JPWO2004069743A1 - ナノカーボンの製造装置およびナノカーボンの製造方法 - Google Patents

ナノカーボンの製造装置およびナノカーボンの製造方法 Download PDF

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Abstract

ナノカーボンを安定的に大量生産するための製造方法および製造装置を提供する。製造チャンバー(107)において、円筒形のグラファイトロッド(101)を回転装置(115)に固定し、グラファイトロッド(101)の長さ方向を軸として回転し、また長さ方向に左右に移動させることを可能とする。グラファイトロッド(101)の側面にレーザー光源(111)からレーザー光(103)を照射し、プルーム(109)の発生方向にナノカーボン回収チャンバー(119)を設ける。一方、グラファイトロッド(101)の側面のうち、レーザー光(103)の照射された面を、回転装置(115)により速やかに回転し、切削バイト(105)によって平滑化する。切削バイト(105)によるグラファイトロッド(101)の切削屑は、切削グラファイト回収チャンバー(121)に回収し、生成したカーボンナノホーン集合体(117)と分離する。

Description

本発明は、ナノカーボンの製造装置およびナノカーボンの製造方法に関する。
近年、ナノカーボンの工学的応用が盛んに検討されている。ナノカーボンとは、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン等に代表される、ナノスケールの微細構造を有する炭素物質のことをいう。このうち、カーボンナノホーンは、グラファイトのシートが円筒状に丸まったカーボンナノチューブの一端が円錐形状となった管状体の構造を有しており、その特異な性質から、様々な技術分野への応用が期待されている。カーボンナノホーンは、通常、各々の円錐部間に働くファンデルワールス力によって、チューブを中心にし円錐部が角(ホーン)のように表面に突き出る形態で集合している。
カーボンナノホーン集合体は、不活性ガス雰囲気中で原料の炭素物質(以下適宜グラファイトターゲットと呼ぶ)に対してレーザー光を照射するレーザー蒸発法によって製造されることが報告されている(特許文献1)。
特許文献1 特開2001−64004号公報
本発明者は、レーザー蒸発法によりナノカーボンを安定的に大量生産する技術について鋭意検討をおこなった。その結果、以下の知見が見出された。
レーザー蒸発法では、一度レーザー光を照射されたグラファイトターゲットの表面は粗面化される。これを、円筒形のグラファイトターゲットの側面にレーザー光が照射される場合を例に説明する。図3は円筒形のグラファイトターゲットを用いた場合について、この様子を例示する図である。図3(c)は1回目にレーザー光103が照射される際のグラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面図であり、図3(a)はレーザー光103照射部の拡大図である。
図3(a)、図3(c)に示すように、1回目にレーザー光103が照射される側面は平滑面であるため、プルーム109が一定方向に生じる。一方、図3(d)は図3(c)において1回以上レーザー光103が照射された後の側面に再度レーザー光103を照射する様子を示す図である。図3(b)はレーザー光103照射部の拡大図である。図3(b)、(d)に示すように、一度レーザー光103が照射されるとグラファイトロッド101の側面は粗面化する。粗面化された部位に再度レーザー光103を照射すると、照射位置におけるパワー密度にばらつきが生じ、プルーム109の発生方向にも乱れが生じる。
一度レーザー光103が照射された面は粗面化されているため、再度レーザー光103を照射すると、レーザー光103の照射角やグラファイトロッド101側面での光照射面積が変化し、グラファイトロッド101側面におけるレーザー光103のパワー密度が変化してしまうことが見出された。このため、カーボンナノホーン集合体を安定的に大量生産することが困難であった。
このように、従来、カーボンナノホーン集合体を連続的、安定的に製造する方法が見出されておらず、カーボンナノホーン集合体を実用化する上では、大量生産技術の開発が重要な課題である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンナノホーン集合体を安定的に大量生産するための製造方法および製造装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ナノカーボンを安定的に大量生産するための製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明によれば、グラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するとともに、光が照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化する工程と、平滑化された前記グラファイトターゲットの表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法が提供される。
また本発明によれば、グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、光の照射によりグラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置が提供される。
