JPWO2004037453A1 - 土壌の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、重金属を含んだ汚染土壌から、重金属を効率的に除去する方法を提供することを目的とする。本発明は、重金属を含有する汚染土壌を浄化する方法であって、(a)土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る抽出工程、(b)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る固液分離工程、(c)鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る沈殿工程、および(d)界面活性剤の存在下で抽出液cを起泡させ、発生した泡に、鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する重金属回収工程、からなる土壌の浄化方法である。
Description
本発明は、重金属を含有する汚染土壌の浄化方法に関し、さらに詳しくは、重金属を含んだ土壌から重金属を除去する方法に関する。
咋今、市街地再開発による調査の増加に伴い、工場跡地等の重金属汚染が判明する事例が増加している。日本においては、平成14年の土壌汚染対策法の成立により、かかる土壌汚染に対する法制度が整備され、カドミウム、鉛、水銀などの重金属については溶出量としての基準値、含有量としての基準が定められており、汚染除去等の処置事例が今後大幅に増加することが予測される。
土壌の重金属汚染に対して、現在行われている汚染対策は、不溶化処理、覆土工事、遮水工事など、周辺環境から汚染源を遮断する方法が一般的であるが、これらの方法は汚染源である重金属成分を現場に残したままであることから、環境の変化により再溶出して汚染を引き起こす危険性が残るために土地の資産価値が損なわれる可能性が存在し、また、希少資源の節約の観点からも好ましい方法とはいえない。
このような観点から、欧米で実用化されつつある土壌浄化法の導入が検討されている。この土壌の浄化方法としては、(1)汚染土壌の分級洗浄、(2)泡沫浮上法による土壌洗浄、(3)重金属汚染土壌の加熱処理技術、(4)水蒸気加熱法による汚染土壌浄化、(5)塩化揮発法、(6)電気泳動を利用する重金属汚染土壌の浄化が知られている(非特許文献1参照。)。
これらの操作のうち、(1)汚染土壌の分級洗浄は、土壌を分級しながら、水に溶けやすい汚染物質を溶解して取り除くとともに、主に重金属の吸着しやすい微小粒子を取り除くことによって、重金属と分離された土壌を取り出す方法である。この例として、重金属で汚染された土壌にアルカリ金属のハロゲン化物と酸を加えて弱酸性の水溶液とし、該弱酸性の水溶液中に重金属を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
(2)泡沫浮上法による土壌洗浄は、浮遊選鉱法ともいわれる技術で、疎水性表面を有する粒子をバブリングによって生じた泡沫に付着させて浮上分離する方法である。該技術は、疎水性表面を有する重金属の硫化物には効果的であるが、一般の土壌中に含まれる重金属含有粒子が疎水性表面を必ずしも有していないため、通常の浮遊選鉱では分離できない場合がある。
(3)汚染土壌の加熱処理技術は、重金属含有土壌に空気を通じながら1000℃程度で加熱して揮発しやすい重金属を土壌から除去する方法である。該方法は、有機物との複合汚染土壌の土壌処理技術としては有効であるが、揮発せず溶融しやすい重金属は処理できないこと、重金属を含んだ排ガスを処理する必要があること、加熱した土壌は元の土壌とはかなり性質が変化するため埋め戻しが困難なこと、排ガスの処理に冷却・捕集に水を用いると排水処理が必要になること、強熱するために非意図的に有害物質が生じる恐れがあるので留意する必要があるといった問題点がある。
(4)水蒸気加熱法による汚染土壌浄化は、土壌を加熱しながら加熱蒸気を吹き込んで重金属を揮散して土壌から重金属を分離する技術である。該方法は、重金属の分離効率に優れており、土壌を埋め戻しできる可能性も高いが、加熱蒸気を供給する熱源が必要なこと、排ガスおよび凝縮水の処理が必要となること、揮発しにくい重金属は分離できないといった問題点がある。
(5)塩化揮発法は、塩化カルシウム水溶液を土壌に加えて土壌中の重金属を塩化物として沸点を低下させたのち、土壌を800〜1000℃に加熱して重金属を揮発分離する技術である。該方法も上述の加熱処理技術や水蒸気加熱法と同様に、排ガスの処理が必要であり、排ガスの処理に用いられる水の処理が必要となることや、加熱によって非意図的に有害物質が生成する恐れがあるといった問題点がある。
(6)電気泳動を利用する重金属汚染土壌の浄化は、土壌中の間隙に水を満たして、直流電流を加えることで陰イオンの重金属が陽極に移動し、陽極部に濃縮された金属を回収する方法である。該方法では、原位置で抽出できるが、除去速度が速くなく時間がかかるという問題点がある。また、土壌中に塩素イオンが大量に含まれる場合は塩素ガスの発生が予想されるという問題もある。
「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針運用基準」,環境庁水質保全局編,1999年,p.51−53 特開2002−355662号公報(2002年12月10日公開)
土壌の重金属汚染に対して、現在行われている汚染対策は、不溶化処理、覆土工事、遮水工事など、周辺環境から汚染源を遮断する方法が一般的であるが、これらの方法は汚染源である重金属成分を現場に残したままであることから、環境の変化により再溶出して汚染を引き起こす危険性が残るために土地の資産価値が損なわれる可能性が存在し、また、希少資源の節約の観点からも好ましい方法とはいえない。
このような観点から、欧米で実用化されつつある土壌浄化法の導入が検討されている。この土壌の浄化方法としては、(1)汚染土壌の分級洗浄、(2)泡沫浮上法による土壌洗浄、(3)重金属汚染土壌の加熱処理技術、(4)水蒸気加熱法による汚染土壌浄化、(5)塩化揮発法、(6)電気泳動を利用する重金属汚染土壌の浄化が知られている(非特許文献1参照。)。
これらの操作のうち、(1)汚染土壌の分級洗浄は、土壌を分級しながら、水に溶けやすい汚染物質を溶解して取り除くとともに、主に重金属の吸着しやすい微小粒子を取り除くことによって、重金属と分離された土壌を取り出す方法である。この例として、重金属で汚染された土壌にアルカリ金属のハロゲン化物と酸を加えて弱酸性の水溶液とし、該弱酸性の水溶液中に重金属を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
(2)泡沫浮上法による土壌洗浄は、浮遊選鉱法ともいわれる技術で、疎水性表面を有する粒子をバブリングによって生じた泡沫に付着させて浮上分離する方法である。該技術は、疎水性表面を有する重金属の硫化物には効果的であるが、一般の土壌中に含まれる重金属含有粒子が疎水性表面を必ずしも有していないため、通常の浮遊選鉱では分離できない場合がある。
