JPWO2004075321A1 - 燃料電池用電極およびこれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況の中で、リチウムイオン電池に変えて、エネルギー密度が大きい燃料電池を電子機器の電源として用いることにより、携帯型の電子機器の連続使用期間が大幅に向上することが期待されている。
燃料電池は、燃料極および酸化剤極(以下、これらを「触媒電極」とも呼ぶ。)と、これらの間に設けられた電解質から構成され、燃料極には燃料が、酸化剤極には酸化剤が供給されて電気化学反応により発電する。燃料としては、一般的には水素が用いられるが、近年、安価で取り扱いの容易なメタノールを原料として、メタノールを改質して水素を生成させるメタノール改質型や、メタノールを燃料として直接利用する直接型の燃料電池の開発も盛んに行われている。
燃料として水素を用いた場合、燃料極での反応は以下の式(1)のようになる。
3H2 → 6H+ + 6e− (1)
燃料としてメタノールを用いた場合、燃料極での反応は以下の式(2)のようになる。
CH3OH + H2O → 6H+ + CO2 + 6e− (2)
また、いずれの場合も、酸化剤極での反応は以下の式(3)のようになる。
3/2O2 + 6H+ + 6e− → 3H2O (3)
特に、直接型の燃料電池では、メタノール水溶液から水素イオンを得ることができるので、改質器等が不要になり、携帯型の電子機器へ適用することの利点が大きい。また、液体のメタノール水溶液を燃料とするため、エネルギー密度が非常に高いという特徴がある。
直接メタノール型燃料電池を携帯電話やノートパソコン等の携帯機器用電源に応用するためには、電池の小型・軽量化が重要である。ところが、従来の携帯機器用燃料電池の発電素子である単位セルの基本構造は、触媒電極と固体電解質膜からなる触媒電極−固体電解質膜接合体の外側に、炭素製の多孔質ガス拡散層を設け、さらにその外側に集電電極を設けた構造が一般的であった。この場合、セルが最低でも集電電極/ガス拡散層/触媒電極−固体電解質膜接合体/ガス拡散層/集電電極の5層構造となるため、構造が複雑であった。
さらに、炭素製のガス拡散層と金属製の集電電極との良好な電気的コンタクトを実現するために、金属製集電電極にはある程度の厚さが必要となるので、セルを薄型化することが難しく、軽量化も困難であった。
そこで、炭素製のガス拡散層をより抵抗の低い多孔質金属系のガス拡散層に置き換えることによって、発電効率を向上させた燃料電池セルが開発された。この場合には、二種類の構造のセルが提案されている。ひとつは特許文献1のように、カーボンの多孔体に代えて発泡金属をガス拡散層に用い、かつ、従来と同様にバルク金属製の集電電極を用いるものである。この場合には、電気的コンタクトの問題は軽減されるものの、構造的には依然として複雑である。
もう一つの構造は、特許文献2のように、ニッケル発泡体等の多孔質金属材料をガス拡散層ないし集電体として用いるものである。この場合には、ガス拡散層と集電体をかねることによって、セルの薄型化および小型化が可能となる。ところが、この場合にも、触媒層と集電体層との間に耐食層としてカーボン層を設ける必要があった。このため、この場合にも構造が複雑となっていた。また、カーボン層の部分と多孔質金属との界面の接触抵抗が高かった。
また、これらの上記文献で用いられているニッケル発泡体等の発泡金属は、粒子状の金属が接合された構成であるため、シート状とした際に面内抵抗が比較的高い部材であった。また、製造プロセスの要因により、面内抵抗がばらつくことがあった。このため、発電特性の面でも改良の余地があった。
一方、特許文献3には、多孔質の構造を有するシートを用いた燃料電池が記載されている。しかし同文献の具体的な開示はPAN系炭素繊維からなるシートを用いた燃料電池にとどまっていた。炭素繊維は上述の炭素製ガス拡散層同様、電気抵抗が比較的高い。このため、燃料電池の性能の向上には一定の限界があった。また、金属製の集電電極を用いる必要があるため、小型、軽量化も困難であった。
また、特許文献4には、SUS等の金属繊維を用いた電気化学デバイスが記載されており、その具体的な例として、ガスセンサ、精製装置、電解層、および燃料電池が示されている。しかし、同文献の実施例には、電気分解により水素を発生させる例については開示されているものの、実際に電池として動作する燃料電池の構成は記載されていない。特に、触媒で発生したプロトンを固体電解質膜へ移動させる手段が記載されておらず、実際に動作する燃料電池の具体的開示はない。
特許文献1 特開平6−5289号公報
特許文献2 特開平6−223836号公報
特許文献3 特開2000−299113号公報
特許文献4 特開平6−267555号公報
本発明によれば、金属繊維シートと、該金属繊維シートと電気的に接続する触媒とを備え、金属織維シートは、SiまたはAlの少なくとも1種の金属と、Feと、Crと、を構成元素として含む合金からなり、合金中のCrの含有量が5重量%以上30重量%以下であり、合金中のSiおよびAlの含有量の合計が3重量%以上10重量%以下であることを特徴とする燃料電池用電極が提供される。
燃料電池の電極は、良好な導電性を有するとともに耐酸性等の耐久性に優れることが要求される。本発明に係る電極は、上記した特定の組成を有する合金からなる金属繊維シートにより構成されているため、こうした特性のバランスに優れる。特に、合金組成としてSiまたはAlを含み、その含有量の合計が3重量%以上10重量%以下であるため、耐久性に優れ、長期使用時においても良好な導電性が安定的に実現される。
本発明において、金属繊維シートとは、一本以上の金属繊維がシート状に成形されたものをいう。一種類の金属繊維から構成されていてもよいし、二種類以上の金属繊維を含んでいてもよい。この金属繊維シートは、従来、電極材料として用いられているカーボンペーパーに比べて電気抵抗が一桁以上小さい。また、金属細線が接合したシートであるため、従来用いられていた発泡金属等の粒子状金属が接合した多孔質金属材料に比べて面内抵抗が小さく、そのばらつきも小さい。さらに、本発明の金属繊維シートは、耐酸性や機械的強度、また気体や水溶液の透過性にすぐれた材料である。このため、集電特性にすぐれた燃料電池用電極として好適に用いることができ、燃料電池の出力特性や耐久性を向上させることができる。
なお、本発明に係る燃料電池用電極において、触媒は金属繊維シートと電気的に接続されていれば接続の仕方に特に制限はない。金属繊維シートの表面に直接担持されていてもよいし、触媒担持炭素粒子などの担持材料を介して接続していてもよい。また、金属繊維シートの表面に導電性の被覆層が形成されており、この被覆層を介して触媒が担持されていてもよい。
また、本発明の燃料電池用電極は集電特性にすぐれるため、これを用いることにより集電部材を電極の外側に設けて締結する必要がない。このため、燃料電池を小型軽量化、薄型化することができる。
本発明において、金属繊維シートの空隙率は、たとえば20%以上80%以下である構成とすることができる。また、金属繊維の平均線径(直径)は20〜100μmとすることができる。こうすることにより、金属シート中に適度な空隙が形成され燃料の供給や排水が円滑に行われる。また、空隙部分にプロトン導電体を適度に配することができ、良好なプロトン導電性を得ることができる。
本発明の燃料電池用電極において、金属繊維シートは、一方の面の空隙率が、他方の面の空隙率よりも大きい構成とすることができる。こうすることにより、金属繊維シートにおける気体の透過性と電子の移動性をともに好適に確保することができる。このため、燃料電池への燃料または酸化剤の供給、電気化学反応により生じる二酸化炭素等の排出、または集電特性を向上させることができる。
本発明の燃料電池用電極において、金属繊維シートは、金属繊維の焼結体であってもよい。焼結体とすることにより、金属細線同士がより一層確実に接合されるため、接触抵抗を低下させ、電極特性を向上させることができる。
