JP2566871B2 - フッ化ビニリデン系樹脂組成物繊維およびその製造方法 - Google Patents

フッ化ビニリデン系樹脂組成物繊維およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ化ビニリデン系樹
脂組成物およびそれを素材とする延伸繊維、さらに該延
伸繊維の製造方法に関する。更には該延伸繊維の漁網へ
の応用に関する。
【0002】
【従来技術】フッ化ビニリデン系樹脂繊維は、その優れ
た物理的、化学的特性、とりわけ機械的強度および耐候
性に優れ、水膨潤性が殆ど無いため水中での強度劣化も
殆ど無い等の特性から、釣り糸、漁網などの水産資材と
して使用されている。しかしながら曲げ弾性率が約24
Kg/mm2と比較的剛直であり、漁網等の船上保管の
際の取扱いが繁雑であるなどの欠点がある。また、フッ
化ビニリデン系樹脂繊維の生産性を上げるため高速延伸
しようとすると、フィブリル化するなどして繊維は白色
不透明になったり、表面平滑性が低下し汚れ易いなどの
欠点を生じる。
【0003】フッ化ビニリデン系樹脂に柔軟性を付与す
る方法として、フッ化ビニリデン系樹脂に相溶性のある
可塑剤または相溶性のある他のポリマーを混合させるこ
とが試みられている。相溶性ある可塑剤については、米
国特許第3541039号には炭素数が6〜10のアル
キレンジカルボン酸と炭素数が4〜7のグリコールから
なる分子量が1100〜5000のポリエステルが開示
され、また特開昭50ー111147号には炭素数が2
〜4のジアルコールと炭素数が4〜6のジカルボン酸の
エステルよりなり、末端基が炭素数1〜3の1価の酸も
しくは1価のアルコール残基よりなり分子量1500〜
4000のポリエステルが開示されている。これら可塑
剤の添加はフッ化ビニリデン系樹脂に柔軟性を付与する
効果はあるが、そのフィラメント製造時にフィラメント
中に泡の混入が避けられないため、引張強度等の機械的
強度が減少する欠点を有する。
【0004】フッ化ビニリデン系樹脂と相溶性の良い樹
脂としては特公昭43ー12012号に記載のポリメタ
クリル酸メチル樹脂、特開昭50ー116538号また
は同50ー116583号に記載のアクリル酸メチルと
イソブチレンとの共重合体、あるいは同50ー1165
82号記載のポリアクリル酸メチル等がある。しかし、
ポリメタクリル酸メチル樹脂はガラス転移温度が80〜
100℃とフッ化ビニリデン系樹脂のガラス転移温度−
30〜−40℃に比べて非常に高く、前記文献記載の組
成混合物では適度な柔軟性を得ることはできない。また
ポリアクリル酸メチル或いはアクリル酸メチルとイソブ
チレンとの共重合体の添加では引張強度の低下、フィラ
メント製造時の泡の生成等の欠点を有する。
【0005】前記欠点を解消したものとして特開昭54
ー106622号、特公昭60ー17845号にはフッ
化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸メチルまたはアクリ
ル酸メチルとイソブチレンとの共重合体、およびポリエ
ステル可塑剤の混合物が開示されている。これらの文献
に開示されている発明はポリフッ化ビニリデン樹脂が水
産資材として使用される場合の柔軟性の不足を十分に解
消するものである。しかしながら、フッ化ビニリデン系
樹脂とポリアクリル酸メチル、あるいはフッ化ビニリデ
ン系樹脂とアクリル酸メチル/イソブチレン共重合体と
の均一な溶融混合組成物が得られにくいため、フッ化ビ
ニリデン系樹脂の結晶化速度を遅くさせることができ
ず、溶融紡糸、延伸加工による強度の高い繊維をより生
産性良く製造するため高速延伸すると、糸切れが多発す
る欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は引張強度や結
節強度などの機械的特性を満足するとともに、柔軟性が
あり、かつ表面平滑性の良いフッ化ビニリデン系繊維を
提供することにある。さらにはそのような繊維を生産性
良く製造するため、溶融紡糸、高速延伸可能なフッ化ビ
ニリデン系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
