JPWO2008032833A1 - Adcc活性を増強させた抗体及びその製造方法 - Google Patents

Adcc活性を増強させた抗体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

ADCC活性が増強された抗体及びその製造方法を提供することを課題とする。本発明者らは、Genentech Incらの研究者らが行ったFc部分のアミノ酸変異をさらに発展させて、コンピューター検索からは導き出せない大幅な構造変化を伴う可能性のあるアミノ酸であるシステイン(Cys)へ変異させることでADCC活性の増強ができないか、検討を行った。本発明は、H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残をCysへ変更したキメラ抗体を提供するものである。

Description

本発明は、抗体のADCC活性を増強する方法およびADCC活性を増強させた抗体に関する。
抗体の可変領域をマウス型に定常領域をヒト型にしたキメラ抗体や、可変領域と定常領域の両方をヒト型にしたヒト化抗体は、癌や慢性関節リウマチの治療薬として期待されている。癌の治療において従来より用いられているシスプラチンなどの化学合成された治療薬は、癌細胞と正常細胞の識別能力が低く、毒性が高い。そのために癌の化学療法は、癌患者への体力的な負担が大きいのが現状である。一方、キメラ化あるいはヒト化された抗体は、癌細胞表面上に特異的の分子を認識して作用するためにその毒性は低く、治療を受ける患者にとっても体力的負担は軽い。慢性関節リウマチの治療に対しても、従来のステロイド薬を中心とした治療では、リウマチ症状の進行を遅くするにとどまるものであるが、インターロイキン6受容体に対するヒト化抗体は、骨破壊や炎症の原因因子を抑制することができるために著しい治療効果を発揮している。
これらの治療用抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体)の作製方法には、大きく分けて3通りある。一つ目は、遺伝子組み換え技術によってマウス抗体からキメラ抗体、ヒト化抗体へと抗体の抗原結合部位を残してヒト型の蛋白に置き換えてゆくことでヒト化していく方法である。二つ目は、ファージディスプレイを用いる方法である。この方法では、多種類のヒト由来の抗体可変領域をファージ表面に発現させたものから、目的蛋白を認識できる完全ヒト型可変領域を選び出すことができるので、選び出された完全ヒト型可変領域を材料に、遺伝子組み換え技術を利用して、ヒト型定常領域をさらに加えた完全ヒト化抗体を作製することが出来る。最後に、ヒトの抗体産生遺伝子を持つように遺伝子操作されたTCマウスを利用した方法がある(Nature Genetics, Vol.16, 113-114, 1997)。このTCマウスは、目的蛋白である抗原が免疫されると、マウスにより産生されてくる抗体はすべてヒト型となるように遺伝子操作されているので、TCマウスに抗原を免疫してから取り出したリンパ球細胞とマウスミエローマ細胞を融合させて得られるハイブリドーマ細胞からは、免疫した抗原を認識する完全ヒト化抗体が産生される。
上記の3つの方法によりキメラ抗体あるいはヒト化抗体を作製できるが、いずれの方法を用いても、治療抗体の製造コストは低分子化合物の治療薬に比べて非常に高いことが問題である。その高い製造コストのために、治療抗体の価格も非常に高く、癌やリウマチ患者にとっても大きな治療費負担となるのが現状である。
この問題を解決する一つの解決策として、単位質量あたりの治療抗体の癌細胞などへの治療効果を上昇させることが考えられた。つまり、少ない治療抗体量においても、従来の投与量と同様の治療効果が得られれば、患者への1回あたりの投薬量を低減させることができ、また、1回あたりの投薬費も低減させることができる。この治療抗体の治療効果を示す一つの指標として、Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity (ADCC)活性がある。このADCC活性は、治療抗体のFc部分が、癌細胞を殺傷できるキラー細胞上のFcγレセプターに結合し、さらに治療抗体の可変領域の認識作用で、癌細胞へキラー細胞を導くことにより、結果的に治療抗体を介してキラー細胞が癌細胞を殺傷する機構である。
ADCC活性を上昇させるために要求される治療抗体の性能としては、1)治療抗体の可変領域が癌細胞表面に特異的にある蛋白を強く認識できるということ、2)キラー細胞上のFcγレセプターに治療抗体のFc部分が強く結合できること、が挙げられる。この2)の項目を解決することでADCC活性を上昇させる研究が多くなされてきた。
Shinkawa Tらは、治療抗体IgG1のFc領域である297位のアミノ酸であるアスパラギン(Asn)に結合している二つの糖鎖(N-Linked oligosaccharide)構造に着目し、その糖鎖構造のフコースが欠損した糖鎖構造にすれば20倍〜100倍のADCC活性上昇になることを見出した(J. Biol. Chem. Vol.278, 3466-3473, 2003)。このフコース欠損構造によるADCC活性の報告は、Shields R Lらによっても行われた(J. Biol. Chem. Vol.277, 26733-26740, 2002)。また、Pablo Uらも同様の糖鎖構造に着目して、その糖鎖構造中のbisectingN-acetylglucosamine の結合量を制御することで数倍のADCC活性の上昇を行えることを発見した(Nature Biotechnology Vol.17, 176-180, 1999)。
このような、IgG1のFc領域に結合している糖鎖構造を改変することでその治療抗体のADCC活性を上昇させる方法以外に、米国Genentech Inc.らの研究者らは、治療抗体のFc構造そのもののアミノ酸に変異を加えることでFc受容体との結合を増強させる技術をコンピューター検索により検索し、S298A, E333A, K334Aのトリプル変異によりADCC活性を数十倍増強することに成功している(J. Biol. Chem. Vol.276, 6591-6604, 2001)。
なお、以下に本発明に関連する先行技術文献を示す。
WO 2004/029207 WO 2000/042072 WO 2004/063351 WO 2004/099249 WO 2006/019447 特表2006−512407 特表2003−512019 WO2006/104989 WO2006/105062 Nature Genetics, Vol.16, 113-114, 1997 J. Biol. Chem. Vol.278, 3466-3473, 2003 J. Biol. Chem. Vol.277, 26733-26740, 2002 Nature Biotechnology Vol.17, 176-180, 1999 J. Biol. Chem. Vol.276, 6591-6604, 2001
本発明は、ADCC活性が増強された抗体及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、Genentech Incらの研究者らが行ったFc領域のアミノ酸変異をさらに発展させて、Fc領域にコンピューター検索からは導き出せない大幅な構造変化を伴う可能性のあるアミノ酸であるシステイン(Cys)を導入することでADCC活性を増強させることができないか、検討を行った。システイン置換はチオール基(-SH)の導入を意味することから、ジスルフィド結合(-S-S-)を生じる。そのため、Fc構造のドラスチックな変化を呼ぶことが期待された。本発明者らは、ヒトCγ1(配列番号:53に記載のアミノ酸配列)において、Elvin A. KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域のEU indexの番号(以下本明細書では、「kabat番号」と記載する場合がある)の280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308、309、310又は314位のアミノ酸をシステイン(以下、Cysと略記する場合がある。)に置換することでADCC活性を増強できないか、検討を行った。
その結果、ヒトCγ1の286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308又は309
位のアミノ酸をCysに置換したキメラ抗体が、野生型キメラ抗体と比較して非常に高いADCC活性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下〔1〕〜〔41〕を提供するものである。
〔1〕H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308又は309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体。
〔2〕H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、〔1〕に記載の抗体、
〔3〕置換前と比較しADCC活性が上昇している、〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の抗体、
〔4〕改善された安定性、溶解性またはFcリガンドへの結合親和性を有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の抗体、
〔5〕糖鎖が付与されている、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の抗体、〔6〕エフェクター機能を改善するものである、〔5〕に記載の抗体、
〔7〕FcγRI、FcγRII、FcγRIII、又はFcRnと結合する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の抗体、
〔8〕CD20、CD22、CD33、CD52、Her2/neu、EGFR、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFアルファおよびVEGFからなる群より選択される標的抗原に特異性を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の抗体、
〔9〕CD20に特異性を有するヒト化抗体であって、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体、
〔10〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:95に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:93に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:97に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔11〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:101に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:99に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:103に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔12〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:107に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:105に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:109に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔13〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:54に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:45に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:73に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔14〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:81に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔15〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:89に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:87に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:91に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔16〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:131に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:129に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:133に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔17〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:137に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:135に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:139に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔18〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:143に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:141に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:145に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔19〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:149に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:147に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:151に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔20〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:155に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:153に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:157に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔21〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:161に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:159に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:163に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔22〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:167に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:165に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:169に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔23〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:173に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:171に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:175に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔24〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:179に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:177に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:181に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔25〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:185に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:183に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:187に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔26〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:191に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:189に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:193に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
〔27〕下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:241に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:243に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:245に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
〔28〕
下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
(1)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:209に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:203に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:205に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:207に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:247に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、(ii)配列番号:201に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
〔29〕H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法。
〔30〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法;
(a)H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNA、及びL鎖をコードするDNAを発現させる工程、
(b)工程(a)の発現産物を回収する工程。
〔31〕H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、〔29〕または〔30〕に記載の方法。
〔32〕〔1〕〜〔28〕のいずれかに記載の抗体および医薬的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
〔33〕〔1〕〜〔28〕のいずれかの抗体を対象に投与する工程を含む、非ヒト哺乳動物の治療方法。
〔34〕〔1〕〜〔28〕のいずれかの抗体をコードする核酸。
〔35〕〔34〕に記載の核酸を含むベクター。
〔36〕〔35〕に記載のベクターを有する宿主細胞。
〔37〕〔35〕に記載のベクターを有する宿主生物。
〔38〕H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、抗体のADCC活性を増強する方法。
〔39〕H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、〔38〕に記載の方法。
〔40〕工程(a)の抗体のADCC活性が増強されたか否かを判定する方法であって、工程(b)で測定されたADCC活性が、置換前の抗体のADCC活性より高い場合に、工程(a)の抗体のADCC活性が増強されたと判定される方法;
(a)ADCC活性を有する抗体の変異体であって、H鎖定常領域における286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体を提供する工程、および、
(b)工程(a)の抗体のADCC活性を測定する工程。
〔41〕以下の(a)から(d)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体のスクリーニング方法;
(a)ADCC活性を有する抗体を提供する工程、
(b)工程(a)の抗体のH鎖定常領域における286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程、
(c)工程(b)で得られた抗体のADCC活性が増強されたか否かを、〔40〕に記載の方法で判定する工程、
(d)工程(c)で、ADCC活性が増強されたと判定された抗体を選択する工程。
本発明により、ADCC活性が増強された抗体及びその製造方法が提供された。lactate dehydrogenase release assay系で評価したADCC活性に関して、本発明の抗体は、野生型抗体と比較し、ADCC活性が上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比が上昇した)。従って、本発明の変異型抗体を用いることによって、野生型抗体と比較して、より多くの細胞障害を引き起こすことが出来る。
また本発明の抗体は、特に低濃度において、ADCC活性が上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が上昇した)。従って、本発明の抗体を治療抗体として用いることによって、単位質量あたりの癌細胞などへの治療効果を上昇させることが可能である。また本発明の抗体を用いれば、患者への1回あたりの投薬量を低減させることができるため、投薬費を低減することも可能である。
遺伝子クローニングされたAnti-CD20マウスL鎖可変領域のDNA配列を示す図である。このDNA配列のはじめの部分は、MKV5 primer配列と一致する。また、図中のCDRとは、complementarity determing regionの略である。太いアンダーラインは、マウスL鎖定常領域の一部であり、その定常領域を除いた配列が、Anti-CD20マウスL鎖可変領域である。 遺伝子クローニングされたAnti-CD20マウスH鎖可変領域のDNA配列を示す図である。このDNA配列のはじめの部分は、MHV7 primer配列と一致する。また、図中のCDRとは、complementarity determing regionの略である。太いアンダーラインは、マウスH鎖定常領域の一部であり、その定常領域を除いた配列が、Anti-CD20マウスH鎖可変領域である。 精製された野生型キメラ抗体あるいはCys型キメラ抗体の電気泳動像を示す写真である。各種精製キメラ抗体は、2-メルカプトエタノールを含んだSDS-PAGE Sample Bufferと混合され、5分Boilされた。Boilされたサンプルは、12.5%SDS-PAGEゲルで電気泳動された。この写真において、50kDa付近のバンドがH鎖、25kDa付近のバンドがL鎖である。 野生型、294Cys型、298Cys型、301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、294Cys型キメラ抗体と301Cys型キメラ抗体は、高濃度条件下(0.1〜10 μg/mL)で非常に高いADCC活性を示した。一方298Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定された全域において、高いADCC活性を示した。 野生型、290Cys型、291Cys型、292Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、291Cys型キメラ抗体と292Cys型キメラ抗体は、高濃度条件下(0.01〜10 μg/mL)で非常に高いADCC活性を示した。一方290Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定されたほぼ全域において、高いADCC活性を示した。 野生型、302Cys型、303Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、303Cys型キメラ抗体は、高濃度条件下(0.01〜10 μg/mL)で非常に高いADCC活性を示した。一方302Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定されたほぼ全域において、高いADCC活性を示した。 野生型、298Cys型のAnti-EGFRキメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。298Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定された全域において、高いADCC活性を示した。 野生型、286Cys型、287Cys型、288Cys型、289Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、286Cys型キメラ抗体と289Cys型キメラ抗体は、高濃度条件下(0.01〜10 μg/mL)で非常に高いADCC活性を示した。 野生型、305Cys型、306Cys型、307Cys型、308Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、これらのキメラ抗体は、比較的高濃度条件下(0.001〜10 μg/mL)で高いADCC活性を示した。 野生型及び309Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を示すグラフである。野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、これらのキメラ抗体は、低濃度条件下(0.001〜10 μg/mL)で高いADCC活性を示した。
本発明は、Elvin A. KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域のEU indexの番号(以下本明細書おいては、特に断りがない限りは、アミノ酸の位置はkabat番号に記載のEU indexに従い記載される)の280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308、309、310又は314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに人為的に置換された抗体を提供する。ヒトCγ1の塩基配列を配列番号:71に、アミノ酸配列を配列番号:53に示す。