本発明の燃料電池用電極において、触媒は、金属繊維シートを構成する金属繊維の表面に担持されていてもよい。従来の燃料電池においては、炭素粒子を介して触媒と金属細線とが接続されていたが、本発明の構成とすることにより、炭素粒子と触媒との間の接触抵抗、および金属細線と炭素粒子との間の接触抵抗が生じなくなり、電子の移動性が向上される。
なお、本発明においては金属繊維シートの表面に導電性の被覆層が形成されていてもよく、この場合も被覆層を介して触媒が金属細線の表面に直接担持されているものとする。また、金属繊維シートの表面に、触媒を担持した炭素粒子を含む触媒層が形成されていてもよい。
本発明の燃料電池用電極において、金属繊維シートを構成する金属繊維の表面に、触媒のめっき層が形成されている構成とすることができる。こうすることにより、簡便かつ確実に所望の触媒を多孔質金属シート表面に担持させることができる。
本発明の燃料電池用電極において、金属繊維シートを構成する金属繊維が、粗面化された表面を有することができる。こうすることにより、金属繊維シートの比表面積を増加させることができる。このため、触媒の担持量が増加し、電極特性を向上させることができる。
なお、本発明において、表面が粗面化されている構成とは、金属繊維シートを構成する金属細線の表面が粗面化された構成を指す。
本発明の燃料電池用電極において、触媒に接するプロトン導電体をさらに備えていてもよい。こうすることにより、電極、燃料、および電解質のいわゆる三相界面を確実かつ充分に形成することができる。このため、電極特性を向上させることができる。本発明の燃料電池用電極において、プロトン導電体が、イオン交換樹脂であってもよい。こうすることにより、充分なプロトン導電性を確実に付与することができる。
本発明の燃料電池用電極において、金属繊維シートの少なくとも一部が疎水処理されていてもよい。こうすることにより、親水性の表面を有する金属繊維シートに疎水領域が形成される。このため、金属繊維シートからの水分の排出が促進される。よって、フラッディングが抑制され、燃料電池の出力を向上させることができる。特に、酸化剤極として用いることにより、電気化学反応により生じる水をさらに効率よく排出し、気体の透過経路を確保することができる。
本発明によれば、燃料極、酸化剤極、および燃料極と酸化剤極とで挟持された固体電解質膜を含み、燃料極または酸化剤極の少なくとも一方が上記の構成を有する燃料電池用電極であることを特徴とする燃料電池が提供される。
本発明に係る燃料電池は、上述の構成を有する燃料電池用電極を備えている。このため、高い出力を安定的に発揮させることができる。また、集電部材を用いる必要がないため、構成および製造プロセスを簡素化することができ、また小型軽量化、薄型化が可能である。
本発明の燃料電池において、集電体を具備しない構成とすることもできる。これにより、燃料電池の小型化、薄膜化、軽量化を図ることができる上、電極を構成する部材間の接触抵抗を低減できる。たとえば、燃料電池用電極が燃料極を構成し、燃料が燃料電池用電極の表面に直接供給されてもよい。燃料が燃料電池用電極の表面に直接供給されるとは、燃料極に、エンドプレート等の集電部材を介さずに燃料が供給される態様をいう。燃料が直接供給される具体的構成としては、たとえば、燃料極の多孔質金属シートに接して燃料容器や燃料供給部が設けられていたりする構成があげられる。なお、多孔質金属シートが板状である場合、表面に適宜貫通孔や、ストライプ状の導入路などを設けてもよい。こうすることにより、燃料を金属繊維シート表面から電極全体により一層効率よく供給することができる。
また、本発明の燃料電池において、燃料電池用電極が酸化剤極を構成し、酸化剤が燃料電池用電極の表面に直接供給されてもよい。ここで、酸化剤が直接供給されるとは、酸化剤極の表面に、エンドプレート等を介さずに空気や酸素などの酸化剤が直接供給されることをいう。
以上説明したように、本発明によれば、金属繊維シートを電極基材として用いることにより、燃料電池を小型軽量化することができる。また、本発明によれば、燃料電池の出力特性を向上させることができる。また、本発明によれば、燃料電池の製造プロセスを簡素化することができる。
図1は、本実施形態における金属繊維シートの構造を模式的に示す図である。
図2は、金属細線製造装置の構成を示す図である。
図3は、図2の金属細線製造装置のF3−F3方向の断面を示す図である。
図4は、燃料電池の燃料極および固体電解質膜の構成を模式的に示す断面図である。
図5は、本実施形態に係る燃料電池の単セル構造を模式的に示した断面図である。
図6は、図5の燃料電池の燃料極および固体電解質膜の構成を模式的に示す断面図である。
図7は、従来の燃料電池の燃料極および固体電解質膜の構成を模式的に示す断面図である。
図8は、本実施形態に係る燃料電池の構成を示す図である。
(金属繊維シートおよびその製法)
図1は、本実施形態に係る金属繊維シート1の構成を示す図である。金属繊維シート1は、図1に示したように、金属細線2が互いに絡み合うように圧縮成形されており、多孔質の板状となっている。なお、図1では、矩形の金属繊維シート1が描かれているが、金属繊維シート1の形状は矩形に限らず、後述する方法により所望の形状に成形可能である。
金属繊維シート1を構成する金属細線2の線径φは、10μm以上100μm以下とすることが好ましい。10μm以上とすることにより、金属細線2の強度が好適に確保される。また、100μm以下とすることにより、金属繊維シート1に加工する際の加工性が好適に確保され、また好適な微細孔を有する金属繊維シート1を形成することができる。好ましくは、金属細線2のφを30μm以上80μm以下とすることができる。こうすることにより、金属細線2から得られた金属繊維シート1を、電子、燃料、および水の移動経路がいずれも好適に確保された材料として燃料電池に適用することができる。
なお、線径の算出方法として、たとえば、10点の断面の長径(R)の平均値を算出し、これを平均線径とする方法が挙げられる。
金属繊維シート1は、一本以上の金属繊維がシート状に成形されたものであり、織布であってもよいし、不織シートであってもよい。一種類の金属細線2から構成されていてもよいし、二種類以上の金属細線2を混合して用いてもよい。また、金属細線以外の材料を混合して形成してもよい。
金属細線2は、Feと、Crと、SiまたはAlの少なくとも1種の金属とを構成元素として含む合金からなる。合金中のCrの含有量は5重量%以上30重量%以下であり、合金中のSiおよびAlの含有量の合計は3重量%以上10重量%以下である。残部はFe、各種添加元素及び不可避不純物により構成される。このような組成とすることにより燃料電池に適用するのに充分な強度や耐酸性、導電性が付与される。
上記のように、合金中のCrの含有量は5重量%以上30重量%以下である。Crの含有量が5重量%未満の場合は、燃料電池に適用するのに充分な耐酸性が得られない。また、Crの含有量が30重量%を超える場合は、細線が脆くなり、燃料電池に適用するのに充分な強度が得られない。
また、合金中のSiおよびAlの含有量の合計は3重量%以上10重量%以下である。こうすることによって、金属繊維シート1の強度や耐酸性、耐久性を顕著に向上させることができる。
また、金属細線2には3〜30重量%のNiを含有させてもよい。これにより、さらに金属繊維シート1の強度、耐久性を向上させることができる。
ここで、金属繊維シート1は上記した強度や耐久性に優れるといった特徴を有するので、電極との間に別途カーボン層を設ける必要がない。また、金属繊維シート1の抵抗は炭素材料に比べて一桁以上導電性が高い。さらにまた、金属繊維シートは微細孔を有するため、メタノールなどの燃料や空気などのガスの拡散性に優れている。したがって、金属繊維シート1はガス拡散層と集電電極を兼ねることができる。
