JPWO2005056603A1 - 細胞死誘導剤 - Google Patents

細胞死誘導剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005056603A1
JPWO2005056603A1 JP2005516197A JP2005516197A JPWO2005056603A1 JP WO2005056603 A1 JPWO2005056603 A1 JP WO2005056603A1 JP 2005516197 A JP2005516197 A JP 2005516197A JP 2005516197 A JP2005516197 A JP 2005516197A JP WO2005056603 A1 JPWO2005056603 A1 JP WO2005056603A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
chain variable
variable region
amino acid
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005516197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4767016B2 (ja
Inventor
木村 直紀
直紀 木村
土屋 政幸
政幸 土屋
雅彦 名波
雅彦 名波
敬 富松
敬 富松
重人 川合
重人 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2005516197A priority Critical patent/JP4767016B2/ja
Publication of JPWO2005056603A1 publication Critical patent/JPWO2005056603A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4767016B2 publication Critical patent/JP4767016B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/60Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments
    • C07K2317/62Immunoglobulins specific features characterized by non-natural combinations of immunoglobulin fragments comprising only variable region components
    • C07K2317/622Single chain antibody (scFv)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/73Inducing cell death, e.g. apoptosis, necrosis or inhibition of cell proliferation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

本発明者らは2D7抗体の重鎖可変領域配列(VH)と軽鎖可変領域配列(VL)が、VH−VL−VH−VLの並びになるように、それぞれを15merのリンカーで接続した2D7sc(Fv)2をコードするDNA発現ベクターを構築し、該ベクターをCHO細胞に導入して2D7sc(Fv)2産生発現細胞株を樹立した。該細胞株で発現させた2D7sc(Fv)2を精製し、細胞死誘導実験を行なったところ、2D7sc(Fv)2は濃度依存的に細胞死を誘導する活性を有していることが明らかになった。

Description

本発明は、HLAを認識する抗体のsc(Fv)2に関する。
HLA class I抗原は、3つのドメイン(α1、α2、α3)からなる45KDのα鎖と、12KDのβ2ミクログロブリンのヘテロダイマーによって形成される。HLA分子の主な役割は、細胞の中で作られる8〜10程度のアミノ酸でできた抗原ペプチドをCD8+T細胞に提示することであり、これによって誘導される免疫応答や免疫寛容に非常に重要な役割を担っている。
また、HLA class IA抗原の抗体によるライゲーションで、細胞増殖抑制や細胞死誘導効果がリンパ球細胞において観察されており、HLA分子のシグナル伝達分子としての可能性も示唆されている。
すなわち、例えばヒトHLA class IAのα1ドメインに対する抗体B9.12.1、α2ドメインに対する抗体W6/32、α3ドメインに対する抗体TP25.99,A1.4は、活性化リンパ球に対して細胞増殖を抑制するとの報告がある(非特許文献1,2)。また、α1ドメインに対する二種類の抗体MoAb90,YTH862は、活性化リンパ球に対してアポトーシスを誘導することが報告されている(非特許文献2,3,4)。この2つの抗体によって誘導されるアポトーシスはカスパーゼを介した反応であることが明らかにされており(非特許文献4)、このことからリンパ細胞で発現するHLA class IA抗原は、アポトーシスの信号伝達にも関与していると推測されている。
さらに、ヒトHLA class IAのα3ドメインに対する抗体5H7(非特許文献5)、マウスHLA class IAのα2ドメインに対する抗体RE2(非特許文献6)も、活性化リンパ球などに細胞死を誘導することが報告されている。しかしながら前出のアポトーシス誘導抗体MoAb90やYTH862とは違い、これらの抗体によって誘導される細胞死は、いずれもカスパーゼを介さないことが示されている。このことから、5H7やRE2による細胞死は、従来知られているアポトーシスの機構とはまったく異なるタイプの細胞死であると推測されている。
以上のように、抗HLA抗体による細胞増殖抑制、細胞死誘導作用に関する報告はこれまで複数なされている。ただし、ここで利用されている抗体の分子形態はいずれもIgG抗体、もしくはF(ab’)2、Fabであり、またF(ab’)2やFabのように抗体を低分子化することで、細胞死誘導活性が上昇したとの知見は今のところない。
一方2D7抗体は、ヒトミエローマ細胞をBalb/cマウスに免疫して得たマウスモノクローナル抗体である(非特許文献7)。これまで2D7抗体が、種々のリンパ系腫瘍細胞の細胞表面に高い特性を持って結合することは確認されていたが、2D7抗体が認識する抗原については同定されてはいなかった。
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
Fayen et al.,Int.Immunol 10:1347−1358(1998) Genestier et al.,Blood 90:3629−3639(1997) Genestier et al.,Blood 90:726−735(1997) Genestier et al.,J.Biol.Chem.273:5060−5066(1998) Woodle et al.,J.Immunol.158:2156−2164(1997) Matsuoka et al.,J.Exp.Med.181:2007−2015(1995) Goto,et al.Blood 84:1922(1994)
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであり、その目的は、HLA class IAを認識し、高い細胞死誘導活性及び優れた血中安定性を有する抗体を提供することにある。詳しくは、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行なった。2D7抗体は、徳島大学第一内科のグループにより患者由来leukemiaを免疫することにより得られたマウス抗体である。本発明者らは、2D7抗体が種々のリンパ系腫瘍細胞の細胞表面に高い特性を持って結合すること、また、2D7抗体がHLA−Aを認識することを見出し、特許出願を行った(WO2004/033499)。また、抗HLA抗体をDiabodyなどの低分子化抗体にすると細胞死誘導活性が上昇することも見出した(WO2004/033499)。本発明者らは、抗体の活性を上昇させる為、さらに鋭意研究した結果、sc(Fv)2にすることにより非常に優れた活性を維持しながら、高い血中安定性を有することを見出した。具体的には、2D7抗体の重鎖可変領域配列(VH)と軽鎖可変領域配列(VL)が、VH−VL−VH−VLの並びになるように、それぞれを15merのリンカーで接続した2D7sc(Fv)2をコードするDNA発現ベクターを構築し、該ベクターをCHO細胞に導入して2D7sc(Fv)2産生発現細胞株を樹立した。該細胞株で発現させた2D7sc(Fv)2を精製し、細胞死誘導実験を行なったところ、2D7sc(Fv)2は濃度依存的に細胞死を誘導する非常に優れた活性を有し、かつ、高い血中安定性を有することが明らかになった。さらに2D7sc(Fv)2の血中安定性を調べるため、マウスでの血中濃度推移を解析した結果、2D7diabodyに比べて顕著に血中消失時間が延長されることが分かった。このことから、2D7sc(Fv)2は、高い細胞死誘導活性および細胞増殖抑制能を有し、血中安定性面でも優れた低分子抗体であることが明らかとなった。
即ち、本発明は、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体に関し、以下の〔1〕〜〔28〕を提供するものである。
〔1〕2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体。
〔2〕2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域が、一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点として重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖可変領域、軽鎖可変領域の順に並んでいることを特徴とする、〔1〕に記載の抗体。
〔3〕2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域がリンカーで結合されていることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の抗体。
〔4〕リンカーが15アミノ酸であることを特徴とする、〔3〕に記載の抗体。
〔5〕HLAがHLA class Iである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗体。
〔6〕HLA class IがHLA−Aである、〔5〕に記載の抗体。
〔7〕sc(Fv)2である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の抗体。
〔8〕配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔9〕配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔10〕配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域および配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔11〕配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔12〕配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔13〕配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
〔14〕配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
〔15〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
〔16〕〔8〕〜〔15〕のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入され、かつ〔8〕〜〔15〕のいずれかに記載の抗体と同等の活性を有するsc(Fv)2。
〔17〕〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体をコードするポリヌクレオチド。
〔18〕〔17〕に記載のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体と同等の活性を有する抗体をコードするポリヌクレオチド。
〔19〕〔17〕または〔18〕に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