ヒトの免疫グロブリンとして、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgMの9種類のクラス(isotype)が知られている。本発明の抗体には、これらのisotypeのうちIgG1、IgG2、IgG3、IgG4が含まれる。
また本発明の抗体には、抗体のFc領域以外の部分が、抗原結合能を有する別のペプチドに置換されたものも含まれる。抗体のFc領域以外の部分としては、例えば可変領域、CH1領域、ヒンジ領域などが挙げられるが、これらに限定されない。抗体のisotypeは、定常領域の構造によって決定される。IgG1、IgG2、IgG3、IgG4の各isotypeの定常領域は、それぞれ、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4と呼ばれている。本発明の抗体には、Cγ2、Cγ3、又はCγ4において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308、309、310又は314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸がCysに置換された抗体も含まれる。ヒトCγ2、Cγ3、Cγ4の塩基配列を、配列番号:65、67、69に例示する。また、ヒトCγ2、Cγ3、Cγ4のアミノ酸配列を、配列番号:66、68、70に例示する。
なお、本明細書に添付の配列表に記載のCγ1(塩基配列 配列番号:71、アミノ酸配列 配列番号:53)、Cγ2(塩基配列 配列番号:65、アミノ酸配列 配列番号:66)、Cγ3(塩基配列 配列番号:67、アミノ酸配列 配列番号:68)、及びCγ4(塩基配列 配列番号:69、アミノ酸配列 配列番号:70)の各配列中のコドン及びアミノ酸と、kabatのEU indexとの関係を、表1〜表7に示す。表1〜7中のコドン及びアミノ酸は、上から下に向かって順番に、配列表のN末端側からC末端側のコドン及びアミノ酸に対応している。
なお、本明細書における定常領域の配列は全て、[Sequence of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(1991)]を基に作成した。
本発明におけるシステインには、その誘導体も含まれる。本発明におけるシステイン誘導体としては、システイン分子にヒドロキシル基、メチル基、エチル基、カルボキシル基、アミノ基等が付加された化合物、システイン分子を構成する原子や官能基の一部が欠失した化合物、システイン分子を構成する原子や官能基の一部が別のそれに置換された化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
lactate dehydrogenase release assay系で評価したADCC活性に関して、本発明の抗体は、野生型抗体と比較し、ADCC活性が上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比が上昇した)。また286Cys型抗体、289Cys型抗体、305Cys型抗体、306Cys型抗体、307Cys型抗体、308Cys型抗体、290Cys型抗体、291Cys型抗体、292Cys型抗体、298Cys型抗体、302Cys型抗体、303Cys型抗体、309Cys型抗体は、特に低濃度において、約2倍以上、好ましくは約5倍以上、より好ましくは約10倍以上、約100倍以上、さらに好ましくは約500倍以上、特に好ましくは約1000倍以上ADCC活性が上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が上昇した)。
また本発明の抗体は、改善された安定性、溶解性、Fc受容体への結合親和性、又はCDC活性を有する。本発明の抗体は、野生型と比較してその安定性、溶解性、Fc受容体への結合親和性、又はCDC活性が変化していないか上昇していることが好ましい。しかしながら本発明の抗体は、少なくともADCC活性が上昇していればよく、その安定性、溶解性、Fc受容体への結合親和性、又はCDC活性が減少している抗体も、本発明の抗体に含まれる。なお、Fc受容体としては、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、FcRn等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の抗体には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方が含まれる。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の調製および精製方法は、当分野で知られており、例えば Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988)に記載されている。
本発明の抗体の一形態はヒト化抗体である。「ヒト化抗体」とは、ヒトの抗体に構造を類似させた抗体のことをいい、ヒト型キメラ抗体(例えば抗体の一部がヒト化された抗体、CH2領域がヒト化された抗体、Fc領域がヒト化された抗体、定常領域がヒト化された抗体)、及び定常領域及び可変領域に存在するCDR(相補性決定領域)以外の部分がヒト化されたヒト型CDR移植(CDR-grafted)抗体(P.T.Johons et al., Nature 321,522(1986))、完全ヒト化抗体などが含まれる。ヒト型CDR移植抗体の抗原結合活性を高めるため、マウス抗体と相同性の高いヒト抗体FRを選択する方法、相同性の高いヒト化抗体を作製する方法、ヒト抗体にマウスCDRを移植した後さらにFRのアミノ酸を置換する方法の改良技術もすでに開発され(米国特許第5585089号、米国特許第5693761号、米国特許第5693762号、米国特許第6180370号、欧州特許第451216号、欧州特許第682040号、特許第2828340号などを参照)、本発明のヒト型CDR移植抗体の作製に利用することもできる。
ヒト型キメラ抗体は例えば、上記のH鎖可変領域の構造及び/又はL鎖可変領域の構造を有する抗体の定常領域をヒト抗体の定常領域に置換することにより作製することができる。ヒト抗体の定常領域としては公知のものを採用することができる。以下に、ヒト型キメラ抗体の作製方法の一例を示す。
まず、特定の対象抗原に対するマウス抗体を産生するハイブリドーマよりmRNAを抽出し、常法に従ってcDNAを合成する。合成したcDNAをベクターに組み込みcDNAライブラリーを構築する。このcDNAライブラリーから、H鎖遺伝子フラグメント及びL鎖遺伝子フラグメントをプローブとして用いることにより、H鎖遺伝子及びL鎖遺伝子を含有するベクターを選択する。選択されたベクターの挿入配列のシークエンシングを行うことにより、H鎖可変領域及びL鎖可変領域の遺伝子の配列が決定される。このようにして得られた配列データを基にH鎖可変領域をコードするDNAを化学合成、生化学的切断/再結合等により作製する。得られたH鎖可変領域をコードするDNAを、ヒトH鎖定常領域をコードするDNAとライゲーションして発現用ベクターに組込むことによりH鎖発現ベクターを作製する。発現ベクターとしては例えばSV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。一方、同様の方法によりL鎖発現ベクターを作製する。これらH鎖発現ベクター及びL鎖発現ベクターにより宿主細胞を共形質転換する。宿主細胞としてはCHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)(A.Wright& S.L.Morrison, J.Immunol.160, 3393-3402 (1998))、SP2/0細胞(マウスミエローマ)(K.Motmans et al., Eur.J.Cancer Prev.5,512-519 (1996),R.P.Junghans et al.,Cancer Res.50,1495-1502 (1990))などが好適に用いられる。また、形質転換にはリポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる。
形質転換体を培養した後、形質転換体の細胞内又は培養液よりヒト型キメラ抗体を分離する。抗体の分離、精製には、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、プロテインAカラムクロマトフィー、プロテインGカラムクロマトフィー、プロテインLカラムクロマトフィー、などの方法を適宜組み合わせて利用することができる。
一方、ヒト型CDR移植抗体は例えば以下の方法により作製することができる。まず、上記キメラ抗体の製造方法の欄で述べた方法により、特定の抗原に対する抗体のH鎖可変領域及びL鎖可変領域のアミノ酸配列及びそれをコードする塩基配列を決定する。併せて各CDR領域のアミノ酸配列及び塩基配列を決定する。
次に、CDR領域を挟んで存在するFR(フレームワーク領域)を選択する。FRの選択には、およそ三つの方法が採用できる。1つめの方法は、NEWM、REIなど既に三次元構造の明らかとなったヒト抗体フレームを用いる方法である(Riechmann L. et al., Nature 332,323-3Z7 (1988); Tempst, PR. et al., Protein Engineering 7, 1501-1507 (1994); Ellis JH. et al., J. Immunol 155, 925-937 (1995))。2つめの方法は、目的のマウス抗体可変領域と最も高いホモロジーを持つヒト抗体可変領域をデータベースより選択し、そのFRを用いる方法である(Queen C. et al., Proc Natl Acad SciUSA 86, 10029-10033 (1989); Rozak MJ. et al., J Biol Chem 271, 22611-22618 (1996); Shearman CW. et al., J.Immunol 147, 4366-4373 (1991))。3つめの方法は、ヒト抗体のFRで最も共通に用いられるアミノ酸を選択する方法である(Sato K. et al., Mol Immunol 31, 371-381 (1994); Kobinger F. et al., Protein Engineering 6, 971-980 (1993); Kettleborough CA. et al., Protein Engineering 4, 773-783 (1991))。本発明ではこれらいずれの方法を用いることもできる。
尚、選択されたヒトFRのアミノ酸配列を改変したアミノ酸配列であっても、最終的に得られるヒト型CDR移植抗体が対象抗原に対する特異的結合性を有する限り、FRのアミノ酸配列として利用することができる。特に、選択されたヒトFRのアミノ酸の一部をCDRの由来となった抗体のFRのアミノ酸に変更した場合、抗体の特性が維持される可能性が高い。改変されるアミノ酸の数は好ましくはFR全体の30%以下であり、更に好ましくはFR全体の20%以下であり、更に好ましくはFR全体の10%以下である。
次に、これらいずれかの方法により選択したFRと上記CDRとを組み合わせることによりH鎖可変領域及びL鎖可変領域をコードするDNAを設計する。この設計を基にH鎖可変領域をコードするDNAとL鎖可変領域をコードするDNAを化学合成、生化学的切断/再結合等によりそれぞれ作製する。そしてH鎖可変領域をコードするDNAを、ヒト免疫グロブリンH鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みH鎖発現ベクターを構築する。同様に、L鎖可変領域をコードするDNAを、ヒト免疫グロブリンL鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みL鎖発現ベクターを構築する。発現ベクターとしては例えばSV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の方法で作製されたH鎖発現ベクター及びL鎖発現ベクターにより宿主細胞を共形質転換する。宿主細胞としてはCHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)(A.Wright& S.L.Morrison, J.Immunol.160, 3393-3402 (1998))、SP2/0細胞(マウスミエローマ)(K.Motmans etal., Eur.J.Cancer Prev.5,512-519 (1996),R.P.Junghans et al.,Cancer Res.50,1495-1502 (1990))などが好適に用いられる。また、形質転換にはリポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる。
形質転換体を培養した後、形質転換体の細胞内又は培養液よりヒト型CDR移植抗体を分離する。抗体の分離、精製は、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、プロテインAカラムクロマトフィー、プロテインGカラムクロマトフィー、プロテインLカラムクロマトフィー、などの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を所望の抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227, WO 92/03918,WO 94/02602, WO 94/25585,WO 96/34096,WO 96/33735参照)。
更なる実施態様では、抗体又は抗体断片は、McCafferty等(Nature, 348:552-554 (1990))に記載された技術を使用して産生される抗体ファージライブラリーから分離することができる。Clackson等(Nature, 352:624-628 (1991))及び Marks等(J.Mol.Biol., 222:581-597 (1991))は、ファージライブラリーを使用したマウス及びヒト抗体の分離を記述している。続く刊行物は、鎖シャフリングによる高親和性(nM範囲)のヒト抗体の生成(Marks等, Bio/Technology, 10:779-783[1992])、並びに非常に大きなファージライブラリーを構築するための方策としてコンビナトリアル感染とインビボ組換え(Waterhouse等, Nuc.Acids.Res., 21:2265-2266[1993])を記述している。従って、これらの技術はモノクローナル抗体の分離に対する伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ法に対する実行可能な別法である。
この点において、バクテリオファージ(ファージ)ディスプレイは、大きなオリゴペプチドライブラリーを検索して、ポリペプチド標的に特異的に結合する能力のあるこれらライブラリーのメンバーを同定することを可能にするよく知られた技術の一つである。ファージディスプレイは、様々なポリペプチドがバクテリオファージ粒子の表面上のコートタンパク質に融合タンパク質として提示されることによる技術である(Scott,J.K.及びSmith G. P. (1990) Science 249:386)。ファージディスプレイの有用性は、選択的にランダム化されたタンパク質変異体(又はランダムクローンcDNA)の大きなライブラリーを標的分子に高い親和性で結合するこれらの配列について素早く効果的に分類することができる点にある。ファージでのペプチド(Cwirla,S.E.等 (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378)又はタンパク質(Lowman,H.B.ら (1991) Biochemistry, 30:10832; Clackson,T.ら (1991) Nature, 352: 624; Marks,J.D.等 (1991), J. Mol. Biol., 222:581; Kang,A.S.等 (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:8363)ライブラリーのディスプレイは、特異的に結合する特性を有するものについて無数のポリペプチド又はオリゴペプチドをスクリーニングするために使用されている(Smith, G.P. (1991) Current Opin. Biotechnol., 2:668)。ランダム突然変異体のファージライブラリーの分類は、多数の変異体を構築して増殖させる方法、標的レセプターを用いた親和性精製の方法、及び結合増強の結果を評価する手段を必要とする(米国特許第5223409号、同第5403484
号、同第5571689号、及び同第5663143号を参照)。
ほとんどのファージディスプレイ法は繊維状ファージを使用していたが、λファージディスプレイシステム(WO95/34683;米国特許第5627024号)、T4ファージディスプレイシステム(RenJ.らGene 215:439 (1998); Zhuら Cancer Researc, 58(15):3209-3214 (1998); Jiang等 Infection & Immunity, 65(11): 4770-4777 (1997); Ren等, Gene, 195(2):303-311 (1997); Ren, Protein Sci. 5:1833 (1996); Efimov等 VirusGenes 10:173(1995)及びT7ファージディスプレイシステム(Smith及びScott Methods in Enzymology,217, 228-257(1993); 米国特許第5766905号)も知られている。
現在、基礎的なファージディスプレイ法は多くの改良及び変形が開発されている。これらの改良により、選択された標的分子との結合性など、ペプチドライブラリーやタンパク質ライブラリーから特性、能力などに基づいてスクリーニングする方法が改善された。ファージディスプレイ法のための組み換え反応手段については、WO98/14277に記載がある。ファージディスプレイライブラリーは、二分子相互作用(WO98/20169;WO98/20159)及び拘束性へリックスペプチドの特性(WO98/20036)を分析及び制御するために使用されている。WO97/35196には、リガンドが標的分子に結合しうる第一の溶液、及び親和性リガンドが標的分子に結合しない第二の溶液とファージディスプレイライブラリーを接触させて結合リガンドを選択的に単離する、親和性リガンドの単離方法が記載されている。WO97/46251は、親和性精製抗体でランダムファージディスプレイライブラリーをバイオパニングし、次いで結合ファージを単離し、続いてマイクロプレートのウェルでマイクロパニングして高親和性結合ファージを単離する方法を記載する。黄色ブドウ球菌(Staphlylococcus aureus)タンパク質Aの親和性タグとしての使用も報告されている(Li等, (1998) Mol Biotech., 9:187)。WO97/47314は、ファージディスプレイライブラリーでもよいコンビナトリアルライブラリーを用いて酵素特異性を識別するための基質サブトラクションライブラリーの使用を記載している。ファージディスプレイに用いる洗浄剤における使用に適した酵素を選択する方法はWO97/09446に記載される。特異的に結合するタンパク質を選択する更なる方法は、米国特許第5498538号、同第5432018号、及びWO98/15833に記載されている。ペプチドライブラリーの作製及びこれらのライブラリーのスクリーニングの方法は、米国特許第5723286号、同第5432018号、同第5580717号、同第5427908号、同第5498530号、同第5770434号、同第5734018号、同第5698426号、同第5763192号、及び同第5723323号に記載される。
さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を有する適当な発現ベクターを作製し、適当な宿主に導入して発現させることによりヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に衆知であり、WO 92/01047、WO 92/20791、WO 93/06213、WO 93/11236、WO 93/19172、WO 95/01438、WO 95/15388を参考に実施することができる。
別法として、ファージディスプレイ技術(McCafferty等, Nature 348:552-553[1990])を使用して、非免疫化ドナーの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体及び抗体断片を産出させることができる。この技術によれば、抗体Vドメイン遺伝子を、フレーム単位で、繊維状バクテリオファージ、例えばM13ファージ又はfdのコートタンパク質遺伝子のどちらかでクローニングし、ファージ粒子の表面で機能的抗体断片として提示させる。繊維状粒子がファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含むので、抗体の機能特性に基づいた選択に基づいても、結果としてこれらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択が成される。よって、このファージはB細胞のいくつかの特性を模倣している。ファージディスプレイは多様な形式で行うことができる;例えばJohnson, Kevin S. 及びChiswell, David J., Current Opinion in Structural Biology 3:564-571(1993)を参照。V-遺伝子セグメントのいくつかの供給源を、ファージディスプレイのために使用できる。Clackson等, Nature, 352:624-628(1991)は、免疫化したマウス脾臓由来のV遺伝子の小さいランダムなコンビナトリアルライブラリーから、多様で多くの抗-オキサゾロン抗体を単離した。非免疫化ヒトドナーのV遺伝子のレパートリーが構成可能であり、多様で多くの抗原(自己抗原を含む)に対する抗体は、Marks等, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)、又はGriffith等, EMBO J. 12:725-734(1993)に記載の技術にそのまま従うことで単離することができる。また、米国特許第5565332号及び同5573905号を参照のこと。
本発明の抗体には、本発明の抗体と他のペプチド又はタンパク質とが融合した融合タンパク質も含まれる。融合タンパク質を作製する方法は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと他のペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。本発明の抗体との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210 )、6個のHis(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-mycの断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protein C の断片等の公知のペプチドを使用することができる。また、本発明の抗体との融合に付される他のポリペプチドとしては、例えば、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、β−ガラクトシダーゼ、MBP(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。
また本発明の抗体においては、糖鎖を付与、改変、またはフコース欠損糖鎖に置換することも可能である。糖鎖の抗体への付与は、変異導入されたシステイン中の-SH基と糖鎖に導入したブロモアセチル基を結合させて抗体に糖鎖を導入することによって行うことが可能である。糖鎖、ペプチドまたはポリペプチドの付与によって、抗体のエフェクター機能を向上させることが出来る。エフェクター機能としては、これらに限定されるものではないが、ADCC活性、補体依存性細胞障害作用(CDC)活性が挙げられる。
さらに本発明の抗体には、一部のアミノ酸がアセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化等の化学修飾を受けた抗体も含まれる。このような化学修飾は当業者に公知の方法によって行うことが可能である。
本発明の抗体は、他のエフェクター機能を向上させる技術と組み合わせて使用することが可能である。他のエフェクター機能を向上させる技術としては、フコース転移酵素をノックアウトまたはノックダウンさせたCHO細胞等の培養細胞を用いて産生させる技術(WO 2003/085119)、または抗体の重鎖中のアミノ酸残基を元のアミノ酸以外のアミノ酸で置換する技術(WO 2004/029207、WO 2000/042072)が含まれるが、これに限定されない。
本発明の抗体は、エフェクター細胞表面のFcγRI、FcγRII、又はFcγRIIIと結合することをその特徴とする。エフェクター機能は、Fc受容体(FcR)と抗体のFc領域との相互作用によっても媒介される。Fc受容体は、造血細胞上に存在する分化した細胞表面受容体として知られている。Fc受容体のうち、IgG抗体に対するFc受容体はFcγR、IgEに対するFc受容体はFcεR、IgAに対するFc受容体はFcαRと呼ばれており、FcRは、免疫グロブリンアイソタイプによって定義される。Fcγ受容体に関しては、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、およびFcγRIII(CD16)の3つのサブクラスが確認されている。各FcγRサブクラスは2つまたは3つの遺伝子によってコードされ、かつ選択的RNAスプライシングが複数の転写物をもたらすため、FcγRアイソフォームにおいて広い多様性が存在する。FcγRIサブクラス(FcγRIA、FcγRIB、およびFcγRIC)をコードしている3つの遺伝子は、第1染色体長腕の領域1q21.1においてクラスター形成され、FcγRIIアイソフォーム(FcγRIIA、FcγRIIB、およびFcγRIIC)をコードしている遺伝子ならびにFcγRIll(FcγRIIIAおよびFcγRIIIB)をコードしている2つの遺伝子の全ては領域1q22においてクラスター形成される。FcRは、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991); Capel et al., Immunomethods 4:25-34 (1994); and de Haas et al., J Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995)において概説されている。
FcγRIが高い親和性で単量体のIgGに結合する一方、FcγRIIおよびFcγRIIIは低親和性の受容体であり、複合型または塊状のIgGと相互作用する。これらの低親和性受容体を検出するための古典的な方法として、IgGによって感作された抗体に覆われた赤血球(EA)を使用する「ロゼット形成」が知られている(Bredius et al. Immunology 83:624-630 (1994)。また、ロゼットアッセイに関して、Tax et al. J. Immunol. 133(3): 1185-1189 (1984); Nagarajan et al. J. Biol. Chem. 270(43): 25762-25770 (1995); およびWarmerdam et al. J. Immunol. 147(4): 1338-1343 (1991)も参照されたい)。
本発明において、エフェクター細胞としては、特に制限はないが、例えばPBMCが挙げられる。
また本発明は、本発明の抗体をコードする核酸、該核酸が挿入されたベクター、及び該ベクターが導入された形質転換細胞を提供する。ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。
発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、またはT7プロモーターなどを持っていることが不可欠である。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(ファルマシア社製)、「QIAexpress system」(キアゲン社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。蛋白質分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379)を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌以外にも、例えば、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (インビトロゲン社製)や、pEGF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF 、pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovairus expression system」(ギブコBRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw)、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIPneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン社製)、pNV11、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)が挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMTV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーターなどを持っていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418、ピューロマイシンなど)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV)等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
ベクターが導入される宿主細胞としては特に制限はなく、例えば、大腸菌や種々の動物細胞などを用いることが可能である。宿主細胞は、例えば、本発明の抗体の製造や発現のための産生系として使用することができる。ポリペプチド製造のための産生系は、in vitroおよびin vivoの産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(J. Exp. Med. (1995) 108, 945)、COS、3T3、ミエローマ、BHK(baby hamster kidney)、HeLa、Vero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle, et al., Nature (1981) 291, 358-340)、あるいは昆虫細胞、例えば、Sf9、Sf21、Tn5が知られている。本発明においては、CHO-DG44、CHO-DXB11、COS7細胞、BHK細胞が好適に用いられる。動物細胞において、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、カチオニックリボソームDOTAP(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポーレーション法、リポフェクションなどの方法で行うことが可能である。
植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞が蛋白質生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli)、例えば、JM109、DH5α、HB101等が挙げられ、その他、枯草菌が知られている。本発明のDNAにより形質転換された細胞をin vitroで培養し、当業者が通常行う方法によって精製することによって、本発明の抗体を得ることが可能である。
また本発明は、本発明の抗体をコードする核酸を含むベクターを有する宿主生物を提供する。本発明の宿主生物は、組換え型抗体の産生に有用である。本発明における宿主生物としては、ヤギなどが挙げられる。例えば、本発明のトランスジェニックヤギの作成は次のようにして行うことが可能である。即ち、抗体遺伝子が乳汁中に固有に産生されるタンパク質(ヤギβカゼインなど)をコードする遺伝子の内部にインフレームで挿入された融合遺伝子を構築する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入すれば、該注入胚が雌のヤギへ導入される。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から、本発明の抗体を取得することができる。トランスジェニックヤギから産生される本発明の抗体を含む乳汁量を増加させるために、ホルモンをトランスジェニックヤギに適宜使用することも可能である(Ebert, K.M. etal., Bio/Technology(1994)12, 699-702)。
本発明の抗体は、細胞障害を与えたいターゲット細胞の表面に存在する分子を認識する抗体であることが好ましい。細胞障害を与えたいターゲット細胞の由来としては、ヒトであることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、細胞障害を与えたいターゲット細胞としては、特に制限はなく、例えば、癌細胞、Raji、KG-1a、TL-1、HUT78、Jurkat、BALL-1、HEPG2、MKN-7、KB、又はHelaが挙げられるが、これらに限定されるものではない。細胞障害を与えたいターゲット細胞の表面に存在する分子(抗原)としては、例えば、CD20、CD22、CD33、CD52、Her2/neu、EGFR、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFアルファおよびVEGFからなる群から選択される標的抗原が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
290Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:95に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:93に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:97に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
291Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:101に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:99に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:103に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
292Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:107に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:105に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:109に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
293Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:113に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:111に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:115に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
294Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:54に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:45に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:73に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
298Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:81に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
299Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:119に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:117に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:121に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
300Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:125に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:123に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:127に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
301Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:89に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:87に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:91に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
302Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:131に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:129に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:133に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
303Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:137に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:135に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:139に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
304Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:143に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:141に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:145に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
286Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:149に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:147に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:151に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
287Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:155に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:153に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:157に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
288Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:161に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:159に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:163に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
289Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:167に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:165に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:169に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
305Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:173に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:171に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:175に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
306Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:179に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:177に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:181に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
307Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:185に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:183に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:187に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
308Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:191に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:189に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:193に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
309Cys型抗CD20抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:243に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:241に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:245に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
298Cys型抗EGFR抗体としては、具体的には以下の抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:209に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(3)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)CDR1として配列番号:203に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:205に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:207に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:247に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、(ii)配列番号:201に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
上述したように、本発明の抗体には、ヒト化(humanized)抗体などの組換え抗体も含まれる。ヒト化(humanized)抗体には、キメラ(chimeric)抗体(特にヒト型キメラ抗体)、CDR移植抗体(特にヒト型CDR移植抗体)が含まれる。これらの抗体の具体的な説明は上述の通りである。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の290Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:94に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:92に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:96に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の291Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:100に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:98に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:102に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の292Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:106に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:104に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:108に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
293Cys型抗CD20抗体をコードするDNAとしては、以下のDNAが挙げられるまた本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の293Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:112に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:110に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:114に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の294Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:52に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:44に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:72に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の298Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:82に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:80に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:84に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の299Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:118に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:116に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:120に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の300Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:124に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:122に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:126に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の301Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:88に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:86に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:90に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の302Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:130に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:128に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:132に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の303Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:136に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:134に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:138に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の304Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:142に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:140に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:144に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の286Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:148に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:146に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:150に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の287Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:154に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:152に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:156に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の288Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:160に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:158に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:162に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の289Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:166に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:164に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:168に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の305Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:172に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:170に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:174に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の306Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:178に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:176に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:180に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の307Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:184に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:182に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:186に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の308Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:190に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:188に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:192に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の309Cys型抗CD20抗体を提供する。
(1)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:242に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:240に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:46に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:48に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:50に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:244に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:57に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:59に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:61に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:63に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:55に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、例えば下記(1)から(4)のいずれかに記載の298Cys型抗EGFR抗体を提供する。
(1)配列番号:194に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:196に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:198に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:82に記載の塩基配列からコードされるCHを有するH鎖を含む抗体、
(2)配列番号:208に記載の塩基配列からコードされるH鎖を含む抗体、
(3)配列番号:194に記載の塩基配列からコードされるCDR1、て配列番号:196に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:198に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:84に記載の塩基配列からコードされるFc領域を有するH鎖を含む抗体、
(4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
(i)配列番号:202に記載の塩基配列からコードされるCDR1、配列番号:204に記載の塩基配列からコードされるCDR2、配列番号:206に記載の塩基配列からコードされるCDR3、および配列番号:246に記載の塩基配列からコードされるCLを有するL鎖、
(ii)配列番号:200に記載の塩基配列からコードされるL鎖。
また本発明は、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308、309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸がシステインに置換されたCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4を提供する。このようなCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4は、ADCC活性が増強された抗体の製造において有用である。
当業者であれば、例えば、上記280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸がCysに置換されたCγ1、Cγ2、Cγ3、又はCγ4と任意の抗体可変領域を組み合わせることによって、ADCC活性が増強された任意の抗原を認識する抗体を製造することが可能である。また当業者であれば、例えば、上記280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸がCysに置換されたCγ1、Cγ2、Cγ3又はCγ4のFc領域と任意の抗体Fab領域を組み合わせることによって、ADCC活性が増強された任意の抗原を認識する抗体を製造することが可能である。上述したように、本発明の抗体は、細胞障害を与えたいターゲット細胞の表面に存在する分子を認識する抗体であることが好ましい。また、細胞障害を与えたいターゲット細胞の由来としては、ヒトであることが好ましいが、これに限定されるものではない。細胞障害を与えたいターゲット細胞の表面に存在する分子(抗原)としては、例えばCD20、CD22、CD33、CD52、Her2/neu、EGFR、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFアルファおよびVEGFからなる群から選択される標的抗原が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明はまた、H鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法を提供する。
該製造方法の一つの態様としては、当業者に公知のADCC活性を有する抗体のH鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する。当業者に公知のADCC活性を有する抗体の取得方法に制限はない。例えば、本発明の製造方法を実施する者が自ら製造することもできるし、他者より購入することもできる。アミノ酸残基をシステインに置換する方法としては、例えば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T, Mizuno, T, Ogasahara, Y, and Nakagawa, M. (1995) An oligodeoxyribonucleotide-directed dual amber method for site-directed mutagenesis. Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors.Methods Enzymol. 100, 468-500、Kramer,W, Drutsa,V, Jansen,HW, Kramer,B, Pflugfelder,M, andFritz,HJ(1984) The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction. Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kramer W, and Fritz HJ(1987) Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection.Proc Natl Acad Sci U S A. 82, 488-492)が挙げられる。該方法を用いて、抗体の所望のアミノ酸をシステインに置換することができる。
該製造方法の別の態様としては、まず、当業者に周知な方法によって、所望の抗原に結合する抗体を得る。取得された抗体が非ヒト動物抗体であれば、ヒト化することもできる。次いで、取得された抗体がADCC活性を有するか否かを当業者に周知な方法によって判定する。抗体のADCC活性は、例えば実施例に記載のlactate dehydrogenase release assay系で測定することができるが、この方法に限定されず、例えば、Cr51-release assayによっても測定可能である。次いで、ADCC活性を有すると判定された抗体のH鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する。
より具体的には、以下の(a)及び(b)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法を提供する。
(a)H鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNA、及びL鎖をコードするDNAを発現させる工程
(b)工程(a)の発現産物を回収する工程
本発明の製造方法においては、まず、ADCC活性を有する抗体の変異体のH鎖をコードするDNAであって、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNA、およびADCC活性を有する抗体のL鎖をコードするDNAを発現させる。H鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNAは、例えば、野生型のH鎖をコードするDNAのH鎖定常領域部分を取得し、該H鎖定常領域中の特定のアミノ酸をコードするコドンがシステインをコードするよう、適宜置換を導入することによって得ることが出来る。なお、システインをコードするコドンは、TGT又はTGCである。
また、あらかじめ、野生型H鎖の定常領域部分のアミノ酸がシステイン置換されたタンパク質をコードするDNAを設計し、該DNAを化学的に合成することによって、H鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNAを得ることも可能である。
また、Fc領域のH鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNAは、部分DNAに分けて製造することができる。部分DNAの組み合わせとしては、例えば、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNA、あるいはFab領域をコードするDNAとFc領域をコードするDNAが挙げられるが、これら組み合わせに限定されるものではない。L鎖をコードするDNAもまた、同様に部分DNAに分けて製造することができる。
例えば、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖定常領域をコードするDNA、H鎖可変領域をコードするDNA、L鎖定常領域をコードするDNA、H鎖定常領域をコードするDNAを発現させる方法としては、以下の方法が挙げられる。即ち、H鎖可変領域をコードするDNAを、H鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みH鎖発現ベクターを構築する。同様に、L鎖可変領域をコードするDNAを、L鎖定常領域をコードするDNAとともに発現ベクターに組み込みL鎖発現ベクターを構築する。発現ベクターとしては例えばSV40 virus basedベクター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマウイルス)basedベクターなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
上記4つのDNAをベクターに導入する方法としては、4つのDNAを1つのベクターへ導入する方法、4つのDNAを2つのベクターに分けて導入する方法、4つのDNAを3つのベクターに分けて導入する方法(1つのベクターに1つのDNAを導入し、もう1つのベクターに1つのDNAを導入し、残りのベクターに2つのDNAを導入する方法)、4つのDNAを4つのベクターに導入する方法(4つのDNAを各々別々のベクターに導入する方法)が含まれる。ここで、4つのDNAを2つのベクターに分けて導入する場合、及び、3つのベクターに分けて導入する場合において、4つのDNAのグループ分けはなんら制限されるものではない。
以上の方法で作製された抗体発現ベクターにより宿主細胞を共形質転換する。宿主細胞としてはCHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣)等上述の細胞などが好適に用いられる。また、形質転換にはリポフェクチン法(R.W.Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P.L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456-467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる。
本発明の抗体の製造方法においては、次に、工程(a)で得られた発現産物を回収する。発現産物の回収は、例えば、形質転換体を培養した後、形質転換体の細胞内又は培養液より分離することによって行うことが出来る。抗体の分離、精製には、遠心分離、硫安分画、塩析、限外濾過、プロテインA、プロテインG、プロテインLカラム、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの方法を適宜組み合わせて行うことができる。
上記の方法によって、抗体のADCC活性を増強することができる。すなわち、本発明は、H鎖定常領域において、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、抗体のADCC活性を増強する方法もまた提供するものである。
本発明は、本発明の抗体および医薬的に許容し得る担体を含む、医薬組成物を提供する。また本発明は、本発明の抗体を投与することを含む、哺乳動物の治療方法を提供する。哺乳動物としては、ヒト、非ヒト哺乳動物(例えばマウス、ラット、サルなど)が挙げられる。本発明の医薬組成物は、抗体がCD20を認識する抗体である場合、B細胞性悪性リンパ腫などの治療において有用である。また、抗体がEGFRを認識する抗体である場合、肺癌などの治療において有用である。また、抗体がHer2を認識する抗体である場合、乳癌などの治療において有用である。
本発明の医薬組成物は、抗体に加えて医薬的に許容し得る担体を導入し、公知の方法で製剤化することが可能である。例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO-50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
投与は好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。抗体または抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001から100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
また、本発明は、被験抗体のADCC活性が増強されたか否かを判定する方法を提供する。具体的には、以下の工程(b)で測定されたADCC活性が、置換前のADCC活性より高い場合に、以下の工程(a)の抗体のADCC活性が増強されたと判定される方法を提供する。
(a)ADCC活性を有する抗体の変異体であって、H鎖定常領域における280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体を提供する工程、および、
(b)工程(a)の抗体のADCC活性を測定する工程。
また、本発明は、上記判定方法を使用して、ADCC活性が増強された抗体をスクリーニングする方法を提供する。具体的には、以下の(a)から(d)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体のスクリーニング方法を提供する。
(a)ADCC活性を有する抗体を提供する工程、
(b)工程(a)の抗体のH鎖定常領域における280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、298、299、300、301、302、303、305、306、307、308及び309、310及び314位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程、
(c)工程(b)で得られた抗体のADCC活性が増強されたか否かを、上記方法で判定する工程、
(d)工程(c)で、ADCC活性が増強されたと判定された抗体を選択する工程。
これら判定方法、およびスクリーニング方法において、ADCC活性を有する抗体は、ADCC活性を有する限り特に制限はない。ADCC活性を有する抗体の取得方法は、上記の通りである。
なお、本明細書で開示した抗体の塩基配列およびアミノ酸配列は、以下の配列番号に従って配列表に記載されている。
<290Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号92:H鎖全長の塩基配列(290Cys型)
配列番号93:H鎖全長のアミノ酸配列(290Cys型)
配列番号94:H鎖定常領域の塩基配列(290Cys型)
配列番号95:H鎖定常領域のアミノ酸配列(290Cys型)
配列番号96:H鎖Fc領域の塩基配列(290Cys型)
配列番号97:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(290Cys型)
<291Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号98:H鎖全長の塩基配列(291Cys型)
配列番号99:H鎖全長のアミノ酸配列(291Cys型)
配列番号100:H鎖定常領域の塩基配列(291Cys型)
配列番号101:H鎖定常領域のアミノ酸配列(291Cys型)
配列番号102:H鎖Fc領域の塩基配列(291Cys型)
配列番号103:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(291Cys型)
<292Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
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配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
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<293Cys型抗CD20抗体>
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配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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配列番号55:L鎖全長の塩基配列
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配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
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配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
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配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
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配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
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配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
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配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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<301Cys型抗CD20抗体>
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<302Cys型抗CD20抗体>
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配列番号55:L鎖全長の塩基配列
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配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号128:H鎖全長の塩基配列(302Cys型)
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<303Cys型抗CD20抗体>
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配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
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配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号134:H鎖全長の塩基配列(303Cys型)
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<304Cys型抗CD20抗体>
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配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
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配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
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配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
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配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
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配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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<287Cys型抗CD20抗体>
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配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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配列番号152:H鎖全長の塩基配列(287Cys型)
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<288Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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<289Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
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配列番号164:H鎖全長の塩基配列(289Cys型)
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<305Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
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配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号170:H鎖全長の塩基配列(305Cys型)
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<306Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号176:H鎖全長の塩基配列(306Cys型)
配列番号177:H鎖全長のアミノ酸配列(306Cys型)
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配列番号180:H鎖Fc領域の塩基配列(306Cys型)
配列番号181:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(306Cys型)
<307Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号182:H鎖全長の塩基配列(307Cys型)
配列番号183:H鎖全長のアミノ酸配列(307Cys型)
配列番号184:H鎖定常領域の塩基配列(307Cys型)
配列番号185:H鎖定常領域のアミノ酸配列(307Cys型)
配列番号186:H鎖Fc領域の塩基配列(307Cys型)
配列番号187:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(307Cys型)
<308Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号188:H鎖全長の塩基配列(308Cys型)
配列番号189:H鎖全長のアミノ酸配列(308Cys型)
配列番号190:H鎖定常領域の塩基配列(308Cys型)
配列番号191:H鎖定常領域のアミノ酸配列(308Cys型)
配列番号192:H鎖Fc領域の塩基配列(308Cys型)
配列番号193:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(308Cys型)
<309Cys型抗CD20抗体>
配列番号46:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号47:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号48:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号49:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号50:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号51:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号55:L鎖全長の塩基配列
配列番号56:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号57:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号58:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号59:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号60:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号61:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号62:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号63:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号64:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号240:H鎖全長の塩基配列(309Cys型)
配列番号241:H鎖全長のアミノ酸配列(309Cys型)
配列番号242:H鎖定常領域の塩基配列(309Cys型)
配列番号243:H鎖定常領域のアミノ酸配列(309Cys型)
配列番号244:H鎖Fc領域の塩基配列(309Cys型)
配列番号245:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(309Cys型)
<298Cys型抗EGFR抗体>
配列番号194:H鎖CDR1の塩基配列
配列番号195:H鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号196:H鎖CDR2の塩基配列
配列番号197:H鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号198:H鎖CDR3の塩基配列
配列番号199:H鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号200:L鎖全長の塩基配列
配列番号201:L鎖全長のアミノ酸配列
配列番号202:L鎖CDR1の塩基配列
配列番号203:L鎖CDR1のアミノ酸配列
配列番号204:L鎖CDR2の塩基配列
配列番号205:L鎖CDR2のアミノ酸配列
配列番号206:L鎖CDR3の塩基配列
配列番号207:L鎖CDR3のアミノ酸配列
配列番号246:L鎖定常領域の塩基配列
配列番号247:L鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号208:H鎖全長の塩基配列(298Cys型)
配列番号209:H鎖全長のアミノ酸配列(298Cys型)
配列番号82:H鎖定常領域の塩基配列(298Cys型)
配列番号83:H鎖定常領域のアミノ酸配列(298Cys型)
配列番号84:H鎖Fc領域の塩基配列(298Cys型)
配列番号85:H鎖Fc領域のアミノ酸配列(298Cys型)
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に記載された態様に限定されるものではない。
〔実施例1〕
293、294、298、299、300、及び301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体を作製し、これら各種Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性を評価した。その結果、野生型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性と比較して、294、298、及び301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体は非常に高いADCC活性を示した。
以下に、Anti-CD20キメラ抗体の野生型と3種類の変異型(294Cys、298Cys、301Cys)の作製方法ならびにそのADCC活性測定とCD20分子に対する反応性を記載する。
1)Anti-CD20キメラ抗体の作製
キメラ抗体は、以下のA)〜F)の工程を経て、精製キメラ抗体として得られる。
A)キメラ抗体を作製する上で必要となる遺伝子のクローニング、
B)クローニングされた遺伝子の変異導入、
C)クローニングされた遺伝子及びその変異導入した遺伝子を組み合わせたキメラ抗体発現ベクターの構築、
D)キメラ抗体発現ベクターのCHO細胞への遺伝子導入とキメラ抗体を高発現するCHO細胞のスクリーニング、
E)キメラ抗体高発現CHO細胞の培養、
F)キメラ抗体高発現細胞の培養上清からのカラム精製。
以下にA)〜F)の工程を順に記載する。
A) キメラ抗体を作製する上で必要となる遺伝子のクローニング
1種のAnti-CD20キメラ抗体を作製するためには、4種の遺伝子が必要になる。この4種の遺伝子は、Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子、Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子、Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子、Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子である。この遺伝子のクローニング実施例について、以下に記述する。
(Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子)
本出願人が保有するAnti-CD20マウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞からQuickPrep micro mRNA purification kit (Amersham Biosciences, code 27-9255-01)を用いてmRNAを得た。そのmRNAをFirst-Strand cDNA Synthesis kit (Amersham Biosciences, code 27-9261-01)を用いてcDNAとした。このcDNAを鋳型としてPCR法で遺伝子を増幅させるのであるが、以下に示す11パターンのPrimerの組み合わせによりPCR反応を行った。
PCR反応条件は、
マウスハイブリドーマからのcDNA 4 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
MKV1〜MKV11 primer(20μM)の11種類中の1つ 2.5 μL
MKC primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 28.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (30サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
PrimerのDNA配列は以下を参照。
MKV1 primer:ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTG(配列番号:1)
MKV2 primer:ATGGAGWCAGACACACTCCTGYTATGGGTG(配列番号:2)
MKV3 primer:ATGAGTGTGCTCACTCAGGTCCTGGSGTTG(配列番号:3)
MKV4 primer:ATGAGGRCCCCTGCTCAGWTTYTTGGMWTCTTG(配列番号:4)
MKV5 primer:ATGGATTTWCAGGTGCAGATTWTCAGCTTC(配列番号:5)
MKV6 primer:ATGAGGTKCYYTGYTSAGYTYCTGRGG(配列番号:6)
MKV7 primer:ATGGGCWTCAAGATGGAGTCACAKWYYCWGG(配列番号:7)
MKV8 primer:ATGTGGGGAYCTKTTTYCMMTTTTTCAATTG(配列番号:8)
MKV9 primer:ATGGTRTCCWCASCTCAGTTCCTTG(配列番号:9)
MKV10 primer:ATGTATATATGTTTGTTGTCTATTTCT(配列番号:10)
MKV11 primer:ATGGAAGCCCCAGCTCAGCTTCTCTTCC(配列番号:11)
MKC primer:ACTGGATGGTGGGAAGATGG(配列番号:12)
(M=A or C, R=A orG, W=A orT, S=C or G, Y=C or T, K=G orT)
PCR反応では、MKV5とMKC primerの組み合わせにより、Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子が増幅され、この遺伝子はpCR2.1ベクター(Invitogen)に一時的に挿入され保管された。また、この遺伝子は挿入されたベクターをpCR2.1-MLVと名前を付けた。遺伝子クローニングされたAnti-CD20マウスL鎖可変領域のDNA配列を図1に添付する。
また、Anti-CD20マウスL鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3の塩基配列をそれぞれ、配列番号:57、59、61に示す。また、Anti-CD20マウスL鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:58、60、62に示す。
(Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子)
Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子のクローニングと同様に、Anti-CD20マウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞から調整されたcDNAを鋳型として、以下に示す12パターンのPCR増幅を行った。
マウスハイブリドーマからのcDNA 4 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
MHV1〜MHV12 primer(20μM)の12種類中の1つ 2.5 μL
MHCG2b primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 28.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (30サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
PrimerのDNA配列は以下を参照。
MHV1 primer:ATGAAATGCAGCTGGGGCATSTTCTTC(配列番号:13)
MHV2 primer:ATGGGATGGAGCTRTATCATSYTCTT(配列番号:14)
MHV3 primer:ATGAAGWTGTGGTTAAACTGGGTTTTT(配列番号:15)
MHV4 primer:ATGRACTTTGGGYTCAGCTTGRTTT(配列番号:16)
MHV5 primer:ATGGACTCCAGGCTCAATTTAGTTTTCCTT(配列番号:17)
MHV6 primer:ATGGCTGTCYTRGSGCTRCTCTTCTGC(配列番号:18)
MHV7 primer:ATGGRATGGAGCKGGRTCTTTMTCTT(配列番号:19)
MHV8 primer:ATGAGAGTGCTGATTCTTTTGTG(配列番号:20)
MHV9 primer:ATGGMTTGGGTGTGGAMCTTGCTATTCCTG(配列番号:21)
MHV10 primer:ATGGGCAGACTTACATTCTCATTCCTG(配列番号:22)
MHV11 primer:ATGGATTTTGGGCTGATTTTTTTTATTG(配列番号:23)
MHV12 primer:ATGATGGTGTTAAGTCTTCTGTACCTG(配列番号:24)
MHCG2b primer:CAGTGGATAGACTGATGGGGG(配列番号:25)
(M=A or C, R=A orG, W=A orT, S=C or G, Y=C or T, K=G orT)
PCR反応では、MHV7とMHCG2b primerの組み合わせにより、Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子が増幅され、この遺伝子はpCR2.1ベクター(Invitogen)に一時的に挿入され保管された。また、この遺伝子が挿入されたベクターをpCR2.1-MHVと名前を付けた。遺伝子クローニングされたAnti-CD20マウスH鎖可変領域のDNA配列を図2に添付する。
また、Anti-CD20マウスH鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3の塩基配列をそれぞれ、配列番号:46、48、50に示す。また、Anti-CD20マウスH鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:47、49、51に示す。
(Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子)
ヒトの血液からLymphoprep(Axis Shield)を用いてリンパ球を取り出した。このリンパ球からQuickPrep micro mRNA purification kit (Amersham Biosciences, code 27-9255-01)を用いてmRNAを得た。そのmRNAをFirst-Strand cDNA Synthesis kit (Amersham Biosciences, code 27-9261-01)を用いてcDNAとした。このヒトリンパ球からのcDNAを鋳型にして、以下のPCR反応を行いHuman IgG1 L鎖定常領域遺伝子を得た。この遺伝子もpCR2.1ベクター(Invitogen)に一時的に挿入され保管された。また、この遺伝子が挿入された
ベクターをpCR2.1-LCと名前を付けた。
PCRの反応条件は以下の通りである。
ヒトリンパ球cDNA 4 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
hIgG1 LCF primer(20μM) 2.5 μL
hIgG1 LCR primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 28.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (30サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
PrimerのDNA配列は以下を参照。
hIgG1 LCF primer:ACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTC(配列番号:26)
hIgG1 LCR primer:TTAACACTCTCCCCTGTTGAAGCTCTT(配列番号:27)
(Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子)
Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子のクローニングと同様にして、ヒトリンパ球からのcDNAを鋳型にして、以下のPCR反応を行いHuman IgG1 H鎖定常領域遺伝子を得た。この遺伝子もpCR2.1ベクター(Invitrogen)に一時的に挿入され保管された。このベクターは、pCR2.1- HC (野生型)と名前を付けた。
PCRの反応条件は以下の通りである。
ヒトリンパ球cDNA 4 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
hIgG1 HCF primer(20μM) 2.5 μL
hIgG1 HCR primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 28.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (30サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
PrimerのDNA配列は以下を参照。
hIgG1 HCF primer:GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTC(配列番号:28)
hIgG1 HCR primer:TTATTTACCCGGAGACAGGGAGAGGCT(配列番号:29)
B)クローニングされた遺伝子の変異導入
294Cysキメラ抗体、298Cysキメラ抗体、301Cysキメラ抗体を得るためには、クローニングされたHuman IgG1 H鎖定常領域の特定箇所に変異を導入しなければならない。Elvin A.KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域の番号に従い、294番のGluをCysに、298番 のSerをCysに、301番 のArgをCysに変更するために、クローニングされたHunan IgG1 H鎖定常領域が挿入されたpCR2.1ベクター:pCR2.1-HC(野生型)を鋳型として、PCR法により変異導入した。この変異導入法の詳細を以下に記述する。
(1)294(Glu→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (野生型) (25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
294Cys1 primer(20μM) 1.25 μL
294Cys2 primer(20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1min 68℃ 13min (12サイクル)
68℃ 4min
4℃ 無制限時間
PrimerのDNA配列は以下を参照。
294Cys1 primer:AAGCCGCGTGAGTGCCAGTACAACAGC(配列番号:74)
294Cys2 primer:GCTGTTGTACTGGCACTCACGCGGCTT(配列番号:75)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーションが終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異294(Glu→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。この変異導入されたベクターをpCR2.1-HC(294Cys)と名前を付けた。
(2)298(Ser→Cys)への変異導入
この変異導入も上記の294(Glu→Cys)の変異導入と同様にして行われた。違っている箇所は、使用された294Cys1 primerと294Cys2 primerの代わりに298Cys1 primerと298Cys2 primerを使用している点のみである。以下に、298Cys1 primerと298Cys2 primerの配列を示す。これらの操作により得られた変異298(Ser→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターをpCR2.1-HC(298Cys)と名前を付けた。
298Cys1 primer:GAGCAGTACAACTGCACGTACCGTGTG(配列番号:76)
298Cys2 primer:CACACGGTACGTGCAGTTGTACTGCTC(配列番号:77)
(3)301(Arg→Cys)への変異導入
この変異導入も上記の294(Glu→Cys)の変異導入と同様にして行われた。違っている箇所は、使用された294Cys1 primerと294Cys2 primerの代わりに301Cys1 primerと301Cys2 primerを使用している点のみである。以下に、301Cys1 primerと301Cys2 primerの配列を示す。これらの操作により得られた変異301(Arg→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターをpCR2.1-HC(301Cys)と名前を付けた。
301Cys1 primer:TACAACAGCACGTACTGTGTGGTCAGCGTCCTC(配列番号:78)
301Cys2 primer:GAGGACGCTGACCACACAGTACGTGCTGTTGTA(配列番号:79)
C)クローニングされた遺伝子及びその変異導入した遺伝子を組み合わせたキメラ抗体発現ベクターの構築
1種類のAnti-CD20キメラ抗体を発現させるために、Anti-CD20キメラ抗体のL鎖とH鎖の2種類の発現ベクターをCHO細胞にTransfectionさせることで達成される。ここで、Anti-CD20キメラ抗体のL鎖の発現ベクターとは、Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子+ Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子を結合させたものを発現ベクターに組み込んだものであり、Anti-CD20キメラ抗体のH鎖の発現ベクターとは、Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子+ Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子を結合させたものを発現ベクターに組み込んだものである。野生型、294Cys型、298Cys型あるいは301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体を作製するにあたり、Anti-CD20キメラ抗体のL鎖の発現ベクターは、これら4種のキメラ抗体を発現させるために共通に使用するものであるが、Anti-CD20キメラ抗体のH鎖の発現ベクターは、野生型、294Cys型、298Cys型あるいは301Cys型キメラ抗体の各々に対して専用のH鎖発現ベクターを必要とする。ここでは、はじめに各キメラ抗体の発現に共通に使用できるAnti-CD20キメラ抗体L鎖の発現ベクターの構築について詳細を記述し、その後に野生型、294Cys型、298Cys型あるいは301Cys型キメラ抗体の発現に必要な専用のAnti-CD20キメラ抗体H鎖発現ベクターの構築について記述する。
Anti-CD20キメラ抗体L鎖の発現ベクターの構築
発現ベクターとしては、BCMGneoベクターを使用し、このベクターのXhoIとNotIサイトにAnti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子+ Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子を挿入させる。Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子は、先に作製されたpCR2.1-MLVを鋳型に以下のPCR反応を行うことで断片を得た。また、Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子は、先に作製されたpCR2.1-LCを鋳型として以下のPCR反応により断片を得た。
(Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子の増幅反応)
pCR2.1-MLV (20 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
L1 primer(20μM) 2.5 μL
L2 primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 30.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (20サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
L1 primer:ACCGCTCGAGATGGATTTTCAGGTGCAGATTATCAGC(配列番号:36)
L2 primer:TTTCAGCTCCAGCTTGGTCCCAGCACC (5’-リン酸化されている)(配列番号:37)
(Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子の増幅反応)
pCR2.1-LC (20 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
L3 primer(20μM) 2.5 μL
L4 primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 30.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (20サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
L3 primer:ACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATC (5’-リン酸化されている)(配列番号:38)
L4 primer:ATAGTTTAGCGGCCGCTTAACACTCTCCCCTGTTGAAGCTCTTTGT(配列番号:39)
上記のPCR反応で得られたAnti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子断片は、制限酵素XhoI(タカラバイオ)で切断されてから精製した。また、PCR反応で得られたHuman IgG1 L鎖定常領域遺伝子断片は、制限酵素NotI(タカラバイオ)で切断されてから精製した。BCMG-neoベクターをXhoIとNotIで切断して精製した断片に、先の精製Anti-CD20マウスL鎖可変領域遺伝子断片と精製Human IgG1 L鎖定常領域遺伝子断片を混同してLigationした。このLigationで得られたベクターは、シークエンスにより目的の断片が挿入されていることを確認された。このAnti-CD20キメラ抗体L鎖の発現ベクターは、pキメラLCと名前が付けられた。
Anti-CD20キメラ抗体H鎖発現ベクターの構築
発現ベクターとしては、BCMGneoベクターを使用し、このベクターのXhoIとNotIサイトにAnti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子+ Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子を挿入させる。Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子は、先に作製されたpCR2.1-MHVを鋳型に以下のPCR反応を行うことで断片を得た。野生型、294Cys型、298Cys型あるいは301Cys型キメラ抗体の各々に対して専用のH鎖発現ベクターは、Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子をPCR増幅させる際の鋳型となるプラスミドは異なるが、操作自体は全く同様に行われて各種Human IgG1 H鎖遺伝子断片を得た。以下にPCR反応を含む詳細を記述する。
(Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子の増幅反応)
pCR2.1-MHV (20 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
H1 primer(20μM) 2.5 μL
H2 primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 30.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (20サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
H1 primer:ACCGCTCGAGATGGGATGGAGCTGGGTCTTTCTCTTC(配列番号:40)
H2 primer:TGAGGAGACGGTGACCGTGGTCCC (5’-リン酸化されている)(配列番号:41)
(Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子の増幅反応)
#各種鋳型プラスミド (20 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
H3 primer(20μM) 2.5 μL
H4 primer(20μM) 2.5 μL
DMSO 2.5 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu polymerase 1 μL
滅菌水 30.5 μL
total 50 μL
94℃ 2 min
94℃ 1 min 55℃ 2min 72℃ 2min (20サイクル)
72℃ 4min
4℃ 無制限時間
H3 primer:GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTC(5’-リン酸化されている)(配列番号:42)
H4 primer:ATAGTTTAGCGGCCGCTTATTTACCCGGAGACAGGGAGAGGCTCTT(配列番号:43)
#:野生型のAnti-CD20キメラ抗体用の遺伝子断片を調整するためには、pCR2.1-HC(野生型)を鋳型として用いた。294Cys型のAnti-CD20キメラ抗体用の遺伝子断片を調整するためにはpCR2.1-HC(294Cys)を鋳型として用いた。298Cys型のAnti-CD20キメラ抗体用の遺伝子断片を調整するためにはpCR2.1-HC(298Cys)を鋳型として用いた。301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体用の遺伝子断片を調整するためにはpCR2.1-HC(301Cys)を鋳型として用いた。
上記のPCR反応で得られたAnti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子断片は、制限酵素XhoI(Takara)で切断されてから精製した。また、鋳型の異なる各種PCR反応で得られたHuman IgG1 H鎖定常領域遺伝子断片は、制限酵素NotI(タカラバイオ)で切断されてから精製した。BCMG-neoベクターをXhoIとNotIで切断して精製した断片に、先の精製Anti-CD20マウスH鎖可変領域遺伝子断片と精製Human IgG1 H鎖定常領域遺伝子断片を混合してLigationした。このLigationで得られたベクターは、シークエンスにより目的の断片が挿入されていることを確認された。このAnti-CD20キメラ抗体H鎖の発現ベクターは、pキメラHC(野生型)、pキメラHC(294Cys)、pキメラHC(298Cys)あるいはpキメラHC(301Cys)とそれぞれ名前が付けられた。
D)キメラ抗体発現ベクターのCHO細胞への遺伝子導入とキメラ抗体を高発現するCHO細胞のスクリーニング
構築された各種発現ベクターは、以下の組み合わせでTransIT-CHO Transfection kit(Mirus, MIR2170)を使用してCHO細胞へ遺伝子導入された。
野生型キメラ抗体:pキメラLC+ pキメラHC(野生型)
294Cysキメラ抗体:pキメラLC+pキメラHC (294Cys)
298Cysキメラ抗体:pキメラLC+pキメラHC (298Cys)
301Cysキメラ抗体:pキメラLC+pキメラHC (301Cys)
遺伝子導入されたCHO細胞は、10%Fetal Bovine Serum(EQITEC-BIO)と1 mg/mLのGeneticin(GIBCO, 10131-035)を補足したDulbecco’s Modified Eagle’s Medium(Sigma, D5796)で37℃5%二酸化炭素の条件下で培養することで増殖した。この増殖してコロニーを形成したCHO細胞の中からキメラ抗体を高発現しているCHO細胞を選択するのであるが、はじめに各コロニーの一部を96 wellプレートに移植して、さらに10日間培養した。その培養上清の一部を取り出し、以下に示すELISA測定をすることで高発現CHO細胞クローンを決定した。
(ELISA測定)
1)Anti-Human IgG (γ-chain) (MBL, 103AG)をコートした96Wellプレートに、TansfectionされたCHO細胞の培養上清を100 μL/wellで添加し、室温で1時間放置した。
2)培養上清液を96 wellプレートから捨てて、0.05%のTween20を含むPBS (PBS-0.05%Tween20)でwellを十分洗浄した。
3)Anti-Human IgG(γ-chain)Peroxidase conjugated (MBL, 208)をPBS-0.05%Tween20で2000倍希釈した溶液を100 μL/well添加して、室温で1時間放置した。
4)溶液を96 wellプレートから捨てて、PBS-0.05%Tween20でwellを十分洗浄した。
5)TMB Peroxidase Substrate (Moss, TMBE-1000s)を100 μL/well添加して、発色反応させた。
6)10〜15分の発色反応後、1N硫酸を100 μL/well添加して、発色反応を停止させた。
7)450 nm吸光度を測定した。
このELISA測定で、高い発色値を示すコロニーが、キメラ抗体を高発現するクローンである。
E)キメラ抗体高発現CHO細胞の培養
ELISA測定により選択されたキメラ抗体高発現CHO細胞は、10%Fetal Bovine Serumと0.1 mg/mLのGeneticinを補足したDulbecco’s Modified Eagle’s Mediumで37℃5%二酸化炭素の条件下で培養することで増殖させた。十分に増殖したキメラ抗体の高発現CHO細胞は、0.1 mg/mLのGeneticinを補足した無血清培地であるCHO-S-(GIBCO,12052-098)での培養に置き換えられ、継続して1000mL程度培養された。
F)キメラ抗体高発現細胞の培養上清からのカラム精製
無血清培地であるCHO-S-SFMIIで培養されたキメラ抗体高発現CHO細胞の培養上清は、回収された。野生型キメラ抗体の精製は、そのFc領域構造に変化を加えていないため、抗体精製に通常用いられるProtein Aカラム精製により実施された。しかしながら、294Cys型キメラ抗体、298Cys型キメラ抗体、301Cys型キメラ抗体は、そのFc領域構造に変異を加えているために、Fc領域の構造変化を伴い、通常のProtein Aカラムへは、ほとんど吸着されない。この理由から、これらCys型キメラ抗体では、Protein Lカラムを使用して精製を実施した。今回作製されたAnti-CD20キメラ抗体は、その可変領域がκ鎖である。このProtein Lは、この可変領域κ鎖を認識して結合できるタンパク質である。以下に、野生型キメラ抗体のProtein Aカラム精製とCys型キメラ抗体のProtein Lカラム精製の詳細を記述する。
野生型キメラ抗体のProtein Aカラム精製
1)1000 mL のCHO-S-SFMIIで野生型キメラ抗体高発現CHO細胞を培養して得られた培養上清は、Amicon Ultrafiltration Membranes (Millipore, Code YM10)を取り付けたAmicon Stirred Uitrafiltration Cell (Millipore, Model 8400)を用いて、1000 mLから100 mLまで濃縮された。
2)培養上清濃縮液に、Protein A-SepharoseであるrProteinA Sepharose Fast Flow (Amersham Bioscience, 17-1279-03) 8mLを添加し、2日間4℃で攪拌させてProteinAに野生型キメラ抗体を吸着させた。
3)野生型キメラ抗体を吸着したProteinA-Sepharoseは、直径1.5 cm、長さ8 cmのカラムに充填させた。
4)ProteinA-Sepharoseが充填されたカラムは、PBS 100 mLで洗浄された後、Elution Buffer (0.17M Glycine-HCl, pH2.3) でカラムから野生型キメラ抗体を溶出した。
5)溶出された野生型キメラ抗体溶液は、すぐに1M Tris-HCl pH8.5を適量加えてpHを中性にした。
6)野生型キメラ抗体溶出液は、透析チューブであるCell Sep T2 (Membrane filtration products Inc, 8030-23)に入れて4℃でPBS 5 Lに透析された。透析後に回収した野生型キメラ抗体を、精製品とした。
Cys型キメラ抗体のProtein Lカラム精製
1)1000 mL のCHO-S-SFMIIでCys型キメラ抗体高発現CHO細胞を培養して得られた培養上清は、Amicon Ultrafiltration Membranes (Millipore, Code YM10)を取り付けたAmicon Stirred Uitrafiltration Cell (Millipore, Model 8400)を用いて、1000mLから100mLまで濃縮された。
2)培養上清濃縮液100 mLは、ProteinL Binding Buffer (0.1M Phosphate, 0.15 M NaCl,pH 7.2) 100 mLを加えて混合された。
3)直径1.5 cm、長さ8 cmのカラムにProtein L-SepharoseであるImmunoPure Immobilized Protein L Plus (PIERCE, 20250) 2 mLを充填させた。
4) 2)で調整した液をカラム上端から加えて、カラム下端からゆっくり流し出した。この操作でProtein L-SepharoseへCys型キメラ抗体を吸着させた。その後、Protein L Binding Buffer 50 mLでカラムを洗浄し、カラムに吸着した余分な蛋白を除去した。
5)Elution Buffer (0.17M Glycine-HCl, pH2.3) でカラムからCys型キメラ抗体を溶出した。溶出されたCys型キメラ抗体溶液は、すぐに1M Tris-HCl pH8.5を適量加えてpHを中性にした。
6)Cys型キメラ抗体溶出液は、透析チューブであるCell Sep T2 (Membrane filtration products Inc, 8030-23)に入れて4℃でPBS 5 Lに透析された。透析後に回収したCys型キメラ抗体を、精製品とした。
以上のように、精製された野生型キメラ抗体あるいはCys型キメラ抗体は、12.5%SDS-PAGEで電気泳動されたのち、銀染色された。この電気泳動像を図3に添付する。
<各種キメラ抗体のADCC活性評価>
各種キメラ抗体のAntibody-dependent Cellular Cytotoxicity (ADCC)活性評価は、lactate dehydrogenase release assayにより行った。このAssayでは、Target細胞としてCD20分子を細胞膜表面に持つDaudi細胞を用い、Effector細胞として、Human peripheral blood mononuclear cells (PBMC)を用いた。このHuman PBMCは、Lymphoprep (Axis Shield)を使って、ヒトの血液から調整された。
Daudi細胞(1×104個/50 μL)は、96-well U-bottomedプレートの各wellに入れ、Effector細胞であるHuman PBMCが、E/T ratioが20/1となるように2×105個加えられた。この細胞液にさらに、各種Anti-CD20キメラ抗体を連続的な希釈系列となるように添加して、37℃で20時間保温された。保温後に、96-well U-bottomedプレートは、遠心分離され、その上清中のlactate dehydrogenase activityをCytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay Kit (Promega, G1780)を用いて測定された。抗体依存的かつ特異的な細胞障害(Cytotoxicity)%は、以下の式と用いて算出された。
% Cytotoxicity = 100×(E−SE−ST)/(M−ST)
ここで、EとはExperimental releaseを表し、抗体とEffctor細胞が、Target細胞と共に保温された時のTarget細胞からrelaeseされたlactate dehydrogenase活性である。SEとは、Effector細胞からの自然発生的に放出されたlactate dehydrogenase活性である。STとは、Target細胞からも自然発生的に放出されたlactate dehydrogenase活性である。Mとは、Target細胞の最大に放出されるlactate dehydrogenase活性を表し、これはLysis Solution (9% Triton X-100)の添加により、Target細胞から放出されたlactate dehydrogenase活性である。
以上のような評価方法により、野生型、294Cys型、298Cys型、301Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を図4に添付する。この図4から、野生型キメラ抗体のADCC活性と比較して、抗体の高濃度条件下(0.1〜10 μg/mL)294Cys型キメラ抗体と301Cys型キメラ抗体は非常に高いADCC活性を示し、298Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定された全域に対して高いADCC活性を示した。
さらに、抗CD20野生型抗体と298Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ6.9%、10.2%、25.0%、33.0%、36.5%、37.9%、298Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ10.6%、12.5%、33.2%、39.6%、42.9%、45.2%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.5倍、1.2倍、1.3倍、1.2倍、1.2倍、1.2倍となることがわかった(表8)。
また表8より、野生型抗体と298Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、298Cys型キメラ抗体は0.1μg/mLで約40%、野生型抗体は10μg/mLで約40%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
このようなADCC活性の上昇(約10-100倍程度)は、他の濃度域でも確認された。当業者であれば、上記の方法に倣い、図4および表8よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
さらに、294Cys型キメラ抗体と野生型抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が
0.00001、0.0001、0.001、0.1、1、10μg/mLの細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ4.25、6.92、10.19、33.04、36.50%、37.88%、294Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ8.41、9.79、11.37、40.75、74.98、83.68%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、2.0、1.4、1.1、1.2、2.1、2.2倍となることがわかった(表9)
なお294Cys型キメラ抗体は、濃度が10μg/mLの場合において、細胞障害の割合が83.68%と極めて高い値を示した。
さらに、301Cys型キメラ抗体と野生型抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が
0.00001、0.0001、0.1、1、10μg/mLの細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ4.25、6.92、33.04、36.50%、37.88%、301Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ7.33、7.04、35.68、75.31、78.59%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.7、1.02、1.1、2.1、2.1倍となることがわかった(表9)
なお301Cys型キメラ抗体は、濃度が10μg/mLの場合において、細胞障害の割合が78.59%と極めて高い値を示した。
〔実施例2〕
実施例1と同様の方法で、290、291、292、302及び303Cys型のAnti-CD20キメラ抗体を作製し、これら各種Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性を評価した。その結果、野生型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性と比較して、290、291、292、302及び303Cys型のAnti-CD20キメラ抗体は非常に高いADCC活性を示した。
以下に、Anti-CD20キメラ抗体の野生型と5種類の変異型(290Cys、291Cys、292Cys、302Cys、303Cys)の作製方法ならびにそのADCC活性測定とCD20分子に対する反応性を記載す
る。
1)Anti-CD20キメラ抗体の作製
キメラ抗体は、以下のA)〜F)の工程を経て、精製キメラ抗体として得られる。
A)キメラ抗体を作製する上で必要となる遺伝子のクローニング、
B)クローニングされた遺伝子の変異導入、
C)クローニングされた遺伝子及びその変異導入した遺伝子を組み合わせたキメラ抗体発現ベクターの構築、
D)キメラ抗体発現ベクターのCHO細胞への遺伝子導入とキメラ抗体を高発現するCHO細胞のスクリーニング、
E)キメラ抗体高発現CHO細胞の培養、
F)キメラ抗体高発現細胞の培養上清からのカラム精製。
これらの工程のうち、A)、C)〜F)は実施例1と同一である。従って本実施例では、工程B)について説明する。
B)クローニングされた遺伝子の変異導入
291Cysキメラ抗体、292Cysキメラ抗体、303Cysキメラ抗体を得るためには、クローニングされたHuman IgG1 H鎖定常領域の特定箇所に変異を導入しなければならない。Elvin A.KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域の番号に従い、291番のProをCysに、292番 のArgをCysに、303番 のValをCysに変更するために、クローニングされたHunan IgG1 H鎖定常領域が挿入されたpCR2.1ベクター:pCR2.1-HC(野生型)を鋳型として、PCR法により変異導入した。この変異導入法の詳細を以下に記述する。
(1)290(Lys→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
290 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
290 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
290 Cys1 primer : GTGCATAATGCCAAGACATGCCCGCGTGAGGAGCAGTAC(配列番号:210)
290 Cys2 primer : GTACTGCTCCTCACGCGGGCATGTCTTGGCATTATGCAC(配列番号:211)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New Ebgland BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異290(Lys→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
(2)291(Pro→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
291Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
291Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
291Cys1 primer : CATAATGCCAAGACAAAGTGCCGTGAGGAGCAGTACAAC(配列番号:212)
291Cys2 primer : GTTGTACTGCTCCTCACGGCACTTTGTCTTGGCATTATG(配列番号:213)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異291(Pro→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
(3)292(Arg→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
292Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
292Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
292Cys1 primer : GCCAAGACAAAGCCGTGTGAGGAGCAGTACAAC(配列番号:214)
292Cys2 primer : GTTGTACTGCTCCTCACACGGCTTTGTCTTGGC(配列番号:215)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異292(Arg→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
(4)302(Val→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
290 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
290 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
302 Cys1 primer : TACAACAGCACGTACCGTTGCGTCAGCGTCCTCACCGTC(配列番号:216)
302 Cys2 primer : GACGGTGAGGACGCTGACGCAACGGTACGTGCTGTTGTA(配列番号:217)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異302(Val→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
(5)303(Val→Cys)への変異導入
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
303Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
303Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
303Cys1 primer : AACAGCACGTACCGTGTGTGCAGCGTCCTCACCGTCCTG(配列番号:218)
303Cys2 primer : CAGGACGGTGAGGACGCTGCACACACGGTACGTGCTGTT(配列番号:219)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、変異303(Val→Cys)導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
<精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析>
精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析は、実施例1に記載の方法と同様の方法に従って行った。
<各種キメラ抗体のADCC活性評価>
各種キメラ抗体のAntibody-dependent Cellular Cytotoxicity (ADCC)活性評価も、実施例1に記載の方法と同様の方法に従って行った。野生型、290Cys、291Cys、292Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を図5に示す。また、野生型、302Cys、303Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性結果を図6に示す。図5及び図6から、291Cys、292Cys、303Cys型キメラ抗体は、野生型と比べて低濃度(0.1 μg/mL以下の濃度)を含む測定された全域に対して高いADCC活性を示した。また、290Cys、302Cysは、野生型と比べ、高いADCC活性を示した。
さらに、抗CD20野生型抗体と290Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0001、0.001、0.01、0.1、1μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ13.7%、14.2%、17.2%、27.3%、35.5%、290Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ18.0%、19.5%、26.6%、40.9%、41.6%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.5倍、1.2倍となることがわかった(表10)。
また表10より、野生型抗体と290Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、290Cys型キメラ抗体は約0.0001μg/mLで約18%、野生型抗体は0.01μg/mLで約17%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図5および表10よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
さらに、抗CD20野生型抗体と291Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ13.7%、14.2%、17.2%、27.3%、35.5%、49.5%、291Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ17.9%、26.1%、65.7%、73.9%、74.7%、64.7%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.3倍、1.8倍、3.8倍、2.7倍、2.1倍、1.3倍となることがわかった(表10)。
また図5より、野生型抗体と291Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、291Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで65.7%、野生型抗体は10μg/mLで約50%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が1000分の1以下に減少した。このことから、ADCC活性が1000倍以上上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が2000倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図5および表10よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
さらに、抗CD20野生型抗体と292Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ12.7%、13.7%、14.2%、17.2%、27.3%、35.5%、49.5%、292Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ13.9%、14.7%、15.2%、34.8%、58.5%、78.7%、79.1%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.1倍、1.1倍、1.1倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、1.6倍となることがわかった(表10)。
また図5より、野生型抗体と292Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、292Cys型キメラ抗体は0.1μg/mLで58.5%、野生型抗体は10μg/mLで約50%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
このようなADCC活性の上昇(約10-100倍程度)は、他の濃度域でも確認された。当業者であれば、上記の方法に倣い、図5および表10よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
さらに、抗CD20野生型抗体と302Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ5.8%、3.4%、7.6%、14.7%、30.5%、34.3%、42.5%、302Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ7.9%、9.6%、11.3%、19.6%、39.9%、42.9%、42.9%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.4倍、2.8倍、1.5倍、1.3倍、1.3倍、1.3倍、1.0倍となることがわかった(表11)。
また図6より、野生型抗体と302Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、302Cys型キメラ抗体は0.1μg/mLで約40%、野生型抗体は10μg/mLで約40%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
このようなADCC活性の上昇(約10-100倍程度)は、他の濃度域でも確認された。当業者であれば、上記の方法に倣い、図6および表11よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
さらに、抗CD20野生型抗体と303Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ5.8%、3.4%、7.6%、14.7%、30.5%、34.3%、42.5%、303Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ6.5%、7.7%、14.5%、46.6%、74.5%、87.1%、89.3%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.1倍、2.3倍、1.9倍、3.2倍、2.4倍、2.5倍、2.1倍となることがわかった(表11)。
また図6より、野生型抗体と303Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、303Cys型キメラ抗体は0.01μg/mLで約40%、野生型抗体は10μg/mLで約40%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が1000分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約1000倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が1000倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図6および表11よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
〔実施例3〕
(Anti-EGFRヒト化抗体の作製)
Wild型と298Cys型のAnti-EGFRヒト化抗体をCHO細胞で発現させるために、発現ベクターとして3種類の発現ベクター(Anti-EGFRヒト化抗体L鎖発現ベクター、Wild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクター、298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクター)を構築した。各発現ベクターの構築の詳細を以下に記述する。
1)Anti-EGFRヒト化抗体L鎖発現ベクターの構築
ヒト型Anti-EGFR抗体L鎖の可変領域と定常領域を含む遺伝子を鋳型として、以下に示すprimerを用いてPCR反応によりDNA断片を得た。
EGFR-L1 primer:ACCGCTCGAGATGGACATGAGGGTCCCCGCTCAGCTC(配列番号:220)
EGFR-L2 primer:ATAGTTTAGCGGCCGCTTACGAACATTCTGTAGGGGCCACTGTCTT(配列番号:221)
PCR反応で得られたDNA断片は、エタノール沈殿をして精製した後に、制限酵素Xho I(タカラバイオ、1094A)とNot I(タカラバイオ、Code 1166A)により処理された。BCMG-neoベクターも同様に制限酵素XhoIとNotIで処理された。次に、制限酵素処理されたPCR増幅DNA断片とBCMG-neoベクターは、エチジウムブロミドを含む1%アガロースゲルで電気泳動された。電気泳動後、UV照射することで可視化されたDNA断片の中から目的サイズのDNA断片をゲルから切り出し、SUPREC-01(タカラバイオ、code 9040)を用いてゲルからDNA断片を抽出して精製した。ゲルからの切り出し精製されたPCR増幅断片とBCMG-neoベクターは、DNA Ligation kit Ver.2.1(タカラバイオ、code 6022)を用いてLigation反応させた。Ligation反応終了後のDNA溶液は、大腸菌JM109へTransformationするのに使用され、得られた形質転換体からプラスミドDNAをアルカリSDS法にて精製した。精製されたプラスミドは、シークエンス解析が行われ、Anti-EGFRヒト化抗体のL鎖(可変領域と定常領域)遺伝子を含んでいることを確認し、これをAnti-EGFRヒト化抗体L鎖発現ベクターとした。
なお、Anti-EGFRヒト化抗体L鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3の塩基配列をそれぞれ、配列番号:200、202、204に示す。また、Anti-EGFRヒト化抗体L鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:201、203、205に示す。
2)Wild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクターと298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現
ベクターの構築
ヒト型Anti-EGFR抗体H鎖の可変領域を含む遺伝子を鋳型として、以下に示すprimerを用いてPCR反応によりDNA断片を得た。
EGFR-H1 primer:ACCGCTCGAGATGAAACACCTGTGGTTCTTCCTC(配列番号:222)
EGFR-H2 primer:CGAGACGGTGACCATTGTCCCTTG(5’-リン酸化されている)(配列番号:223)
PCR反応で得られたDNA断片は、エタノール沈殿をして精製した後に、制限酵素Xho I(タカラバイオ、1094A)により処理された。次に、制限酵素処理されたPCR増幅DNA断片は、エチジウムブロミドを含む1%アガロースゲルで電気泳動した。電気泳動後、UV照射することで可視化されたDNA断片の中から目的サイズのDNA断片をゲルから切り出し、SUPREC-01(タカラバイオ、code 9040)を用いてゲルからDNA断片を抽出して精製した。この精製DNA断片が、Anti-EGFRヒト化抗体H鎖可変領域遺伝子である。
なお、Anti-EGFRヒト化抗体H鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3の塩基配列をそれぞれ、配列番号:194、196、198に示す。また、Anti-EGFRヒト化抗体H鎖可変領域のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:195、197、199に示す。
Anti-EGFRヒト化抗体の作製に必要なHuman IgG1 H鎖定常領域遺伝子は、Anti-CD20キメラ抗体を作製する際に使用したDNA断片と同様のものを使用した。プラスミドpCR2.1-HC (wild)を鋳型として、H3 primerとH4 primerを用いてPCR増幅させてDNA断片を得た。そのDNA断片は、制限酵素Not Iで処理してから精製された。このDNA断片が、Wild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖定常領域遺伝子である。プラスミドpCR2.1-HC (298Cys)を鋳型にして、Wild型と同様にH3 primerとH4 primerを用いてPCR増幅させて得られたDNA断片を制限酵素NotIで処理してから精製したものが、298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖定常領域遺伝子である。
上記のように調整されたAnti-EGFRヒト化抗体H鎖可変領域遺伝子断片とWild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖定常領域遺伝子断片とBCMG-neoベクターをXho IとNot Iで切断して精製したDNA断片を混合して、DNA Ligation kit Ver.2.1(タカラバイオ、code 6022)を用いてLigation反応させた。Ligation反応終了後のDNA溶液は、大腸菌JM109へTransformationするのに使用され、得られた形質転換体からプラスミドDNAをアルカリSDS法にて精製した。精製されたプラスミドは、シークエンス解析が行われ、Anti-EGFRヒト化抗体のWild型H鎖(可変領域と定常領域)遺伝子を含んでいることを確認し、これをWild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクターとした。同様に、Anti-EGFRヒト化抗体H鎖可変領域遺伝子断片と298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖定常領域遺伝子断片とBCMG-neoベクターをXho IとNot Iで切断して精製したDNA断片を混合して、DNA Ligation kit Ver.2.1(タカラバイオ、code 6022)を用いてLigation反応させた。Ligation反応終了後のDNA溶液は、大腸菌JM109へTransformationするのに使用され、得られた形質転換体からプラスミドDNAをアルカリSDS法にて精製した。精製されたプラスミドは、シークエンス解析が行われ、Anti-EGFRヒト化抗体の298Cys型H鎖(可変領域と定常領域)遺伝子を含んでいることを確認し、これを298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクターとした。
3)Wild型Anti-EGFRヒト化抗体と298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体のCHO細胞での発現と精製
Anti-EGFRヒト化抗体L鎖発現ベクターとWild型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクターをCHO細胞にTransfectionさせてWild型Anti-EGFRヒト化抗体をCHO細胞に産生させた。同様に、Anti-EGFRヒト化抗体L鎖発現ベクターと298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体H鎖発現ベクターをCHO細胞にTransfectionさせて298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体をCHO細胞に産生させた。Wild型あるいは298Cys型Anti-EGFRヒト化抗体を高発現するCHO細胞を選択し、選択された高発現CHO細胞は、無血清培地CHO-S-SFMII培地で培養された。培養終了後、培養液上清をProteinAカラム精製することで高純度のAnti-EGFRヒト化抗体を得た。
さらに、抗EGFR野生型抗体と298Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ3.0%, 3.3%, 5.8%, 6.1%, 10.2%, 11.6%,10.9%、298Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ4.6%, 6.7%, 8.7%, 11.0%, 18.8%, 20.6%, 20.2%,であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.5倍、2.0倍、1.5倍、1.8倍、1.8倍、1.8倍、1.9倍となることがわかった(表12)。
また図7より、野生型抗体と298Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、298Cys型キメラ抗体は0.01μg/mLで約40%、野生型抗体は10μg/mLで約40%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が1000分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約1000倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が1000倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図7および表12よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
〔実施例4〕
実施例2と同様の方法で、286、287、288、289、305、306、307、及び308Cys型のAnti-CD20キメラ抗体を作製し、これら各種Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性を評価した。その結果、野生型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性と比較して、286、287、288、289、305、306、307、及び308Cys型のAnti-CD20キメラ抗体は非常に高いADCC活性を示した。
以下に、Anti-CD20キメラ抗体の野生型と8種類の変異型(286 Cys型、287 Cys型,288 Cys型、289 Cys型、305 Cys型、306 Cys型、307 Cys型及び308Cys型)の作製方法ならびにそのADCC活性測定とCD20分子に対する反応性を記載する。
1)Anti-CD20キメラ抗体の作製
キメラ抗体は、以下のA)〜F)の工程を経て、精製キメラ抗体として得られる。
A)キメラ抗体を作製する上で必要となる遺伝子のクローニング、
B)クローニングされた遺伝子の変異導入、
C)クローニングされた遺伝子及びその変異導入した遺伝子を組み合わせたキメラ抗体発現ベクターの構築、
D)キメラ抗体発現ベクターのCHO細胞への遺伝子導入とキメラ抗体を高発現するCHO細胞のスクリーニング、
E)キメラ抗体高発現CHO細胞の培養、
F)キメラ抗体高発現細胞の培養上清からのカラム精製。
これらの工程のうち、A)、C)〜F)は実施例1と同一である。従って本実施例では、工程B)について説明する。
B)クローニングされた遺伝子の変異導入
286Cysキメラ抗体、287Cysキメラ抗体、288Cysキメラ抗体、289Cysキメラ抗体、305Cysキメラ抗体、306Cysキメラ抗体、307Cysキメラ抗体、308Cysキメラ抗体を得るためには、クローニングされたHuman IgG1 H鎖定常領域の特定箇所に変異を導入しなければならない。Elvin A. KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域の番号に従い、286番のAsnをCysに、287番 のAlaをCysに、288番 のLysをCysに、289番 のThrをCysに、305番 のValをCysに、306番 のLeuをCysに、307番 のThrをCysに、308番 のValをCysに変更するために、クローニングされたHunan IgG1 H鎖定常領域が挿入されたpCR2.1ベクター:pCR2.1-HC(野生型)を鋳型として、PCR法により変異導入した。この変異導入法の詳細を以下に記述する。
286(Asn→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
286 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
286 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
286Cys1プライマー:gacggcgtggaggtgcattgtgccaagacaaagccgcgt(配列番号:224)
286Cys2プライマー:acgcggctttgtcttggcacaatgcacctccacgccgtc(配列番号:225)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、286(Asn→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
287(Ala→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
287 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
287 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
287Cys1プライマー:ggcgtggaggtgcataattgcaagacaaagccgcgtaag(配列番号:226)
287Cys2プライマー:cttacgcggctttgtcttgcaattatgcacctccacgcc(配列番号:227)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、287(Ala→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
288(Lys→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
288 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
288 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
Total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
288Cys1プライマー:gtggaggtgcataatgcctgtacaaagccgcgtgaggag(配列番号:228)
288Cys2プライマー:ctcctcacgcggctttgtacaggcattatgcacctccac(配列番号:229)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、288(Lys→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
289(Thr→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
289 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
289 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
289Cys1プライマー:gaggtgcataatgccaagtgcaagccgcgtgaggagcag(配列番号:230)
289Cys2プライマー:ctgctcctcacgcggcttgcacttggcattatgcacctc(配列番号:231)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、289(Thr→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
305(Val→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
305 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
305 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
305Cys1プライマー:acgtaccgtgtggtcagctgcctcaccgtcctgcaccag(配列番号:232)
305Cys2プライマー:ctggtgcaggacggtgaggcagctgaccacacggtacgt(配列番号:233)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、305(Val→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
306(Leu→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
306 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
306 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
306Cys1プライマー:taccgtgtggtcagcgtctgcaccgtcctgcaccaggac(配列番号:234)
306Cys2プライマー:gtcctggtgcaggacggtgcagacgctgaccacacggta(配列番号:235)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、306(Leu→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
307Cys(Thr→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
307 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
307 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
307Cys1プライマー:cgtgtggtcagcgtcctctgcgtcctgcaccaggactgg(配列番号:236)
307Cys2プライマー:ccagtcctggtgcaggacgcagaggacgctgaccacacg(配列番号:237)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、307Cys(Thr→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
308(Val→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
308 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
308 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
308Cys1プライマー:gtggtcagcgtcctcacctgcctgcaccaggactggctg(配列番号:238)
308Cys2プライマー:cagccagtcctggtgcaggcaggtgaggacgctgaccac(配列番号:239)
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、308(Val→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
<精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析>
精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析は、実施例1に記載の方法と同様の方法に従って行った。
<各種キメラ抗体の活性評価>
<286Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と286Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ0.0%、0.9%、2.2%、8.7%、26.7%、33.5%、34.8%、286Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ0.8%、2.8%、8.1%、26.9%、82.2%、88.5%、87.5%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、41.0倍、3.0倍、3.7倍、3.1倍、3.1倍、2.6倍、2.5倍、となることがわかった(表13)。
また表13より、野生型抗体と286Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、286Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで約26.9%、野生型抗体は0.1μg/mLで約26.7%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約10倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が10倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図8よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<287Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と287Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ0.02%、0.9%、2.2%、8.7%、26.7%、33.5%、34.8%、287Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ0.2%、0.5%、1.5%、16.5%、34.9%、36.9%、45.5%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、9.7倍、0.5倍、0.7倍、1.9倍、1.3倍、1.1倍、1.3倍、となることがわかった(表13)。
また表13より、野生型抗体と287Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、287Cys型キメラ抗体は約0.1μg/mLで約34.9%、野生型抗体は10μg/mLで34.8%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図8よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<288Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と288Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ0.02%、0.9%、2.2%、8.7%、26.7%、33.5%、34.8%、288Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ0.5%、1.2%、0.5%、9.4%、33.5%、37.5%、36.5%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、24.3倍、1.3倍、0.2倍、1.1倍、1.3倍、1.1倍、1.1倍となることがわかった(表13)。
また表13より、野生型抗体と288Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、288Cys型キメラ抗体は約0.1μg/mLで約33.5%、野生型抗体は1μg/mLで約33.5%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約10倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が10倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図8よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<289Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と289Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ0.02%、0.9%、2.2%、8.7%、26.7%、33.5%、34.8%、289Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ0.5%、0.5%、1.6%、29.1%、87.2%、85.2%、80.6%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、22.8倍、0.5倍、0.7倍、3.3倍、3.3倍、2.5倍、2.3倍となることがわかった(表13)。
また表13より、野生型抗体と289Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、289Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで約29.1%、野生型抗体は0.1μg/mLで約26.7%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約10分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約10倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が10倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図8よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<305Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と305Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0000001、0.000001、0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ8.1%、4.7%、4.3%、3.4%、5.6%、14.1%、40.5%、52.3%、63.3%、305Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ8.1%、5.2%、4.2%、5.5%、15.2%、38.7%、53.8%、55.8%、52.7%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.0倍、1.1倍、1.0倍、1.6倍、2.7倍、2.7倍、1.3倍、1.1倍、0.8倍、となることがわかった(表14)。
また表14より、野生型抗体と305Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、305Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで約15.2%、野生型抗体は0.1μg/mLで約14.1%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図9よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<306Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と306Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0000001、0.000001、0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ8.1%、4.7%、4.3%、3.4%、5.6%、14.1%、40.5%、52.3%、63.3%、306Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ4.3%、8.5%、6.0%、6.6%、15.2%、42.1%、53.2%、53.4%、49.3%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、0.5倍、1.8倍、1.4倍、1.9倍、2.7倍、3.0倍、1.3倍、1.0倍、0.8倍、となることがわかった(表14)。
また表14より、野生型抗体と306Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、306Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで約15.2%、野生型抗体は0.1μg/mLで約14.1%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害
の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図9よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<307Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と307Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0000001、0.000001、0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ8.1%、4.7%、4.3%、3.4%、5.6%、14.1%、40.5%、52.3%、63.3%、307Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ3.1%、4.0%、3.0%、3.5%、13.1%、42.1%、57.8%、74.0%、86.9%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、0.4倍、0.8倍、0.7倍、1.0倍、2.3倍、3.0倍、1.4倍、1.4倍、1.4倍、となることがわかった(表14)。
また表14より、野生型抗体と307Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、307Cys型キメラ抗体は約0.1μg/mLで約57.8%、野生型抗体は10μg/mLで約63.3%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図9よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
<308Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と308Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0000001、0.000001、0.00001、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、10μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ8.1%、4.7%、4.3%、3.4%、5.6%、14.1%、40.5%、52.3%、63.3%、308Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ10.6%、3.9%、7.8%、4.5%、12.6%、35.5%、55.8%、60.3%、72.5%、であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.3倍、0.8倍、1.8倍、1.3倍、2.3倍、2.5倍、1.4倍、1.2倍、1.1倍、となることがわかった(表14)。
また表14より、野生型抗体と308Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、308Cys型キメラ抗体は約0.1μg/mLで約55.8%、野生型抗体は1μg/mLで約52.3%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約10分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約10倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が10倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図9よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。
〔実施例5〕
実施例2と同様の方法で、309Cys型のAnti-CD20キメラ抗体を作製し、これら各種Cys型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性を評価した。その結果、野生型のAnti-CD20キメラ抗体のADCC活性と比較して、309Cys型のAnti-CD20キメラ抗体は非常に高いADCC活性を示した。
以下に、Anti-CD20キメラ抗体の野生型と1種類の変異型(309Cys型)の作製方法ならびにそのADCC活性測定とCD20分子に対する反応性を記載する。
1)Anti-CD20キメラ抗体の作製
キメラ抗体は、以下のA)〜F)の工程を経て、精製キメラ抗体として得られる。
A)キメラ抗体を作製する上で必要となる遺伝子のクローニング、
B)クローニングされた遺伝子の変異導入、
C)クローニングされた遺伝子及びその変異導入した遺伝子を組み合わせたキメラ抗体発現ベクターの構築、
D)キメラ抗体発現ベクターのCHO細胞への遺伝子導入とキメラ抗体を高発現するCHO細胞のスクリーニング、
E)キメラ抗体高発現CHO細胞の培養、
F)キメラ抗体高発現細胞の培養上清からのカラム精製。
これらの工程のうち、A)、C)〜F)は実施例1と同一である。従って本実施例では、工程B)について説明する。
B)クローニングされた遺伝子の変異導入
309Cysキメラ抗体を得るためには、クローニングされたHuman IgG1 H鎖定常領域の特定箇所に変異を導入しなければならない。Elvin A. KabatらがSequence of proteins of Immunological Interest (NIH Publication No.91-3242, 1991) において示したHuman IgG1 H鎖定常領域の番号に従い、309番 のLeuをCysに変更するために、クローニングされたHunan IgG1 H鎖定常領域が挿入されたpCR2.1ベクター:pCR2.1-HC(野生型)を鋳型として、PCR法により変異導入した。この変異導入法の詳細を以下に記述する。
309(Leu→Cys)変異
pCR2.1-HC (wild)(25 ng/μL) 2 μL
2.5 mM dNTPs 4 μL
309 Cys1 primer (20μM) 1.25 μL
309 Cys2 primer (20μM) 1.25 μL
×10 pfu polymerase Buffer 5 μL
pfu DNA polymerase 1 μL
滅菌水 35.5 μL
total 50 μL
(PCR増幅反応)
95℃ 30 sec
95℃ 30 sec 55℃ 1 min 68℃ 13 min (12サイクル)
68℃ 4 min
4℃ 無制限時間
Primerの塩基配列は以下の通りである。
309Cys1プライマー:gtcagcgtcctcaccgtctgtcaccaggactggctgaat
309Cys2プライマー:attcagccagtcctggtgacagacggtgaggacgctgac
上記のPCR反応終了後、DpnI (New England BioLabs)を1 μL添加して、2時間37℃でインキュベーションした。インキュベーション終了した液を用いて、大腸菌JM109を形質転換し、形質転換された大腸菌からプラスミドを精製した。精製プラスミドのDNAシークエンスを確認することで、309(Leu→Cys)変異導入されたHuman IgG1 H鎖定常領域を挿入したpCR2.1ベクターを得た。
<精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析>
精製された各種キメラ抗体のフローサイト分析は、実施例1に記載の方法と同様の方法に従って行った。
<各種キメラ抗体の活性評価>
<309Cys変異抗体>
抗CD20野生型抗体と309Cys型キメラ抗体の細胞障害の割合を、lactate dehydrogenase release assayによって比較した。その結果、添加した抗体の濃度が0.0001、0.001、0.01、0.1、1μg/mLの場合における細胞障害の割合は、野生型抗体の場合それぞれ1.8%、2.4%、2.2%、7.4%、28.4%、35.7%、37.2%、44.3%、309Cys型キメラ抗体の場合はそれぞれ3.4%、7.7%、11.8%、28.5%、39.7%、45.7%、39.8%、41.5%であった。よって、ADCC活性の比(野生型抗体と変異型抗体が同一濃度である2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の細胞障害の割合の比)は、それぞれ、1.9倍、3.2倍、5.3倍、3.9倍、1.4倍、1.3倍、1.1倍、0.9倍、となることがわかった(表15)。
また表15より、野生型抗体と309Cys型キメラ抗体との間で細胞障害の割合が同程度である2点を選択し、ADCC活性の比較を試みた。例えば、309Cys型キメラ抗体は約0.01μg/mLで約39.7%、野生型抗体は1μg/mLで約37.2%の細胞障害を示している。この2点を用いて比較した場合、同じADCC活性を得るために必要な抗体濃度が約100分の1に減少した。このことから、ADCC活性が約100倍上昇した(野生型抗体と変異型抗体が同一の細胞障害の割合を示す2点間における、野生型抗体に対する変異型抗体の濃度の比が100倍になった)と判断することが出来る。
当業者であれば、上記の方法に倣い、図10よりADCC活性の上昇を算出することが可能である。

Claims (41)

  1. H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体。
  2. H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、請求項1に記載の抗体。
  3. 置換前と比較しADCC活性が上昇している、請求項1又は2のいずれかに記載の抗体。
  4. 改善された安定性、溶解性またはFc受容体への結合親和性を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の抗体。
  5. 糖鎖が付与されている、請求項1〜4のいずれかに記載の抗体。
  6. エフェクター機能を改善するものである、請求項5に記載の抗体。
  7. FcγRI、FcγRII、FcγRIII、又はFcRnと結合する、請求項1〜6のいずれかに記載の抗体。
  8. CD20、CD22、CD33、CD52、Her2/neu、EGFR、EpCAM、MUC1、GD3、CEA、CA125、HLA−DR、TNFアルファおよびVEGFからなる群より選択される標的抗原に特異性を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。
  9. CD20に特異性を有するヒト化抗体であって、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体。
  10. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:95に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:93に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:97に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  11. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:101に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:99に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:103に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、(ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  12. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:107に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:105に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:109に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  13. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:54に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:45に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:73に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  14. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:81に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  15. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:89に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:87に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:91に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  16. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:131に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:129に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:133に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  17. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:137に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:135に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:139に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  18. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:143に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:141に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:145に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  19. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:149に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:147に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:151に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  20. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:155に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:153に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:157に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  21. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:161に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:159に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:163に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  22. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:167に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:165に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:169に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  23. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:173に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:171に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:175に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  24. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:179に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:177に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:181に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  25. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:185に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:183に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:187に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  26. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:191に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:189に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:193に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  27. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:241に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:243に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:47に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:49に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:51に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:245に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:58に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:60に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:62に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:64に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、
    (ii)配列番号:56に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  28. 下記(1)から(4)のいずれかに記載の抗体;
    (1)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびCHとして配列番号:83に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (2)配列番号:209に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (3)CDR1として配列番号:195に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:197に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:199に記載のアミノ酸配列、およびFc領域として配列番号:85に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体、
    (4)上記(1)、(2)または(3)のいずれかに記載のH鎖、および、下記(i)または(ii)に記載のL鎖の対を有する抗体、
    (i)CDR1として配列番号:203に記載のアミノ酸配列、CDR2として配列番号:205に記載のアミノ酸配列、CDR3として配列番号:207に記載のアミノ酸配列、およびCLとして配列番号:247に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、(ii)配列番号:201に記載のアミノ酸配列を有するL鎖。
  29. H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法。
  30. 以下の(a)及び(b)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体の製造方法;
    (a)H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換されたH鎖をコードするDNA、及びL鎖をコードするDNAを発現させる工程、
    (b)工程(a)の発現産物を回収する工程。
  31. H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、請求項29または30に記載の方法。
  32. 請求項1〜28のいずれかに記載の抗体および医薬的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
  33. 請求項1〜28のいずれかの抗体を対象に投与する工程を含む、非ヒト哺乳動物の治療方法。
  34. 請求項1〜28のいずれかの抗体をコードする核酸。
  35. 請求項34に記載の核酸を含むベクター。
  36. 請求項35に記載のベクターを有する宿主細胞。
  37. 請求項35に記載のベクターを有する宿主生物。
  38. H鎖定常領域において、286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程を含む、抗体のADCC活性を増強する方法。
  39. H鎖定常領域がヒトCγ1、Cγ2、Cγ3、及びCγ4からなる群より選択されるいずれかの定常領域である、請求項38に記載の方法。
  40. 工程(a)の抗体のADCC活性が増強されたか否かを判定する方法であって、工程(b)で測定されたADCC活性が、置換前の抗体のADCC活性より高い場合に、工程(a)の抗体のADCC活性が増強されたと判定される方法;
    (a)ADCC活性を有する抗体の変異体であって、H鎖定常領域における286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基がシステインに置換された抗体を提供する工程、および、
    (b)工程(a)の抗体のADCC活性を測定する工程。
  41. 以下の(a)から(d)の工程を含む、ADCC活性が増強された抗体のスクリーニング方法;
    (a)ADCC活性を有する抗体を提供する工程、
    (b)工程(a)の抗体のH鎖定常領域における286、287、288、289、290、291、292、294、298、301、302、303、305、306、307、308及び309位からなる群より選択される少なくとも1つの位置のアミノ酸残基をシステインに置換する工程、
    (c)工程(b)で得られた抗体のADCC活性が増強されたか否かを、請求項40に記載の方法で判定する工程、
    (d)工程(c)で、ADCC活性が増強されたと判定された抗体を選択する工程。
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