JPWO2005070589A1 - 連続鋳造用浸漬ノズル及びそれを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

旋回流付与浸漬ノズルのように複雑な機構を用いることなく、鋳型内流動の自励振動を抑制し、鋳片表層部の品質改善や高能率鋳造を可能にする連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に延びた1本の尾根状突起を底部内面に有し、前記底部が最大深さ5mm以上50mm以下の滝壺状窪み形状であることを特徴とする第一の連続鋳造用浸漬ノズル、並びに、円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が、出口に向かって減少していることを特徴とする第二の連続鋳造用浸漬ノズルがある。

Description

本発明は、溶鋼等の溶融金属の連続鋳造に用いる浸漬ノズル及びそれを用いた連続鋳造方法に関する。
スラブ連鋳のように幅の広い鋳型内に、対向する吐出孔を有する一本の浸漬ノズルを用いて溶融金属を供給する連続鋳造においては、鋳型内流動がある周期を持ったゆらぎ、すなわち自励振動を起こし、鋳型内の溶融金属の流速変動や湯面の波立ちが発生しやすい。その結果、鋳型内の凝固シェルへの非金属介在物、気泡、モールドパウダー等の捕捉に起因する鋳片表層部の品質異常が発生する。これらの問題は、高速鋳造のように吐出孔からの溶融金属の流速が大きい場合において顕著となるため、鋳造速度の低下を余儀なくされることがあった。
従来、この鋳型内流動を制御することを目的として、例えば、特許文献1に開示されているような電磁気力による電磁ブレーキや電磁撹拌を用いる方法、及び特許文献2に開示されているようなノズル内に旋回羽根を設けた旋回流付与浸漬ノズル、或いは特許文献3に記載のように底部の滝壺状窪み深さを大きくした浸漬ノズル、又は特許文献4に記載のようにノズル内に段差を設けた浸漬ノズル等が考案されている。
しかしながら、電磁気力を用いる方法は、設備コストが高く投資に見合ったメリットが得られないことが多い。また、制御対象である溶融金属流をセンシングすることが難しいので、制御対象の状態が不明確なまま制御を行うことが多く、技術的にも十分な効果を発揮することが難しい。一方で、旋回流付与浸漬ノズル技術は、鋳型内流動を安定化することができる源流対策としてその有効性が確認されている。しかし、非金属介在物を多く含む清浄度の低い溶融金属を鋳造する場合、ノズル内に設けた旋回羽根に非金属介在物が付着しやすいため、多量の溶融金属を連続して鋳造できないという問題がある。また、ノズル内に段差を設けたノズルや底部の滝壺状凹み深さを大きくした浸漬ノズルは、浸漬ノズル内ひいては鋳型内流動を安定化させることが可能であるが、その効果が小さいためさらなる改善の余地が残されている。
特許文献5には、浸漬ノズル内孔底部の湯溜り部に錐形突起または載頭錐形突起を設けることにより、湯溜り部の溶鋼流に乱流を生じさせ、付着物が堆積しないようにする浸漬ノズルが開示されている。
この特開平6−218508号公報に開示されている浸漬ノズルにおいて、湯溜り部の錐形突起または載頭錐形突起は、円錐形や多角錐形のような中心軸対称の形を有しており、このような形とすることによって、湯溜り部に付着物が堆積することを防止するが、鋳型内流動の安定化については、この公報において特に言及されていない。
国際公開番号WO99/15291 特開2002−239690号公報 特許第3027645号公報(特開平5−169212号公報) 特許第3207793号公報(特開平11−123509号公報) 特開平6−218508号公報
本発明は、旋回流付与浸漬ノズルのように複雑な機構を用いることなく、鋳型内流動の自励振動を抑制し、鋳片表層部の品質改善や長時間に渡る連続高能率鋳造を可能にする連続鋳造用浸漬ノズルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、浸漬ノズルの吐出孔周辺の形状を適正化することにより、鋳型内流動を制御することを検討した結果、その効果的手段を考案するに到った。
すなわち、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルは、円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に延びた1本の尾根状突起を底部内面に有し、前記底部が最大深さ5mm以上50mm以下の滝壺状窪み形状であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルである。
また、本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルは、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が、出口に向かって減少していることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルである。