(3)汚染土壌の加熱処理技術は、重金属含有土壌に空気を通じながら1000℃程度で加熱して揮発しやすい重金属を土壌から除去する方法である。該方法は、有機物との複合汚染土壌の土壌処理技術としては有効であるが、揮発せず溶融しやすい重金属は処理できないこと、重金属を含んだ排ガスを処理する必要があること、加熱した土壌は元の土壌とはかなり性質が変化するため埋め戻しが困難なこと、排ガスの処理に冷却・捕集に水を用いると排水処理が必要になること、強熱するために非意図的に有害物質が生じる恐れがあるので留意する必要があるといった問題点がある。
(4)水蒸気加熱法による汚染土壌浄化は、土壌を加熱しながら加熱蒸気を吹き込んで重金属を揮散して土壌から重金属を分離する技術である。該方法は、重金属の分離効率に優れており、土壌を埋め戻しできる可能性も高いが、加熱蒸気を供給する熱源が必要なこと、排ガスおよび凝縮水の処理が必要となること、揮発しにくい重金属は分離できないといった問題点がある。
(5)塩化揮発法は、塩化カルシウム水溶液を土壌に加えて土壌中の重金属を塩化物として沸点を低下させたのち、土壌を800〜1000℃に加熱して重金属を揮発分離する技術である。該方法も上述の加熱処理技術や水蒸気加熱法と同様に、排ガスの処理が必要であり、排ガスの処理に用いられる水の処理が必要となることや、加熱によって非意図的に有害物質が生成する恐れがあるといった問題点がある。
(6)電気泳動を利用する重金属汚染土壌の浄化は、土壌中の間隙に水を満たして、直流電流を加えることで陰イオンの重金属が陽極に移動し、陽極部に濃縮された金属を回収する方法である。該方法では、原位置で抽出できるが、除去速度が速くなく時間がかかるという問題点がある。また、土壌中に塩素イオンが大量に含まれる場合は塩素ガスの発生が予想されるという問題もある。
「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針運用基準」,環境庁水質保全局編,1999年,p.51−53
本発明は、上記のような従来技術の課題を背景になされたもので、その目的は、重金属を含んだ汚染土壌から重金属を効率的に除去し、回収する方法を提供することにある。また本発明は、重金属の溶出量が少なく、環境基準を満たす浄化土壌を得ることを目的とする。さらに本発明は、工程からの排水中の重金属の含有量の少ない、環境基準を満たす汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、重金属を含んだ汚染土壌から重金属をイオンとして抽出し、抽出した重金属イオンを鉄イオンと共に沈殿させ、生じた沈殿を泡に捕集することにより汚染土壌を効率的に浄化できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、重金属を含有する汚染土壌を浄化する方法であって、
(a)土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る抽出工程、
(b)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る固液分離工程、
(c)鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る沈殿工程、および
(d)界面活性剤の存在下で抽出液cを起泡させ、発生した泡に、鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する重金属回収工程、
からなる土壌の浄化方法である。
本発明者らは、上記した従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、重金属を含んだ汚染土壌から重金属をイオンとして抽出し、抽出した重金属イオンを鉄イオンと共に沈殿させ、生じた沈殿を泡に捕集することにより汚染土壌を効率的に浄化できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、重金属を含有する汚染土壌を浄化する方法であって、
(a)土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る抽出工程、
(b)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る固液分離工程、
(c)鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る沈殿工程、および
(d)界面活性剤の存在下で抽出液cを起泡させ、発生した泡に、鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する重金属回収工程、
からなる土壌の浄化方法である。
図1は、本発明の第一の態様を示したプロセスの概略図である。図中の符号は以下の通りである。
1 抽出装置、2 固液分離装置、3 pH調整装置、4 浮選装置、5 経路、6 経路、7 経路、8 経路、9 経路、10 経路、11 経路、A 抽出剤、B アルカリ剤、C 界面活性剤、D 気体。
図2は、本発明の第二の態様を示したプロセスの概略図である。図中の符号は以下の通りである。
21 抽出装置、22 固液分離装置、23 固液分離装置、24 凝集装置、25 沈降装置、26 排液処理装置。
1 抽出装置、2 固液分離装置、3 pH調整装置、4 浮選装置、5 経路、6 経路、7 経路、8 経路、9 経路、10 経路、11 経路、A 抽出剤、B アルカリ剤、C 界面活性剤、D 気体。
図2は、本発明の第二の態様を示したプロセスの概略図である。図中の符号は以下の通りである。
21 抽出装置、22 固液分離装置、23 固液分離装置、24 凝集装置、25 沈降装置、26 排液処理装置。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において浄化対象は、重金属を含有する汚染土壌である。本発明において重金属とは比重が4以上の金属のことをいう。重金属としては、鉄、カドミウム、銅、アンチモン、鉛、砒素、クロム、水銀および亜鉛などを挙げることができ、これらの重金属は、土壌中において、イオン、酸化物、水酸化物などの状態で含有されている。
(抽出工程)
汚染土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る工程である。
処理対象となる汚染土壌は、そのまま用いるか、粉砕機などを用いて微細な粒子となす。粉砕機としては、既存の粉砕機を用いればよく、例えば、高速回転式衝撃粉砕機、自生粉砕機、ボールミル等を挙げることができる。
また、抽出剤としては酸水溶液を用いることができる。酸水溶液の濃度は0.01規定〜15規定、好ましくは0.1〜5規定である。酸として、硫酸、硝酸、塩酸を挙げることができる。その中でも塩酸水溶液が好ましい。フッ素原子含有量0.1〜5ppm、さらには0.5〜2ppmの塩酸が好ましい。抽出剤(E)と土壌(S)との重量比(E/S)は、好ましくは0.7〜10、さらに好ましくは1〜5である。
