JPWO2004092583A1 - 斜板式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
成形作業を難易化させることなく、シューとシューポケット間の潤滑性を向上させる。駆動軸に固定され該駆動軸と共に回転する斜板、斜板に摺動自在に当接するシュー31、圧縮室を画成するボア内に摺動自在に配されるピストン13、ピストン13と一体に形成されシュー31と互いに摺動自在に嵌合するシューポケット36を有して構成される斜板式圧縮機において、シューポケット36の開口部の縁端に面取部41を形成する。シューポケット36の凹状部40を一定の曲率をもって形成すると共に、シュー31の凸状部32を2以上の異なった曲率をもって形成する。凹状部40と面取部41との接点46が、凸状部32と凹状部40とが接触する帯状の範囲45内にあるように設計する。
Description
本発明は、冷凍サイクル等に用いられる斜板式圧縮機に関し、特に斜板とピストンの連結部分における構造に関するものである。
斜板式圧縮機の斜板とピストンとの連結部分の構成に係る従来の技術として、シューのボール受凹部を、該ボール受凹部の深さ方向における中間位置でのみボールと接触し、該接触位置より下方では前記ボールとの間に密閉された油溜空所を形成し、前記接触位置より上方では前記ボールとの間に外部に開放した細隙を形成するように構成するとともに、該シューの円周壁から前記油溜空所に向かって貫通する通孔を穿設したものがある(実開昭54−38913号参照)。これにより、油溜空所や細隙に潤滑油が供給されやすくなり、摺動部の潤滑性が向上するとされている。
また、他の例としては、半球状凸部を備えたシューにおいて、該シューの軸線からそれと直行する方向に所定寸法だけずらした位置に中心を位置させて描いた円弧を、上記軸線を回転中心として回転させてできる回転体の凸面によってピストンに形成された半球状凹部と摺動する半球状凸部面を形成したものがある(特開2001−248547号参照)。これにより、シューの頂部側の半球状凸部と半球状凹部との間に間隙ができ、ここに潤滑油が供給されやすくなり、摺動部の潤滑性が向上するとされている。
上記実開昭54−38913号に記載の技術は、該文献1の第2図〜4が示すように、真球形状のボールに対して、ボール受凹部に所定の曲率変化を施すことによって、ボールとボール受凹部との間に隙間(油溜空所、細隙)が形成されるようにしたものである。また、上記特開2001−248547号に記載の技術においては、潤滑油が留まる空隙を形成するために、シューと半球状凹部との両方に所定の曲率変化を与えている。上記ボール受凹部や半球状凹部に相当するシューポケットは、その成形作業が難しいものであり、これに上記従来技術のように曲率変化を与えて成形するためには、技術的又コスト的な負担が大きくなるという不具合がある。
そこで、本発明は、成形作業を難易化させることなく、シューとシューポケット間の潤滑性を向上させることを課題とするものである。
また、他の例としては、半球状凸部を備えたシューにおいて、該シューの軸線からそれと直行する方向に所定寸法だけずらした位置に中心を位置させて描いた円弧を、上記軸線を回転中心として回転させてできる回転体の凸面によってピストンに形成された半球状凹部と摺動する半球状凸部面を形成したものがある(特開2001−248547号参照)。これにより、シューの頂部側の半球状凸部と半球状凹部との間に間隙ができ、ここに潤滑油が供給されやすくなり、摺動部の潤滑性が向上するとされている。
上記実開昭54−38913号に記載の技術は、該文献1の第2図〜4が示すように、真球形状のボールに対して、ボール受凹部に所定の曲率変化を施すことによって、ボールとボール受凹部との間に隙間(油溜空所、細隙)が形成されるようにしたものである。また、上記特開2001−248547号に記載の技術においては、潤滑油が留まる空隙を形成するために、シューと半球状凹部との両方に所定の曲率変化を与えている。上記ボール受凹部や半球状凹部に相当するシューポケットは、その成形作業が難しいものであり、これに上記従来技術のように曲率変化を与えて成形するためには、技術的又コスト的な負担が大きくなるという不具合がある。
