JP2017062190A - 放射性セシウム汚染水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

放射性セシウム汚染水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な処理装置や吸着剤が不要で低コストで行える放射性セシウム汚染水の処理方法及び処理装置を提供する。【解決手段】放射性セシウムで汚染された廃棄物Wを加熱する加熱炉2と、加熱炉の排ガスG1を冷却する冷却装置3と、冷却装置の排ガスG2に含まれるダストDを集塵する集塵機5と、放射性セシウムを含む汚染水PWを加熱炉の排ガスに投入する投入装置とを備える放射性セシウム汚染水の処理装置1。放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱したガスに放射性セシウムを含む汚染水を投入して排ガスの顕熱で汚染水の水分を蒸発させ、その後冷却して放射性セシウムを固体化して回収することで、複雑な処理装置や吸着剤が不要となり、低コストで放射性セシウムを除去することができる。放射性セシウムを含む汚染水を冷却装置の冷却水として使用してもよく、加熱炉をロータリーキルンとすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムを含む汚染水を吸着剤等を用いずに低コストで処理する方法等に関する。
大量の放射性セシウム等を含有する汚染水を効率よく処理するため、特許文献1には、放射性セシウムを含む放射性核種を吸着するフェロシアン化鉄及びゼオライト系吸着剤を放射性汚染水に添加して混合撹拌し、無機系凝集剤を添加し、有機系凝集剤の水溶液を添加して混合し、フェロシアン化鉄及びゼオライト系吸着剤を含む固形物を造粒し、得られた混合液をシックナー装置で沈降分離によって固液分離する技術が記載されている。
また、特許文献2には、放射性セシウム等を含有する汚染水に酸化チタンを含有するモルデナイト型ゼオライトを添加し、pH8.5〜9.5の条件下で撹拌してゼオライトに放射性物質を吸着させた後、高分子凝集剤で凝集沈殿処理する技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、ゼオライト及びフェロシアン化物と磁性体粒子とを結着させた磁性吸着剤を用い、放射性セシウムを含有する汚染水から放射性セシウムを吸着除去する技術が記載されている。
特開2013−57599号公報 特開2013−246139号公報 特開2014−74695号公報
上記放射性セシウムの除去技術では、吸着剤を用いるため、汚染水と吸着剤とを撹拌する工程や、汚染水から吸着剤を分離する工程を要し、装置が複雑になるという問題があった。また、吸着剤の添加により運転コストが高くなるという問題もあった。
そこで、本発明は、上記解決課題に鑑みてなされたものであって、既存の熱や設備を有効活用して、複雑な処理装置や吸着剤が不要で、低コストで放射性セシウムを含む汚染水を処理することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、放射性セシウム汚染水の処理方法であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱し、加熱後のガスを冷却し、冷却後のガスから除塵して放射性セシウムを含むダストを回収する放射性セシウムの回収工程において、放射性セシウムを含む汚染水を前記加熱後のガスに投入することを特徴とする。
本発明によれば、放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱したガスに放射性セシウムを含む汚染水を投入して排ガスの顕熱で汚染水の水分を蒸発させ、その後冷却して放射性セシウムを固体化して回収することができるため、既存の廃熱を有効活用でき、かつ既存の回収設備を利用できるので新たに複雑な処理装置を設置する必要がなく、また、吸着剤が不要となり、低コストで放射性セシウム汚染水を処理し、減容化することができる。
上記放射性セシウム汚染水の処理方法において、前記放射性セシウムを含む汚染水を、前記放射性セシウムで汚染された廃棄物を水洗処理した際に発生した排水とすることができ、放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱処理前に水洗処理することで、これに含まれる水溶性の放射性セシウムを予め除去することができるため、放射性セシウムの反応促進剤となる塩素源等を低減したり、加熱装置の安定運転を維持することができる。