〔20〕〔17〕または〔18〕に記載のポリヌクレオチドまたは〔19〕に記載のベクターを保持する宿主細胞。
〔21〕以下の工程を含む〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体を作製する方法。
(a)HLAを認識する抗体を調製する工程
(b)(a)で調製した抗体の配列を基に、〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体をコードするポリヌクレオチドを作製する工程
(c)(b)のポリヌクレオチドを含むベクターを作製する工程
(d)(c)のベクターを宿主細胞に導入する工程
(e)(d)の宿主細胞を培養する工程
〔22〕〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、細胞死誘導剤。
〔23〕B細胞又はT細胞に対する細胞死誘導であることを特徴とする、〔22〕に記載の細胞死誘導剤。
〔24〕B細胞又はT細胞が、活性化B細胞又は活性化T細胞である、〔23〕に記載の細胞死誘導剤。
〔25〕〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、細胞増殖抑制剤。
〔26〕〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、抗腫瘍剤。
〔27〕腫瘍が血液腫瘍である〔26〕に記載の抗腫瘍剤。
〔28〕〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、自己免疫疾患治療剤。
2D7低分子抗体の構造を示す図である。図1Aは2D7diabodyを示し、diabody(HL5)は、5merのリンカーで接続された重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)が、非共有結合により二量体化することで形成される。図1Bはsc(Fv)2型を示し、sc(Fv)2は、2対のVHとVLを15merのリンカーで1本鎖に接続することで、内部で折りたたまれ、Bのような構造を形成する。 2D7sc(Fv)2の塩基配列とアミノ酸配列を示す図である。イタリック太字は重鎖可変領域のシグナル配列、下線で示した配列はリンカー領域(15mer)、C末太字はFlagタグ領域を示す。枠で囲った塩基配列は5’側から制限酵素EcoRI,BamHI,NotIの切断部位を示す。 2D7diabodyと2D7sc(Fv)2のゲルろ過クロマトグラフィー精製時のチャート比較を示す図である。(1)は2D7sc(Fv)2のゲルろ過クロマトグラム溶出チャート、(2)は2D7diabodyのゲルろ過クロマトグラム溶出チャートを示す。 in vitroにおける2D7diabodyと2D7sc(Fv)2の細胞死誘導活性の比較を示す図である。 2D7diabodyと2D7sc(Fv)2の細胞増殖抑制活性の比較を示す図である。 マウスに放射性標識2D7sc(Fv)2および放射性標識2D7diabody(HL5)単回静脈内投与後の血漿中TCA沈殿画分放射能濃度推移を示す図である。
本発明は、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体を提供する。本発明における抗体は、活性が上昇している点で有用である。ここで、活性とは、抗体が抗原に結合することにより生じる生物学的作用をいう。具体的な例としては、細胞死誘導作用、アポトーシス誘導作用、細胞増殖抑制作用、細胞分化抑制作用、細胞分裂抑制作用、細胞増殖誘導作用、細胞分化誘導作用、細胞分裂誘導作用、細胞周期調節作用などを挙げることができるが、好ましくは細胞死誘導作用、細胞増殖抑制作用である。
細胞死誘導作用、細胞増殖抑制作用などの上記作用の対象となる細胞は特に限定されないが、血球系細胞や浮遊細胞が好ましい。血球系細胞の具体的な例としては、リンパ球(B細胞、T細胞)、好中球、好酸球、好塩基球、単球(好ましくは活性化した末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cell、PBMC))、ミエローマ細胞などを挙げることができるが、リンパ球(B細胞、T細胞)、ミエローマ細胞が好ましく、T細胞又はB細胞(特に活性化したB細胞又は活性化したT細胞)が最も好ましい。浮遊細胞は、細胞を培養した際、細胞がガラスやプラスチックなどの培養器の表面に付着することなく、浮遊状で増殖する細胞である。これに対し、接着細胞(付着細胞)とは、細胞を培養した際、ガラスやプラスチックなどの培養器の表面に付着する細胞である。
一般的に、全長抗HLA抗体では細胞死誘導活性を示す為には抗IgG抗体などでクロスリンクする必要があるが、本発明の抗体では抗IgG抗体でのクロスリンクがなくても細胞死誘導活性を示すことが可能である。
本発明の抗体が浮遊細胞に対して細胞死を誘導するか否かは、Jurkat細胞又はARH77細胞に対して細胞死を誘導するか否かにより判定することができ、抗体が接着細胞に対して細胞死を誘導するか否かは、HeLa細胞に対して細胞死を誘導するか否かにより判定することができる(WO2004/033499)。
本発明においては、上記、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体を投与することにより、例えば、血液腫瘍(造血器腫瘍)などの腫瘍(具体的な例として、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、形質細胞異常症(骨髄腫、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症)、骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板血症、特発性骨髄線維症)など)や自己免疫疾患(具体的な例として、リウマチ、自己免疫性肝炎、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性水疱症、自己免疫性副腎皮質炎、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性精巣炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性レセプター病、自己免疫不妊、クローン病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、バセドウ病、若年性糖尿病、アジソン病、重症筋無力症、水晶体性ブドウ膜炎、乾癬、ベーチェット病、など)のような疾患の治療、予防などをおこなうことが可能である。また、本発明の抗体は生体内での安定性に優れていると考えられる為、生体に投与する際には特に有効であると考えられる。
本発明において、HLAとは、ヒト白血球抗原を意味する。HLA分子はclassIとclassIIに分類され、classIとしてはHLA−A、B、C、E、F、G、H、Jなどが知られており、classIIとしてはHLA−DR、DQ、DPなどが知られている。本発明の抗体が認識する抗原はHLA分子であれば特に制限されないが、好ましくはclassIに分類される分子であり、より好ましくはHLA−Aである。
本発明の抗体としては、好ましくは、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域が、一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点として重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖可変領域、軽鎖可変領域の順に並んでいることを特徴とする抗体であり、より好ましくは、2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域がリンカーで結合されていることを特徴とする抗体であり、このような抗体としてはsc(Fv)2が例示できる。
sc(Fv)2は、2つの重鎖可変領域([VH])及び2つの軽鎖可変領域([VL])をリンカー等で結合して一本鎖ポリペプチドにした抗体である(Hudson et al、J Immunol.Methods 1999;231:177−189)。sc(Fv)2は、例えば、2つのscFv(シングルチェインFv)(Huston,J.S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1988)85,5879−5883、Plickthun「The Pharmacology of Monoclonal Antibodies」Vol.113,Resenburg及びMoore編,Springer Verlag,New York,pp.269−315,(1994))をリンカー等で結合することにより作製することが可能である。結合される2つの重鎖可変領域と2つの軽鎖可変領域の順序は特に限定されず、どのような順序で並べられていてもよく、例えば、以下のような配置を挙げることができる。
[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]
[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]
[VH]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VL]
[VL]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VH]
[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]
本発明においては、好ましくは、[VH]リンカー[VL]リンカー[VH]リンカー[VL]の配置を有するsc(Fv)2である。
重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、置換、欠失、付加及び/又は挿入されていてもよい。さらに、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を会合させた場合に、抗原結合活性を有する限り、一部を欠損させてもよいし、他のポリペプチドを付加してもよい。又、可変領域はキメラ化やヒト化されていてもよい。
本発明において、抗体の可変領域を結合するリンカーは、遺伝子工学により導入し得る任意のペプチドリンカー、又は合成化合物リンカー、例えば、Protein Engineering,9(3),299−305,1996に開示されるリンカーを用いることができる。
本発明において好ましいリンカーはペプチドリンカーである。ペプチドリンカーの長さは特に限定されず、目的に応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、1〜100アミノ酸、好ましくは3〜50アミノ酸、更に好ましくは5〜30アミノ酸、特に好ましくは12〜18アミノ酸(例えば、15アミノ酸)である。
ペプチドリンカーのアミノ酸配列としては、例えば、以下のような配列を挙げることができる。
Ser
Gly・Ser
Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Ser
Ser・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly・Gly
(Gly・Gly・Gly・Gly・Ser)n
(Ser・Gly・Gly・Gly・Gly)n
[nは1以上の整数である]等を挙げることができる。
合成化学物リンカー(化学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋剤、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホ−DST)、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ−BSOCOES)などであり、これらの架橋剤は市販されている。
4つの抗体可変領域を結合する場合には、通常、3つのリンカーが必要となるが、全て同じリンカーを用いてもよいし、異なるリンカーを用いてもよい。
本発明において、好ましいsc(FV)2の例としては、以下の(a)〜(i)のいずれかに記載の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(b)配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(c)配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域および配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(d)配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(e)配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(f)配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
