JP2014228502A - 放射性セシウム汚染物の処理方法 - Google Patents

放射性セシウム汚染物の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウムによって汚染された下水処理汚泥や枝葉等を処理するにあたり、回収した放射性セシウムを含む物質の取り扱いを容易とし、高い減容化率を得る。
【解決手段】放射性セシウムで汚染された物質Cから放射性セシウムを揮発させ、揮発した放射性セシウムを冷却して放射性セシウムの濃縮塩Dを回収し、回収した濃縮塩を水洗し、水洗によって得られたろ液L1に含まれる放射性セシウムを吸着剤Aに吸着させて回収する。放射性セシウムの濃縮塩を液固比2以上10以下で水洗することが好ましく、水洗によって得られたろ液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させ、吸着剤を凝集沈降させて回収し、さらに吸着剤を回収した後のろ液に残留する放射性セシウムをカラム法により回収することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムによって汚染された下水処理汚泥や枝葉等を処理する方法に関する。
先年の原子力発電所の事故により生じた上記放射性セシウム汚染物は、膨大な量に及ぶことが予想されるため、放射性セシウムを大量にかつ効率よく回収する必要がある。そこで、例えば、特許文献1には、放射性セシウムで汚染された土壌、廃棄物等を、焼成炉や溶融炉等で熱処理して放射性セシウムを揮発させ、廃棄物の放射能量を低減すると共に、揮発した放射性セシウムを冷却して減容化する技術が提案されている。
また、特許文献2には、放射性セシウムで汚染された土壌をロータリーキルン等で加熱し、放射性セシウムを含む排ガスと、放射性セシウムの含有率が低減された処理済みの土壌を得る汚染土壌の処理システムが開示されている。
特開2013−36883号公報 特開2013−19734号公報
上記特許文献等に記載の従来の技術では、放射性セシウムを含むダスト等をバグフィルター等の集塵機を用いて回収し、回収物をコンクリートキューブ等で保管することにより減容化する。
しかし、ダスト等に含まれる放射性セシウムは水溶性であるため、このダスト等を保管する容器は、遮蔽性だけでなく遮水性も求められるなど、ダスト等の取り扱いの面で改善の余地があった。
また、上記特許文献等に記載の技術では、放射性セシウム汚染物を減容化しているが、放射性汚染物の保管場所に苦慮していることから、減容化率をさらに高めることが要請されている。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、回収した放射性セシウムを含む物質の取り扱いが容易で、減容化率を高めることも可能な放射性セシウム汚染物の処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性セシウム汚染物の処理方法であって、放射性セシウムで汚染された物質から放射性セシウムを揮発させ、該揮発した放射性セシウムを冷却して放射性セシウムの濃縮塩を回収し、該回収した濃縮塩を水洗し、該水洗によって得られたろ液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収することを特徴とする。
本発明によれば、放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収するため、回収物が水と接触しても放射性セシウムは溶出することがない。そのため、例えば、回収物を保管する容器は遮蔽性を備えるだけでよく、取り扱いが容易となる。
上記処理方法において、前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が1.0以上になるようにCa源又は/及びMg源を添加し、1150℃以上1450℃以下の温度に加熱して放射性セシウムを揮発させることができる。
また、前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が0.3以上1.6以下になるようにCa源又は/及びMg源を添加し、1200℃以上1450℃以下の温度に加熱し、前記放射性セシウムで汚染された物質を溶融させて放射性セシウムを揮発させることができる。
さらに、上記放射性セシウム汚染物の処理方法において、前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、さらに塩素源を添加することができる。これにより、塩化揮発を促進してより効率よく放射性セシウムを揮発させることができる。
また、前記放射性セシウムの濃縮塩を液固比2以上10以下で水洗することができる。これにより、設備コストを低く抑えながら、水洗後の固相に放射性セシウムが残留することを防止することができる。
