JP5085116B2 - 樹脂組成物、及びそれからなる繊維 - Google Patents

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本発明は、熱収縮性に優れた繊維に関するものである。
従来、塩化ビニル系樹脂は、耐候性、透明性、難燃性、耐薬品性に優れ、安価であることから典型的な汎用プラスチックとして、様々な用途に利用されている。その塩化ビニル系樹脂を溶融紡糸した繊維は、強度、伸度、感触等が天然毛髪に近いことから、例えば、ウィッグ、ヘアーピース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用の人工毛髪用繊維として多く使用されている。しかし、更に天然毛髪に近づけるために様々な繊維二次加工が施され、この二次加工の結果としてウィッグ等の加工工程において、必要以上に熱収縮してしまう場合があった。これを解決する手段として、塩化ビニル樹脂と塩素化塩化ビニル樹脂からなる塩化ビニル系繊維(例えば、特許文献1を参照。)が提案されているが、この方法では多量の塩素化塩化ビニル樹脂を添加することが困難であり、十分な効果を得られない場合があった。
更に、特定の塩素化塩化ビニル樹脂を2種類添加した塩化ビニル系繊維(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。この手段により塩素化塩化ビニル樹脂の添加量を増加させることができ、100℃程度での熱収縮を抑えることは可能となった。しかし近年、ウィッグ等のスタイルの多様化、高度化によって、より高温での加工処理が要求され、これらの手段では対応が困難であり加工特性に劣る場合があった。
特公昭60−18323号公報 特開2003−193329号公報
本発明の樹脂組成物を用いることにより、熱収縮性、透明性及び光沢など特性をバランスよく兼ね備えた繊維を提供することを目的とする。
本発明は、以下の要旨を有する。
(1)含有率が、塩化ビニル系樹脂が35〜90質量%、ポリエステル系樹脂が5〜35質量%、及びアクリル系重合体が5〜60質量%である樹脂組成物を溶融紡糸した繊維からなる人工毛髪用繊維。
(2)ポリエステル系樹脂が、ポリ乳酸系樹脂である(1)に記載の人工毛髪用繊維。
(3)アクリル系重合体が、メチルメタアクリレート樹脂である(1)、(2)いずれか1項に記載の人工毛髪用繊維。
(4)(3)に記載の人工毛髪用繊維からなる頭髪装飾繊維。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、熱収縮性、透明性及び光沢など特性をバランスよく兼ね備えた繊維を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂と、ポリエステル系樹脂と、アクリル系重合体と、を含有しているものが好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いることができる塩化ビニル系樹脂は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の手段によって得られたものであるが、成形物の初期着色性等を勘案すると、好ましくは懸濁重合によって製造したものである。本発明における塩化ビニル系樹脂は、好ましくは、従来公知の塩化ビニル単独重合物であるホモポリマー樹脂、又は、従来公知の各種のコポリマー樹脂であるが、本発明の目的に反しない限り、これら以外の塩化ビニル系樹脂であってもかまわない。前記コポリマー樹脂としては、従来公知のコポリマー樹脂を使用することができるが、好ましくは、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂等の塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂等の塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂等の塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、及び、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー樹脂であり、さらに好ましくは、塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂等のコポリマー樹脂である。前記コポリマー樹脂においては、コモノマーの含有量は、特に限定されず、成型加工性等の要求品質に応じて決めることができる。
塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度は、好ましくは600〜2500である。塩化ビニル系樹脂の粘度平均重合度が600未満であると、塩化ビニル系樹脂の溶融粘度が低下するので得られる繊維は熱収縮しやすく恐れがある。一方、粘度平均重合度が2500を超えると、溶融粘度が高くなるので、ノズル圧力が高くなり、そのために、安全な紡糸が困難になる恐れがある。前記粘度平均重合度は、樹脂200mgをニトロベンゼン50mlに溶解させ、このポリマー溶液の比粘度を30℃恒温槽中において、ウベローデ型粘度計を用いて測定し、JIS―K6720−2により算出したものである。
