JP2005206967A - 再生ポリエステル複合繊維 - Google Patents

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隆雄 大河内
Kenji Yamashita
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Abstract

【課題】 安価な手段で得ることができ、リサイクルポリエステルを繊維表面に使用していても白度に優れ、物性値のバラツキが少なく、布帛とし、染色を行った際にも染色斑が生じにくく、衣料用途として好適に使用することができる再生ポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】 リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルAを少なくとも一成分とする複合繊維であって、ポリエステルAが繊維表面に露出しており、リサイクルポリエステルの含有量が繊維全体の30質量%以上であることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維。
【選択図】 図2

Description

本発明は、使用後回収されたポリエステル(以下、リサイクルポリエステルという)を解重合し、再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルを少なくとも一成分とする再生ポリエステル複合繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)を始めとするポリエステルは、高融点で耐薬品性があり、また、低コストであるために、繊維はもちろんのこと、フィルム成型品等に幅広く用いられている。
これらのポリエステル製品は使用後に廃棄処分されているが、燃焼させる場合には高熱が発生し、焼却炉の傷みが大きく、焼却炉の寿命が短くなるという問題がある。また、焼却しない場合は腐敗分解しないため半永久的に残ることになり、環境の面からも問題となっている。
資源の再利用、環境問題等の面から、様々の分野や素材でリサイクルの試みが行われている。使用量が多く、今後も使用量の大幅な増加が予想されるポリエステルにおいても、液体飲用品用PETボトル等に一度成形使用されたポリエステルを回収し、再度使用することは、資源の再利用に貢献するものであり、地球環境にやさしい企業活動の一環として重要である。そして、このようなリサイクルポリエステルを使用した製品の一つとして、ポリエステルフィラメントがあり、これらのフィラメントは衣料用途あるいは産業資材用途に使用される。
リサイクルポリエステルは、様々な製品に加工され、使用された後に回収されたものであるため、リサイクルポリエステルから得られた再生ポリエステル繊維は、着色や変色が生じやすい。また、リサイクルポリエステルは、溶融粘度、分子量、結晶化度等の物性に大きなバラツキを有しており、ロット間の物性もあまり安定したものではないことにより、得られたフィラメントの性能も均一性に劣るものであり、フィラメント及びこのフィラメントより得られた布帛に染色を行った場合、製品内で色斑を生じたり、梱包単位間で色差を生じるという問題がある。
そこで、リサイクルポリエステルのみではなく、通常の重合法により得られた未使用のポリエステル(以下、バージンポリエステルという)とリサイクルポリエステルを併用することが提案されている。
そのひとつとして、両ポリエステルを混合して得られたフィラメントがある。例えば、溶融前のチップの段階でバージンポリエステルとリサイクルポリエステルを混合して、溶融紡糸したり、各々別々に溶融押し出しされたバージンポリエステルとリサイクルポリエステルをノズルパック内で混練する方法により得られた混合フィラメントが提案されている。
しかし、この混合フィラメントでは、リサイクルポリエステルの特性は変化していないため、リサイクルポリエステル部分の品質が変動したり、染色斑等の色斑が発生するという問題は十分に解決できなかった。そこで、特許文献1に記載されているような芯鞘構造とし、リサイクルポリエステルを繊維表面に露出させないようにすることで、着色や色斑の問題の解決を図ることも行われているが、リサイクルポリエステルを繊維表面に配して使用できないため、繊維の形態が限定され、リサイクルポリエステルの割合を多くすることもできなかった。
また、特許文献2、3に記載されているように、リサイクルポリエステルを解重合した後、種々の処理や反応を行うケミカルリサイクルにより、原料であるテレフタル酸やビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレートとして回収する方法が提案されている。この方法によると高純度の原料が得られるので、この原料を用いて通常の重合法を行って得られるポリエステルも品位、物性値ともに優れたものとなる。しかしながら、非常にコストがかかるという問題があった。