さらに、前記水洗によって得られたろ液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させ、該吸着剤を凝集沈降させて回収し、さらに、前記吸着剤を回収した後のろ液に残留する放射性セシウムをカラム法により回収することができ、水洗によって得られたろ液が吸着率や選択性が低くなる塩水である場合にも、放射性セシウムを効率よく吸着することができる。
また、前記濃縮塩に磁性を有する吸着剤を添加し、該濃縮塩を水洗した後、磁力選別を行って前記吸着剤を回収することもできる。
前記吸着剤としてプルシアンブルーを用いることができ、セシウムのみを選択的に吸着するプルシアンブルーを用いることで、減容化率を高めることができる。
以上のように、本発明の放射性セシウム汚染物の処理方法によれば、回収した放射性セシウムを含む物質の取り扱いが容易で、減容化率をさらに高めることも可能となる。
本発明に係る放射性セシウム汚染物の処理方法を実施するための装置を示す全体構成図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図1を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る処理方法の対象となる放射性セシウム汚染物は、放射性セシウムで汚染された土壌、下水汚泥乾粉・焼却灰、都市ごみ焼却灰・溶融スラグ、農林系廃棄物(剪定枝葉、バーク、堆肥、稲わら、牧草、米ぬかなど)等である。また、放射性セシウムとは、セシウムの放射性同位体であるセシウム134及びセシウム137である。
図1は、本発明に係る放射性セシウム汚染物の処理方法を実施するための装置を示し、この処理装置1は、放射性セシウム汚染物(以下「汚染物」という。)Cから放射性セシウム(以下「放射性Cs」という。)を揮発させるロータリーキルン2と、ロータリーキルン2の排ガスG1を冷却する冷却装置3と、冷却によって生じた放射性Csの濃縮塩を含むダストDを回収する集塵機4と、回収されたダストDを水洗する水洗装置6と、水洗後のろ液に含まれる放射性Csを吸着剤に吸着させて回収する吸着装置7等で構成される。
ロータリーキルン2は、窯尻にキルン内部へ汚染物CやCa源又は/及びMg源を供給するための投入口を備え、窯前に微粉炭等の化石燃料を用いて汚染物Cを高温加熱するためのバーナ等を備える。ロータリーキルン2を用いることで、放射性Csの揮発に適した温度及び汚染物Cの滞留時間に容易に調整することができて好ましいが、ロータリーキルン2に代えて、ストーカ炉、電気炉、焼却炉等を用いることもできる。
冷却装置3は、ロータリーキルン2の排ガスG1を冷却し、汚染物Cから揮発した放射性Cs等を固体状にして回収するために備えられる。排ガスG1の冷却は、排ガスG1への散水や、冷却空気の導入によって行う。水による冷却、空気による冷却を各々単独で行ってもよく、両者を併用してもよい。
集塵機4は、冷却装置3からの排ガスG2に含まれる放射性Csの濃縮塩を含むダストDを集塵するために備えられ、バグフィルター、ヘパフィルター、電気集塵機等を用いることができる。最終排ガスにダストを発生させない観点から、バグフィルター、ヘパフィルターを用いることが特に好ましい。また、集塵機4の前段にサイクロン等の分級手段を設け、高濃度の放射性Csを含む微粉のみを集塵機4で捕集し、粗粉をロータリーキルン2に戻してもよい。さらに、放射性Csの濃縮塩等を除去した後の排ガスG3に含まれる酸性ガス等を吸着除去するため、2次集塵機を設けてもよい。集塵機4の後段には、排ガスG3を系外に排出するためのファン5が設けられる。
水洗装置6は、ダストDに水Wを添加してスラリーSを生成させ、ダストDに含まれる放射性Csの濃縮塩を水中に溶解させる溶解槽11と、溶解槽11から供給されたスラリーSを水洗しながら、ろ液L1とケーキC1とに固液分離するフィルタープレス12とで構成される。フィルタープレス12に代えてベルトフィルター等を用いることもできる。
吸着装置7は、フィルタープレス12で分離されたろ液L1に含まれる放射性Csをプルシアンブルー等の吸着剤Aに吸着させて回収する吸着槽13と、吸着槽13からのろ液L2に含まれる放射性Csを吸着した吸着剤A等を沈降させる沈降槽14と、沈降槽14からのろ液L3をろ過するろ過機15と、ろ過機15からのろ液L4に含まれる重金属を除去するための薬液反応槽16と、薬液反応槽16からのろ液L5を固液分離するフィルタープレス17と、フィルタープレス17からのろ液L6に残留する固形物をさらにろ過する砂ろ過機18と、砂ろ過機18からのろ液L7に残留する放射性Cs等を吸着する樹脂19とで構成される。
吸着槽13は、フィルタープレス12から供給されたろ液L1に吸着剤Aを添加して放射性Csを吸着剤Aに吸着させて回収すると共に、凝集沈降剤Fを添加して放射性Csを吸着した吸着剤Aを凝集沈降させるために備えられる。
