JP4581997B2 - ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法 - Google Patents

ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4581997B2
JP4581997B2 JP2005505910A JP2005505910A JP4581997B2 JP 4581997 B2 JP4581997 B2 JP 4581997B2 JP 2005505910 A JP2005505910 A JP 2005505910A JP 2005505910 A JP2005505910 A JP 2005505910A JP 4581997 B2 JP4581997 B2 JP 4581997B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphite target
nanocarbon
light
target
graphite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005505910A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2004096705A1 (ja
Inventor
丈史 莇
務 吉武
佳実 久保
澄男 飯島
大介 糟屋
雅子 湯田坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JPWO2004096705A1 publication Critical patent/JPWO2004096705A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581997B2 publication Critical patent/JP4581997B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/16Preparation
    • C01B32/162Preparation characterised by catalysts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/18Nanoonions; Nanoscrolls; Nanohorns; Nanocones; Nanowalls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/44Carbon
    • C09C1/48Carbon black
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/60Particles characterised by their size
    • C01P2004/64Nanometer sized, i.e. from 1-100 nanometer

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法に関する。
近年、ナノカーボンの工学的応用が盛んに検討されている。ナノカーボンとは、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン等に代表される、ナノスケールの微細構造を有する炭素物質のことをいう。このうち、カーボンナノホーンは、グラファイトのシートが円筒状に丸まったカーボンナノチューブの一端が円錐形状となった管状体の構造を有しており、その特異な性質から、様々な技術分野への応用が期待されている。カーボンナノホーンは、通常、各々の円錐部間に働くファンデルワールス力によって、チューブを中心にし円錐部が角(ホーン)のように表面に突き出る形態で集合している。
カーボンナノホーン集合体は、不活性ガス雰囲気中で原料の炭素物質(以下「グラファイトターゲット」とも呼ぶ。)に対してレーザー光を照射するレーザー蒸発法によって製造されることが報告されている(非特許文献1)。非特許文献1には、円柱状のグラファイトターゲットを軸に沿って回転させ、また、レーザー光をその側面に垂直に照射することが記載されている。
S. Iijima、他6名、Chemical Physics Letters、ELSEVIER、1999年、第309号、p.165−170
ところが、円柱状のグラファイトターゲットの側面に沿ってレーザー光を照射する場合、レーザー光の照射位置のずれが生じることがあった。また、一度レーザー光を照射されたグラファイトターゲットの表面は粗面化されるため、粗面化された部位に再度レーザー光を照射すると、グラファイトターゲットの側面における光照射面積が変化しやすかった。
このため、グラファイトターゲットの側面に照射される光のパワー密度にばらつきが生じ、カーボンナノホーン集合体の収率が低下することがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーボンナノホーン集合体を安定的に大量生産する技術を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ナノカーボンを安定的に大量生産する技術を提供することにある。
本発明によれば、
シート状のグラファイトターゲットを保持するターゲット保持手段と、
前記グラファイトターゲットの表面に光を照射する光源と、
前記ターゲット保持手段に保持された前記グラファイトターゲットと前記光源のうち一方を他方に対して相対的に移動させ、前記グラファイトターゲットの表面における前記光の照射位置を移動させる移動手段と、
前記光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気を回収し、ナノカーボンを得る回収手段と、
前記グラファイトターゲットの表面に照射される前記光のパワー密度が略一定となるように前記移動手段または前記光源の動作を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするナノカーボン製造装置が提供される。
本発明に係るナノカーボン製造装置は、シート状のグラファイトターゲットを保持するターゲット保持手段を備える。また、グラファイトターゲットと光源のうち一方を他方に対して相対的に移動させる移動手段を有する。このため、これらの相対位置を移動させながらグラファイトターゲットの表面に光を照射することができる。
また、従来用いられている円柱状のグラファイトターゲットを回転させながら、その表面に光を照射する場合、曲面に光を照射するため、照射位置のずれによる照射角度の変化の影響が大きく、パワー密度にぶれが生じやすい。これに対し、本発明ではシート状のグラファイトターゲットの表面に光を照射するため、照射位置がずれた際にもグラファイトターゲット表面における光の照射角度が変化しにくい。このため、光が照射される表面におけるパワー密度の制御が容易となり、パワー密度のぶれを抑制することができる。よって、ナノカーボンの品質を安定化することができる。また、ナノカーボンの収率を向上させることができる。したがって、ナノカーボンを安定的に大量生産することが可能となる。
なお、本明細書において、以下「パワー密度」とは、グラファイトターゲット表面に実際に照射される光のパワー密度、すなわちグラファイトターゲット表面の光照射部位におけるパワー密度を指すものとする。また、本発明において、グラファイトターゲットの表面を平面とすることができる。こうすれば、光の照射位置のずれによるパワー密度の変化をより一層確実に抑制することができる。
本発明によれば、