一方、フィラメントに種々の機能を付与するために、性能の異なる2種類以上のポリエステルを使用した複合繊維とすることも広く行われている。例えば、ストレッチ性能を有する織編物を得るために、熱収縮特性の異なる2種類のポリエステルをサイドバイサイド型に接合した複合繊維がある。この複合繊維は、製編織後の加工時に受ける熱により捲縮性能を発現するものであり、捲縮を発現させることにより織編物に嵩高性を付与し、膨らみ感を与えることができ、ソフトな風合いも付与することができる。
このような潜在捲縮性を有する繊維においてもリサイクルポリエステルの使用が試みられているが、上記したように繊維表面にリサイクルポリエステルが露出した形状であると、リサイクルポリエステル部分の品質が変動することにより、染色斑等の色斑が発生し、品位の劣った複合繊維となるという問題があった。
特開2000-328369号公報 特開2002-060369号公報 特開2002-060543号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、安価な手段で得ることができ、リサイクルポリエステルを繊維表面に使用していても白度に優れ、物性値のバラツキが少なく、布帛とし、染色を行った際にも染色斑が生じにくく、衣料用途に好適に使用できる再生ポリエステル複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リサイクルポリエステルを解重合して低分子量体とし、この低分子量体を再重合することにより、リサイクルポリエステルの着色や性能のバラツキを減少させることが可能となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1) リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルAを少なくとも一成分とする複合繊維であって、ポリエステルAが繊維表面に露出しており、リサイクルポリエステルの含有量が繊維全体の30質量%以上であることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維。
(2) 溶融粘度の異なる2種類のポリエステル成分が、互いにサイドバイサイド型に複合された繊維であり、少なくとも一成分がポリエステルAである(1)記載の再生ポリエステル複合繊維。
本発明の再生ポリエステル複合繊維は、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを使用しているので、リサイクルポリエステルを繊維表面に使用していても白度に優れ、物性値のバラツキが少なく、布帛とし、染色を行った際にも染色斑が生じにくく、衣料用途としても好適に使用することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の複合繊維の形状について図面を用いて説明する。図1〜3は本発明の複合繊維の形状の実施態様を示す繊維の横断面模式図である。
本発明の複合繊維は、ポリエステルAが繊維表面に露出している形状であり、繊維表面の一部もしくは全部をポリエステルAが占めるものである。繊維表面の全部を占めるものとしては、図1に示すように芯鞘型複合繊維(鞘部がポリエステルA)のものが挙げられ、繊維表面の一部を占めるものとしては、図2に示すようなサイドバイサイド型や図3に示すような多セクション型のものが挙げられる。
そして、本発明の複合繊維は、ポリエステルAのみからなるものでも、ポリエステルA以外の他の成分を1種以上含むものであってもよい。他の成分としては、バージンポリエステルを用いることが好ましい。
中でも、本発明の複合繊維としては、図2に示すようなサイドバイサイド型の複合繊維が好ましい。そして、2種類のポリエステル成分は極限粘度差のあるものとすることが好ましい。この場合、2成分ともにポリエステルAからなるものとし、極限粘度に差を生じさせたものとしてもよく、また、他の成分としてバージンポリエステルを用いてもよく、この場合はどちらを高粘度成分としてもよい。
極限粘度は、フェノールと四塩化エタンの質量比1/1の混合物を溶媒とし、20℃で測定するものであるが、この極限粘度差が0.1以上あることが好ましく、十分な捲縮を発現するためには、0.2以上あることがより好ましい。なお、差が大きくなりすぎると、紡糸操業性が悪化するため、0.5以下とすることが好ましい。
そして、高粘度成分の極限粘度は操業性、捲縮性の面から0.5〜0.8程度、低粘度成分の極限粘度は捲縮性、染色性の面から0.3〜0.6程度とすることが好ましい。
このように両成分に極限粘度差を設けることによって、熱収縮性差を生じさせることができ、製編織後の加工時に受ける熱により捲縮を発現し、織編物にストレッチ性や嵩高性を付与し、膨らみ感やソフトな風合いも付与することができる
