JPH09250026A - 黒原着ポリエステル繊維 - Google Patents
黒原着ポリエステル繊維Info
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Abstract
られた繊維の成形加工時接触するローラー、ガイド等の
摩耗が少なく、また使用時の付属品の摩耗及び繊維の強
度劣化も小さい黒原着ポリエステル繊維を提供するこ
と。 【解決手段】 平均一次粒子径が5〜25mμ、吸油量
が30〜80ml/100g及び比表面積が150〜3
00m2 /gの特性を有するカーボンブラックを、ポリ
エステル繊維中に0.3〜1.0重量%配合する。
Description
ル繊維に関し、特に繊維表面の平滑性が良好で、製糸
時、得られた繊維の成形加工時あるいは繊維成形品の使
用時に接触するローラー、ガイド等の付属品の摩耗を抑
制し、また使用時の切断強度劣化も小さい黒原着ポリエ
ステル繊維に関するものである。
タレートはその優れた物理的・化学的特性を有している
ことから、衣料用途のみならず、産業用途や健装用途等
に幅広く使用されている。しかし、これらポリエステル
繊維は染色性が悪いという重大な欠点があり、これを改
善する方法として、ポリエステルポリマーに顔料や染料
を混合分散させる方法、すなわち原着による着色方法が
従来から検討されている。
(黒原着ポリエステル繊維)は、ポリエステル重合時又
は重合後から製糸までの任意の段階でカーボンブラック
を添加して溶融紡糸する方法(特開昭50−62296
号公報、特開昭59−71357号公報、特開昭61−
228061号公報等)が提案されている。そして、特
開昭61−228061号公報には、吸油量及び揮発分
が特定範囲にあるカーボンブラックを用いるのが、ポリ
エステル中に添加の際の熱的ショックによる凝集二次粒
子の形成が少なくなり好ましいと説明されている。
ば、このような従来のカーボンブラックを配合したポリ
エステルは、溶融紡糸延伸する際、特に産業用用途の高
強力繊維を得るため高倍率延伸する際に、得られる繊維
の表面に突起が形成されて粗面となりやすいために、ロ
ーラー摩耗、ガイド摩耗等が発生し、またその繊維成形
品は付属品の接触部を摩耗し、さらには繊維同士の摩擦
によって強度の劣化も発生するという問題があり、満足
できるものではなかった。
従来技術の問題点が解消され、繊維表面の平滑性に優れ
た耐摩耗性の良好な黒原着ポリエステル繊維を提供する
ことにある。
を達成するために鋭意検討した結果、特定の特性を有す
るカーボンブラックが添加されたポリエステルは、溶融
紡糸延伸する際に繊維表面が粗面とならないため、得ら
れる黒原着ポリエステル繊維は良好な特性を有すること
を見出だし、本発明に到達した。
次粒子径が5〜25mμ、吸油量が30〜80ml/1
00g及び比表面積が150〜300m2 /gの特性を
有するカーボンブラックを0.4〜1.0重量%含有し
てなる黒原着ポリエステル繊維。」によって達成され
る。
は、次の要件を満足する特定の特性を有するカーボンブ
ラックである点に特徴がある。
くは10〜20mμである。この平均粒子径は、カ−ボ
ンブラックを超音波によりクロロホルムに分散させ、カ
−ボン蒸着させたアセチルセルロース膜を張ったシート
メッシュ上にとり、透過型電子顕微鏡により投影し、2
000個の粒子を選んでその粒子径を測定し、個数平均
粒子径を算出することにより求められる。
g、好ましくは40〜60ml/100gである。この
吸油量はカ−ボンブラック乾燥試料1.00gを表面が
円滑な石版石上にとり、ジブチルフタレートを少量づつ
滴下し、ステンレス製スパチュラーでよくかきまぜ、試
料とジブチルテレフタレートが1ケの球状に形成される
最低のジブチルフタレート量を測定し、カ−ボンブラッ
ク100g当たりのジブチルフタレート量(ml)に換
算することにより求められる。
である。この比表面積は、カ−ボンブラックの単位重量
(g)当たりの表面積(m2 )で示され、ヨウ素吸着量
から算出することができる。
の3つの要件をすべて満足することが肝要である。これ
らの要件のいずれか1つでも満足しないカ−ボンブラッ
クを使用した場合には、得られる黒原着ポリエステル繊
維の表面にカ−ボンブラック粒子に起因する突起が多数
形成され、この突起のため、製糸時又は製織時にローラ
ー摩耗・ガイド摩耗が発生したり、繊維成形品と成した
ときには該成形品と接触する成形品付属物が摩耗しやす
くなり、さらには繊維同志の摩擦によって繊維強度が低
下する等の欠点が生じる。
の3つの要件をすべて満足するものであれば、特にその
製造法は限定されない。カ−ボンブラックの製造法とし
ては、例えば、ファーネス式不完全燃焼法、チャン
ネル式不完全燃焼法、熱分解法等の方法が知られてい
る。この内、本発明のおけるカ−ボンブラックの製造法