シート状のグラファイトターゲットの表面に、光の照射位置を移動させながら、グラファイトターゲットの表面に照射される前記光のパワー密度が略一定となるよう前記照射し、前記グラファイトターゲットから炭素蒸気を蒸発させる工程と、
前記炭素蒸気を回収し、ナノカーボンを得る工程と、
を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法が提供される。
本発明に係るナノカーボンの製造方法においては、シート状のグラファイトターゲット表面に光照射するため、光照射部位のずれによるパワー密度のぶれを抑制することができる。よって、ナノカーボンの品質を安定化することができる。また、ナノカーボンの収率を向上させることができる。したがって、ナノカーボンを安定的に大量生産することが可能となる。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は、前記グラファイトターゲットの表面の前記照射位置における前記光の照射角度を略一定にしながら前記光の照射位置を移動させるように構成されてもよい。
また、本発明のナノカーボンの製造方法において、前記グラファイトターゲットの表面への前記光の照射角度が略一定となるように前記光を照射する工程を含んでもよい。
こうすることにより、光の照射位置にグラファイトターゲットを連続的に供給しながら、一定の照射角度でグラファイトターゲットの表面に光を照射することができる。よって、グラファイトターゲットの表面に照射される光のパワー密度のぶれをさらに確実に抑制することができる。このため、ナノカーボンを安定的に大量生産することができる。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は、前記光が照射された箇所の前記グラファイトターゲットを消失させながら、前記光の照射位置を移動させるように構成されてもよい。
また、本発明のナノカーボンの製造方法において、前記光が照射された箇所の前記グラファイトターゲットを消失させながら、前記グラファイトターゲットの表面における前記光の照射位置を移動させてもよい。
本発明においては、光照射位置にグラファイトターゲットを移動させながら光照射を行い、グラファイトターゲットが光照射された箇所から消失させる。ここで、グラファイトターゲットを消失させるというのは、グラファイトターゲットの表面から所定の深さの領域のみを蒸発除去させるのではなく、照射された領域が深さ方向にすべて除去され、光の再照射を不要とすることをいう。
この構成によれば、グラファイトターゲットの供給と消費とを連動させて効率よくグラファイトターゲットを使用することができる。また、グラファイトターゲット表面において、一度光が照射された箇所に再度の光照射されることなくグラファイトターゲットを消失させることができるため、一度の光照射によりグラファイトターゲットを使い切ることができる。一度光が照射された箇所では表面に凹凸が生じるため、再度光照射する際にパワー密度のぶれが生じやすいが、このようにすれば、グラファイトターゲット表面に照射される光のパワー密度のぶれをさらに確実に抑制することができる。このため、ナノカーボンの品質を安定化することができる。また、ナノカーボンの収率をさらに向上させることができる。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記グラファイトターゲットの表面に照射される前記光のパワー密度が略一定となるように前記移動手段または前記光源の動作を制御する制御部をさらに有する。こうすることにより、グラファイトターゲットの表面に照射される光のパワー密度をより一層確実に制御することが可能となる。このため、安定した品質のナノカーボンを高収率で製造可能な構成とすることができる。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は前記ターゲット保持手段に保持された前記グラファイトターゲットを並進移動させる構成とすることができる。グラファイトターゲットを並進移動させる構成とすることにより、グラファイトターゲットを回転させる回転機構を設ける必要がなく、装置構成を簡素化することができる。また、シート状のグラファイトターゲットを並進移動させることにより、グラファイトターゲットの表面に照射する光のパワー密度のぶれの抑制が容易となる。このため、ナノカーボンの品質をさらに安定化することができる。また、ナノカーボンの収率を向上させることができる。
本発明のナノカーボン製造装置において、一対のローラー間に無端ベルト状の前記グラファイトターゲットを架設し、前記移動手段が前記ローラーを回転させることにより前記グラファイトターゲットを駆動するよう構成されてもよい。こうすることにより、光の照射位置にグラファイトターゲットを効率よく送出することができる。また、このときに照射される光のパワー密度の制御も容易となる。また、無端ベルト状のグラファイトターゲットを一対のローラー間に架設する構成とすることにより、装置を小型化することができる。なお、本発明において、「一対のローラー」に含まれるローラーの数は、二でもよいし、三以上であってもよい。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記グラファイトターゲットは回転体に巻回されたシート状のグラファイトターゲットであって、前記移動手段は、前記回転体を回転駆動するとともに前記回転体から解放された前記グラファイトターゲットを前記光の照射位置の方向に押し出すように構成されてもよい。グラファイトターゲットが回転体に巻回された構成とすることにより、装置をさらに小型化することができる。また、グラファイトターゲットにおいて、回転体から解放され、巻回が解かれて広がった部分を光の照射位置の方向に押し出すことにより、シート状のグラファイトターゲットを光の照射位置に連続的に供給することができる。また、一度の製造に用いるグラファイトターゲットの量を増加させることができるため、より大量生産に適した構成とすることができる。
本発明のナノカーボン製造装置において、前記ナノカーボンがカーボンナノホーン集合体であってもよい。
また、本発明のナノカーボンの製造方法において、ナノカーボンを回収する前記工程は、カーボンナノホーン集合体を回収する工程を含むことができる。
こうすることにより、カーボンナノホーン集合体の大量生産を効率よく行うことができる。本発明において、カーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンは、単層カーボンナノホーンとすることもできるし、多層カーボンナノホーンとすることもできる。
また、ナノカーボンとしてカーボンナノチューブを回収することもできる。
本発明のナノカーボンの製造方法において、光照射する前記工程は、レーザー光を照射する工程を含むことができる。こうすることにより、光の波長および方向を一定とすることができるため、グラファイトターゲット表面への光照射条件を、精度良く制御することができる。したがって、所望のナノカーボンを選択的に製造することが可能となる。
以上説明したように本発明によれば、ナノカーボンを安定的に大量生産することができる。また本発明によれば、カーボンナノホーン集合体を安定的に大量生産することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
図1は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置の構成を示す側面図である。
図2は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置の構成を示す図である。
図3は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置の構成を示す側面図である。