また、前記放射性セシウムを含む汚染水を、前記冷却後のガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分離し、分離した粗粉を水洗処理した際に発生した排水とすることで、この排水の処理を別途行うことが不要となる。
さらに、本発明は、放射性セシウム汚染水の処理装置であって、放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱する加熱炉と、該加熱炉の排ガスに含まれるダストを集塵する集塵機と、放射性セシウムを含む汚染水を前記加熱炉の排ガスに投入する投入装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱する加熱炉の排ガスに放射性セシウムを含む汚染水を投入して排ガスの顕熱で汚染水の水分を蒸発させた後、放射性セシウムを固体化して集塵機で回収することができるため、既存の廃熱を有効活用でき、かつ既存の回収設備を利用できるので新たに複雑な処理装置を設置する必要がなく、また、吸着剤が不要となり、低コストで放射性セシウム汚染水を処理し、減容化することができる。
上記放射性セシウム汚染水の処理装置は、さらに前記加熱炉の排ガスを冷却する冷却装置を備え、前記投入装置は、前記放射性セシウムを含む汚染水を該冷却装置の冷却水として該冷却装置に投入することができ、冷却装置での冷却水の使用量を削減することができる。
また、上記放射性セシウム汚染水の処理装置は、前記加熱炉の排ガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分離する分級機と、該分級機によって分離された粗粉を前記加熱炉へ供給する供給装置とを備え、前記分級機によって分離された微粉を前記集塵機によって回収し、前記放射性セシウムを含む汚染水を、前記分級機の排ガスに投入することができる。これにより、粗粉と共に循環する放射性セシウムの量を低減することができ、放射性セシウムの除去率や放射性セシウムを含む汚染水の処理効率を増加させることができる。
さらに、上記放射性セシウム汚染水の処理装置は、前記粗粉を水洗処理する水洗装置を備え、前記放射性セシウムを含む汚染水を該水洗装置により発生した排水とすることができ、この排水の処理を別途行うことが不要となる。
前記加熱炉としてロータリーキルンを用いることができる。一般的に、ロータリーキルンは排ガス温度が高く、また排ガス量も多く、さらには設備規模も大きいことから多くの冷却水を必要とするため、汚染水を多量に処理することができる。
以上のように、本発明によれば、複雑な処理装置や吸着剤が不要で、低コストで放射性セシウム汚染水を処理することが可能となる。
本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第1の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第2の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第3の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第4の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第5の実施形態を示す概略図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、放射性セシウムとは、セシウムの放射性同位体であるセシウム134及びセシウム137である。また、放射性セシウムを含む汚染水(以下「汚染水」と略称する。)とは、放射性セシウムを含む放射性物質で汚染された海水、地下水、放射性セシウムを含む放射性物質で汚染された土壌等を水洗した際に発生した汚染水をいう。