金属繊維シート1の厚さに特に制限はないが、燃料電池用電極として用いられる場合、たとえば1mm以下とすることができる。1mm以下とすることによって、燃料電池を薄型化、小型軽量化することができる。また、厚さ0.5mm以下とすることによりさらに小型軽量化することができ、携帯機器に対してさらに好適に用いることができる。たとえば、厚さ0.1mm以下とすることもできる。
また、金属繊維シート1の空隙幅は、たとえば1mm以下とすることができる。こうすることにより、燃料電池用電極とした際に、良好な燃料液体および燃料気体の拡散を確保することができる。
また、金属繊維シート1の空隙率は、たとえば20%以上80%以下とすることができる。20%以上とすることにより、燃料液体および燃料気体の良好な拡散を維持することができる。また、80%以下とすることにより、良好な集電作用を維持することができる。また、金属繊維シート1の空隙率は、たとえば30%以上60%以下とすることができる。こうすると、さらに燃料液体および燃料気体の良好な拡散を維持し、かつ良好な集電作用を維持することができる。なお、空隙率はたとえば金属繊維シート1の重量、体積、および繊維の比重から算出することができる。
次に、金属細線2およびこれを用いた金属繊維シート1の作製方法について詳細に説明する。
金属細線2の製造方法に特に制限はないが、たとえば図2に示される構成の金属細線製造装置10を用いて効率よく製造される。金属細線製造装置10は、密閉可能なチャンバ11を有する装置本体12、装置本体12に付属する材料供給機構13および細線回収部14などを備えた構成である。
装置本体12の筐体を構成するチャンバ11の内部には、筒状のホルダ21、高周波誘導コイル22、冷却器(不図示)、および円板24などが設けられている。ホルダ21は、棒状の原料金属20をほぼ垂直な姿勢で保持するための材料保持手段として機能する。高周波誘導コイル22は、原料金属20の上端部を溶融させることによって溶融金属20aを形成する加熱手段として機能する。冷却器(不図示)には、たとえば水冷ジャケット等を用いる。また、円板24は、水平方向に延びる軸23を中心として一定の方向(図2中に矢印Rで示す方向)に回転駆動されるように構成されている。
円板24は、たとえば銅または銅合金のように熱伝導率の高い金属、あるいはモリブデンやタングステン等の高融点材料からなり、溶融金属20aに対して上方から接触させられる周縁25を有している。円板24の直径はたとえば20cmとすることができる。図2に示すように、円板24を正面方向から見て、周縁25は真円形をなしている。
図3は、図2の金属細線製造装置のF3−F3方向の断面を示す図である。図3に示すように円板24を側面方向から見て、円板24の周縁25は円板24の全周にわたってV状に鋭く尖ったエッジをなしている。
また、チャンバ11には、開閉弁30や真空ポンプ等を備えた排気機構あるいは不活性ガス供給機構等の無酸化雰囲気発生装置31が付属している。これらによって、チャンバ11の内部を真空雰囲気(正確には減圧雰囲気)もしくは不活性ガス等の無酸化雰囲気に保つことができるようになっている。
ホルダ21によって保持された原料金属20の上端部を囲むような位置には、高周波誘導コイル22が設けられている。この高周波誘導コイル22には、図3に示した電流制御部35を介して高周波発生装置36が接続されている。また、溶融金属20aの温度を非接触で検出するための放射温度計37が設けられている。放射温度計37は、電流制御部35を介して高周波発生装置36に電気的に接続されている。なお、高周波誘導コイル22の上端と円板24との間を10mm以上離すとよい。こうすることにより、円板24が高周波加熱の影響を受けないようにすることができる。
ホルダ21の材料は、たとえばセラミックス等の耐熱材料とする。ホルダ21は、直棒状で円形の断面を有する原料金属20がその横方向(径方向)に移動しないように動き止めをなす機能を担っている。ホルダ21の内径は、原料金属20の露出部分の振動を抑えるべくφ10mm以下とし、ホルダ21の上端と円板24との間の距離は5mm以下にするとよい。ホルダ21の下側には、棒状の押上げ部材38が設けられている。また、チャンバ11の底壁11aに対する押上げ部材38の貫通箇所を密封するためにシール部39が設けられている。
材料供給機構13は、シリンダ機構等のアクチュエータ40によって、原料金属20を所望の速度で円板24の周縁25に向けて押上げるようになっている。また、アクチュエータ40には、流体の圧力を用いるシリンダ機構の代りに、電動モータやボールねじ、直線移動ガイド部材などを組み合わせた直動機構を採用してもよい。シリンダ機構の分解能は、たとえば1/6mms−1以上とすることができる。
また、図3に示されるように、チャンバ11には、円板24を高速で回転させるための回転駆動機構50が設けられている。回転駆動機構50には、たとえばチャンバ11の外部に設けたモータ51と、モータ51によって駆動される回転軸52と、チャンバ11の側壁11bに対する回転軸52の貫通箇所を密封するシール部53とが備えられている。シール部53は、たとえば磁性流体を用いた磁性流体シールとすることができる。
モータ51は、円板24をたとえば1分間に数千回転程度で回転させ、円板24の周縁25を溶融金属20aに接触させることにより、溶融金属20aの一部を円板24の接線方向に飛ばすとともに急冷して金属細線2を形成するようにしている。
以上の構成を有する金属細線製造装置10において、少なくともホルダ21と高周波誘導コイル22と円板24はチャンバ11に収容される。そして、金属細線2の製造を不活性ガス雰囲気中で行うことにより、溶融した原料金属20を細線化する際に金属細線2を効率的に冷却することができるようにしている。このとき、チャンバ11の内部を、原料金属20と金属細線2の酸化を防止すべく真空(たとえば10−3〜10−4Torr)にしたのち、Ar等の不活性ガスをチャンバ11内に導入する。
次に、上記金属細線製造装置10の作用について説明する。円板24が回転駆動機構50によって所定の周速度、たとえば周速20m/sで回転させられる。ホルダ21によって保持された、たとえば外径φ6mmの直棒状の原料金属20が、円板24に向けて材料供給機構13によって、たとえば0.5mm/s程度の速度で徐々に押上げられ、原料金属20の上端部が高周波誘導コイル22の位置まで移動する。原料金属20の上端部が高周波誘導コイル22によって加熱され、原料金属20の上端に溶融金属20aが形成される。そして材料供給機構13によって原料金属20を所定の速度、たとえば0.5mm/s程度で円板24の周縁25に向かって移動させる。このときの材料供給速度は、製造すべき金属細線2が所望の線径となるよう、円板24の回転周速度などに応じて設定されている。
溶融金属20aの温度は放射温度計37によって常時検出されていて、溶融金属20aの温度検出信号が高周波発生装置36にフィードバックされることにより、高周波発生装置36の出力が調整されて、溶融金属20aの温度が一定に保たれる。
円板24の鋭利なエッジをなす周縁25に接触した溶融金属20aは、円板24の回転に伴って急冷されて固化しつつ、たとえば線径20μm〜100μmの金属細線2となって連続的に円板24の接線方向に飛び、細線回収部14に導入される。そして材料供給機構13は、溶融金属20aの減少に伴い、原料金属20を徐々に押上げ、円板24の周縁25と溶融金属20aとの接触状態が常に一定となるようにアクチュエータ40を制御する。
ここで、原料金属20を押上げる速度は、円板24の回転速度との関係で決まり、たとえば円板24の回転周速度が20m/s程度のときは、押上げ速度は1mm/s以下が望ましい。こうすることにより、溶融金属20aが円板24に接触した際に飛散せず、確実に細線化することができる。
