JPH06267555A - 電気化学デバイス - Google Patents

電気化学デバイス

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JPH06267555A
JPH06267555A JP5075115A JP7511593A JPH06267555A JP H06267555 A JPH06267555 A JP H06267555A JP 5075115 A JP5075115 A JP 5075115A JP 7511593 A JP7511593 A JP 7511593A JP H06267555 A JPH06267555 A JP H06267555A
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electrochemical device
gas diffusion
gas
polymer electrolyte
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Hideo Maeda
秀雄 前田
Kenro Mitsuta
憲朗 光田
Hiroaki Urushibata
広明 漆畑
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的特性に優れ、機械的強度および化学的
安定性を保ちながら、大量生産が可能な電気化学デバイ
スを得る。 【構成】 固体高分子電解質14の両面部に、金属繊維
の織布または不織布により構成したガス拡散電極12、
13を設けた。また、ガス拡散電極は、金属繊維と有機
繊維の混毛織布または混毛不織布、金属繊維をフッ素化
したもの、触媒粒子を担持したもの、金属繊維に他の金
属をメッキしたもののいずれか1種または2種以上の組
合せとしてもよい。また、電極は複数に分割したもの、
屈曲させたもの、複数の貫通孔を有するもののいずれか
としてもよく、また弾性を有する集電体により挟持して
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は機械的強度及び化学的
安定性に優れた電気化学デバイスに係り、特に、電気化
学的な反応を利用して発電する燃料電池、ガスを精製す
る精製装置、ガスを検知するガスセンサ等に用いて好適
な電気化学デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気化学デバイスは、電気化学的な反応
を利用して発電したり、ガスを精製したりするための基
本的な反応が行われるデバイスであり、燃料電池、ガス
精製装置、ガスセンサ等に広く適用されている。例えば
燃料電池は、電解質体の両面に接触した電極の一方に燃
料を他方には酸化剤を供給し、燃料の酸化を電池内で電
気化学的に反応させることにより化学エネルギーを直接
電気エネルギーに変換するものであるが、固体高分子型
燃料電池で例をあげると、電解質体としての固体高分子
膜とガス拡散電極、あるいはその一体化物を指すことに
なる。
【0003】図16は典型的な、プロトン導電性の固体
高分子電解質型燃料電池を構成する電気化学デバイス1
の断面図である。図において2は固体高分子電解質膜
(以下、電解質膜と略称する)、3はアノード電極、4
はカソード電極を示す。電解質膜2はパーフルオロスル
フォン酸膜、また、アノード電極3及びカソード電極4
は炭素繊維に白金触媒を担持しているものが使われてい
る。次に動作について説明する。アノード電極3に水素
ガス、カソード電極4に酸素を供給して外部回路を通し
てアノード電極3およびカソード電極4より電流を取り
出すと下記のような反応が起こる。 アノード反応 H2 →2H+ +2e- ・・・・・(1) カソード反応 2H+ +2e- +1/2O2 →H2 O ・・・・・(2) このときアノード電極3上で水素はプロトンとなり、水
を伴って電解質膜2中をカソード電極4まで移動しカソ
ード電極4上で酸素と反応して水を生ずる。従って、こ
の反応を生じている時、電極の細孔内ではガスと液体の
水が出入りし、かつ電極の基材内は電子が流れている。
従って、このような反応を円滑に行なうためには、反応
によって生成あるいは消費する反応活物質の移動を阻害
しないようにすることと、電子の移動を阻害しないよう
にすることが必要である。前記活物質の移動に関しては
水が液体で存在する場合には液滴によって反応ガスの流
通が阻止されることがあり、水の移動は特に重要であ
る。
【0004】そのために、水を圧力や流路構造等の機械
的な力で移動を促進させる方法としては、すでに、特開
平1−309263号公報、特開平2−86071号公
報、特開平2−260371号公報、特開平3−102
774号公報等が提案されている。また乾燥剤や親水性
材料を用いて水との親和性の違いで移動を促進する手段
としては特開平1−140562号公報、特開平3−1
49762号公報、特開平3−182052号公報等が
提案されている。電子の移動としては電極に導電性の材
料を使用することになり、従って電極を製造する場合
は、例えば特開平3−25856号公報に示されるよう
に、導電性のカーボン粉末と撥水性材料や補強剤を混練
して結着するような方法があり、また金属を結着する方
法としては特開平2−152166号公報等が提案され
ている。また、弱い電極材料を剛性構造物で支持する方
法もあり、例えば特開平3−149762号公報が提案
されている。また、電気化学デバイスには様々な用途が
あり、上記の各特許に記されているものの他にも、特公
昭62−59184号公報のガス精製装置や、特開昭6
1−216714号公報の除湿素子等が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料電池等に使
われている電気化学デバイスは以上のように構成されて
いるので、上記のように電極は構造体としては機械的に
もろく、変形させるとひび割れを起こしたり欠落を起こ
したりする恐れがあるなどの問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電気的特性に優れ、機械的強度
および化学的安定性を保ちながら、大量生産が可能な電
気化学デバイスを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
気化学デバイスは、固体高分子電解質の両面部にガス拡
散電極を設け、該ガス拡散電極を金属繊維の織布または
不織布のいずれかとしたものである。
【0008】請求項2の発明に係る電気化学デバイス
は、固体高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
該ガス拡散電極を金属繊維と有機繊維の混毛織布または
混毛不織布のいずれかとしたものである。
【0009】請求項3の発明に係る電気化学デバイス
は、前記金属繊維を下記イ〜ホのいずれか1種または2
種以上としたものである。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素 ハ.周期表6A族元素 ニ.周期表8族元素 ホ.周期表1B族元素
【0010】請求項4の発明に係る電気化学デバイス
は、前記金属繊維をフッ素化したものである。
【0011】請求項5の発明に係る電気化学デバイス
は、前記有機繊維を撥水性繊維としたものである。
【0012】請求項6の発明に係る電気化学デバイス
は、前記有機繊維を親水性繊維としたものである。
【0013】請求項7の発明に係る電気化学デバイス
は、前記ガス拡散電極に触媒粒子を担持したものであ
る。
【0014】請求項8の発明に係る電気化学デバイス
は、前記触媒粒子を周期表8族元素としたものである。
【0015】請求項9の発明に係る電気化学デバイス
は、前記金属繊維に、該金属繊維と異なる金属をメッキ
したものである。
【0016】請求項10の発明に係る電気化学デバイス
は、前記金属を周期表8族元素、周期表1B族元素から
選択された1種以上としたものである。
【0017】請求項11の発明に係る電気化学デバイス
は、固体高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
該ガス拡散電極の少なくとも一方を、同一平面内に形成
され電子的に絶縁された複数の電極部としたものであ
る。
【0018】請求項12の発明に係る電気化学デバイス
は、前記電極部の少なくとも1つの上部位置に、該電極
部を全体的に覆い、かつ、気密性を有する封止部を設け
たものである。
【0019】請求項13の発明に係る電気化学デバイス