図4は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置の構成を示す側面図である。
図5は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置の構成を示す側面図である。
図6は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置に適用可能なグラファイトターゲットの形状を例示する図である。
図7は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置に適用可能なグラファイトターゲットの形状を例示する図である。
図8は、実施の形態に係るナノカーボンの製造装置におけるプロセス管理の方法を説明するための図である。
図9は、実施の形態に係るナノカーボンの製造方法を説明するための図である。
図10は、レーザー光の照射角を説明するための図である。
以下、ナノカーボンがカーボンナノホーン集合体である場合を例に、本発明に係るナノカーボン製造装置および製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、ナノカーボン製造装置の構成の一例を示す側面図である。なお、本明細書において、図1および他の製造装置の説明に用いる図は概略図であり、各構成部材の大きさは実際の寸法比に必ずしも対応していない。
図1のナノカーボン製造装置125は、製造チャンバ107およびナノカーボン回収チャンバ119の二つのチャンバを備える。製造チャンバ107には、不活性ガス供給部127が流量計129を介して接続されている。また、光源保持部112に保持されたレーザー光源111から出射するレーザー光103が、ZnSe平凸レンズ131およびZnSeウインドウ133を透過して、製造チャンバ107内に設置されたグラファイトターゲット139の表面に照射される。
グラファイトターゲット139は、レーザー光103の照射のターゲットとなる固体炭素単体物質である。グラファイトターゲット139はターゲット供給プレート135上のターゲット保持部153に保持されている。プレート保持部137は、ターゲット供給プレート135を水平方向に並進移動させる。このため、ターゲット供給プレート135が移動すると、その上に設置されたグラファイトターゲット139が移動し、レーザー光103の照射位置とグラファイトターゲット139の表面との相対的な位置が移動する構成となっている。
図2(a)および図2(b)は、ターゲット供給プレート135およびプレート保持部137の構成をさらに詳細に説明する図である。図2(a)は上面図、図2(b)は、図2(a)のA−A'方向の断面図である。
ターゲット供給プレート135の底面およびプレート保持部137の表面にはネジ山が形成されており、ラックピニオン方式でターゲット供給プレート135が図2(b)中の左右方向に移動できるように構成されている。また、ターゲット供給プレート135の溝部155にターゲット保持部153の凸部157がスライド可能に掛合されているため、ターゲット保持部153およびターゲット保持部153に保持されたグラファイトターゲット139が図2(a)中の上下方向に移動できるように構成されている。
このような構成とすることにより、シート状のグラファイトターゲット139をp1−q1方向およびp1−pn方向に移動させることができる。このため、グラファイトターゲット139を面内で二次元的に移動させることができる。このため、レーザー光源111から出射するレーザー光103の照射位置に供給することができる。
また、本実施形態においては、グラファイトターゲット139の表面への照射光のパワー密度が略一定となるように、グラファイトターゲット139におけるレーザー光103の照射位置を移動させる。たとえば、レーザー光103の照射角度または照射光強度などを調節する。たとえば、グラファイトターゲット139の表面が平面である場合、レーザー光103の照射角度が一定となるようにレーザー光源111を設置し、一定の強度でレーザー光103を照射しながら、グラファイトターゲット139を並進移動させることができる。
図1に戻り、搬送管141は、ナノカーボン回収チャンバ119に連通している。また、搬送管141は、グラファイトターゲット139の表面にレーザー光源111からレーザー光103が照射される際の、プルーム109の発生方向に設けられている。図1では、グラファイトターゲット139の表面と45°の角をなすレーザー光103が照射されるため、プルーム109はグラファイトターゲット139の表面に対し垂直な方向に発生する。そして、搬送管141はグラファイトターゲット139の表面に垂直方向にその長さ方向を配置した構成となっている。こうすれば、蒸発した炭素蒸気が冷却されて生成したカーボンナノホーン集合体117を搬送管141からナノカーボン回収チャンバ119に誘導し、確実にナノカーボン回収チャンバ119に回収される。
グラファイトターゲット139として用いる固体炭素単体物質の形状は、シート状とすることができる。グラファイトターゲット139の形状をシート状とし、グラファイトターゲット139の表面に照射するレーザー光103の照射角および強度を一定とすることにより、表面におけるパワー密度のぶれが抑制され、カーボンナノホーン集合体117を安定的に製造することが可能となる。また、レーザー光103の照射角を一定に保ちながら、グラファイトターゲット139をその長さ方向にスライドさせた場合にも、グラファイトターゲット139の長さ方向にレーザー光103を一定のパワー密度で照射することができる。
このときの照射角は30°以上60°以下とすることが好ましい。なお、本実施形態において照射角とは、レーザー光103の照射位置におけるグラファイトターゲット139の表面に対する垂線とレーザー光103とのなす角のことである。図10は、この照射角を説明するための図である。図10(a)は、グラファイトターゲット139の表面が平面である場合のグラファイトターゲット139の断面図であり、図10(b)はグラファイトターゲット139の表面が曲面である場合のグラファイトターゲット139の断面図である。
この照射角を30°以上とすることにより、照射するレーザー光103の反射、すなわち戻り光の発生を防止することができる。また、発生するプルーム109がZnSeウインドウ133を通じてZnSe平凸レンズ131へ直撃することが抑制される。このため、ZnSe平凸レンズ131を保護することができる。また、カーボンナノホーン集合体117のZnSeウインドウ133への付着を抑制することができる。
また、照射角を60°以下とすることにより、アモルファスカーボンの生成を抑制し、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合、すなわちカーボンナノホーン集合体117の収率を向上させることができる。
また、照射角は、図1に示したように45°とすることが特に好ましい。45°で照射することにより、生成物中のカーボンナノホーン集合体117の割合をより一層高め、収率を向上させることができる。
以上のように、図1のナノカーボン製造装置においては、グラファイトターゲット139の表面におけるレーザー光103の照射位置を連続的に変化させることができるため、カーボンナノホーン集合体117を連続的に製造することが可能である。また、グラファイトターゲット139表面に照射されるレーザー光103のパワー密度を一定に保つことが容易であるため、カーボンナノホーン集合体を高収率で安定的に製造することができる。
次に、図1の製造装置を用いたカーボンナノホーン集合体117の製造方法について具体的に説明する。
グラファイトターゲット139として、高純度グラファイト、たとえばシート状の、焼結炭素や圧縮成形炭素等を用いることができる。
