JP2020180970A - 放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びそのための装置 - Google Patents

放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びそのための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びそのための装置を提供する。【解決手段】放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びその装置に係り、該廃液処理方法は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する前処理段階と、pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる段階と、凝集剤を投入し、放射性セシウムが吸着されたプルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる段階と、凝集されて沈澱された沈殿物を分離する段階と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びその装置に係り、放射性セシウムをプルシアンブルーナノ粒子によって吸着させ、前記セシウムが吸着されたプルシアンブルーナノ粒子を迅速に凝集及び沈澱させ、前記廃液から放射性セシウムを効果的に除去するようにした廃液処理方法及びその装置に関する。
最近、放射性セシウムで汚染された廃液から、放射性セシウムを効率的に且つ経済的に除去するために、多様な方法が試みられている。そのうち、プルシアンブルー(Prussian blue)が、放射性セシウムの吸着物質として注目されている。
従来、放射性セシウムで汚染された廃液の処理方法としては、プルシアンブルーの粒子を綿布に付着させ、放射性セシウムを吸着除去するか、あるいはプルシアンブルー粒子を玉(ビード)状に加工して容器に充填した後、セシウムで汚染された廃液を通過させ、前記放射性セシウムを吸着及び除去する方式を使用した。
しかし、そのような方式は、プルシアンブルーの単位重さ当たり吸着断面積が低減し、放射性セシウムの除去効率が低下し、最終的に、処分対象になる二次廃棄物の発生量を顕著に増加させる問題がある。
本発明は、前述のような要求を解決するために案出されたものであり、プルシアンブルーナノ粒子が粒子性を維持するようにしながら、放射性セシウムを吸着させ、凝集剤を利用し、放射性セシウムが吸着されたプルシアンブルーナノ粒子を凝集沈澱させ、廃液に含まれた放射性セシウムを迅速に且つ簡便に除去することができるようにした、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びその装置を提供することをその目的とする。
本発明の一側面による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する前処理段階と、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる段階と、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる段階と、前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する段階と、を含むことを特徴とする。
また、前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に前処理されることが望ましい。
また、前記凝集剤は、陽イオン高分子凝集剤であることが望ましい。
また、前記沈殿物が形成された廃液に、鉄系凝集剤または陽イオン高分子凝集剤を追加投入し、残留するプルシアンブルーナノ粒子を除去することが望ましい。
また、前記放射性セシウムが含まれた廃液は、放射性廃棄物焼却材と希釈用水とを混合して準備することが望ましい。
また、前記前処理段階前に、前記放射性セシウムが含まれた廃液は、脱水段階を経て、脱離液は、前処理段階に移送され、脱水された残留物は、安定化槽に移送され、重金属安定化剤によって安定化されることが望ましい。
また、前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する段階後、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去する段階を含むことが望ましい。
一方、本発明の他の側面による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整し、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させ、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる廃液処理槽と、前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する固液分離器と、を含むことを特徴とする。
ここで、前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に調整され、前記凝集剤としては、陽イオン高分子凝集剤が投入されることが望ましい。
一方、本発明のさらに他の側面による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する前処理槽と、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる反応槽と、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる凝集槽と、前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する固液分離器と、を含むことを特徴とする。