は、固体高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
該ガス拡散電極の少なくとも一方に、複数の貫通孔を形
成し、これら貫通孔に前記固体高分子電解質の一部を浸
入させたものである。
【0020】請求項14の発明に係る電気化学デバイス
は、固定高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
該ガス拡散電極の少なくとも一方の表面に、親水性繊維
の織布または不織布のいずれかからなる層を形成したも
のである。
【0021】請求項15の発明に係る電気化学デバイス
は、固体高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
該ガス拡散電極を屈曲させて前記固体高分子電解質と一
体化したものである。
【0022】請求項16の発明に係る電気化学デバイス
は、前記ガス拡散電極を、請求項1ないし10のいずれ
か1項記載のガス拡散電極としたものである。
【0023】請求項17の発明に係る電気化学デバイス
は、固体高分子電解質の両面部にガス拡散電極を設け、
前記固体高分子電解質及びガス拡散電極を、弾性を有す
る集電体により挟持したものである。
【0024】
【作用】請求項1の発明における電気化学デバイスは、
金属繊維の織布または不織布のいずれかとしたガス拡散
電極により、固体高分子電解質が温度や含水量の変化に
より変形しようとしても前記ガス拡散電極が機械的に該
固体高分子電解質の変形を防止する。
【0025】請求項2の発明における電気化学デバイス
は、金属繊維と有機繊維の混毛織布または混毛不織布の
いずれかとしたガス拡散電極により、機械的に固体高分
子電解質の変形を防止するとともに、親水性の異なる複
数種の繊維により、電極上で生じた水が、一方の繊維に
集中して集まり、他方の繊維には気体の通る空間が生
じ、反応に必要な気体が反応部分に容易に流入し、反応
に必要な水を液体の状態で容易に反応部に補給すること
ができる。
【0026】請求項3の発明における電気化学デバイス
は、金属繊維を下記イ〜ホのいずれか1種または2種以
上としたことにより、ガス拡散電極の電気抵抗を小さく
させ、電圧ロスを低減する。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素、すなわち V、Nb、Taの3
種 ハ.周期表6A族元素、すなわち Cr、Mo、Wの3
種 ニ.周期表8族元素、すなわち Fe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの9種 ホ.周期表1B族元素、すなわち Cu、Ag、Auの
3種
【0027】請求項4の発明における電気化学デバイス
は、金属繊維をフッ素化したことにより、ガス拡散電極
が機械的に固体高分子電解質の変形を防止し、且つ電気
抵抗を小さくさせるとともに、フッ素化により撥水性を
付与するので、電気化学反応で電極上に生じた水が、電
極基材の空間内を球状になって移動し、反応に必要な気
体が反応部分に流入することが容易となる。
【0028】請求項5の発明における電気化学デバイス
は、有機繊維を撥水性繊維としたことにより、電気化学
反応で電極上に生じた水が、電極基材の空間内を球状に
なって移動し、反応に必要な気体が反応部分に流入する
ことが容易となる。
【0029】請求項6の発明における電気化学デバイス
は、有機繊維を親水性繊維としたことにより、ガス拡散
電極が機械的に固体高分子電解質の変形を防止し、且つ
電気抵抗を小さくさせるとともに、親水性繊維があるの
で、電極上に生じた水が、親水性の繊維に集中して集ま
り、金属繊維には気体の通る空間が生じ、反応に必要な
気体が反応部分に容易に流入し、反応に必要な水を液体
の状態で容易に反応部に補給する。
【0030】請求項7の発明における電気化学デバイス
は、ガス拡散電極に触媒粒子を担持したことにより、触
媒作用により電気化学反応がスムーズに進行し、反応に
必要な電圧が低下する。
【0031】請求項8の発明における電気化学デバイス
は、触媒粒子を周期表8族元素としたことにより、Pt
等の触媒作用により電気化学反応がさらにスムーズに進
行し、反応に必要な電圧がさらに低下する。
【0032】請求項9の発明における電気化学デバイス
は、金属繊維に、該金属繊維と異なる金属をメッキした
ことにより、繊維を被覆した金属が腐食を防止し、ま
た、該金属が有する触媒作用により電気化学反応がスム
ーズに進行し、反応に必要な電圧が低下する。
【0033】請求項10の発明における電気化学デバイ
スは、前記金属を周期表8族元素、周期表1B族元素か
ら選択された1種以上としたことにより、該金属が金属
繊維の腐食を効果的に防止し、また、触媒作用により電
気化学反応がさらにスムーズに進行し、反応に必要な電
圧がさらに低下する。
【0034】請求項11の発明における電気化学デバイ
スは、ガス拡散電極の少なくとも一方を、同一平面内に
形成され電子的に絶縁された複数の電極部としたことに
より、それぞれの電極部の電圧が変化する。
【0035】請求項12の発明における電気化学デバイ
スは、電極部に、該電極部を全体的に覆い気密性を有す
る封止部を設けたことにより、この封止されている電極
部が空間内のガス組成特有の電位を示す。
【0036】請求項13の発明における電気化学デバイ
スは、ガス拡散電極の少なくとも一方に形成した複数の
貫通孔に固体高分子電解質の一部を浸入させたことによ
り、ガス拡散電極と固体高分子電解質との密着性が向上
し、該固体高分子電解質の変形を防止する。
【0037】請求項14の発明における電気化学デバイ
スは、ガス拡散電極の表面に親水性繊維の織布または不
織布からなる層を設けたことにより、電極上の水分を親
水性繊維が吸い取り、前記ガス拡散電極と固体高分子電
解質との界面付近に水滴が滞留するのを防止する。
【0038】請求項15の発明における電気化学デバイ
スは、ガス拡散電極を屈曲させて固体高分子電解質と一
体化したことにより、単位面積当りの電極面積が拡大
し、電気化学反応がスムーズに進行する。
【0039】請求項16の発明における電気化学デバイ
スは、請求項1〜10のいずれか1項記載のガス拡散電
極を用いたことにより、機械的に固体高分子電解質の変
形を防止するとともに、単位面積当りの電極面積が拡大
し、電気化学反応がスムーズに進行する。
【0040】請求項17の発明における電気化学デバイ
スは、固体高分子電解質及びガス拡散電極を、弾性を有
する集電体で挟持したことにより、ガス拡散電極は固体
高分子電解質に一定の圧力で押し付けられ、該固体高分
子電解質、ガス拡散電極、集電体それぞれの間の接触抵
抗が低下し、電気化学反応に必要な電圧が低下する。
【0041】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本発明の電気化学デバイス11の概念的な
断面図であり、図において12、13は金属繊維電極基
材(ガス拡散電極)、14は固体高分子電解質膜であ
る。金属繊維としてはSUS316Lの、直径12μ
m、長さ50〜100mmの単繊維を開繊維にかけた後に
焼結した、目付け400g/cm2 の布を用いた。固体高
分子電解質膜14にパーフルオロスルホン酸膜の市販品
であるデュポン社のナフィオン117を用いた場合に、
電極基材12、13と高分子膜14を190℃で50kg
/cm2 の面圧でホットプレスを行って一体化した場合に
は、電極基材12、13の繊維が高分子膜14に50μ
mも食い込んでいた。
【0042】次に動作について説明する。この電気化学
デバイス11は、10cm角の大きさの一体化物として製
造した場合、電極基材の鋼性により一端のみを手で持っ
て取り扱っても、離れたり再生不可能な歪をおこすこと
はなかった。さらに、この電気化学デバイス11を水中
浸漬後、100℃で空中乾燥する操作を3回繰り返した
が、電極基材12、13と高分子膜14は全く分離せ
ず、また、形状も変化しなかった。この試験を従来の電
極基材を用いたものでおこなうと、電極基材にヒビがは
いり、基材が剥がれ落ちてしまった。また、本発明の電
極基材12、13間の電気抵抗を調べたところ、低い抵
抗がこの浸漬・乾燥の間でも保持できた。高分子電解質
膜14自体は、含水率によって膨張・収縮するので、こ
の試験により高分子膜14と基材12、13間の密着
は、非常に強く、金属繊維の強度により、高分子膜14
の変形を防止できたと考えられる。また、SUS316
L自体の電気電導度はカーボンの電気電導度の10倍程
度もあるので、基材中の電子の移動がスムーズに行わ
れ、電圧ロスを低く保つことができる。尚、金属繊維は