また、レーザー光103として、たとえば、高出力CO2ガスレーザー光などのレーザー光を用いる。
レーザー光103のグラファイトターゲット139への照射は、Ar、He等の希ガスをはじめとする反応不活性ガス雰囲気、たとえば103Pa以上105Pa以下の雰囲気中で行う。また、圧力計145が接続された真空ポンプ143により、製造チャンバ107内を予めたとえば10-2Pa以下に減圧排気した後、不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
また、グラファイトターゲット139の表面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば20±10kW/cm2となるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
レーザー光103の出力はたとえば1kW以上50kW以下、さらに具体的には、たとえば3kW以上5kW以下とする。また、レーザー光103のパルス幅はたとえば0.02秒以上、好ましくは0.5秒以上、さらに好ましくは0.75秒以上とする。こうすることにより、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103の累積エネルギーを充分確保することができる。このため、カーボンナノホーン集合体117を効率よく製造することができる。また、レーザー光103のパルス幅はたとえば1.5秒以下とし、好ましくは1.25秒以下とする。こうすることにより、グラファイトターゲット139の表面が過剰に加熱されることにより表面のエネルギー密度が変動し、カーボンナノホーン集合体の収率が低下するのを抑制することができる。レーザー光103のパルス幅は、0.75秒以上1秒以下とすることがさらに好ましい。こうすれば、カーボンナノホーン集合体117の生成率および収率をともに向上させることができる。
また、レーザー光103照射における休止幅は、たとえば0.1秒以上とすることができ、0.25秒以上とすることが好ましい。こうすることにより、グラファイトターゲット139表面の過加熱をより一層確実に抑制することができる。
また、レーザー光103の好ましい照射角度は、図1を用いて前述したように、30°以上60°以下とすることができ、45°とすることが好ましい。グラファイトターゲット139の表面における照射されるレーザー光103のスポット径は、たとえば0.5mm以上5mm以下とすることができる。
また、グラファイトターゲット139の表面にレーザー光103を照射しながら、グラファイトターゲット139を並進移動させる。このとき、レーザー光103のスポットを、たとえば0.01mm/sec以上100mm/sec以下の速度で移動させるようにグラファイトターゲット139を移動させることが好ましい。具体的には、グラファイトターゲット139の移動速度を、たとえば2.5mm/sec以上50mm/sec以下とする。50mm/sec以下とすることにより、グラファイトターゲット139の表面に確実にレーザー光103を照射することができる。また、2.5mm/sec以上とすることにより、効率よくカーボンナノホーン集合体117を製造することができる。
ナノカーボン製造装置125を用いて製造されたすす状物質は、カーボンナノホーン集合体117を主として含み、たとえば、カーボンナノホーン集合体117が90wt%以上含まれる物質として回収される。このように、ナノカーボン製造装置125を用いることにより、カーボンナノホーン集合体117を高い収率で得ることができる。また、得られるカーボンナノホーン集合体117の品質を安定化することができる。
また、ナノカーボン製造装置125では、グラファイトターゲット139の位置を平面方向に移動させることが可能であるため、レーザー光103照射によりグラファイトターゲット139を使い切ることが可能である。また、グラファイトターゲット139の屑を回収するためのチャンバ等を特に設ける必要がなく、構成を簡素化し、また小型化することができる。
なお、カーボンナノホーン集合体117を構成するカーボンナノホーンの形状、径の大きさ、長さ、先端部の形状、炭素分子やカーボンナノホーン間の間隔等は、レーザー光103の照射条件などによって様々に制御することが可能である。
(第二の実施形態)
本実施形態は、ナノカーボン製造装置の別の構成に関する。本実施形態において、第一の実施形態に記載のナノカーボン製造装置125と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るナノカーボン製造装置の構成を示す側面図である。図3のナノカーボン製造装置149は、グラファイトターゲット139の送り出しをベルトコンベア方式によって行う構成である。
ナノカーボン製造装置149では、円柱形のローラー161の側面に、ターゲット保持プレート159を介してグラファイトターゲット139の環状のシートが装着されている。ローラー161を所定の方向に回転させることにより、グラファイトターゲット139表面におけるレーザー光103の照射位置が移動する。
レーザー光103の照射は、グラファイトターゲット139のうち、ターゲット保持プレート159に支持されている部分に行うことが好ましい。照射光のパワー密度を一定とするためには、照射部位の表面が平坦であることが好ましいのに対し、ターゲット保持プレート159に支持されていない角部では、ターゲット保持プレート159に支持されている部分よりグラファイトターゲット139の表面の曲率が大きいためである。
本実施形態では、ローラー161の側面に無端ベルト状のグラファイトターゲット139を装着し、一対のローラー161間に無端ベルト状のグラファイトターゲット139が架設された構成となっている。このため、第一の実施形態に比べて一度に処理するグラファイトターゲット139の量を大きくすることができる。また、ローラー161を回転させることによりグラファイトターゲット139を駆動するように構成されている。このため、簡素な構成でレーザー光103の照射位置に平滑なグラファイトターゲット139の表面を安定的に連続供給することができる。よって、より一層大量生産に適した構成となっている。
なお、本実施形態においても、第一の実施形態で図2を用いて説明した構成と同様に、ターゲット保持プレート159に溝部(図3では不図示)を形成し、これにターゲット保持部(図3では不図示)の凸部(図3では不図示)を掛合させることにより、グラファイトターゲット139を図3中の紙面に垂直な方向にも移動させることが可能である。
(第三の実施形態)
本実施形態は、ナノカーボン製造装置の別の構成に関する。本実施形態においても、第一または第二の実施形態に記載のナノカーボン製造装置125またはナノカーボン製造装置149と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図4は、本実施形態に係るナノカーボン製造装置の構成を示す側面図である。図4のナノカーボン製造装置151は、図1のナノカーボン製造装置125と基本的な構成は同じであるが、回転自在のターゲット支持柱179にグラファイトターゲット139が巻回されている点が異なる。シート状のグラファイトターゲット139は、ターゲット支持柱179にロールとして巻回されている。そして、ターゲット支持柱179への巻回から開放されたグラファイトターゲット139の端部の領域がターゲット供給プレート135上に載置され、光の照射方向に誘導される。グラファイトターゲット139をレーザー光103の照射方向に順次送り出すことにより、連続的にグラファイトターゲットを光の照射位置に供給し、カーボンナノホーン集合体117を得る構成となっている。