本発明において、「平滑化」とは、処理前に比べてグラファイトターゲットの表面の凹凸の程度を相対的に小さくする処理をいう。本発明に係るナノカーボンの製造方法によれば、光照射によりグラファイトターゲット表面は粗面化するが、これを平滑化し、再度平滑化された部位に光照射を行う。したがって、光が照射されるグラファイトターゲット表面は常に平滑な状態に維持される。したがって、グラファイトターゲット表面の照射部位におけるパワー密度が一定に保たれるため、ナノカーボンを安定的に大量合成することが可能となる。なお、本明細書において、「パワー密度」とは、グラファイトターゲット表面に実際に照射される光のパワー密度、すなわちグラファイトターゲット表面の光照射部位におけるパワー密度を指すものとする。
本発明によれば、円筒形のグラファイトターゲットを中心軸周りに回転させながら、前記グラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するとともに、光が照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化する工程と、前記グラファイトターゲットを中心軸周りに回転させながら、平滑化された前記表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法が提供される。
また本発明によれば、円筒状のグラファイトターゲットを保持するとともに該グラファイトターゲットを中心軸周りに回転させるターゲット保持手段と、前記グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置が提供される。
本発明によれば、円筒形のグラファイトターゲットが中心軸周りに回転されるため、たとえば光照射により粗面化された側面が平滑化される。そして、平滑化された側面に再度光照射される。このように、円筒形のグラファイトターゲットを回転させながら光照射と平滑化の工程を行うことにより、ナノカーボンを連続的に効率よく大量生産することが可能となる。
なお、本発明において、「中心軸」とは、円筒形のグラファイトターゲットの長さ方向に垂直な断面中心を通り、長さ方向に水平な軸のことをいう。また、円筒形のグラファイトターゲットとして、たとえばグラファイトロッドが利用可能である。ここで、「グラファイトロッド」とは、ロッド状に成形されたグラファイトターゲットのことをいう。ロッド状であれば、中空、中実の別は問わない。また、光が照射される円筒形のグラファイトターゲットの表面は、上述のように、円筒形のグラファイトターゲットの側面であることが好ましい。ここで、「円筒形のグラファイトターゲットの側面」とは、円筒の長さ方向に平行な曲面(円筒面)のことを指す。
本発明によれば、平板状のグラファイトターゲットを保持するとともに該グラファイトターゲットを表面の法線方向に180度回転させるターゲット保持手段と、前記グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置が提供される。
また、本発明によれば、平板状のグラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、光が照射された前記グラファイトターゲットを、前記表面の法線方向に180度回転させた後、光が照射された前記グラファイトターゲットの前記表面を平滑化する工程と、平滑化された前記表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法が提供される。
本発明においては、平板状のグラファイトターゲットの一の面に光照射を行った後、これを反転させて他方の面に光照射を行う。そして、他の面に光照射をしつつ、一の面を平滑化することができる。平滑化された一の面はグラファイトターゲットの再度の反転の後、再度の光照射に供される。再度の光照射の間、他の面が平滑化される。このように、本発明においては、平板状グラファイトターゲットにおける光照射面を反転させながら光照射を行い、一の面に光を照射している間に他の面の平滑化を行うことができるように構成されている。このため、平板状のグラファイトターゲットを用いて所望の性状のナノカーボンを高い純度で効率よく安定的に製造することができる。
本発明のナノカーボンの製造方法において、前記グラファイトターゲットの表面に光照射する工程および該グラファイトターゲット表面に再度光照射する工程で、光の照射位置を移動させながら光照射することができる。
また本発明のナノカーボンの製造装置において、前記光源に対する前記グラファイトターゲットの相対的位置を移動させる移動手段をさらに備えることができる。移動手段として、たとえば、円筒形のグラファイトターゲットを中心軸周りに回転させながら光照射する場合、グラファイトターゲットの長さ方向の照射位置を移動させるようにグラファイトターゲットの位置を移動させる態様を採用することができる。
こうすることにより、光照射、平滑化、再度の光照射の工程をより一層効率よく連続的に行うことができるため、ナノカーボンを効率よく大量生産することができる。
たとえば本発明によれば、グラファイトターゲットをチャンバー内に設置し、前記グラファイトターゲットの表面に対し、照射位置を移動させながら光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するとともに光が照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化する工程と、前記チャンバーから前記グラファイトターゲットを取り出すことなく、平滑化された前記グラファイトターゲットの表面に対し、照射位置を移動させながら再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法が提供される。