以上のようにして、金属細線2が得られる。得られた金属細線2の断面は円形に近く、円板24や溶融金属20aの状態に応じてある程度変化する。このように、金属細線製造装置10を用いれば、たとえば100μm以下の所望の線径を有する金属細線2を、能率良く製造することができる。金属細線製造装置10を用いた方法では、伸線加工を施さないため、材料の延性あるいはじん性もしくは加工性に影響されることなく金属細線2を得ることができる。
なお、金属細線2は、前述した製造方法に限らず、たとえば融液押出法、回転液中法、ジェット急冷法、ガラス被覆溶融紡糸法などの溶融紡糸法や、旋削法、ワイヤ切削法、びびり振動切削法などの切削法、ウィスカ、コーティング法などによっても製造することができる。加工段数や熱処理回数が増えるが、単線引抜き法や集束引抜き法などの線引き加工法などによって製造してもよい。
次に、得られた金属細線2を用いて金属繊維シート1を作製する方法について説明する。金属繊維シート1は、所定の長さに切断された金属細線2を綿状に集積し、必要に応じて圧縮成形することにより得ることができる。このような方法として、たとえば金属細線2から綿状のウェブすなわち不織布状の金属細線集合体を形成し、これを数十枚積層して圧縮焼結する方法や、針を用いて綿状のウェブを圧縮するニードルパンチ加工を用いる方法などが挙げられる。
(第一の実施形態)
本実施形態は、前述の方法により得られた金属繊維シート1を用いた燃料電池に関する。
図5は本実施形態に係る燃料電池の単セル構造を模式的に示した断面図である。図5には、燃料電池100が単数の単セル構造101を有する場合が示されているが、複数の単セル構造101を有していてもよい。各単セル構造101は、燃料極102、酸化剤極108および固体電解質膜114から構成される。単セル構造101が、燃料極側セパレータ120および酸化剤極側セパレータ122を介して電気的に接続され、燃料電池100が形成される。
燃料極102および酸化剤極108は、触媒層106、触媒層112を基体104、基体110上に形成した構成となっている。触媒層106および触媒層112は、たとえば、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質の微粒子とを含むことができる。
基体104および基体110として、前述の金属繊維シート1を用いる。このとき、線径φが80μm以下の金属細線2からなる金属繊維シート1を用いることが好ましい。金属繊維シート1は、従来用いられているカーボンペーパー等の炭素材料に比べて電気抵抗が一桁小さく、導電性も良好である。なお、基体104と基体110とは、同じ組成の金属繊維シート1としても、異なる組成としてもよい。
燃料極102の触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムなどが例示され、これらを単独または二種類以上組み合わせて用いることができる。一方、酸化剤極108の触媒としては、燃料極102の触媒と同様のものが用いることができ、上記例示物質を使用することができる。なお、燃料極102および酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるものを用いてもよい。
触媒を担持する炭素粒子としては、アセチレンブラック(デンカブラック(電気化学社製:登録商標)、XC72(Vulcan社製)など)、ケッチェンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。炭素粒子の粒径は、たとえば、0.01μm以上0.1μm以下、好ましくは0.02μm以上0.06μm以下とする。
本実施形態の触媒電極の構成成分である固体高分子電解質は、触媒電極表面において、触媒を担持した炭素粒子と固体電解質膜114を電気的に接続するとともに触媒表面に有機液体燃料を到達させる役割を有しており、プロトン導電性が要求され、さらに、燃料極102においてはメタノール等の有機液体燃料透過性が求められ、酸化剤極108においては酸素透過性が求められる。固体高分子電解質としてはこうした要求を満たすために、プロトン導電性や、メタノール等の有機液体燃料透過性にすぐれる材料が好ましく用いられる。具体的には、スルホン基、リン酸基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、具体的には、フッ素樹脂骨格およびプロトン酸基を有するフッ素含有高分子などを用いることができる。また、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド等を用いることができる。また、メタノール等の液体燃料のクロスオーバーを低減する観点からは、ポリマーとして、フッ素を含まない炭化水素系の材料を用いることができる。さらに、基体のポリマーとして、芳香族を含むポリマーを用いることもできる。
また、プロトン酸基が結合する対象の基体のポリマーとしては、
ポリベンゾイミダゾール誘導体、ポリベンゾオキサゾール誘導体、ポリエチレンイミン架橋体、ポリサイラミン誘導体、ポリジエチルアミノエチルスチレン等のアミン置換ポリスチレン、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート等の窒素置換ポリアクリレート等の窒素または水酸基を有する樹脂;
シラノール含有ポリシロキサン、ポリヒドロキシエチルメタクリレートに代表される水酸基含有ポリアクリル樹脂;
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)に代表される水酸基含有ポリスチレン樹脂;
等を用いることもできる。
また、上に例示したポリマーに対して、適宜、架橋性の置換基、たとえば、
ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入したものを用いることもできる。また、これらの置換基が架橋されたものを用いることもできる。
具体的には、第一の固体高分子電解質150または第二の固体高分子電解質151として、たとえば、
スルホン化ポリエーテルケトン;
スルホン化ポリエーテルエーテルケトン;
スルホン化ポリエーテルスルホン;
スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン;
スルホン化ポリスルホン;
スルホン化ポリスルフィド;
スルホン化ポリフェニレン;
スルホン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルホン化ポリベンゾイミダゾール等の芳香族含有高分子;
スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン;
スルホアルキル化ポリエーテルスルホン;
スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン;
スルホアルキル化ポリスルホン;
スルホアルキル化ポリスルフィド;
スルホアルキル化ポリフェニレン;
スルホン酸基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)等);
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜(旭硝子社製)等);
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルホン酸からなるフッ素含有高分子等の共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
等を用いることができる。また、芳香族ポリエーテルエーテルケトンや芳香族ポリエーテルケトンを用いることもできる。
