JPH075259Y2 - 斜板式圧縮機におけるピストンとシューの係合構造 - Google Patents

斜板式圧縮機におけるピストンとシューの係合構造

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JPH075259Y2
JPH075259Y2 JP1986101012U JP10101286U JPH075259Y2 JP H075259 Y2 JPH075259 Y2 JP H075259Y2 JP 1986101012 U JP1986101012 U JP 1986101012U JP 10101286 U JP10101286 U JP 10101286U JP H075259 Y2 JPH075259 Y2 JP H075259Y2
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勇人 池田
充 長谷川
浩 小野村
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株式会社豊田自動織機製作所
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    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 (産業上の利用分野) この考案は斜板式圧縮機におけるピストンとシューとの
係合構造に関するものである。
(従来の技術) 従来、斜板式圧縮機においては、第6図に示すように斜
板5の斜面5aとピストン10に形成した半球状凹部10bと
の間に半球状のシュー11を介在させていた。
(考案が解決しようとする問題点) ところが、上記従来の半球状シュー11とピストン10との
係合構造は、半球状シュー11の球径が半球状凹部10bの
球径と同一に形成されているので、両者の摺動面間のク
リアランスが殆どなく、従って斜板室S内の冷媒ガス中
に含まれる潤滑油が前記クリアランスに進入しにくく、
潤滑性が低下する。その結果前記摺動面の摩耗、特に係
合凹部10bのエッジ部10dでの摩耗が促進され、前記クリ
アランスが増大し、ひいてはシューとピストンの衝突に
より異音が発生するという問題があった。
考案の構成 (問題点を解決するための手段) この考案は上記問題点を解決するため、シリンダブロッ
クに支持された回転軸に斜板を固定し、該シリンダブロ
ック内に往復摺動可能に収容したピストンと前記斜板と
の間に半球状のシューを介在させ、前記斜板の回転によ
りピストンを往復動させて圧縮を行うようにした斜板式
圧縮機において、前記ピストンに形成したシュー係合用
の半球状凹部の球径を前記シューの球径よりも20〜150
μm大きくして該半球状凹部入口にクリアランスを形成
するとともに、シュー頂部に平面部を形成するという手
段を採っている。
(作用) 半球状のシューとピストンに形成した半球状凹部とのク
リアランスに適度の微小空隙が形成され、そこに斜板室
内の冷媒ガスが進入し、このガスに含まれる潤滑油によ
りシューとピストンとの摺動面の潤滑が効率よく行わ
れ、摺動面の摩耗やシューとピストンの衝突による異音
の発生が抑制される。
(実施例) 以下、本考案を具体化した一実施例を第1図〜第5図に
基づいて説明する。
第5図に示すように対接された一対のシリンダブロック
1の中心部に回転軸2がベアリング3,4により回転可能
に支持されている。該回転軸2には斜板5が嵌合されピ
ン6により固定されている。該斜板5の軸筒部前後両端
面とシリンダブロック1との間にはスラストベアリング
7,8が介在されている。シリンダブロック1には通常120
度の等間隔にそれぞれシリンダボア9が形成され、各シ
リンダボア9内にはピストン10が摺動自在に嵌合されて
いる。各ピストン10の中央部には斜板5が通過する嵌合
凹部10aが形成され、該斜板5の斜面5aには半球状のシ
ュー11の平面部11aが摺接され、半球面部11bは前記ピス
トン10の嵌合凹部10aの垂立壁面に凹設したシュー係合
用の半球状凹部10bに嵌合されている。そして前記斜板
5が斜板室S内において回転されると、ピストン10が前
後方向に往復動されるようになっている。
前記シリンダブロック1の前端面にはフロントバルブプ
レート12を介してフロントハンジング13が嵌合され、後
端面にはリヤバルブプレート14を介してリヤハウジング
15が接合されている。
第1図に示すように前記半球状凹部10bの球径R1は、半
球状シュー11の球径R2よりも若干長く(20〜150μm)
形成され、両者のクリアランスCが圧縮機の停止状態に
おいて、第1図に示すように外側ほど大きくする断面楔
状となるようにしている。又、前記半球状シュー11の頂
部には平面部11cが切り欠き形成され、該平面部11cと前
記半球状凹部10bの頂面との間に空隙16が形成されるよ
うにしている。すなわちシュー頂部とピストン半球状凹
部の頂部とは、斜板室Sより一番遠いため潤滑され難
く、したがって両者の当たりを回避させることが望まし
い。また形成された空隙16が油溜りの役目を果し好都合
となる。
次に、前記のように構成した斜板式圧縮期のシューとピ