本発明のナノカーボンの製造方法において、光を照射された表面を平滑化する前記工程は、前記グラファイトターゲットの表面の一部を除去する工程を含むことができる。
また本発明のナノカーボンの製造装置において、前記表面処理手段は、前記光の照射位置と異なる箇所において前記グラファイトターゲットの表面の一部を除去することができる。
こうすることにより、光照射により粗面化したグラファイトターゲット表面を、効率よく平滑化することができる。グラファイトターゲット表面を平滑化することができれば、その一部を除去する方法に特に制限はないが、たとえば、切削、研削、研磨などが挙げられる。
本発明のナノカーボンの製造装置において、前記表面処理手段にて発生する前記グラファイトターゲットの屑を回収するための屑回収手段をさらに備えることができる。こうすることにより、グラファイトターゲット表面の切削化により生じた切削屑を、生成したナノカーボンと効率よく分離し、回収することが可能となる。
本発明のナノカーボンの製造方法において、光照射する前記工程は、レーザー光を照射する工程を含むことができる。こうすることにより、光の波長および方向を一定とすることができるため、グラファイトターゲット表面への光照射条件を、精度良く制御することができる。したがって、所望のナノカーボンを選択的に製造することが可能となる。
本発明のナノカーボンの製造方法において、ナノカーボンを回収する前記工程は、カーボンナノホーン集合体を回収する工程を含むことができる。
また、本発明のナノカーボンの製造装置において、前記ナノカーボンはカーボンナノホーン集合体とすることができる。
こうすることにより、カーボンナノホーン集合体の大量合成を効率よく行うことができる。本発明において、カーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンは、単層カーボンナノホーンとすることもできるし、多層カーボンナノホーンとすることもできる。
また、ナノカーボンとしてカーボンナノチューブを回収することもできる。
以上説明したように本発明によれば、光が照射されたグラファイトターゲットの表面を平滑化し、平滑化されたグラファイトターゲットの表面に、再度、光照射し、グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収することにより、ナノカーボンを安定的に大量生産することができる。また本発明によれば、カーボンナノホーン集合体を安定的に大量生産することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
図1は、本発明に係るナノカーボンの製造装置の構成の一例を示す図である。
図2は、図1のナノカーボンの製造装置の構成を説明するための図である。
図3は、固体炭素単体物質のレーザー光照射部位について説明するための図である。
図4は、レーザー光の照射回数とカーボンナノホーン集合体の収率との関係を示す図である。
図5は、本発明に係るナノカーボンの製造装置の構成の一例を示す図である。
図6は、本発明に係るナノカーボンの製造装置の構成の一例を示す図である。
図7は、本発明に係るナノカーボンの製造方法の一例を説明する図である。
以下、ナノカーボンがカーボンナノホーン集合体である場合を例に、本発明に係るナノカーボンの製造装置および製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、ナノカーボンの製造装置の構成の一例を示す図である。図1の製造装置は、製造チャンバー107、ナノカーボン回収チャンバー119、および切削グラファイト回収チャンバー121の三つのチャンバー、および製造チャンバー107にレーザー光窓113を通じてレーザー光103を照射するためのレーザー光源111、レーザー光103の集光用のレンズ123を備える。
レーザー光103照射のターゲットとなる固体炭素単体物質として、グラファイトロッド101を用いる。グラファイトロッド101は回転装置115に固定されており、中心軸周りに軸として回転可能である。またグラファイトロッド101は位置移動も可能である。グラファイトロッド101の側面にレーザー光源111からレーザー光103が照射される。図1では、グラファイトロッド101の側面の頂部よりも少し下がった位置にレーザー光103が照射され、プルーム109は、照射面の法線方向に発生する。図1の装置では、プルーム109の発生方向真上に近い方向にナノカーボン回収チャンバー119が設けられているため、生成したカーボンナノホーン集合体117はナノカーボン回収チャンバー119に回収される。
グラファイトロッド101は回転装置115により回転しているため、レーザー光103が照射された領域は、切削バイト105がグラファイトロッド101に当接する箇所に導かれ、この箇所で切削され側面が平滑化される。切削バイト105によるグラファイトロッド101の切削屑は、切削グラファイト回収チャンバー121に回収され、生成したカーボンナノホーン集合体117と分離される。
図1の装置では、レーザー光源111および切削バイト105の位置は固定されている。グラファイトロッド101がその中心軸周りに回転するため、レーザー光103の照射位置が、速やかに切削バイト105に当接する位置へと移動し、切削バイト105によって平滑化される。このとき、グラファイトロッド101がその長軸方向に移動することにより、レーザー光103の照射位置が変化する。切削バイト105による切削部位も、照射位置の変化に対応して変化する。