吸着剤Aには、プルシアンブルー、ゼオライト、ベントナイト等を用いることができる。ろ液に含まれているNa、K、セシウムの中からセシウムのみを選択的に吸着し、塩化物イオン含有量の高い溶液でもセシウム吸着量が高いという観点からプルシアンブルーが特に好ましい。プルシアンブルー、ゼオライトに磁性粉を複合化した磁性吸着剤を用いてもよい。
凝集沈降剤Fとして、ポリ塩化アルミニウム、炭酸ナトリウム、消石灰、硫酸第二鉄等を用いることができる。
薬液反応槽16は、ろ過機15からのろ液L4に含まれる重金属を除去するために備えられ、後述するように、鉛等の重金属を硫化して硫化鉛等の析出物を生成してこれらを凝集させ、ろ液L4中のセレンを還元する。
フィルタープレス17は、薬液反応槽16からのろ液L5をろ液L6と2次ケーキC2とに固液分離し、ろ液L5から硫化鉛及びセレン等の析出物を2次ケーキC2側に分離するために設けられる。
樹脂19は、シリカゲル粒やイオン交換樹脂等の多孔質体の細孔内にプルシアンブルーを担持するものなどであって、砂ろ過機18からのろ液L7に残留する放射性Csを吸着させて使用する。多孔質体に代えて、カラムにプルシアンブルーと酸化物等の無機材料を混練・過熱して造粒した無機ビーズを充填してもよく、プルシアンブルーナノ粒子分散液により木綿布を着色したものや、製造の際に材料にプルシアンブルーを織り込んだ不織布を用いてもよい。さらに、繰り返し使用可能な分子認識吸着剤(株式会社タクマが商品名:t-RECs(ティーレックス)で使用)等を用いることもできる。
次に、上記処理装置1を用いた本発明に係る放射性セシウム汚染物の処理方法について、図1を参照しながら説明する。
ロータリーキルン2の窯尻に、汚染物Cと共に、汚染物Cに対して(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が1.0以上になるようにCa源又は/及びMg源を添加する。Ca源として、石灰石、生石灰、消石灰、ドロマイト、高炉スラグ、炭酸マグネシウム等を使用することができ、Mg源として、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、蛇紋岩、フェロニッケル、スラグ合金等を使用することができる。
上記質量比を1.0以上とすることで、塩化水素の発生が抑制され、かつNaやKの揮発量を少なくしつつ放射性Csをより多く揮発させることができ、ロータリーキルン2の排ガスG1を冷却装置3で冷却した後、集塵機4で回収される放射性Csの濃縮塩の発生量も少なくすることができる。また、回収される濃縮塩中の放射性Csは、より水溶性が高まり、水洗装置6、吸着装置7において水洗残渣に残存するものが少なくなる。ロータリーキルン2の窯尻に供給される汚染物CのCs濃度が高い場合には、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比を高くすることが好ましい。
また、ロータリーキルン2内での塩化揮発を促進する観点から、ロータリーキルン2の窯尻に塩素源を添加してもよい。ここで、Cl/(Cs+K)モル比が0.05以上1.0以下となるように塩素源を添加することが好ましく、Cl濃度は100mg以上1%以下が好ましい。Cl/(Cs+K)モル比が0.05以上、又はCl濃度が100mg以上の場合には、回収される放射性Csの濃縮塩中のCsは、より水溶性が高まって水洗残渣に残存するものが少なくなる。一方、Cl/(Cs+K)モル比が1.0より大きい場合、又はCl濃度が1%より大きい場合には、溶融温度が低下するためにより高温での焼成ができず、放射性Csが揮発しにくくなる。また、ロータリーキルン2内でのNaやKの揮発量も多くなり、回収される濃縮塩の発生量も多くなる。塩素源としてCaCl2、KCl、NaCl、塩化ビニルを用いることができ、揮発促進の観点からCaCl2を添加するのが好ましい。
ロータリーキルン2の内部での汚染物Cの加熱温度は、1150℃以上1450℃以下であり、好ましくは1200℃以上1350℃以下であって、原料が溶融しない温度が好ましい。この温度で、汚染物Cを15分以上120分以下加熱する。加熱後に得られる焼成物Pは、必要に応じて粉砕し、セメント混合材、コンクリート用骨材、アスファルト用骨材、埋め戻し材、盛り土材、路盤材等として利用することができる。
汚染物Cの放射性Cs濃度が高い場合には、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比を高くして、原料が溶融しない範囲で温度を高くすることにより、汚染物Cに含まれる放射性Csの大部分を揮発させることができる。