今回のものより小さい径のものを用いると単位体積辺り
の表面積が増加して、反応面積が増加するが、気体の透
過抵抗が増大するので、その際は今回よりも小さな目付
けの布を用いることが望ましい。逆に繊維径が大きいも
のは、大きな目付けのものも使用できる。また、フレー
ム等で締め付けることにより、電極基材自体の鋼性がそ
れほど必要でないときには、焼結を行わないフェルトを
使うことも可能である。
【0043】実施例2.以下、この発明の実施例2につ
いて説明する。この電気化学デバイスは、実施例1の電
気化学デバイス11の電極基材12、13を構成する金
属繊維をフッ素化したものであり、形状、機械的な動作
については実施例1の電気化学デバイス11と同様であ
る。金属繊維布のフッ素化は、繊維をフッ素あるいはフ
ッ化水素ガス中に置くことにより行った。金属繊維は板
と違って反応面積が大きいので、フッ素あるいはフッ化
水素ガスの濃度は数%以下に抑えるか、真空に引いた状
態て、金属繊維表面の単原子層のモル数と同モル数以下
の反応ガスを徐々に導入して行なうことが望ましい。
【0044】次に動作について説明する。この実施例の
電気化学デバイス11に水を吹き付けた場合、水は電極
基材12、13上を球状になって転がる。従って、この
電気化学デバイス11を使用した装置に水が付着して
も、電極基材12、13内には水が入り込まないので、
ガスの通る空間が確保されており、反応ガスや被検知ガ
スが、反応部に絶えず供給される。また、反応によって
水が生ずる場合、電極基材12、13は、フッ素化によ
り水を弾く性質を有しているために、反応によって生じ
た水は、球状になって電極基材12、13上を移動し、
電極基材12、13内には空間が多数保持されることに
なり、その中を反応ガスが容易に流通できるので、反応
に必要なガスが反応部である電解質膜14と電極基材1
2、13との界面に供給され続けるので、反応が順調に
行われる。
【0045】実施例3.以下この発明の実施例3につい
て説明する。図2はこの実施例の電気化学デバイス15
の断面模式図であり、図において、16、17は電極基
材(ガス拡散電極)、21、31は電極基材16、17
中の金属繊維、22、32は電極基材16、17中の有
機繊維を示す。有機繊維22、32としては撥水性のフ
ッ素系繊維を用い、重量比で10%以下で混毛した。
【0046】次に動作について説明する。この実施例に
おける電気化学デバイス15に水を吹き付けた場合、水
は撥水性のフッ素系繊維があるために、電極基材16、
17上を球状になって転がる。従って、この電気化学デ
バイス15を使用した装置に水が付着しても、電極基材
16、17内には水が入り込まないので、ガスの通る空
間が確保されており、反応ガスや被検知ガスが、反応部
に絶えず供給される。また、反応によって水が生ずる場
合、フッ素系繊維は、水を弾く性質を有しているため
に、反応によって生じた水は、一部はフッ素系繊維上を
球状になって電極基材16、17上を移動し、また一部
は金属繊維上に引き寄せられるので、電極基材16、1
7全体では空間が保持されることになり、その中を反応
ガスが容易に流通できるので、反応に必要なガスが反応
部である電解質膜14と電極界面に供給され続ける。
【0047】なお、電子は有機繊維中は移動しないの
で、有機繊維の量をこれ以上多くすることは望ましくな
い。例えば重量比で10%の場合であっても、フッ素系
繊維の比重が約2.1であり、一方金属繊維の比重が
8.0であるから、体積比では30%にもなり、繊維の
絡み方次第では絶縁層を形成することもある。その場合
には電極基材中の電子の移動が妨げられて特性が低下す
る。
【0048】次に、上記電気化学デバイス15の変形実
施例について説明する。ここでは、有機繊維22、32
として親水性のアラミド繊維を用い、重量比で3%以下
で混毛した。
【0049】次に動作について説明する。この発明にお
ける電気化学デバイス15に水を吹き付けた場合、水は
親水性のアラミド繊維に吸収されて、電極基材16、1
7中を電解質膜14に向かって移動する。従って、この
電気化学デバイスに液体の水を供給すると、ガスの通る
空間を確保しつつ、水を反応部に供給することができ
る。また、反応によって水が生ずる場合、有機繊維の方
に水が引き寄せられるので、電子の受渡しと電気化学反
応が生じる金属繊維と電解質界面近傍からガスの流通を
妨げる水が取り除かれ、反応に必要なガスが反応部であ
る電解質膜14と電極界面に供給され続ける。
【0050】また、ここでも電子は有機繊維中は移動し
ないので、有機繊維の量をこれ以上多くすることは望ま
しくない。例えばアラミド繊維は比重が1.5と小さ
く、また、水分で覆われて実質体積が大きくなるので、
含有量を極力小さくする必要がある。また、親水性の有
機繊維としては、この他にもポリエステルやアクリル等
の合成繊維の他に綿や麻等の天然繊維を用いることも可
能であるが、電解質膜14の官能基によって分解を生ず
るようなものは不適当である。
【0051】実施例4.以下、この発明の実施例4につ
いて説明する。この電気化学デバイスは、実施例3の電
気化学デバイス15の金属繊維21、31をフッ素化し
たものであり、形状、機械的な動作については実施例3
の親水性繊維を用いた電気化学デバイス15と同様であ
る。また、金属繊維のフッ素化は、実施例2の布のフッ
素化と同様である。
【0052】次に動作について説明する。この実施例に
おける電気化学デバイス15に水を吹き付けた場合、水
は撥水性の金属繊維があるために、電極基材16、17
上を転がるので、この電気化学デバイス15を使用した
装置に水が付着しても、電極基材16、17内には水が
入り込まずに、ガスの通る空間が確保され、反応ガスや
被検知ガスは、反応部に絶えず供給される。一方、反応
によって水が生ずる場合、有機繊維の方に水が引き寄せ
られるので、電子の受渡しと電気化学反応が生じる金属
繊維と電解質界面近傍からガスの流通を妨げる水が取り
除かれ、反応に必要なガスが反応部である電解質膜14
と電極基材16、17界面に供給され続ける。また、こ
こでも電子は有機繊維中は移動しないので、有機繊維の
量を必要以上に多くすることは望ましくない。
【0053】実施例5.以下、この発明の実施例5につ
いて説明する。図3はこの実施例の電気化学デバイス4
1の断面模式図であり、図において、42、43は実施
例1の電極基材12、13各々に触媒粒子を担持した電
極基材(ガス拡散電極)である。触媒粒子としては白金
黒(白金微粒子)を使用した。担持の方法には色々有る
が、高分子電解質を5%含む低級アルコール溶液に対し
て重量比で白金黒を30%懸濁させた液を、白金が電極
基材に1cm2 あたり4mgになるように塗布し、乾燥させ
た。そして実施例1記載のホットプレスにより、電極基
材42、43と、電解質膜14とを一体化させた。
【0054】次に動作について説明する。この実施例の
電気化学デバイス41の一方の電極基材42に水素を流
し、もう一方の電極基材43に電極基材42に対して負
の電位をかけた場合、実施例1の電気化学デバイス11
では、両極間の電位を100mV以上かけた時に初めて電
流が流れ、電極基材13側から水素が検出されたが、こ
の実施例では、10mV以上で電流が流れ、電極基材43
側から水素が発生することが確認できた。これにより、
電極基材42、43に担持されている白金が触媒となっ
て、電気化学反応が促進されることが、確認できた。な
お、触媒に関しては同じ白金を触媒とした場合でもカー
ボン微粒子に白金を担持させたいわゆる白金担持カーボ
ン触媒は比重が小さいのでこの方法で塗布すると、塗布
する液中の触媒量は白金黒の時の3割程度になり、20
%担持の触媒を使った場合の白金量は白金黒の時と比べ
て5%程度に減少する。従って白金量は大幅に節約でき
るが、触媒効果が多少減少する。触媒としては白金に限
らず、白金属元素や、それらを含む合金、または一般的
に市販されている触媒効果を有するものであれば、他の
種類の触媒粒子をつかっても差し仕えはないが、塗布に
よる基材への担持法を採る場合には、液の調整を行なう
必要がある。
【0055】実施例6.この電気化学デバイスは、実施
例1の電極基材12、13各々に触媒効果のある白金を
メッキしたものである。白金メッキを行なうには、まず
電極基材12、13の表面の不純物を取り去るために脱
脂洗浄をする。この状態では電極基材12、13がメッ
キ液をはじくことがあるので、電極基材12、13を精
製水中で数分間煮沸するか1N塩酸中に数秒間浸漬す
る。続いてメッキ工程に移る。メッキ液は一般的に市販
されている燐酸系の酸性タイプのものをその標準条件で
使用したが、その他公知の液組成でも特に問題はない。