これらのうち、イオン伝導性等の観点からは、スルホン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)など)、カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜(旭硝子社製)など)などが好ましく用いられる。
燃料極102および酸化剤極108における上記の固体高分子電解質は、同一のものであっても異なるものであってもよい。
固体電解質膜114は、燃料極102と酸化剤極108を隔てるとともに、両者の間で水素イオンを移動させる役割を有する。このため、固体電解質膜114は、プロトン導電性が高い膜であることが好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が高いことが好ましい。
固体電解質膜114を構成する材料としては、たとえば、スルホン酸基、スルホアルキル基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基、カルボキシル基、スルホンイミド基等のプロトン酸基を含むものを用いることができる。このようなプロトン酸基が結合する対象の基体のポリマーとしては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド等の膜を用いることができる。また、メタノール等の液体燃料のクロスオーバーを低減する観点からは、ポリマーとしては、フッ素を含まない炭化水素系の膜を用いることができる。さらに、基体のポリマーとして、芳香族を含むポリマーを用いることもできる。
また、プロトン酸基が結合する対象の基体のポリマーとしては、
ポリベンゾイミダゾール誘導体、ポリベンゾオキサゾール誘導体、ポリエチレンイミン架橋体、ポリサイラミン誘導体、ポリジエチルアミノエチルスチレン等のアミン置換ポリスチレン、ポリジエチルアミノエチルメタクリレート等の窒素置換ポリアクリレート等の窒素または水酸基を有する樹脂;
シラノール含有ポリシロキサン、ポリヒドロキシエチルメタクリレートに代表される水酸基含有ポリアクリル樹脂;
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)に代表される水酸基含有ポリスチレン樹脂;
等を用いることもできる。
また、上記したポリマーに対して、適宜、架橋性の置換基、たとえば、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入したものを用いることもできる。また、これらの置換基が架橋されたものを用いることもできる。
具体的には、固体電解質膜114として、たとえば、
スルホン化ポリエーテルエーテルケトン;
スルホン化ポリエーテルスルホン;
スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン;
スルホン化ポリスルホン;
スルホン化ポリスルフィド;
スルホン化ポリフェニレン;
スルホン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルホン化ポリベンゾイミダゾール等の芳香族含有高分子;
スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン;
スルホアルキル化ポリエーテルスルホン;
スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン;
スルホアルキル化ポリスルホン;
スルホアルキル化ポリスルフィド;
スルホアルキル化ポリフェニレン;
スルホン酸基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)等);
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜(旭硝子社製)等);
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルホン酸からなるフッ素含有高分子等の共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
等を用いることができる。また、芳香族ポリエーテルエーテルケトンまたは芳香族ポリエーテルケトンを用いることもできる。
なお、本実施形態において、クロスオーバー抑制の観点からは、固体電解質膜114および第一の固体高分子電解質150または第二の固体高分子電解質151を、いずれも、有機液体燃料の透過性の低い材料を用いることが好ましい。たとえば、スルホン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルホン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族縮合系高分子により構成することが好ましい。また、固体電解質膜114および第二の固体高分子電解質151は、たとえばメタノールによる膨潤性が50%以下、より望ましくは20%以下(70vol%MeOH水溶液に対する膨潤性)とするのがよい。こうすることにより、特に良好な界面密着性およびプロトン伝導性が得られる。
また、燃料電池100に用いる燃料124として、たとえばメタノールなどの液体燃料が挙げられ、これを直接供給することもできる。また、たとえば水素を用いることもできる。また、天然ガス、ナフサなどを燃料とする改質水素を用いることもできる。また、酸化剤126としては、たとえば酸素、空気などを用いることができる。
次に、本実施形態に係る燃料電池用電極および燃料電池100の作製方法は特に制限がないが、たとえば以下のようにして作製することができる。
上述の方法により金属繊維シート1を作製し、所定の大きさにカットすることにより基体104および基体110を得る。燃料極102および酸化剤極108の触媒の炭素粒子への担持は、一般的に用いられている含浸法によって行うことができる。触媒を担持させた炭素粒子と固体高分子電解質を溶媒に分散させ、ペースト状とした後、これを基体に塗布、乾燥させることによって燃料極102および酸化剤極108を得ることができる。ここで、炭素粒子の粒径は、たとえば0.01μm以上0.1μm以下とする。触媒粒子の粒径は、たとえば1nm以上10nm以下とする。また、固体高分子電解質粒子の粒径は、たとえば0.05μm以上1μm以下とする。炭素粒子と固体高分子電解質粒子とは、たとえば、重量比で2:1〜40:1の範囲で用いられる。また、ペースト中の水と溶質との重量比は、たとえば、1:2〜10:1程度とする。
基体104および基体110へのペーストの塗布方法については特に制限がないが、たとえば、刷毛塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を用いることができる。ペーストは、たとえば約1μm以上2mm以下の厚さで塗布される。ペーストを塗布した後、使用するフッ素樹脂に応じた加熱温度および加熱時間で加熱し、燃料極102または酸化剤極108が作製される。加熱温度および加熱時間は、用いる材料によって適宜に選択されるが、たとえば、加熱温度100℃以上250℃以下、加熱時間30秒以上30分以下とすることができる。
なお、基体104または基体110の表面は疎水処理してもよい。特に、酸化剤極108については、基体110を構成する金属細線2の孔中に撥水性物質を付着させる等の方法により疎水性の領域を作製すると好ましい。金属細線2の表面は親水性であるから、その一部に疎水性の領域をつくることにより、気体と水の移動経路がともに好適に確保される。このため、酸化剤極108における電極反応で生成した水分を効率よく排出するとともに、酸化剤126の供給を効率よく行うことが可能となる。