次に、ロータリーキルン2の排ガスG1を冷却装置3で冷却し、集塵機4で回収された濃縮塩を含むダストDを溶解槽11に供給し、溶解槽11においてダストDに水Wを所定量添加して撹拌してスラリーSを生成する。水洗の際の液固比は2以上10以下が好ましく、3以上5以下がより好ましい。液固比が2以下の場合には、水洗後フィルタープレス12で固液分離した場合のケークC1に放射性Csが残留する虞がある。一方、液固比が10以上では、装置が大きくなり過ぎて好ましくない。水洗装置6においてスラリーSを撹拌する時間は10分程度とし、50℃程度の温水を用いることで後工程でのろ過速度を高めることができる。
次いで、溶解槽11からのスラリーSをフィルタープレス12で水洗しながらろ液L1とケーキC1とに固液分離し、ダストDに含まれる濃縮塩をろ液L1に回収する。ケーキC1に含まれる放射性Csがクリアランスレベル以上残留している場合には、ロータリーキルン2の窯尻に戻して再加熱することが好ましい。また、再度ケーキC1を水洗して含まれる放射性Csの量を低下させることもできる。一方、ケーキC1に含まれる放射性Csがクリアランスレベル以下の場合には、充填材等に使用することができ、乾燥して埋め土材等の土工資材等として使用することもできる。
吸着槽13で、フィルタープレス12で分離されたろ液L1に吸着剤Aを添加して所定時間撹拌した後、凝集沈降剤Fを添加して放射性Csを含有する吸着剤Aを凝集沈殿させた後、沈降槽14及びろ過機15で回収し、放射性Csを粗取りする、尚、吸着剤Aにプルシアンブルーを用いた場合には、処理後のろ液L8がシアンの排水基準を満足する必要があるため、プルシアンブルー自体を凝集沈降させる必要があるが、ポリ塩化アルミニウム、炭酸ナトリウム及び消石灰を混合して凝集沈降剤Fとすることで、プルシアンブルー自体の凝集沈降が可能となる。
次に、薬液反応槽16において、放射性Csを粗取りした後のろ過機15からのろ液L4に、水硫化ソーダ(NaSH)等の硫化剤を添加し、ろ液L4中の鉛等の重金属を硫化して硫化鉛等の析出物を生成する。さらに、塩酸等を添加してpHを下げた後、第一鉄化合物等を添加し、次にアルカリ剤としてCa(OH)2等を添加し、pHを7.5以上11以下とすることで、セレンの還元に最適なpHとすると共に、析出させたセレンと鉛等の析出物を凝集させる。
薬液反応槽16からのろ液L5をフィルタープレス17に供給し、ろ液L6と2次ケーキC2とに固液分離し、ろ液L5から硫化鉛、セレン等をケーキC2側に分離除去する。砂ろ過機18において、さらにろ液L6に残留する硫化鉛等を回収した後、砂ろ過機18からのろ液L7に残留する放射性Csを樹脂19に吸着させて回収する。樹脂19による吸着にあたっては、SV10、pH8程度とすることが好ましい。樹脂19から排出されたろ液L8のCODが高い場合には、排水処理を行った後、河川等へ放流する
沈降槽14や樹脂19で回収した放射性Csを吸着した吸着剤Aは、高濃度の放射性Csを含むため、散乱して内部被曝しないように壊れにくい容器(コンクリートキューブ、ドラム缶等)に保管する。大量に保管する場合には、外部被曝を避ける観点からコンクリート容器等の遮蔽性を要する容器に保管することがより好ましい
尚、上記実施の形態では、ロータリーキルン2を用いて汚染物CにCa源等を添加して焼成する場合について説明したが、コークスベット溶融炉、旋回溶融炉、表面溶融炉等の溶融炉を用い、汚染物Cに対して(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が0.3以上1.6以下になるようにCa源又は/及びMg源を添加し、塩化揮発の促進のためにCaCl2を10%以上、より好ましくは20%以上添加し、1200℃以上1450℃以下の温度で15分以上120分以下加熱して放射性Csを揮発させてもよい。
また、上記実施の形態では、放射性Csを吸着回収するにあたって、凝集沈殿法と、カラム法を併用した場合について説明したが、必ずしも併用する必要はなく、いずれか一方の方法を用いることもできる。
さらに、凝集沈殿法やカラム法に代えて、又はこれらと並行して、集塵機4からのダストDに磁性を有した吸着剤Aを添加し、水洗装置6で水洗を行う際に磁力選別を行って吸着剤Aのみを回収し、吸着剤Aを回収した後のスラリーをフィルタープレス等で固液分離し、分離したケーキをロータリーキルン2の窯尻に戻したり、土工資材として利用してもよい。
また、集塵機4で放射性Csの濃縮塩を含むダストDを回収し、水洗装置6で回収されたダストDを水洗するのではなく、冷却装置3の排ガスG2を直接湿式スクラバ等の湿式集塵機に導入し、湿式集塵機から排出されたスラリーに含まれる放射性Csを回収してもよい。
次に、本発明に係る放射性セシウム汚染物の処理方法の実施例として、凝集沈殿法と、カラム法を併用した場合について説明する。
(1)濃縮Cs塩の作製