そこで、本発明は、成形作業を難易化させることなく、シューとシューポケット間の潤滑性を向上させることを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動軸に固定され該駆動軸と共に回転する斜板、前記斜板に摺動自在に当接するシュー、圧縮室を画成するボア内に摺動自在に配されるピストン、前記ピストンと一体に形成され前記シューと摺動自在に嵌合するシューポケットを有して構成される斜板式圧縮機において、前記シューポケットの開口部の縁端に、面取部が形成されているものである。
これによれば、シューポケットに形成された面取部から潤滑油が取り込まれやすくなるので、シューポケットとシューとの間に潤滑油が十分に供給されるようになり、摺動性や耐摩耗性が向上する。また、シューポケットの成形加工時において、シューポケット縁端に面取を施すことに難易性はなく、更にこの面取部を形成することによって、シューポケット縁端にバリが形成されにくくなるという利点も生ずる。
また、前記シューポケットを構成する部分のうち前記シューを受け入れる凹状部は、一定の曲率をもって形成されると共に、前記シューを構成する部分のうち前記凹状部と対面する凸状部は、異なった2以上の曲率をもって形成され、前記面取部と前記凹状部との接点が、前記凸状部と前記凹状部とが接触する部分の範囲内にあるようになされていることが好ましい。
本構成においては、シューの凸状部は2種以上の曲率をもって形成されるのに対し、シューポケットの凹状部は一定の曲率をもって(真球状に)形成される。この両者の形状的特徴の相違により、シューとシューポケットとは、それらの嵌合時に全範囲にわたって密接した状態とはならず、斜板の回転に伴ってシューがシューポケット内を摺動する際のシューのシューポケットとの接触部は、帯状となる。本構成は、この帯状の範囲内に、シューポケットの凹状部と面取部との接点(接線)を位置させるものであり、これにより面取部による潤滑油の取り込み作用をより効果的に発揮せしめるものである。
また、前記面取部を、前記凹状部の曲率よりも小さく且つ一定の曲率を有する曲面から形成するとよい。
この構成においては、シューポケットの加工時には、先ず凹状部を所定の曲率半径を有する真球形状をもって所定の深さまで切削し、次いでこの凹状部よりも小さな曲率(大きな半径)を有する真球形状をもって、凹状部の開口部の縁端に面取りを施せばよい。これにより、成形作業は容易となる。
しかし、前記面取部の形状は、上記に限られるものではなく、異なった2以上の曲率を有する曲面からなるものであっても、また平面からなるものであっても、その有利な効果を得ることができる。
また、前記凹状部と面取部の接点において、前記凹状部の接線と前記面取部の接線(面)とのなす角度が45°以下であることが好ましい。
これにより、前記面取部により画成される空隙に、潤滑油が良好に保持されるようになるので、より効果的に潤滑性が向上される。
これによれば、シューポケットに形成された面取部から潤滑油が取り込まれやすくなるので、シューポケットとシューとの間に潤滑油が十分に供給されるようになり、摺動性や耐摩耗性が向上する。また、シューポケットの成形加工時において、シューポケット縁端に面取を施すことに難易性はなく、更にこの面取部を形成することによって、シューポケット縁端にバリが形成されにくくなるという利点も生ずる。
また、前記シューポケットを構成する部分のうち前記シューを受け入れる凹状部は、一定の曲率をもって形成されると共に、前記シューを構成する部分のうち前記凹状部と対面する凸状部は、異なった2以上の曲率をもって形成され、前記面取部と前記凹状部との接点が、前記凸状部と前記凹状部とが接触する部分の範囲内にあるようになされていることが好ましい。
本構成においては、シューの凸状部は2種以上の曲率をもって形成されるのに対し、シューポケットの凹状部は一定の曲率をもって(真球状に)形成される。この両者の形状的特徴の相違により、シューとシューポケットとは、それらの嵌合時に全範囲にわたって密接した状態とはならず、斜板の回転に伴ってシューがシューポケット内を摺動する際のシューのシューポケットとの接触部は、帯状となる。本構成は、この帯状の範囲内に、シューポケットの凹状部と面取部との接点(接線)を位置させるものであり、これにより面取部による潤滑油の取り込み作用をより効果的に発揮せしめるものである。