また、前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に前処理されることが望ましい。
また、前記凝集剤は、陽イオン高分子凝集剤が投入されることが望ましい。
また、前記固液分離器において、前記沈殿物が形成された廃液に、鉄系凝集剤が投入され、残留するプルシアンブルーナノ粒子が除去されることが望ましい。
また、放射性廃棄物焼却材と希釈用水とが混合される流入槽と、前記流入槽と前記前処理槽との間に設けられ、前記希釈用水が混合された焼却材を脱水させる脱水槽と、前記脱水槽で脱水された残留物に含まれた重金属を安定化させるために設けられた安定化槽と、を含み、前記脱水槽から、前記脱水された残留物は、前記安定化槽に流入され、前記脱水槽から、脱離液は、前処理槽に流入されることが望ましい。
また、前記固液分離器後端に設けられ、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去する硬度源除去槽を含むことが望ましい。
本発明による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びその装置は、廃液のpHが所定の範囲になるように前処理することにより、プルシアンブルーナノ粒子の粒子性を維持させ、プルシアンブルーナノ粒子の吸着性を向上させる効果を提供する。
また、本発明は、放射性セシウムを吸着したプルシアンブルーナノ粒子を、陽イオン高分子凝集剤を使用して粗大化することにより、迅速にプルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させることができる効果を提供する。
また、本発明は、従来のように、綿にプルシアンブルー粒子を付着させないので、最終的に廃棄処理される二次廃棄物の発生量を画期的に減少させることができる。また、本発明は、従来のように、プルシアンブルー粒子の粒子性を維持するために、玉状に加工する必要がないので、廃液処理工程が簡素化及び迅速化される効果を提供する。
本発明による廃液処理方法の概略的なフローチャートである。 pHによるプルシアンブルーナノ粒子の凝集力を示すグラフである。 陰イオン、非イオン、陽イオンの高分子凝集剤による沈澱性評価表である。 陽イオン高分子凝集剤による沈殿物の剥離性を示すイメージである。 プルシアンブルーナノ粒子と反応する有機凝結剤及び無機凝結剤の沈澱性評価表である。 本発明の一実施例による廃液処理装置の工程図である。 本発明の他の実施例による廃液処理装置の工程図である。
以下、本発明による望ましい実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による廃液処理方法の概略的なフローチャートであり、図2は、pHによるプルシアンブルー(Prussian blue)ナノ粒子の凝集力を示すグラフである。図3は、陰イオン、非イオン、陽イオンの高分子凝集剤による沈澱性評価表であり、図4は、陽イオン高分子凝集剤による沈殿物の剥離性を示すイメージであり、図5は、プルシアンブルーナノ粒子と反応する有機凝結剤及び無機凝結剤の沈澱性評価表である。図6は、本発明の一実施例による廃液処理装置の工程図であり、図7は、本発明の他の実施例による廃液処理装置の工程図である。
図1を参照すれば、本発明の一実施例による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法は、前処理段階(S1)、放射性セシウムを吸着させる段階(S2)、前記プルシアンブルーナノ粒子の凝集及び沈澱の段階(S3)、並びに沈殿物分離段階(S4)を含む。
前記前処理段階(S1)は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する段階である。本実施例によれば、前記廃液は、pHが6〜8の範囲に前処理される。
図2に示されるように、前記廃液のpHは、プルシアンブルーナノ粒子のセシウム吸着効率を決定する重要な因子のうち一つであることを実験的に確認した。前記廃液のpHが、アルカリ領域においては、プルシアンブルーナノ粒子が粒子性を維持することができず、分解されて吸着効率が低下した。従って、廃液のpHは、8以下に制限されることが望ましい。
反対に、pHが低い酸性溶液においては、廃液に存在する多様な金属イオンが溶解及び溶出され、後続的な廃液処理過程において、否定的な影響を及ぼすことを確認した。従って、本実施例において、前記廃液のpHは、pH6〜pH8の範囲に前処理されることが望ましい。
本発明の一実施例によれば、前記放射性セシウムが含まれた廃液は、放射性廃棄物を焼却した焼却材に、希釈用水を混ぜて準備する。前記希釈用水としては、上水、地表水、地下水または再活用水を使用することができる。焼却材に希釈用水が投入されることにより、前記焼却材に含まれた放射性セシウムが希釈用水に溶出され、セシウムが溶出された希釈用水は、放射性セシウムを含んだ廃液になる。
従って、前記焼却材に希釈用水を添加し、迅速に且つ簡便にセシウムを溶出させることができる。前記放射性セシウムが含まれた廃液は、高アルカリ性であり、硫酸または硝酸のような中和剤を利用し、前記廃液のpHを、pH6〜pH8の範囲に処理される。
前記放射性セシウムを吸着させる段階(S2)は、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる段階である。
