JP4418268B2 - 再生ポリエステル繊維 - Google Patents
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(1)リサイクルポリエステルを解重合して得た、分子量(数平均分子量)が1000〜4000の低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有する再生ポリエステルからなる繊維であって、リサイクルポリエステル由来の成分の含有量が繊維全体の30〜90質量%であり、繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下であることを特徴とする再生ポリエステル繊維。
(2)繊維中に酸化チタンを1.5〜10質量%含有する(1)記載の再生ポリエステル繊維。
(3)繊維中に有機蛍光増白顔料を0.02〜2.0質量%含有する(1)〜(2)のいずれかに記載の再生ポリエステル繊維。
本発明の再生ポリエステル繊維は、原料としてリサイクルポリエステルを使用するものであり、リサイクルポリエステルとしては、液体飲食品用PETボトルやフィルム、繊維などのペレット以外の形に成形された後、低分子に戻されずに再び成形するために回収された樹脂のことをいう。中でもPETボトルを回収したものが比較的品質がよいため好ましい。
(a)ポリエステルMのみからなる再生ポリエステル。
(b)ポリエステルMにバージンポリエステルをブレンドした再生ポリエステル。
(c)ポリエステルNのみからなる再生ポリエステル。
(d)ポリエステルNとバージンポリエステルをブレンドした再生ポリエステル。
(1)極限粘度
フェノールと四塩化エタンの質量比1/1の混合物を溶媒とし、20℃で測定した。
(2)強度、伸度
JIS L−1013に従い、島津製作所製の引張試験機AG-100Gを使用し、つかみ間隔500mmとし、引張速度500mm/minとして、糸が切断した時の値を測定した。
(3)操業性
16錘で24時間紡糸を行った時の切糸回数で評価し、○と△を合格基準とした。
0回:○、1〜2回: △、3回以上:×
(4)繊維の色調
前記の方法で測定した。
(5)染色斑
(4)の測定の際に得た筒編地を染色し、染色斑を目視で判定し、3段階で評価した。
○:良好
△:やや斑がある
×:斑の発生大
染色条件は、Terasil Nevy Blue SGL (ハ゛イエル社製原糸用染料)の2.0%omf 浴比1:50の染液を用いて99℃で60分間、常法により染色した。
(6) 隠蔽性の評価
(4)の測定の際に得た筒編地(染色前)の隠蔽性を目視で判定し、3段階で評価した。
○:良好
△:やや透ける
×:透ける
(7)耐汚染性
(4)の測定と同様に、得られた繊維を筒編みし、これをトリポリリン酸ナトリウム0.3g、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3g、使用済エンジンオイル0.5g及び粘度0.5gを蒸留水1リットルに溶解した汚染液中に入れ、50℃で60分間撹拌しながら、汚染処理を行った。この編地を流水ですすぎ、風乾したあと、家庭用自動洗濯機を使用し、第一工業製薬社製モノゲンを3g/リットルとなるように添加した洗濯液で、40℃で10分間洗濯した。洗濯すすぎ後、編地を風乾し、目視にて次の3段階で耐汚染性の評価を行った。
○:良好
△:やや汚れがある
×:汚れの発生大
(8)耐光性
(4)の測定と同様に、得られた繊維を筒編みし、筒編地を冷暗所に100日間保存したサンプルと、紫外線透過率が98%のパイレックス(登録商標)ガラス板をカバーとした暴露容器で100日間天日暴露したサンプルのグレースケール差をJIS L−0801の変退色の判定基準に準じて判定し、等級が1.5級以内のものを良好、1.5級を超えるものを不良と判定した。
リサイクルポリエステルとしてPETボトル屑(低分子に戻さずに再び成形するために回収した樹脂フレーク)を用い、エチレングリコール(EG)をリサイクルポリエステル100質量部に対して20質量部添加して、温度250℃で2時間、微加圧下で解重合反応を行った。そして、解重合後には目開き20μmのフィルターで異物の除去を行った。解重合により分子量(数平均分子量)が約2000の低分子量体とした。
別途、バージンポリエステルとして、テレフタル酸とEGのモル比を1:1.6として常法により温度250℃にてエステル化反応を行い、PETオリゴマーを得た。
そして得られたオリゴマー(バージンポリエステルオリゴマー)と上記の解重合により低分子量化したリサイクルポリエステルとを混合し、溶融重合(再重合)を行った。このとき、低分子量化したリサイクルポリエステルとPETオリゴマーとを質量比60:40の比率で重縮合反応釜に投入した後、三酸化アンチモンを重縮合触媒として285℃にて常法により重縮合反応を行なった。得られた再生ポリエステルは、リサイクルポリエステル由来の成分の割合が60質量%のものであり、この再生ポリエステルを常法により乾燥してチップ化した。
このチップ(極限粘度0.64)を295℃の押出機に供給し、紡糸装置に供給し、溶融紡糸を行った。紡糸口金としては孔径0.25mmの紡糸孔48個が穿設されたものを用いた。紡糸された糸条束を空気流により冷却し、オイリング装置を通過させて0.5質量%の付着量となるように油剤を付与し、集束ガイドで集束し、交絡付与後、紡糸速度3500m/minのローラで引き取り、捲取機にて巻き取った。
