ステップS21にて、図14のフローチャートのステップS12に於ける円軌道スキャンの結果から、ある投影データの最大値が計算される。次いで、ステップS22にて、前記ステップS21で計算された最大値が最小となるような位置が求められ、その方向からのラインデータが収集される。その後、図14のフローチャートのステップS14に移行する。
ステップS14では、前記ステップS13で決定された収集角度に基づいて、ライン軌道スキャンが行われる。そして、ステップS15にて、再構成装置30に於いて画像の再構成が実行される。尚、この画像再構成の詳細は周知であるので説明は省略する。
こうして、再構成画像が求められたならば、ステップS16にて、その再構成画像が表示装置35に表示される。
尚、前述した第2の実施形態では、ライン軌道データの収集角度決定のために、投影データの最大値を利用してラインデータを収集するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、図16のサブルーチンに示されるように、ボリュームデータを利用するようにしても良い。
図16は、図14のフローチャートのステップS13に於けるサブルーチン「ライン軌道データの収集角度決定」の他の例の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
この場合、ステップS31にて、図14のフローチャートのステップS12に於ける円軌道スキャンの結果から、ボリュームデータよりラインデータを収集するようにしている。その後、図14のフローチャートのステップS14に移行する。
このように、本第2の実施形態によれば、最も体厚の少ない方向からラインデータを収集するので、ラインデータの線量を最小限にして、追加被曝を抑えることができる。
尚、前述した円軌道データに基づいてラインデータを収集する以外に、検査部位に応じてラインデータの収集方向を決定するようにしても良い。例えば、被検体の肩部の撮影であれば、12時/6時からの方向の体厚が最も小さくなることが既知である。このため、肩部については、前記12時/6時からの方向からスキャンを行うように決定するように制御しても良い。
また、前述した第1の実施形態と第2の実施形態のX線CT装置の内容を組み合わせても良いのは勿論である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、或いは実施形態に示される構成要件が幾つか組合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
10…X線CT装置、11…X線管球、12…回転リング、13…コリメータ板、14…2次元検出器システム、15…データ収集回路、16…非接触データ伝送装置、17…前処理装置、18…寝台、19…架台駆動部、20…スリップリング、21…コリメータ駆動機構、23…高電圧発生装置、24…寝台駆動部、25…ホストコントローラ、27…記憶装置、28…補助記憶装置、29…データ処理装置、30…再構成装置、31…入力装置、33…画像処理部、35…表示装置、37…ネットワーク通信装置、40…制御バス。
Claims (11)
- 被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置に於いて、
前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら第1の投影データを収集し、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するように制御するスキャン制御手段と、
前記第1の投影データを収集する際に、その収集位置に応じて、前記X線源から発生されるX線ビームの遮蔽量を変更するX線遮蔽手段と、
前記X線遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データと前記第2の投影データを合成して再構成処理を行う再構成処理手段と、
を具備することを特徴とするX線CT装置。 - 前記第1の投影データは非円軌道に対応し、前記第2の投影データは円軌道に対応するもので、
前記再構成手段は、前記第1の投影データと前記第2の投影データとを用いて、コーンビームアーチファクトを低減した再構成を行うものであり、
前記X線遮蔽手段はX線遮蔽部材を有するもので、前記再構成に於いて必要とされる前記第1の投影データが得られるように、前記X線遮蔽部材を投影データの収集位置に応じて移動するものである
ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。 - 前記遮蔽手段で遮蔽される前記X線ビームの量を可変制御する遮蔽制御手段を更に具備し、
前記遮蔽制御手段は、前記第1の投影データの収集位置に応じて前記遮蔽手段の開閉を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。 - 前記X線遮蔽手段は、スキャン方向に於いてその中心から分割された少なくとも第1及び第2のX線遮蔽手段を有し、
前記前記遮蔽制御手段は、
前記第1のX線遮蔽手段を、前記X線源のスキャン開始位置から、該開始位置と終了位置の間の中間位置まで開状態とし、前記第2のX線遮蔽手段を、前記開始位置から第1の所定位置までは閉状態、且つ該第1の所定位置から前記中間位置までは閉状態から開状態に変化させ、
前記第1のX線遮蔽手段を、前記中間位置から第2の所定位置までは開状態、且つ該第2の所定位置から前記終了位置までは開状態から閉状態に変化させ、前記第2のX線遮蔽手段を、前記中間位置から前記終了位置まで開状態とする、
ように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のX線CT装置。 - 被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置に於いて、
前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら第1の投影データを収集するように制御する第1のスキャン制御手段と、
前記第1の投影データを収集する際に、前記X線源から発生されるX線ビームの少なくとも一部を遮蔽する遮蔽手段と、
前記遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データに基づいて、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するためのスキャン範囲設定用画像を表示する範囲設定手段と、
前記範囲設定手段により設定された前記スキャン範囲または画像生成範囲に基づいて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するように制御する第2のスキャン制御手段と、
前記遮蔽手段で遮蔽された前記第1の投影データと前記第2の投影データを合成して再構成処理を行う再構成処理手段と、
を具備することを特徴とするX線CT装置。 - 被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、を備えたX線CT装置の制御方法に於いて、
前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動すると共に、前記第1の投影データを収集する際に、前記X線源から発生されるX線ビームの少なくとも一部を遮蔽して、第1の投影データを収集するステップと、
前記第1の投影データに基づいて、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するための範囲設定用画像を表示して、スキャン範囲または画像生成範囲を設定するステップと、
設定された前記スキャン範囲または画像生成範囲に基づいて、前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第2の投影データを収集するステップと、
前記第1の投影データと、前記第2の投影データとを合成して再構成処理を行うステップと、
を具備することを特徴とするX線CT装置の制御方法。 - 被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、前記X線検出手段で検出されたX線ビームに基づいて前記被検体のデータを逆投影処理することにより画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段によって再構成された画像を表示する表示手段と、を備えたX線CT装置に於いて、
前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第1の投影データを収集し、前記第1の投影データに基づいて求めた投影方向に基づいて、前記X線源と前記被検体とを体軸方向に相対移動的に移動しながら第2の投影データを収集するように制御するスキャン制御手段と、
前記第1の投影データと前記第2の投影データに基づいて再構成処理を行う再構成処理手段と、
を具備することを特徴とするX線CT装置。 - 前記スキャン制御手段は、前記第1の投影データに基づいて、前記被検体の体厚が薄くなる投影方向で前記第2の投影データを収集することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
- 前記スキャン制御手段は、前記第1の投影データから最大値を求めて、前記投影方向を決定することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
- 前記スキャン制御手段は、前記第1の投影データからボリュームデータを再構成し、該ボリュームデータに基づいて、前記投影方向を決定することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
- 被検体の体軸方向に広がりを有するX線ビームを発生するX線源と、前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が前記被検体の体軸方向に沿って複数列配列されたX線検出手段と、前記X線検出手段で検出されたX線ビームに基づいて前記被検体のデータを逆投影処理することにより画像を再構成する再構成手段と、前記再構成手段によって再構成された画像を表示する表示手段と、を備えたX線CT装置の制御方法に於いて、
前記X線源を前記被検体の周囲で回転しながら第1の投影データを収集するステップと、
前記第1の投影データに基づいて、第2の投影データを収集するための投影方向を求めるステップと、
前記投影方向に基づいて前記X線源と前記被検体との体軸方向に相対移動的に移動しながら前記第2の投影データを収集するステップと、
前記第1の投影データと前記第2の投影データに基づいて再構成処理を行うステップと、
を具備することを特徴とするX線CT装置の制御方法。
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