抽出工程では、土壌と抽出剤を接触せしめた後、撹拌または振とうすることが好ましい。本工程では、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る。
(固液分離工程)
抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程である。
固液分離は、一般に用いられている遠心ろ過機、ドラムフィルター、ヤングフィルター、フィルタープレス、ベルトプレスなどにより行うことができる。分離された固形分に残存する液中の重金属をさらに回収するため、固液分離後に酸や水による洗浄および固液分離を繰り返し実施してもよい。その際に得られる重金属イオンを含有する洗浄液は回収することが好ましい。このようにして重金属の含有量が低減された土壌は、浄化土壌として排出することができる。浄化土壌の含水率は、好ましくは40〜60%である。重金属イオンを含有する抽出液bは、次工程へ送られる。
本発明において、固液分離工程(b)では、処理能力を増加させるため、土壌の細粒分を液側に同伴させる以下の態様で固液分離することが好ましい。
すなわち、固液分離工程は、
(b−1)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1とを得る工程、
(b−2)抽出液b−1を凝集処理し、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を得る工程、および
(b−3)抽出液b−2を固液分離し、凝集粒子からなる固形分と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程、
からなることが好ましい。
(b−1)工程は、抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1を得る工程である。抽出液b−1中に含有する土壌の細粒分の粒径が100μm以下であることが好ましい。ここで細粒分を液側に同伴させる方式は任意であるが、例えば分離装置の濾布の目開きを大きくするなどの手段を例示することができる。土壌の細粒分を液側に同伴させることにより、土壌中の重金属がより効率的に抽出できる。
(b−2)工程は、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1を凝集処理し、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を得る工程である。抽出液b−2には凝集粒子が分散している。凝集剤として、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤等が挙げられる。
(b−3)工程は、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を固液分離し、凝集粒子からなる固形分と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程である。この工程では、抽出液b−2を、例えば沈降装置に送って所定時間静置することにより固液分離する。ここで分離された固形は、例えば前記(b−1)工程の抽出液a中へ返送することにより、該工程で固液分離され、浄化した土壌として排出される。重金属イオンを含有する抽出液bは次の沈殿工程へ供給される。
(沈殿工程)
鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る工程である。
汚染土壌中に鉄が存在する場合には、抽出液b中には抽出された鉄イオンが存在するので、抽出液bのpHを3以上とすることにより、鉄が水酸化鉄となり沈殿する。その際、鉄以外の重金属も共沈する。
一方、汚染土壌中に鉄が存在しない場合若しくは存在しても極微量な場合には、抽出液bに塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄などを添加して、抽出液b中に鉄イオンを存在させる。抽出液中の鉄の添加量は、好ましくは、100〜5000mg/L、さらに好ましくは、200〜1000mg/Lの範囲である。
抽出液bのpHを3以上とするには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤を添加することが好ましい。抽出液bのpHを好ましくは5〜10に調整する。これにより抽出水中に含まれる鉄の共沈効果を利用して、抽出液b中の大部分の重金属も沈殿させることができる。その結果、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得ることができる。
(重金属回収工程)
抽出液cを界面活性剤の存在下で起泡させ、発生した泡に鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する工程である。
界面活性剤としては、1分子鎖の中に親水基と疎水基とを併せ持つ有機化合物であれば用いることができるが、対象とする重金属によって、用いる界面活性剤の種類を選択することが好ましい。
なお、界面活性剤による重金属の捕集は、抽出水中に存在する重金属と界面活性剤の有する電荷との静電的な相互作用によると考えることができ、例えば、鉄沈殿は正の電荷を有することから、オレイン酸ナトリウムのようなマイナスの電荷を有する陰イオン性界面活性剤を用いると効率よく捕集できる。陰イオン性界面活性剤として、高級脂肪族石鹸、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。なかでも脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩等が好ましい。
また、抽出液c中に金属錯体などの溶存重金属が存在する場合には、発生した泡により、溶存重金属を捕集し回収することが好ましい。例えば、塩酸水溶液に溶解したアンチモンは、アンチモンのクロロ錯体を形成する。当該クロロ錯体がマイナスの電荷を有することから、プラスの電荷を有する陽イオン性界面活性剤を用いると効率よくアンチモンを界面活性剤に捕集できる。陽イオン性界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、シクロヘキシルピリジニウムクロリド等が挙げられる。
また、カドミウムのようなキレートを形成しやすい重金属では、例えばアミノ基を有する界面活性剤を用いると、アミンの窒素の非共有結合電子対と重金属とが配位結合することにより界面活性剤に重金属を捕集できる。アミノ基を有する界面活性剤としてN−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、ヤシアルキルアミン酢酸塩等を挙げることができる。