グラファイトターゲット139の一端がターゲット供給プレート135上に設置されている。ターゲット支持柱179がその中心軸を軸として回転し、またターゲット供給プレート135がプレート保持部137上を並進移動することにより、グラファイトターゲット139がレーザー光103の照射位置に供給される。
図4のナノカーボン製造装置においても、第一の実施形態で図2を用いて説明した構成と同様に、ターゲット供給プレート135に溝部(図4では不図示)を形成し、これにターゲット保持部(図4では不図示)の凸部(図4では不図示)を掛合させることにより、グラファイトターゲット139を図4中の紙面に垂直な方向にも移動させることが可能である。
また、図5はグラファイトターゲット139のロールを送り出す構成が異なる装置の構成を示す側面図である。図5のナノカーボン製造装置163は、グラファイトターゲット139をその両面から保持する二対のローラー165を有する。ターゲット支持柱179およびローラー165が回転することにより、グラファイトターゲット139がレーザー光103の照射方向に送り出される。
図4または図5に示したように、ロール状のグラファイトターゲット139を送り出す構成とすれば、より一層大量のグラファイトターゲット139を一度に処理することが可能となる。よって、カーボンナノホーン集合体117の大量生産にさらに有効である。
なお、グラファイトターゲット139は、Cu板等の基板上に形成されていることが好ましい。こうすることにより、ロール状のグラファイトターゲット139を送り出す際に、グラファイトターゲット139に生じるひび割れまたは破損を抑制することが可能である。この場合、グラファイトターゲット139を蒸発させた後の基板を巻きとるための巻き取り部を製造チャンバ107内に設けてもよい。
(第四の実施形態)
以上説明した第一〜第三の実施形態において、レーザー光103が複数回、たとえば二回照射された際に照射部分のグラファイトターゲット139を使い切るように、グラファイトターゲット139の厚さを調節してもよい。以下、図1のナノカーボン製造装置125にシート状のグラファイトターゲット139を適用してカーボンナノホーン集合体117を作製する方法を例に説明する。
たとえば、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103のパワー密度が約20kW/cm2である場合、一回レーザー光103が照射されることにより蒸発するグラファイトターゲット139の厚さは、表面から3mm程度である。そこで、この場合、グラファイトターゲット139の厚さを6mm程度とする。
そして、図2(a)において、レーザー光103の照射位置をグラファイトターゲット139上のp1からq1に向かって移動させ、q1まで照射されたらグラファイトターゲット139を逆方向にp1まで移動させる。このように一往復させると、p1−q1間のグラファイトターゲット139がすべて蒸発し、消失する。次いで、レーザー光103の照射位置を図中の下方向にp1からp2まで移動させ、同様にp2−q2間を一往復させる。この往復照射をpn−qn間まで繰り返すことにより、グラファイトターゲット139を使い切ることができる。
グラファイトターゲット139の表面へのレーザー光103の照射回数が増すほど、照射された表面が粗面化し、パワー密度のぶれが大きくなる場合があるが、グラファイトターゲット139の厚さをこのようにすればパワー密度のぶれを抑制することができる。このため、カーボンナノホーン集合体117の収率を向上させることができる。
なお、グラファイトターゲット139の厚さの調整は、レーザー光103が二回照射された際に消失するような場合に限られず、たとえば三回のレーザー光103照射により消失するようにしてもよい。この場合、図2(a)において、1.5往復ごとに図2(a)中の上下方向にグラファイトターゲット139を移動させればよい。
また、本実施形態において、レーザー光103のパルス幅および休止幅ならびにグラファイトターゲット139の移動速度を調節し、グラファイトターゲット139が消失したときにはレーザー光103の照射が行われない条件でカーボンナノホーン集合体117の製造を行ってもよい。こうすれば、グラファイトターゲット139の消失によりレーザー光103がグラファイトターゲット139以外の部材に照射されることを抑制できる。このため、カーボンナノホーン集合体117を高い収率でさらに安定的に製造することができる。
また、本実施形態において、レーザー光103の照射部位において、たとえば図1または図5に示したナノカーボン製造装置のように、グラファイトターゲット139の下部にターゲット供給プレート135が設けられていない構成としてもよい。また、たとえば、図3または図4に示した構成においても、レーザー光103の照射位置においては、グラファイトターゲット139の下部にターゲット供給プレート135が設けられていない構成とすることができる。こうすれば、グラファイトターゲット139がちょうど消失したときに、レーザー光103がターゲット供給プレート135等に直接照射されないようにすることができる。
また、グラファイトターゲット139がちょうど消失したときに、レーザー光103が照射される領域に、緩衝用のグラファイトターゲットを配設してもよい。こうすれば、製造チャンバ107の壁面等にレーザー光が直接照射されることによる製造チャンバ107の劣化をさらに確実に抑制することができる。
また、グラファイトターゲット139がレーザー光103照射により励起されない材料のシート上に形成されていてもよい。こうすれば、グラファイトターゲット139がちょうど消失したときに、レーザー光103がターゲット供給プレート135等に直接照射されることによるカーボンナノホーン集合体117の収率の低下を抑制することができる。
(第五の実施形態)
第四の実施形態において、レーザー光103が一回照射された際に照射部分のグラファイトターゲット139を使い切るように、グラファイトターゲット139の厚さを調節してもよい。
こうすることにより、一度レーザー光103が照射された位置に再度レーザー光103を照射する必要がなくなるため、レーザー光103の照射面が常に平滑に保たれる。このため、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103のパワー密度のぶれをさらに抑制することができる。よって、カーボンナノホーン集合体117の製造安定性をさらに向上させることが可能となる。
グラファイトターゲット139をシート状とする場合、たとえば、図6(a)または図6(b)のような表面を有する形状とすることができる。
図6(a)は平板であり、レーザー光103のパワー密度を一定にすることが容易であるため好ましい。
また、図6(b)では、グラファイトターゲット139の表面に所定のピッチで規則的な繰り返し構造が形成されている。このような形状の場合にも、レーザー光103をたとえばp1−q1方向に移動させたときに、照射位置におけるパワー密度のぶれを抑制することができる。
また、グラファイトターゲット139の形状を図6(b)に示した形状とする場合、繰り返し構造の幅wをレーザー光103のスポット径に略等しくすることが好ましい。こうすることにより、グラファイトターゲット139における光照射部位をp1−q1方向に移動させ、次いでp2−q2方向に移動させ、・・・、と照射位置をp1−p5方向に順次移動させてレーザー光103を照射したときに、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103のパワー密度を一定とすることができる。このため、一枚のグラファイトターゲット139に照射されるレーザー光103のパワー密度のぶれを抑制し、所望の性質のカーボンナノホーン集合体117を高い収率で安定的に得ることができる。