としては、製造の容易さ、環境管理の面から、ファーネ
ス式不完全燃焼法が好ましい。
油量、表面積を有するカーボンブラックを得るために
は、ファーネス式不完全燃焼法では原料炭化水素熱分解
する反応炉の温度、原料送入の乱流拡散状態、熱分解直
後の飛沫水冷場所及び添加量等を最適化する方法を採用
することが好ましい。
成するものであればどのようなものでもよく、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレート等が好ましくあげられる。
リエステルであってもよく、またコポリエステルであっ
てもよい。コポリエステルの場合、上述のホモポリエス
テルに小割合(例えば20モル%以下)で第3成分を共
重合せしめたものが好ましく、このような第3成分とし
ては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、
アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分
等が挙げられる。なかでも、固有粘度(オルトクロロフ
ェノールを溶媒として温度35℃にて測定)がO.80
〜0.95のポリエチレンテレフタレートである場合、
繊維表面の突起の解消効果が大きく好ましい。
ックの上記ポリエステル中含有量は0.3〜1.0重量
%、好ましくは0.5〜0.7重量%とする必要があ
り、このカ−ボンブラックの含有量が少なすぎると、黒
原着繊維としての着色度が不十分となるだけでなく、本
発明で規定するカ−ボンブラックを用いなくとも繊維表
面の粗面化の問題は発生しない。一方、含有量が1.0
重量%を越えて多くなりすぎると、繊維表面に形成され
る突起密度が増大し、耐摩耗特性が低下して本発明の目
的が達成できなくなるので好ましくない。
クを配合するには特別な方法を採用する必要はなく、例
えばポリエステルの重合工程で加える方法、マスターペ
レット化したのちカーボンブラックを含有しないベース
ポリエステルと混練する方法、カーボンブラックと液状
ポリエステルとをあらかじめ混合した液状の添加剤組成
物を紡糸直前の溶融ポリエステル流中にギアポンプ等で
計量しながら注入添加した後、静的あるいは動的混練分
散を行う方法等があげられる。なかでも紡糸装置の汚染
や取り扱い性、コスト等を考慮するとマスターペレット
による方法が最も一般的であると言える。いずれの方法
であっても、配合後は公知の溶融紡糸・延伸方法によっ
て繊維化することができる。その際、紡糸延伸工程、特
に延伸工程を制御して繊維の切断強度を8.0〜9.5
g/de、特に8.5〜9.5g/deとした場合に
は、繊維表面の突起形成抑制効果が大きいので好まし
い。
り、丸断面繊維、異形断面繊維、中空繊維等いずれであ
ってもよい。また、本発明の繊維中には、上記カーボン
ブラックの他に艶消剤、制電剤、蛍光増白剤、吸湿剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤等の改質剤や機能性付
与剤が、本発明の効果を損なわない範囲で含有されてい
てもよい。
リエステル繊維は、その詳細な理由は解明されていない
が、繊維表面には微細な突起が形成されていないため、
製糸時及び得られた繊維の成形加工時のローラー摩耗・
ガイド摩耗が低減して、品位の良好な製品が安定して得
られる。また、得られる繊維成形品と該成形品付属品と
の接触部の摩耗、及び該成形品中の繊維同士の摩擦によ
る摩耗が低減して耐久性も向上するのである。
説明するが、本発明は、その要旨をこえない限り以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各
物性値は以下の方法により測定した。
℃にて測定した。
観察し、繊維表面15μm×15μm中に存在する大き
さ0.5μm以上の突起の数を数え、その数が10個未
満を良好(〇)、10個以上20個未満をやや不良
(△)、20個以上を不良(×)と表した。
サンプル繊維を加熱した後、粗度6Sの硬質クロムメッ
キの梨地バー上を張力2.0Kg、速度190m/mi
nで300分間走行させた後、梨地バーの摩耗状態をレ
プリカ法にて観察し、軽度の摩耗状態から1〜5の5段
階評価を行った。
度0.64のポリエチレンテレフタレートチップを14
5℃で2時間予備乾燥後、235℃で固相重合して得た
固有粘度1.0のポリエチレンテレフタレート固相重合
チップに、表1に示すカ−ボンブラックを混練させ、2
0重量%のカ−ボンブラックを含有する固有粘度0.6
0のマスターチップを作成した。
ポリエチレンテレフタレート固相重合チップに、得られ
る繊維中カーボンブラック含有量が表1に示す量となる
割合で添加混合し、溶融温度290℃で加熱溶融して径
0.6mmの吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、50
0m/分の速度で引き取った。得られた未延伸糸は、8
0ないし110℃のローラー温度で3.6倍に第1段延
伸した後、110ないし150℃のローラー温度で1.
61倍に第2段延伸(全延伸倍率5.8倍:最大延伸倍
率の0.86倍)して1500デニール/144フィラ
メントの黒原着ポリエステル繊維を得た。結果を表1に
あわせて示す。
面には走査型電子顕微鏡で2000倍に拡大して観察し
ても微細な突起はほとんど認められず、カーボンブラッ
クを含有しない白糸とほぼ同等の表面形状が見られ、摩
耗試験の結果も、白糸と同程度の摩耗度が得られる(実
施例1〜3)。これに対して、本発明外のカ−ボンブラ
ックを含有する繊維は、その表面に突起が多数存在し、
耐摩耗性も不十分である(比較例1〜4)。
Claims (3)
- 【請求項1】 平均一次粒子径が5〜25mμ、吸油量
が30〜80ml/100g及び比表面積が150〜3
00m2 /gの特性を有するカーボンブラックを0.3
〜1.0重量%含有してなる黒原着ポリエステル繊維。 - 【請求項2】 ポリエステルが、固有粘度0.80〜
0.95のポリエチレンテレフタレートである請求項1
記載の黒原着ポリエステル繊維。 - 【請求項3】 繊維の切断強度が8.0〜9.5g/d
eである請求項1又は2記載の黒原着ポリエステル繊
維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06070996A JP3267854B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 黒原着ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP06070996A JP3267854B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 黒原着ポリエステル繊維 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09250026A true JPH09250026A (ja) | 1997-09-22 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06070996A Expired - Fee Related JP3267854B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 黒原着ポリエステル繊維 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003089971A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Japan Exlan Co Ltd | 黒色高吸放湿性繊維 |
JP2010032113A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Toyobo Co Ltd | 偽装材料 |
WO2022080086A1 (ja) | 2020-10-14 | 2022-04-21 | クラレトレーディング株式会社 | 炭素粉末含有繊維及び繊維構造体 |
CN116715453A (zh) * | 2023-04-25 | 2023-09-08 | 安徽中纤新材料有限公司 | 一种沥青混凝土增强短切玻璃纤维的生产工艺方法 |
-
1996
- 1996-03-18 JP JP06070996A patent/JP3267854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2003089971A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Japan Exlan Co Ltd | 黒色高吸放湿性繊維 |
JP4674429B2 (ja) * | 2001-09-18 | 2011-04-20 | 日本エクスラン工業株式会社 | 黒色高吸放湿性繊維 |
JP2010032113A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Toyobo Co Ltd | 偽装材料 |
WO2022080086A1 (ja) | 2020-10-14 | 2022-04-21 | クラレトレーディング株式会社 | 炭素粉末含有繊維及び繊維構造体 |
CN116715453A (zh) * | 2023-04-25 | 2023-09-08 | 安徽中纤新材料有限公司 | 一种沥青混凝土增强短切玻璃纤维的生产工艺方法 |
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