(g)配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
(h)配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
(i)(a)〜(h)のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入され、かつ本発明の抗体と同等の活性を有するsc(Fv)2。
なお、配列番号:9、10はそれぞれ2D7重鎖可変領域の塩基配列、アミノ酸配列を示し、当該領域における、50番目〜54番目がCDR1(配列番号:3)、69番目〜85番目がCDR2(配列番号:4)、118番目〜123番目がCDR3(配列番号:5)に相当する。また、配列番号:11、12はそれぞれ2D7軽鎖可変領域の塩基配列、アミノ酸配列を示し、当該領域における、46番目〜55番目がCDR1(配列番号:6)、71番目〜77番目がCDR2(配列番号:7)、110番目〜118番目がCDR3(配列番号:8)に相当する。また、上記重鎖可変領域と軽鎖可変領域をリンカーでつないだscFVをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を配列番号:13に、scFVのアミノ酸配列を配列番号:14に示し、本発明のsc(FV)2をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を配列番号:1に、sc(FV)2のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。
また、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2または、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるCDR(又は可変領域)を有するsc(Fv)2を、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的としてヒト化(Humanized)、キメラ(Chimeric)化してもよい。これらの人為的に改変した抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
ここで「機能的に同等」とは、対象となる抗体が、配列番号:2に記載の配列を有するsc(FV)2、または配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるCDR(又は可変領域)を有するsc(FV)2と同等の活性(例えば、HLA−Aへの結合活性、細胞死誘導活性、など)を有することを意味する。
あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製するための、当業者によく知られた方法としては、ポリペプチドに変異を導入する方法が知られている。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto−Gotoh,T.et al.(1995)Gene 152,271−275、Zoller,MJ,and Smith,M.(1983)Methods Enzymol.100,468−500、Kramer,W.et al.(1984)Nucleic Acids Res.12,9441−9456、Kramer W,and Fritz HJ(1987)Methods.Enzymol.154,350−367、Kunkel,TA(1985)Proc Natl Acad Sci USA.82,488−492、Kunkel(1988)Methods Enzymol.85,2763−2766)などを用いて、本発明の抗体に適宜変異を導入することにより、該抗体と機能的に同等な抗体を調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。このように、本発明の抗体のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が変異したアミノ酸配列を有し、該抗体と機能的に同等な抗体もまた本発明の抗体に含まれる。
変異するアミノ酸数は特に制限されないが、通常、30アミノ酸以内であり、好ましくは15アミノ酸以内であり、さらに好ましくは5アミノ酸以内(例えば、3アミノ酸以内)であると考えられる。変異するアミノ酸残基においては、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ酸(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark,D.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81,5662−5666、Zoller,M.J.& Smith,M.Nucleic Acids Research(1982)10,6487−6500、Wang,A.et al.,Science 224,1431−1433、Dalbadie−McFarland,G.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1982)79,6409−6413)。
本発明の抗体には、本発明の抗体のアミノ酸配列に複数個のアミノ酸残基が付加された抗体も含まれる。また、これら抗体と他のペプチド又はタンパク質とが融合した融合タンパク質も含まれる。融合タンパク質を作製する方法は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと他のペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。本発明の抗体との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp,T.P.et al.,BioTechnology(1988)6,1204−1210)、6個のHis(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc−mycの断片、VSV−GPの断片、p18HIVの断片、T7−tag、HSV−tag、E−tag、SV40T抗原の断片、lck tag、α−tubulinの断片、B−tag、Protein Cの断片等の公知のペプチドを使用することができる。また、本発明の抗体との融合に付される他のポリペプチドとしては、例えば、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。市販されているこれらペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと融合させ、これにより調製された融合ポリヌクレオチドを発現させることにより、融合ポリペプチドを調製することができる。
本発明の抗体は、後述するそれを産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしながら、得られた抗体が、本発明の抗体と同等の機能を有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の抗体を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来の抗体のアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。本発明の抗体はこのような抗体も包含する。
本発明の抗体は、ポリエチレングリコール(PEG)、放射性物質、トキシン等の各種分子と結合したコンジュゲート抗体でもよい。このようなコンジュゲート抗体は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている(例えば、US5057313、US5156840)。本発明における「抗体」にはこれらのコンジュゲート抗体も包含される。
また本発明は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明の抗体と同等の活性を有する抗体をコードするポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコードする限り、特に限定されず、複数のデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)等の塩基または塩基対からなる重合体である。本発明のポリヌクレオチドは天然以外の塩基を含んでいてよい。本発明のポリヌクレオチドは、抗体を遺伝子工学的な手法により発現させる際に使用することができる。また本発明の抗体と同等な機能を有する抗体をスクリーニングする際に、プローブとして用いることもできる。即ち本発明の抗体をコードするポリヌクレオチド、またはその一部をプローブとして用い、ハイブリダイゼーション、遺伝子増幅技術(例えばPCR)等の技術により、該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明の抗体と同等の活性を有する抗体をコードするDNAを得ることができる。このようなDNAも本発明のポリヌクレオチドに含まれる。ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J et al.,Molecular Cloning 2nd ed.,9.47−9.58,Cold Spring Harbor Lab.press,1989)は当業者によく知られた技術である。ハイブリダイゼーションの条件としては、例えば、低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、0.1×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、0.1×SSC、0.1%SDSの条件である。より好ましいハイブリダイゼーションの条件としては、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、5×SSC及び0.1%SDSの条件である。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同性を有するポリヌクレオチドが効率的に得られることが期待できる。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
これらハイブリダイゼーション技術や遺伝子増幅技術により得られるポリヌクレオチドがコードする、本発明の抗体と機能的に同等な抗体は、通常、これら抗体とアミノ酸配列において高い相同性を有する。本発明の抗体には、本発明の抗体と機能的に同等であり、かつ該抗体のアミノ酸配列と高い相同性を有する抗体も含まれる。高い相同性とは、アミノ酸レベルにおいて、通常、少なくとも50%以上の同一性、好ましくは75%以上の同一性、さらに好ましくは85%以上の同一性、さらに好ましくは95%以上の同一性を指す。ポリペプチドの相同性を決定するには、文献(Wilbur,W.J.and Lipman,D.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80,726−730)に記載のアルゴリズムにしたがえばよい。
本発明のsc(Fv)2は当業者に公知の方法により作製することができる。例えば、HLAを認識する抗体の配列を基に、当業者に公知の遺伝子組換え技術を用いて作製することが可能である。具体的には、HLAを認識する抗体の配列を基にsc(Fv)2をコードするポリヌクレオチドを構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976;Better,M.and Horwitz,A.H.,Methods Enzymol.(1989)178,476−496;Pluckthun,A.and Skerra,A.,Methods Enzymol.(1989)178,497−515;Lamoyi,E.,Methods Enzymol.(1986)121,652−663;Rousseaux,J.et al.,Methods Enzymol.(1986)121,663−669;Bird,R.E.and Walker,B.W.,Trends Biotechnol.(1991)9,132−137参照)。
