JP6250411B2 - 放射性物質を含む底質の処理方法及び処理装置 - Google Patents

放射性物質を含む底質の処理方法及び処理装置 Download PDF

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本発明は、原子力発電所の事故等で放射性セシウム等の放射性物質で汚染された底質を処理する方法及び装置に関する。
今般の原子力発電所の事故により、膨大な量の放射性物質が環境中に放出された結果、土壌、下水汚泥等が放射性セシウムや放射性ストロンチウム等の放射性物質によって汚染されており、現在これら汚染物から放射性物質を除染する技術の開発が進められている。
被災地周辺では、降雨によって山林等からの放射性セシウム等の放射性物質が河川や湖沼に流れ込んで堆積するため、海底、湖底、河床等の底質には膨大な量の放射性物質が含まれていることが予想される。実際に、福島第一原発の港湾、或いは周辺のダム湖、溜池等の底質からは高い濃度の放射性物質が確認されている。これら放射性物質を含む底質が港湾等から外洋へ、或いは湖沼等からその下流域へ漏洩した場合、さらに環境汚染を招くことなるため、これら放射性物質を含む底質から放射性物質を大量にかつ効率よく除去する必要がある。
しかし、海底や湖底等は広いために大規模な除染設備が必要となると共に、陸上と比較して作業環境が厳しいため、除染作業を行うのが容易ではないという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、底質に含まれる放射性物質を大量にかつ効率よく除去することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性物質を含む底質の処理方法であって、放射性物質を含む底質を浚渫し、該浚渫した浚渫土を粗粒土と微粒土とに分級し、該微粒土を熱処理して該微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させ、該揮発した放射性セシウムを回収すると共に、前記分級において発生した排水を両性イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィにより放射性セシウムの濃度が高い第1の溶液と、放射性ストロンチウムの濃度が高い第2の溶液とに分離し、前記第1の溶液に含まれる放射性セシウムを吸着して回収し、前記第2の溶液に含まれる放射性ストロンチウムを濃縮して回収することを特徴とする。
本発明によれば、放射性物質を含む底質を浚渫して得られた浚渫土のうち、放射性セシウム含有量の高い微粒土を熱処理して微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させ、揮発した放射性セシウムを回収するため、底質に含まれる放射性セシウムを大量にかつ効率よく除去することができる。また、排水中に放射性セシウムだけではなく放射性ストロンチウムが含まれている場合でも、両者を分離して各々処理することで、吸着や濃縮を効率よく行うことができる。
また、前記分級を行う前又は行うと同時に前記浚渫土に含まれる有機物を除去して熱処理工程の燃料として用いることで、該有機物に含まれる放射性セシウムを揮発させて回収することができ、さらに除染率を高めることができる。
前記揮発した放射性セシウムを冷却して濃縮塩を回収し、該回収した濃縮塩を水洗し、該水洗によって得られた溶液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収することができる。放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収することで、回収物が水と接触しても放射性セシウムが溶出することがなく、例えば、回収物を保管する容器は遮蔽性を備えるだけでよく、取り扱いが容易となる。
前記分級によって得られた粗粒土、前記放射性セシウムを揮発させた後の微粒土を土工資材に用いることができ、放射性物質を除去した後の底質を有効利用することができる。
さらに、本発明は、放射性物質を含む底質の処理装置であって、放射性物質を含む底質を浚渫する浚渫装置と、該浚渫した浚渫土を粗粒土と微粒土、又は粗粒土と微粒土と有機物とに分級する分級装置と、前記分級した微粒土を熱処理して該微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させる熱処理装置と、該揮発した放射性セシウムを回収する回収装置と、前記分級において発生した排水を、カラムクロマトグラフィにより放射性セシウムの濃度が高い第1の溶液と、放射性ストロンチウムの濃度が高い第2の溶液とに分離する両性イオン交換樹脂と、前記第1の溶液に含まれる放射性セシウムを吸着して回収する吸着装置と、前記第2の溶液に含まれる放射性ストロンチウムを濃縮して回収する逆浸透膜とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記発明と同様に、放射性物質を含む底質のうち、放射性セシウム含有量が高い微粒土を熱処理して微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させ、揮発した放射性セシウムを回収するため、底質に含まれる放射性セシウムを大量にかつ効率よく除去することができる。また、排水中に放射性セシウムだけではなく放射性ストロンチウムが含まれている場合でも、両者を分離して各々処理することで、吸着や濃縮を効率よく行うことができる。
以上のように、本発明によれば、底質に含まれる放射性物質を大量にかつ効率よく除去することができる。
本発明に係る放射性物質を含む底質の処理方法の一実施の形態を示す全体構成図である。 図1に示した本発明に係る処理方法の分級工程及び汚染水処理工程を示す概略図である。 図1に示した本発明に係る処理方法の熱処理工程を示す概略図である。
図1は、本発明に係る放射性物質を含む底質の処理方法の一実施の形態を示し、この処理工程1は、放射性物質を含む底質を浚渫する浚渫工程2と、浚渫した浚渫土Dを有機物Oと、粗粒土Cと、微粒土Fとに分級する分級工程3と、分級工程3で生じたろ液L1を処理する汚染水処理工程4と、微粒土Fを熱処理して微粒土Fに含まれる放射性セシウム(以下「放射性Cs」という。)を揮発させて回収する熱処理工程5とを備える。
浚渫工程2は、港湾や湖沼等の底質を浚渫して浚渫土Dを得る工程である。底質を浚渫する方法は、公知の方法を採用することができ、浚渫を行う場所の地形、規模、地質条件等に応じて浚渫する方法を適宜決定する。例えば、ポンプ浚渫、グラブ浚渫、ディッパー浚渫等の工法があるが、これらの中から一つあるいは複数組み合わせて行うことができる。一般に、放射性Csは底質の表層近くに多く含まれており、また、浚渫土量が多くなるほど後段の分級工程3及び熱処理工程5での負担が大きくなるため、浚渫方法は薄層浚渫が好ましい。
分級工程3は、浚渫土Dを砂礫等の粗粒土Cと、シルト粘土等の微粒土Fと、ゴミ、流木、草木等の有機物Oとに分級するために備えられる。分級点は特に制限されるものではなく、粒径ごとの放射性Csの含有量に応じて適宜決定すればよいが、一般に放射性Csは、シルト粘土分にその多くが含まれているため、微粒土Fは、粒径75μm未満の粒子を主成分とすることが好ましい。主成分とは、微粒土において粒径75μm未満の粒子が50〜100質量%含まれていることを示す。
図2に示すように、分級工程3は、浚渫土Dから有機物O1を除去するグリズリ6と、グリズリ6から排出される浚渫土Dを解泥するロッドスクラバ7と、ロッドスクラバ7から排出されるスラリーS1から粗粒土C1を除去する振動篩8と、振動篩8から排出されたスラリーS2を貯蔵する受水槽9と、受水槽9から供給されるスラリーS3を微粒スラリーS4と粗粒スラリーS5とに分級する湿式サイクロン10とを備える。
また、分級工程3は、湿式サイクロン10から排出された粗粒スラリーS5から粗粒土C2を除去するスパイラル分級機11と、スパイラル分級機11から排出されたスラリーS6から有機物O2を除去するゴミ取機12と、ゴミ取機12から排出されたスラリーS7及び湿式サイクロン10から供給される微粒スラリーS4に凝集剤等を反応させる反応槽13と、反応槽13で生成したスラリーS8を貯蔵するスラリー槽14と、スラリー槽14から排出されたスラリーS9をろ液L1と微粒土Fとに固液分離するフィルタープレス15と、フィルタープレス15から排出されたろ液L1を貯蔵するろ液槽16とを備える。
汚染水処理工程4は、ろ液槽16から排出されるろ液L1を放射性Csの濃度が高く放射性ストロンチウム(以下「放射性Sr」という。)の濃度が低い第1の溶液SL1と放射性Csの濃度が低く放射性Srの濃度が高い第2の溶液SL2とに分離する両性イオン交換樹脂17と、第1の溶液SL1及び第2の溶液SL2を各々貯蔵する第1溶液槽18及び第2溶液槽19と、第1の溶液SL1から放射性Csを吸着する吸着塔20と、第2の溶液SL2を濃縮して放射性Srを含む濃縮水CWと淡水W3とに分離する逆浸透膜21と、淡水W3と吸着塔20から排出された排水W4とを貯蔵する清水槽22とを備える。
グリズリ6は、スクリーン等で粒径差を利用して浚渫土Dから有機物O1を除去するために備えられる。グリズリ6は、ウェッジバーやレール材等を20〜40cmの間隔で、35〜45度の傾斜角で平行に並べたもので、選鉱工場や砕石工場における原鉱の受入れなどに広く使われている。
ロッドスクラバ7は、グリズリ6から排出される浚渫土Dと洗浄水W1とを混合し、ドラム内の撹拌作用を利用して浚渫土Dを解泥すると共に、粗粒土表面に付着している微粒土を剥離除去するために備えられる。
振動篩8は、粒径差を利用してスラリーS1から比較的粒径の大きい礫等の粗粒土C1を除去するスクリーンと、スクリーンの上方に設けられ、スラリーS1に水を噴射する噴射部とを備える。噴射部からスクリーン上の粗粒土C1に水を噴射することで粗粒土C1表面に付着した微粒土Fが分離し、粗粒土C1が分離した比較的粒径の小さい砂等の粗粒土C2及び微粒土Fを含むスラリーS2はスクリーンを通過する。粒径の大きい粗粒土C1はスクリーンを通過せずにスクリーン上に残留する。
湿式サイクロン10は、遠心力を利用してスラリーS3を、微粒土Fを含む微粒スラリーS4と比較的粒径の小さい砂等の粗粒土C2を含む粗粒スラリーS5とに分級すると共に、粒子間の摩擦や粒子と湿式サイクロン10の周壁との摩擦により粗粒土C2表面に付着している微粒土Fを剥離除去するために備えられる。
スパイラル分級機11は、スラリーS5を沈降速度差を利用して粗粒土C2と微粒土Fを含むスラリーS6とに分級するために備えられ、断面が半円形の傾斜樋内にスクリューコンベアを置いた装置で、粗粒土C2をこれによってかき上げる。スパイラル分級機11は、連続的に円滑に粗粒土C2をかき上げ、機構上の無理がなく、始動も容易でプール内の液の乱れも少ない。
両性イオン交換樹脂17は、母体を架橋ポリスチレン等とし、同一官能基鎖中に四級アンモニウム基とカルボン酸基等を持たせて陽イオン陰イオンの両方とイオン交換をさせる機能を持たせた樹脂であり、一例として、三菱化学株式会社製の両性イオン交換樹脂、ダイヤイオン(登録商標)、AMP03を用いることができる。この両性イオン交換樹脂17を用いたカラムクロマトグラフィを行うことにより、水溶液中の電解質と非電解質の分離、及び電解質の相互分離を行うことができる。
逆浸透膜(RO膜)21は、水を通過させるがイオンや塩類等、水以外の不純物を通過させない性質を有する膜であって、海水の淡水化等に実用されている。逆浸透膜21は、酢酸セルロース膜や芳香族ポリアミド系のものが存在する。
図3に示すように、熱処理工程5は、微粒土Fを熱処理して微粒土Fに含まれる放射性Csを揮発させるロータリーキルン30と、ロータリーキルン30の排ガスG1を冷却する冷却装置32と、冷却によって生じた放射性Csの濃縮塩を含むダストDUを回収する集塵機33と、回収されたダストDUを水洗する水洗装置35と、水洗後のろ液L2に含まれる放射性Csを吸着剤Aに吸着させて回収する吸着装置36等で構成される。
ロータリーキルン30は、窯尻にキルン内部へ微粒土Fを供給するための投入口を備え、窯前に微粉炭や重油等の化石燃料や有機物O1及びO2を燃焼させて微粒土Fを高温処理するためのバーナを備える。ロータリーキルン30を用いることで、放射性Csの揮発に適した温度及び微粒土Fの滞留時間に容易に調整することができる。
冷却装置32は、ロータリーキルン30の排ガスG1を冷却し、微粒土Fから揮発した放射性Csを固体状にして回収するために備えられる。排ガスG1の冷却は、排ガスG1への散水や、冷却空気の導入によって行う。水による冷却、空気による冷却を各々単独で行ってもよく、両者を併用してもよい。
集塵機33は、冷却装置32からの排ガスG2に含まれる放射性Csの濃縮塩を含むダストDUを回収するために備えられ、バグフィルター、へパフィルター、電気集塵機等を用いることができる。最終排ガスにダストを発生させない観点から、バグフィルター、ヘパフィルターを用いることが特に好ましい。また、放射性Csの濃縮塩を含むダストDUを除去した後の排ガスG3に含まれる酸性ガス等を吸着除去するため、2次集塵機を設けてもよい。集塵機33の後段には、排ガスG3を系外に排出するためのファン34が設けられる。
水洗装置35は、ダストDUに脱塩水W6を添加してスラリーS10を生成させ、ダストDUに含まれる放射性Csの濃縮塩を水中に溶解させる溶解槽37と、溶解槽37から供給されたスラリーS10をろ液L2とケーキCA2とに固液分離するフィルタープレス38とで構成される。フィルタープレス38に代えてベルトフィルター等を用いることもできる。
吸着装置36は、フィルタープレス38で分離されたろ液L2に含まれる放射性Csをプルシアンブルー等の吸着剤Aに吸着させて回収する吸着槽39と、吸着槽39からのろ液L3に含まれる放射性Csを吸着した吸着剤A等を沈降させる沈降槽40と、沈降槽40からのろ液L4をろ過するろ過器41と、ろ過器41からのろ液L5に含まれる重金属を除去するための薬液反応槽42と、薬液反応槽42からのろ液L6を固液分離するフィルタープレス43と、フィルタープレス43からのろ液L7に残留する固形物をさらにろ過する砂ろ過器44と、砂ろ過器44からのろ液L8に残留する放射性Cs等を吸着する樹脂45とで構成される。
吸着槽39は、フィルタープレス38で分離されたろ液L2に含まれる放射性Csを吸着剤Aに吸着させて回収すると共に、凝集沈降剤Bを添加して放射性Csを吸着した吸着剤Aを凝集沈降させるために備えられる。吸着剤Aには、プルシアンブルー、ゼオライト、ベントナイト等を用いることができ、凝集沈降剤Bとして、ポリ塩化ビニル、炭酸ナトリウム、消石灰、硫酸第二鉄等を用いることができる。
薬液反応槽42は、ろ過器41からのろ液L5に含まれる重金属を除去するために備えられ、鉛等の重金属を硫化して硫化鉛等の析出物を生成してこれらを凝集させ、ろ液L5中のセレンを還元する。
フィルタープレス43は、薬液反応槽42からのろ液L6をろ液L7とケーキCA3とに固液分離し、ろ液L6から硫化鉛及びセレン等の析出物をケーキCA3側に分離するために設けられる。
樹脂45は、シリカゲル粒やイオン交換樹脂等の多孔質体の細孔内にプルシアンブルーを担持するものであって、砂ろ過器44からのろ液L8に残留する放射性Csを吸着させて使用する。多孔質体に代えて、カラムにプルシアンブルーと酸化物等の無機材料を混練・加熱して造粒した無機ビーズを充填してもよく、プルシアンブルーナノ粒子分散液により木綿布を着色したものや、製造の際にプルシアンブルーを織り込んだ不織布を用いてもよい。さらに、繰り返し使用可能な分子認識吸着剤(株式会社タクマが商品名:t-RECs(ティーレックス)で使用)等を用いることもできる。
次に、本発明に係る放射性物質を含む底質の処理方法について、図2及び図3を中心に参照しながら説明する。
まず、湖沼等において深さ20cm程度までの底質を薄層浚渫して浚渫土Dを得る。得られた浚渫土Dをグリズリ6に供給し、有機物O1を除去する。有機物O1を除去した後の浚渫土Dをロッドスクラバ7に供給する。除去した有機物O1は、ロータリーキルン30に供給して燃料として利用し、また、有機物O1の焼却処理によって生じた焼却灰を微粒土Fと同様にロータリーキルン30に原料として供給することもできる。
ロッドスクラバ7に供給した浚渫土Dを洗浄水W1で洗浄し、生成したスラリーS1を振動篩8に供給する。振動篩8に洗浄水W2を供給してスラリーS1を洗浄しながら、振動篩8内のスクリーン上に残留した粗粒土C1を除去する。スクリーンを通過したスラリーS2を受水槽9で貯蔵する。粗粒土C1は、コンクリート骨材、路盤材、盛土材、埋土材等の土工資材に利用することができる。粗粒土C1に含まれる放射性Csの濃度が高い場合には、粗粒土C1をロータリーキルン30に供給して放射性Csを揮発させた後に土工資材に利用することができる。
受水槽9から排出したスラリーS3を湿式サイクロン10に供給して湿式分級し、湿式分級によって得られた粗粒スラリーS5をスパイラル分級機11に供給し、微粒スラリーS4を反応槽13に供給する。スパイラル分級機11において粗粒スラリーS5を分級して粗粒土C2を除去する。粗粒土C2は粗粒土C1と同様に土工資材に利用することができ、粗粒土C2に含まれる放射性Csの濃度が高い場合には、ロータリーキルン30に供給して放射性Csを揮発させた後に土工資材に利用することができる。粗粒土C2を除去した後のスラリーS6をゴミ取機12に供給して有機物O2を除去する。除去した有機物O2は、有機物O1と同様、ロータリーキルン30に供給して燃料とすることができ、また、有機物O2の焼却処理によって生じた焼却灰をロータリーキルン30に原料として供給することもできる。
ゴミ取機12から排出されたスラリーS7を反応槽13に供給し、湿式サイクロン10から供給される微粒スラリーS4と混合した上で凝集剤等を添加して反応させる。この反応によって生じたスラリーS8をスラリー槽14に貯蔵した後、フィルタープレス15に供給する。
フィルタープレス15において、スラリーS9をろ液L1と微粒土F(ケーキ)とに固液分離する。微粒土F(ケーキ)はロータリーキルン30に供給し、ろ液L1は両性イオン交換樹脂17に供給する。
ろ液L1にろ液L1に放射性Csだけではなく放射性Srが含まれている場合でも、両者を分離して各々処理することで、吸着や濃縮を効率よく行うことができる。ろ液L1を両性イオン交換樹脂17に供給することで、放射性Csの濃度が高く放射性Srの濃度が低い第1の溶液SL1と、放射性Csの濃度が低く放射性Srの濃度が高い第2の溶液SL2とに分離する。第1の溶液SL1及び第2の溶液SL2を各々第1溶液槽18及び第2溶液槽19に貯蔵する。
第1の溶液SL1を吸着塔20に供給し、第1の溶液SL1に含まれる放射性Csを回収すると共に排水W4を排出する。回収した放射性Cs吸着物を含むケーキCA1は、微粒土Fと同様にロータリーキルン30で熱処理することができる。また、ケーキCA1が熱処理による浄化が困難なほど高濃度の放射性Csを含む場合は、遮蔽性を有する容器(コンクリートキューブ、ドラム缶等)に保管する。一方、第2の溶液SL2を逆浸透膜21に供給して放射性Srが濃縮した濃縮水CWと淡水W3とに分離する。淡水W3及び排水W4を清水槽22に貯留し、清水槽22からの洗浄水W5をロッドスクラバ7の洗浄水W1及び振動篩8の洗浄水W2として利用する。尚、必要に応じて洗浄水W5に新たに水を加えることもできる。
図3において、ロータリーキルン30に供給された微粒土F等を熱処理して微粒土F等に含まれる放射性Csを揮発させ、揮発した放射性Csを含む排ガスG1を冷却装置32で冷却する。放射性Csが揮発した後の微粒土F等はクリンカクーラ31に供給されて冷却され、生成物Pが排出される。
冷却後の排ガスG2を集塵機33に供給し、冷却されて固体となった放射性Cs濃縮塩を含むダストDUを回収して溶解槽37に供給する。一方、集塵機33から排出された排ガスG3はファン34を介して大気中に放出する。
次いで、溶解槽37においてダストDUに脱塩水W6を所定量添加して撹拌してスラリーS10を生成する。溶解槽37から排出されるスラリーS10をフィルタープレス38でろ液L2とケーキCA2とに固液分離し、ダストDUに含まれる放射性Cs濃縮塩をろ液L2に回収する。ケーキCA2に含まれる放射性Csがクリアランスレベル以上残留している場合には、ロータリーキルン30の窯尻に戻して再熱処理することが好ましい。また、再度ケーキCA2を水洗して含まれる放射性Csの量を低下させることもできる。一方、ケーキCA2に含まれる放射性Csがクリアランスレベル以下の場合には、充填材等に使用することができ、乾燥して埋土材等の土工資材等として使用することもできる。
吸着槽39で、フィルタープレス38で分離されたろ液L2に吸着剤Aを添加して所定時間撹拌した後、凝集沈降剤Bを添加して放射性Csを含有する吸着剤Aを凝集沈澱させた後、沈降槽40及びろ過器41で回収して放射性Csを粗取りする。尚、吸着剤Aにプルシアンブルーを用いた場合には、処理後のろ液L3がシアンの排水基準を満足する必要があるため、プルシアンブルー自体を凝集沈降させる必要があるが、ポリ塩化アルミニウム、炭酸ナトリウム及び消石灰を混合して凝集沈降剤Bとすることで、プルシアンブルー自体の凝集沈降が可能となる。
次に、薬液反応槽42において、放射性Csを粗取りした後のろ過器41からのろ液L5に、水硫化ソーダ(NaSH)等の硫化剤を添加し、ろ液L5中の鉛等の重金属を硫化して硫化鉛等の析出物を生成する。さらに、塩酸等を添加してpHを下げた後、第一鉄化合物等を添加し、次にアルカリ剤としてCa(OH)2等を添加し、pHを7.5以上11以下とすることで、セレンの還元に最適なpHとすると共に、析出させたセレンと鉛等の析出物を凝集させる。
薬液反応槽42からのろ液L6をフィルタープレス43に供給し、ろ液L7とケーキCA3とに固液分離し、ろ液L6に含まれる硫化鉛、セレン等をケーキCA3側に分離除去する。砂ろ過器44からのろ液L8に残留する放射性Csを樹脂45に吸着させて回収する。樹脂45による吸着にあたっては、SV10、pH8程度とすることが好ましい。樹脂45から排出されたろ液L9のCODが高い場合には、排水処理を行った後、河川等へ放流する。
沈降槽40や樹脂45で回収した放射性Csを吸着した吸着剤Aは、高濃度の放射性Csを含むため、散乱して内部被曝しないように壊れにくい容器(コンクリートキューブ、ドラム缶等)に保管する。大量に保管する場合には、外部被曝を避ける観点からコンクリート容器等の遮蔽性を有する容器に保管することがより好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、分級工程3によって浚渫土Dのうち、放射性Cs含有量の高い微粒土Fをロータリーキルン30で熱処理して微粒土Fに含まれる放射性Csを揮発させて回収するため、底質に含まれる放射性Csを大量にかつ効率よく除去することができる。
尚、微粒土F、粗粒土Cをロータリーキルン30へ供給する前に、これらを乾燥及び粉砕することが好ましい。乾燥させることにより、ロータリーキルン30でこれらに含まれる水分の蒸発に消費される熱量が不要となるため、燃料の使用量を低減させることができる。また、粉砕することにより放射性Cs濃度等の品質を均一化することができるため、ロータリーキルン30で放射性Csを安定かつ確実に除去することが可能となる。
さらに、放射性Csの揮発を促進させるため、カルシウム源を添加することもできる。カルシウム源を添加することで微粒土Fの塩基度を高め、高温度域における液相の発生を抑えることができ、放射性Csを効率よく揮発させることができる。カルシウム源としては、炭酸カルシウム、生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイト、高炉スラグ等を用いることができ、これらの群に含まれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、有機物Oもロータリーキルン30の燃料として供給する前に乾燥及び粉砕することが好ましい。乾燥及び粉砕することにより燃焼性がよくなり、化石燃料の代替燃料として用いることができる。
さらにまた、熱処理工程5で回収した濃縮塩は、水洗せずに保管することもできる。この場合、回収物が水と接触して放射性Csが溶出しないよう、コンクリート容器等の密閉性及び遮蔽性を有する容器に保管することが好ましい。
1 放射性物質を含む底質の処理工程
2 浚渫工程
3 分級工程
4 汚染水処理工程
5 熱処理工程
6 グリズリ
7 ロッドスクラバ
8 振動篩
9 受水槽
10 湿式サイクロン
11 スパイラル分級機
12 ゴミ取機
13 反応槽
14 スラリー槽
15 フィルタープレス
16 ろ液槽
17 両性イオン交換樹脂
18 第1溶液槽
19 第2溶液槽
20 吸着塔
21 逆浸透膜
22 清水槽
30 ロータリーキルン
31 クリンカクーラ
32 冷却装置
33 集塵機
34 ファン
35 水洗装置
36 吸着装置
37 溶解槽
38 フィルタープレス
39 吸着槽
40 沈降槽
41 ろ過器
42 薬液反応槽
43 フィルタープレス
44 砂ろ過器
45 樹脂
A 吸着剤
B 凝集沈降剤
C1〜2 粗粒土
CA1〜CA3 ケーキ
CW 濃縮水
D 浚渫土
DU ダスト
F 微粒土
G1〜G3 排ガス
L1〜L9 ろ液
O、O1、O2 有機物
P 生成物
S1〜S3、S6〜S10 スラリー
S4 微粒スラリー
S5 粗粒スラリー
SL1 第1の溶液
SL2 第2の溶液
W1、W2、W5 洗浄水
W3 淡水
W4 排水
W6 脱塩水

Claims (5)

  1. 放射性物質を含む底質を浚渫し、
    該浚渫した浚渫土を粗粒土と微粒土とに分級し、
    該微粒土を熱処理して該微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させ、
    該揮発した放射性セシウムを回収すると共に、
    前記分級において発生した排水を両性イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィにより放射性セシウムの濃度が高い第1の溶液と、放射性ストロンチウムの濃度が高い第2の溶液とに分離し、前記第1の溶液に含まれる放射性セシウムを吸着して回収し、前記第2の溶液に含まれる放射性ストロンチウムを濃縮して回収することを特徴とする放射性物質を含む底質の処理方法。
  2. 前記分級を行う前又は行うと同時に前記浚渫土に含まれる有機物を除去して熱処理工程の燃料として用いることで、該有機物に含まれる放射性セシウムを揮発させて回収することを特徴とする請求項1に記載の放射性物質を含む底質の処理方法。
  3. 前記揮発した放射性セシウムを冷却して濃縮塩を回収し、
    該回収した濃縮塩を水洗し、
    該水洗によって得られた溶液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性物質を含む底質の処理方法。
  4. 前記分級によって得られた粗粒土、前記放射性セシウムを揮発させた後の微粒土を土工資材に用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の放射性物質を含む底質の処理方法。
  5. 放射性物質を含む底質を浚渫する浚渫装置と、
    該浚渫した浚渫土を粗粒土と微粒土、又は粗粒土と微粒土と有機物とに分級する分級装置と、
    前記分級した微粒土を熱処理して該微粒土に含まれる放射性セシウムを揮発させる熱処理装置と、
    該揮発した放射性セシウムを回収する回収装置と
    前記分級において発生した排水を、カラムクロマトグラフィにより放射性セシウムの濃度が高い第1の溶液と、放射性ストロンチウムの濃度が高い第2の溶液とに分離する両性イオン交換樹脂と、
    前記第1の溶液に含まれる放射性セシウムを吸着して回収する吸着装置と、
    前記第2の溶液に含まれる放射性ストロンチウムを濃縮して回収する逆浸透膜とを備えることを特徴とする放射性物質を含む底質の処理装置。
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