基体104または基体110の表面を疎水処理する方法として、たとえば、ポリエチレン、パラフィン、ポリジメチルシロキサン、PTFE、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリレート)(FMA)、ボリフォスファゼンなどの疎水性物質の溶液または懸濁液に基体104または基体110を浸漬あるいは接触させ、孔に撥水性樹脂を付着させる方法を用いることができる。特に、PTFE、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリレート)(FMA)、ボリフォスファゼンなどの撥水性の高い物質を用いることにより、疎水性領域を好適に形成することができる。
また、PTFE、PFA、FEP、フッ化ピッチ、ボリフォスファゼンなどの疎水性材料を粉砕し、溶媒に懸濁させたものを塗布することもできる。塗布液は、疎水性材料と、金属あるいは炭素などの導電性物質の混合懸濁液とすることもできる。また、塗布液は、撥水性を有する導電繊維、たとえばドリーマロン(ニッセン社製:登録商標)など、を粉砕し、溶媒に懸濁させたものとすることもできる。このように、導電性かつ撥水性の物質を用いることにより、電池出力をさらに高めることができる。
また、金属あるいは炭素などの導電性物質を粉砕し、これに上記の疎水性材料をコーティングしたものを懸濁し、塗布することもできる。塗布方法には特に制限はないが、たとえば、刷毛塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を用いることができる。塗布量を調節すれば、基体104または基体110の一部に疎水性領域を形成することができる。また基体104または基体110の一方の面にのみ塗布を行えば、親水面と疎水面とを有する基体104または基体110が得られる。
また、基体104または基体110の表面に、プラズマ法により疎水基を導入してもよい。こうすることにより、疎水部の厚みを所望の厚みに調節することができる。たとえば、基体104または基体110の表面に、CF4プラズマ処理を行うことができる。
固体電解質膜114は、用いる材料に応じて適宜な方法を採用して作製することができる。たとえば固体電解質膜114を有機高分子材料で構成する場合、有機高分子材料を溶媒に溶解ないし分散した液体を、ポリテトラフルオロエチレン等の剥離性シート等の上にキャストして乾燥させることにより得ることができる。
得られた固体電解質膜を、燃料極102および酸化剤極108で挟み、ホットプレスし、触媒電極−固体電解質膜接合体を得る。このとき、両電極の触媒が設けられた面と固体電解質膜とが接するようにする。ホットプレスの条件は、材料に応じて選択されるが、固体電解質膜や電極表面の固体高分子電解質を軟化点やガラス転移のある有機高分子で構成する場合、これらの高分子の軟化温度やガラス転移位温度を超える温度とすることができる。具体的には、たとえば、温度100℃以上250℃以下、圧力1kg/cm2以上100kg/cm2以下、時間10秒以上300秒以下とする。得られた触媒電極−固体電解質膜接合体が、図5の単セル構造101となる。
本実施形態に係る燃料電池100は、軽量小型かつ高出力であるため、携帯電話等の携帯機器用の燃料電池としても好適に用いることができる。
(第二の実施形態)
本実施形態は、第一の実施形態に記載の単セル構造101を用い、エンドプレートを設けない構成の燃料電池に関する。図8は、本実施形態に係る燃料電池の構成を示す図である。
図8の燃料電池においては、燃料極側セパレータ120や酸化剤極側セパレータ122を用いずに、基体104および基体110がガス拡散層と集電電極とをかねた構成となっている。基体104および基体110にはそれぞれ燃料極側端子447および酸化剤極側端子449が設けられている。基体104および基体110に炭素材料に比べて一桁以上導電性が高い金属繊維シート1を用いているため、バルク金属性の集電部材を設けなくても、効率よく集電を行うことができる。
このような構成にすれば、燃料電池100の小型軽量化、薄型化が可能となり、また、製造プロセスを簡素化することができる。さらに、基体104と燃料極側セパレータ120との間、あるいは基体110と酸化剤極側セパレータ122との間の接触抵抗が生じないため、出力特性も向上させることができる。なお、この場合、金属繊維シート1を構成する金属細線2が、非晶質であってもよい。こうした非晶質としては、急冷凝固法で作製されるFeやCoなどの鉄属元素にBやC、P、Siなどの半金属元素を15重量%〜30重量%加えた合金組成や、スパッタリング法で作製される金属元素だけの組成が挙げられる。急冷凝固法で作製される合金の例としては、Co−Nb−Ta−Zr系、Co−Ta−Zr系などがある。こうすることにより、金属細線2の強度や耐酸性がさらに高められ、亀裂等が生じにくくなるため、金属繊維シート1の機械特性や耐久性を向上させることができる。
また、図8の燃料電池では、基体104が燃料容器425に接合されているため、燃料容器425に設けられた孔から燃料124が基体104に効率よく供給される。基体104と燃料容器425とは、燃料124に対する耐性を有する接着剤などを使って接着することもできるし、ボルトとナットなどを用いて固定することもできる。
図8の燃料電池では、シール429により基体104の側面外周を被覆しており、燃料124の漏洩が抑制されている。基体104の材料として金属繊維シート1を用いることにより集電電極が不要となり、燃料容器425を直接燃料極102を構成する基体104と接触させ、燃料124を供給する構成とすることにより、より薄型、小型軽量な燃料電池を得ることができる。
また、酸化剤極についても、エンドプレートなどを用いず、直接空気や酸素などの酸化剤126と接触させ、供給することができる。なお、酸化剤極108の基体110には、包装部材など小型化を阻害しない部材であれば、適宜これを介して酸化剤126を供給することができる。
(第三の実施形態)
本実施形態は、第一の実施形態に記載の燃料電池100において、基体104および基体110を構成する金属細線2の表面が粗面化されており、基体104および基体110の表面に、炭素粒子を介さずに直接触媒が担持された構成の燃料電池に関する。
図6は、図5の燃料電池を構成する単セル構造101の、燃料極102および固体電解質膜114を模式的に示す断面図である。図示したように、燃料極102は基体104である金属繊維シート1を構成する金属細線2の表面が凹凸構造を有し、その表面を触媒491が被覆した構成となっている。
一方、図7は、従来の燃料電池の燃料極の構成を模式的に示す断面図である。図7では、炭素材料を基体104として用い、その表面に、固体高分子電解質粒子150と、触媒担持炭素粒子140からなる触媒層が形成されている。
以下燃料極102を例に、図6と図7とを比較して本実施形態に係る燃料電池の特長を説明する。まず、図6においては、燃料極102の基材に金属繊維シート1が用いられている。金属繊維シート1は導電性にすぐれるため、燃料電池100では、第一の実施形態でも述べたように、電極の外側にバルク金属等の集電電極を設ける必要がない。一方、図7では、基体104として炭素材料を用いているため、集電電極が必要となる。
また、図6では、基体104を構成する金属細線2の表面が粗面化されている。このため、基体104の表面積が増加し、担持可能な触媒量が増加する。
よって、充分量の触媒491を担持させる表面積が確保されており、図7のように触媒担持炭素粒子140を用いた場合と同程度の触媒491を担持することが可能である。なお、基体104表面は撥水処理されていてもよい。
また、燃料極102における電気化学反応は、触媒491と固体高分子電解質粒子150と基体104との界面、いわゆる三相界面にて起こるため、三相界面の確保が重要である。図6では、基体104と触媒491とが直接接しているため、触媒491と固体高分子電解質粒子150との接触部はすべて三相界面となり、基体104と触媒491との間に電子の移動経路が確保されている。