HLAを認識する抗体の配列は、既に公知の抗体の配列を用いることが可能であり、又、HLAを抗原として、当業者に公知の方法により抗HLA抗体を作製し、その抗体の配列を取得して用いることも可能である。具体的には、例えば、以下のようにして行うことができる。HLAタンパク質若しくはその断片を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞(ハイブリドーマ)をスクリーニングする。抗原の調製は公知の方法、例えばバキュロウイルスを用いた方法(WO98/46777など)等に準じて行うことができる。ハイブリドーマの作製は、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.,Methods Enzymol.(1981)73:3−46)等に準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行えばよい。その後、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成し、得られたcDNAの配列を公知の方法により解読すればよい。
HLAを認識する抗体は、HLAと結合する限り特に制限はなく、マウス抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヒツジ抗体、ヒト抗体等を適宜用いることができる。又、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体なども使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体等であり、マウス抗体の可変領域をコードするポリヌクレオチドをヒト抗体の定常領域をコードするポリヌクレオチドと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(欧州特許出願公開番号EP 125023、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したポリヌクレオチド配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する(国際特許出願公開番号WO98/13388号公報に記載の方法を参照)。得られたポリヌクレオチドをヒト抗体定常領域をコードするポリヌクレオチドと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res.(1993)53,851−856)。これらキメラ抗体やヒト化抗体などについては、sc(Fv)2にした後にキメラ化やヒト化等を行ってもよいし、キメラ化やヒト化等を行った後にsc(Fv)2にしてもよい。
また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227,WO 92/03918,WO 94/02602,WO 94/25585,WO 96/34096,WO 96/33735参照)。さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのポリヌクレオチド配列が明らかになれば、当該配列を適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に衆知であり、WO 92/01047,WO 92/20791,WO 93/06213,WO 93/11236,WO 93/19172,WO 95/01438,WO 95/15388を参考にすることができる。
本発明の抗体は当業者に公知の方法により製造することができる。具体的には、目的とする抗体のDNAを発現ベクターへ組み込む。その際、発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。その際には、適当な宿主と発現ベクターの組み合わせを使用することができる。
ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR−Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM−T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。本発明の抗体を生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1−Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら,Nature(1989)341,544−546;FASEB J.(1992)6,2422−2427)、araBプロモーター(Betterら,Science(1988)240,1041−1043)、またはT7プロモーターなどを持っていることが不可欠である。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX−5X−1(ファルマシア社製)、「QIAexpress system」(キアゲン社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。ポリペプチド分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei,S.P.et al J.Bacteriol.(1987)169,4379)を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌以外にも、例えば、本発明のポリペプチドを製造するためのベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3(インビトロゲン社製)や、pEGF−BOS(Nucleic Acids.Res.1990,18(17),p5322)、pEF、pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac−to−BAC baculovairus expression system」(ギブコBRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン社製)、pNV11、SP−Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら,Nature(1979)277,108)、MMLV−LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら,Nucleic Acids Res.(1990)18,5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK−RSV、pBK−CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
一方、動物の生体内で本発明のポリヌクレオチドを発現させる方法としては、本発明のポリヌクレオチドを適当なベクターに組み込み、例えば、レトロウイルス法、リポソーム法、カチオニックリポソーム法、アデノウイルス法などにより生体内に導入する方法などが挙げられる。用いられるベクターとしては、例えば、アデノウイルスベクター(例えばpAdexlcw)やレトロウイルスベクター(例えばpZIPneo)などが挙げられるが、これらに制限されない。ベクターへの本発明のポリヌクレオチドの挿入などの一般的な遺伝子操作は、常法に従って行うことが可能である(Molecular Cloning,5.61−5.63)。生体内への投与は、ex vivo法であっても、in vivo法であってもよい。
また、本発明は、本発明のベクターが導入された宿主細胞を提供する。本発明のベクターが導入される宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や種々の動物細胞などを用いることが可能である。本発明の宿主細胞は、例えば、本発明の抗体の製造や発現のための産生系として使用することができる。ポリペプチド製造のための産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(J.Exp.Med.(1995)108,945)、COS、3T3、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、Vero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle,et al.,Nature(1981)291,358−340)、あるいは昆虫細胞、例えば、Sf9、Sf21、Tn5が知られている。CHO細胞としては、特に、DHFR遺伝子を欠損したCHO細胞であるdhfr−CHO(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1980)77,4216−4220)やCHO K−1(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1968)60,1275)を好適に使用することができる。動物細胞において、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、カチオニックリボソームDOTAP(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポーレーション法、リポフェクションなどの方法で行うことが可能である。
植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞がポリペプチド生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E.coli)、例えば、JM109、DH5α、HB101等が挙げられ、その他、枯草菌が知られている。
これらの細胞を目的とするポリヌクレオチドにより形質転換し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られる。培養は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、動物細胞の培養液として、例えば、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができる。その際、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpHは、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、通気、攪拌を加える。
一方、in vivoでポリペプチドを産生させる系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とするポリヌクレオチドを導入し、動物又は植物の体内でポリペプチドを産生させ、回収する。本発明における「宿主」とは、これらの動物、植物を包含する。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser,SPECTRUM Biotechnology Applications,1993)。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェニック動物を用いることができる。
例えば、目的とするポリヌクレオチドを、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生されるポリペプチドをコードする遺伝子との融合遺伝子として調製する。次いで、この融合遺伝子を含むポリヌクレオチド断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から、目的の抗体を得ることができる。トランスジェニックヤギから産生されるポリペプチドを含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,K.M.et al.,Bio/Technology(1994)12,699−702)。
また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的のポリヌクレオチドを挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させることにより、このカイコの体液から目的のポリペプチドを得ることができる(Susumu,M.et al.,Nature(1985)315,592−594)。
さらに、植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場合、目的のポリヌクレオチドを植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所望のポリペプチドを得ることができる(Julian K.−C.Ma et al.,Eur.J.Immunol.(1994)24,131−138)。