2種のポリエステルの極限粘度の差が上記の範囲より小さいと、両成分の熱収縮性が近似するため、目的とする捲縮性能を発現することが困難となる傾向がある。
本発明の再生ポリエステル複合繊維は、原料としてリサイクルポリエステルを使用するものであり、リサイクルポリエステルとしては、液体飲食品用PETボトルやフィルム、繊維などのペレット以外の形に成形された後、低分子に戻されずに再び成形するために回収された樹脂のことをいう。中でもPETボトルを回収したものが比較的品質がよいため好ましい。
そして、本発明の複合繊維は、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルAを少なくとも一成分とする繊維である。本発明の複合繊維を構成するこのようなポリエステルAについて説明する。
リサイクルポリエステルを解重合する際には、リサイクルポリエステルにグリコール成分を添加することにより重合体を低分子量化し、得られた低分子量体を単量体として一旦回収することなく、低分子量体の状態で続いて再重合するものである。再重合としては、通常の重合方法と同様に、溶融重合や固相重合する方法等が挙げられ、解重合したポリエステルの低分子量体を再重合することにより重合体(ポリエステル)とする。
このように、リサイクルポリエステルを解重合により一旦低分子量体に分解し、この低分子量体を再度重合したポリエステルを用いているため、従来のように、リサイクルポリエステルをそのまま溶融し、再利用することにより得られたポリエステル繊維と異なり、溶融粘度、分子量、結晶化度等の物性値が均一化、安定化し、色調も向上する。
また、ケミカルリサイクルのように、解重合して得られた低分子量体をさらに単量体として一旦精製して回収することもないので、コスト的にも有利である。
本発明における解重合して低分子量化した低分子量体としては、分子量(数平均分子量)が1000〜4000程度のものとすることが好ましい。分子量が4000を超えるものであると、解重合が十分でないため、上記のような物性値の均一化、安定化、色調の向上の効果が不十分となる。一方、分子量を1000未満とするにはコスト的に不利となる。なお、前記したような分子量の低分子量体とするには、リサイクルポリエステルに対するグリコール成分の添加量、反応温度、圧力等を調整することによって可能である。
リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体のみを用いて再重合すると、リサイクルポリエステル100%のポリエステル(以下、ポリエステルMとする)を得ることができる。また、リサイクルポリエステルを解重合した後、再重合時にバージンポリエステルのオリゴマーを添加し、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体とバージンポリエステルの単量体とを再重合させたポリエステル(以下、ポリエステルNとする)としてもよい。この場合、再重合時に添加するバージンポリエステルのオリゴマー量によりリサイクルポリエステルの含有量を調整することができる。
なお、ポリエステルの各種の物性値をより均一化、安定化させるためには、後者の再重合時に添加、再重合させて得られたポリエステル(ポリエステルN)とすることが好ましい。
つまり、本発明の複合繊維を構成するポリエステルAは、リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなる上記のようなポリエステルを含有するものであり、以下に示すような態様のものが挙げられる。
(a)ポリエステルMのみからなるポリエステルA。
(b)ポリエステルMにバージンポリエステルをブレンドしたポリエステルA。
(c)ポリエステルNのみからなるポリエステルA。
(d)ポリエステルNとバージンポリエステルをブレンドしたポリエステルA。
さらに、本発明の再生ポリエステル複合繊維は、リサイクルポリエステルの含有量が繊維全体の30質量%以上のものである。本発明の再生ポリエステル複合繊維においては、地球環境保全に貢献する観点から、リサイクルポリエステルをできるだけ多く含むことが好ましいため、リサイクルポリエステルの含有量を30質量%以上とし、中でも40質量%、さらには60質量%以上とすることが好ましい。
一方、リサイクルポリエステルの含有量は90質量%以下とすることが好ましい。90質量%を超えると得られる繊維の物性値の均一性や色調が低下しやすくなる。