図1は、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置の第1の実施形態を示し、この処理装置1は、放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wを加熱することで廃棄物Wを減容したり、廃棄物Wから放射性セシウムを揮発させる加熱炉2と、加熱炉2の排ガスG1の熱を利用するボイラ3と、ボイラ3の排ガスG2を冷却する冷却装置4と、冷却装置4の排ガスG3から除塵する集塵機5と、集塵機5の排ガスG4を煙突7へ導く誘引ファン6等で構成される。尚、集塵機5の排ガスG4を処理する排ガス処理設備については図示及び説明を省略する。
加熱炉2は、ストーカ式・流動床式等の焼却炉、電気式・燃焼式等の溶融炉、シャフト式・流動床式等のガス化溶融炉、ロータリーキルン式等の焼成炉等である。ボイラ3、冷却装置4及び集塵機5には、上記加熱炉2に付設される一般的な装置を用いることができる。
次に、上記構成を有する処理装置1を用いた、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理方法について図1を参照しながら説明する。
放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wを加熱炉2に投入し、800℃〜1550℃で加熱してスラグ等の加熱生成物Hを得る。この加熱生成物Hは、例えば、管理型の最終処分場で埋立したり、放射性セシウムが除去されていれば土工資材として有効利用することができる。
廃棄物Wに含まれる放射性セシウムは、加熱炉2において少なくとも一部の放射性セシウムは気体となって揮発する。加熱炉2の排ガスG1はボイラ3に供給されて熱回収された後、排ガスG2として冷却装置4へ導入される。
汚染水PWを冷却装置4に投入して排ガスG2を急冷する。これにより、排ガスG2に含まれていたセシウムが固体状のセシウムとなる。一方、排ガスG2の顕熱で汚染水PWの水分が蒸発して汚染水PW中の放射性セシウムが固化する。
排ガスG2及び汚染水PWから生じたセシウム塩を含有する冷却装置4からの排ガスG3を集塵機5に導入し、固体状の濃縮セシウム塩を含むダストDを回収する。回収したダストDは、必要に応じて圧縮、水洗、吸着等により、さらに減容化処置をした後、コンクリート製の容器等に密閉して保管することができ、放射性セシウムを含む廃棄物を外部に漏洩させることなく減容化し、保管することができる。
集塵機5の排ガスG4から酸性ガス等の有害物質を除去する処理を施した後、誘引ファン6によって煙突7へ導き、大気に放出する。放射性セシウムを減容化するために、濃縮セシウム塩を含むダストを回収してから、石灰等により酸性ガス等の有害物質を処理することが好ましい。また、汚染水PWを蒸発させる熱量が不足する場合は、補助的に燃焼炉を設けてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、汚染水PWを冷却装置4に投入するだけで済むため、従来のような複雑な処理装置や吸着剤が不要となり、汚染水PWを低コストで処理することができる。
次に、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理装置のより具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、放射性セシウム汚染水の処理装置の第2の実施形態を示し、この処理装置11は、原料調合装置20と、焼成装置30と、排ガス処理装置40とで構成される。
原料調合装置20は、放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wの反応促進剤としての酸化カルシウム源(以下「CaO源」という。)を貯留する貯槽21と、同じく反応促進剤としての塩素源(以下「Cl源」という。)を貯留する貯槽22と、廃棄物Wを貯留する貯槽23と、貯槽21〜23に貯留されるCaO源、Cl源及び廃棄物Wを引き出して調合する定量供給機(不図示)と、調合原料Mを貯留する貯槽27とを備える。
上記CaO源として、炭酸カルシウム、生石灰、消石灰、石灰石、ドロマイト、高炉スラグ等を含む物を用いることができる。また、Cl源としては、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩素を有する廃プラスチック等があるが、このうちCaCl2は、効果的に放射性セシウムを除去できるので好ましい。
焼成装置30は、ロータリーキルン(加熱炉)31と、クーラ32とで構成され、ロータリーキルン31は、原料調合装置20からの調合原料Mが供給される投入口31aや、微粉炭等の化石燃料を噴出して調合原料M等を焼成するためのバーナ31bを備える。