これにより得られた本発明の抗体は、宿主細胞内または細胞外(培地など)から単離し、実質的に純粋で均一な抗体として精製することができる。抗体の分離、精製は、通常の抗体の精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせれば抗体を分離、精製することができる。
クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization:A Laboratory Course Manual.Ed Daniel R.Marshak et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1996)。これらのクロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカラムが挙げられる。例えば、プロテインAを用いたカラムとして、Hyper D,POROS,Sepharose F.F.(Pharmacia)等が挙げられる。本発明は、これらの精製方法を用い、高度に精製された抗体も包含する。
本発明において、調製された抗体の抗原結合活性(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)の測定には公知の手段を使用することができる。例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)あるいは蛍光免疫法などを用いることができる。
本発明者らは、本発明の抗体が細胞死を誘導することを見出した。この知見に基づき、本発明の抗体を有効成分として含有する、細胞死誘導剤または細胞増殖抑制剤を提供する。また、既に本発明者らは、抗HLA抗体を低分子化したDiabodyが、ヒト骨髄腫モデル動物に対して、抗腫瘍効果を有することを見出している(WO2004/033499)。さらに、本発明の抗体の細胞死誘導活性は、活性化されたT細胞又はB細胞で特に効果が大きいと考えられる。従って、本発明の抗体は、Diabodyと同様に癌などの腫瘍(特に血液腫瘍)や自己免疫疾患の治療や予防に特に有効であると考えられる。本発明は、本発明の抗体を有効成分として含有する、抗腫瘍剤または自己免疫疾患治療剤もまた提供するものである。
本発明の抗体は、直接患者に投与する以外に、公知の製剤学的方法により製剤化した医薬組成物として投与を行うことも可能である。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤として経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤に混和することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
患者への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。また、該化合物がポリヌクレオチドによりコードされうるものであれば、該ポリヌクレオチドを遺伝子治療用ベクターに組込み、遺伝子治療を行うことも考えられる。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本発明の抗体の投与量は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、1日あたり約0.1から1000mg、好ましくは約1.0から50mg、より好ましくは約1.0から20mgであると考えられる。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法によっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、通常、1日当り約0.01から30mg、好ましくは約0.1から20mg、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であると考えられる。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量、あるいは体表面積あたりに換算した量を投与することができる。
さらに本発明は、本発明の抗体を用いることにより、細胞の細胞死を誘導する方法に関する。具体的には、本発明の抗体を細胞に接触させることにより、該細胞に細胞死を誘導する方法に関する。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕2D7sc(Fv)2型DIABODY発現ベクターの作製
WO2004/033499に記載した通り、HLAクラスIに対する抗体2D7モノクローナル抗体を、重鎖および軽鎖可変領域を5merのリンカーで接続した低分子抗体(2D7diabody)(図1A)に改変することにより、ミエローマ細胞に対する細胞死誘導活性が劇的に上昇したことを既に示した。そこで、この2D7diabodyを、構造的により安定であると考えられるsc(Fv)2型(図1B)に改変し、細胞死誘導活性を従来型diabody(HL5)と比較検討した。
まず、2D7抗体の重鎖可変領域配列(VH)と軽鎖可変領域配列(VL)が、VH−VL−VH−VLの並びになるように、それぞれを15merのリンカー(GlyGlyGlyGlySerGlyGlyGlyGlySer GlyGlyGlyGlySer)で接続した2D7sc(Fv)2をコードするDNA発現ベクターを以下の手順で作製した。
WO2004/033499に記載の方法で作成した、VH−VLを5merのリンカー(GlyGlyGlyGlySer)で連結した2D7diabody(HL5)発現ベクターを鋳型にして、プライマー2D7DBH1(配列番号:15)、プライマー2D7PA2(配列番号:16)でPCR反応を行い、断片Aを増幅した。同様に、プライマー2D7PA3(配列番号:17)、プライマー2D7PA5(配列番号:18)でPCR反応を行い、断片Bを増幅した。ここで得られた断片A及び断片Bを、同一チューブ内で混合し、PCR−recombination反応を行うことで、断片Aと断片Bを連結させた。これにより、N末にVHのシグナル配列を含み、VH−VLが15merのリンカーで連結したDNA断片″2D7diabodyHL15−1″を得た。
続いて、2D7diabody(HL5)発現ベクターを鋳型にして、プライマー2D7PA6(配列番号:19)、プライマー2D7PA2(配列番号:16)でPCR反応を行い、断片Cを増幅した。同様に、プライマー2D7PA3(配列番号:17)、プライマー2D7DBL2(配列番号:20)でPCR反応を行い、断片Dを増幅した。ここで得られた断片C及び断片Dを同一チューブ内で混合し、PCR−recombination反応により、2つの断片を連結させた。この操作によって、VH−VLが15merのリンカーで連結し、C末にFlag−tag領域を含むDNA断片″2D7diabodyHL15−2″を得た。
上記反応により得られた2つのDNA断片、すなわち″2D7diabodyHL15−1″DNA断片、及び、″2D7diabodyHL15−2″DNA断片を、それぞれEcoRI−BamHI、及び、BamHI−NotIで切断し、両DNA断片をあらかじめEcoRI−NotIで切断し開裂した発現ベクターpCXND3に挿入した。インサートDNAの塩基配列を解析し、目的どおりsignal−VH(15)VL(15)VH(15)VL−FlagをコードするcDNAが、pCXND3のEcoRI−NotI間に挿入されていることを確認し、2D7sc(Fv)2発現ベクター(pCXND3−2D7sc(Fv)2)の構築を終了した。2D7sc(Fv)2の塩基配列(配列番号:1)およびアミノ酸配列(配列番号:2)を図2に示す。
〔実施例2〕2D7sc(Fv)2産生発現細胞株の樹立
PvuIで切断し直鎖化したpCXND3−2D7sc(Fv)2 20μgをCHO細胞(DG44株)に以下のようにelectroporation法により導入した。
CHO−S−SFM−II培地(インビトロジェン)で培養したDG44細胞をice−cold PBSで2回洗浄した後1X10/mlになるようにPBSに懸濁した。これに20μgの上記プラスミドを混合し、電気パルス(1.5KV,25μFD)を与えた。適当な割合で細胞を希釈し96well plateに細胞を撒きこみ、終濃度500μg/mlのG418(インビトロジェン)を添加したCHO−S−SFM−II培地中で培養を行った。生育した単一コロニーを約30クローンほどピックアップし、それら培養上清中の2D7sc(Fv)2の発現量を抗FLAG抗体(シグマ)を用いたウエスタンブロットにより調べた。最も発現の高かったクローンを5nM MTXを含む核酸フリーのCHO−S−SFM II培地(インビトロジェン)で培養を行い、培養スケールを拡大した。その結果得られた株を高産生細胞株とした。
〔実施例3〕2D7sc(Fv)2の大量精製
T−125フラスコでサブコンフルエントの2D7sc(Fv)2高産生CHO細胞株を1X10/mlになるようにローラーボトル(CHO−S−SFM II培地250ml/ボトル)に移した。37℃で培養し、6日後に培養液を回収した。遠心によって死細胞を除去した後、0.45μmフィルターを通してこれを精製に用いた。
2D7sc(Fv)2の精製は以下のとおり行った。
まず、buffer A(20mM Na−phosphate pH6.8)で平衡化したHydroxyapatiteカラム(micro prep ceramic Hydroxyapatite type I,Bio−Rad)に回収した培養上清をapplyした。buffer Aでカラムを洗浄した後、buffer C(250mM Na−phosphate pH6.8)で2D7sc(Fv)2を溶出した。2D7sc(Fv)2を含むフラクションを等量のbuffer Aで希釈した後、これをAnti−Flag M2アガロースアフィニティカラム(Bio−Rad)にapplyした。このカラムをbuffer C(50mM Tris−HCl pH7.4,150mM NaCl,0.01%Tween20)で洗浄した後、buffer D(100mM Glycine H3.5,0.01%Tween20)で2D7sc(Fv)2を溶出した。回収したサンプルは直ちに終濃度25mMになるようにTris−HCl pH8.0で中和した。その後、このフラクションを、セントリプレップYM−10(AMICON)で濃縮し、Superdex200HR(26/60)カラム(アマシャムファルマシア)によるゲルろ過クロマトグラム精製に使用した。
0.01%Tween20を含むPBSでゲルろ過クロマトグラム精製を行い、サンプル溶出時のチャートを図3に示した。2D7sc(Fv)2高産生CHO細胞株より産生された低分子化抗体は、そのほとんどが分子量約52Kdの位置に溶出ピークを有し(図3(1)参照)、同じく52Kdで溶出される2D7diabodyのピークと完全に一致した(図3(2)参照)。このことから本発明で構築した2D7sc(Fv)2は、当初の目的どおり図1Bに示す構造(1本鎖抗体が分子内で折れ曲がることで形成されるsc(Fv)2構造)を形成していると考えられた。
ゲルろ過クロマトグラム精製により分離された52Kdのピークのみを回収し、これを2D7sc(Fv)2蛋白標品とした。回収したサンプルの一部をSDS電気泳動および銀染色を行うことで、目的の蛋白が100%の純度で精製されていることを確認した。回収した精製標品はセントリプレップYM−10(AMICON)で濃縮し、2D7sc(Fv)2精製標品として以下の実験に使用した。
〔実施例4〕2D7sc(Fv)2の細胞死誘導活性の測定
ヒト骨髄腫細胞株ARH77細胞を、10%FCSを含むRPMI1640培地(インビトロジェン)で1X10cells/wellになるように24well plateに細胞を撒いた。これに、精製した2D7sc(Fv)2を終濃度100ng/ml、及び、250ng/mlになるように添加した。また比較検体として、精製した2D7diabody(HL5)を別のwellに同一条件で添加した。37℃で3時間培養後、各細胞を回収し、PI溶液(5μg/ml PI,2%FCS/PBS)に細胞を懸濁した。遮光して室温で15分インキュベートした後、flow cytometoryを用いてPIで染色された死細胞の割合を測定した(EPICS ELITE,COULTER)。
その結果、2D7sc(Fv)2は濃度依存的に細胞死を誘導する活性を有していることが明らかになった。またその活性は、linker 5merでVHとVLをつないだ2D7diabody(HL5)とほぼ同レベルであることが分かった。以上の結果より、in vitroにおける細胞死誘導活性に関しては、2D7sc(Fv)2は2D7diabody(HL5)と同様の活性を有していることが分かった(図4)。
〔実施例5〕2D7sc(Fv)2の細胞増殖抑制活性の測定