本発明の樹脂組成物における塩化ビニル系樹脂の含有率は、25〜98質量%、好ましくは30〜95質量%、特に好ましくは35〜90質量%である。塩化ビニル系樹脂が25質量%未満であると、本発明の樹脂組成物から得られる繊維の光沢が劣る場合がある。一方、塩化ビニル系樹脂が98質量%を超えると、得られる繊維の耐熱性が劣る場合がある。
本発明の樹脂組成物に用いることができるポリエステル系樹脂は、特に限定されるものではないが、融点が、好ましくは100〜300℃、特に好ましくは120〜250℃、最も好ましくは130〜200℃である、結晶性を有するものを使用するのが望ましい。ポリエステル系樹脂の融点が、100℃未満であると、本発明の樹脂組成物の耐熱性が劣る場合がある。一方、融点が、300℃を超えると塩化ビニル系樹脂との混合が難しくなる場合がある。融点とは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、試料約5mgを窒素中、昇温速度10℃/分で昇温させた時の融解熱量のピークとなる温度を測定し、JISK−7121により算出したものである。ここで、本発明にかかる融点は、通常ポリエステル系樹脂の融点に起因し、ポリエステル系樹脂単独の融点に依存するのが一般的だが、塩ビ系樹脂との相乗効果で融点が変化する場合もある。このような場合、本発明は塩化ビニル系樹脂とポリエステル系樹脂の複合化によって得られる樹脂組成物に関するものであり、該樹脂組成物を測定したときの融点が優先される。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂やポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート等の脂肪族ポリエステル樹脂等が含まれる。また、これらの共重合体も含まれ、更に、これらを他の樹脂との共重合体やブロック、グラフト重合体も排除されない。これらの中で、特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂との混合性の点で、脂肪族ポリエステル樹脂が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましい。
ポリ乳酸系樹脂としては、特に制限されるものではないが、光学純度が低いと結晶性が低下し、特に融点が低下することが知られている。このため、L体が70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%含まれるものが使用するのが望ましい。ポリ乳酸系樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算法による重量平均分子量が1万〜100万、好ましくは2万〜75万、特に好ましくは3万〜50万である。重量平均分子量が小さければ、得られる繊維の耐熱性向上の効果が乏しく、大きければ塩化ビニル系樹脂との混合が困難になる場合がある。
本発明の樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂の含有率は、1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、特に好ましくは5〜35質量%である。ポリエステル系樹脂が1質量%未満であると、本発明の樹脂組成物から得られる繊維の耐熱性が劣る場合がある。一方、ポリエステル系樹脂が50質量%を超えると、得られる繊維の光沢が劣る場合がある。
本発明の樹脂組成物に用いることができるアクリル系重合体は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート等が含まれる。また、これらの共重合体も含まれ、更に、これらを他の樹脂との共重合体やブロック、グラフト重合体も排除されない。これらの中で、特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂との混合性の点で、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
アクリル系重合体は、アクリル酸アルキルエステル、もしくはメタアクリル酸アルキルエステル等のモノマーをラジカル開始剤の存在下にラジカル重合することにより得られるが、重合方法はこれに限られるものではなく、一般的に知られている公知の種々の重合方法を用いて重合することができる。
本発明の樹脂組成物におけるアクリル系重合体の含有率は、1〜60質量%、好ましくは2〜60質量%、特に好ましくは5〜60質量%である。アクリル系重合体が1質量部未満であると、本発明の樹脂組成物から得られる繊維の透明性が劣る場合がある。一方、アクリル系重合体が60質量%を超えると、得られる繊維の紡糸性が劣る場合がある。