一方、図7では、触媒担持炭素粒子140のうち、固体高分子電解質粒子150と基体104のいずれにも接触しているもののみが有効である。したがって、たとえば触媒担持炭素粒子Aに担持された触媒(不図示)表面で生じた電子は、触媒担持炭素粒子Aから基体104を経由して電池外部へと取り出されるが、触媒担持炭素粒子Bのように、基体104との接点をもたない粒子の場合、炭素粒子表面に担持された触媒(不図示)表面で電子が生成しても、電池外部へと取り出すことができない。また、触媒担持炭素粒子Aについても、触媒担持炭素粒子140と基体104との接触抵抗は触媒491と金属繊維シート1との接触抵抗に比べて大きく、図6の構成の方がより好適に電子の移動経路が確保されているといえる。
このように、図6と図7とを比較すると、図6の構成とすることにより触媒491の利用効率、集電効率が向上する。このため、単セル構造の出力特性を向上させることができるため、燃料電池の電池特性も向上させることができる。また、カーボンに触媒を担持させる工程が省略されるため、電池構成およびその作製をより簡素化することが可能となる。
触媒491は、基体104の表面に担持されていればよい。基体104の全部または一部を被覆していてもよい。図6に示したように基体104の全面を被覆している場合、基体104の腐食が抑制され好ましい。触媒491が基体104の表面を被覆する場合、触媒491の厚さに特に制限はないが、たとえば1nm以上500nm以下とすることができる。
本実施形態に係る燃料電池本体は、基本的には第一の実施形態と同様にして得られるため、以下、異なる点のみ作製方法を説明する。
本実施形態に係る燃料電池本体においては、基体104および基体110を構成する金属繊維シート1の表面が粗面化され、表面に凹凸構造が形成されている。金属繊維シート1の表面に微細な凹凸構造を形成する方法として、たとえば電気化学的エッチングや化学的エッチング等のエッチングを用いることができる。
電気化学的エッチングとして、アノード分極等を用いた電解エッチングを行うことができる。このとき、基体104および基体110を電解液中に浸漬し、たとえば1V〜10V程度の直流電圧を印加する。電解液には、たとえば塩酸、硫酸、過飽和シュウ酸、燐酸クロム酸混液等の酸性溶液を用いることができる。
また、化学的エッチングを行う場合、酸化剤を含む腐食液の中に基体104および基体110を浸漬する。腐食液としては、たとえば硝酸、硝酸アルコール溶液(ナイタル)、ピクリン酸アルコール(ピクリル)、塩化第二鉄溶液等を用いることができる。
また本実施形態では、基体104および基体110の表面に触媒491となる金属を担持させる。触媒491の担持方法として、たとえば、電気めっき、無電解めっき等のめっき法、真空蒸着、化学蒸着(CVD)等の蒸着法などを用いることができる。
電気めっきを行う場合、目的の触媒金属のイオンを含む水溶液中に基体104および基体110を浸漬し、たとえば1V〜10V程度の直流電圧を印加する。たとえば、Ptをめっきする場合、Pt(NH3)2(NO2)2、(NH4)2PtCl6等を硫酸、スルファミン酸、リン酸アンモニウムの酸性溶液に加え、0.5〜2A/dm2の電流密度にてめっきを行うことができる。また、複数の金属をめっきする場合、一方の金属が拡散律速となる濃度域において電圧を調節することにより、所望の厚さおよび量でめっきすることができる。
また、無電解めっきを行う場合、目的の触媒金属のイオン、たとえばNi、Co、Cuイオンを含む水溶液に還元剤として次亜リン酸ナトリウムやホウ水素化ナトリウム等の還元剤を加え、この中に基体104および基体110を浸漬し、90℃〜100℃程度に加熱する。
得られた基体104および基体110を固体高分子電解質溶液に浸漬する方法等により、触媒491表面に固体高分子電解質を付着させた後、燃料極102および酸化剤極108で挟み、ホットプレスし、触媒電極−固体電解質膜接合体を得る。
なお、基体104および基体110は耐食性にすぐれるため、触媒491が基体104または基体110の表面を被覆していなくてもよい。たとえば、粒子状の触媒491が基体104または基体110の表面に付着している構成とすることもできる。このような触媒電極は、たとえば触媒491と固体高分子電解質の分散液を作製し、基体104または基体110の表面に第一の実施形態と同様にして塗布することにより得られる。
また、両電極と固体電解質膜114との密着性を確保し、また、触媒電極における水素イオンの移動経路を確保するため、燃料極102および酸化剤極108の表面にプロトン導電体層を設けて表面を平坦化することが好ましい。図4は、燃料極102および固体電解質膜114の別の構成を模式的に示す断面図である。図4の構成は、図6の構成において基体104の表面に平坦化層493が設けられた構成である。平坦化層493を設けることにより、固体電解質膜114と基体104との密着性が向上する。
基体104および基体110の表面に平坦化層493を形成する場合、平坦化層493は、イオン交換樹脂等のプロトン導電体とすることができる。こうすることにより、固体電解質膜114と触媒電極との間に水素イオンの移動経路が好適に形成される。平坦化層493の材料は、たとえば固体電解質または固体電解質膜114に用いる材料の中から選択される。
(第四の実施形態)
本実施形態は、一方の面の空隙率が他方の面の空隙率よりも大きい金属繊維シート1を用いた燃料電池に関する。このような金属繊維シート1として、たとえば、厚さ方向に密度の傾斜を有する金属繊維シート1を用いることができる。また、空隙率の異なる複数の金属繊維シート1の積層体を用いることもできる。ここでは、第1の実施形態に記載の燃料電池100において、基体104および基体110に、密度の異なる2枚の金属繊維シート1を重ねて用いる態様を例に説明する。
燃料電池100において、基体104および基体110の密度が高いほど、効率よく電子を移動させることができるが、燃料124、酸化剤126や電気化学反応により生じる二酸化炭素の透過性は低下する。一方、基体104および基体110の密度が低いほど、これらの気体の透過性は向上するが、触媒層106の触媒層112の作製時に触媒ペーストが基体104または基体110の空孔から漏出したり、塗布量が減少したりする。また、電子の移動性も低下する。
そこで、本実施形態においては、基体104および基体110として、2枚の金属繊維シート1の積層体を用いる。このとき、固体電解質膜に接する側、すなわち触媒層106または触媒層112を有する側の金属繊維シート1を高密度の金属繊維シート1とし、燃料電池100の外側に位置する金属繊維シート1を低密度とする。
基体104および基体110をこのような積層体とすることにより、触媒電極に燃料124および酸化剤126が効率よく導入され、また生成した二酸化炭素の排出も促進される。また、触媒層106および触媒層112に含まれる触媒担持炭素粒子と金属繊維シート1との接合箇所を充分確保することができるため、触媒電極で生じた電子を効率よく燃料電池100の外部に取り出すことが可能となる。また、基体104および触媒層106表面への触媒層106および触媒層112の形成における操作性も向上され、充分量の触媒を基体104および基体110の表面に設けることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。これらの実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、本実施形態に係る燃料電池に電極端子取付部を設け、これを介して複数個組み合わせることにより組電池としてもよい。並列、直列あるいはこれらの組み合わせなどの構成を採用することにより、所望の電圧、容量の組電池を得ることができる。また、複数の燃料電池を平面状に並べて接続して組電池としてもよいし、セパレータを介して単セル構造101を積層し、スタックを形成してもよい。スタックとした場合にも、すぐれた出力特性を安定的に発揮させることができる。