表1に示す組成の粘土に対し、Cs源として塩化セシウム(非放射性)を50mg/kgを添加し、さらに水を添加してスラリーの状態で混合した。その後、脱水して乾燥した粘土を粉砕し、粉砕した粘土に(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が2.0となるように生石灰を添加して混合し、Cs濃度を30mg/kgとした。さらに、塩化カルシウムも添加し、Cl/(Cs+K)モル比が0.5、Cl濃度が2500mg/kgの焼成原料とした。
Figure 2014228502
上記のようにして得られた焼成原料を、30kg/hの割合でロータリーキルン(φ370mm×3200mmL)に投入し、最高温度1350℃、滞留時間60分で焼成し、計10時間ロータリーキルンを運転し、キルン出口より焼成物を回収した。この焼成物のCs含有量は0.35mg/kgであった。キルン排ガスを冷却した後、サイクロンでダストの粗粉を分離し、バグフィルターでCsの濃縮塩を回収した。回収した微粉のCs濃度は830mg/kgであった。尚、上記焼成原料、焼成物、濃縮塩のCs濃度は、酸溶解後、ICP質量分析計を用いて測定した。
(2)Csの濃縮塩の水洗
上記濃縮塩1kgに対し、50℃の温水を3倍量添加し、10分間撹拌した後吸引ろ過し、Cs含有量30mg/kg−wetのケーキと、414mg/lの水洗ろ液を得た。
(3)水洗ろ液からのCs回収
Csを414mg/l含む水洗ろ液に、フェロシアン化鉄4980mg/lを添加し、さらに凝集剤として消石灰を1120mg/l添加し、次に0.2%溶液の高分子凝集剤を2000mg/l添加して撹拌した。これを吸引ろ過し、得られたろ液のCs濃度を測定したところ、1.2mg/lであった。また、ろ過により分離されたCs回収物は35gであった。さらに、Cs濃度1.2mg/lのろ液を、ピュロライト・インターナショナル株式会社製のセシウム吸着剤CS400にSV(空間速度)10で通過させたところ、Cs濃度は0.001mg/lになった。以上より、Cs除去率は、99.9%となった。
1 処理装置
2 ロータリーキルン
3 冷却装置
4 集塵機
5 ファン
6 水洗装置
7 吸着装置
11 溶解槽
12 フィルタープレス
13 吸着槽
14 沈降槽
15 ろ過機
16 薬液反応槽
17 フィルタープレス
18 砂ろ過機
19 樹脂

Claims (8)

  1. 放射性セシウムで汚染された物質から放射性セシウムを揮発させ、
    該揮発した放射性セシウムを冷却して放射性セシウムの濃縮塩を回収し、
    該回収した濃縮塩を水洗し、
    該水洗によって得られたろ液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させて回収することを特徴とする放射性セシウム汚染物の処理方法。
  2. 前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が1.0以上になるようにCa源又は/及びMg源を添加し、1150℃以上1450℃以下の温度に加熱して放射性セシウムを揮発させることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  3. 前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、(CaO+1.39MgO)/SiO2質量比が0.3以上1.6以下になるようにCa源又は/及びMg源を添加し、1200℃以上1450℃以下の温度に加熱し、前記放射性セシウムで汚染された物質を溶融させて放射性セシウムを揮発させることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  4. 前記放射性セシウムで汚染された物質に対し、さらに塩素源を添加することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  5. 前記放射性セシウムの濃縮塩を液固比2以上10以下で水洗することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  6. 前記水洗によって得られたろ液に含まれる放射性セシウムを吸着剤に吸着させ、
    該吸着剤を凝集沈降させて回収し、
    さらに、前記吸着剤を回収した後のろ液に残留する放射性セシウムをカラム法により回収することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  7. 前記濃縮塩に磁性を有する吸着剤を添加し、該濃縮塩を水洗した後、磁力選別を行って前記吸着剤を回収することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
  8. 前記吸着剤としてプルシアンブルーを用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の放射性セシウム汚染物の処理方法。
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