ただし、布にメッキするために板状のものと違って次の
ような現象があった。それは、メッキの際に発生する水
素気泡が繊維中に留まって繊維表面とメッキ液の接触を
妨げ、メッキの進行を阻害するので、メッキ液中の繊維
に振動を与えてやる必要がある。また、電極基材12、
13は柔軟であるので、気泡のついた部分に浮力が働い
て浮き上がってくるおそれがあり、基材の4辺あるいは
両端を固定して電流を流すことができるような治具を必
要とした(図示せず)。メッキ量は電極基材を平板と見
なした場合に1μmのメッキ厚みになる量に調整した。
もちろんこれより多くてもよいが、触媒効果を考えるな
らこの量で充分であった。また用途により0.1A/cm
2以下の低い電流密度で運転するような装置では、メッ
キ量を極端に減少させても構わない。また、触媒として
その他の元素あるいは合金を用いる場合でも、その組成
に応じた公知のメッキ技術を用いればよい。
【0056】次に動作について説明する。触媒効果に関
しては実施例5の電気化学デバイス41と同様であるの
で省略する。この実施例の電極基材を沸騰水に5時間浸
漬し、乾燥するという工程を繰り返しても、メッキの剥
がれは生じなかった。これは、燃料電池や電解槽のよう
に反応物質の流動が激しい条件で使用しても触媒の脱落
がなく、安定した特性を維持できることを示している。
【0057】実施例7.以下、この発明の実施例7につ
いて説明する。図4は平面内に電子的に独立した複数の
電極部を有する電気化学デバイス45の平面図である。
図において、12A、12B、12C、12Dは電子的
に独立した同一平面内の電極である。電極材料には厚み
300μmのカーボンペーパーを用いた。10cm角の電
極13の上に、12cm角の電解質膜14をのせる。さら
に、その上に4つの直径4cmの独立電極12A〜12D
と、内側に4つの独立電極12A〜12Dが入る穴を開
けた厚さ250μmのテフロンシート46を同一平面上
に並べる。そして実施例1と同様の条件でホットプレス
を行った。尚、面圧は独立電極4枚の面積を基準にし
た。また、電極基材13にガスを流すことができるガス
流路と、4つの電極に異なったガスを流せる流路およ
び、それぞれの電極の電圧を読むための端子を設置した
(図示せず)。
【0058】次に動作について説明する。電極13に
は、純粋な水素を流し、独立した電極12A〜12Dの
各々には燃料電池スタックの4つのセルの燃料排ガスを
流した。それぞれの電極2A、2B、2C、2Dと電極
13間に生ずる電圧は、それぞれの流路に流れる燃料排
ガスの水素分圧に応じて下記の(3)式で示される電圧
になる。よって1枚の電気化学デバイスにおいて、4つ
のガスの濃度を同時に測定することができた。
【0059】ここで、水素濃度を知る方法について説明
する。片側の極に純水素を流し、もう一方の極に水素を
含んだ被検査ガスを導入すると、ネルンストの式(3)
に対応した電位Eが両極間に発生するので、その電圧を
測定することにより被検査ガス中の水素濃度を知ること
ができる。
【0060】 E=RT/2F×1n(PH2/PR ) ・・・・・(3)
【0061】ただし、Rは気体定数、Fはファラデー定
数、Tは絶対温度、PH2は被検査ガス中の水素ガス分
圧、PR は純水素の圧力を示す。
【0062】尚、本実施例においては、同一平面内に4
つの電極12A〜12Dを配しているが、複数の電子的
に独立な電極で有れば、それ以上であってもまた、それ
以下であってもよい。また、本実施例では、対極3は1
枚で構成したが、電極2A、2B、2C、2D各々に対
応させて4つに分割し、4つの電子的に独立した電池を
構成させることも可能である。その場合には、4つの電
池を直列につなぐことにより、平均で4倍の電圧を発生
することができる。
【0063】実施例8.以下この発明の実施例8につい
て説明する。図5はこの実施例の電気化学デバイス51
の概念を示す図であり、同図(a)はその平面図、同図
(b)はその断面図である。図において、12R、12
Wは電子的に独立した同一平面内の電極であり、52は
電極12Rを外気から遮断する隔壁(封止部)である。
電極12R、12Wには電極基材に白金をメッキした実
施例6の電極を用いた。組立は10cm角の電極13の上
に、12cm角の電解質膜14をのせ、さらに、その上に
直径1cmの電極12Rと、直径1.5cmの穴の開いた1
0cm角の電極12Wを同一平面上に並べる。そして実施
例1と同様の条件でホットプレスを行った。尚、面圧は
対極13の面積を基準にした。そして電極12Rに外気
が流入するのを防ぐために、電圧端子用の穴のあいた厚
さ0.2mm、半径1.2cmのシリコンゴム製の半球形の
キャップ(隔壁52)をかぶせた。そして、2mmの穴の
開いた厚さ1mmのSUS304製パンチングメタルで電
極を挟みつけて、両パンチングメタルおよび、電極12
Rの電圧を読むための端子を設置した(図示せず)。こ
の時、一方のパンチングメタルは電極12Wと電子的に
つながっており、もう一方のパンチングメタルは電極1
3と電子的につながることになり、電極12Rは電圧端
子以外は電子的に絶縁された状態になっている。
【0064】次に動作について説明する。この電気化学
デバイス51を空気中に置いて、電極12W−対極13
間に4Vの電位をパンチングメタルを介して印加する。
電極13に側接する空気中の水分は後述する式4に従
い、水素イオンとなって電解質膜14中を電極12W、
12R側に移動する。電極12Wでは、水素イオンは後
述する式5に従って水素に還元されてすぐに空気中の酸
素と反応して水となる。一方、電極12Rでは、水素イ
オンは後述する式7に示すように電子を得て水素にはな
るが、ゴムキャップ52により、密閉されているので、
水素ガスで充満され、過剰な水素のみ、ゴムキャップ5
2と膜14の間から流出する。
【0065】ここで水素イオンの移動について説明す
る。水分のある空気中で両極に直流電圧を印加すると、
電気化学反応により、カソード側では空気中の水分が電
子を失って水素イオンとなり電解質膜中をアノード側に
移動する。 2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・・・(4) 水素イオンはアノード上で電子を得て水素に還元される
が、空気中の酸素と反応して水になる。 4H+ +O2 +4e- →2H2 O ・・・・・(5) 結局、カソード側の水はアノード側に移動することにな
り、カソード側に空間の湿度を下げることになる。ま
た、例えば水中で両極に直流電圧を印加すると電気化学
反応により、カソードでは水は電子を失って水素イオン
と酸素ガスになり、酸素ガスは気体として発生し、水素
イオンは電解質膜中をアノード側へ移動する。一方、ア
ノードでは水素イオンは電子を得て水素ガスとして発生
する。 2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・・・(6) 4H+ +4e- →2H2 ・・・・・(7)
【0066】以上により、電極12Rは水素参照電極と
なり、電極12Rと対極13の電圧および電極12Rと
電極12Wの電圧を測定することにより、この電気化学
反応において、各々の極の分極を分離して測定すること
ができる。そこでこの電圧を基準に12W−13間にか
ける電圧を調整すれば、電極の腐食を引き起こすような
異常な電圧を電極にかける危険を避けることができると
ともに、必要最大限の電圧により運転が可能になるの
で、装置のコンパクト化が可能になる。
【0067】実施例9.以下、実施例9について図に基
づき説明する。図6は本実施例の電気化学デバイス53
の概念的な断面図であり、図において54、55は貫通
孔56を有する電極基材、14は高分子電解質膜であ
る。電極基材としては実施例1で示したSUS316L
の、直径12μm、長さ50〜100mmの単繊維を開繊
機にかけた後に焼結した、目付け400g/cm2 の布を
用いた。高分子膜14にパーフルオロスルホン酸膜の市
販品としてデュポン社のナフィオン117を用いた場
合、電極基材54、55と高分子膜14を190℃で5
0kg/cm2 の面圧でホットプレスを行って一体化した場
合、電極基材の繊維が高分子膜14に50μmも食い込
み、さらに、電解質膜14が貫通孔56を埋めるように
食い込んでいた。
【0068】次に動作について説明する。10cm角の大
きさの一体化物の電気化学デバイス53を製造した場合
でも、電極基材の鋼性により一端のみを手で持って取り
扱っても、この一体化物は離れたり再生不可能な歪をお
こすことはなかった。さらに、今度はこの一体化物を水
中浸漬後、100℃で空中乾燥する操作を10回繰り返