この様子を図2に示す。図2は、図1のナノカーボンの製造装置におけるグラファイトロッド101とレーザー光103、切削バイト105の位置関係を示す図である。図2に示すように、レーザー光103は、照射位置とグラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面中心とを結ぶ線分と、水平面とのなす角、すなわち本実施形態における照射角が一定となるように照射される。レーザー光103の照射角を一定に保ちながら、グラファイトロッド101をその長さ方向にスライドさせることにより、グラファイトロッド101の長さ方向にレーザー光103を一定のパワー密度で連続的に照射することができる。
このときの照射角は30°以上60°以下とすることが好ましい。なお上述のように、本明細書において、照射角とは、レーザー光103の照射位置におけるグラファイトターゲットの表面に対する垂線とレーザー光103とのなす角のことである。円筒形のグラファイトターゲットを用いる場合、照射角は、図2、図3(c)および図3(d)に示すように、グラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面において、照射位置と円の中心とを結ぶ線分と、水平面とのなす角となる。
この照射角を30°以上とすることにより、照射するレーザー光103が反射して戻り光が発生するのを抑制することができる。また、発生するプルーム109がレーザー光窓113を通じてレンズ123へ直撃することが防止される。このため、レンズ123を保護し、またカーボンナノホーン集合体117のレーザー光窓113への付着防止に有効である。よって、グラファイトロッド101に照射される光のパワー密度を安定化し、カーボンナノホーン集合体117を高い収率で安定的に製造することができる。
また、レーザー光103を60°以下で照射することにより、アモルファスカーボンの生成を抑制し、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合、すなわちカーボンナノホーン集合体117の収率を向上させることができる。また、照射角は45°とすることが特に好ましい。45°で照射することにより、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合をより一層向上させることができる。
また、ナノカーボン製造装置347では、グラファイトロッド101の側面にレーザー光103を照射する構成となっているため、レンズ123の位置を固定した状態で側面の照射角度を変えることにより容易に変えることができる。このため、パワー密度を可変とし、確実に調節することができる。たとえば、レンズ123の位置を固定した場合において、たとえば、照射角を30°とすれば、パワー密度を高くすることができる。また、たとえば照射角度を60°とすることにより、パワー密度を低く制御できる。
また、図3を用いて前述したように、一度レーザー光103が照射されるとグラファイトロッド101の側面は粗面化する。粗面化された部位に再度レーザー光103を照射すると、照射位置におけるパワー密度にばらつきが生じ、プルーム109の発生方向にも乱れが生じる。このように、一度レーザー光103が照射された面に再度レーザー光103を照射すると、照射位置におけるパワー密度を一定とすることができないため、カーボンナノホーン集合体117の収率が低下する。
そこで、図1の装置においては、図2に示すように、グラファイトロッド101の下部に切削バイト105が設けられている。レーザー光103の照射部位よりも下部に切削バイト105を配置すると、レーザー光103の照射されたグラファイトロッド101側面が順次回転されて切削バイト105の位置に移動し、切削されるため、照射位置を連続的に平滑化することができる。このため、レーザー光103の照射面は、常に平滑面となる。よって、グラファイトロッド101を製造チャンバー107から取り出して平滑化の処理を行わなくても、レーザー光103照射部位のパワー密度を一定とすることができる。したがって、グラファイトロッド101を製造チャンバー107に設置したままでレーザー光103を連続的に照射することが可能となり、カーボンナノホーン集合体117を効率よく大量生産することができる。
また、図2のようにレーザー光103を照射すると、プルーム109は上方に生じるため、カーボンナノホーン集合体117は上方に向かって生成する。したがって、切削バイト105をグラファイトロッド101の下部に設けておけば、生成したカーボンナノホーン集合体117と切削バイト105によって切削された原料であるグラファイトロッド101の切削屑とを効率よく分離することが可能となる。
なお、図2のように、切削バイト105の設置部位は、レーザー光103の照射部位から、グラファイトロッド101が長軸に平行に移動する方向に対して等しいかまたはやや後方となる位置に設けることが好ましい。こうしておけば、グラファイトロッド101の側面がレーザー光103の照射前に切削されてしまうという不具合を確実に防止することができる。
以上のように、図1のナノカーボンの製造装置においては、円筒形のグラファイトロッド101の側面に照射されるレーザー光103の部位が連続的に変化し、かつ照射部位が回転することによって切削バイト105によって平滑化されるため、カーボンナノホーン集合体117を連続的に製造することが可能である。また、グラファイトターゲットであるグラファイトロッド101を繰り返しレーザー光103照射に供することができるため、グラファイトロッド101を有効利用することが可能である。