また、前記面取部を、前記凹状部の曲率よりも小さく且つ一定の曲率を有する曲面から形成するとよい。
この構成においては、シューポケットの加工時には、先ず凹状部を所定の曲率半径を有する真球形状をもって所定の深さまで切削し、次いでこの凹状部よりも小さな曲率(大きな半径)を有する真球形状をもって、凹状部の開口部の縁端に面取りを施せばよい。これにより、成形作業は容易となる。
しかし、前記面取部の形状は、上記に限られるものではなく、異なった2以上の曲率を有する曲面からなるものであっても、また平面からなるものであっても、その有利な効果を得ることができる。
また、前記凹状部と面取部の接点において、前記凹状部の接線と前記面取部の接線(面)とのなす角度が45°以下であることが好ましい。
これにより、前記面取部により画成される空隙に、潤滑油が良好に保持されるようになるので、より効果的に潤滑性が向上される。
第1図は、本発明に係る斜板式圧縮機の構造を示す断面図である。第2図は、シューとシューポケットとの連結状態を示す一部拡大図である。第3図は、シューの形状的特徴を示す図である。第4図は、第1の実施の形態におけるシューポケットの形状的特徴を示す図である。第5図は、シューのシューポケット内での摺動状態を示す図である。第6図は、第1の実施の形態における面取部の形状的特徴を示す図である。第7図は、第2の実施の形態における面取部の形状的特徴を示す図である。第8図は、第1の実施の形態における面取部の形状的特徴を示す図である。
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態を説明する。第1図に示す本実施の形態に係る斜板式圧縮機1は、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルにおいて用いられ、フロント側シリンダブロック(以下、フロントブロック)2、リア側シリンダブロック3、フロント側シリンダヘッド(以下、フロントヘッド)4、リア側シリンダヘッド(以下、リアヘッド)5、弁版6、吸入弁7、吐出弁8、ガスケット9,10、駆動軸11、斜板機構12、ピストン13等を具備して構成されている。
フロントブロック2及びリアブロック3は互いに連結され、フロントブロック2のフロント側(図中、左側)にはフロントヘッド4が、またリアブロック3のリア側(図中、右側)にはリアヘッド5が、両シリンダブロック2,3の端面を封止するようにボルト(図示省略)により固定されている。フロントブロック2とフロントヘッド4との間、またリアブロック3とリアヘッド5との間には、それぞれシリンダブロック2,3側から順に、ガスケット9、吸入弁7、弁板6、吐出弁8、ガスケット10が挟持されている。
駆動軸11は、エンジンやモータ等による駆動力を伝達するものであり、フロントヘッド4、フロントブロック2、及びリアブロック3に穿設された軸受孔15に挿通され、回転自在に支持されている。フロントブロック2及びリアブロック3には、駆動軸11を中心とする円周上に等間隔に複数(例:5つ)のボア16が穿設されており、各ボア16内には、両頭型のピストン13が摺動自在に配置されている。これらのピストン13は、後述する斜板機構12と連結しており、往復動可能になされている。これにより、ボア16内には、ピストン13の移動によって体積が変化する圧縮室17が画成される。
フロントヘッド4及びリアヘッド5内には、吸入室20及び吐出室21が画成されている。吸入室20は、隔壁22によってシリンダヘッド4,5の中心側に画成され、その内部には、冷凍サイクルの低圧ラインからの冷媒が所定の通路によって導かれ、この導かれた冷媒は、開放状態となった吸入弁7、及び弁板6、吐出弁8、ガスケット9,10に穿設された吸気ポート(図示せず)を通り、圧縮室17内に吸入される。吐出室22は、前記隔壁22及び外壁23によって吸入室25の外側に画成され、所定の通路によって冷凍サイクルの高圧ラインと連通している。圧縮室17において圧縮された冷媒は、開放状態となった吐出弁8、及び弁板6、吸入弁7、ガスケット9,10に穿設された吐出ポート(図示せず)を通り、吐出室21内に吐出される。