問題点に鑑み鋭意研究した結果、特定のフッ化ビニリデ
ン系樹脂組成物を原料とすることにより、糸切れもなく
引取速度30m/分以上の高速延伸が可能であり、しか
も目的とする機械的特性や柔軟性を発現する繊維が得ら
れることを見出だし、本発明を完成した。すなわち本発
明の第一は温度280℃、剪断速度1.2×10/秒
における溶融粘度が4×10〜3×10ポイズのフ
ッ化ビニリデン系樹脂(A)90〜60重量部、同一測
定条件により測定して前記フッ化ビニリデン系樹脂の有
する溶融粘度の0.25〜7倍であるポリメタクリル酸
メチル樹脂(B)10〜40重量部、および前記フッ化
ビニリデン系樹脂(A)とポリメタクリル酸メチル樹脂
(B)の合計100重量部に対して脂肪族系ポリエステ
ル可塑剤(C)5〜40重量部よりなるフッ化ビニリデ
ン系樹脂組成物であり、本発明の第二は前記組成物を素
材とする延伸繊維であり、さらに本発明の第三は前記組
成物を溶融押出紡糸して得られる未延伸糸を温度90〜
280℃の延伸浴へ供給速度8〜20m/分で供給し、
前記延伸浴で延伸倍率4〜7倍に延伸することを特徴と
する前記フッ化ビニリデン系樹脂組成物を素材とする延
伸繊維の製造方法であり、さらに本発明の第四は前記延
伸繊維を用いた漁網に関するものである。以下、本発明
を更に詳しく説明する。
【0008】本発明で用いるフッ化ビニリデン系樹脂
(A)の溶融粘度は温度280℃、剪断速度1.2×1
2/秒において4×103〜3×104ポイズ、好まし
くは6×103〜2×104ポイズである。フッ化ビニリ
デン系樹脂の溶融粘度が3×104ポイズを越えると溶
融粘度が高いために、高速延伸性が得られにくくなり、
また溶融押出紡糸工程の作業が困難となり、生産性を悪
化させる。一方、溶融粘度が4×103ポイズ未満で
は、フッ化ビニリデン系樹脂が有する優れた機械的強度
を発現させることができなくなる。
【0009】本発明に用いるフッ化ビニリデン系樹脂は
フッ化ビニリデン単独重合体、単独重合体と物理的化学
的に類似した共重合体であってフッ化ビニリデンを構成
単位として70モル%以上含有するもの、さらにこれら
重合体の混合物であってもよい。フッ化ビニリデンと共
重合されるモノマーとしては、四フッ化エチレン、六フ
ッ化プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチ
レン、フッ化ビニルなどが挙げられ、これらの1種また
は2種以上を用いることができる。
【0010】本発明で使用するポリメタクリル酸メチル
はメタクリル酸メチルの単独重合体、およびメタクリル
酸メチルと25モル%以下の他のエチレン系不飽和化合
物との共重合体であってもよく、さらに好ましくは10
モル%以下の共重合体であってもよい。好適なコモノマ
ーとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、スチレン、α−メチル
スチレンおよびメタクリル酸等を例示することができ
る。
【0011】本発明で使用するポリメタクリル酸メチル
樹脂の溶融粘度は、同一測定条件により測定して上記フ
ッ化ビニリデン系樹脂の有する溶融粘度の0.25〜7
倍、好ましくは0.3〜5.0倍、さらに好ましくは
0.35〜3.0倍の範囲である。ポリメタクリル酸メ
チル樹脂の溶融粘度が前記範囲外ではフッ化ビニリデン
系樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂とを均一に混合す
ることが困難となる傾向にある。さらに均一に混合され
ていない樹脂で製造した繊維は、性質の異なる部分が混
在するために、機械的強度の弱い箇所が生じ、良好な透
明性および表面平滑性が得られないことがある。
【0012】なお、本発明における溶融粘度は(株)東
洋精機製作所製キャピログラフを使用し、温度280
℃、剪断速度1.2×102の条件で測定した値であ
る。
【0013】本発明に用いられる脂肪族系ポリエステル
可塑剤は、好ましくは炭素数2〜4の脂肪族ジアルコー
ルと炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸のエステルから
なる脂肪族ポリエステルである。炭素数2〜4の脂肪族
ジアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタ
ンジオール等を挙げることができ、また炭素数2〜6の
脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、こは
く酸、グルタル酸、アジピン酸等を挙げることができ
る。これらの成分の二以上から構成されたものでもよ
い。また本発明の脂肪族系ポリエステル可塑剤として、
これらの脂肪族ジアルコールと脂肪族ジカルボン酸に加
えてラクトン類が構成成分の一部であるものも例示でき
る。さらに脂肪族系ポリエステル可塑剤として、ラクト
ン類の重合体であってもよい。ラクトン類としては、プ
ロピオラクトン、ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン等を例示することができる。こ
のような脂肪族系可塑剤はブリード性が少なく、良好な
可塑化効果をもたらす。
【0014】本発明の組成物を構成するフッ化ビニリデ
ン系樹脂(A)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(B)お
よび脂肪族系ポリエステル可塑剤(C)の混合割合は、
フッ化ビニリデン系樹脂(A)が90〜60重量部、好
ましくは85〜70重量部、ポリメタクリル酸メチル樹
脂(B)が10〜40重量部、好ましくは15〜30重
量部である。またこれらフッ化ビニリデン系樹脂(A)
とポリメタクリル酸メチル樹脂(B)の合計100重量
部に対して脂肪族系ポリエステル可塑剤(C)を5〜4
0重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲で配合す
る。ポリメタクリル酸メチル樹脂が前記の40重量部を
越えると、得られる繊維の結節強度および柔軟性は満足
されない。また10重量部未満ではフッ化ビニリデン系
樹脂(A)の結晶化速度を遅くさせにくいので、高い引
取速度では延伸することが出来ず、生産性を向上させる
ことができない。無理に高速で延伸しようとすると繊維
の表面平滑性が低下し、また機械的強度も低くなる。
【0015】また上記ポリエステル可塑剤(C)を前記
40重量部より多く配合させると、得られる延伸繊維の
結節強度および引張強度の低下がみられる。一方、5重
量部未満では漁網糸等の水産資材に要求される繊維の柔
軟性を付与することができない。
【0016】フッ化ビニリデン系樹脂(A)、ポリメタ
クリル酸メチル樹脂(B)およびポリエステル可塑剤
(C)の混合方法としては、これら三者が均一に混合さ
れるものであれば特に制限はない。例えばリボンブレン
ダー、高速ミキサー(ヘンシェルミキサー)、固定式V
型ブレンダー、タンブラー、ボールミル等による混合、
さらにはブレンダーにて混合後、押出機にて溶融混練す
る方法などが採用でき、特に好ましい。これにより、本
発明のフッ化ビニリデン系樹脂組成物が得られる。
【0017】本発明の組成物には、前記必須の(A)、
(B)および(C)成分のほか、必要に応じて抗酸化
剤、紫外線吸収剤等を配合してもよい。
【0018】上記方法にて得られたフッ化ビニリデン系
樹脂組成物を押出機により溶融紡糸し、急冷して未延伸
繊維を得る。未延伸繊維の好ましい糸径は0.3〜2.
0mmの範囲である。溶融紡糸温度はフッ化ビニリデン
系樹脂の融点以上熱分解温度以下の範囲のいずれの温度
でも可能であるが、安定な紡糸性を維持するには200
から300℃の温度範囲で行うことが好ましい。急冷は
通常、水冷却バスを使用するが、溶融樹脂との界面で沸
騰による気泡を生じない温度以下、好ましくは50℃以
下のバス温とするのがよい。
【0019】上記で得られたフッ化ビニリデン系樹脂組
成物からなる未延伸繊維を、通常引き続いて90〜28
0℃の延伸浴へ8〜20m/分、好ましくは8〜15m
/分の速度で供給し、該延伸浴中で4〜7倍に延伸す
る。なお、一旦未延伸繊維を巻き取り、延伸を別工程で
行ってもよい。延伸浴長は通常0.5〜5mの範囲で設
定することが好ましい。本発明の組成物を用いることに
より、比較的短い延伸浴長で優れた性状を有する延伸繊
維を得ることができる。延伸浴に使用される熱媒体とし
ては沸水、グリセリン等の液状熱媒体、空気、水蒸気、
窒素ガス等の気体状熱媒体のいずれでもよいが、特にグ
リセリンが好ましい。ここで液状熱媒体を用いた場合の
延伸温度は90〜175℃が好ましく、気体状熱媒体で
は100〜280℃が好ましい。延伸は1段または多段
で行うことが可能であるが、総延伸倍率を4〜7倍の範
囲とすることが肝要である。ここで延伸倍率は熱媒体を
通過後の繊維の引取速度V2と供給速度V1との比(V2
/V1)を指すが、延伸倍率が4倍未満の場合には繊維
の糸径にムラが生じて均一な延伸繊維が得られにくく、
好ましくない。一方、延伸倍率7倍以上では得られる延
伸繊維の結節強度が低下し、さらに倍率を高めていくと
配向しすぎて白化し、ついには糸切れを生ずる。前記に
より4〜7倍に延伸された延伸繊維は、通常、その後9
0〜180℃の温度範囲で2〜10%緩和熱処理して引
取る。
【0020】本発明によって提供されるフッ化ビニリデ
ン系樹脂組成物を素材とする延伸繊維は引張強度や結節
強度などの機械的特性を満足するとともに、柔軟性があ
り、かつ表面平滑性が良い。また水中平行光線透過率も
高く、透明性にも優れるという特徴を有する。このよう
な特徴を有するので、本発明の延伸繊維は水産資材、と
くに漁網に好適である。とくに刺網用網糸に使用する
と、結節強度が大きいため魚を取り外すときに糸切れす
ることも少なく、また柔軟性に富み、水中で透明である
ので魚に感知されにくい透明性の要求にも応えるもので
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明について実施例により具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0022】(実施例1)フッ化ビニリデン樹脂(呉羽
化学工業株式会社製KF#1300、溶融粘度2×10
4ポイズ)70重量部、ポリメタクリル酸メチル樹脂
(住友化学工業株式会社製スミペックスB−MH、溶融
粘度7.9×103ポイズ)30重量部、およびこの両
者100重量部に対してポリエステル可塑剤(旭電化工
業株式会社製PN−150:プロピレングリコールとブ
タンジオールの脂肪族ジアルコール2種とアジピン酸の
脂肪族ジカルボン酸1種からなる脂肪族ポリエステルで
ある。)10重量部の粉末をヘンシェルミキサーで混合
し、ダイス温度240℃の押出機を使用しペレット化し
た。なお、溶融粘度は(株)東洋精機製作所製キャピロ
グラフを使用し、温度280℃、剪断速度1.2×10
2の条件で測定した。このペレットをダイス温度280
℃の35φ押出機で溶融紡糸し、糸径825μmの未延
伸糸を得た。さらにこの未延伸糸を温度160℃、延伸
浴長60cmのグリセリン浴中に供給速度12m/分で
供給し、6倍の延伸倍率で延伸し、次いで140℃の乾
熱で4%緩和熱処理し、糸径337μmの延伸糸(フィ
ラメント)を得た。この延伸糸は65%RH23℃の条
件下で結節強度42.4Kg/mm2、直線強度46.
3Kg/mm2、曲げ弾性率20Kg/mm2、比重1.
55、水中平行光線透過率40.0%であり、漁網、と
りわけ刺網用網糸に適するものであった。
【0023】(実施例2)フッ化ビニリデン樹脂(呉羽
化学工業株式会社製KF#1000、溶融粘度7×10
3ポイズ)80重量部、ポリメタクリル酸メチル樹脂
(住友化学工業株式会社製スミペックスB−MH)20
重量部、およびこの両者100重量部に対してポリエス
テル可塑剤(旭電化工業株式会社製PNー150)10
重量部の粉末をヘンシェルミキサーで混合し、ダイス温
度240℃の押出機を使用しペレット化した。このペレ
ットをダイス温度250℃の35φ押出機で溶融紡糸し
て糸径825μmの未延伸糸を得た。さらにこの未延伸
糸を温度98℃、延伸浴長2mの沸水浴中で供給速度1
2m/分、5.5倍の延伸倍率で延伸し、ついで140
℃の乾熱で4%緩和熱処理し、糸径344μmの延伸糸
(フィラメント)を得た。この延伸糸の結節強度34.
5Kg/mm2、直線強度43.6Kg/mm2、曲げ弾
性率18Kg/mm2であり、刺網用網糸に適するもの
であった。
【0024】(実施例3)フッ化ビニリデン樹脂(呉羽
化学工業株式会社製KF#1000)80重量部、ポリ
メタクリル酸メチル樹脂(住友化学工業株式会社製スミ
ペックスB−MH)20重量部、およびこの両者100
重量部に対してポリエステル可塑剤(旭電化工業株式会
社製PNー150)15重量部の粉末をヘンシェルミキ
サーで混合し、ダイス温度240℃の押出機を使用しペ
レット化した。このペレットをダイス温度250℃の3
5φ押出機で溶融紡糸して糸径825μmの未延伸糸を
得た。さらにこの未延伸糸を温度98℃、延伸浴長2m
の沸水浴中で供給速度12m/分、5.5倍の延伸倍率
で延伸し、ついで140℃の乾熱で4%緩和熱処理し、
糸径344μmのフィラメントを得た。この糸の結節強
度33.4Kg/mm2、直線強度40.1Kg/m
2、曲げ弾性率16Kg/mm2であり、刺網用網糸に
適するものであった。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で提
供されるフッ化ビニリデン系樹脂組成物を素材とする延
伸繊維は、機械的強度に優れるとともに適度な柔軟性を
有しており、さらには結節強度、水中平行光線透過性が
高く透明性、表面平滑性にも優れている。また本発明で
提供される延伸繊維の製造方法によれば、生産性よく延
伸繊維を製造できるので、生産コストの低減にも寄与す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 斌也 茨城県土浦市東崎町13番地1−201 (56)参考文献 特開 昭60−110912(JP,A) 特公 昭51−32667(JP,B2) 特公 昭60−17845(JP,B2) 特公 昭56−34017(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度280℃、剪断速度1.2×10
    秒における溶融粘度が4×10〜3×10ポイズの
    フッ化ビニリデン系樹脂(A)90〜60重量部、同一
    測定条件により測定して前記フッ化ビニリデン系樹脂の
    有する溶融粘度の0.25〜7倍であるポリメタクリル
    酸メチル(B)10〜40重量部、および前記フッ化ビ
    ニリデン系樹脂(A)とポリメタクリル酸メチル(B)
    の合計100重量部に対して脂肪族系ポリエステル可塑
    剤(C)5〜40重量部よりなるフッ化ビニリデン系樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリメタクリル酸メチル(B)の溶融粘度
    が同一測定条件により測定してフッ化ビニリデン系樹脂
    の有する溶融粘度の0.35〜3.0倍である請求項1
    記載のフッ化ビニリデン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 温度280℃、剪断速度1.2×10
    秒における溶融粘度が4×10〜3×10ポイズの
    フッ化ビニリデン系樹脂(A)90〜60重量部、同一
    測定条件により測定して前記フッ化ビニリデン系樹脂の
    有する溶融粘度の0.25〜7倍であるポリメタクリル
    酸メチル(B)10〜40重量部、および前記フッ化ビ
    ニリデン系樹脂(A)とポリメタクリル酸メチル(B)
    の合計100重量部に対して脂肪族系ポリエステル可塑
    剤(C)5〜40重量部よりなるフッ化ビニリデン系樹
    脂組成物を素材とする延伸繊維。
  4. 【請求項4】ポリメタクリル酸メチル(B)の溶融粘度
    が同一測定条件により測定してフッ化ビニリデン系樹脂
    の有する溶融粘度の0.35〜3.0倍である請求項3
    記載のフッ化ビニリデン系樹脂組成物を素材とする延伸
    繊維。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載 の延伸繊維を用いた
    漁網。
  6. 【請求項6】 温度280℃、剪断速度1.2×10
    秒における溶融粘度が4×10〜3×10ポイズの
    フッ化ビニリデン系樹脂(A)90〜60重量部、同一
    測定条件により測定して前記フッ化ビニリデン系樹脂の
    有する溶融粘度の0.25〜7倍であるポリメタクリル
    酸メチル(B)10〜40重量部、および前記フッ化ビ
    ニリデン系樹脂(A)とポリメタクリル酸メチル(B)
    の合計100重量部に対して脂肪族系ポリエステル可塑
    剤(C)5〜40重量部よりなるフッ化ビニリデン系樹
    脂組成物を溶融紡糸して得られる未延伸糸を温度90〜
    280℃の延伸浴へ供給速度8〜20m/分で供給し、
    前記延伸浴で延伸倍率4〜7倍に延伸することを特徴と
    するフッ化ビニリデン系樹脂組成物を素材とする延伸繊
    維の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリメタクリル酸メチル(B)の溶融粘度
    が同一測定条件により測定してフッ化ビニリデン系樹脂
    の有する溶融粘度の0.35〜3.0倍である請求項6
    記載のフッ化ビニリデン系樹脂組成物を素材とする延伸
    繊維の製造方法。
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