なお、グラファイトターゲットの表面形状は、所定の繰り返し構造の幅w(ピッチ)を有する繰り返し構造であればよく、図6(b)に示した構成に特に限定されず、適宜選択することができる。
また、図6(a)および図6(b)において、グラファイトターゲット139の厚さhは、前述のように一度のレーザー光103の照射ですべて蒸発する程度の厚さとする。たとえば、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103のパワー密度が約20kW/cm2である場合、一回レーザー光103が照射されることにより蒸発するグラファイトターゲット139の厚さは、表面から3mm程度であるため、厚さhを3mm程度とすることができる。
なお、本実施形態および第四の実施形態において、グラファイトターゲット139の幅がレーザー光103のスポット径と略等しい幅の棒状のシートとしてもよい。こうすれば、グラファイトターゲット139の移動方向を図2(a)のA−A'方向のみとすることができる。このため、ターゲット供給プレート135とターゲット保持部153との間に溝部155と凸部157との組み合わせによる可動機構を形成する必要がなく、装置構成をより簡素化することが可能となる。
図7は、グラファイトターゲット139の形状の一例を示す図である。図7(a)は四角柱、図7(b)は円柱のグラファイトターゲット139である。グラファイトターゲット139の形状は、これらに限定されないが、一定の断面形状を有していることが好ましい。断面形状を一定とすることにより、グラファイトターゲット139の表面に照射されるレーザー光103のパワー密度のぶれを抑制することができる。
また、グラファイトターゲット139の最大幅wを、レーザー光103のスポット径以下とすることが好ましい。こうすることにより、グラファイトターゲット139の長さ方向にのみ移動させればよく、製造プロセスを簡素化することができる。また、グラファイトターゲット139の厚さhは、レーザー光103のスポット径以下とすることが好ましい。こうすることにより、一度のレーザー光103の照射で確実に照射位置のグラファイトターゲットを消失させることができる。
また、wおよびhの大きさを、ともにレーザー光103のスポット径以下とすることにより、グラファイトターゲット139の長さ方向に沿って表面にレーザー光103を照射することにより、一度の照射でグラファイトターゲット139を使い切ることができる。
また、本実施形態は、第四の実施形態同様、図3および図4に示したナノカーボン製造装置にも適用可能である。
(第六の実施形態)
以上に述べた実施形態におけるプロセス管理は、たとえば以下のようにすることができる。図8は、上述のナノカーボン製造装置におけるプロセス管理の方法を説明するための図である。
図8において、プロセス管理部167は、計時部169から入力される時間情報に基づいて、各プロセスのスケジュール管理を行う。このスケジュール管理について、第四の実施形態において第一の実施形態のナノカーボン製造装置125(図1、図2)を用いる場合を例に、図9のフローチャートに沿って説明する。
まず、ポンプ制御部171は、真空ポンプ143を駆動させ、ナノカーボン回収チャンバ119およびこれに連通する製造チャンバ107を減圧排気する(S101)。一定時間減圧排気が行われたら、真空ポンプ143を停止し、不活性ガス制御部173は、不活性ガス供給部127から不活性ガスを製造チャンバ107内に一定量供給する(S102)。そして、レーザー光制御部175は、レーザー光源111から所定の強度のレーザー光103(図8では不図示)を照射する(S103)。
また、移動手段制御部177は、プレート保持部137を回転させ、ターゲット供給プレート135を所定の速度で移動させる(S104)。ステップ104は、図2(a)における、グラファイトターゲット139のp−q方向の移動に対応し、たとえばグラファイトターゲット139の表面におけるレーザー光103の照射位置がp1−q1間で一往復するように、グラファイトターゲット139を移動させる。
そして、所定の時間が経過したら(S105のYes)、さらに、グラファイトターゲットが使い切られていなければ、(S106のNo)、移動手段制御部177はターゲット供給プレート135に掛合されたターゲット保持部153の位置を移動させ(S107)、ステップ104からの各ステップを繰り返す。ステップ107は、図2(a)における、グラファイトターゲット139のp1−pn方向の移動に対応し、たとえばレーザー光103の照射位置をp1からp2まで移動させる。
以上の操作を、グラファイトターゲット139を使い切るまで繰り返すことにより(S106のYes)、グラファイトターゲット139がすべて使用され、カーボンナノホーン集合体117の製造が終了する。
以上の各ステップが、プロセス管理部167によって管理される。
なお、図8に示したプロセス管理において、移動手段制御部177は、グラファイトターゲット139とレーザー光源111のうち一方を他方に対して相対的に移動させ、グラファイトターゲット139の表面におけるレーザー光103の照射位置を移動させればよい。たとえば、移動手段制御部177が、グラファイトターゲット139の表面にレーザー光103を照射するレーザー光源111の照射角度を調節する構成としてもよい。さらに、レーザー光制御部175がレーザー光103の出射光強度を変化させながらレーザー光103を照射する構成としてもよい。こうすることにより、グラファイトターゲット139に照射されるレーザー光103のパワー密度をより一層精密に調節することが可能となる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、以上の実施形態においては、ナノカーボンとしてカーボンナノホーン集合体を製造する場合を例に説明したが、本実施形態に係るナノカーボン製造装置を用いて製造されるナノカーボンは、カーボンナノホーン集合体には限定されない。
たとえば、本実施形態に係るナノカーボン製造装置を用いて、カーボンナノチューブを製造することもできる。カーボンナノチューブを製造する場合、グラファイトターゲット139の表面におけるレーザー光103のパワー密度がほぼ一定、たとえば50±10kW/cm2となるようにレーザー光103の出力、スポット径、および照射角を調節することが好ましい。
また、グラファイトターゲット139には、触媒金属をたとえば0.0001wt%以上5%以下添加する。金属触媒として、たとえばNi、Coなどの金属を用いることができる。
本実施形態に係るナノカーボン製造装置を用いることにより、レーザー光103の照射位置にグラファイトターゲット139を連続的に送り出すことができるため、カーボンナノチューブの製造においてもこれを安定的に大量生産することが可能である。
また、図1、図3、図4および図5に示した装置では、レーザー光103の照射によって得られたすす状物質がナノカーボン回収チャンバ119に回収される構成となっているが、適当な基板上に堆積して回収することや、ダストバッグによる微粒子回収の方法によって回収することもできる。また、不活性ガスを反応容器内で流通させて、不活性ガスの流れによりすす状物質を回収することもできる。
また、図1、図3、図4および図5に示した装置では、レーザー光103の照射位置を一定とし、グラファイトターゲット139を移動させることによりこれらの相対位置を移動させたが、レーザー光源111を移動手段に保持させることにより、レーザー光103を移動させて相対位置を変化させてもよい。

Claims (12)

  1. シート状のグラファイトターゲットを保持するターゲット保持手段と、
    前記グラファイトターゲットの表面に光を照射する光源と、
    前記ターゲット保持手段に保持された前記グラファイトターゲットと前記光源のうち一方を他方に対して相対的に移動させ、前記グラファイトターゲットの表面における前記光の照射位置を移動させる移動手段と、