前記廃液に投入されるプルシアンブルーナノ粒子は、微細な粒子性を維持するので、廃液内で等しく分散され、均一な状態で拡散されながら存在することになる。従って、廃液と接触する断面積が拡大され、放射性セシウムの吸着効率が向上する。
また、本実施例によれば、前記プルシアンブルーナノ粒子と廃液との接触確率を上昇させるために、撹拌器を使用することができる。前記撹拌器の撹拌時間及び撹拌速度は、前記廃液の量、及び投入された前記プルシアンブルーナノ粒子の量によって適切に調節されるのである。
前記プルシアンブルーナノ粒子の凝集及び沈澱の段階(S3)は、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着されたプルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる段階である。
本実施例によれば、前記凝集剤としては、陽イオン高分子凝集剤が使用される。前記陽イオン高分子凝集剤は、数秒から数分の間に、プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて粗大化させることにより、沈澱効率を促進させる。
図3は、陽イオン高分子凝集剤の沈澱性を、陰イオン高分子凝集剤及び非イオン高分子凝集剤と比較した評価表である。上水1,000mLに、プルシアンブルー3mLを溶解させて安定化させた後、凝集剤をそれぞれ投入し、200rpmで撹拌した後、初期5秒及び30分後の沈澱性を評価した。陽イオン高分子凝集剤が、他の凝集剤に比べ、凝集効率に著しくすぐれているということを確認することができる。
図3に示されているように、陽イオン高分子凝集剤は、投入後、数秒内に、多量の沈殿物が発生し、反応速度が速い。陰イオン高分子凝集剤は、投入後、数秒内(本実施例においては、投入後5秒経過後に反応性を評価)に反応性がなく、非イオン高分子凝集剤は、プルシアンブルーと、初期に一定程度反応するが、初期反応速度は、陽イオン高分子凝集剤の半分レベルに留まると確認された。
また、陽イオン高分子凝集剤は、投入後30分後までの沈澱効率が他の凝集剤に比べて優秀であり、速い速度で粗大化されたフロック(floc)を形成し、優秀な沈澱効率を示すということを確認した。図3において、「+」が多いほど効率が高いということを意味し、「−」は、反応性がないことを意味する。
また、前記陽イオン高分子凝集剤は、プルシアンブルーナノ粒子と反応する初期反応速度が、凝集及び沈澱のために使用される有機凝結剤及び無機凝結剤に比べ、顕著に高い。
図5に示されているように、有機凝結剤(例:DE−400、FL4540)、鉄系無機凝結剤(例:Polytetsu、ferric sulfate)及びアルミニウム系無機凝結剤(例:PAC、Alum)は、投入後、数秒内に反応性がないということを確認した。そのように、陽イオン高分子凝集剤は、有機凝結剤及び無機凝結剤に比べ、凝集効率側面で顕著に優秀であるということを確認した。 前記沈殿物分離段階(S4)は、プルシアンブルーナノ粒子が、前記凝集剤によって凝集されて沈澱されれば、その沈殿物を分離する段階である。
前記沈殿物分離段階(S4)は、固液分離器を利用し、廃液から沈殿物を分離する。前記固液分離器を介して分離された濃縮スラッジは、別途に収去されて処分され、濾過液は、前記廃液のpHを調整するための前処理段階に移送され、再利用されるか、あるいは外部に放出される。
本発明による廃液処理方法は、前述のように、陽イオン高分子凝集剤を使用するので、前記濃縮スラッジの粒子性及び剥離性を向上させる。具体的には、前記濃縮スラッジは、フィルタによってフィルタリングされながらケーキ化されるが、前記ケーキ化された濃縮スラッジは、前記フィルタから剥離されて除去されなければならない。
図4を参照すれば、陽イオン高分子凝集剤を投入して生成された沈殿物は、フィルタから容易に剥離されることを確認することができる。陰イオン高分子凝集剤を使用する場合、ケーキ化された濃縮スラッジは、フィルタから除去されるときに割れ、除去が容易ではなく、フィルタから良好に離れない場合が発生する短所がある。
本発明による廃液処理方法において、前記前処理段階(S1)、放射性セシウムを吸着させる段階(S2)、凝集及び沈澱の段階(S3)は、1つのタンクで段階的にも遂行される。ここで、各段階が別途の空間で遂行されることを排除しないということは言うまでもない。
また、本発明による廃液処理方法は、脱水段階(S0)、残留するプルシアンブルーナノ粒子除去段階(S5)及び硬度源(hardness)除去段階(S6)を含んでもよい。
前記脱水段階(S0)は、前記前処理段階(S1)前に、前記放射性セシウムに含まれた廃液を脱水させる段階である。本実施例によれば、前記廃液は、放射性廃棄物の焼却材に希釈用水を混合して準備するが、該焼却材に希釈用水が混合された希釈水を一定時間撹拌させた後、セシウムが焼却材から溶出されれば、前記希釈水を脱水させる。
前記脱水段階(S0)において、脱水されて残った残留物は、安定化槽90に移送され、該脱水液は、pH調整のために前処理される。前記安定化槽90においては、重金属安定化剤(キレート剤:chelating agent)が投入され、重金属溶出を防止するように処理された後で廃棄される。すなわち、前記重金属安定化剤によって処理された焼却材及びスラッジは、埋め込まれるとき、重金属流出が防止される。ただし、前記焼却材及びスラッジが、固形化(例えば、セメント化またはガラス化などの処理)処理される場合、重金属安定化剤の投入が省略されてもよい。すなわち、前記固形化処理時、重金属も、共に固定されるので、重金属安定化剤を投入する必要性がなく、放射性物質の埋め込み処分時、重金属安定化剤の含有量が法律的に制限されるので、そのような場合、重金属安定化剤の含有量を減少させることができる。