得られた繊維(半未延伸糸)は255dtex/48fであり、毛羽、単糸切れによる欠点はなかった。次にこれを通常の延伸装置を用い、700m/minの速度で倍率1.53倍、温度180℃で延伸し、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
再重合時の低分子量化したリサイクルポリエステルとバージンポリエステルオリゴマーの混合比を変更し、再生ポリエステル中のリサイクルポリエステル由来の成分の含有量を40質量%とした以外は実施例1と同様に行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
再重合時に酸化チタン(平均一次粒子径が0.2μ)を添加(酸化チタンとエチレングリコールからなるスラリーとして添加)し、繊維中の酸化チタンの含有量が表1に示す値となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
再重合時に酸化チタン(平均一次粒子径が0.2μ)を添加(酸化チタンとエチレングリコールからなるスラリーとして添加)し、繊維中の酸化チタンの含有量が表1に示す値となるようにした以外は、実施例2と同様に行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
リサイクルポリエステルを解重合後、バージンオリゴマーを添加しないこと以外は実施例1と同様にして再重合を行い、リサイクルポリエステル由来の成分100%のポリエステルを得、チップ化した。バージンポリエステルとして極限粘度0.64のPETチップを用い、両者のチップを溶融前に混合(リサイクルポリエステル由来の成分の含有量が60質量%となるように混合)して溶融混練し、紡糸を行った。その後、実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
リサイクルポリエステルを解重合後、再重合時に酸化チタン(平均一次粒子径が0.2μ)を添加し(酸化チタンとエチレングリコールからなるスラリーとして添加し)、繊維中の酸化チタンの含有量が表1に示す値となるようにした以外は、実施例9と同様に行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
実施例1で用いたPETボトル屑のリサイクルポリエステルとバージンポリエステルとして極限粘度0.64のPETを、チップ段階で混合(リサイクルポリエステルが60質量%となるように混合)して溶融混練し、フィルターで異物を取り除いた後、紡糸を行った以外は実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
リサイクルポリエステルを押出機Aに供給して溶融させ、フィルターで異物を取り除いた後、バージンポリエステルとして極限粘度0.64のPETを押出機Bに供給して溶融させ、両者をノズルパック内で混練(リサイクルポリエステルが60質量%となるように供給量を調整)して紡糸を行った以外は実施例1と同様に紡糸、延伸を行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
一方、比較例1、2の繊維は、リサイクルポリエステルとバージンポリエステルを単に溶融混合した繊維であったため、色調が悪く、染色斑が生じ、操業性も悪かった。
リサイクルポリエステルを解重合した低分子量体とPETオリゴマーの再重合時に酸化チタン(平均一次粒子径が0.2μ)を添加(酸化チタンとエチレングリコールからなるスラリーとして添加)し、繊維中の酸化チタンの含有量を表2に記載の値となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、再生ポリエステルチップを得た。そして、有機蛍光増白顔料として、2,2’-(1,2-エテンジイル)ビス(4,1-フェニレン)ビスベンゾオキサゾールを用い、再生ポリエステルチップを押出機に供給する際に、表2に示す繊維中の含有量となるように種々変更してこれらを添加した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
有機蛍光増白顔料を添加しなかった以外は、実施例11と同様にして紡糸、延伸を行い、167dtex/48fの再生ポリエステル繊維を得た。
Claims (3)
- リサイクルポリエステルを解重合して得た、分子量(数平均分子量)が1000〜4000の低分子量体を用いて再重合してなるポリエステルを含有する再生ポリエステルからなる繊維であって、リサイクルポリエステル由来の成分の含有量が繊維全体の30〜90質量%であり、繊維の色調を示すL値が85以上、b値が5.0以下であることを特徴とする再生ポリエステル繊維。
- 繊維中に酸化チタンを1.5〜10質量%含有する請求項1記載の再生ポリエステル繊維。
- 繊維中に有機蛍光増白顔料を0.02〜2.0質量%含有する請求項1〜2のいずれかに記載の再生ポリエステル繊維。
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