次に、図1の製造装置を用いたカーボンナノホーン集合体117の製造方法について具体的に説明する。
図1の製造装置において、グラファイトロッド101として、高純度グラファイト、たとえば丸棒状焼結炭素や圧縮成形炭素等を用いることができる。
また、レーザー光103として、たとえば、高出力COガスレーザー光などのレーザー光を用いる。なお、レーザー光窓113およびレンズ123の材料は、使用するレーザー光103の種類に応じて適宜選択される。たとえば、COガスレーザー光を用いる場合、レーザー光窓113およびレンズ123の材料をZnSeとすることができる。
レーザー光103のグラファイトロッド101への照射は、Ar、He等の希ガスをはじめとする反応不活性ガス雰囲気、たとえば10Pa以上10Pa以下の雰囲気中で行う。また、製造チャンバー107内を予めたとえば10−2Pa以下に減圧排気した後、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
また、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、となるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
また、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば5kW/cm以上30kW/cm以下、たとえば20±10kW/cmとなるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
レーザー光103の出力はたとえば1kW以上50kW以下とする。また、レーザー光103のパルス幅はたとえば0.02秒以上、好ましくは0.5秒以上と、さらに好ましくは0.75秒以上とする。こうすることにより、グラファイトロッド101の表面に照射されるレーザー光103の累積エネルギーを充分確保することができる。このため、カーボンナノホーン集合体117を効率よく製造することができる。また、レーザー光103のパルス幅はたとえば1.5秒以下とし、好ましくは1.25秒以下とする。こうすることにより、グラファイトロッド101の表面が過剰に加熱されることにより表面のエネルギー密度が変動し、カーボンナノホーン集合体の収率が低下するのを抑制することができる。レーザー光103のパルス幅は、0.75秒以上1秒以下とすることがさらに好ましい。こうすれば、カーボンナノホーン集合体117の生成率および収率をともに向上させることができる。
また、レーザー光103照射における休止幅は、たとえば0.1秒以上とすることができ、0.25秒以上とすることが好ましい。こうすることにより、グラファイトロッド101表面の過加熱をより一層確実に抑制することができる。
また、照射時のレーザー光103のグラファイトロッド101側面へのスポット径は、たとえば0.5mm以上5mm以下とすることができる。また、好ましい照射角度は、図2を用いて前述した通りである。
レーザー光103照射時に、回転装置115によってグラファイトロッド101を円周方向に一定速度で回転させる。回転数はたとえば1rpm以上20rpm以下とする。
また、レーザー光103のスポットを、たとえば0.01mm/sec以上55mm/sec以下の速度(周速度)で移動させることが好ましい。たとえば、直径100mmのグラファイトターゲットの表面にレーザー光103を照射する場合には、回転装置115によって直径100mmのグラファイトロッド101を円周方向に一定速度で回転させ、回転数をたとえば0.01rpm以上10rpm以下とすると、上記周速度を実現できる。なお、グラファイトロッド101の回転方向に特に制限はないが、レーザー光103から遠ざかる方向に回転させることが好ましい。こうすることにより、カーボンナノホーン集合体117をより一層確実に回収することができる。
グラファイトロッド101の下部に設ける切削バイト105は、グラファイトロッド101側面を平滑化することができる構成であれば特に制限はなく、種々の形状、材質のものを用いることができる。また、図1の製造装置では切削バイト105を用いているが、これに代わり種々の切削部材、またたとえばやすり等の研磨部材やたとえば、研磨紙(サンドペーパー)が上面に設けられたローラーを用いることができる。このとき、たとえば研磨紙の設けられたローラーの上面が面に直交する中心軸周りに回転し、グラファイトロッド101の円筒面を平滑化する構成とすることができる。部材などを用いてもよい。また、切削グラファイト回収チャンバー121を設ける位置には、切削バイト105による切削屑をカーボンナノホーン集合体117と分離して回収することができる位置であれば特に制限はない。
図1の装置では、レーザー光103の照射によって得られたすす状物質がナノカーボン回収チャンバー119に回収される構成となっているが、適当な基板上に堆積して回収することや、ダストバッグによる微粒子回収の方法によって回収することもできる。また、不活性ガスを反応容器内で流通させて、不活性ガスの流れによりすす状物質を回収することもできる。
図1の装置を用いて得られたすす状物質は、カーボンナノホーン集合体117を主として含み、たとえば、カーボンナノホーン集合体117が90wt%以上含まれる物質として回収される。