起泡は、気体封入および/または撹拌により行うことが好ましい。起泡させるために気体を用いる場合には、運転費用を抑制できることから、空気を用いることが好ましい。また、起泡剤を用いることができる。起泡剤としては、ジオクチルスルホサクシネートのナトリウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
重金属の種類、抽出水中の金属濃度、必要な除去率によって最適な界面活性剤濃度、通気流量、及び処理時間があり、これらは適宜設定すればよい。
次いで、発生した泡は、オーバーフロー、掻取り、真空吸引などの方法を用いることで捕集可能であり、泡中には鉄沈殿をはじめとする、抽出水中に含まれていた重金属が含まれている。泡の下に存在する水相は固液分離工程での洗浄水として返送したり、排水として放流する。
<第一の態様>
以下、本発明の第一の態様について説明する。図1は、本発明の第一の態様を模式的に表した概略図である。
(抽出工程)
処理対象となる汚染土壌は、経路(図中5)より抽出装置(図中1)に送る。抽出装置では、土壌に抽出剤(図中A)を添加した後、撹拌または振とうによって土壌粒子から重金属イオンを抽出する。
(固液分離工程)
抽出装置で重金属イオンを抽出した後、経路(図中6)を通し、固液分離装置(図中2)を用いて固形分を分離する。抽出により重金属成分の含有量が大幅に少なくなった土壌は、経路(図中7)を経て浄化土壌として排出される。
一方、固液分離装置(図中2)で分離された重金属イオンを含む抽出液bは経路(図中8)を経てpH調整装置(図中3)に送られる。
(沈殿工程)
pH調整装置では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤(図中B)を添加し、液のpHを3.0以上に調整する。これにより抽出水中に含まれる鉄の共沈効果を利用して、抽出水中の大部分の重金属を沈殿させる。
鉄および重金属の沈殿ならびに溶存重金属を含む抽出液cは経路(図中9)を経て浮選装置(図中4)に送られる。
(重金属回収工程)
浮選装置では界面活性剤(図中C)を抽出液cに添加し、気体(図中D)封入および/または撹拌により抽出液cを起泡させ、気泡に鉄および重金属の沈殿ならびに溶存重金属を吸着させる。次いで、発生した泡は、オーバーフロー、掻取り、真空吸引などの方法を用いることで捕集し、経路(図中10)を通じて回収する。浮選装置からの排水は、経路(図中11)を経由して排水する。
<第二の態様>
以下、本発明の第二の態様を図2を用いて具体的に説明する。
(抽出工程)
本態様においては、先ず重金属を含有する土壌を、そのまま、あるいは粉砕機などを用いて微細な粒子となして、抽出装置(図中21)に送る。抽出装置では、汚染土壌に抽出剤を添加した後に撹拌または振とうにより、土壌粒子から重金属を抽出し抽出液aを得る。
(固液分離工程)
次いで、抽出液aを固液分離装置(図中22)にて固液分離する。その際、例えばフィルターの目開きを調整して、細粒分を液側に同伴させ抽出液b−1を得る。浄化された土壌は、土壌中に残る残液中の重金属イオンをさらに回収するため、固液分離装置(図中23)にて再洗浄および固液分離を繰り返し実施することが好ましい。固液分離装置(図中23)からの洗浄液は、pH調整装置および浮選装置からなる排液処理装置(図中26)に送られ、重金属が除去され、循環洗浄液として再使用される。再洗浄された、重金属が所望の含有量まで低減された土壌は、浄化土壌として排出される。
固液分離装置(図中22)で分離された、重金属イオンおよび細粒分を含む抽出液b−1は、凝集装置(図中24)に送られる。凝集装置では、凝集剤(PAC等)を添加して細粒分を凝集させ、凝集粒子が分散した抽出液b−2を得る。抽出液b−2は沈降装置(図中25)に送られる。そこで所定時間静置し、沈降した凝集細粒分は固液分離装置(図中22)へ返送される。
一方、沈降装置(図中25)で分離された重金属イオンを含む抽出液bは、pH調整装置および浮選装置からなる排液処理装置(図中26)へ送られる。
(沈殿工程)
pH調整装置に送られた抽出液bは、アルカリ剤によりpHを3以上に調整され、重金属を鉄と共に沈殿させ抽出液cを得る。抽出液cは、浮選装置へ送られる。
(重金属回収工程)
浮選装置において、抽出液cは界面活性剤の存在下で起泡され、鉄および重金属の沈殿を泡に捕集する。泡の下相の液は、固液分離装置(図中23)の洗浄液として循環使用され排水として放流される。
本発明において浄化対象は、重金属を含有する汚染土壌である。本発明において重金属とは比重が4以上の金属のことをいう。重金属としては、鉄、カドミウム、銅、アンチモン、鉛、砒素、クロム、水銀および亜鉛などを挙げることができ、これらの重金属は、土壌中において、イオン、酸化物、水酸化物などの状態で含有されている。
(抽出工程)
汚染土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る工程である。
処理対象となる汚染土壌は、そのまま用いるか、粉砕機などを用いて微細な粒子となす。粉砕機としては、既存の粉砕機を用いればよく、例えば、高速回転式衝撃粉砕機、自生粉砕機、ボールミル等を挙げることができる。
また、抽出剤としては酸水溶液を用いることができる。酸水溶液の濃度は0.01規定〜15規定、好ましくは0.1〜5規定である。酸として、硫酸、硝酸、塩酸を挙げることができる。その中でも塩酸水溶液が好ましい。フッ素原子含有量0.1〜5ppm、さらには0.5〜2ppmの塩酸が好ましい。抽出剤(E)と土壌(S)との重量比(E/S)は、好ましくは0.7〜10、さらに好ましくは1〜5である。
抽出工程では、土壌と抽出剤を接触せしめた後、撹拌または振とうすることが好ましい。本工程では、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る。
(固液分離工程)
抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程である。
固液分離は、一般に用いられている遠心ろ過機、ドラムフィルター、ヤングフィルター、フィルタープレス、ベルトプレスなどにより行うことができる。分離された固形分に残存する液中の重金属をさらに回収するため、固液分離後に酸や水による洗浄および固液分離を繰り返し実施してもよい。その際に得られる重金属イオンを含有する洗浄液は回収することが好ましい。このようにして重金属の含有量が低減された土壌は、浄化土壌として排出することができる。浄化土壌の含水率は、好ましくは40〜60%である。重金属イオンを含有する抽出液bは、次工程へ送られる。
本発明において、固液分離工程(b)では、処理能力を増加させるため、土壌の細粒分を液側に同伴させる以下の態様で固液分離することが好ましい。
すなわち、固液分離工程は、
(b−1)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1とを得る工程、
(b−2)抽出液b−1を凝集処理し、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を得る工程、および