前記脱水段階(S0)は、焼却材からの重金属類とアルカリ源などの溶出を最小化させるために、前記前処理段階(S1)遂行前になされることが望ましい。具体的には、焼却材と希釈用水とが混合された希釈水に酸性の中和剤を投入すれば、希釈水のpHが所定の範囲内に調整されるが、前記中和剤が、焼却材から、重金属類及びアルカリ源を溶出させるように作用する。
重金属類及びアルカリ源が溶出されて出れば、後続して進められる段階において、プルシアンブルーナノ粒子にセシウムが吸着されることを妨害し、陽イオン高分子凝集剤がフロックを粗大化させる効率を低下させてしまう。また、重金属類及びアルカリ源が溶出されれば、pHを調整する段階で投入される中和剤の量が増大し、溶出された重金属類安定化のために、多量の重金属安定化剤が要求されるという短所がある。
前記残留するプルシアンブルーナノ粒子除去段階(S5)は、前記凝集及び沈澱段階(S3)において、沈殿物が形成された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子が残留する場合、前記残留するプルシアンブルーナノ粒子を除去するために設けられる。前記残留するプルシアンブルーナノ粒子を除去するために、鉄系の凝集剤、または陽イオン高分子凝集剤を追加投入する。
図5は、有機凝集剤及び無機凝集剤によるプルシアンブルーナノ粒子の沈澱性を評価した表である。上水1,000mLに、プルシアンブルー3mLを溶解させて安定化させた後、各凝集剤を投入し、200rpmで撹拌した後、初期5秒及び30分後の沈澱性を評価した。図5に示されているように、有機凝集剤及びアルミニウム無機凝集剤に比べ、鉄系無機凝集剤の沈澱効率がはるかに高いことが分かる。
本発明によれば、前記残留するプルシアンブルーナノ粒子除去段階(S5)は、陽イオン高分子凝集剤を利用して沈殿物を形成した後、微量に残っているプルシアンブルーナノ粒子を除去する段階として、前記鉄系の凝集剤を利用し、残留するプルシアンブルーナノ粒子を効果的に除去することができる。該鉄系凝集剤は、無機凝集剤であるので、廃棄時、有機物含量が廃棄条件に含まれた場合、廃棄物処理が容易であるという長所がある。また、陽イオン高分子凝集剤を追加投入し、残留プルシアンブルーを除去することができる。
前記硬度源除去段階(S6)は、前記沈殿物分離段階後、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去する段階である。硬度源は、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどを意味するものであり、前記硬度源は、配管系統に持続的に累積し、システムに悪影響を及ぼすので、前記硬度源を、アルカリ剤を利用して除去する。本実施例によれば、前記アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)が使用されるが、ここで、それに限定されるものではないということは言うまでもない。
前記凝集剤を投入し、粗大化された沈殿物が分離された後、その脱離液にアルカリ剤を投入し、前記硬度源を沈澱させて除去し、前記硬度源が除去された処理水は、さらに焼却材を希釈させるために、システムの前端部に移動して再使用される。ここで、前記脱離液は、その一部だけが焼却材を希釈させるために再使用されもするということは言うまでもない。
一方、本発明の他の側面による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置を提供する。前記廃液処理装置は、廃液処理槽100と固液分離器200とを含む。
前記廃液処理槽100は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整し、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させ、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる。
本実施例によれば、前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に調整される。前記廃液を準備する過程、及び前記廃液のpHを調節する過程は、前述の前処理段階(S1)での過程と実質的に同一である。また、前記廃液は、放射性廃棄物の焼却材に希釈用水を混合して設けられるが、前記廃液において、脱水過程を経た脱離液に対し、pHを調整することが望ましい。
前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させることは、前記放射性セシウムを吸着させる段階(S2)と実質的に同一過程によって遂行される。
また、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着されたプルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させることは、前記凝集及び沈澱段階(S3)と実質的に同一過程によって遂行される。前記凝集剤としては、陽イオン高分子凝集剤が投入されるが、前記陽イオン高分子凝集剤の作用ないし効果は、前述したので、その具体的な説明は、省略する。
本実施例によれば、前記廃液処理槽100は、放射性セシウムが含まれた廃液が流入され、前述の一連の過程を経て、前記廃液を処理する。すなわち、pH調整、セシウム吸着、凝集及び沈澱が1つの処理槽で順次に進められる。前記過程の作用及び効果は、前記廃液処理方法で説明したので、その具体的な説明は、省略する。