図5は、本実施形態に係るナノカーボン製造装置の別の構成を示す図である。図5のナノカーボン製造装置333の基本的な構成は図1の装置と同じであるが、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103の照射位置が異なる。これによりプルーム109の発生方向が異なるため、搬送管141の延在方向が異なる。さらに、ナノカーボン製造装置333は、不活性ガス供給部127、流量計129、真空ポンプ143、および圧力計145を備える。
レーザー光103を照射すると、プルーム109は、レーザー光103の照射位置におけるグラファイトロッド101の接線に垂直方向に発生する。ナノカーボン製造装置333では、レーザー光103がグラファイトロッド101の側面に照射され、照射角が45°となっている。そして、鉛直に対して45°をなす方向に搬送管141が設けられている。このため、グラファイトロッド101の接線に垂直方向に搬送管141が設けられた構成となっている。よって、効率よく炭素蒸気をナノカーボン回収チャンバー119に導き、カーボンナノホーン集合体117を回収することができる。また、照射角が45°であるため、上述したように、戻り光の発生が抑制され、カーボンナノホーン集合体117を高い収率で安定的に製造することができる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では円筒形のグラファイトターゲットを用いたが、平板状のグラファイトターゲットを用いることもできる。図6は、本実施形態に係るナノカーボン製造装置341の構成を模式的に示す断面図である。
ナノカーボン製造装置341の基本構成は図1および図5の装置と同様であるが、回転装置337およびフライス339を有する点が異なる。
回転装置337は、グラファイト板335を保持する。そして、グラファイト板335を面方向に移動させるとともに、照射面を反転させる回転機構を備えている。
フライス339は、所定の位置で長軸まわりに回転し、グラファイト板335の表面を切削する。フライス339をグラファイト板335の下部に設けておけば、生成したカーボンナノホーン集合体117とフライス339によって切削された切削屑とを効率よく分離することができる。
なお、フライス339の設置部位は、たとえば、レーザー光103の照射部位からグラファイト板335が面方向に移動する方向に対して等しいかまたはやや後方となる位置に設けることができる。こうすれば、レーザー光103を照射する際に確実にグラファイト板335の裏面を平滑化することができる。
グラファイト板335は、その両面をレーザー光103の照射面として提供できればよく、たとえば平板状またはシート状のグラファイトを用いることができる。グラファイト板335は、その表面の幅が厚みよりも大きい形状とすることができる。こうすれば、表面に効率よくレーザー光103を照射することができるため、カーボンナノホーン集合体117を効率よく生産することができる。
また、グラファイト板335を矩形とすることができる。こうすれば、グラファイト板335の移動方向の調節を容易に行うことができる。たとえば、グラファイト板335を矩形の長辺に平行な方向に直線移動させながらレーザー光103を照射して、カーボンナノホーン集合体117を効率よく生産することができる。
図7(a)〜図7(c)は、ナノカーボン製造装置341を用いたカーボンナノホーン集合体117の製造の手順を説明する図である。まず、グラファイト板335を表面に水平方向に移動させながら、レーザー光103を照射する(図7(a))。たとえば、グラファイト板335を長手方向に移動させながら、第一の面343に照射する。このとき、レーザー光103は製造チャンバー107内の所定の位置に照射されるため、グラファイト板335を水平移動させることにより、レーザー光103の照射位置を移動させながら第一の面343にレーザー光103を照射することができる。レーザー光103の照射により、第一の面343が粗面化される。
次に、回転装置337によりグラファイト板335を180°回転させる(図7(b))。こうすると、レーザー光103の照射面が反転し、レーザー光103の照射面として平滑な第二の面345が提供される。このとき、レーザー光103の照射は休止する。
そして、第二の面345にレーザー光103を照射する。また、同時に、フライス339を回転させて、第一の面343を平滑化する。フライス339は製造チャンバー107内の所定の位置で回転するため、第二の面345の面方向にグラファイト板335を移動させながらレーザー光103を照射することにより、フライス339による切削位置を移動させながら第一の面343を切削することができる。フライス339によるグラファイト板335の切削屑は、切削グラファイト回収チャンバー121に回収され、生成したナノカーボン回収チャンバー119に回収されるカーボンナノホーン集合体117と分離される。
本実施形態において、レーザー光103の照射条件は第一の実施形態と同様とすることができる。また、グラファイト板335の表面にレーザー光103を照射しながら、グラファイト板335を並進移動させるときの移動速度は、たとえば0.4mm/min以上4.8mm/min以下とする。4.8mm/min以下とすることにより、グラファイト板335の表面に確実にレーザー光103を照射することができる。また、0.4mm/min以上とすることにより、効率よくカーボンナノホーン集合体117を製造することができる。
ナノカーボン製造装置341では、レーザー光103の照射面を反転させることが可能であり、グラファイト板335の二つの面に交互にレーザー光103を照射する。また、レーザー光103の照射後、フライス339で表面を平滑化した後再度の照射に供する。このため、照射面におけるレーザー光103のパワー密度のぶれを抑制することができる。よって、所定の性質のカーボンナノホーン集合体117を高い収率で安定的に製造することができる。