本発明における塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系重合体を含む樹脂組成物は、従来公知の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を混合してなるパウダーコンパウンド、又は、これを溶融混合してなるペレットコンパウンドとして使用することができる。パウダーコンパウンドは、従来公知の通常の条件で製造できる。ホットブレンドでもコールドブレンドでもよいが、特に好ましくは、樹脂組成物中の揮発分を減少させるために、ブレンド時のカット温度を105〜155℃迄上げてなるホットブレンドを使用するのが好ましい。ペレットコンパウンドは、通常の塩化ビニル系ペレットコンパウンドの製造と同様にして製造できる。例えば、単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機、同方向2軸押出機、コニーダー、プラネタリーギアー押出機、ロール混練り機等の混練り機を使用して、ペレットコンパウンドとすることができる。ペレットコンパウンドを製造する際の条件は、特に限定はされないが、樹脂温度を185℃以下になる様に設定することが望ましい。
本発明において、混合された塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系重合体を含む樹脂組成物を繊維状の未延伸糸にする際には、従来公知の押出機を使用できる。例えば、単軸押出機、異方向2軸押出機、コニカル2軸押出機などを使用できるが、特に口径が35〜85mm程度の単軸押出機、又は口径が35〜50mm程度のコニカル2軸押出機を使用することが好ましい。押出機の口径が過大になると、押出量が多くなったり、ノズル圧力が過大になり、未延伸糸の流出速度が速くなりすぎて巻き取りが困難になる場合があるので好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、従来公知の紡糸法によって繊維とされる。紡糸法は特に限定されないが、溶融紡糸法が好ましい。例えば、人工毛髪用としてのカール特性等の品質面を勘案すれば、1ケのノズル孔の断面積が0.01〜1mm、好ましくは0.04〜0.5mmのノズルをダイ(紡糸金型)の先端部に溶融紡糸を行うのが好ましい。1ケのノズル孔の断面積が1mmを超えると、細繊度の未延伸糸、又は延熱糸とするために、過大な張力をかける必要があり、これにより残留歪みが増加し、カール保持製等の品質が低下するおそれがある。
本発明においては、1ケのノズル孔の断面積が1mm以下の複数のノズル孔をダイに配列してなるマルチタイプのノズル孔(ノズル孔数は、50〜300個。ノズル配列数は1〜5列。)からストランドを流出せしめて、単繊度が300デシテックス以下の未延伸糸を製造することが好ましい。具体的には樹脂組成物のペレットコンパウンド等を、例えば、単軸押出機を使用して樹脂温度160〜200℃、より好ましくは165〜190℃で溶融紡糸することによって未延伸糸を得ることができる。
前記溶融紡糸で得られた未延伸糸に公知の方法で延伸処理および熱処理を施して、単繊度が300デシテックス以下の細繊度の繊維(延伸糸)とすることができる。延伸処理条件としては延伸処理温度30〜150℃の雰囲気下で、2〜20倍まで延伸した後、この延伸した繊維を80〜200℃の温度に保持した空気雰囲気下で弛緩処理することが好ましい。
未延伸糸に延伸処理および熱処理をした繊維は、その一本の単繊度が、1〜200デシテックス、好ましくは5〜150デシテックス、特に好ましくは10〜100デシテックスである。ここで、繊維が細くても、太くても天然品から乖離することになり、自然感が損なわれる。デシテックスとは、長さ100cmの繊維20本の重量を測定し、この1本当たりの平均重量(グラム)を1万倍した数値である。本発明においては特に限定しないが、単繊度が均一である必要は無く、場合によっては、単繊度が異なる複数の繊維を混合して使用することも可能である。
本発明における樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系重合体以外に、目的に応じて従来公知の添加剤を配合してもよい。添加剤の例としては、滑剤、熱安定剤、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、香料等がある。
以下に、を参照しつつ、実施例、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。表1,2の配合数値は、質量%である。
Figure 0005085116
Figure 0005085116
表1、2において「紡糸性」とは、樹脂組成物を溶融紡糸する際の成形性を表したものである。紡糸性の試験にあっては、紡糸金型から同時に120本の繊維を押出成形した際の、糸切れ発生回数(溶融押出中に、数本の繊維状体が途切れる現象:測定時間は30分間、測定回数は3回)を測定したものである。
表1、2において「熱収縮率」とは、試験体を熱処理した際に発生する熱収縮率を表したものである。具体的には、長さ100mmに調整した繊維の試験体12本を、130℃のギアオーブン中で15分間放置し、放置前後における試験体の長さの比((放置前の長さ−放置後の長さ)/放置前の長さ)×100を算出したもので、12本のうち、最大値、最小値を排除した10本の平均値であり、次の評価基準