ヒトEBV−transformed B細胞株IM9細胞(ATCC)を3X10cells/wellで、またヒトバーキットリンパ腫由来細胞株HS−Sultan細胞を1X10cells/wellになるように10%FCSを含むRPMI1640培地で希釈し、96well plateに撒いた。これに、精製した2D7sc(Fv)2、および、2D7diabody(HL5)を終濃度0、0.0032、0.016、0.08、0.4、2μg/mlになるように添加し、37℃で培養した。3日間培養後、細胞数測定WST−8キット(同仁化学)を用いて生細胞数を測定した。
生細胞数の割合(%)=(抗体存在下で培養した生細胞数)/(抗体非添加で培養した生細胞数)で算出し、これに100を乗じ縦軸に示した(図5)。
その結果、2D7sc(Fv)2は濃度依存的にIM9細胞、および、HS−Sultan細胞の増殖を阻害し、2D7diabodyと同等の細胞増殖抑制活性を持つことがわかった。
〔実施例6〕放射性標識2D7sc(Fv)2および放射性標識2D7diabody(HL5)の調製
丸底ポリエチレンチューブの底の部分を約1cmの深さに切り取り、この底の部分に250mmol/L NaCl及びTween20 0.05vol%含有20mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)、Na125I溶液及び2D7sc(Fv)2または2D7diabody(HL5)溶液を添加した。0.15mol/L NaCl溶液を染み込ませ乾燥させたろ紙(5×5mm)をカバーガラス上にのせ、ろ紙に32mg/mL Chloramine T溶液を染み込ませ、ろ紙が内側になるようにカバーガラスを反応チューブの上にかぶせた。
室温で5分間放置した後、新たに32mg/mL Chloramine T溶液を染み込ませたろ紙に取り替え、前述と同様に反応チューブの上にかぶせ室温でさらに5分間放置した。
反応液にTween20 0.05vol%含有PBS(−)を添加後、反応液をTween20 0.05vol%含有PBS(−)で平衡化したPD−10column(アマシャムファルマシア)にのせ、Tween20 0.05vol%含有PBS(−)にて溶出させ未反応の125Iを除去した。さらに、Superdex200 10/300GLカラム(アマシャムファルマシア)によりゲルろ過精製し、放射性ヨード標識2D7sc(Fv)2および放射性ヨード標識2D7diabody(HL5)を調製した。
〔実施例7〕マウスに放射性標識2D7sc(Fv)2および放射性2D7diabody(HL5)を単回静脈内投与したときの血漿中放射能濃度推移
雄性マウス(C.B−17/Icr Scid Jcl、日本クレア)に放射性標識2D7sc(Fv)2および放射性標識2D7diabody(HL5)を1mg/5 MBq/kgで単回尾静脈内投与した。投与15、30分、1、2、4、8、24時間後にエーテル麻酔下マウスを開腹し、心臓よりヘパリン処理した25G注射針付テルモシリンジを用いて採血した。採取した血液は直ちに4℃、12,000rpmで5分間遠心し、血漿を分離した。
血漿試料の放射能をγ−カウンターにて測定した。また、投与液の放射能を同時に測定し、投与液中の放射性標識被験物質の比放射能を算出し、それを基に血漿中総放射能濃度を算出した。放射能測定後、血漿試料に精製水およびTCA25w/v%溶液を加え、攪拌後、4℃で3000rpm、10分間遠心分離した。上清をアスピレーターで吸引後、沈殿物の放射能を測定した。総放射能に対する沈殿物の放射能の割合を血漿中総放射能濃度に乗じて血漿中TCA沈殿画分放射能濃度を算出した。
放射性標識2D7sc(Fv)2および放射性標識2D7diabody(HL5)投与群ともに血漿中TCA沈殿画分放射能濃度は二相性で減少した(図6)。放射性標識2D7sc(Fv)2は放射性標識2D7diabody(HL5)より高い血漿中TCA沈殿画分放射能濃度を与え、消失相の半減期はそれぞれ2.30時間および1.64時間で2D7sc(Fv)2は2D7diabody(HL5)より長い半減期を与えた。
HLA class IAを認識する低分子抗体(diabody)をsc(Fv)2へと構造改変することにより、高い細胞死誘導活性と細胞増殖抑制活性を保持させながら、血中での安定性をより高め、in vivoにおいて優れた薬効を発揮させることにある。

Claims (28)

  1. 2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域を含み、ヒト白血球抗原(HLA)への結合活性を有する一本鎖ポリペプチドであることを特徴とする抗体。
  2. 2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域が、一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点として重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖可変領域、軽鎖可変領域の順に並んでいることを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  3. 2つの重鎖可変領域及び2つの軽鎖可変領域がリンカーで結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗体。
  4. リンカーが15アミノ酸であることを特徴とする、請求項3に記載の抗体。
  5. HLAがHLA class Iである、請求項1〜4のいずれかに記載の抗体。
  6. HLA class IがHLA−Aである、請求項5に記載の抗体。
  7. sc(Fv)2である請求項1〜6のいずれかに記載の抗体。
  8. 配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  9. 配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  10. 配列番号:3、4、5に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する重鎖可変領域および配列番号:6、7、8に記載のアミノ酸配列からなるCDR1、2、3を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  11. 配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  12. 配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  13. 配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号:12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含むsc(Fv)2。
  14. 配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
  15. 配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するsc(Fv)2。
  16. 請求項8〜15のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入され、かつ請求項8〜15のいずれかに記載の抗体と同等の活性を有するsc(Fv)2。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の抗体をコードするポリヌクレオチド。
  18. 請求項17に記載のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ請求項1〜16のいずれかに記載の抗体と同等の活性を有する抗体をコードするポリヌクレオチド。
  19. 請求項17または18に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  20. 請求項17または18に記載のポリヌクレオチドまたは請求項19に記載のベクターを保持する宿主細胞。
  21. 以下の工程を含む請求項1〜16のいずれかに記載の抗体を作製する方法。
    (a)HLAを認識する抗体を調製する工程
    (b)(a)で調製した抗体の配列を基に、請求項1〜16のいずれかに記載の抗体をコードするポリヌクレオチドを作製する工程
    (c)(b)のポリヌクレオチドを含むベクターを作製する工程
    (d)(c)のベクターを宿主細胞に導入する工程
    (e)(d)の宿主細胞を培養する工程
  22. 請求項1〜16のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、細胞死誘導剤。
  23. B細胞又はT細胞に対する細胞死誘導であることを特徴とする、請求項22に記載の細胞死誘導剤。
  24. B細胞又はT細胞が、活性化B細胞又は活性化T細胞である、請求項23に記載の細胞死誘導剤。
  25. 請求項1〜16のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、細胞増殖抑制剤。
  26. 請求項1〜16のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、抗腫瘍剤。
  27. 腫瘍が血液腫瘍である請求項26に記載の抗腫瘍剤。
  28. 請求項1〜16のいずれかに記載の抗体を有効成分として含有する、自己免疫疾患治療剤。
JP2005516197A 2003-12-12 2004-12-10 細胞死誘導剤 Expired - Fee Related JP4767016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005516197A JP4767016B2 (ja) 2003-12-12 2004-12-10 細胞死誘導剤

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003415758 2003-12-12
JP2003415758 2003-12-12
PCT/JP2004/018501 WO2005056603A1 (ja) 2003-12-12 2004-12-10 細胞死誘導剤
JP2005516197A JP4767016B2 (ja) 2003-12-12 2004-12-10 細胞死誘導剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005056603A1 true JPWO2005056603A1 (ja) 2009-05-28
JP4767016B2 JP4767016B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=34675142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005516197A Expired - Fee Related JP4767016B2 (ja) 2003-12-12 2004-12-10 細胞死誘導剤

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20070280951A1 (ja)
EP (1) EP1712565A4 (ja)
JP (1) JP4767016B2 (ja)
KR (1) KR20060130606A (ja)
AU (1) AU2004297109A1 (ja)
CA (1) CA2548929A1 (ja)
WO (1) WO2005056603A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7696325B2 (en) 1999-03-10 2010-04-13 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Polypeptide inducing apoptosis
KR100870123B1 (ko) * 2000-10-20 2008-11-25 츄가이 세이야꾸 가부시키가이샤 저분자화 아고니스트 항체
ATE391174T1 (de) 2000-10-20 2008-04-15 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Modifizierter tpo-agonisten antikörper
EP1561759B9 (en) 2002-10-11 2009-08-26 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Cell death-inducing agent