前記斜板機構12は、斜板30及びシュー31を有して構成されている。斜板30は、略円盤状の部材であり、その中心部に設けられた軸固定部34によって、前記駆動軸11に、該駆動軸11に対して直角以外の角度をなすように固定されている。シュー31は、凸状部32と平面部33とを有する略半球状の部材であり、前記斜板30の縁端近傍部に、平面部33が斜板30と対面するように、且つ斜板30の回転に対して摺動自在に固定されており、斜板30の回転に伴って前後(図中左右)方向に変移する。
また、前記ピストン13は、第1図及び第2図に示すように、その内部に画成された中空部35のシリンダヘッド4,5側の内壁に、それぞれ凹形状に形成されたシューポケット36を有しており、このシューポケット36に、前記シュー31が摺動自在に嵌合されることによって、往復動するようになされている。
前記シュー31の凸状部32は、第3図に示すように、異なった2種以上の曲率を有して構成されており、凸状部32の頂点P1における曲率とそれ以外の点P2における曲率とが異なっている。この実施の形態においては、点P1における曲率半径をR1、点P2における曲率半径をR2とすると、R1>R2の関係が成り立つように設計されている。
また、前記シューポケット36は、第4図に示すように、凹状部40と面取部41とから構成されている。凹状部40は、前記シュー31の凸状部32を摺動自在に受け入れる部分であり、その曲率が単一の曲率円S1によって与えられるものである。面取部41は、前記凹状部40の開口部の縁端に形成されており、第1の実施の形態においては、前記曲率円S1よりも曲率半径の大きい曲率円S2によって与えられる曲率を有している。前記曲率円S1の半径をr1、前記曲率円S2の半径をr2とすると、r2/r1≒1.1の関係が成り立つことが望ましい。
上述のように、シュー31の凸状部32は複数の曲率を有すると共に、シューポケット36の凹状部40は単一の曲率を有することから、第5図に示すように、運転時(ピストン13の往復動時)におけるシュー31とシューポケット36との接触部45は、帯状となる。そして、本構成においては、第6図に示すように、前記凹状部40と面取部41との接点46が、前記帯状の接触部45の範囲内に設けられていると共に、該接点46における凹状部40の接線aと面取部41の接線bとのなす角度αが、45°以下となるように設定されている。
以上により、本構成においては、シューポケット36(凹状部40)の開口部の縁端に面取部41を形成したことにより、シュー31とシューポケット36の間に潤滑油が取り込まれやすくなるので、これらの間における摺動性、耐摩耗性を向上させることができる。また、シュー31の凸状部32の曲率と、シューポケット36の凹状部40の曲率とを異ならせることにより、第5図に示すように、シュー31とシューポケット36との間に空隙48が形成され、この空隙48に潤滑油が留まりやすくなり、このことも潤滑性を向上させる要因となる。また、シュー31とシューポケット36の曲率を異ならせることに起因して、シュー31とシューポケット36との接触部45が帯状となるが、前記面取部41が常に該接触部45の帯状の範囲内にあるように設計されていることにより、面取部41による潤滑油の取り込み作用は効果的に発揮される。更に、前記面取部41を形成することにより、成形時にバリがでないという利点も生ずる。
以下、本発明の他の実施の形態について図面を参考にして説明するが、上記第1の実施の形態と同一又は同様の個所については同一の符号を付してその説明を省略する。
第7図に示すのは、第2の実施の形態におけるシューポケット36の形状であり、この実施の形態においては、シューポケット36の面取部50が、複数の異なった曲率を有する曲面からなっており、例えば任意の2点P3,P4における曲率は異なっている。このような構成によっても、上記第1の実施の形態と同様に、成形性を大きく損なうことなく、潤滑性を向上させることができる。
第8図に示すのは、第3の実施の形態におけるシューポケット36の形状であり、この実施の形態においては、シューポケット36の面取部55が、平面になっており、また前記接点46における凹状部40の接線bと前記面取部55とのなす角度βが、45°以下となるように設計されている。このような構造によっても、上記第1及び2の実施の形態と同様に、成形性を大きく損なうことなく、潤滑性を向上させることができる。