優良:熱収縮率が0〜3%のもの
良 :熱収縮率が4〜7%のもの
可 :熱収縮率が8〜10%のもの
不良:熱収縮率が11%以上のもの
で評価した。
表1、2において「光沢」とは、繊維24000本を束ねて、直射日光の当たる室内と蛍光灯下における目視判定し、次の評価基準
優良:平滑感があって、光沢が少ないもの
良 :平滑感が少ないが、光沢が少ないもの
可 :凹凸感があって光沢が少ない、または平滑で光沢が少しあるもの
不良:凹凸が大きい、または光沢が強いもの
で評価した。
表1、2において「透明性」とは、着色した繊維24000本を束ねて、直射日光の当たる室内と蛍光灯下における目視判定し、次の評価基準
優良:透明感があり、発色性がよいもの
良 :透明感があるが、ややくすんだ色のもの
可 :全体的に白いが、発色性があるもの
不良:透明感がなく、全体的に白く、くすんだ色のもの
で評価した。
表1、2において「総合評価」とは、次の評価基準
優良:熱収縮率が良以上で、透明性と光沢が共に優良のもの
良 :熱収縮率が良以上で、透明性と光沢が共に良、若しくは透明性と光沢のどちらかが1つが優良のもの
可 :熱収縮率、透明性、及び光沢の1つでも可のもの
不良:熱収縮率、透明性、及び光沢の1つでも不良のもの
で評価した。
(実施例1)
(a)塩化ビニル系樹脂(大洋塩ビ社製 TH−1000:重合度1000)74質量%と、ポリエステル系樹脂としてポリ乳酸樹脂(ユニチカ社製 テラマックTE−4000:融点170℃、L体比率98.2〜98.5%)13質量%、アクリル系重合体としてメチルメタアクリレート(クラレ社製 パラペットG)13質量%、ハイドロタルサイト系複合熱安定剤(日産化学工業社製 CP−410A)1質量部、エステル系滑剤(理研ビタミン社製 EW−100)0.75質量部を含有する樹脂組成物を、リボンブレンダーで100℃まで攪拌昇温させて混合する工程、(b)前記混合した樹脂組成物を、繭型ノズル形状、ノズル孔断面積0.05mm、及びノズル孔数180の紡糸金型を用いて、金型温度190℃及び押出し量15kg/時間で、40mm単軸押出機で溶融紡糸して、平均繊度150デシテックスの未延伸糸を得る工程、(c)前記溶融紡糸した繊維を105℃の空気雰囲気下で300%に延伸する工程、そして(d)前記延伸した繊維に140℃の空気雰囲気下で、繊維の全長が処理前の75%の長さに収縮するまで熱弛緩処理する工程を順次経て、単繊度が65デシテックスの繊維を得た。
(実施例2〜16)
表1、2に示す塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル重合体の配合量を用いて、実施例1と同様にして、繊維を得た。
(実施例17、18)
塩化ビニル系樹脂を、重合度を変えたもの(大洋塩ビ社製 TH−700:重合度700、TH−2000:重合度2000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、繊維を得た。
(実施例19)
塩化ビニル系樹脂を塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂(大洋塩ビ社製 TE−1050:重合度1050)に変更した以外は、実施例1と同様にして、繊維を得た。
(実施例20,21)
ポリエステル系樹脂を、結晶性ポリエステル樹脂(東洋紡績社製 バイロンGM−925:融点166℃、バイロンGA−5410、融点117℃))に変更した以外は、実施例1と同様にして、繊維を得た。
(実施例22、23)
アクリル重合体を、メタアクリル系樹脂(住友化学社製 スミペックスLG)、アクリル共重合体(三菱レイヨン社製 メタブレンP−501A)に変更した以外は、実施例1と同様にして、繊維を得た。
(比較例1〜4)
表2に示す塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル重合体の配合量を用い、実施例1と同様にして、繊維を得た。
表1、2から明らかなように、本発明は、熱収縮性、透明性に優れ、光沢が少なく、また、溶融紡糸時に糸切れの少ない繊維を容易に得られることができる。
本発明の樹脂組成物を用いて得られた繊維は、例えばウィッグ、ヘアピース、ブレード、ドールヘアー、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用の人工毛髪用繊維に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 含有率が、塩化ビニル系樹脂が35〜90質量%、ポリエステル系樹脂が5〜35質量%、及びアクリル系重合体が5〜60質量%である樹脂組成物を溶融紡糸した繊維からなる人工毛髪用繊維。
  2. ポリエステル系樹脂が、ポリ乳酸系樹脂である請求項1に記載の人工毛髪用繊維。
  3. アクリル系重合体が、メチルメタアクリレート樹脂である請求項1〜2いずれか1項に記載の人工毛髪用繊維。
  4. 請求項に記載の人工毛髪用繊維からなる頭髪装飾繊維。
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