JP2004279086A (ja) 2003-03-13 2004-10-07 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JPWO2004087763A1 (ja) * 2003-03-31 2006-07-27 中外製薬株式会社 Cd22に対する改変抗体およびその利用
WO2005056602A1 (ja) * 2003-12-12 2005-06-23 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法
TW200530269A (en) 2003-12-12 2005-09-16 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Anti-Mpl antibodies
TW200530266A (en) * 2003-12-12 2005-09-16 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Method of reinforcing antibody activity
JPWO2005056605A1 (ja) * 2003-12-12 2007-12-06 中外製薬株式会社 3量体以上の受容体を認識する改変抗体
JP4799405B2 (ja) * 2004-04-09 2011-10-26 中外製薬株式会社 細胞死誘導剤
WO2006106903A1 (ja) 2005-03-31 2006-10-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha sc(Fv)2構造異性体
EP3050963B1 (en) 2005-03-31 2019-09-18 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Process for production of polypeptide by regulation of assembly
US20090022687A1 (en) * 2005-05-18 2009-01-22 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Novel Pharmaceuticals That Use Anti-HLA Antibodies
US9241994B2 (en) 2005-06-10 2016-01-26 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Pharmaceutical compositions containing sc(Fv)2
AU2006256041B2 (en) * 2005-06-10 2012-03-29 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Stabilizer for protein preparation comprising meglumine and use thereof
US20100150927A1 (en) * 2006-07-13 2010-06-17 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Cell death inducer
CL2008000719A1 (es) 2007-03-12 2008-09-05 Univ Tokushima Chugai Seiyaku Agente terapeutico para cancer resistente a agentes quimioterapeuticos que comprende un anticuerpo que reconoce hla de clase i como ingrediente activo; composicion farmaceutica que comprende dicho anticuerpo; y metodo para tratar cancer resistente a
WO2010107658A2 (en) * 2009-03-16 2010-09-23 Vallera Daniel A Methods and compositions for bi-specific targeting of cd19/cd22
CA2769470A1 (en) 2009-07-30 2011-02-03 Carbylan Biosurgery, Inc. Modified hyaluronic acid polymer compositions and related methods
TW201118166A (en) 2009-09-24 2011-06-01 Chugai Pharmaceutical Co Ltd HLA class I-recognizing antibodies
UA114108C2 (uk) 2012-07-10 2017-04-25 Борд Оф Ріджентс, Дзе Юніверсіті Оф Техас Сістем Моноклональне антитіло для застосування в діагностиці і терапії злоякісних пухлин і аутоімунного захворювання

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07503622A (ja) * 1992-12-11 1995-04-20 ザ ダウ ケミカル カンパニー 多価の一本鎖抗体

Family Cites Families (59)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5618920A (en) * 1985-11-01 1997-04-08 Xoma Corporation Modular assembly of antibody genes, antibodies prepared thereby and use
US4946778A (en) * 1987-09-21 1990-08-07 Genex Corporation Single polypeptide chain binding molecules
US5077216A (en) * 1988-07-06 1991-12-31 The Trustees Of Dartmouth College Monoclonal antibodies specific for a human mononculear phagocyte-specific antigen
US5223241A (en) * 1990-10-01 1993-06-29 The General Hospital Corporation Method for early detection of allograft rejection
US5368596A (en) * 1992-03-18 1994-11-29 Burkhart; Stephen S. Augmented awl for creating channels in human bone tissue
WO1994009817A1 (en) * 1992-11-04 1994-05-11 City Of Hope Novel antibody construct
JP3720353B2 (ja) * 1992-12-04 2005-11-24 メディカル リサーチ カウンシル 多価および多重特異性の結合タンパク質、それらの製造および使用
US5780021A (en) * 1993-03-05 1998-07-14 Georgetown University Method for treating type 1 diabetes using α-interferon and/or β-i
US5747654A (en) * 1993-06-14 1998-05-05 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Recombinant disulfide-stabilized polypeptide fragments having binding specificity
US5840344A (en) * 1993-09-03 1998-11-24 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Monoclonal antibodies having property of causing apoptosis
US6719972B1 (en) * 1994-06-03 2004-04-13 Repligen Corporation Methods of inhibiting T cell proliferation or IL-2 accumulation with CTLA4- specific antibodies
US5885574A (en) * 1994-07-26 1999-03-23 Amgen Inc. Antibodies which activate an erythropoietin receptor
WO1996004925A1 (en) * 1994-08-12 1996-02-22 Immunomedics, Inc. Immunoconjugates and humanized antibodies specific for b-cell lymphoma and leukemia cells
US8771694B2 (en) * 1994-08-12 2014-07-08 Immunomedics, Inc. Immunoconjugates and humanized antibodies specific for B-cell lymphoma and leukemia cells
US6451523B1 (en) * 1994-09-14 2002-09-17 Interneuron Pharmaceuticals, Inc. Detection of a leptin receptor variant and methods for regulating obesity
AU4865296A (en) * 1995-02-28 1996-09-18 Procter & Gamble Company, The Preparation of noncarbonated beverage products having superior microbial stability
CA2245835A1 (en) * 1995-06-14 1997-01-03 The Regents Of The University Of California Novel high affinity human antibodies to tumor antigens
AU721129B2 (en) * 1996-01-08 2000-06-22 Genentech Inc. WSX receptor and ligands
FR2745008A1 (fr) * 1996-02-20 1997-08-22 Ass Pour Le Dev De La Rech En Recepteur nucleaire de glucocorticoides modifie, fragments d'adn codant pour ledit recepteur et procedes dans lesquels ils sont mis en oeuvre
WO1997032601A1 (fr) * 1996-03-06 1997-09-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Procede de criblage de substances induisant l'apoptose
CA2253971A1 (en) * 1996-05-09 1997-11-13 Pharma Pacific Pty.Ltd. Use of high dose interferon by oralmucosal contact to treat viral infections and neoplastic conditions
EP0852951A1 (de) * 1996-11-19 1998-07-15 Roche Diagnostics GmbH Stabile lyophilisierte pharmazeutische Zubereitungen von mono- oder polyklonalen Antikörpern
US6323000B2 (en) * 1996-12-20 2001-11-27 Clark A. Briggs Variant human α7 acetylcholine receptor subunit, and methods of production and uses thereof