排ガス処理装置40は、焼成装置30の後段に配置され、ロータリーキルン31から排出された排ガスG6を冷却する冷却装置41と、冷却装置41の後段に配置された分級機としてのサイクロン42と、第1集塵機46と、第2集塵機47と、両集塵機46、47によって濃縮セシウム塩等のダストが除去された排ガスG10を脱硝する脱硝装置48と、脱硝装置48の排ガスG11を大気に放出する煙突49とで構成される。
冷却装置41は、ロータリーキルン31の排ガスG6を冷却し、廃棄物Wから揮発した放射性セシウム等を固体状として回収するために備えられる。排ガスG6の冷却は、冷却装置41の下端部に設置された散水装置41aから水を噴霧することにより行う。尚、この散水装置41aは、揮発した塩化セシウムを固体状として排ガスG6に含まれるダストに付着させて回収し得る程度の機能を備えていればよい。水による冷却ではなく、冷却装置内に冷却空気を導入することによって冷却してもよく、水と冷却空気を併用してもよい。
分級機としてのサイクロン42は、高濃度の放射性セシウムを含む微粉を第1集塵機46で捕集させ、カルシウムやシリカ成分を主体とする粗粉Cを冷却装置41の排ガスG7から回収するために設けられる。回収した粗粉Cは、ロータリーキルン31へ返送される。
第1集塵機46は、サイクロン42の排ガスG8から、濃縮されたセシウム塩等を含むダストD1を集塵するために備えられ、バグフィルタ等が用いられる。
第2集塵機47は、セシウム塩等を除去した後の排ガスG9に含まれる酸性ガス等を除去するために設けられ、カルシウム成分を含んでいる中和剤Nを中和剤添加装置(不図示)から添加し、酸性ガス等を吸着したダストD2を回収する。この第2集塵機47にもバグフィルタ等が用いられる。
脱硝装置48は、第2集塵機47の排ガスG10にアンモニアガス(NH3)を注入してNOxを窒素に還元して無害化するために設けられる。
次に、上記構成を有する処理装置11を用いた、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理方法について、図2を参照しながら説明する。
原料調合装置20において、反応促進剤としてのCaO源及びCl源と、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wを貯槽21〜23から引き出して調合して調合原料Mを得る。ここで、Cl源を廃棄物Wに含まれる放射性セシウムに対して当量以上となるように調合する。
貯槽27から調合原料Mを投入口31aを介してロータリーキルン31に投入し、1200℃〜1550℃で焼成して焼成物Bを得る。この焼成物Bは、例えばセメント混合材や土工資材として有効利用することができる。ここで、ロータリーキルン31内の酸素分圧を3%以上、好ましくは5%以上とする。これにより、ロータリーキルン31内での硫黄化合物の分解が抑制され、硫黄分の循環が抑制されるので、中和剤使用量の増加及びロータリーキルン31や冷却装置41へのコーチング付着量の増加を抑制することができる。
また、焼成物Bの酸化カルシウム濃度が50質量%以上となるように、上記調合及び加熱を行うことが好ましい。これにより、硫黄分が焼成物B中に保持されたり、後述する第1集塵機46において硫黄化合物として、排ガスG8のダストD1として集塵されるため、硫黄分の循環をより一層抑制することができる。
一方、調合原料Mの廃棄物Wに含まれていた放射性セシウムは、ロータリーキルン31内でCl源から生じた塩素と反応して塩化セシウムとなって揮発し、排ガスG6に含まれた状態で冷却装置41へ導入される。
排ガスG6は、冷却装置41において、散水装置41aから噴霧された水によって急激に冷却され、排ガスG6に含まれていた塩化セシウムが固体状のセシウム塩となってダストの微粉に付着する。
冷却装置41の排ガスG7に含まれるダストの粗粉Cは、放射性セシウム濃度が低いため、サイクロン42で分級してロータリーキルン31に戻す。
そして、サイクロン42の排ガスG8に汚染水PWを投入する。この排ガスG8の顕熱で汚染水PWの水分を蒸発させて放射性セシウムをセシウム塩として固化することができる。また、冷却装置41の散水装置41aから汚染水PWを投入してもよい。これによって、ロータリーキルン31の排ガスG6を冷却すると共に、汚染水PWの水分を蒸発させて放射性セシウム塩として固化することができる。