したが、電極基材54、55と高分子膜14は全く分離
せず、この一体化物の形状も変化しなかった。この試験
を従来の電極基材を用いたものでおこなうと、電極基材
に開けた穴を起点にヒビがはいり、基材が割れて剥がれ
落ちてしまった。また、本発明の電極基材54、55間
の電気抵抗を調べたところ、低い抵抗がこの浸漬・乾燥
の間でも保持できた。高分子電解質膜14自体は、含水
率によって、膨張・収縮するので、この試験により電極
基材高分子膜14と基材54、55間の密着は、非常に
強かったことと、金属繊維の強度により、膜の動きを制
限できたと考えられる。
【0069】また、SUS316L自体の電気電導度は
カーボンの電気電導度の10倍程度もあるので、基材中
の電子の移動がスムーズに行われ、電圧ロスを低く保つ
ことができる。また、電解質膜が貫通孔に浸入してきて
いるので、液状で入ってきた水が直接電解質膜に触れる
ことに依って、膜への水の供給が容易になった。尚、金
属繊維は今回のものより小さい径のものを用いると単位
体積辺りの表面積が増加して、反応面積が増加するが、
気体の透過抵抗が増大するので、その際は今回よりも小
さな目付けの布を用いることが望ましい。逆に繊維径が
大きいものは、大きな目付けのものも使用できる。フレ
ーム等で締め付けることにより、電極基材自身での鋼性
がそれほど必要でないときには、焼結を行わないフェル
トを使うことも可能である。
【0070】実施例10.以下実施例10について説明
する。図7はこの実施例の電気化学デバイス58の断面
模式図を示す。59は親水性の繊維でできた層である。
ここでは、ポリエステルの繊維径1μmの厚さ2mmの不
織布を用いた。
【0071】次に動作について説明する。この電気化学
デバイス58に水を吹き付けた場合、水は親水層59に
広がり面内にほぼ均一に分布した後、電極12を介して
電解質膜14に到達する。一方、反応によって水が電解
質膜14と電極12の界面で生ずる場合、過剰な水は親
水性層59に吸い取られて、面全体にひろがり、除去さ
れる。基材全体では空間が保持されることになり、その
中を反応ガスが容易に流通できるので、反応に必要なガ
スが反応部である電解質膜14と電極界面に供給され続
ける。ただし、電子は有機繊維中は移動しないので、電
極基材12と外部との電子とのやりとりは、親水層59
と電解質膜14の間から端子を取り出すか、あるいは親
水層59の一部に穴をあけて端子のみ通すようにする必
要があり、大電流を流す運転には不向きである。親水性
の繊維としてはその他ポリアミドやポリエティレン等の
合成繊維の他、綿や麻等の天然繊維も考えられるが、層
中の孔径を自在に制御できる合成繊維が好ましい。な
お、上記実施例では厚さ2mmのものを用いたが、除湿素
子の水を排出する側に適用する場合はさらに厚くしても
問題なく、また直接電解質膜14に触れず、室温で運転
されるので材料選択の制限は親水性の他にはそれほど考
慮する必要は無い。また、親水層の中から、さらに外側
に公知の給水高分子を担持させることも可能である。
【0072】実施例11.以下実施例11について説明
する。図8はこの実施例の屈曲した電極と電解質膜を一
体化した電気化学デバイス61を示したものであり、6
2、63が屈曲したガス拡散電極、64が屈曲した電解
質膜(固体高分子電解質)である。また、65は電極6
2によって形成されたガス流路、66は電極63によっ
て形成されたガス流路である。また、68、69は、こ
のガス流路のもう一端を形成する導電性セパレーター板
である。また70は絶縁スペーサーフィルムであり、厚
さ250μmのテフロンシートを用いた。ガス拡散電極
の屈曲に際して特別な技術は特に必要なく、公知の板金
プレスの要領で実施することができる。また、電極6
2、63と電解質膜64との一体化に際しては、例えば
特開平3−84866号公報、特開平3−208261
号公報、特開平3−208262号公報等に開示されて
いる方法をとれば、屈曲させた電極基材の形状に膜を沿
わせることが容易になる。ここでは、SUS316L繊
維の焼結の焼結電極基材で、幅2mmのガス流路を形成し
た。
【0073】次に動作について説明する。この電気化学
デバイス61では、電気化学反応の一つである水素ガス
精製反応を行なう。不純物に二酸化炭素を含む水素ガス
をガス流路65に導入し、セパレーター板68にセパレ
ーター板69に対して0.5Vの電圧をかけると電極6
2上で後述する式8の反応が生じ、水素ガスのみがプロ
トンとなって電解質64中を電極63に向かって移動
し、後述する式9の反応に依って水素ガスに戻り流路2
3中に導入される。
【0074】ここでは、カソード側に不純物を含む水素
ガスを流し、電圧を印加すると水素ガスだけが反応して
水素イオンとなり、電解質膜中をアノード側へ移動す
る。 H2 →2H+ +2e- ・・・・・(8) 2H+ +2e- →H2 ・・・・・(9) アノード側では水素イオンが電子を得て水素ガスに還元
される。電解質膜中は水素イオンしか移動できないの
で、アノード側では純粋な水素を得ることができる。
【0075】したがって、電子は電極62からセパレー
ター板68を通り外部回路を経てセパレーター板69、
電極63へと流れる。電極基材の厚みは0.3mm程度の
厚みであるが、金属繊維は導電性が高いので、もっとも
経路の長い流路のてっぺん65Tからセパレーター68
までの電子の移動でも電圧のロスがほとんどなく、反応
が進行する。また、この時単純平面積あたりの電解質と
電極の界面面積が倍になり広いので、反応面積が大きく
確保され、大量のガスの精製が可能となった。さらに、
電極の厚みを薄く保ったまま、電気化学デバイス自身で
流路を構成しているので、単位電池の厚みが非常に薄く
なり、電池を積層した積層体が非常にコンパクトに構成
できる。セパレーターと電極間の接触抵抗に関しても、
金属繊維の弾性を利用して、接触面圧を維持できるの
で、電圧ロスを低く保つことができる。
【0076】実施例12.以下実施例12について説明
する。図9はこの実施例の弾性のある集電体で挟持させ
た電気化学デバイス71であり、72が弾性集電体、7
3が対極の集電体、70が絶縁スペーサーである。弾性
集電体72の材質としては、オーステナイト系ステンレ
スや、マルテンサイト系ステンレスの他、公知のバネ性
を有する金属や合金を使用することができるとともに、
導電層を塗布したプラスチックフィルムを使用可能であ
るが、運転条件による耐食性を考慮して選定する必要が
ある。ここでは室温・空気中で運転させる除湿器に使用
するために、SUS316Lの厚み0.05mmの板にガ
ス透過用の穴を設けたものを使用した。穴は公知の例え
ばパンチングや、エッチングまたは機械加工で作成でき
る。弾性集電体72の大きさは、10cm角のものであ
り、半径10cmの円弧に加工している。ガス拡散電極
は、SUS繊維フェルトに白金メッキを行った実施例6
の電極を使用している。組立は、集電体73の上に、電
極12、電解質膜14、電極13を重ねてその上から円
弧の中心が外側を向くように弾性集電体72をのせ、フ
レーム74で挟む。フレーム74は厚さ3mmの硬質ポリ
エチレン製で集電体73にネジ等を用いて固定した。ま
た弾性集電体72には電流を流すための端子を取り付け
ている(図示せず)。
【0077】次に動作について説明する。大気中で集電
体72に集電体73に対して4Vの電圧をかけると、電
極12上で上述した式4の反応が生じ、集電体73側の
空気中の水分が分解して、プロトンが電解質14中を電
極13に向かって移動し、式5の反応に依って空気中の
酸素と結合し、水となって出て来る。この時電子は電極
12から集電体73を通り外部回路を経て集電体72、
電極13へと流れる。集電体72と電極13間の接触抵
抗は、集電体72の弾性を利用して、接触面圧を維持で
きるので、電圧ロスを低く保つことができた。また、一
体化していない電極と電解質膜もこの方法では使用でき
るので、一体化の工程を省略することができた。なお、
本実施例では、電極基材自身に触媒機能をもたしたもの
を使用したが、解媒は電極と一体になっている必要は特
に無く、例えば特開平3−46764号公報に示される
ような触媒シートを電極基材と電解質膜の間に挿入して
もよい。また、総厚みは0.7mmと非常に薄くできてお
り、各種機器に取り付けた場合にもコンパクトに構成す
ることができる。
【0078】実施例13.以下実施例13について説明
する。図10はこの発明の実施例9の電気化学デバイス
53(図6)を用いた燃料電池81の概念的な断面図で
あり、54は貫通孔56のあるカソード、55は同じく
貫通孔56のあるアノードであり、68、69はカーボ
ン製のガス流路を有するセパレーター板である。電気化
学デバイス81の各電極54、55の有効面積は100
cm2 のものを用いた。また、電解質膜14にはデュポン
社のナフィオン115を用いた。
【0079】次に動作について説明する。燃料電池81
を外部ヒーター(図示せず)により、80℃に加温し、
アノード流路66に95℃で加湿した水素ガスを、カソ
ード流路65に50℃に加湿した空気を導入した。セパ
レーター板69−68間を外部回路につなぐと、アノー
ド55上では式10の反応により、水素が電子を放出し
て水を伴い膜14中をカソード54に向かって移動す
る。 2H2 →4H+ +4e- ・・・・・(10) カソード54では水素イオンと酸素が結び付き、電子を
得て水が生成する。 4H+ +O2 +4e- →2H2 O ・・・・・(11) この時、セルの温度はアノードガスの露点(95℃)よ
り低いので、流路66内で、過剰な水分が液滴となって
凝縮する。液滴は流路66内をガスの動圧で運ばれなが
ら、電極内の貫通孔56を埋めている電解質膜14に触
れ、一部は吸収され、また一部は貫通孔56内の電解質
膜14に沿って電解質膜14内部へ流入する。一方カソ
ード54では、余分な水分があるが、貫通孔56を埋め
ている電解質膜14は電極54より親水性が高いために
水は貫通孔56に沿って流路65内に移動し、流通する
空気に触れて蒸発する。これにより、電気化学反応に必
要な水の供給が可能になるとともに、カソード電極54
内の水を速やかに排出できるので反応に必要な酸素の供
給が保たれ、電流密度を上げても高い特性を維持するこ
とができる。
【0080】実施例14.以下実施例14について説明
する。図11はこの発明の実施例12の電気化学デバイ
ス71を使用した除湿装置91であり、72が弾性種電
体、922は直流電源、93は被除湿匡体、94は匡体
93の側壁に開けられた除湿用の窓であり、穴は公知の
例えばパンチングや、エッチングまたは機械加工で作成
した金属性の板を接合したものでよい。ここでは厚さ
0.5mmのSUS304のパンチングメタルを使用し
た。尚、この窓94は集電板の働きをもたすため、絶縁
層が生じないように無塗装としたが、匡体93とは絶縁
して固定した。また、匡体93の外側には除湿素子固定
用の枠74を設けている。枠74は匡体と同質の鋼板を
溶接で匡体に取り付けられている。外側は匡体と同じ塗
装を施したが、内側は集電体72と導通するために無塗
装とした。また、集電体72の大きさは、10cm角のも
のであり、半径10cmの円弧に曲げ加工している。電気
化学デバイス71はガス拡散電極に、SUS繊維フェル
トに白金メッキを行った実施例6の電極と、ナフィオン
117膜を150℃で面圧50kg/cm2 で一体化したも
のを使用した。加熱温度を低くしたのは、電極の膜への
食い込みを少なくして、電解質膜14の実質厚みを厚く
保つことにより、水の逆流を防止するためである。その
分、一体性が多少劣るが、集電体72により押し付けら
れるので問題はない。また、電極12は厚み400μm
の400g/cm2 の目付けのフェルト、電極13は厚み
200μmの200g/cm2 の目付けのフェルトを用い
ている。組立は、枠74に沿って電極13が匡体側を向
くように電気化学デバイスを挿入し、その上から円弧の
中心が匡体の外側を向くように集電体72を挿入した。
そして、窓94には直流電源の+の端子が接続されてお
り、−の端子は匡体93にアース接続した。
【0081】次に動作について説明する。直流電源を起
動すると窓94には匡体93に対して4Vの電圧がかか
る。窓94は電極13と導通しており、匡体93は枠7
4集電体72を介して電極12と導通しているので、電
極13には電極12に対して4Vの電圧がかかる。する
と、電極13上で式3の反応が生じ、匡体93内の空気
中の水分が分解して、プロトンが電解質14中を電極1
2に向かって移動し、式4の反応に依って外気中の酸素
と結合し、水となって出て来る。この時電子は電極13
から窓94を通り直流電源92を経て匡体93、枠7
4、集電体72、電極12へと流れる。集電体72と電
極12間の接触抵抗は、集電体72の弾性を利用して、
接触面圧を維持できるので、電圧ロスを低く保つことが
できる。また、この方式では電気化学デバイスは集電板
の弾性で固定されているだけなので、修理の際には電気
化学デバイス71部分を抜くだけで簡単に交換できる。
匡体93の体積が101程度の時、匡体93内の相対湿
度は大気より40〜50%程度低く抑えることができ
た。また実施例11の電気化学デバイスを用いた場合に
は、大量のガスの除湿ができるので、エアコンの冷却フ
ィンの風上につければ、フィン内での結露が防止でき、
また、酸素富化が可能になる。
【0082】実施例15.以下、実施例15について説
明する。図12は平面内に電子的に独立した複数の電極
部を有する実施例7の電気化学デバイス45を用いたガ
ス濃度センサー101の概念的な断面図である。図にお
いて、12A、12B、12C、12Dは電子的に独立
した同一平面内の電極である。電極材料には厚み300
μmのカーボンペーパーを用いた。10cm角の電極13
の上に、周囲1cmづつはみ出すように12cm角の電解質
膜14をのせる。さらに、その上に16個の2cm角の独
立電極を電極13が下にある範囲で図13に示すように
各電極間が6mmの間隔で並べる。そして実施例1と同様
の条件でホットプレスを行った。尚、面圧は独立電極1
6枚の面積64cm2 を基準にした。また、対極13にガ
スを流すことができるガス流路102と、16の電極に
異なったガスを流せる流路103A〜103P(図では
103A〜103Dまで)を設けた。電極13には電圧
端子104を集電板(図示せず)を介して接続した。電
極12A〜12Pにも電圧端子105A〜105Pを接
続した。尚、端板106、107にはポリカーボネート
を用いた。端板106は導電性の金属材料を用いること
も可能ではあるが、端板107では電極12A〜12P
を電子的に絶縁する必要があるので、もし、金属やカー
ボンのような導電性材料を使うときは、電極に導電部が
触れないようにする必要がある。
【0083】次に動作について説明する。流路102に
は、純粋な水素を流し、独立した電極の各々には燃料電
池スタックの16のセルの燃料排ガスを流した。それぞ
れの電極12A〜12Pと電極13間に生ずる電圧は、
それぞれの流路に流れる燃料排ガスの水素分圧に応じて
3式で示される電圧になる。それぞれの電圧104−1
05A間〜104−105P間の電圧をモニターするこ
とによって燃料電池スタックの16枚のセルの排ガスの
水素濃度を同時に測定することができた。この試験では
燃料電池に燃料としてメタン改質模擬ガス(水素80
%、残二酸化炭素)を流した。スタック内の各セル電圧
は測定によりバラツキがあったが、このバラツキが何に
基づくものか分からなかった。しかし、この濃度センサ
ーを設置したところ、セル電圧が低いセルの排ガスを通
した電極の端子間電圧が他のセルよりも高く、水素濃度
が極端に低くなっていることがわかった。燃料電池スタ
ックでは各セルに流れる電流は同じであるので、消費す
る水素ガスの量も同じである。にもかかわらず水素濃度
が低いのはそのセルに流入する燃料が少ないことを示し
ており、スタック内でのガスの分配に問題があることが
わかり、流路構造とガス流量の最適化をこの電圧をモニ
ターすることにより行うことが可能になり、燃料電池ス
タックの特性が大幅に向上した。
【0084】尚、本実施例では純水素を流した電極13
との電圧を測定して、ガス濃度を測定したが、この場合
のように濃度のバラツキのみを測定する場合で有れば、
基準電極13の電位を無視して、12A〜12Pの電位
のバラツキのみをモニターすることによって濃度分布を
知ることも可能である。例えば分割電極数を2セルに限
定し,もっともガスの配分が偏りやすい両端のセルの排
ガスを流路103A、103Bに導入して中央のセルの
排ガスを流路102に導入した場合、流路103A−1
03B間の電圧が一定値を越える場合には全ガス流量を
増加させてスタックの運転を正常に保つといった運転方
法を採ることも可能である。
【0085】実施例16.以下実施例16について説明
する。図14は実施例8の電気化学デバイス51を使用
した電解槽111であり、112は電解槽容器、13は
アノード、12Wはカソード、12Rは独立カソード、
113アノード集電体、114はカソード集電体、52
はシリコン性ゴムキャップ、115は水供給口、116
は酸素排出口、117は水素排出口、118は電極12
Rへの電流(電圧)端子である。尚、電極には厚さ0.
1mm目付け100g/cm2 のステンレス繊維焼結布を用
い、電極12W、12Rには白金メッキしたものを、電
極13にはイリジウムメッキしたものを用いた。電解質
膜14にはパーフルオロスルホン酸膜としてナフィオン
膜を使用した。
【0086】次に動作について説明する。電極12W−
13間に直流電圧を印加すると、アノード13上では6
式の反応により水が分解して酸素が発生し、一方カソー
ド12Wでは、7式に従い水素ガスが発生する。また、
端子118をカソードと短絡すると12Rからも水素が
発生し、ゴムキャップ52内は水素で充満し、一部はゴ
ムキャップ52と膜14の隙間から溢れ出ていた。電流
密度を500mA/cm2 程度流すと、電極間電圧は2V
程度であったが、この電流密度でしばらく運転を続ける
と、電圧が上昇して電流が流れなくなった。端子118
とカソード極を切り離した時の端子とアノードあるいは
端子とカソード間の電圧を測定していたところ、電圧が
上昇する時に端子118とアノード13との電圧が変化
していたが、カソードと端子118間の電圧は殆ど変化
しなかった。従って、電解槽111の特性が悪くなった
のはアノード電極側に問題があることが推測できたので
アノードに注意して試験をすると、アノード上で発生し
た酸素の泡で、水の供給がたたれていたことがわかっ
た。そのため、アノードの電極基材を半分の厚みのもの
に変えたところ、電圧の上昇は起こらなかった。このよ
うに、運転中にある一定時間毎に端子118の回路を切
り離して電極13との電圧を測定すると、電解槽111
に問題があった場合や、特性が悪化し始めた時に、原因
を突き止めることができたり、あるいは故障する直前に
問題のある箇所を補修できるようになった。
【0087】実施例17.以下実施例17について説明
する。図15は実施例11の電気化学デバイス61を用
いたガス精製装置121である。電気化学デバイス(一
本の曲線で表示)の下側部分がアノード62、上側部分
がカソード63である。電極基材は、目付け300g/
cm2 、厚み250μmのSUS316L繊維の焼結電極
基材で、幅2mm、高さ2mmのガス流路を形成した。65
は電極62によって形成されたガス流路、66は電極6
3によって形成されたガス流路である。68、69は、
このガス流路のもう一端を形成する導電性端板、122
は導電性セパレーター板であり、これにより電気的には
直列に4つの精製装置を接続したことになる。4つのデ
バイスにはそれぞれA〜Dの記号を付けた。それぞれの
セパレーター板122はSUS304の板で構成してお
り、電解質膜とのガスシールや屈曲した電極によるガス
流路へのマニホールドは、テフロン樹脂を使用した(図
示せず)。また、最終的には積層体は、0.2kg/cm2
の面圧で端板8−9間を押さえつけている。
【0088】次に動作について説明する。不純物に二酸
化炭素を含む水素ガスをガス流路65A〜65Dに導入
し、端板68に端板69に対して2Vの電圧をかけると
電極62A〜62D上で式8の反応が生じ、水素ガスの
みがプロトンとなって電解質14A〜14D中を電極6
3A〜63Dに向かって移動し、式9の反応に依って水
素ガスに戻り流路66A〜66D中に導入される。ま
た、この時単純平面積あたりの電解質と電極の界面面積
が倍になったので、平板型の電極を用いた場合のほぼ倍
の電流を流すことができた。これは同じ底面積のガス精
製装置に対し、倍のガス量を処理できたことになる。さ
らに、電極の厚みを薄く保ったまま、電気化学デバイス
61自体で流路を構成したので、セパレーター板に流路
を掘った場合に比べ1枚あたり、厚みが3割小さくなっ
たので、高さが約2/3になった。このため、平板型の
同じ大きさのガス精製装置に対する大きさは約1/3に
なり、著しい小型化が可能になった。また、セパレータ
ーに溝を掘る必要がないので、本実施例のように、市販
の薄板を使用することができ、コストが大幅に低減でき
た。
【0089】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ガス拡散電極を金属繊維の織布または不織布のいず
れかのように構成したので、固体高分子電解質の変形を
機械的に防止できる効果がある。
【0090】請求項2の発明によれば、ガス拡散電極を
金属繊維と有機繊維の混毛織布または混毛不織布のいず
れかのように構成したので、固体高分子電解質の変形を
機械的に防止することができるとともに、反応に必要な
気体を反応部分に容易に流入させ、反応に必要な水を液
体の状態で容易に反応部に補給できる効果がある。
【0091】請求項3の発明によれば、金属繊維を、下
記イ〜ホのいずれか1種または2種以上のように構成し
たので、ガス拡散電極の電気抵抗を小さくさせることが
でき、電圧ロスを低減させる効果がある。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素 ハ.周期表6A族元素 ニ.周期表8族元素 ホ.周期表1B族元素
【0092】請求項4の発明によれば、金属繊維をフッ
素化するように構成したので、ガス拡散電極が機械的に
固体高分子電解質の変形を防止し、かつ電気抵抗を小さ
くさせることができ、また、撥水性を付与することによ
り、反応に必要な気体を反応部分に容易に流入できる効
果がある。
【0093】請求項5の発明によれば、有機繊維を撥水
性繊維のように構成したので、反応に必要な気体を反応
部分に容易に流入できる効果がある。
【0094】請求項6の発明によれば、有機繊維を親水
性繊維のように構成したので、反応に必要な気体を反応
部分に容易に流入させることができ、反応に必要な水を
液体の状態で容易に反応部に補給できる効果がある。
【0095】請求項7の発明によれば、ガス拡散電極に
触媒粒子を担持するように構成したので、触媒作用によ
り電気化学反応をスムーズに進行させることができ、反
応に必要な電圧を低下させる効果がある。
【0096】請求項8の発明によれば、触媒粒子を周期
表8族元素とするように構成したので、Pt等の触媒作
用により電気化学反応をさらにスムーズに進行させるこ
とができ、反応に必要な電圧をさらに低下させる効果が
ある。
【0097】請求項9の発明によれば、金属繊維に、該
金属繊維と異なる金属をメッキするように構成したの
で、該金属により金属繊維の腐食を防止することがで
き、また、該金属が有する触媒作用により電気化学反応
をスムーズに進行させることができ、反応に必要な電圧
を低下させる効果がある。
【0098】請求項10の発明によれば、前記金属を周
期表8族元素、周期表1B族元素から選択された1種以
上のように構成したので、該金属により金属繊維の腐食
を効果的に防止することができ、また該金属の触媒作用
により電気化学反応をさらにスムーズに進行させること
ができ、反応に必要な電圧をさらに低下させる効果があ
る。
【0099】請求項11の発明によれば、ガス拡散電極
の少なくとも一方を、同一平面内に形成され電子的に絶
縁された複数の電極部のように構成したので、それぞれ
の電極部の電圧を変化させることができ、薄い1枚のデ
バイスで複数の独立した電圧が得られる効果がある。
【0100】請求項12の発明によれば、電極部に該電
極部を全体的に覆い、かつ、気密性を有する封止部を設
けるように構成したので、この電極部が特定のガスと接
触することにより、空間内のガス組成特有の電位を示
し、参照電極としての基準となる電位をもつことができ
る効果がある。
【0101】請求項13の発明によれば、ガス拡散電極
の少なくとも一方に、複数の貫通孔を形成し、これら貫
通孔に前記固体高分子電解質の一部を浸入させるように
構成したので、ガス拡散電極と固体高分子電解質との密
着性を向上させることができ、該固体高分子電解質の変
形を防止できる効果がある。
【0102】請求項14の発明によれば、ガス拡散電極
の少なくとも一方の表面に、親水性繊維の織布または不
織布のいずれかからなる層を形成するように構成したの
で、ガス拡散電極と固体高分子電解質との界面付近に水
滴が滞留するのを防止する効果がある。
【0103】請求項15の発明によれば、ガス拡散電極
を屈曲させて前記固体高分子電解質と一体化するように
構成したので、単位面積当りの電極面積を拡大させるこ
とができ、電気化学反応をスムーズに進行させることが
でき、また、小さな空間を有効に利用できるので、装置
の著しい小型化が可能になる効果がある。
【0104】請求項16の発明によれば、前記ガス拡散
電極を、請求項1ないし10のいずれか1項記載のガス
拡散電極のように構成したので、機械的に固体高分子電
解質の変形を防止することができ、単位面積当りの電極
面積を拡大させることができ、電気化学反応をスムーズ
に進行させる効果がある。
【0105】請求項17の発明によれば、前記固体高分
子電解質及びガス拡散電極を、弾性を有する集電体によ
り挟持するように構成したので、固体高分子電解質、ガ
ス拡散電極、集電体それぞれの間の接触抵抗を低下させ
ることができ、電気化学反応に必要な電圧を低下させる
ことができ、製造工程が簡単になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の電気化学デバイスの構成
を示す断面図である。
【図2】この発明の実施例3の電気化学デバイスの構成
を示す断面図である。
【図3】この発明の実施例5の電気化学デバイスの構成
を示す断面図である。
【図4】この発明の実施例7の電気化学デバイスの構成
を示す平面図である。
【図5】この発明の実施例8の電気化学デバイスの構成
を示す平面図及び断面図である。
【図6】この発明の実施例9の電気化学デバイスの構成
を示す断面図である。
【図7】この発明の実施例10の電気化学デバイスの構
成を示す断面図である。
【図8】この発明の実施例11の電気化学デバイスの構
成を示す断面図である。
【図9】この発明の実施例12の電気化学デバイスの構
成を示す断面図である。
【図10】この発明の実施例9の電気化学デバイスを用
いた燃料電池を示す断面図である。
【図11】この発明の実施例12の電気化学デバイスを
用いた除湿装置を示す断面図である。
【図12】この発明の実施例7の電気化学デバイスを用
いたガス濃度センサーを示す断面図である。
【図13】この発明の実施例7の電気化学デバイスを用
いたガス濃度センサーの電極の構成を示す平面図であ
る。
【図14】この発明の実施例8の電気化学デバイスを用
いた電解槽を示す断面図である。
【図15】この発明の実施例11の電気化学デバイスを
用いたガス精製装置を示す断面図である。
【図16】従来の電気化学デバイスを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11 電気化学デバイス 12、13 金属繊維電極基材(ガス拡散電極) 14 固体高分子電解質膜 15 電気化学デバイス 16、17 電極基材(ガス拡散電極) 21、31 金属繊維 22、32 有機繊維 41 電気化学デバイス 42、43 電極基材(ガス拡散電極) 45 電気化学デバイス 51 電気化学デバイス 52 隔壁(封止部) 53 電気化学デバイス 54、55 電極基材 56 貫通孔 58 電気化学デバイス 59 親水性の繊維でできた層 61 電気化学デバイス 62、63 ガス拡散電極 64 電解質膜(固体高分子電解質) 71 電気化学デバイス 72 弾性集電体 73 集電体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項3の発明に係る電気化学デバイス
は、前記金属繊維を下記イ〜ヘのいずれか1種または2
種以上としたものである。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素 ハ.周期表6A族元素 ニ.周期表8族元素 ホ.周期表1B族元素ヘ.周期表4A族元素
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】請求項3の発明における電気化学デバイス
は、金属繊維を下記イ〜ヘのいずれか1種または2種以
上としたことにより、ガス拡散電極の電気抵抗を小さく
させ、電圧ロスを低減する。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素、すなわち V、Nb、Taの3
種 ハ.周期表6A族元素、すなわち Cr、Mo、Wの3
種 ニ.周期表8族元素、すなわち Fe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの9種 ホ.周期表1B族元素、すなわち Cu、Ag、Auの
3種ヘ.周期表4A族元素、すなわち Ti、Zr、Hfの
3種
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】ここで水素イオンの移動について説明す
る。水分のある空気中で両極に直流電圧を印加すると、
電気化学反応により、アノード側では空気中の水分が電
子を失って水素イオンとなり電解質膜中をカソード側に
移動する。 2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・・・(4) 水素イオンはカソード上で電子を得て水素に還元される
が、空気中の酸素と反応して水になる。 4H+ +O2 +4e- →2H2 O ・・・・・(5) 結局、アノード側の水はカソード側に移動することにな
り、アノード側に空間の湿度を下げることになる。ま
た、例えば水中で両極に直流電圧を印加すると電気化学
反応により、アノードでは水は電子を失って水素イオン
と酸素ガスになり、酸素ガスは気体として発生し、水素
イオンは電解質膜中をカソード側へ移動する。一方、
ソードでは水素イオンは電子を得て水素ガスとして発生
する。 2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・・・(6) 4H+ +4e- →2H2 ・・・・・(7)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】実施例11.以下実施例11について説明
する。図8はこの実施例の屈曲した電極と電解質膜を一
体化した電気化学デバイス61を示したものであり、6
2、63が屈曲したガス拡散電極、64が屈曲した電解
質膜(固体高分子電解質)である。また、65は電極6
2によって形成されたガス流路、66は電極63によっ
て形成されたガス流路である。また、68、69は、こ
のガス流路のもう一端を形成する導電性セパレーター板
である。また70は絶縁スペーサーフィルムであり、厚
さ250μmのテフロンシートを用いた。ガス拡散電極
の屈曲に際して特別な技術は特に必要なく、公知の板金
プレスの要領で実施することができる。また、電極6
2、63と電解質膜64との一体化に際しては、例えば
特開平3−84866号公報、特開平3−208261
号公報、特開平3−208262号公報等に開示されて
いる方法をとれば、屈曲させた電極基材の形状に膜を沿
わせることが容易になる。ここでは、SUS316L繊
維の焼結電極基材で、幅2mmのガス流路を形成した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】ここでは、アノード側に不純物を含む水素
ガスを流し、電圧を印加すると水素ガスだけが反応して
水素イオンとなり、電解質膜中をカソード側へ移動す
る。 H2 →2H+ +2e- ・・・・・(8) 2H+ +2e- →H2 ・・・・・(9)カソード 側では水素イオンが電子を得て水素ガスに還元
される。電解質膜中は水素イオンしか移動できないの
で、カソード側では純粋な水素を得ることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】次に動作について説明する。直流電源を起
動すると窓94には匡体93に対して4Vの電圧がかか
る。窓94は電極13と導通しており、匡体93は枠7
4集電体72を介して電極12と導通しているので、電
極13には電極12に対して4Vの電圧がかかる。する
と、電極13上で式3の反応が生じ、匡体93内の空気
中の水分が分解して、プロトンが電解質14中を電極1
2に向かって移動し、式4の反応に依って外気中の酸素
と結合し、水となって出て来る。この時電子は電極13
から窓94を通り直流電源92を経て匡体93、枠7
4、集電体72、電極12へと流れる。集電体72と電
極12間の接触抵抗は、集電体72の弾性を利用して、
接触面圧を維持できるので、電圧ロスを低く保つことが
できる。また、この方式では電気化学デバイスは集電板
の弾性で固定されているだけなので、修理の際には電気
化学デバイス71部分を抜くだけで簡単に交換できる。
匡体93の体積が10リットル時、匡体93内の相対湿
度は大気より40〜50%程度低く抑えることができ
た。また実施例11の電気化学デバイスを用いた場合に
は、大量のガスの除湿ができるので、エアコンの冷却フ
ィンの風上につければ、フィン内での結露が防止でき、
また、酸素富化が可能になる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正内容】
【0091】請求項3の発明によれば、金属繊維を、下
イ〜ヘのいずれか1種または2種以上のように構成し
たので、ガス拡散電極の電気抵抗を小さくさせることが
でき、電圧ロスを低減させる効果がある。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素 ハ.周期表6A族元素 ニ.周期表8族元素 ホ.周期表1B族元素ヘ.周期表4A族元素
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】請求項10の発明によれば、前記金属を周
期表8族元素、周期表1B族元素から選択された1種
上により構成したので、該金属により金属繊維の腐食を
効果的に防止することができ、また該金属の触媒作用に
より電気化学反応をさらにスムーズに進行させることが
でき、反応に必要な電圧をさらに低下させる効果があ
る。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散電
    極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散電
    極を金属繊維の織布または不織布のいずれかとしたこと
    を特徴とする電気化学デバイス。
  2. 【請求項2】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散電
    極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散電
    極を金属繊維と有機繊維の混毛織布または混毛不織布の
    いずれかとしたことを特徴とする電気化学デバイス。
  3. 【請求項3】 前記金属繊維は下記イ〜ホのいずれか1
    種または2種以上であることを特徴とする請求項1また
    は2のいずれか1項記載の電気化学デバイス。 イ.オーステナイト系ステンレススチール ロ.周期表5A族元素 ハ.周期表6A族元素 ニ.周期表8族元素 ホ.周期表1B族元素
  4. 【請求項4】 前記金属繊維をフッ素化したことを特徴
    とする請求項1,2または3のいずれか1項記載の電気
    化学デバイス。
  5. 【請求項5】 前記有機繊維は撥水性繊維であることを
    特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項記載の電気
    化学デバイス。
  6. 【請求項6】 前記有機繊維は親水性繊維であることを
    特徴とする請求項2,3または4のいずれか1項記載の
    電気化学デバイス。
  7. 【請求項7】 前記ガス拡散電極に触媒粒子を担持した
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電
    気化学デバイス。
  8. 【請求項8】 前記触媒粒子は周期表8族元素であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の電気化学デバイス。
  9. 【請求項9】 前記金属繊維に、該金属繊維と異なる金
    属をメッキしたことを特徴とする請求項1,2,3また
    は4のいずれか1項記載の電気化学デバイス。
  10. 【請求項10】 前記金属は、周期表8族元素、周期表
    1B族元素から選択された1種以上であることを特徴と
    する請求項9記載の電気化学デバイス。
  11. 【請求項11】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散
    電極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散
    電極の少なくとも一方は、同一平面内に形成され電子的
    に絶縁された複数の電極部としたことを特徴とする電気
    化学デバイス。
  12. 【請求項12】 前記電極部の少なくとも1つの上部位
    置に、該電極部を全体的に覆い、かつ、気密性を有する
    封止部を設けたことを特徴とする請求項11記載の電気
    化学デバイス。
  13. 【請求項13】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散
    電極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散
    電極の少なくとも一方に、複数の貫通孔を形成し、これ
    ら貫通孔に前記固体高分子電解質の一部を浸入させたこ
    とを特徴とする電気化学デバイス。
  14. 【請求項14】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散
    電極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散
    電極の少なくとも一方の表面に、親水性繊維の織布また
    は不織布のいずれかからなる層を形成したことを特徴と
    する電気化学デバイス。
  15. 【請求項15】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散
    電極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記ガス拡散
    電極を屈曲させて前記固体高分子電解質と一体化したこ
    とを特徴とする電気化学デバイス。
  16. 【請求項16】 前記ガス拡散電極は、請求項1ないし
    10のいずれか1項記載のガス拡散電極であることを特
    徴とする請求項15記載の電気化学デバイス。
  17. 【請求項17】 固体高分子電解質の両面部にガス拡散
    電極を設けた電気化学デバイスにおいて、前記固体高分
    子電解質及びガス拡散電極を、弾性を有する集電体によ
    り挟持したことを特徴とする電気化学デバイス。
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