(b−3)抽出液b−2を固液分離し、凝集粒子からなる固形分と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程、
からなることが好ましい。
(b−1)工程は、抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1を得る工程である。抽出液b−1中に含有する土壌の細粒分の粒径が100μm以下であることが好ましい。ここで細粒分を液側に同伴させる方式は任意であるが、例えば分離装置の濾布の目開きを大きくするなどの手段を例示することができる。土壌の細粒分を液側に同伴させることにより、土壌中の重金属がより効率的に抽出できる。
(b−2)工程は、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1を凝集処理し、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を得る工程である。抽出液b−2には凝集粒子が分散している。凝集剤として、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤等が挙げられる。
(b−3)工程は、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を固液分離し、凝集粒子からなる固形分と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程である。この工程では、抽出液b−2を、例えば沈降装置に送って所定時間静置することにより固液分離する。ここで分離された固形は、例えば前記(b−1)工程の抽出液a中へ返送することにより、該工程で固液分離され、浄化した土壌として排出される。重金属イオンを含有する抽出液bは次の沈殿工程へ供給される。
(沈殿工程)
鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る工程である。
汚染土壌中に鉄が存在する場合には、抽出液b中には抽出された鉄イオンが存在するので、抽出液bのpHを3以上とすることにより、鉄が水酸化鉄となり沈殿する。その際、鉄以外の重金属も共沈する。
一方、汚染土壌中に鉄が存在しない場合若しくは存在しても極微量な場合には、抽出液bに塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄などを添加して、抽出液b中に鉄イオンを存在させる。抽出液中の鉄の添加量は、好ましくは、100〜5000mg/L、さらに好ましくは、200〜1000mg/Lの範囲である。
抽出液bのpHを3以上とするには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤を添加することが好ましい。抽出液bのpHを好ましくは5〜10に調整する。これにより抽出水中に含まれる鉄の共沈効果を利用して、抽出液b中の大部分の重金属も沈殿させることができる。その結果、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得ることができる。
(重金属回収工程)
抽出液cを界面活性剤の存在下で起泡させ、発生した泡に鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する工程である。
界面活性剤としては、1分子鎖の中に親水基と疎水基とを併せ持つ有機化合物であれば用いることができるが、対象とする重金属によって、用いる界面活性剤の種類を選択することが好ましい。
なお、界面活性剤による重金属の捕集は、抽出水中に存在する重金属と界面活性剤の有する電荷との静電的な相互作用によると考えることができ、例えば、鉄沈殿は正の電荷を有することから、オレイン酸ナトリウムのようなマイナスの電荷を有する陰イオン性界面活性剤を用いると効率よく捕集できる。陰イオン性界面活性剤として、高級脂肪族石鹸、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。なかでも脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩等が好ましい。
また、抽出液c中に金属錯体などの溶存重金属が存在する場合には、発生した泡により、溶存重金属を捕集し回収することが好ましい。例えば、塩酸水溶液に溶解したアンチモンは、アンチモンのクロロ錯体を形成する。当該クロロ錯体がマイナスの電荷を有することから、プラスの電荷を有する陽イオン性界面活性剤を用いると効率よくアンチモンを界面活性剤に捕集できる。陽イオン性界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、シクロヘキシルピリジニウムクロリド等が挙げられる。
また、カドミウムのようなキレートを形成しやすい重金属では、例えばアミノ基を有する界面活性剤を用いると、アミンの窒素の非共有結合電子対と重金属とが配位結合することにより界面活性剤に重金属を捕集できる。アミノ基を有する界面活性剤としてN−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、ヤシアルキルアミン酢酸塩等を挙げることができる。
起泡は、気体封入および/または撹拌により行うことが好ましい。起泡させるために気体を用いる場合には、運転費用を抑制できることから、空気を用いることが好ましい。また、起泡剤を用いることができる。起泡剤としては、ジオクチルスルホサクシネートのナトリウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
重金属の種類、抽出水中の金属濃度、必要な除去率によって最適な界面活性剤濃度、通気流量、及び処理時間があり、これらは適宜設定すればよい。
次いで、発生した泡は、オーバーフロー、掻取り、真空吸引などの方法を用いることで捕集可能であり、泡中には鉄沈殿をはじめとする、抽出水中に含まれていた重金属が含まれている。泡の下に存在する水相は固液分離工程での洗浄水として返送したり、排水として放流する。
<第一の態様>
以下、本発明の第一の態様について説明する。図1は、本発明の第一の態様を模式的に表した概略図である。
(抽出工程)
処理対象となる汚染土壌は、経路(図中5)より抽出装置(図中1)に送る。抽出装置では、土壌に抽出剤(図中A)を添加した後、撹拌または振とうによって土壌粒子から重金属イオンを抽出する。
(固液分離工程)
抽出装置で重金属イオンを抽出した後、経路(図中6)を通し、固液分離装置(図中2)を用いて固形分を分離する。抽出により重金属成分の含有量が大幅に少なくなった土壌は、経路(図中7)を経て浄化土壌として排出される。
一方、固液分離装置(図中2)で分離された重金属イオンを含む抽出液bは経路(図中8)を経てpH調整装置(図中3)に送られる。
(沈殿工程)
pH調整装置では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤(図中B)を添加し、液のpHを3.0以上に調整する。これにより抽出水中に含まれる鉄の共沈効果を利用して、抽出水中の大部分の重金属を沈殿させる。
鉄および重金属の沈殿ならびに溶存重金属を含む抽出液cは経路(図中9)を経て浮選装置(図中4)に送られる。
(重金属回収工程)
浮選装置では界面活性剤(図中C)を抽出液cに添加し、気体(図中D)封入および/または撹拌により抽出液cを起泡させ、気泡に鉄および重金属の沈殿ならびに溶存重金属を吸着させる。次いで、発生した泡は、オーバーフロー、掻取り、真空吸引などの方法を用いることで捕集し、経路(図中10)を通じて回収する。浮選装置からの排水は、経路(図中11)を経由して排水する。
<第二の態様>
以下、本発明の第二の態様を図2を用いて具体的に説明する。
(抽出工程)
本態様においては、先ず重金属を含有する土壌を、そのまま、あるいは粉砕機などを用いて微細な粒子となして、抽出装置(図中21)に送る。抽出装置では、汚染土壌に抽出剤を添加した後に撹拌または振とうにより、土壌粒子から重金属を抽出し抽出液aを得る。
(固液分離工程)
次いで、抽出液aを固液分離装置(図中22)にて固液分離する。その際、例えばフィルターの目開きを調整して、細粒分を液側に同伴させ抽出液b−1を得る。浄化された土壌は、土壌中に残る残液中の重金属イオンをさらに回収するため、固液分離装置(図中23)にて再洗浄および固液分離を繰り返し実施することが好ましい。固液分離装置(図中23)からの洗浄液は、pH調整装置および浮選装置からなる排液処理装置(図中26)に送られ、重金属が除去され、循環洗浄液として再使用される。再洗浄された、重金属が所望の含有量まで低減された土壌は、浄化土壌として排出される。
固液分離装置(図中22)で分離された、重金属イオンおよび細粒分を含む抽出液b−1は、凝集装置(図中24)に送られる。凝集装置では、凝集剤(PAC等)を添加して細粒分を凝集させ、凝集粒子が分散した抽出液b−2を得る。抽出液b−2は沈降装置(図中25)に送られる。そこで所定時間静置し、沈降した凝集細粒分は固液分離装置(図中22)へ返送される。
一方、沈降装置(図中25)で分離された重金属イオンを含む抽出液bは、pH調整装置および浮選装置からなる排液処理装置(図中26)へ送られる。
(沈殿工程)
pH調整装置に送られた抽出液bは、アルカリ剤によりpHを3以上に調整され、重金属を鉄と共に沈殿させ抽出液cを得る。抽出液cは、浮選装置へ送られる。
(重金属回収工程)
浮選装置において、抽出液cは界面活性剤の存在下で起泡され、鉄および重金属の沈殿を泡に捕集する。泡の下相の液は、固液分離装置(図中23)の洗浄液として循環使用され排水として放流される。
以下、実施例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
なお、実施例に示される土壌中の重金属含量は、土壌を乾燥後、硫酸−フッ化水素酸加熱により分解・水溶液化し、得られた水溶液中の重金属を原子吸光光度計(株式会社日立製作所製、Z−8100)を用いて求め、土壌中含量に換算して求めた。
溶液中の重金属含量も同じく原子吸光光度計を用いて求めた。
なお、実施例に示される土壌中の重金属含量は、土壌を乾燥後、硫酸−フッ化水素酸加熱により分解・水溶液化し、得られた水溶液中の重金属を原子吸光光度計(株式会社日立製作所製、Z−8100)を用いて求め、土壌中含量に換算して求めた。
溶液中の重金属含量も同じく原子吸光光度計を用いて求めた。
(抽出工程)
カドミウムを282mg/kg、鉄を13850mg/kgの割合で含有する汚染土壌5gに0.1規定塩酸水溶液を25g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌と抽出液bを得た。分離した抽出液bは18.9gで53.4mg/Lのカドミウム、840mg/Lの鉄を含有しており、土壌中のカドミウムのうち71.6重量%、鉄を22.9重量%除去することができた。
(沈殿工程)
5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて抽出液bのpHを6.0に調整し、沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
沈殿を形成した抽出液cに、界面活性剤としてオレイン酸ナトリウム(和光純薬試薬特級)を0.01g、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン(和光純薬試薬特級)を0.02g加えた後、抽出液cに空気を20ml/分の流量で吹き込んで起泡させた。
この空気吹き込みを30分間行った後、排水中のカドミウム濃度は0.59mg/L、鉄濃度は0.23mg/Lであって、土壌中に含まれていたカドミウムのうち70.8重量%、鉄については22.9重量%を泡として回収することができた。
カドミウムを282mg/kg、鉄を13850mg/kgの割合で含有する汚染土壌5gに0.1規定塩酸水溶液を25g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌と抽出液bを得た。分離した抽出液bは18.9gで53.4mg/Lのカドミウム、840mg/Lの鉄を含有しており、土壌中のカドミウムのうち71.6重量%、鉄を22.9重量%除去することができた。
(沈殿工程)
5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて抽出液bのpHを6.0に調整し、沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
沈殿を形成した抽出液cに、界面活性剤としてオレイン酸ナトリウム(和光純薬試薬特級)を0.01g、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン(和光純薬試薬特級)を0.02g加えた後、抽出液cに空気を20ml/分の流量で吹き込んで起泡させた。
この空気吹き込みを30分間行った後、排水中のカドミウム濃度は0.59mg/L、鉄濃度は0.23mg/Lであって、土壌中に含まれていたカドミウムのうち70.8重量%、鉄については22.9重量%を泡として回収することができた。
(抽出工程)
A地区の重金属汚染土壌(以下土壌Aという)について本発明の処理方法を行った。土壌Aはカドミウムを293mg/kg、鉄を13800mg/kg含有していた。5gの土壌Aに0.1規定塩酸水溶液を20g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
その後、抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌A1と抽出液を得た。分離した抽出液は13.8gで69mg/Lのカドミウムを含有しており、土壌A中のカドミウムのうち65重量%を抽出できた。この抽出液に後述する洗浄液wを加えたものを抽出液bとした。