また、本実施形態の燃料電池は、導電率にすぐれた多孔質金属シートを用いているため、平板型に限らず、円筒型等の構成とした場合にも、触媒反応により生じた電子を効率よく電池外部に取り出すことができる。
金属繊維シートの表面に、次のようにして触媒層を形成した。まず、固体高分子電解質としてアルドリッチ・ケミカル社製の5wt%ナフィオンアルコール溶液を選択し、固体高分子電解質量が0.1〜0.4mg/cm2となるようにn−酢酸ブチルと混合攪拌して固体高分子電解質のコロイド状分散液を調製した。
燃料極の触媒には炭素微粒子(デンカブラック;電気化学社製)に粒子径3〜5nmの白金−ルテニウム合金触媒を重量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を使用し、酸化剤極の触媒には、炭素微粒子(デンカブラック;電気化学社製)に粒子径3〜5nmの白金触媒を重量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を使用した。触媒担持炭素微粒子を固体高分子電解質のコロイド状分散液に添加し、超音波分散器を用いてペースト状にした。このとき、固体高分子電解質と触媒の重量比が1:1になるように混合した。このペーストを金属繊維シート上にスクリーン印刷法で2mg/cm2塗布した後、加熱乾燥して、燃料電池用電極を作製した。この電極を、デュポン社製固体電解質膜ナフィオン112の両面に温度130℃、圧力10kg/cm2でホットプレスして触媒電極−固体電解質膜接合体を作製した。このとき、金属繊維シートの端部を固体電解質膜の端部から突出させ、端子を構成した。
得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を図8の構成の評価用パッケージに実装し、燃料電池の出力測定を行った。燃料容器側の端部をシール材でシールし、燃料容器に10v/v%のメタノール水溶液を注入した。燃料極側では燃料が金属繊維シートを通して供給され、酸化剤極側からは空気が自然に取り込まれるようにした。この燃料電池の出力を1気圧、25℃の室温で測定したところ、100mA/cm2の電流で0.4Vの出力が得られた。1000時間経過後も、この出力電圧に低下はみられなかった。
(比較例)
実施例の燃料電池の金属繊維シートに代えてカーボンペーパーを用い、エンドプレートを設ける態様の燃料電池を作製した。触媒電極用、すなわち燃料極および酸化剤極(ガス拡散電極)用の炭素系材料として、厚さ0.19mmのカーボンペーパー(東レ社製)を用い、実施例1と同様にして触媒電極−固体電解質膜接合体を作製した。そして、触媒電極の外側にエンドプレートを設け、燃料極側および酸化剤極側のエンドプレートをボルトとナットで締結し、触媒電極−固体電解質膜複合体とエンドプレートとを圧着させた。エンドプレートには、厚さ1mmのSUS316を用いた。
得られた燃料電池の燃料極に10v/v%のメタノール水溶液を注入し、酸化剤極には空気を供給した。この燃料電池の出力を1気圧、25℃の室温で測定したところ、100mA/cm2の電流で電圧0.37Vであった。また、1000時間経過後の出力は0.35Vであった。
以上の実施例および比較例より、本実施形態では金属繊維シートを用いることにより、燃料電池を小型軽量化、薄型化することができた。また、出力特性にすぐれた燃料電池を実現できることがわかった。また、この金属繊維シートは耐食性にすぐれ、長期使用に対しても燃料電池の出力低下が生じず、耐久性を向上させることがわかった。
Claims (16)
- 金属繊維シートと、該金属繊維シートと電気的に接続する触媒とを備え、
前記金属繊維シートは、SiまたはAlの少なくとも1種の金属と、Feと、Crと、を構成元素として含む合金からなり、
前記合金中のCrの含有量が5重量%以上30重量%以下であり、前記合金中のSiおよびAlの含有量の合計が3重量%以上10重量%以下であることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項に記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートの空隙率が、20%以上80%以下であることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項または第2項に記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維の平均線径が10〜100μmであることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートの一方の面の空隙率が他方の面の空隙率よりも大きいことを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第4項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートは、金属繊維の焼結体であることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第5項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記触媒は、前記金属繊維シートを構成する金属繊維の表面に担持されていることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第6項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートを構成する金属繊維の表面に、前記触媒の層が形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第7項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートの表面に、前記触媒を担持した炭素粒子を含む触媒層が形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第8項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートを構成する金属繊維が、粗面化された表面を有することを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第9項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記触媒に接するプロトン導電体をさらに備えることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第10項に記載の燃料電池用電極において、
前記プロトン導電体が、イオン交換樹脂であることを特徴とする燃料電池用電極。 - 請求の範囲第1項乃至第11項いずれかに記載の燃料電池用電極において、
前記金属繊維シートの少なくとも一部が疎水処理されたことを特徴とする燃料電池用電極。 - 燃料極、酸化剤極、および前記燃料極と前記酸化剤極とで挟持された固体電解質膜を含み、
前記燃料極または前記酸化剤極の少なくとも一方が請求の範囲第1項乃至第12項いずれかに記載の燃料電池用電極であることを特徴とする燃料電池。 - 請求の範囲第13項に記載の燃料電池において、
前記燃料電池用電極が燃料極を構成し、燃料が前記燃料電池用電極の表面に直接供給されることを特徴とする燃料電池。 - 請求の範囲第13項または第14項に記載の燃料電池において、
前記燃料電池用電極が前記酸化剤極を構成し、酸化剤が前記燃料電池用電極の表面に直接供給されることを特徴とする燃料電池。 - 請求の範囲第13項乃至第15項いずれかに記載の燃料電池において、
集電体を具備しないことを特徴とする燃料電池。
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