    前記光の照射により前記グラファイトターゲットから蒸発した炭素蒸気を回収し、ナノカーボンを得る回収手段と、
    前記グラファイトターゲットの表面に照射される前記光のパワー密度が略一定となるように前記移動手段または前記光源の動作を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするナノカーボン製造装置。
  2. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は、前記グラファイトターゲットの表面の前記照射位置における前記光の照射角度を略一定にしながら前記光の照射位置を移動させるように構成されたことを特徴とするナノカーボン製造装置。
  3. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は、前記光が照射された箇所の前記グラファイトターゲットを消失させながら、前記光の照射位置を移動させるように構成されたことを特徴とするナノカーボン製造装置。
  4. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、前記移動手段は前記ターゲット保持手段に保持された前記グラファイトターゲットを並進移動させることを特徴とするナノカーボン製造装置。
  5. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、一対のローラー間に無端ベルト状の前記グラファイトターゲットを架設し、前記移動手段が前記ローラーを回転させることにより前記グラファイトターゲットを駆動するように構成されたことを特徴とするナノカーボン製造装置。
  6. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、
    前記グラファイトターゲットは回転体に巻回されたシート状のグラファイトターゲットであって、
    前記移動手段は、前記回転体を回転駆動するとともに前記回転体から解放された前記グラファイトターゲットを前記光の照射位置の方向に押し出すように構成されたことを特徴とするナノカーボン製造装置。
  7. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、前記ナノカーボンがカーボンナノホーン集合体であることを特徴とするナノカーボン製造装置。
  8. 請求項1に記載のナノカーボン製造装置において、前記制御部が、前記グラファイトターゲットの表面における前記光の前記パワー密度が20±10kW/cm 2 となるように前記移動手段または前記光源の動作を制御することを特徴とするナノカーボン製造装置。
  9. シート状のグラファイトターゲットの表面に、光の照射位置を移動させながら、グラファイトターゲットの表面に照射される前記光のパワー密度が略一定となるよう前記照射し、前記グラファイトターゲットから炭素蒸気を蒸発させる工程と、
    前記炭素蒸気を回収し、ナノカーボンを得る工程と、
    を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  10. 請求項9に記載のナノカーボンの製造方法において、前記グラファイトターゲットの表面への前記光の照射角度が略一定となるように前記光を照射する工程を含むことを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  11. 請求項9に記載のナノカーボンの製造方法において、前記光が照射された箇所の前記グラファイトターゲットを消失させながら、前記グラファイトターゲットの表面における前記光の照射位置を移動させることを特徴とするナノカーボンの製造方法。
  12. 請求項9に記載のナノカーボンの製造方法において、前記ナノカーボンはカーボンナノホーン集合体であることを特徴とするナノカーボンの製造方法。
JP2005505910A 2003-04-30 2004-04-27 ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法 Expired - Fee Related JP4581997B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003125844 2003-04-30
JP2003125844 2003-04-30
PCT/JP2004/006048 WO2004096705A1 (ja) 2003-04-30 2004-04-27 ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2004096705A1 JPWO2004096705A1 (ja) 2006-07-13
JP4581997B2 true JP4581997B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=33410242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005505910A Expired - Fee Related JP4581997B2 (ja) 2003-04-30 2004-04-27 ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20070003468A1 (ja)
JP (1) JP4581997B2 (ja)
CN (1) CN100340478C (ja)
TW (1) TWI254029B (ja)
WO (1) WO2004096705A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104760953A (zh) * 2015-04-13 2015-07-08 北京化工大学 一种激光隧道全反射轴心聚焦碳纤维石墨化炉
US11208329B2 (en) 2017-08-10 2021-12-28 Nec Corporation Production member and production apparatus for carbon nanohorn aggregate
US11485641B2 (en) 2017-08-04 2022-11-01 Nec Corporation Production apparatus for carbon nanohorn aggregate

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8268281B2 (en) * 2006-05-12 2012-09-18 Honda Motor Co., Ltd. Dry powder injector for industrial production of carbon single walled nanotubes (SWNTs)
JP4982320B2 (ja) * 2007-09-27 2012-07-25 大日本スクリーン製造株式会社 基板処理装置
US8237677B2 (en) * 2008-07-04 2012-08-07 Tsinghua University Liquid crystal display screen
WO2018155627A1 (ja) * 2017-02-27 2018-08-30 日本電気株式会社 カーボンナノホーン集合体の製造方法
CN107416799A (zh) * 2017-07-31 2017-12-01 江苏大学 一种提高石墨烯制备效率的装置与方法
JP6849069B2 (ja) * 2017-08-04 2021-03-24 日本電気株式会社 カーボンナノホーン集合体の製造装置
WO2019229841A1 (ja) 2018-05-29 2019-12-05 日本電気株式会社 繊維状カーボンナノホーン集合体の連続製造方法
JP7156407B2 (ja) * 2019-01-29 2022-10-19 日本電気株式会社 カーボンナノブラシの連続製造用部材および製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62224669A (ja) * 1986-03-27 1987-10-02 Mitsubishi Electric Corp レ−ザセラミツクスコ−テイング方法
JPH0633237A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Kobe Steel Ltd 昇華性材料の蒸着めっき方法
JPH08268705A (ja) * 1995-03-28 1996-10-15 Toho Rayon Co Ltd フラーレンの製造方法及びその製造装置
JP2001064004A (ja) * 1998-07-25 2001-03-13 Japan Science & Technology Corp 単層カーボンナノホーン構造体とその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3284372A (en) * 1965-09-14 1966-11-08 Great Lakes Carbon Corp Apparatus and process for continuously making baked and graphitized carbon bodies
JPS6033237A (ja) * 1983-08-04 1985-02-20 武州興業株式会社 水硬性低強度セメントの製法
US4816293A (en) * 1986-03-27 1989-03-28 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Process for coating a workpiece with a ceramic material
US5411797A (en) * 1988-04-18 1995-05-02 Board Of Regents, The University Of Texas System Nanophase diamond films
EP0650824B1 (en) * 1993-11-03 2000-06-14 Bridgestone Corporation Method and apparatus for ablative processing of elastomeric products
WO2000022184A1 (en) * 1998-10-12 2000-04-20 The Regents Of The University Of California Laser deposition of thin films

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62224669A (ja) * 1986-03-27 1987-10-02 Mitsubishi Electric Corp レ−ザセラミツクスコ−テイング方法
JPH0633237A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Kobe Steel Ltd 昇華性材料の蒸着めっき方法
JPH08268705A (ja) * 1995-03-28 1996-10-15 Toho Rayon Co Ltd フラーレンの製造方法及びその製造装置
JP2001064004A (ja) * 1998-07-25 2001-03-13 Japan Science & Technology Corp 単層カーボンナノホーン構造体とその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104760953A (zh) * 2015-04-13 2015-07-08 北京化工大学 一种激光隧道全反射轴心聚焦碳纤维石墨化炉
CN104760953B (zh) * 2015-04-13 2016-08-24 北京化工大学 一种激光隧道全反射轴心聚焦碳纤维石墨化炉
US11485641B2 (en) 2017-08-04 2022-11-01 Nec Corporation Production apparatus for carbon nanohorn aggregate
US11208329B2 (en) 2017-08-10 2021-12-28 Nec Corporation Production member and production apparatus for carbon nanohorn aggregate

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004096705A1 (ja) 2004-11-11
TWI254029B (en) 2006-05-01
CN100340478C (zh) 2007-10-03
TW200424124A (en) 2004-11-16
JPWO2004096705A1 (ja) 2006-07-13
CN1780790A (zh) 2006-05-31
US20070003468A1 (en) 2007-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4581997B2 (ja) ナノカーボン製造装置およびナノカーボンの製造方法
US7501024B2 (en) Carbon nanohorn producing device and carbon nanohorn producing method
US20060191781A1 (en) Apparatus and method for manufacturing nono carbon
JP2004513054A (ja) 単壁型カーボン・ナノチューブの製造方法
US20060147647A1 (en) Apparatus and method for manufacturing nano carbon
JP6841333B2 (ja) カーボンナノホーン集合体の製造装置
JP6860834B2 (ja) カーボンナノホーン集合体の製造部材及び製造装置
US20060210464A1 (en) Carbon nanohorn assembly producing method
JP7099522B2 (ja) 繊維状カーボンナノホーン集合体の連続製造方法
JP2005350349A (ja) 単層カーボンナノチューブの製造装置
JPWO2004113225A1 (ja) ナノカーボンの製造装置
JP3941780B2 (ja) カーボンナノホーンの製造装置およびカーボンナノホーンの製造方法
US20140120029A1 (en) Trekking Atom Nanotube Growth
US11981568B2 (en) Member for continuous production of carbon nanobrush, and method for continuous production of carbon nanobrush
JP6849069B2 (ja) カーボンナノホーン集合体の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4581997

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees