JP5787264B2 - 汚濁水浄化システム - Google Patents

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本発明は、建築廃材の石膏ボードや工業系の金型製造、食品系の添加物から生じる廃石膏のリサイクルに関し、廃石膏から石膏分のみを精練して再生石膏を得、この再生石膏を主材として、土壌改質、畜産し尿の処理や舗装道路の路面切削工事・食品、工業系・河川工事等の土木工事分野において発生する懸濁排水から汚泥を分離浄化あるいは汚泥を固化するために使用される無機系中性凝集剤と、この凝集剤を用いた汚濁水浄化システムに関するものである。
例えば、廃石膏の一つである石膏ボードは、処分費用の高騰による不法投棄と最終処分量の増大という二重の課題を抱えている。また、湾岸、河川等の浚渫泥土や掘削工事等によって生じる建設泥土等、土木・建築工事によって副次的に生じる泥土は多量の水分を含んでおり、このような泥土には固化剤を添加し、所定の硬度に固化して埋設処理されている。
現在、泥土の固化剤としては、ポルトランドセメント、アルミナセメント等のセメントや、生石灰等の石灰が使用されているが、その処理後の土壌は高いアルカリ性となり、処理土と接した水のpHが水質汚濁防止法の排水基準(pH5.8〜8.6)を大きく超えてしまうという問題も抱えている。したがって、固化処理後の土壌は、当初からこの排水基準を満たすことが望ましく、そのような処理土を形成し得る泥土固化剤が希求されている。
そこで、処理土のアルカリ性化を誘引するセメントや石灰に代えて、石膏を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。石膏の中でもとくに、処理土を中性域に維持することが可能な半水石膏が泥土固化材として利用されてきている。そのような半水石膏としては、天然石膏の他に、石膏ボード等の建築廃材をリサイクルした経済的な再生石膏が広く利用されている。
しかしながら、再生石膏をそのまま泥土固化剤として使用すると、処理土を中性域に維持することは可能になるものの、再生石膏自体から、土壌の汚染に係る環境基準(0.8mg/リットル)を超える量のフッ素が溶出し、再生石膏の使用によって新たな土壌汚染が惹起されるおそれがある。
従来、建築廃材の石膏ボードは、粉砕処理した後、外装紙等の夾雑物(イグロス)を篩にかけて可能な限り除去している。(例えば、特許文献2参照)。一方、近年、工場地の他用途への転用が進められている。しかし、2003年から施行された土壌汚染対策法により、その土壌中に指定の有害物質が含有されていた場合、汚染物質の除去あるいは不溶化が義務付けられることになった。
一方、コンクリートやアスファルト等で舗装された路面の補修工事、その他、岩盤、石材等の切断や穿孔を行う際、その粉塵飛散防止や摩擦熱を冷却するために、水を用いてカッターを冷却しながら作業を行なっている。しかしながら、排出される切削屑を含有する懸濁排水を現場周辺にそのまま廃棄することは環境上問題がある。例えば、公共土木工事、採石場、工業団地、産業廃棄物中間処理、生コン排水、ガソリンスタンド、食品工場においても同様の排水処理問題がある。
さらに、現在一般に施されている土壌汚染対策技術は、揮発性有機化合物(VOC:Volatile
organic compounds)や重金属の除去に傾倒しており、陰イオン系のフッ素化合物等については、十分な対策が施されておらず、実用的な浄化技術が嘱望されている。
そこで、先ず、土壌汚染対策について、本発明者は、リン酸水素カルシウムがフッ素に対して特異な反応を示すことを知得した。この反応によれば、水溶液中のフッ化物イオンと反応して難溶性のフッ素アパタイト(リン灰石)を生成することができる。この転化反応を利用し、土壌中のフッ素化合物を不溶化する。このフッ素汚染土壌処理に用いる除去剤には大量のリン酸カルシウムが必要である。
尚、懸濁排水の浄化処理については、一般の回収水の処理において、高分子系凝集剤を用いた処理技術が開発されているが、凝集沈殿までに比較的長大な時間を要し、そのため、大容量の沈殿槽を多数備えた複雑な処理システムが必要となることや、高分子凝集剤を添加することにより、処理した凝集沈殿物が粘性を呈し、再利用が困難になるといった欠点がある。また、高分子系凝集剤濃度が高い場合には、回収処理水を再利用して製造したコンクリートのブリーディングやスランプなどに悪影響を及ぼすことなどが明らかにされている。このため、コンクリートに悪影響を及ぼさない無機成分100%の無機系凝集剤の開発が嘱望されている。
ところで、廃石膏の中には篩にかけただけでは分離できない接着成分等が含まれており、例えば、最終製品としては、運動競技場で使用されるラインマーキング用の石膏等のようにその用途が限られていた。そこで、廃石膏ボードに含まれる紙等の夾雑物(イグロス)をロータリーキルン炉により焼成除去し、ポルトランドセメント等の調整用の二水石膏等として再利用する技術が提案されている。(例えば、特許文献3参照。)。
また、上記のような懸濁排水を回収処理して再使用する技術としては、フィルタを通過させて切削汚泥を分離する方法、凝集沈降剤を使用して切削汚泥を沈殿分離する方法等が知られている。例えば、道路カッターで路面を切削するときに発生する切削ヘドロを第1のタンク内で凝集剤と共に撹拌した後、仕切り板により下部を開口して2分割された第2のタンク内の一方仕切り内で凝集沈降させ、上澄み清水は隣接する仕切り内で溢流させ、再び道路カッターへ冷却水として供給する装置(特許文献4参照。)。濁水・泥水を貯留する貯留槽と、前記濁水・泥水に凝集剤を投入する凝集剤投入手段と、前記凝集剤と前記濁水・泥水を混合してフロックを生成する混合装置と、前記混合装置で生成された前記フロックを水と分離する濾過装置とを備えた濁水・泥水処理装置(特許文献5参照。)。濁水を通過させる流路部内の水流方向に沿って、直流電源の陽極及び陰極に夫々接続した陽極電極板と陰極電極板とを交互に配列して電極板群を形成してなる濁水処理装置(特許文献6参照。)等が提案されている。
特開2003−334526号公報 特開2003−24900号公報 特開2002−254032号公報 特開2004-130227号公報 特開2002−219471号公報 特開平11−226577号公報
しかしながら、例えば、舗装路面を切削した排水に含まれる汚泥は粒径が微細で、また排水に含まれる粒子濃度も高い。したがって、硫酸アルミニウム等の凝集剤を懸濁排水に加えて粒子を凝集してフロック化させる方法は、汚泥の嵩が増し排出時の作業性が悪い。また、凝集剤が拡散して周辺環境を汚染するおそれがあるばかりでなく、薬剤コストが嵩み経済性に欠けるという課題があった。一方、電極板を用いて粒子を凝集させる濁水処理装置では、電極板に流す濁水の水量を濾過装置と連動させて適切に調整することが困難であり、作業性が悪いという課題があった。また、上記各々の装置において、凝集剤の投入手段や電源部等を別途設けなければならず、コンパクト化が図り難く、工事用車両等に搭載して機動的に使用できないという課題があった。本発明は上記のような課題に鑑み、簡便且つ低コストで懸濁排水を迅速に浄化再使用することができる再生石膏由来の無機系中性凝集剤及びこれを用いた汚濁水浄化システムを提供することを目的とする。
そこで本発明の汚濁水浄化システムは、濁排水が流入する貯留槽と、該貯留槽に隔壁を介して連設された沈殿槽と、前記沈殿槽の下方に、移動自在に据付けられたスラリー用脱水器と、前記沈殿槽に隔壁を介して連設された清水槽と、前記貯留槽内を曝気撹拌すると共に、脱水後の水を当該貯留槽へ循環させるエアーポンプと、前記貯留槽内に流入した汚泥水中のスラッジを濾別して前記沈殿槽へ導出する第1のフィルタと、当該沈殿槽の上澄み水をさらに濾過して清水槽へ導出する第2のフィルタとから成り、前記貯留槽、沈殿槽及び清水槽の全てに無機系中性凝集剤を添加したことを特徴とする。
まず、排出水の清浄化を目的とするのか、或いは、回収水中の固形分の処理を目的とするのか、回収水の濃度・水温・pH・溶存酸素・イオン等の物性について検討を行い、清澄作用の高いアルミニウム塩、カルシウム塩等のコンクリートに含まれる無機成分を主成分とする無機系凝集剤を用いて凝集実験を行ったが固形物の十分な沈降速度を得ることはできなかった。
そこで、本発明では無機成分100%凝集剤に若干の高分子凝集剤を添加した凝集剤を調製した。調整した凝集剤は粉末を1リットルの水に対して1gの粉末を入れた溶水タイプで、無機成分約98%(高分子成分2%)の凝集剤で、回収水の容積に対して500ppm添加した場合、100%無機凝集剤490ppm、高分子凝集剤10ppm添加したことになるようにした。
本発明によれば、下記の優れた効果がある。
(1)中性で安全性が高く、取り扱いが容易で周辺環境に悪影響を及ぼすことがない。
(2)処理対象が有機物、無機物に関わらず、また海水、淡水を問わずSS・BOD・CODを大幅に削減できる。
(3)粉体または溶水凝集剤なので直接投入が可能で、溶解処理施設が小規模で済み経済的である。
(4)プラントを簡素化でき、イニシャルコスト及びランニングコストを従来に比して1/3程度に低減できる。
(5)脱臭効果が高く、また脱水効果も高く再汚泥化し難い。
(6)即効性がある。
次に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
本発明に係る無機系中性凝集剤の製造工程を示すフローチャートである。 ロータリーキルン炉を模式的に示す正面図である。 本発明に係る汚濁水浄化装置の構成を示す斜視図である。 本発明に係る汚濁水浄化システム構成を模式的に示す説明図である。
本発明に係る廃石膏ボード処理方法を図1及び図2にしたがって説明する。先ず、廃石膏ボード1を破砕機2に投入し粉砕した(A)。ここで、破砕機2としては、ロールクラッシャー、インパクトクラッシャー、ボールミル等が使用できる。粉砕された廃石膏ボード粉はスクリューコンベア3によりロータリーキルン炉6の投入ホッパー4から投入される。投入ホッパー4から投入された廃石膏ボード粉は、スクリューフィーダー5により順次ロータリーキルン炉6内に搬送され、バーナー7により加熱されて石膏ボードに含まれる夾雑物(イグロス)を焼成分離すると共に石膏分が乾燥される(B)。ここで、ロータローキルンの回転数(2〜4rpm/分)、加熱温度約100℃〜350℃程度で攪拌焼成した。これにより、主に紙材と接着剤とからなる外装材の夾雑物(イグロス)は完全に灰化される。灰になった夾雑物(イグロス)は排気煙突8を介して集塵機であるサイクロンフィルター9にて集塵除去される(C)。以上の工程により夾雑物(イグロス)を含まず無水石膏(CaSO)が72%、半水石膏(CaSO・1/2HO)と三分の二水石膏(CaSO・2/3HO)を合せた割合が28%の再生石膏10が得られた。この再生石膏10を主成分とし、副成分として被処理汚泥の物性に応じた凝集成分10aを微量の配合割合で添加して無機系中性凝集剤を得た。副成分としては高分子凝集剤、硫酸バンド、石灰、クエン酸及び活性炭から選択される一種又はこれらを適宜組み合わせて用いる。尚、粉体として製造された無機系中性凝集剤を、汚水の濁度に応じてそのまま投入攪拌して汚泥を沈殿させる方法と、粉体を予め水に溶かして液体状で使用する方法があり、その形態は処理対象に応じて適宜選択できる。
次に、本発明を路面カッターの切削水循環装置に適用した例について説明する。図3乃至図4に示すように、本発明に係る切削水循環装置Sは、アスファルト又はコンクリート等で敷設された路面を切削する際に発生する切削懸濁排水W1が流入する一次沈殿槽11と、この一次沈殿槽11に隔壁12aを介して連設された二次沈殿槽12と、一次沈殿槽11の下方に、移動自在に設けられた脱水用プレス装置14と、二次沈殿槽12に隔壁13aを介して連設された清水槽13と、一次沈殿槽11内を曝気攪拌すると共に、脱水後の水を一次沈殿槽11へ循環させるエアーポンプ15と、一次沈殿槽11に流入した汚泥水中のスラッジを濾別して二次沈殿槽12へ流出する第1のフィルタF1と、二次沈殿槽12の上澄み水をさらに濾過して清水槽13へ導出する第2のフィルタF2とから成り、一次沈殿槽11、二次沈殿槽12及び清水槽13の全てに無機系中性凝集剤を添加して構成されている。尚、本発明システムにおいては、工業排水や畜舎のし尿、土木現場や食品工場で発生する汚濁水W1を一旦貯留しておく汚濁水貯留タンクTを附設するとよい。
一次沈殿槽11の下部11aは下方に向かって漸次細くなる漏斗状に両辺を傾斜させて形成され、この漏斗状部の最下部に連通して固形分排出管11bが設けられている。この固形分排出管11bのバルブ(図示せず)を開放することによって、一次沈殿槽11の下方に配置された脱水篭G1に、一次沈殿槽11の下部11aに沈澱堆積した若干の水分を含有するスラリー状のコンクリー残滓を排出する。
脱水用プレス装置14は、例えば脱水篭G2内に袋状の濾布を配し、貯留槽11から排出されたスラリー状のコンクリー残滓をその袋内に投入し、さらにこの袋ごとプレス装置14aにて圧搾することで、スラリーの含水量をさらに低減することができ、産廃処理コストも低減できる。そして、その濾過水は脱水槽16に流下して貯留される。濾布には、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、酢酸ビニルなどの合成繊維からなる織布又は不織布を使用すると良い。また、プレス装置14aの駆動力としては、モーター式、油圧式、空気圧式のジャッキ等を挙げることができる。
一次沈殿槽11、二次沈殿槽12及び清水槽13の全ての貯留水には無機系中性凝集剤を投入して溶水にする。本実施例で使用した無機系中性凝集剤の成分の一例を表1に示す。
Figure 0005787264
図3中、17は路面を回転刃により切断する路面カッターであり、18は路面カッター7から排出される懸濁排水W1を吸引回収してコンクリートカッター用切削水循環装置Sに導入するための懸濁排水回収管、19はコンクリートカッター用切削水循環装置Sで浄化処理された処理水を路面カッター7に潤滑冷却水W2として供給するための潤滑冷却水供給管である。そして、20は、脱水槽16の貯留水を貯留槽11へ循環させると共に、貯留槽11内をエアーポンプ15により曝気攪拌するための空気を噴出させる貯留水供給管である。このように、貯留槽11内を曝気攪拌するようにしたので、攪拌羽根のような機械的攪拌装置を使用する場合に比べて、一旦沈降した切削汚泥を撹乱させることなく沈降分離が速やかに起る。また、本装置が、土木系、工業系、生コン等の濁水処理に利用できることは言うまでもない。その場合、SSの除去率を高める特殊フィルタF3を増設することが好ましい。
本発明に係る無機系中性凝集剤には、さらに必要に応じて、固化促進剤、吸水剤等の添加剤を適宜に選択し、本発明の効果を阻害しない量的範囲において配合することも可能である。これによって、その添加剤の種類に応じた機能を有利に享受することができる。
尚、添加する高分子系凝集剤としては、水性媒体中でpHが中性となるものであれば、特に限定されるものではなく、従来から公知の高分子系凝集剤を使用することができる。その具体例としては、デンプン、ゼラチン、キトサン及びアルギン酸ナトリウム等の天然水溶性高分子化合物、アクリル酸ナトリウム、アミノアルキルアクリレート4級塩、ポリアクリルアミドとその塩、及びこれらの共重合物、ポリビニルアルコール、カチオン化デンプン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、カルボキシルメチルセルロース等の合成水溶性高分子化合物、並びにこれらの混合物等を挙げることができ、これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、高分子系凝集剤の配合量にあっても、泥土に含まれる水分量等に応じて適宜に設定され、とくに限定されるものではないものの、再生石膏の100質量%に対して、好ましくは0.01〜1質量%の配合割合が採用される。かかる配合量が過少である場合には、添加による効果が十分に得られず、逆に過多であると、添加による効果が飽和状態となり、経済性が低下するからである。
高分子凝集剤はSSの間で架橋凝集を進めると共に、形成された汚泥フロック塊を互いに緩く結着して、フロック塊を清浄化された処理水から分離しやすくするために添加される成分である。この高分子凝集剤としては、特に限定されるものではなく、非イオン性のもの、ポリ陽イオン系のもの、ポリ陰イオン系のものなどいずれであってもよい。
この量が少なすぎると、上記した効果が充分に発揮されず、また逆に多すぎると、形成された汚泥フロック塊にべとつきが生じるようになるので、その含有量は1〜3重量%程度にする。この無機系中性凝集剤は、凝集沈降剤として処理対象の汚水のpH値とは無関係に使用することができる。すなわち、汚水が酸性であってもアルカリ性であっても使用することができる。
本発明の無機系中性凝集剤によって処理された土壌は、水質汚濁防止法の排水基準(pH)及び土壌環境基準(フッ素)を満たすものであり、造成、堤防、盛土、埋め戻し等の様々な用途に有効利用され得る。
本発明の無機系中性凝集剤は、処理現場において、処理対象の汚水や汚泥(例えば、河川や湖沼)に直接投入し、両者を攪拌混合するだけで、当該汚水や汚泥を汚泥フロック塊と清浄な処理水とに短時間で分離することができる。その場合、汚泥フロック塊と処理水との分離は、強い力で攪拌するほど、短時間のうちに効率的に進行し、しかも得られる処理水は清浄化する。
この無機系中性凝集剤の使用量は、処理対象の汚水や汚泥中に含まれているSS成分などの濃度によっても変化するが、その濃度が2000ppm程度であるときは、汚濁水1m当り約100〜200g程度にすればよい。また、本発明の無機系中性凝集剤は次のようにして泥状土壌の処理に用いることができる。
河川の底に沈積する泥状土壌を例にして説明する。まず、汚泥吸引車のタンク内に所定量の凝集剤を収納した状態で泥状土壌を吸引する。このとき泥状土壌の流れで泥状土壌と無機系中性凝集剤は攪拌混合され、清浄な処理水と泥土とに分離される。次いで、得られた泥土に公知の土壌安定剤を添加して全体を攪拌混合することにより客土が調製される。この客土は、そのまま例えば法面盛土などとして使用することができる。
本発明方法で処理された処理水はSS成分、COD成分、BOD成分、油分などがほとんど除去され、極めて清浄な水W2になった。したがって、処理水W2をそのまま河川に放流しても河川を汚濁する心配は全くない。また、フロック塊を取り出し、それを脱水機にかけたところ、フロック塊はパサパサの状態に変化し、従来の高分子凝集剤を用いた場合に良くみられたべとつきは全くなく、残土と同じ状態になっていた。このように、本発明の無機系中性凝集剤は、何らの攪拌手段を使用することなく、タンク内に投入するだけで吸引されてくる汚水の流れによって当該汚水と攪拌され、そのまま放流可能な良質の処理水にすることができる。
以上のように、本発明の無機系中性凝集剤を用いると、例えば、工事現場で発生した汚水を、その場で極めて簡単に、飲用可能なほどに清浄な処理水とフロック塊に短時間に分離することができる。したがって、従来のように、汚水を所定の汚水処理現場に運搬してそこで処理する工程が省略されるので、工事の能率向上、経費節減に資することができ、その工業的価値は極めて高い。また、処理に要する設備としては本発明の無機系中性凝集剤と処理対象の汚濁水を混合する貯留槽だけでよいので、イニシャルコストは大幅に軽減される。
このように、本発明に係る無機系中性凝集剤にあっては、半水石膏を主成分としていることから、処理された汚水のpH上昇を効果的に抑制することが可能となり、これによって、水質汚濁防止法の排水基準(pH5.8〜8.6)が有利に満たされ得るのである。したがって、本発明の無機系中性凝集剤によれば、処理土のpH上昇の抑制と従来の泥土固化材に起因するフッ素の溶出の抑制とを有利に両立させることができる。
本発明に係る無機系中性凝集剤は、下記のような種々の分野の汚濁水処理に好適に採用される。
(1)「土木工事分野」:トンネル・ダム・河川改修工事の排水処理、河川・湖沼浚渫工事の排水処理、シールド工法・推進工事・アンカー工事・配管布設工事の濁水排水処理、ベントナイト排水処理、採石場排水処理・砂濾過・海砂除塩の洗浄水処理。
(2)「生コン製造分野」:生コンミキサー車洗車排水処理、生コン工場・コンクリート二次製品工場の排水処置。
(3)「農林水産分野」:畜産・酪農・養殖・園芸等の汚水処理・水質改善。汚染土壌の改良・農地基盤整備に伴う排水処理。
(4)「工業・下水分野」:製鉄・製紙・食品加工・化学・メッキ工場等の排水処理、クリーニング工場・ガソリンスタンドの排水処理、下水・し尿・浄化槽の汚泥処理。
(5)「食品分野」:焼酎粕・酒粕等の排水処理、食品排水処理。
1 石膏ボード廃材
2 破砕機
3 スクリューコンベア
4 投入ホッパー
5 スクリューフィーダー
6 ロータリーキルン炉
7 バーナー
8 排気煙突
9 サイクロンフィルター(集塵機)
10 再生石膏
10a微量凝集成分
11 一次沈殿槽
11a漏斗状下部
11bスラリー排出管
12 二次沈殿槽
12a隔壁
13 清水槽
13a隔壁
14 脱水用プレス装置
14a油圧シリンダ
14b脱水器
15 エアーポンプ
16 脱水槽
17 路面カッター
18 懸濁排水回収管
19 潤滑冷却水供給管
20 貯留水供給管
S 汚濁水浄化システム
T 汚濁水貯留槽
F1 第1のフィルタ
F2 第2のフィルタ
F3 特殊フィルタ
G1 脱水篭
G2 脱水篭
W1 汚濁水
W2 清浄水(潤滑冷却水)








Claims (1)

  1. 濁排水が流入する貯留槽と、該貯留槽に隔壁を介して連設された沈殿槽と、前記沈殿槽の下方に、移動自在に据付けられたスラリー用脱水器と、前記沈殿槽に隔壁を介して連設された清水槽と、前記貯留槽内を曝気撹拌すると共に、脱水後の水を当該貯留槽へ循環させるエアーポンプと、前記貯留槽内に流入した汚泥水中のスラッジを濾別して前記沈殿槽へ導出する第1のフィルタと、当該沈殿槽の上澄み水をさらに濾過して清水槽へ導出する第2のフィルタとから成り、前記貯留槽、沈殿槽及び清水槽の全てに無機系中性凝集剤を添加したことを特徴とする汚泥水浄化システム。
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