フロントブロック2及びリアブロック3は互いに連結され、フロントブロック2のフロント側(図中、左側)にはフロントヘッド4が、またリアブロック3のリア側(図中、右側)にはリアヘッド5が、両シリンダブロック2,3の端面を封止するようにボルト(図示省略)により固定されている。フロントブロック2とフロントヘッド4との間、またリアブロック3とリアヘッド5との間には、それぞれシリンダブロック2,3側から順に、ガスケット9、吸入弁7、弁板6、吐出弁8、ガスケット10が挟持されている。
駆動軸11は、エンジンやモータ等による駆動力を伝達するものであり、フロントヘッド4、フロントブロック2、及びリアブロック3に穿設された軸受孔15に挿通され、回転自在に支持されている。フロントブロック2及びリアブロック3には、駆動軸11を中心とする円周上に等間隔に複数(例:5つ)のボア16が穿設されており、各ボア16内には、両頭型のピストン13が摺動自在に配置されている。これらのピストン13は、後述する斜板機構12と連結しており、往復動可能になされている。これにより、ボア16内には、ピストン13の移動によって体積が変化する圧縮室17が画成される。
フロントヘッド4及びリアヘッド5内には、吸入室20及び吐出室21が画成されている。吸入室20は、隔壁22によってシリンダヘッド4,5の中心側に画成され、その内部には、冷凍サイクルの低圧ラインからの冷媒が所定の通路によって導かれ、この導かれた冷媒は、開放状態となった吸入弁7、及び弁板6、吐出弁8、ガスケット9,10に穿設された吸気ポート(図示せず)を通り、圧縮室17内に吸入される。吐出室22は、前記隔壁22及び外壁23によって吸入室25の外側に画成され、所定の通路によって冷凍サイクルの高圧ラインと連通している。圧縮室17において圧縮された冷媒は、開放状態となった吐出弁8、及び弁板6、吸入弁7、ガスケット9,10に穿設された吐出ポート(図示せず)を通り、吐出室21内に吐出される。
前記斜板機構12は、斜板30及びシュー31を有して構成されている。斜板30は、略円盤状の部材であり、その中心部に設けられた軸固定部34によって、前記駆動軸11に、該駆動軸11に対して直角以外の角度をなすように固定されている。シュー31は、凸状部32と平面部33とを有する略半球状の部材であり、前記斜板30の縁端近傍部に、平面部33が斜板30と対面するように、且つ斜板30の回転に対して摺動自在に固定されており、斜板30の回転に伴って前後(図中左右)方向に変移する。
また、前記ピストン13は、第1図及び第2図に示すように、その内部に画成された中空部35のシリンダヘッド4,5側の内壁に、それぞれ凹形状に形成されたシューポケット36を有しており、このシューポケット36に、前記シュー31が摺動自在に嵌合されることによって、往復動するようになされている。
前記シュー31の凸状部32は、第3図に示すように、異なった2種以上の曲率を有して構成されており、凸状部32の頂点P1における曲率とそれ以外の点P2における曲率とが異なっている。この実施の形態においては、点P1における曲率半径をR1、点P2における曲率半径をR2とすると、R1>R2の関係が成り立つように設計されている。
また、前記シューポケット36は、第4図に示すように、凹状部40と面取部41とから構成されている。凹状部40は、前記シュー31の凸状部32を摺動自在に受け入れる部分であり、その曲率が単一の曲率円S1によって与えられるものである。面取部41は、前記凹状部40の開口部の縁端に形成されており、第1の実施の形態においては、前記曲率円S1よりも曲率半径の大きい曲率円S2によって与えられる曲率を有している。前記曲率円S1の半径をr1、前記曲率円S2の半径をr2とすると、r2/r1≒1.1の関係が成り立つことが望ましい。
上述のように、シュー31の凸状部32は複数の曲率を有すると共に、シューポケット36の凹状部40は単一の曲率を有することから、第5図に示すように、運転時(ピストン13の往復動時)におけるシュー31とシューポケット36との接触部45は、帯状となる。そして、本構成においては、第6図に示すように、前記凹状部40と面取部41との接点46が、前記帯状の接触部45の範囲内に設けられていると共に、該接点46における凹状部40の接線aと面取部41の接線bとのなす角度αが、45°以下となるように設定されている。