US6342220B1 (en) * 1997-08-25 2002-01-29 Genentech, Inc. Agonist antibodies
AU740225B2 (en) * 1997-09-11 2001-11-01 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Monoclonal antibody inducing apoptosis
US7531643B2 (en) * 1997-09-11 2009-05-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Monoclonal antibody inducing apoptosis
US7081360B2 (en) * 1998-07-28 2006-07-25 Cadus Technologies, Inc. Expression of G protein-coupled receptors with altered ligand binding and/or coupling properties
US6232000B1 (en) * 1998-08-28 2001-05-15 Stoody Company Abrasion, corrosion, and gall resistant overlay alloys
US7696325B2 (en) * 1999-03-10 2010-04-13 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Polypeptide inducing apoptosis
US20020028178A1 (en) * 2000-07-12 2002-03-07 Nabil Hanna Treatment of B cell malignancies using combination of B cell depleting antibody and immune modulating antibody related applications
US20040058393A1 (en) * 2000-04-17 2004-03-25 Naoshi Fukishima Agonist antibodies
KR100870123B1 (ko) * 2000-10-20 2008-11-25 츄가이 세이야꾸 가부시키가이샤 저분자화 아고니스트 항체
ATE391174T1 (de) * 2000-10-20 2008-04-15 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Modifizierter tpo-agonisten antikörper
JP3665324B2 (ja) * 2001-10-15 2005-06-29 麒麟麦酒株式会社 抗hla−dr抗体
MXPA04003535A (es) * 2001-10-15 2005-06-20 Immunomedics Inc Proteinas de enlace para objetivos directos.
DK1475101T3 (da) * 2002-02-14 2011-01-10 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Antistof-holdige farmaceutiske opløsninger
WO2003072036A2 (en) * 2002-02-21 2003-09-04 Duke University Treatment methods using anti-cd22 antibodies
ATE512989T1 (de) * 2002-04-15 2011-07-15 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Verfahren zur herstellung von scdb-bibliotheken
WO2003107218A1 (ja) * 2002-05-31 2003-12-24 セレスター・レキシコ・サイエンシズ株式会社 相互作用予測装置
AU2003243651B2 (en) * 2002-06-17 2008-10-16 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Specificity grafting of a murine antibody onto a human framework
US7115373B2 (en) * 2002-06-27 2006-10-03 Genox Research, Inc. Method of testing for atopic dermatitis by measuring expression of the NOR-1 gene
EP1561759B9 (en) * 2002-10-11 2009-08-26 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Cell death-inducing agent
AU2003301654A1 (en) * 2002-10-22 2004-05-13 Dainippon Pharmaceutical Co., Ltd. Stabilized composition
JP2004279086A (ja) * 2003-03-13 2004-10-07 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JPWO2004087763A1 (ja) * 2003-03-31 2006-07-27 中外製薬株式会社 Cd22に対する改変抗体およびその利用
CA2545166A1 (en) * 2003-11-11 2005-05-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Humanized anti-cd47 antibody
WO2005056602A1 (ja) * 2003-12-12 2005-06-23 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha アゴニスト活性を有する改変抗体のスクリーニング方法
JPWO2005056605A1 (ja) * 2003-12-12 2007-12-06 中外製薬株式会社 3量体以上の受容体を認識する改変抗体
TW200530266A (en) * 2003-12-12 2005-09-16 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Method of reinforcing antibody activity
TW200530269A (en) * 2003-12-12 2005-09-16 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Anti-Mpl antibodies
KR20070010046A (ko) * 2004-04-06 2007-01-19 제넨테크, 인크. Dr5 항체 및 그의 용도
JP4799405B2 (ja) * 2004-04-09 2011-10-26 中外製薬株式会社 細胞死誘導剤
WO2006106903A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha sc(Fv)2構造異性体
US20090022687A1 (en) * 2005-05-18 2009-01-22 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Novel Pharmaceuticals That Use Anti-HLA Antibodies
AU2006256041B2 (en) * 2005-06-10 2012-03-29 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Stabilizer for protein preparation comprising meglumine and use thereof
US20090028854A1 (en) * 2005-06-10 2009-01-29 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha sc(Fv)2 SITE-DIRECTED MUTANT
US20100150927A1 (en) * 2006-07-13 2010-06-17 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Cell death inducer
EP2050466B1 (en) * 2006-08-14 2015-10-28 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Diagnosis and treatment of cancer using anti-desmoglein-3 antibodies
CL2008000719A1 (es) * 2007-03-12 2008-09-05 Univ Tokushima Chugai Seiyaku Agente terapeutico para cancer resistente a agentes quimioterapeuticos que comprende un anticuerpo que reconoce hla de clase i como ingrediente activo; composicion farmaceutica que comprende dicho anticuerpo; y metodo para tratar cancer resistente a

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07503622A (ja) * 1992-12-11 1995-04-20 ザ ダウ ケミカル カンパニー 多価の一本鎖抗体

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010040565, Blood, 1997, Vol.90,No.9, p.3629−3639 *
JPN6010040566, Int.J.Cancer, 1999, Vol.81, p.911−917 *
JPN6010040567, Blood, 200311, Vol.102,No.11, p.933a,Abstract# 3474 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP1712565A4 (en) 2009-03-11
KR20060130606A (ko) 2006-12-19
WO2005056603A1 (ja) 2005-06-23
EP1712565A1 (en) 2006-10-18
US20070280951A1 (en) 2007-12-06
JP4767016B2 (ja) 2011-09-07
AU2004297109A1 (en) 2005-06-23
CA2548929A1 (en) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4767016B2 (ja) 細胞死誘導剤
KR101413402B1 (ko) 항 글리피칸 3 항체
JPWO2004087763A1 (ja) Cd22に対する改変抗体およびその利用
JP4708190B2 (ja) 抗Mpl抗体
JP5224580B2 (ja) sc(Fv)2部位特異的変異体
AU2007259739B2 (en) Agents for promoting the growth of hematopoietic stem cells
JP5303274B2 (ja) 抗グリピカン3抗体
JP5452835B2 (ja) 形質転換細胞によるIgMの産生とその定量方法
JP2010155841A (ja) 細胞死誘導剤
KR20160142332A (ko) 면역활성화 항원 결합 분자
JPWO2008032833A1 (ja) Adcc活性を増強させた抗体及びその製造方法
JP4799405B2 (ja) 細胞死誘導剤
JPWO2008007755A1 (ja) 細胞死誘導剤
JPWO2005056605A1 (ja) 3量体以上の受容体を認識する改変抗体
JP4938263B2 (ja) 一本鎖抗体によるサイトゾルタンパク質の機能阻害法およびその利用
JP4794303B2 (ja) 固形腫瘍治療剤
JP2009055899A (ja) Adcc活性を増強させた抗体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees