JPWO2005033384A1 - 人工毛髪用ポリ塩化ビニル繊維、その製造方法、及び、その製造装置 - Google Patents

人工毛髪用ポリ塩化ビニル繊維、その製造方法、及び、その製造装置 Download PDF

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Abstract

ノズル孔2の直径(D)とノズル孔2のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部2におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維とする。そして、その人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)は、0.18〜0.38μmとし、且つ、その人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)は、0.5〜3.5μmとする。

Description

本発明は、ウィッグ、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾製品の製造において用いられる人毛に似た艶、色相、及び、風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル繊維、その製造方法、及び、その製造装置に関するものである。
従来から頭髪用の人工毛髪用繊維として使用される合成繊維には、ポリエステル繊維、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等の合成繊維があったが、特に、ポリ塩化ビニル系繊維は、強度、伸度、透明性及びカール保持性に優れているので、頭髪用の人工毛髪用繊維として多く使用されている。しかし、一般的に溶融紡糸法によって成形される合成繊維は、表面が平滑であるので、光沢が強く、また、触感においても、プラスチック特有のすべり感が強いので、天然毛髪様の自然な風合いとはほど遠いものであった。
そこで、このような問題を解決するために、酸化珪素系無機粒子、架橋ポリスチレン等の有機粒子をポリエステル系繊維中に含有させて、その表面に特定形状の凸部を有するポリエステル系繊維とする技術(特許文献1を参照。)が提案されたが、このポリエステル系繊維は、その光沢及びすべり感を多少低下させることができたものの、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを得るまでには至っていない。そして、かかる特許文献1に記載された技術がポリ塩化ビニル系繊維の製造に適用されたが、ポリ塩化ビニル系樹脂は溶融粘度が高いので、かかるポリ塩化ビニル系樹脂に酸化珪素系無機粒子、架橋ポリスチレン等の有機粒子を含有させた樹脂組成物を紡糸すると紡糸時に糸切れを発生し、そのために、繊維成形性が低下するという問題があった。
一方、前記した問題を解決するために、紡糸したポリアミド繊維に冷却処理を施して、ポリアミド繊維の表面に皺状の凹凸を付与する技術(特許文献2を参照。)が提案されたが、このポリエステル系繊維は、その光沢及びすべり感を多少低下させることができたものの、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを得るまでには至っていない。そして、かかる特許文献2に記載された技術がポリ塩化ビニル系繊維の製造に適用されたが、得られたポリ塩化ビニル系繊維の表面の凹凸が小さいので、依然として、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを得ることができないという問題があった。
また、断面形状が放射方向に偶数個の突起を有したフィラメント(A)と、同じく奇数個の突起を有したフィラメント(B)と、断面が略円形をなす二若しくは三本の単位フィラメントが隣り合わせになっており、隣接するもの同士の接点が該単位フィラメントの半径に略等しい幅で接続したフィラメント(C)と、からなる三種のフィラメントを適宜混合してなるかつら用フィラメント(特許文献3を参照。)が提案されたが、このかつら用フィラメントは、フィラメントの断面形状や混合比率によっては、依然として、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを得ることができないという問題があった。
特許第3175222号公報 特開昭62−156308号公報 特開昭55−76102号公報
本発明は、これらの問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維、その製造方法、及び、その製造装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維であって、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)が0.18〜0.38μmであり、且つ、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)が0.5〜3.5μmであることを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面における重心を通る最大線分長をMmax(mm)とし、断面積をS(mm)とし、そして、外周長をL(mm)としたときに、(L・Mmax)/Sの値を4.2〜7.0の範囲内としたことを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有することを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸ことを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の製造方法である。
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が0.5〜4であることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6に記載された発明において、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有することを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載された発明において、前記単位ノズル孔あたりの吐出量を80〜150g/hとしたことを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを有することを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の紡糸装置である。
請求項1に記載された発明によれば、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維であって、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)が0.18〜0.38μmであり、且つ、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)が0.5〜3.5μmであるので、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面における重心を通る最大線分長をMmax(mm)とし、断面積をS(mm)とし、そして、外周長をL(mm)としたときに、(L・Mmax)/Sの値を4.2〜7.0の範囲内としたので、繊維強度及びノズルの耐久性を低下させることなく、いっそう光沢を抑えた繊維断面形状とすることができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であるので、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、いっそう、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
請求項4に記載された発明によれば、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有しているので、繊維表面に凹凸を形成しやすくなり、そのために、いっそう光沢を抑えた人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維とすることができる。
請求項5に記載された発明によれば、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸するので、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であるので、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
請求項7に記載された発明によれば、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有しているので、繊維表面に凹凸を形成しやすくなり、そのために、いっそう光沢を抑えた人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
請求項8に記載された発明によれば、前記単位ノズル孔あたりの吐出量を80〜150g/hとしたので、繊維表面に凹凸を作り出しやすくなり、そのために、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いが出しやすくなる。
請求項9に記載された発明によれば、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを有することを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の紡糸装置であるので、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
本発明の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を紡糸するノズルの断面を示す模式図である。 本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の円形断面を示す模式図である。 本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の歯車型断面を示す模式図である。 本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維のメガネ型断面を示す模式図である。 本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維のY型断面を示す模式図である。 本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の5葉型断面を示す模式図である。
符号の説明
1 ノズル導入部
2 ズル孔
10 ノズル
図1は、本発明の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を紡糸するノズルの断面を示す模式図である。図2は、本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面を示す模式図である。図3は、本発明の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の円形断面を示す模式図である。図4は、本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の歯車型断面を示す模式図である。図5は、本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維のメガネ型断面を示す模式図である。図6は、本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維のY型断面を示す模式図である。図7は、本発明の他の一実施形態を示す人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の5葉型断面を示す模式図である。
図1に示されているように、本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔2のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維である。そして、本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、その長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)が0.18〜0.38μmであり、且つ、その長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)が0.5〜3.5μmである。
前記算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)の値は、非接触レーザー顕微鏡を用いた測定値より算出した値であり、このような測定ができる評価装置としては、例えばキーエンス株式会社製の非接触レーザー顕微鏡VK−8500等が挙げられる。
そして、前記算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)は、JIS B 0601で規定された計算式を用いて算出される。即ち、「算術平均粗さ(Ra)」は、長手方向300μmにおける粗さ曲線の平均線方向にX軸をとり、そして、X軸と直交する方向にY軸をとって、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の数式1によって求められる値をマイクロメーター(μm)で表したものである。
Figure 2005033384
また、前記「最大高さ(Ry)」は、長手方向300μmにおける粗さ曲線の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線と直交する方向に測定し、その値をマイクロメーター(μm)で表したものである。以下、本明細書においては、Ra及びRyは、すべて繊維の長手方向で測定した値である。
ポリ塩化ビニル系樹脂を紡糸するノズルの先端構造は、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練状態に影響を与えるものであるので、L/Dが1より小さいと、ノズル先端から押し出された溶融ポリ塩化ビニル系樹脂の乱流が大きくなるので、Raが0.38より大きくなり、そして、Ryが3.5より大きくなり、それらのために、糸切れを生じやすくなる。また、L/Dが3より大きいと、ノズル先端から押し出された溶融ポリ塩化ビニル系樹脂が層流となるので、Raが0.18より小さくなり、そして、Ryが0.5より小さくなり、それらのために、光沢が強くなり、しかも、触感が悪くなる。L/Dが1より小さく、そして、L/Dが3より大きいノズルの先端構造は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び、ポリプロピレン(PP)の紡糸においては、一般的なものであるが、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)においては、樹脂の溶融粘度が大きくなり、しかも、樹脂圧が大きくなるので、ノズル先端構造の影響が大きくなり、そのために、L/Dを特定することがキーとなる。したがって、本発明においては、L/Dは1〜3とする。ちなみに、通常のポリ塩化ビニル系繊維を得るべくポリ塩化ビニル系樹脂を紡糸するノズルにおけるL/Dは、4〜10である。
一般的には、ポリ塩化ビニル系樹脂の樹脂圧は大きいので、L/Dが小さいとノズルの強度を維持することができなくなる。それ故、人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を得るためには、ノズル孔への導入角度、及び、ノズル導入部厚みの特定が必要となる。ノズル孔への導入角度が20°より小さいと、ノズル先端から押し出された溶融樹脂は層流となるので、Raが0.18より小さくなり、そして、Ryが0.5より小さくなり、それらのために、光沢が強くなり、しかも、触感が悪くなりやすくなる。また、ノズル孔への導入角度が90°より大きいと、ノズルへの樹脂圧が大きくなるので、ノズルの強度を維持することができなくなり、しかも、Ra及びRyの値も大きくなる。さらに、ノズル厚みが4mm以下であると、ノズルの強度が低下するので、ノズルが損傷されることとなる。したがって、本発明においては、ノズル孔への最終導入角度は、20°〜90°とし、そして、ノズル導入部の厚みは、4mm以上とする。
単位ノズル孔あたりの吐出量が65g/hより少ないと、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が進むので、Raが0.18より小さくなり、そして、Ryが0.5より小さくなり、それらのために、繊維の光沢が強くなり、しかも、繊維の触感が悪くなる。また、165g/hより多いと、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が不十分となるので、Raが0.38より大きくなり、そして、Ryが3.5より大きくなり、それらのために、繊維の触感が悪くなり、しかも、繊維の強度が低下し、また、紡糸性も悪くなる。したがって、本発明においては、単位ノズル孔あたりの吐出量は、65〜165g/h、好ましくは、80〜150g/hとする。即ち、本発明においては、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練状態を制御して繊維表面に凹凸を作り出し、光沢、触感及び風合いを制御できることとなる。
このように、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔2のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維であって、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)が0.18〜0.38μmであり、且つ、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)が0.5〜3.5μmであると、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
図2に示されるように、本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維20においては、断面における重心を通る最大線分長13をMmax(mm)とし、断面積11をS(mm)とし、そして、外周長12をL(mm)としたときに、(L・Mmax)/Sの値を4.2〜7.0の範囲内とする。これらの人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維20の断面における重心を通る最大線分長13をMmax(mm)、断面積(11)及び外周長L(12)は、前述した非接触レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
このように、前記人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維10の断面における重心を通る最大線分長13をMmax(mm)とし、断面積11をS(mm)とし、そして、外周長12をL(mm)としたときに、(L・Mmax)/Sの値を4.2〜7.0の範囲内とすると、繊維強度及びノズルの耐久性を低下させることなく、いっそう光沢を抑えた繊維断面形状とすることができる。(L・Mmax)/Sの値が4.2より小さいと、光の乱反射が十分に起きないので、光沢の抑制効果が十分でなくなる恐れが有り、7.0より大きいと、ノズルの耐久性や繊維強度が低下したり、紡糸性が低下する場合が有る。
換言すれば、前記人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維10の断面における重心を通る最大線分長13及び外周長12が大きいほど、断面積11が小さいほど、そして、(L・Mmax)/Sの値が大きいほど、繊維断面形状の凹凸が多くいびつな形状となるので、いっそう光沢を抑えた繊維断面形状とすることができる。
本発明においては、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4である。このように、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であると、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、いっそう、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
高級脂肪酸エステル系滑剤及びポリエチレン系滑剤それぞれを単独で用いたのでは、樹脂と成形機表面との摩擦を軽減させる働きが強く、繊維表面に粒状の塊を形成し触感を低下させることがある。その理由については明確でないが、高級脂肪酸エステル系滑剤とポリエチレン系滑剤を併用すると、高級脂肪酸系滑剤が樹脂粒子間の摩擦を軽減させる作用が強くなり、天然毛髪様の光沢、触感、自然な風合いを有した繊維表面形状を作り出すことができる。
本発明で使用される高級脂肪酸エステル系滑剤(a)は、好ましくは、アルコール又は多価アルコールの脂肪酸エステルであが、本発明の目的に反しない限り、これら以外の公知の滑剤を用いることができる。具体的には、硬化油、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリルステアレートなどでもよく、これら2種以上の混合物でもよい。
前記高級脂肪酸エステル系滑剤(a)の配合量が多くなると、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)は、小さくなる傾向となる。前記高級脂肪酸エステル系滑剤(a)の配合量は、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.3〜3質量部である。その配合量が0.3質量部未満であると、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子間の摩擦を抑える働きが弱くなるので、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が十分に行われず、そのために、繊維表面に粒状の塊を形成し触感を低下するおそれがある。その配合量が3質量部を超えると、高級脂肪酸エステル系滑剤によるポリ塩化ビニル系樹脂と成形機との摩擦を軽減させる働きが強すぎとなるので、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が十分に行われず、そのために、紡糸性を低下させてしまう恐れがある。
本発明で使用されるポリエチレン系滑剤(b)は、好ましくは、平均分子量が2000〜6000であり、且つ、密度が0.95〜0.98である高密度ポリエチレン系滑剤であるが、本発明の目的に反しないかぎり、これ以外の公知の滑剤を用いることができる。
また、ポリエチレン系滑剤(b)の配合量が多くなると、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)は大きくなる傾向が有る。該滑剤(b)の配合量は、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.3〜1.5質量部である。ポリエチレン系滑剤(b)の配合量が0.3質量部未満であると、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が進み過ぎるので、光沢を抑えられないだけでなく、触感においてもすべり感が強くなる場合があり、そして、ポリエチレン系滑剤(b)1.5質量部を超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が十分に行われなくなるので、繊維表面に粒状の塊を形成し、触感を低下させてしまう場合がある。
高級脂肪酸エステル系滑剤(a)とポリエチレン系滑剤(b)の配合比率(a)/(b)は、好ましくは、0.5〜4である。配合比率(a)/(b)が0.5未満であると、紡糸装置における摩擦を軽減する働きが強くなるので、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が十分に行われなくなり、そのために、繊維表面に粒状の塊を形成して触感を低下させてしまうことがあり、そして、配合比率(a)/(b)が4より大きいと、高級脂肪酸エステル系滑剤によるポリ塩化ビニル系樹脂と紡糸装置表面との摩擦を軽減させる働きが強くなるので、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練が十分に行われず、そのために、紡糸性を低下させてしまうことがある。
本発明のポリ塩化ビニル系繊維の表面粗さの値を制御する手段は、前記の滑剤を調整することのみではなく、例えば他の添加剤で調整する方法、成形時における成形条件を調整する方法及び繊維の後処理による方法等、公知の方法を組み合わせることによって可能となる。
本発明においては、前記塩化ビニル系樹脂組成物は、好ましくは、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有する。このように、前記塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有していると、繊維表面に凹凸を形成しやすくなり、そのために、いっそう光沢を抑えた人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維とすることができる。
本発明のポリ塩化ビニル系繊維の表面粗さの値を制御する手段は、前記の滑剤を調整することのみではなく、例えば他の添加剤で調整する手段、成形時における成形条件を調整する手段及び繊維の後処理による手段方法等の公知の手段を組み合わせることによっても可能となる。
他の添加剤で調整する手段としては、具体的には、熱安定剤や改質用樹脂の添加量を調整したり、添加剤の形状を変えたりする(微粉化する)ものがある。例えば、架橋ポリメチルメタクリレートは、溶融紡糸後もその形状を維持できるので、添加する粒子の平均粒子径及びその添加量を調整すれば、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)を制御することができる。また、平均粒子径が3μmの架橋ポリメチルメタクリレート粒子を添加すると、Ryがあまり変化せずにRaが大きくなる傾向があるので、平均粒径が8μmの該粒子を添加すれば、Raをあまり変化せずにRyを大きくすることができる。
成形時における成形条件を調整する手段としては、1)溶融紡糸時における溶融押出機のシリンダー、金型温度等の変更、2)スクリュー回転数の変更、3)延伸処理工程時における延伸温度、延伸倍率の変更、4)熱弛緩処理工程時における熱処理温度、熱処理倍率の変更、などによるものがある。例えば、シリンダー温度は下げると、ポリ塩化ビニル系樹脂の混練性が悪くなるので、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)を大きくすることができ、また、得られたポリ塩化ビニル系繊維の熱処理温度を上昇させると、その表面形状が緩和されるので、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)を低くすることができる。
溶融紡糸時にノズル又はノズル吐出後の繊維にマイクロメーターオーダーの振動を直接、或いは、空気や冷却媒体を通して間接的に与えて、天然毛髪様の表面凹凸を作りだしても良い。
繊維を後処理で表面粗さを調整する手段としては、化学薬品による化学的処理やプラズマ放電、ギヤ加工などの物理的処理等の一般的な手段で算術平均粗さ(Ra)を制御することができる。
本発明においては、前記「ポリ塩化ビニル系樹脂」は、(イ)塩化ビニルの塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等によって得られたものであるが、その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂、(ロ)それらの相互のブレンド品、(ハ)それらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、或いは、(ニ)塩化ビニルを重合含有するブロック共重合体、塩化ビニルを重合含有するグラフト共重合体等をあげることができる。
これらの「ポリ塩化ビニル系樹脂」の平均重合度は、好ましくは、600〜1600である。その平均重合度が600より低いと溶融粘度が低下して得られた繊維が熱収縮しやすくなる恐れが有り、そして、その平均重合度が1600より高いと溶融粘度が上昇して成形温度が高くなり繊維の着色が発生する場合が有る。
前記「繊維用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物」には、従来ポリ塩化ビニル系組成物に使用される公知の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は、例えば、可塑剤、滑剤、相溶化剤、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、及び、香料である。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、その一本の太さが、好ましくは、20〜100デニールであり、さらに好ましくは、50〜80デニールである。このように、ポリ塩化ビニル繊維一本の太さが20〜100デニールであると、天然の毛髪と遜色がないものとなり、そして、ポリ塩化ビニル繊維一本の太さが50〜80デニールであると、それに加えて、触感及び風合いが向上したものとなる。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面形状は、いかなるものでもよいが、例えば、図3〜7に示したようなものが有る。
人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、図1に示されているように、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸することにより製造される。このように、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸すると、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を提供することができる。
本発明においては、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4である。このように、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であると、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、いっそう、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
本発明においては、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、好ましくは、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有する。このように、前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有していると、繊維表面に凹凸を形成しやすくなり、そのために、いっそう光沢を抑えた人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
本発明においては、前記単位ノズル孔あたりの吐出量を80〜150g/hとしたので、繊維表面に凹凸を作り出しやすくなり、そのために、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いが出しやすくなる。
本発明におけるポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機を使用して混合したパウダーコンパウンド、又は、これを溶融混合したペレットコンパウンドとして得ることができる。本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、これらのパウダー又はペレットコンパウンドを単軸押出機、異方向二軸押出機、コニカル二軸押出機等の公知の溶融押出機で溶融紡糸した後、延伸処理工程、及び、熱弛緩処理工程順次経て製造される。
本発明のポリ塩化ビニル系繊維の製造においては、その繊維断面形状に関連した(L・Mmax)/Sは、前記の溶融紡糸の際のノズル形状を変えることによって調整することができる。繊維断面形状は、溶融紡糸の際のノズルの形状と全く同一ではないが、繊維の溶融紡糸で一般的に行われている方法でノズル形状を微調整するにより、特定の繊維断面形状を得ることができる。本発明において、繊維断面の形状は特に限定されるものではないが、例えば、概略の断面形状として図3〜7に示したようなものが有り、(L・Mmax)/Sの値は、図3の円形のものでは4.0であるが、断面の形状がより複雑になるとより大きな値となる。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維にあっては、目的に応じてポリ塩化ビニル系組成物に用いられる従来公知の樹脂又は添加剤を、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)の数値制御を阻害しない範囲で添加してもよい。樹脂の例としては、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレンー酢酸ビニル系樹脂、エチレンー酢酸ビニル/塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などがある。また添加剤の例としては、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、香料等などがある。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維一本の太さにおいては、20〜100デニールのものが人工毛髪用として天然様の効果を発現することから適当であり、さらに好ましくは、50〜80デニールであるものが、触感、風合いの点からよい。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の紡糸装置は、図1に示すように、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔2のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を有している。このように、ノズル孔2の直径(D)とノズル孔2のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部1の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部1におけるノズル孔2への最終導入角度が20°〜90°であるノズル10を有していると、繊維強度及び繊維成形性を維持しつつ、天然毛髪様の光沢、触感及び自然な風合いを有する人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を製造することができる。
(実施例1)
ポリ塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ株式会社製、TH−1000)100質量部、ハイドロタルサイト系安定剤(協和化学社製、アルカマイザー1)3質量部、12ヒドロキシステアリン酸亜鉛(日産化学社製、NF−12Zn)0.6質量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム(日産化学社製、NF−12Ca)0.4質量部、滑剤として配合比が20となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)4.0質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.2質量部を配合したポリ塩化ビニル系樹脂組成物を、ノズル断面積0.06mm、ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが3であり、ノズル導入部の厚みが5mmであり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が50°であるノズルを120個有する175℃に保持した円形紡糸金型から吐出量125g/hで溶融紡糸して、図3に示される円形の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした。そして、このポリ塩化ビニル系繊維を105℃の空気雰囲気下で300%まで延伸した後、この延伸した繊維を110℃の空気雰囲気下で繊維の全長が処理前の75%の長さに収縮するまで熱処理して、平均繊度60デニールの人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例2)
滑剤として配合比が1.7となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)1.0質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.6質量部を配合した以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例3)
滑剤として配合比が0.1となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.2質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)1.6質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=7.4の歯車型金型で溶融紡糸して、図4に示される歯車形の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例4)
滑剤として配合比が1.7となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)1.0質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.6質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=7.4の歯車型金型で溶融紡糸して、図4に示される歯車型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例5)
滑剤として配合比が0.3となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.4質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)1.2質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のメガネ型金型で溶融紡糸して、図5に示されるメガネ型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例6)
滑剤として配合比が1.7となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)1.0質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.6質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のメガネ型金型で溶融紡糸して、図5に示されるメガネ型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例7)
滑剤として配合比が0.5となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.2質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.4質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のY型金型で溶融紡糸して、図6に示されるY型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(実施例8)
滑剤として配合比が3.5となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.7質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.2質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6の5葉型金型で溶融紡糸して、図7に示される5葉型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(比較例1)
滑剤として配合比が1.7となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)1.7質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)1.4質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のメガネ型金型で溶融紡糸して、図5に示されるメガネ型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(比較例2)
滑剤として配合比が0.5となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.6質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)1.2質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のY型金型で溶融紡糸して、図6に示されるY型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(比較例3)
滑剤として配合比が1.0となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.4質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)0.4質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のY型金型で溶融紡糸して、図6に示されるY型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
(比較例4)
滑剤として配合比が0.6となるように高級脂肪酸エステル系滑剤(理研ビタミン社製、EW−100)0.8質量部、及び、ポリエチレンワックス(三井石油化学社製、Hiwax400P)1.4質量部を配合し、そして、L・Mmax)/S=5.6のメガネ型金型で溶融紡糸して、図5に示されるメガネ型の断面形状を有する平均繊度180デニールのポリ塩化ビニル系繊維とした以外は、前記実施例1と同様にして人工毛髪用塩化ビニル系繊維を得た。
以上、実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた塩化ビニル系繊維の(1)表面形状、及び、(2)繊維断面を測定し、そして、(3)光沢、(4)触感、(5)繊維強度、及び、(6)紡糸性を評価した。評価方法は、次のとおりとした。
(1)表面粗さ
キーエンス株式会社製の非接触レーザー顕微鏡VK−8500を用いて、対物レンズ:50倍及び測定の間隔:0.02μmにて、測定した繊維の長手方向300μmにおける粗さ曲線より、JIS B 0601で規定された計算式によって、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Ry)を測定した。これらの値は、前記した測定を同一試料3本に対してそれぞれ10点行ってその平均値で表示した。
(2)繊維断面形状の測定
キーエンス株式会社製の非接触レーザー顕微鏡VK−8500を用いて、対物レンズ:50倍及び測定の間隔:0.1μmにて、繊維断面の重心を通る最大線分長Mmax(μm)、外周長L(μm)及び繊維断面積S(μm2)を測定し、これらの測定値より、(L・Mmax)/Sの値を求めた。
(3)光沢
フィラメント24000本を束ねて、直射日光の当たる室内と蛍光灯下における目視判定することにより評価した。評価基準は、
○:繊維表面が平滑であって光沢が少ないもの、
△:繊維表面の凹凸が大きく光沢が少ないか、又は、繊維表面が平滑で光沢が少しあるもの、
×:繊維表面の凹凸が大きく光沢がないか、又は、繊維表面が平滑で光沢が強いもの、
とした。
(4)感触
繊維のフィラメント24000本を束ねて、繊維同士を摩擦したときの手触り感を評価した。評価基準は、
○:さらさらとした感じのもの、
△:きしみ感又はすべり感が少しあるもの、
×:きしみ感又はすべり感が強いもの、
とした。
(5)繊維強度
株式会社島津製作所のオートグラフAGS−5Dを用いて繊維強度を測定して評価した。評価基準は、
○:繊維強度が1.4g/デニール以上のもの、
△:繊維強度が1.2g/デニール以上、1.4g/デニール未満のもの、
×:繊維強度が1.2g/デニール未満のもの
とした。
(6)紡糸性
樹脂組成物を溶融紡糸する際の紡糸性を、紡糸金型から同時に120本の繊維状体を30分間押出成形した際の糸切れの発生数によって、測定した。そして、この測定を3回行った際の合計の発生数より、紡糸性の評価を行った。なお、「糸切れ」とは、溶融押出中において、数本の繊維状体が途切れる現象である。評価基準は、
○:糸切れ発生回数が0回のもの、
△:糸切れ発生回数が1回のもの、
×:糸切れが2回以上であるもの、
とした。
評価結果は、次の表1に示される。
Figure 2005033384
表1からみると、次のことがわかる。即ち、実施例1〜7で得たの人工毛髪用塩化ビニル系繊維は、光沢、触感、繊維強度及び紡糸性のいずれも使用可能のレベル(△以上)であり、特に、実施例5〜8で得たの人工毛髪用塩化ビニル系繊維は、各評価項目のうちで良好レベル(○)のものが多かった。それに対して、比較例1〜3で得たの人工毛髪用塩化ビニル系繊維は、表面光沢抑制の効果が不十分であり、そして、比較例4で得た人工毛髪用塩化ビニル系繊維は、溶融紡糸の際に糸切れが発生するばかりでなく、触感が不良であった。
本発明の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維は、天然毛髪様の光沢、触感、自然な風合いを有しているので、例えば、ウィッグ、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾製品の製造に適している。

Claims (9)

  1. ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸して得た人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維であって、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される算術平均粗さ(Ra)が0.18〜0.38μmであり、且つ、該人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の長手方向におけるJIS B 0601で規定される最大高さ(Ry)が0.5〜3.5μmであることを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維。
  2. 前記人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の断面における重心を通る最大線分長をMmax(mm)とし、断面積をS(mm)とし、そして、外周長をL(mm)としたときに、(L・Mmax)/Sの値を4.2〜7.0の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維。
  3. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が、0.5〜4であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維。
  4. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載された人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維。
  5. ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを用いて、単位ノズル孔あたりの吐出量を65〜165g/hとして、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を紡糸することを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の製造方法。
  6. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部、高級脂肪酸エステル系滑剤(a)0.3〜3.0質量部、及び、ポリエチレン系滑剤(b)0.3〜1.5質量部で構成され、そして、(a)及び(b)の配合比:(a)/(b)が0.5〜4であることを特徴とする請求項5に記載の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の製造方法。
  7. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物が、ハイドロタルサイト及びゼオライトから選ばれる無機系熱安定剤0.2〜5.0質量部を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の製造方法。
  8. 前記単位ノズル孔あたりの吐出量を80〜150g/hとしたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の製造方法。
  9. ノズル孔の直径(D)とノズル孔のランドの長さ(L)との比率:L/Dが1〜3であり、ノズル導入部の厚みが4mm以上であり、且つ、該ノズル導入部におけるノズル孔への最終導入角度が20°〜90°であるノズルを有することを特徴とする人工毛髪用ポリ塩化ビニル系繊維の紡糸装置。
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