ストンの接合構造について、その作用を説明する。
今、回転軸2により斜板5が回転されると、ピストン10
が往復動され、圧縮動作が行われる。この圧縮工程にお
いては、半球状シュー11は第2図に示すようにピストン
10を軸線方向(P矢印参照)へ押圧するとともに、斜板
5の回転方向(Q矢印参照)にも押圧されるので、両者
の合成力により半球面部11bの一部が半球状凹部10bに対
し第3図に切欠いた小円で示すように部分的に接触し、
それ以外の部分においてはシュー11とピストン10とのク
リアランスCが大きくなって前記空隙16と斜板室Sとが
連通される。このため半球状凹部10bと半球状シュー11b
との間には冷媒ガスが自由に進入するので、両者の摺動
面の潤滑が円滑に行われ、摺動面の摩耗が抑制される。
そして空隙16に潤滑油が溜められる。なお、第3図に示
す切欠小円の摺動面は斜板5とシュー11が相対移動可能
であるため、半球状凹部10b上を徐々に移動するため、
局部摩耗の心配はない。
ところで、前記半球状凹部10bとシュー11との球径R1,R2
の寸法差を種々変更してピストン10と半径状凹部10bの
摩耗試験を行なったところ、第4図に示すような結果を
得た。このグラフによれば、前述したように寸法差が役
20μm〜15μmの範囲内で前記半球状凹部10bの摩耗量
が低減することが判明した。
半球状凹部10bへ半球状シュー11が係合する場合、両者
がほぼ同形状で接することが面圧の点から円滑に摺動し
好ましいのであるが、製作上難しく、何よりも潤滑油の
引込みに難点がある。シュー11の径が半球状凹部10bの
径に比してかなり小さい場合には、両者は点接触に近づ
いて荷重が集中して面圧が高くなる。一般に半球状凹部
10bは高い面圧により損傷しがちである。第4図におい
て、凹部10bとシュー11との寸法差が150μmを越えてか
ら急速に摩耗量がふえているのは以上の理由によるもの
である。
一方、凹部10bとシュー11の寸法差が小さいほど、第4
図に示すように摩耗量が多いが、これは極小クリアラン
スによる潤滑油の引込み不良によるものである。半球状
凹部10bと半球状シュー11の製作誤差による緊密係合を
避けるためにも、20μm以上の寸法差である必要があ
る。半球状シュー11が凹部10a内を円滑に作動できるの
は、ある幅をもって両者が接触し、したがって荷重の集
中を避けるとともに、接触領域周りへの潤滑油の流入も
促されるためである。特に一般にアルミ材である半球状
凹部10bは半球状シュー11との接触領域では弾性変形す
ることにより、面圧が下がり好ましい。第4図におい
て、寸法差20μm〜150μmの範囲での摩耗量が小さい
のは以上の理由によるものである。
考案の効果 以上詳述したように本考案は、シューとピストンとの摺
動面の潤滑作用を向上することができるとともに、摺動
面の摩耗を防止して耐久性を高め、シューとピストンの
クリアランスの増大による衝突音を制御することができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案を具体化した一実施例を示す要部の断
面図、第2図は同じく要部の作用状態を示す断面図、第
3図は第2図のA-A線断面図、第4図はシューとピスト
ンの半球状凹部との球径の寸法差と、半球状凹部の摩耗
量の関係を示すグラフ、第5図は斜板式圧縮機の中央部
縦断面図、第6図は従来の斜板とピストンの接合構造を
示す断面図である。 シリンダブロック1、回転軸2、斜板5、シリンダボア
9、ピストン10、半球状凹部10b、凹所10c、半球状シュ
ー11、半球面部11b、平面部11c、空隙16、シュー11の球
径R1、半球状凹部10bの球径R2。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小野村 浩 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−135990(JP,A) 特開 昭49−65509(JP,A) 特開 昭56−138474(JP,A)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロックに支持された回転軸に斜
    板を固定し、該シリンダブロック内に往復摺動可能に収
    容したピストンと前記斜板との間に半球状のシューを介
    在させ、前記斜板の回転によりピストンを往復動させて
    圧縮を行うようにした斜板式圧縮機において、前記ピス
    トンに形成したシュー係合用の半球状凹部の球径を前記
    シューの球径よりも20〜150μm大きくして該半球状凹
    部入口にクリアランスを形成するとともに、シュー頂部
    に平面部を形成するようにした斜板式圧縮機におけるピ
    ストンとシューの係合構造。
JP1986101012U 1986-07-01 1986-07-01 斜板式圧縮機におけるピストンとシューの係合構造 Expired - Lifetime JPH075259Y2 (ja)

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