前記固液分離器200は、前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離させる。濃縮されたスラッジ形態の前記沈殿物は、フィルタにフィルタリングされて分離され、このとき、前述のように、陽イオン高分子凝集剤を投入した結果、前記沈殿物の剥離性が顕著に向上する。
前記沈殿物は、分離された後、重金属安定化のために、重金属安定化剤によって処理された後に処分され、前記固液分離器200を介して濾過された濾過液は、前記廃液を準備するために再利用されるか、あるいは外部に放出される。このとき、前記濾過液は、アルカリ剤によって硬度源を沈澱させた後、前記硬度源沈殿物を除去した後、廃液の準備のための段階にも移動される。
一方、本発明のさらに他の側面による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置は、前処理槽30、反応槽40、凝集槽50及び固液分離器60を含む。
前記前処理槽30は、放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する。本実施例において、前記廃液のpHは、pH6〜8の範囲に前処理される。前記廃液のpHが前記範囲に調整される理由は、前述の通りである。
前記反応槽40は、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる。前記プルシアンブルーナノ粒子は、前記廃液内で分散され、粒子表面に等しく前記放射性セシウムを吸着させ、フロックを形成する。
前記凝集槽50は、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる。すなわち、前記凝集槽50は、前記プルシアンブルーナノ粒子を粗大化させる。本実施例によれば、前記凝集剤としては、陽イオン高分子凝集剤が投入される。前記陽イオン高分子凝集剤の作用ないし効果は、前述の通りである。
本実施例において、前記前処理槽30、反応槽40及び前記凝集槽50は、前述の廃液処理槽100の作用ないし機能を提供するものであり、前記廃液処理槽100を別途の空間に分離したという点において異なるという一面がある。
前記固液分離器60は、前記凝集されて沈澱された沈殿物を廃液から分離する。濃縮されたスラッジ形態の前記沈殿物は、フィルタにフィルタリングされて分離される。このとき、本実施例によれば、前記沈殿物を形成するために、陽イオン高分子凝集剤を投入するので、前記沈殿物の剥離性が顕著に向上する。
本実施例によれば、前記凝集槽50において、凝集及び沈澱工程を経た後、前記沈殿物が形成された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子が残留する場合、前記固液分離器60においては、前記残留するプルシアンブルーナノ粒子との沈澱反応を誘導するように、鉄系凝集剤または陽イオン高分子凝集剤を追加投入する。
そのような過程により、前記陽イオン高分子凝集剤によって粗大化された沈殿物、及び前記鉄系凝集剤と、残留するプルシアンブルーナノ粒子とが反応して生成された沈殿物は、前記固液分離器60において、廃液から分離される。前記廃液から分離された沈殿物は、安定化槽90に流入され、重金属の安定化処理後、最終処理される。
また、本実施例によれば、流入槽10、脱水槽20、安定化槽90、硬度源除去槽70、沈殿槽80を含む。
前記流入槽10は、前記放射性廃棄物の焼却材と希釈用水とを混合させるために設けられる。前記焼却材に希釈用水が混合された希釈水は、前記焼却材に含まれたセシウムが希釈用水に溶出されるように、撹拌器を利用して撹拌されながら、適正な時間の間、前記流入槽10に滞留される。
前記脱水槽20は、前記流入槽10と前記前処理槽30との間に設けられる。前記脱水槽20は、前記希釈用水が混合された焼却材を脱水させるために設けられる。前記流入槽10で投入された希釈用水に、焼却材に含まれたセシウムが溶出されるために、焼却材を脱水させた脱離液が、前処理槽30に流入される。
前記安定化槽90は、前記脱水槽20で脱水された残留物に含まれた重金属を安定化させるために設けられる。すなわち、前記脱水槽20で脱水された残留物は、前記安定化槽90に流入され、前記安定化槽90においては、重金属の安定化のために重金属安定化剤が投入される。前記残留物は、前記安定化槽90によって安定化処理された後、最終処理される。
前記硬度源除去槽70は、前記固液分離器60の後端に設けられ、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去するために設けられる。前記硬度源除去槽70に水酸化ナトリウム(NaOH)のような硬度源除去剤が投入され、前記硬度源除去剤は、前記硬度源と反応して沈殿物を形成する。
前記硬度源除去槽70の後端には、沈殿槽80を別途に具備することができる。前記硬度源が除去された処理水は、外部に放出されるか、あるいは前記流入槽10に移動し、廃液を準備する過程にも再利用される。
そのように、本発明による、放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法及びその装置は、プルシアンブルーナノ粒子とセシウムとの吸着効率を向上させるために、廃液の酸度をpH6〜pH8に前処理し、陽イオン高分子凝集剤を使用し、プルシアンブルーナノ粒子の迅速な粗大化を誘導するので、廃液から、放射性セシウムを迅速に且つ効率的に除去する効果を提供する。
以上、本発明について、望ましい実施例に係わって詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の範疇を外れない範囲内において、さまざまな多くの変形が提供される。
10 流入槽
20 脱水槽
30 前処理槽
40 反応槽
50 凝集槽
60,200 固液分離器
70 硬度源除去槽
80 沈殿槽
90 安定化槽
100 廃液処理槽

Claims (15)

  1. 放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する前処理段階と、
    前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる段階と、
    凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる段階と、
    前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する段階と、を含むことを特徴とする放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  2. 前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に前処理されることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  3. 前記凝集剤は、陽イオン高分子凝集剤であることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  4. 前記沈殿物が形成された廃液に、鉄系凝集剤または陽イオン高分子凝集剤を追加投入し、残留するプルシアンブルーナノ粒子を除去することを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  5. 前記放射性セシウムが含まれた廃液は、放射性廃棄物焼却材と希釈用水とを混合して準備することを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  6. 前記前処理段階前に、前記放射性セシウムが含まれた廃液は、脱水段階を経て、脱離液は、前処理段階に移送され、脱水された残留物は、安定化槽に移送され、重金属安定化剤によって安定化されることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  7. 前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する段階後、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理方法。
  8. 放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整し、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させ、凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる廃液処理槽と、
    前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する固液分離器と、を含むことを特徴とする放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  9. 前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に調整され、前記凝集剤としては、陽イオン高分子凝集剤が投入されることを特徴とする請求項8に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  10. 放射性セシウムが含まれた廃液のpHを、所定範囲に調整する前処理槽と、前記pH調整された廃液に、プルシアンブルーナノ粒子を投入し、前記廃液に含まれた放射性セシウムを吸着させる反応槽と、
    凝集剤を投入し、前記放射性セシウムが吸着された前記プルシアンブルーナノ粒子を凝集させて沈澱させる凝集槽と、
    前記凝集されて沈澱された沈殿物を分離する固液分離器と、を含むことを特徴とする放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  11. 前記廃液は、pH6〜pH8の範囲に前処理されることを特徴とする請求項10に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  12. 前記凝集剤は、陽イオン高分子凝集剤が投入されることを特徴とする請求項10に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  13. 前記固液分離器において、前記沈殿物が形成された廃液に、鉄系凝集剤が投入され、残留するプルシアンブルーナノ粒子が除去されることを特徴とする請求項10に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  14. 放射性廃棄物焼却材と希釈用水とが混合される流入槽と、
    前記流入槽と前記前処理槽との間に設けられ、前記希釈用水が混合された焼却材を脱水させる脱水槽と、
    前記脱水槽で脱水された残留物に含まれた重金属を安定化させるために設けられた安定化槽と、を含み、
    前記脱水槽から、前記脱水された残留物は、前記安定化槽に流入され、前記脱水槽から、脱離液は、前処理槽に流入されることを特徴とする請求項10に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
  15. 前記固液分離器後端に設けられ、アルカリ剤を投入し、硬度源を除去する硬度源除去槽を含むことを特徴とする請求項10に記載の放射性セシウムで汚染された廃液からセシウムを除去する廃液処理装置。
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