本発明により提供される連続鋳造方法は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを用いて、吐出孔直上部本体における溶融金属平均下降流速Uが1.0m/s以上2.5m/s以下の条件において行う連続鋳造方法である。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルによれば、旋回流付与浸漬ノズルのように複雑な機構を用いなくとも浸漬ノズルから溶融金属を安定に吐出することができるため、鋳型内流動の自励振動が抑制され、その結果、鋳片表層部の品質改善や長時間に渡る連続高能率鋳造が可能である。本発明の連続鋳造用浸漬ノズル及びこれを用いる連続鋳造方法は、特にスラブ連鋳に好適であり、表面疵や内部欠陥の少ないスラブ鋳片を製造することができる。
図1Aは、吐出孔正面から見た吐出方向に回転軸を有する2つの渦流を表す概念図である。 図1Bは、吐出孔を縦断する方向での断面図における吐出方向に回転軸を有する2つの渦流のうち、手前側の渦流を表す概念図である。 図2は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔横側からの外観図(吐出孔が左右に見える状態)である。 図3は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔正面側からの外観図である。 図4は、図4Aは、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔よりも上の高さでの横断面である。 図4Bは、図4AにおけるA−A断面図(尾根状突起を横断する方向での断面図)である。 図4Cは、図4AにおけるB−B断面図(吐出孔を縦断する方向での断面図)である。 図5Aから図5Jは、本発明の連続鋳造用浸漬ノズル底部内面に設けられた尾根状突起の様々な例について、2つの吐出孔を縦断する方向での尾根状突起およびノズル底部の断面図である。 図6は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔の一例について、吐出孔を縦断する方向での断面図である。 図7は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔の一例について、吐出孔を縦断する方向での断面図である。 図8は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔の一例について、吐出孔を縦断する方向での断面図である。 図9は、実施例3における連続鋳造用浸漬ノズルの構成を示す断面図である。 図10は、実施例5における連続鋳造用浸漬ノズルの構成を示す断面図である。 図11は、比較例7における連続鋳造用浸漬ノズルの構成を示す断面図である。
符号の説明
なお、各図中の符号の意味は以下の通りである。
ノズル本体(1);ノズル底部(2);ノズル側壁(3);ノズル内壁(3’);吐出孔(4a、4b);吐出孔入口(4in);吐出孔出口(4out);尾根状突起(5);吐出孔上壁(6a、6b);吐出孔下壁(7a、7b)
本発明者は、円管状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有する浸漬ノズルにおいて、吐出孔周辺形状を種々変更しながら、フルスケール水モデル実験を繰り返した結果、浸漬ノズル内を降下してきた流れはノズル底部に当たり、図1A及び図1Bに示すような吐出方向に回転軸を有する2つの渦流を形成しながら吐出すること、この底部形成渦の大きさが変動すること、また、底部形成渦の大きさの変動により時にはどちらか一方の渦のみが存在する状態になることを発見した。さらにはこの底部形成渦の大きさの変動が浸漬ノズルからの吐出流を乱し、ひいては鋳型内流動を不安定に変動させることを見出した。
さらに検討を進めた結果、本発明者は、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に延びた1本の尾根状突起をノズル底部内面に設けることによって、底部に到達した下降流が吐出方向に回転軸を有する渦流へと変化する際に、対向する2つの吐出孔に向かう安定な渦流が、上記尾根状突起により分けられた2つの領域にそれぞれ形成され、吐出流が安定することを発見した。
また、鋳型内流動の自励振動を抑制するには、底部内面が最大深さ5mm以上50mm以下の滝壺状窪み形状を成すことも効果的であることを知った。ここで、滝壺状窪み形状とは、吐出孔下壁よりも下側の内壁によって取り囲まれた窪み形状のことをいう。浸漬ノズル底部を滝壺状窪み形状とすることによって、ノズル内下降流分布が偏った場合に、滝壺状窪み形状によりノズル内下降流が跳ね上げられ、その結果形成された反転流がノズル内下降流とは反対側に溶湯を分配する作用を有するので、吐出流の分配が調整され、結果的に吐出流が安定すると考えられる。
従来技術の一つとして上述した特開平6−218508号公報に記載された浸漬ノズルは、浸漬ノズル内孔底部の湯溜り部に錐形突起または載頭錐形突起を有する。この公報に記載された錐形突起または載頭錐形突起は、円錐形や多角錐形のような中心軸対称の形、言い換えれば、浸漬ノズルの軸を中心として360度にわたるどの方角にも均等な形を有している。
これに対して、本発明におけるノズル底部内面に存在する尾根状突起は、ノズル横断面に投影された溶鋼の吐出方向と実質的に平行な方向に延びる厚さの薄い形状、言い換えれば、吐出方向に細長い形状を有している。従って、本発明と特開平6−218508号公報記載の発明とは突起形状が基本的に異なる。
さらに、突起形状がもたらす効果の点でも、本発明と特開平6−218508号公報記載の発明とで大きく相違する。特開平6−218508号公報記載の発明においては、突起周辺に溶鋼が均一に分散され、さらに、底部の湯溜り部で溶鋼流が攪拌されて乱流となって、付着物の堆積が抑制される。しかしながら、この公報記載の発明における錐形または載頭錐形の突起には、吐出孔周辺において安定した溶鋼流の渦流を形成する効果はない。
これに対して、本発明においては、吐出孔正面から見て尾根状突起の左右両側に、それぞれ吐出方向に回転軸を有する溶鋼流の渦流が安定して形成され、これによって吐出流及び鋳型内の溶鋼流動が安定化する。
本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルは、上記知見に基づいて発案されたものである。本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルの一構成例を、図2乃至4に示す。なお、図2は、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔横側からの外観図(吐出孔が左右に見える状態)を示し、図3は吐出孔正面側からの外観図を示す。また、図4Aは、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔よりも上の高さでの横断面を示し、図4Bは、図4AにおけるA−A断面図(尾根状突起を横断する方向での断面図)を示し、図4Cは、図4AにおけるB−B断面図(吐出孔を縦断する方向での断面図)である。
以下、図4を参照し、本発明を説明する。本発明に係る第一の浸漬ノズルは、円管状の本体1とその底部2近傍の側壁3に対向する一対の吐出孔4a、4bとを有し、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に延びた1本の尾根状突起5を底部内面2に設け、底部内面2は最大深さHが5mm以上50mm以下の滝壺状窪み形状を成すものである。
滝壺状窪み形状は、その最大深さHを5mm以上50mm以下とすることによりその効果を奏する。ここで、最大深さHとは、吐出孔下壁とノズル本体の内壁とが交わる位置から滝壷状窪みの最も深い位置までの距離をいう。最大深さHが5mm未満であると、滝壺状窪み形状とする効果を得ることができない。一方、最大深さHが50mmを越えると、滝壺状窪みに非金属介在物が付着堆積することに加えて、浸漬ノズルが長くなり過ぎるため操業性が悪化するおそれがある。滝壺状窪み形状の最大深さHは、10mm以上30mm以下とすることがより好ましい。滝壷状窪みの形状としては、尾根状突起5が形成されていない部分が水平であっても、傾斜等していても、あるいは球面上に凹んでいても構わない。
尾根状突起5は、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に、ノズル底部内面に設けられ、安定な底部形成渦を形成させることができるものであれば、その形状は特に限定されるものではない。尾根状突起5の構成例を図5A〜図5J(2つの吐出孔を縦断する方向での断面図)に示す。例えば、吐出孔を縦断する方向での断面図における高さ(以下、単に高さをいうことがある)、すなわち稜線は、図5Aのように一定でも、一定でなくてもよい。高さが一定でない場合としては、具体的には、図5Bや図5Cに示すように、ノズル横断面中心部に頂点を有し、その稜線が頂点から2つの吐出孔に向かって低くなるものや、図5Dのように台形状、すなわちノズル横断面中心部近傍に水平な頂上を有し、その稜線が頂上から2つの吐出孔に向かって低くなるもの等が挙げられる。この場合、その稜線は、直線状、放物線状などのように連続的な傾斜であっても、台形状や階段状のように不連続的な傾斜であってもよい。
この稜線は、滝壺状窪み部分の側壁の吐出孔下壁よりも低い位置に到達していても(例えば、図5A〜図5D)、ノズル横断面の吐出孔近傍で底部に到達し尾根状突起5自体が消滅していても(例えば、図5E〜図5G)、若しくは、ノズル中心部近傍で底部に到達し尾根状突起5がノズル横断面中心部近傍のみに設けられていても(例えば、図5H〜図5J)よい。尾根状突起5がノズル横断面の吐出孔近傍で消滅又はノズル横断面の中心部近傍のみに設置されている場合、その稜線は、水平な頂上から若しくは吐出孔に向かって低くなる途中から垂直に降下して、ノズル底部に到達するものも含まれる(例えば、図5G、図5J)。ここで、内径が80〜90mm程度の一般的浸漬ノズルの場合、ノズル横断面の吐出孔近傍とは、ノズル横断面において吐出孔入口から15mm程度の範囲をいい、ノズル横断面中心部近傍とは、ノズル横断面において中心から半径20mm程度の範囲のことをいう。
本発明者は、上記水モデル実験をさらに重ねた結果、尾根状突起5が大きすぎる場合、滝壷状窪みが浅い場合と似た流動状態となり、滝壺状窪み形状による効果が十分に発揮されないことを発見した。そこで、本発明者はさらに検討を進め、上記滝壺状窪み形状及び尾根状突起5による効果をバランスよく十分に発揮させるためには、尾根状突起5が以下の形状を有することが好ましいということを見出した。
すなわち、尾根状突起5の好ましい形状とは、ノズル横断面の中心部又はその近傍においてその高さが最も高く、ノズル横断面の吐出孔入口近傍においてその高さが低い形状である。ノズル横断面中心部及びその近傍はノズル内下降流の流速が大きいため、上記のようにノズル横断面中心部又はその近傍において、その高さが最も高くなる尾根状突起を設けることによって、ノズル内下降流がノズル底部に当たって形成される底部形成渦をより効果的に安定に形成することが可能となる。また、吐出孔入口近傍でその高さが低い尾根状突起は、底部形成渦が滝壺状窪みの底部に入り込み易く、滝壺状窪み形状によるノズル内下降流の跳ね上げ作用がさらに強まる。
上記した尾根状突起5の好ましい形状において、ノズル横断面の中心部又はその近傍の最も高い部分は、頂点でも水平な頂上でもよい。また、「吐出孔入口近傍においてその高さが低い」とは、尾根状突起5の稜線が尾根状突起5の頂点又は頂上から2つの吐出孔に向かって低くなり、滝壺状窪み部分の側壁の吐出孔下壁よりも低い位置に到達している場合、ノズル横断面の吐出孔入口近傍で尾根状突起5自体が消滅している場合、若しくは尾根状突起5がノズル横断面中心部近傍のみに設けられている場合等が含まれる。
具体的には、尾根状突起5の好ましい形状としては、まず、ノズル横断面中心部又はその近傍で頂点又は水平な頂上を有し、その稜線が前記頂点又は水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながら滝壺状窪み部分の側壁の吐出孔下壁よりも低い位置に到達しているものが挙げられ、具体的には図5B、図5C、図5Dに示すような場合が含まれる。また、ノズル横断面中心部又はその近傍で頂点又は水平な頂上を有し、その稜線が前記頂点又は水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながらノズル横断面の吐出孔入口近傍で底部に達して突起自体が消滅しているものが挙げられ、具体的には図5E、図5F、図5Gに示す場合が含まれる。さらに、ノズル横断面中心部又はその近傍で水平な頂上を有し、その稜線が前記水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながら若しくは垂直に降下して底部に到達して該尾根状突起がノズル横断面中心部近傍のみに設けられているものが挙げられ、具体的には図5H、図5Jに示す場合が含まれる。
尾根状突起5は、これら好ましい形状のいずれかを有すると同時に、当該尾根状突起の最大高さが滝壺状窪みの最大深さHと同じか、又は滝壺状窪みの最大深さH±10mmの範囲にあり、且つ該尾根状突起の最大高さが5mm以上50mm以下であることが好ましい。尾根状突起の最大高さが5mm未満では尾根状突起による効果を十分に得ることができない。一方、尾根状突起の最大高さが50mmを越えると強度を保つことが構造上難しく、製造も困難となる。
尾根状突起5の厚み(尾根状突起5の横断面)は、突起上部が薄すぎると突起の耐久性に欠け、過度に厚いと渦形成に悪影響を及ぼすので、突起上部を5mm〜15mm程度とすることが好ましい。突起下部は突起上部と同じ厚みであってもよいし、下部に行くに従って末広がり状となるような厚みが増す形状であってもよい。
尾根状突起5は、通常、ノズル底部内面を等分するようにノズル底部内面の中央部、すなわちノズル本体の中心軸に対して対称な位置に設置されるが、必ずしもノズル底部内面の中央部である必要はなく、ノズル上部に設置されたスライディングゲート等の影響によりノズル内下降流が偏って流下する傾向が確定している場合には、ノズル内下降流の偏りに対応してノズル底部内面の中央部からずらして設置してもよい。
尾根状突起を設けることにより、滝壺状窪みが浅い状態に似た流動となり、滝壺状窪みによる効果が十分得られない場合がある。本発明者は、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、底部の滝壺状窪み形状をノズル横断面に投影された吐出方向に拡大し、ノズル本体内径よりも大きい楕円又は長円形状とした場合、上記問題が解消し、滝壺状窪み形状の作用が強化されることを見出した。尾根状突起により形成された安定な底部形成渦は、吐出方向を回転軸とする渦が強く、吐出方向に直進性の高い流れになっている。このような流れは粘度の高い流れに似た状態であり、小さな凹みの底には入り込み難いため、流れが滝壺状窪みに入り込んで跳ね上げられるようにするためには、滝壺状窪みの断面積を大きくし、流れが滝壺状窪みの底に入り込み易くする必要があると考えられる。よって、尾根状突起により安定した強い渦が形成される本発明の浸漬ノズルにおいては、滝壺状窪みを上記のようなノズル本体内径よりも大きい楕円又は長円形状とすることが、滝壺状窪みの効果をより一層向上させると推測される。また、このような滝壺状窪みの効果は、ノズル本体内径そのものを吐出方向に拡大された楕円又は長円形状としても得ることができる。
また、本発明者は、吐出流を安定化させるためには、上述の尾根状突起及び滝壺状窪みによる作用の他に、吐出流が吐出孔の側壁或いは上下壁から剥離(分離)せずに吐出することが重要であることを知見した。これは、吐出流が壁から離れたり付いたりする変動そのものが流れを不安定にすることに加え、連続鋳造用浸漬ノズルにおいては、このような流れの乱れにより溶融金属中に含まれる非金属介在物の吐出孔への付着が促進され、鋳造の進行に伴い吐出孔の形状が変化し、吐出流を不安定にするという現象が生じるからである。
本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルは、上記知見に基づいて発案されたものであり、円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が、入口から出口に向かって減少していることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルである。
発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルの一構成例を、図6乃至図8に示す。なお、図6乃至図8は、本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出孔を縦断する方向での断面図)である。
以下、図6を参照し、本発明を説明する。本発明に係る第二の浸漬ノズルは、円管状の本体1とその底部2近傍の側壁3に対向する一対の吐出孔4a、4bとを有し、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が、吐出孔入口4inから出口4outに向かって減少している形状を成すものである。
ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積を、吐出孔入口4inから出口4outに向かって減少させることにより、吐出流の吐出孔壁からの剥離を防止し、吐出流を安定化することが可能となる。さらに、吐出孔近傍における吐出流の淀みが生じにくいため、溶融金属中に含まれる非金属介在物等の吐出孔への付着が抑えられ、吐出孔の閉塞や、付着物の剥落に起因する鋳片の欠陥を防止することが可能であり、長時間鋳造しても安定した操業及び鋳片品質を確保することができる。
上記吐出孔断面積は、徐々に狭まっても良いし、出口近傍で急激に狭まっても良いが、吐出流を安定に吐出し、非金属介在物の付着を防止する観点から、あまり急激に減少させることは好ましくない。また、吐出孔断面積は、高さ方向で減少させても良いし、幅方向で減少させても良く、また、高さ方向と幅方向の両方向で減少させても良い。
ノズル内下降流は、ノズル底部で方向を変えて水平方向の速度ベクトルを与えられ、斜め下向きで吐出孔に流入する。この吐出孔近傍における流れの特性上、吐出流は吐出孔下壁に沿って吐出しようとする。そのため、吐出孔高さが高過ぎると吐出孔上壁から吐出流が剥離してしまう。この吐出流の剥離を防止する方策として、本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルは、吐出孔幅が吐出孔高さよりも長い横長形状である吐出孔を有することが好ましい。横長形状としては、具体的には、吐出孔出口平均高さが吐出孔出口平均幅の0.5倍以上0.9倍以下であることが好ましい。吐出孔出口平均高さが吐出孔出口平均幅の0.5倍未満であると、吐出孔面積が不足するので好ましくなく、吐出孔出口平均高さが吐出孔出口平均幅の0.9倍を越えると、吐出孔が横長形状である効果が得られない。吐出孔の形状は、上記したような横長の形状であれば、四角形以外の多角形や楕円、角部にRを有する略四角形等、特に限定されるものではない。
さらに、本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルは、上記吐出孔断面積を出口に向かって減少させるという目的の範囲内において、図7及び図8に示すように、吐出孔上壁6a及び6bは曲率半径R30mm以上R150mm以下の円弧状を成して、ノズル本体の内壁3’から吐出孔上壁に向かって拡管状断面を有する形状であり、吐出孔下壁7a及び7bは角度を上向15°から下向45°の範囲とすることが好ましい。なお、図7は、吐出孔下壁7a及び7bの角度が上向き15°の場合、図8は、吐出孔下壁7a及び7bが下向き45°の場合を示した図である。吐出孔上壁をこのような形状とすることによって、吐出孔近傍における斜め下向きの流れが吐出孔上壁に沿って吐出するので、吐出流の吐出孔上壁からの剥離をより効果的に防止することができる。
吐出孔上壁の曲率半径Rが30mmよりも小さい場合、上記吐出孔断面積の減少が十分でないことに加えて、曲率が急過ぎて吐出流が上壁に沿って吐出できないため、吐出流の剥離が発生しやすい。また、吐出孔上壁のRが150mmよりも大きい場合、吐出孔上壁のノズル肉厚が薄くなり耐久性が低下してしまう。一方、吐出孔下壁の角度が上向15°よりも上向きに大きいと、吐出孔から沸き上がる流れが強くなり、鋳型内湯面の波立ちを引き起こす。また、吐出孔下壁の角度が下向45°よりも下向きに大きいと、吐出流が鋳型深くまで侵入し、鋳型湯面への溶融金属供給が不十分となることにより湯面への熱供給が不足するので、湯面温度が低下し、非金属介在物や気泡の浮上除去が阻害されるという問題が生じてしまう。さらに、吐出孔の断面積を出口に向けて減少させることが難しくなり、吐出流の吐出孔壁からの剥離防止という本来の目的を達成することができない。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズル及び第二の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて採用される各手段を組み合わせた場合、その相乗効果によりさらに吐出流の流れは安定し、鋳型内流動の自励振動を効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明により提供される連続鋳造用浸漬ノズルを用いることによって、連続鋳造用浸漬ノズルからの吐出流が安定化するため、鋳型内流動の自励振動を抑制することができる。その結果、凝固シェルの非金属介在物、気泡、モールドパウダー等の捕捉が防止され、鋳片表層部の品質改善を達成することが可能である。また、吐出流の安定効果により、高能率鋳造、具体的には浸漬ノズルからの吐出流量が4.5〜7.0t/min程度の高スループットの場合でも、長時間に渡り安定した鋳型内流動を形成することが可能である。
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた鋳造は、上記のような高能率鋳造においても安定した吐出流を形成することが可能であるが、鋳片のより高い品質向上が要求される場合には、吐出孔直上部本体におけるノズル内溶融金属平均下降流速Uが1.0m/s以上2.5m/s以下の範囲で行うことが好ましい。ここで、吐出孔直上部とは、吐出孔上壁6とノズル本体の内壁3’が交わる部分をさす。ノズル内溶融金属平均下降流速Uを上記範囲内とすることによって、特に高い吐出流安定化効果、すなわち、鋳型内流動安定化効果が得られる。吐出孔直上部におけるノズル内溶融金属平均下降流速Uが1.0m/s未満となる場合には、ノズル内径に対し溶融金属流量が少なくなるので、ノズル内下降流が不安定となり、その影響を受けて吐出流もまた不安定となる。従って、溶融金属流量が小さい鋳造条件下においてはノズル内径を小さくすることによりノズル内溶融金属平均下降流速Uを1.0m/s以上確保することが肝要である。吐出孔直上部におけるノズル内溶融金属平均下降流速Uが2.5m/sを越える場合には、ノズル内下降流速が過大となり、ひいては吐出流速が過大となり、湯面の波立ちや鋳型内凝固シェルの再溶解といった問題が生じる場合がある。
上記ノズル内溶融金属平均下降流速Uは、(ノズル内溶融金属平均下降流量)/(ノズル本体断面積)により求めることができる。ここで、ノズル内溶融金属平均下降流量とは、(鋳片鋳造速度)×(鋳片断面積)×(鋳片比重)/(溶鋼比重)により求められる値である。
なお、ノズル内溶融金属平均下降流速Uを算出するに際し、ノズル本体の内径がノズル上部から吐出孔直上までの間で変化している場合には、吐出孔直上部における内径を用いて算出するものとする。
以下に、本発明の実施例及び比較例を対比して示し、本発明の効果を説明する。
実施例1〜6及び比較例7〜9に用いた、円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有する連続鋳造用浸漬ノズルについて表1に示す。
Figure 2005070589
なお、吐出孔出口が角部にR形状を有する場合の吐出孔出口平均高さ及び平均幅は、以下のように求められる。すなわち、角部にR形状を有する吐出孔を、高さ及び幅の両方を同じ長さ分縮小させ、この吐出孔と同じ面積の角部にR形状を有さない四角形とすることを考える。このようにして求められる四角形の高さ及び幅を吐出孔出口平均高さ及び平均幅とする。例えば、実施例3を示した図9において、吐出孔出口は高さ68mm、幅80mmの角部にRを有する略四角形である。角部のR10mm形状を考慮すると、吐出孔出口平均高さ、吐出孔出口平均幅は、それぞれ、吐出孔出口高さ、吐出孔出口幅からともに約1mm減少することとなる。つまり、吐出孔出口平均高さは67mm(小数点以下四捨五入)、吐出孔出口平均幅は79mm(小数点以下四捨五入)となる。吐出孔出口平均高さおよび吐出孔出口平均幅の算出法は、他の実施例および比較例においても同様である。
(評価方法)
表1に示す実施例及び比較例において、連続鋳造用浸漬ノズルの底部及び吐出孔の寸法・形状、及びノズル内溶融金属下降流速Uを種々変更し、鋳型厚み235〜270mm、鋳型幅1500〜2300mmのスラブ連続鋳造機を模したフルスケール水モデル実験により鋳型内流動安定度を評価した。各実施例及び比較例で用いた連続鋳造用浸漬ノズルの構成は表1に示すと共に、適宜図9〜図11にも示した。
ここで、鋳型内流動安定度とは、上記フルスケール水モデル実験において、鋳型内の1/2厚、1/4幅の水面下50mmにおける鋳型幅方向の流速を、鋳型幅方向左右2ヶ所で各15分間測定し、測定データの標準偏差をその流速平均値で除した値をレベル分けして評価したものである。なお、上記測定においては、プロペラ式流速計を用い、0.5秒ピッチで上記流速を測定した。0.5秒ピッチで測定した瞬時値データは、微小な渦の影響で大きく変動することがあるため、データを2.5秒毎に平均した値を最小単位として標準偏差の算出に用いた。
鋳型内流動安定度の評価基準は、上記標準偏差/平均値の値が0.4未満である場合を「秀」、上記標準偏差/平均値の値が0.4以上0.5未満である場合を「優」、上記標準偏差/平均値の値が0.5以上0.6未満である場合を「良」、上記標準偏差/平均値の値が0.6以上0.7未満である場合を「可」、上記標準偏差/平均値の値が0.7以上である場合を「不可」とした。本発明者の経験上、鋳型内流動安定度が秀乃至良であれば、その浸漬ノズルを実機適用した場合の鋳型内流動は安定しており、湯面の波立ちやレベル変動が小さく、鋳片の表面品質も良好となる。また、鋳型内流動安定度が可若しくは不可の場合には、実機においても鋳型内流動が不安定となりやすく、鋳型内湯面の波立ちやレベル変動が大きくなり鋳片表面品質が悪化する傾向がある。
(評価結果)
実施例1は、本発明に係る第一の連続鋳造用浸漬ノズルの特徴を有する浸漬ノズルであり、その滝壺状窪み形状及び尾根状突起は共に好ましい形態で形成されている。すなわち、ノズル底部内面に形成された滝壺状窪みはノズル横断面に投影された吐出方向に大きい長円を成し、尾根状突起の吐出孔を縦断する方向での断面図(側面形状)は前記長円の長径と同じ長さの底辺及び滝壺状窪みの深さと同じ最大高さを有する二等辺三角形を成しており、その稜線は、ノズル底部とノズル側壁が交わる位置でノズル底面に到達している。そのため、ノズル底部において吐出方向に回転軸を有する渦流が安定して形成された。さらに、好ましいノズル内下降流速条件下、この浸漬ノズルを用いたので良好な鋳型内流動安定度が得られた。
実施例2は、本発明に係る第二の連続鋳造用浸漬ノズルの特徴を有する浸漬ノズルである。吐出孔上壁のR形状と下壁角度との関係によって、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が徐々に狭まる状態である。また、吐出孔が横長形状であることから、吐出流の吐出孔上壁からの剥離が生じにくかった。さらに、吐出孔上壁が円弧形状を成し、下壁の角度が好ましい範囲であることから、吐出流が淀みなく流出するので、吐出流の吐出孔上壁からの剥離がより効果的に防止された。また、好ましいノズル内下降流速条件下で用いたため、良好な鋳型内流動安定度が得られた。
実施例3は、本発明に係る第一及び第二の連続鋳造用浸漬ノズルの特徴を共に有する浸漬ノズルである。図9に示すように、滝壺状窪み形状が、ノズル横断面に投影された吐出方向に延長されていないので、滝壺状窪み形状によるノズル底部の流動安定化作用が弱いものの、尾根状突起及び吐出孔は好ましい形状を有し、好ましいノズル内下降流速条件下で用いたため、安定した吐出流が形成された。特に、第一及び第二の浸漬ノズルの特徴を同時に有する相乗効果により、実施例1あるいは2よりも優れた鋳型内流動安定度が得られた。
実施例4は、本発明に係る第一及び第二の連続鋳造用浸漬ノズルの特徴を共に有する浸漬ノズルである。尾根状突起がノズル横断面の中心部から滝壺状窪み部分の側壁まで同じ高さで設けられているので、尾根状突起により生じた吐出方向に回転軸を有する渦流が滝壺状底部に入り込みにくく、滝壺状窪みによる流動安定化作用が若干低下する傾向がある。しかしながら、その他の尾根状突起、滝壺状窪み及び吐出孔の形状は好ましい形態を成し、好ましいノズル内下降流速条件下で用いたことから、安定な吐出流が形成された。特に、第一及び第二の浸漬ノズルの特徴を同時に有する相乗効果により、実施例1あるいは2よりも優れた鋳型内流動安定度が得られた。
実施例5及び6は、本発明に係る第一及び第二の連続鋳造用浸漬ノズルの特徴を共に有する浸漬ノズルであり、さらに、その尾根状突起、滝壺状窪み、吐出孔すべてが好ましい形態を成し、好ましいノズル内下降流速条件下で用いたので、特に安定な吐出流が形成された。そのため、尾根状突起、滝壺状窪み、吐出孔における各技術要素、とりわけ、第一及び第二の浸漬ノズルの特徴を同時に有する相乗効果により、鋳型内流動安定度が最も優れていた。実施例5の浸漬ノズルを図10に示す。
一方、比較例7から9は、本発明に適合しない。