以上により、本構成においては、シューポケット36(凹状部40)の開口部の縁端に面取部41を形成したことにより、シュー31とシューポケット36の間に潤滑油が取り込まれやすくなるので、これらの間における摺動性、耐摩耗性を向上させることができる。また、シュー31の凸状部32の曲率と、シューポケット36の凹状部40の曲率とを異ならせることにより、第5図に示すように、シュー31とシューポケット36との間に空隙48が形成され、この空隙48に潤滑油が留まりやすくなり、このことも潤滑性を向上させる要因となる。また、シュー31とシューポケット36の曲率を異ならせることに起因して、シュー31とシューポケット36との接触部45が帯状となるが、前記面取部41が常に該接触部45の帯状の範囲内にあるように設計されていることにより、面取部41による潤滑油の取り込み作用は効果的に発揮される。更に、前記面取部41を形成することにより、成形時にバリがでないという利点も生ずる。
以下、本発明の他の実施の形態について図面を参考にして説明するが、上記第1の実施の形態と同一又は同様の個所については同一の符号を付してその説明を省略する。
第7図に示すのは、第2の実施の形態におけるシューポケット36の形状であり、この実施の形態においては、シューポケット36の面取部50が、複数の異なった曲率を有する曲面からなっており、例えば任意の2点P3,P4における曲率は異なっている。このような構成によっても、上記第1の実施の形態と同様に、成形性を大きく損なうことなく、潤滑性を向上させることができる。
第8図に示すのは、第3の実施の形態におけるシューポケット36の形状であり、この実施の形態においては、シューポケット36の面取部55が、平面になっており、また前記接点46における凹状部40の接線bと前記面取部55とのなす角度βが、45°以下となるように設計されている。このような構造によっても、上記第1及び2の実施の形態と同様に、成形性を大きく損なうことなく、潤滑性を向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、シューポケットの開口部の縁端に面取りがなされていることにより、成形作業を困難にすることなく潤滑性を向上させることができる。また、シューとシューポケットの形状的特徴、及びシューポケットの凹状部と面取部との接点の配置により、面取部による潤滑油の取り込み作用を効果的に発揮させることができる。
Claims (7)
- 駆動軸に固定され該駆動軸と共に回転する斜板、前記斜板に摺動自在に当接するシュー、圧縮室を画成するボア内に摺動自在に配されるピストン、前記ピストンと一体に形成され前記シューと摺動自在に嵌合するシューポケットを有して構成される斜板式圧縮機において、
前記シューポケットの開口部の縁端に、面取部が形成されていることを特徴とする斜板式圧縮機。 - 前記シューポケットを構成する部分のうち前記シューを受け入れる凹状部は、一定の曲率をもって形成されると共に、前記シューを構成する部分のうち前記凹状部と対面する凸状部は、異なった2以上の曲率をもって形成され、
前記面取部と前記凹状部との接点が、前記凸状部と前記凹状部とが接触する部分の範囲内にあるようになされていることを特徴とする請求項1記載の斜板式圧縮機。 - 前記面取部は、前記凹状部の曲率よりも小さく且つ一定の曲率を有する曲面からなることを特徴とする請求項2記載の斜板式圧縮機。
- 前記面取部は、異なった2以上の曲率を有する曲面からなることを特徴とする請求項2記載の斜板式圧縮機。
- 前記面取部は、平面からなることを特徴とする請求項2記載の斜板式圧縮機。
- 前記接点において、前記凹状部の接線と前記面取部の接線とのなす角度が45°以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の斜板式圧縮機。
- 前記接点において、前記凹状部の接線と前記面取部とのなす角度が45°以下であることを特徴とする請求項5記載の斜板式圧縮機。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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