繊維中のリサイクルポリエステルの含有量を30〜90質量%とするには、上記したポリエステルAの(a)〜(d)態様や複合成分の形態(他成分との割合)等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明の再生ポリエステル複合繊維においては、リサイクルポリエステル、バージンポリエステルともに種々のポリエステルを用いることが可能である。複合繊維を構成する成分同士の貼り合わせを考慮すると、複合繊維を構成する成分は同種のポリエステルからなるものとすることが好ましく、リサイクルポリエステルは上記したようにPETボトル由来のものが好ましいため、バージンポリエステルもPETとすることが好ましい。
そしてリサイクルポリエステル、バージンポリエステルともに、本発明の効果を損なわない範囲であれば共重合成分が含有されていてもよい。共重合成分としては、3 ,3'-ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、1 ,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオールなどの脂肪族、脂環式ジオール、P-ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。これらはリサイクルポリエステル、バージンポリエステルの一方又は両方ともに含有されていてもよいし、再重合時に添加されてもよい。
さらに、本発明の再生ポリエステル複合繊維中には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、その他顔料、添加剤等が配合されていてもよい。中でも酸化チタンを1.5〜10質量%含有することが好ましい。
酸化チタンを含有することにより、布帛にした際の隠蔽性、すなわち白度を向上させることができる。酸化チタンの含有量が1.5質量%未満であると白度の向上効果が不十分となる。酸化チタンの含有量が10質量%を超えると、紡糸時のフィルター昇圧やガイドの摩耗等の問題が生じて操業性が悪化しやすくなる。
そして、本発明の再生ポリエステル複合繊維が色調に優れている指標として、繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下であることが好ましく、中でもL値が90以上、b値が3.5以下であることが好ましい。
L値は色の白度を示す指標となり、b値は色の黄度を示す指標となるものであり、L値が85未満であると黒味がかった色となる。b値は低いほど青味がかった色となり、5.0を超えると黄味色が強くなりすぎる。したがって、L値が85未満であったり、b値が5.0を超えると、フィラメント糸を原糸の状態、あるいは布帛として使用した場合ともに、外観的な色調が悪く、品位の悪いものとなる。
なお、本発明におけるL値、b値は、得られた繊維を筒編したもの(染色せず)を重ねて、MINOLTA社製色彩色差計 CR-300にてL値及びb値を測定したものである。
また、本発明の再生ポリエステル複合繊維の断面形状は特に限定するものではなく、図1〜3に示したような丸断面形状のもののみならず、多角形状や多葉形状のものであってもよく、また中空を有するものであってもよい。
次に、本発明の再生ポリエステル複合繊維の製造方法について一例(図2に示す、サイドバイサイド型複合繊維を製造する場合)を用いて説明する。リサイクルポリエステルとしてPETボトル由来のものを用いた場合、リサイクルポリエステルに対してエチレングリコール(EG)を5〜30質量%添加し、微加圧下で240〜260℃で解重合反応を行ない、低分子量化させる。そして、解重合後にはフィルターで異物を除去することが好ましい。これにより紡糸時の操業性も良好となるばかりでなく、物性、品位も安定する。続いて、バージンポリエステルとして、テレフタル酸とEGを常法によってエステル化し、バージンポリエステルのオリゴマーを得る。得られたオリゴマーを低分子量化させたリサイクルポリエステルに添加し、溶融重合(再重合)を行う。このとき、アンチモン化合物等の重縮合触媒を添加し、常法により重縮合反応を行なうことが好ましい。
そして、ポリエステル中のリサイクルポリエステルの量を所望の量とするために、バージンオリゴマーの添加量を調整する。
このようにして得られたポリエステルAのチップと任意のバージンポリエステルのチップとを用い、これらを通常の複合型溶融紡糸装置に供給して溶融紡糸を行う。このとき、2000m/min以上の高速紡糸により、半未延伸糸として巻き取るPOY法、あるいは一旦2000m/min以上の高速紡糸又は2000m/min未満の低速紡糸で溶融紡糸し、一旦巻き取った糸条を別工程で延伸熱処理する方法、さらには、一旦巻き取ることなく、紡糸に連続して延伸を行う紡糸延伸法のいずれの方法を採用してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例において各種の値の測定及び評価は次の通りに行った。
(1)極限粘度
フェノールと四塩化エタンの質量比1/1の混合物を溶媒とし、20℃で測定した。
(2)操業性
16錘で24時間紡糸を行った時の切糸回数で評価し、○と△を合格基準とした。
0回:○、1〜2回: △、3回以上:×
(3)繊維の色調
前記の方法で測定した。
(4)染色斑
(4)の測定の際に得た筒編地を染色し、染色斑を目視で判定し、3段階で評価した。
○:良好
△:やや斑がある
×:斑の発生大
染色条件は、Terasil Nevy Blue SGL (ハ゛イエル社製原糸用染料)の2.0%owf 浴比 1:50の染液を用いて99℃で60分間、常法により染色した。
(5) 隠蔽性の評価
(4)の測定の際に得た筒編地(染色前)の隠蔽性を目視で判定し、3段階で評価した。
○:良好
△:やや透ける
×:透ける
(6) 捲縮回復応力
得られた複合繊維を外周1.125mの検尺機で5回かせ取りして2重にし、1/6830cN/dtexの加重を掛けて30分間放置した。次いで、荷重を掛けたままの状態で30分間沸水処理し、30分間乾燥したものを試料とした。この試料をオリエンテック社製万能引張試験機テンシロンRTC1210を用いて次のようにして測定した。まず、引張速度100mm/分、記録計のチャート速度を100mm/分に設定し、試料をセットした。次いで、(繊度×1.96)cNの応力が掛かる点まで試料を伸長させ、引き続き、同じ速度で回復させた。このとき、チャートの最大応力点(α)から垂線を降ろし、応力0gの線との交点(β)から45°の角度で応力曲線側に引いた線と回復応力曲線との交点(γ)での応力測定値sを読み取り(図4参照)、次の式で算出した。
捲縮回復応力(cN/dtex)=s(cN)/〔繊度(dtex)×20〕(7)ストレッチ性
得られた複合繊維を経糸と緯糸に用いて平織組織(経糸密度110本/2.54cm、緯糸密度84本/2.54cm)に製織して織物を得た。この織物のストレッチ性を触感で×、△、○、◎の4段階で評価し、◎と○を合格とした。
実施例1
リサイクルポリエステルとしてPETボトル屑(低分子に戻されずに再び成形するために回収されたフレーク状の樹脂)を用い、エチレングリコール(EG)をリサイクルポリエステルに対して15質量%添加して、温度250℃で2時間、微加圧下で解重合反応を行った。そして、解重合後には目開き20μmのフィルターで異物の除去を行った。解重合により分子量(数平均分子量)が約2000の低分子量体とした。
続いて、バージンポリエステルとして、テレフタル酸とEGのモル比を1:1.6として常法により温度250℃にてエステル化反応を行い、PETオリゴマーを得た。
そして得られたオリゴマーを、解重合により低分子量化したリサイクルポリエステルに添加し、溶融重合(再重合)を行った。このとき、低分子量化したリサイクルポリエステルとPETオリゴマーとを質量比60:40の比率で重縮合反応釜に投入した後、三酸化アンチモンを重縮合触媒として285℃にて常法により重縮合反応を行い、常法によりチップ化して複合繊維を構成する一成分(成分1)としてのポリエステルAを得た。
得られたポリエステルAは、極限粘度が0.64、リサイクルポリエステルの割合が60質量%のものであった。
複合繊維を構成する他成分(成分2)として、極限粘度が0.44のPET(バージンポリエステル)を用い、両成分のチップを常法により乾燥した後、複合繊維紡糸装置に供給し、295℃で溶融し、孔径0.25mmの紡糸孔24個が穿設された紡糸口金より両成分の質量比を1/1とし、サイドバイサイド型に貼り合わされるようにして複合紡糸を行った。紡糸された糸条束を空気流により冷却し、オイリング装置を通過させて0.5質量%の付着量となるように油剤を付与し、集束ガイドで集束し、交絡付与後、紡糸速度3500m/minのローラで引き取り、捲取機にて巻き取った。
得られた繊維(半未延伸糸)は160dtex/24fであり、毛羽、単糸切れによる欠点はなかった。次にこれを通常の延伸装置を用い、700 m/minの速度で倍率1.45倍、温度180℃で延伸し、図2に示すような断面形状を呈する110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例2
重縮合反応時間を調整し、ポリエステルAの極限粘度を0.44とし、成分2として極限粘度が0.64のPET(バージンポリエステル)を用いた以外は、実施例1と同様に行い110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例3
成分2として、重縮合反応時間を調整してポリエステルAの極限粘度を0.44としたものを用いた以外は、実施例1と同様に行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例4
再重合時のリサイクルポリエステルの低分子量体とバージンポリエステルオリゴマーの添加量を変更し、ポリエステルA中のリサイクルポリエステルの割合を80質量%とし、極限粘度0.64のポリエステルA及び極限粘度0.44のポリエステルAを得、これらを成分1と成分2に用いた以外は実施例1と同様に行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例5
リサイクルポリエステルを解重合後、バージンオリゴマーを添加せずに再重合を行った以外は実施例1と同様に行い、リサイクルポリエステル100%のポリエステルA(極限粘度0.44)を得た。成分2として極限粘度が0.64のPET(バージンポリエステル)を用いた以外は実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例6
実施例1で用いたポリエステルAを鞘成分に用い、極限粘度が0.64のPET(バージンポリエステル)を芯成分に用い、複合紡糸装置で芯鞘型複合繊維(芯鞘質量比:芯/鞘=4/6)とした以外は実施例1と同様に行い、図1に示すような断面形状を呈する110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例7
ポリエステルAは再重合時に酸化チタンを添加(酸化チタンとエチレングリコールのスラリーとして添加)して、酸化チタンの含有量が2質量%のポリエステルAとし、成分2として酸化チタンを2質量%含有するPET(バージンポリエステル)を用い、繊維中の酸化チタンの含有量を表1に示す値となるようにした以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
実施例8
ポリエステルAの再重合時に酸化チタンを添加(酸化チタンとエチレングリコールのスラリーとして添加)し、酸化チタン含有量が2質量%のポリエステルAとし、重縮合時間を変更して極限粘度0.64のポリエステルAと極限粘度0.44のポリエステルAを得、これらを成分1と成分2に用いた以外は実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
比較例1
実施例1で用いたPETボトル屑をそのまま溶融してフィルターで異物を除去した後、チップ化した極限粘度0.64のリサイクルポリエステル(PETボトル屑100%のもの)を成分1とし、極限粘度0.44のPET(バージンポリエステル)を成分2に用いた以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
比較例2
比較例1で成分1として用いたリサイクルポリエステルと、バージンポリエステルとして極限粘度0.64のPETを成分2として両者を、チップ段階で混合(質量比1/1)して溶融混練し、単一成分繊維を得る紡糸装置より溶融紡糸を行った以外は、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル繊維を得た。
比較例3
成分2として、酸化チタンを4.0質量%含有し、極限粘度が0.44のPET(バージンポリエステル)を用いた以外は、比較例1と同様にして複合紡糸、延伸を行い、110dtex/24fの再生ポリエステル複合繊維を得た。
Figure 2005206967
表1から明らかなように、実施例1〜8で得られた複合繊維は、色調に優れ、染色性、操業性も良好であった。中でも実施例1〜5、7〜8の複合繊維は、ストレッチ性も良好であり、また、実施例7〜8の複合繊維は隠蔽性も良好であった。
一方、比較例1、3の複合繊維は、解重合していないリサイクルポリエステルとバージンポリエステルを単に貼り合わせて複合した繊維であったため、比較例2の繊維は、解重合していないリサイクルポリエステルとバージンポリエステルを単に溶融混合した繊維であったため、色調が悪く、染色斑が生じ、操業性も悪かった。
本発明の再生ポリエステル複合繊維の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明の再生ポリエステル複合繊維の他の実施態様を示す断面模式図である。 本発明の再生ポリエステル複合繊維の他の実施態様を示す断面模式図である。 実施例における捲縮回復応力の測定方法を示す説明図である。

Claims (3)

  1. リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有するポリエステルAを少なくとも一成分とする複合繊維であって、ポリエステルAが繊維表面に露出しており、リサイクルポリエステルの含有量が繊維全体の30質量%以上であることを特徴とする再生ポリエステル複合繊維。
  2. 極限粘度の異なる2種類のポリエステル成分が、互いにサイドバイサイド型に複合された繊維であり、少なくとも一成分がポリエステルAである請求項1記載の再生ポリエステル複合繊維。
  3. 繊維の色相を示すL値が85以上、b値が5.0以下である請求項1又は2記載の再生ポリエステル複合繊維。
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