図11に示すように、ノズル底部内面に滝壺状窪み及び尾根状突起が共に設けられてなく、さらに、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が一定である比較例7は、吐出流が安定化されなかった。これに加えて、ノズル内下降流速が大きいことにより、鋳型内流動安定度は「不可」となった。
比較例8は、ノズル底部内面が滝壺状窪み形状を成すものではあるが、尾根状突起は設けられていないため、十分安定した底部形成渦が形成されなかった。また、吐出孔上壁はR40mmの円弧形状を成し、本体の内壁から前記吐出孔上壁に向かって拡管状断面を有する形状であり、且つ、吐出孔下壁は角度が下向45°の形状を有してはいるが、R40mmの上壁形状と下向45°の下壁形状の組合せでは、上記吐出孔断面積が出口に向かって減少することにはならず、むしろ出口近傍では拡大している。そのため吐出流が安定化せず、鋳型内流動安定度は「可」となった。
比較例9は、ノズル底部内面が滝壺状窪み形状を成すものではあるが、尾根状突起はなく、十分安定な底部形成渦が形成されなかった。また、上記吐出孔横断面積が一定であり、吐出流が安定化されなかった。さらに、ノズル内下降流速が小さいことにより、吐出流が不安定だったため、鋳型内流動安定度は「不可」となった。

Claims (10)

  1. 円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面に投影された吐出方向に平行に延びた1本の尾根状突起を底部内面に有し、前記底部が最大深さ5mm以上50mm以下の滝壺状窪み形状であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 前記尾根状突起は、ノズル横断面中心部又はその近傍で頂点又は水平な頂上を有し、その稜線が前記頂点又は水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながら滝壺状窪み部分の側壁の吐出孔下壁よりも低い位置に到達しているか、若しくは、その稜線が前記頂点又は水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながらノズル横断面の吐出孔入口近傍で底部に達して突起自体が消滅しているか、又は、ノズル横断面中心部又はその近傍で水平な頂上を有し、その稜線が前記水平な頂上から2つの吐出孔に向かって低くなりながら若しくは垂直に降下して底部に到達して該尾根状突起がノズル横断面中心部近傍のみに設けられており、且つ、該尾根状突起の最大高さが前記滝壺状窪みの最大深さと同じか、又は滝壺状窪みの最大深さ±10mmの範囲にあり、さらに、該尾根状突起の最大高さが5mm以上50mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. 前記滝壺状窪みが、ノズル横断面に投影された吐出方向にノズル本体内径よりも大きい楕円又は長円形状であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳用浸漬ノズル。
  4. 前記滝壺状窪みが、ノズル横断面に投影された吐出方向にノズル本体内径よりも大きい楕円又は長円形状であることを特徴とする請求項2に記載の連続鋳用浸漬ノズル。
  5. 円筒状の本体とその底部近傍の側壁に対向する一対の吐出孔とを有するノズルであって、ノズル横断面又は縦断面に投影された吐出方向に対して垂直な吐出孔断面積が、出口に向かって減少していることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  6. 吐出孔出口平均高さが吐出孔出口平均幅の0.5倍以上0.9倍以下であることを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  7. 吐出孔上壁が、曲率半径Rが30mm以上150mm以下の円弧状を成して、前記本体の内壁から前記吐出孔上壁に向かって拡管状断面を有する形状であり、吐出孔下壁の角度が上向15°から下向45°の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  8. 吐出孔上壁が、曲率半径Rが30mm以上150mm以下の円弧状を成して、前記本体の内壁から前記吐出孔上壁に向かって拡管状断面を有する形状であり、吐出孔下壁の角度が上向15°から下向45°の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  9. 前記吐出孔直上部本体における溶融金属平均下降流速Uが1.0m/s以上2.5m/s以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
  10. 前記吐出孔直上部本体における溶融金属平均下降流速Uが1.0m/s以上2.5m/s以下であることを特徴とする請求項5に記載の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法。
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