さらに得られた土壌A1を、0.1規定塩酸30gで洗浄した後、ヌッチェで真空ろ過を行い、土壌A2と洗浄液wに分離した。分離した洗浄液wは、28.9gで、14.8mg/Lのカドミウムを含有しており、土壌A中のカドミウムのうち29重量%を抽出できた。さらに、土壌A2は、水洗浄を行い、最後に水酸化ナトリウムにより、pH7とし、浄化した土壌A3とした。得られた土壌A3を環境庁告示第46号(平成3年8月23日付)に示された方法に従って、重金属の溶出試験を行った。すなわち、試料(単位g)と溶媒(純水に塩酸を加えてpH5.8〜6.3となるようにしたもの)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつその混合液が500ml以上となるようにする。常温、常圧で振とう機(振とう回数毎分200回、振とう幅4〜5cm)を用いて6時間振とうする。振とう後、毎分約3000回転で20分間遠心分離後、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、試料とし、重金属の溶出値を測定した。その結果、カドミウムの溶出値は0.005mg/L未満であり、環境基準値0.01mg/L以下を十分に満たすものであった。
(沈殿工程)
固液分離工程で得られた抽出液bを10%水酸化ナトリウムでpHが7になるまで調整し、沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
容量50mlの反応槽に25mlの抽出液cを入れ、界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.01g、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン(和光純薬製試薬特級)を0.02g添加して、空気を20ml/分の流量で送気し、起泡させた。30分後の排水中のカドミウムの濃度は0.03mg/Lであった。
A地区の重金属汚染土壌(以下土壌Aという)について本発明の処理方法を行った。土壌Aはカドミウムを293mg/kg、鉄を13800mg/kg含有していた。5gの土壌Aに0.1規定塩酸水溶液を20g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
その後、抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌A1と抽出液を得た。分離した抽出液は13.8gで69mg/Lのカドミウムを含有しており、土壌A中のカドミウムのうち65重量%を抽出できた。この抽出液に後述する洗浄液wを加えたものを抽出液bとした。
さらに得られた土壌A1を、0.1規定塩酸30gで洗浄した後、ヌッチェで真空ろ過を行い、土壌A2と洗浄液wに分離した。分離した洗浄液wは、28.9gで、14.8mg/Lのカドミウムを含有しており、土壌A中のカドミウムのうち29重量%を抽出できた。さらに、土壌A2は、水洗浄を行い、最後に水酸化ナトリウムにより、pH7とし、浄化した土壌A3とした。得られた土壌A3を環境庁告示第46号(平成3年8月23日付)に示された方法に従って、重金属の溶出試験を行った。すなわち、試料(単位g)と溶媒(純水に塩酸を加えてpH5.8〜6.3となるようにしたもの)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつその混合液が500ml以上となるようにする。常温、常圧で振とう機(振とう回数毎分200回、振とう幅4〜5cm)を用いて6時間振とうする。振とう後、毎分約3000回転で20分間遠心分離後、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、試料とし、重金属の溶出値を測定した。その結果、カドミウムの溶出値は0.005mg/L未満であり、環境基準値0.01mg/L以下を十分に満たすものであった。
(沈殿工程)
固液分離工程で得られた抽出液bを10%水酸化ナトリウムでpHが7になるまで調整し、沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
容量50mlの反応槽に25mlの抽出液cを入れ、界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.01g、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン(和光純薬製試薬特級)を0.02g添加して、空気を20ml/分の流量で送気し、起泡させた。30分後の排水中のカドミウムの濃度は0.03mg/Lであった。
(抽出工程)
B地区の重金属汚染土壌(以下土壌Bという)について本発明の処理方法を行った。土壌Bの重金属含有量は、砒素4mg/kg、総クロム21mg/kg、鉛265mg/kg、鉄14040mg/kgであった。5gの土壌Bに4N塩酸水溶液を25g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌B1と抽出液を得た。分離した抽出液は23.2gで砒素0.8mg/L、総クロム3.9mg/L、鉛56.4mg/Lを含有しており、土壌中の重金属のうち、砒素93重量%、総クロム86重量%、鉛99重量%を抽出できた。この抽出液に後述する洗浄液wを加えたものを抽出液bとした。
さらに浄化した土壌B1を、1規定塩酸50gで洗浄した後、ヌッチェで真空ろ過し、洗浄土壌B2と洗浄液wに分離した。分離した洗浄液wは、46.6gで、砒素0.01mg/L、総クロム0.17mg/L、鉛0.11mg/Lを含有しており、土壌中のうち、砒素2.3重量%、総クロム7.5重量%、鉛0.39重量%を抽出できた。土壌B2は、水酸化ナトリウムにより、pH7とし、浄化した土壌B3とした。浄化後の土壌B3を環境庁告示第46号(平成3年8月23日付)に示された方法に従って、重金属の溶出試験を行った結果、砒素の溶出値は0.005mg/L未満であり、環境基準値0.01mg/L以下を満たすものであった。総クロムの溶出量は0.005mg/L未満であり、六価クロム環境基準値0.05mg/L以下を満たすものであった。鉛の溶出量は、0.005mg/L未満であり環境基準値0.01mg/L以下を満たすものであった。
(沈殿工程)
固液分離工程で得られた抽出液bに10%水酸化ナトリウムを加え、pHを7に調整し、鉄沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
容量50mlの反応槽に25mlの抽出液cを入れ、界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.01g、ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.02g添加して、空気を20ml/分の流量で送気し、起泡させた。30分後の排水中の砒素の濃度は0.05mg/L未満、総クロムの濃度は0.1mg/L、鉛0.05mg/L未満であった。
B地区の重金属汚染土壌(以下土壌Bという)について本発明の処理方法を行った。土壌Bの重金属含有量は、砒素4mg/kg、総クロム21mg/kg、鉛265mg/kg、鉄14040mg/kgであった。5gの土壌Bに4N塩酸水溶液を25g加えて、30分間振とうし抽出液aを得た。
(固液分離工程)
抽出液aをヌッチェで真空ろ過して、浄化した土壌B1と抽出液を得た。分離した抽出液は23.2gで砒素0.8mg/L、総クロム3.9mg/L、鉛56.4mg/Lを含有しており、土壌中の重金属のうち、砒素93重量%、総クロム86重量%、鉛99重量%を抽出できた。この抽出液に後述する洗浄液wを加えたものを抽出液bとした。
さらに浄化した土壌B1を、1規定塩酸50gで洗浄した後、ヌッチェで真空ろ過し、洗浄土壌B2と洗浄液wに分離した。分離した洗浄液wは、46.6gで、砒素0.01mg/L、総クロム0.17mg/L、鉛0.11mg/Lを含有しており、土壌中のうち、砒素2.3重量%、総クロム7.5重量%、鉛0.39重量%を抽出できた。土壌B2は、水酸化ナトリウムにより、pH7とし、浄化した土壌B3とした。浄化後の土壌B3を環境庁告示第46号(平成3年8月23日付)に示された方法に従って、重金属の溶出試験を行った結果、砒素の溶出値は0.005mg/L未満であり、環境基準値0.01mg/L以下を満たすものであった。総クロムの溶出量は0.005mg/L未満であり、六価クロム環境基準値0.05mg/L以下を満たすものであった。鉛の溶出量は、0.005mg/L未満であり環境基準値0.01mg/L以下を満たすものであった。
(沈殿工程)
固液分離工程で得られた抽出液bに10%水酸化ナトリウムを加え、pHを7に調整し、鉄沈殿を形成させた抽出液cを得た。
(重金属回収工程)
容量50mlの反応槽に25mlの抽出液cを入れ、界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.01g、ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬製試薬特級)を0.02g添加して、空気を20ml/分の流量で送気し、起泡させた。30分後の排水中の砒素の濃度は0.05mg/L未満、総クロムの濃度は0.1mg/L、鉛0.05mg/L未満であった。
実施例3において、対象として、アンチモンを200mg/kg、鉄を12070mg/kgの濃度で含む土壌を用いること以外は同様の抽出操作を行ったところ、固液分離操作後の抽出液bは、21.5gであり、アンチモン濃度は40.7mg/Lであって、土壌中のアンチモンのうち87.5重量%を抽出できた。重金属回収工程では、ドデシル硫酸ナトリウムの代わりに、ヤシアルキルアミン酢酸塩を用いた以外は同様の操作を行った。処理後の排水中のアンチモンの濃度は、0.02mg/Lであった。
本発明によれば、重金属を含んだ土壌から重金属を効率よく、かつ大規模な装置を必要とせずに除去することが可能であり、その工業的意義は大である。得られた浄化土壌からの重金属の溶出量は少なく、環境基準を満たす。本発明によると、工程からの排水中の重金属の含有量は小さく、環境基準を満たす。
本発明は汚染土壌の浄化を必要とする、建設業、土地開発業での利用が期待される。また、現在、産業廃棄物の最終処分場の不足が問題になっているが、本発明の処理方法によれば、土壌を廃棄処分する必要なく、基準を満たした土壌として、埋め戻しなど、各種の用途に再利用することができるため、トータルで、大幅な処理コストの低減をはかることができる。
Claims (14)
- 重金属を含有する汚染土壌を浄化する方法であって、
(a)土壌と抽出剤とを接触せしめ、土壌中の重金属を重金属イオンとして抽出し、土壌および重金属イオンを含有する抽出液aを得る抽出工程、
(b)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る固液分離工程、
(c)鉄イオンの存在下で抽出液bのpHを3以上にし、重金属を鉄と共に沈殿させ、鉄および重金属の沈殿を含有する抽出液cを得る沈殿工程、および
(d)界面活性剤の存在下で抽出液cを起泡させ、発生した泡に、鉄および重金属の沈殿を捕集し回収する重金属回収工程、
からなる土壌の浄化方法。 - 重金属回収工程において、発生した泡に、抽出液c中の溶存重金属を捕集し回収する請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 溶存重金属は、金属錯体である請求項2に記載の土壌の浄化方法。
- 汚染土壌は、カドミウム、銅、アンチモン、鉛、砒素、クロム、水銀および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一種の重金属を含有する請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 汚染土壌は、鉄を含有する請求項4に記載の土壌の浄化方法。
- 抽出剤は、塩酸水溶液である請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 沈殿工程において、抽出液bに塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄および酢酸鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を添加して、抽出液b中に鉄イオンを存在させた後、抽出液bのpHを3以上にする請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 沈殿工程において、抽出液bにアルカリ剤を添加しpHを3以上にする請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- アルカリ剤は、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムである請求項8に記載の土壌の浄化方法。
- 界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤および/または陽イオン性界面活性剤である請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 重金属回収工程において界面活性剤と共に起泡剤を用いる請求項1に記載の土壌の浄化方法。
- 固液分離工程は、
(b−1)抽出液aを固液分離し、浄化した土壌と、重金属イオンおよび土壌の細粒分を含有する抽出液b−1を得る工程、
(b−2)抽出液b−1を凝集処理し、凝集粒子および重金属イオンを含有する抽出液b−2を得る工程、および
(b−3)抽出液b−2を固液分離し、凝集粒子からなる固形分と、重金属イオンを含有する抽出液bとを得る工程、
からなる請求項1に記載の土壌の浄化方法。 - 抽出液b−1中に含有する土壌の細粒分の粒径が100μm以下である請求項12に記載の土壌の浄化方法。
- (b−3)工程で分離された固形分を(b−1)工程の抽出液a中に返送する請求項12記載の土壌の浄化方法。
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