以上の実施形態に係るナノカーボン製造装置を用いることにより、レーザー光103が照射されたグラファイトロッド101側面を平滑化し、再度のレーザー光103照射に供することができるため、カーボンナノチューブの製造においてもこれを安定的に大量生産することが可能である。
なお、カーボンナノホーン集合体117を構成するカーボンナノホーンの形状、径の大きさ、長さ、先端部の形状、炭素分子やカーボンナノホーン間の間隔等は、レーザー光103の照射条件などによって様々に制御することが可能である。
以上、本発明を実施形態に基づき説明した。これらの実施形態は例示であり様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、以上の実施形態に記載のナノカーボン製造装置は、レーザー光103の照射、グラファイトターゲットの移動もしくは回転、または切削バイトやフライスの駆動を制御する制御部を有していてもよい。
また、以上においてはナノカーボンとしてカーボンナノホーン集合体を製造する場合を例に説明したが、以上の実施形態に係る製造装置を用いて製造されるナノカーボンはカーボンナノホーン集合体には限定されない。
たとえば、図1の製造装置を用いてカーボンナノチューブを製造することもできる。カーボンナノチューブを製造する場合、グラファイトロッド101の側面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば50±10kW/cmとなるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
また、グラファイトロッド101には、触媒金属をたとえば0.0001wt%以上5%以下添加する。金属触媒として、たとえばNi、Coなどの金属を用いることができる。
本実施例では、図1に示す構成のナノカーボンの製造装置を用いてカーボンナノホーン集合体117を作製した。
グラファイトロッド101として直径100mm、長さ250mmの焼結丸棒炭素を用い、これを製造チャンバー107内の回転装置115に固定した。製造チャンバー107内を10−3Paにまで減圧排気した後、Arガスを10Paの雰囲気圧となるように導入した。次いで、室温中にてグラファイトロッド101を回転数6rpmで回転させ、また0.3mm/secにて水平移動させながら、その側面にレーザー光103を照射した。
レーザー光103には高出力のCOレーザー光を用い、その出力は3〜5kW、波長10.6μm、パルス幅5secの連続発振とした。また、グラファイトロッド101の長さ方向に垂直な断面において、照射位置と円の中心とを結ぶ線分と、水平面とのなす角、すなわち照射角を45°とし、グラファイトロッド101側面でのパワー密度は20kW/cm±10kW/cmとした。
得られたすす状物質についてTEM観察を行った。また、ラマン分光法により、1350cm−1と1590cm−1の強度を比較し、カーボンナノホーン集合体117の収率を算出した。
次に、切削バイト105によって平滑化されたグラファイトロッド101側面に2回目のレーザー光103照射を行い、上述の方法によりカーボンナノホーン集合体117の収率を求めた。さらに、2回目の照射を行った部位にさらに3度目の照射を行い、同様に生成物の評価を行った。
得られたすす状物質を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、1回目〜3回目のいずれの照射においても、カーボンナノホーン集合体117が支配的に生成しており、その粒子径は、80nm以上120nm以下の範囲であった。また、1回目〜3回目の照射後に得られた物質全体中のカーボンナノホーン集合体117の収率をラマン分光法によって求めたところ、図4に示すように、いずれも90%以上の高収率となった。
したがって、本実施例では、レーザー光103の照射されたグラファイトロッド101側面を切削バイト105にて切削し、再度レーザー光103を照射することにより、高い収率でカーボンナノホーン集合体117が得られた。またこの工程は、カーボンナノホーン集合体の大量生産に好適な連続工程であることが明らかになった。
(比較例)
図1の装置において、切削バイト105を用いずにカーボンナノホーン集合体117の製造を行った。グラファイトロッド101の側面を切削バイト105で切削しないことの他は、実施例と同様にして行った。
その結果、図4に示すように、同一のグラファイトロッド101に対するレーザー光103の照射回数が増すにつれ、カーボンナノホーン集合体の収率は顕著に減少した。そこで、レーザー光103を1回照射した後の側面を肉眼で観察したところ、レーザー光103の照射部位に深さ約3mmの凹部が形成されており、凹部の側面も照射前の側面に比べて粗面化していた。したがって、凹部の形成された側面に再度レーザー光103が照射されたため、レーザー光103の入射角やパワー密度が変化するため、カーボンナノホーン集合体117の収率が減少したと考えられる。

Claims (14)

  1. グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、
    光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、
    光の照射によりグラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、
    を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  2. 円筒状のグラファイトターゲットを保持するとともに該グラファイトターゲットを中心軸周りに回転させるターゲット保持手段と、
    前記グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、
    光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、
    光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、
    を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  3. 平板状のグラファイトターゲットを保持するとともに該グラファイトターゲットを表面の法線方向に180度回転させるターゲット保持手段と、
    前記グラファイトターゲットの表面に光を照射するための光源と、
    光を照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化するための表面処理手段と、
    光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するための回収手段と、
    を備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載のナノカーボンの製造装置において、前記光源に対する前記グラファイトターゲットの相対的位置を移動させる移動手段をさらに備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載のナノカーボンの製造装置において、前記表面処理手段は、前記光の照射位置と異なる箇所において前記グラファイトターゲットの表面の一部を除去することを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  6. 請求項5に記載のナノカーボンの製造装置において、前記表面処理手段にて発生する前記グラファイトターゲットの屑を回収するための屑回収手段をさらに備えることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載のナノカーボンの製造装置において、前記ナノカーボンがカーボンナノホーン集合体であることを特徴とするナノカーボンの製造装置。
  8. グラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するとともに、光が照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化する工程と、
    平滑化された前記表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  9. 円筒形のグラファイトターゲットを中心軸周りに回転させながら、前記グラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収するとともに、光が照射された前記グラファイトターゲットの表面を平滑化する工程と、
    前記グラファイトターゲットを中心軸周りに回転させながら、平滑化された前記表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  10. 平板状のグラファイトターゲットの表面に光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、
    光が照射された前記グラファイトターゲットを、前記表面の法線方向に180度回転させた後、光が照射された前記グラファイトターゲットの前記表面を平滑化する工程と、
    平滑化された前記表面に、再度、光照射し、前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気をナノカーボンとして回収する工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  11. 請求の範囲第8項乃至第10項いずれかに記載のナノカーボンの製造方法において、グラファイトターゲットの表面に光照射する前記工程およびグラファイトターゲット表面に再度光照射する前記工程で、光の照射位置を移動させながら光照射することを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  12. 請求の範囲第8項乃至第11項いずれかに記載のナノカーボンの製造方法において、光を照射された表面を平滑化する前記工程は、前記グラファイトターゲットの表面の一部を除去する工程を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  13. 請求の範囲第8項乃至第12項いずれかに記載のナノカーボンの製造方法において、前記グラファイトターゲットの表面に光照射する前記工程は、レーザー光を照射する工程を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  14. 請求の範囲第8項乃至第13項いずれかに記載のナノカーボンの製造方法において、ナノカーボンを回収する前記工程は、カーボンナノホーン集合体を回収する工程を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
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