セシウム塩を含有するサイクロン42からの排ガスG8は、第1集塵機46に導入され、固体状の濃縮セシウム塩を含むダストD1が回収される。回収したダストD1は、必要に応じて圧縮、水洗、吸着等により、さらに減容化処置をした後、コンクリート製の容器等に密閉して保管することができ、放射性セシウムを含む廃棄物を外部に漏洩させることなく減容化し、保管することができる。
一方、濃縮セシウム塩を回収した後の排ガスG9は、酸性ガス等の有害ガスが含まれているため、排ガスG9に中和剤Nを中和剤添加装置から添加した後、第2集塵機47によって、排ガスG9から酸性ガス等を吸着したダストD2を回収する。ここで、中和剤Nとして、消石灰、生石灰、ドロマイト、軽焼ドロマイト及び水酸化ドロマイトからなる群から選択される一以上を含むものを用いることができる。
第2集塵機47で集塵したダストD2は、消石灰、石膏、塩化カルシウムが主成分であるので、CaO源やCl源、Ca源として原料調合装置20に戻して廃棄物Wに添加して再利用する。
第2集塵機47の排ガスG10にNOxが含まれている場合は、脱硝装置48で除去する。清浄化した排ガスG11は、煙突49を介して大気に放出する。
図3は、放射性セシウム汚染水の処理装置の第3の実施形態を示し、この処理装置51は、上記処理装置11と同様の構成を有する焼成装置30及び排ガス処理装置40を備え、原料調合装置20の構成が異なる。
原料調合装置20は、上記放射性セシウム汚染水の処理装置11と同様の構成を有する貯槽21〜23、27と、貯槽23に貯留された、放射性セシウムで汚染された土壌や焼却灰等の廃棄物Wを水洗する水洗装置24と、水洗装置24からのスラリーSを固液分離する固液分離機25と、固液分離機25からの脱水ケーキDCを乾燥及び粉砕する乾燥・粉砕機26とを備える。
次に、上記構成を有する処理装置51を用いた、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理方法について、図3を参照しながら説明する。尚、図2に示した放射性セシウム汚染水の処理装置11の動作と共通するものについては説明を省略する。
貯槽23に貯留される廃棄物Wを水洗装置24によって水洗した後、スラリーSとして固液分離機25に供給して固液分離する。得られた脱水ケーキDCを乾燥・粉砕機26に供給して乾燥及び粉砕し、粉砕物CMを貯槽27に供給する。
一方、固液分離機25から排出されるろ液Fは、廃棄物W由来の水溶性の放射性セシウムを含む汚染水であって、冷却装置41の散水装置41aへ供給し、ロータリーキルン31の排ガスG6を冷却すると共に、ろ液Fの水分を蒸発させて放射性セシウム塩として固化することができる。また、サイクロン42の排ガスG8にろ液Fを投入してもよい。この排ガスG8の顕熱でろ液Fの水分を蒸発させて放射性セシウム塩として固化することができる。
これにより、上記図2に示した放射性セシウム汚染水の処理装置11による効果に加え、焼成装置30で処理する廃棄物Wの放射性セシウム濃度を低減することができ、焼成物Bの放射性セシウム濃度を低減することができると共に、反応促進剤であるCl源の使用量を削減でき、ロータリーキルン31の安定運転にも繋がる。また、散水装置41aで使用する冷却水の使用量の削減にも繋がる。
図4は、放射性セシウム汚染水の処理装置の第4の実施形態を示し、この処理装置61は、上記放射性セシウム汚染水の処理装置11と同様の構成を有する調合原料装置20及び焼成装置30を備え、排ガス処理設備40の構成が異なる。
排ガス処理設備40は、サイクロン42で回収された粗粉Cを水洗する水洗装置43と、水洗装置43からのスラリーS1を固液分離する固液分離機44とを備える。
次に、上記構成を有する処理装置61を用いた、本発明に係る放射性セシウム汚染水の処理方法について、図4を参照しながら説明する。尚、図2に示した放射性セシウム汚染水の処理装置11の動作と共通するものについては説明を省略する。
サイクロン42で回収された粗粉Cを水洗装置43によって水洗した後、スラリーS1として固液分離機44に供給して固液分離する。得られた脱水ケーキDC1をロ−タリーキルン31に戻す。一方、固液分離機44から排出されるろ液F1は、粗粉C由来の水溶性の放射性塩化セシウムを含む汚染水であって、サイクロン42の排ガスG8に投入する。
粗粉Cを水洗することで、粗粉Cに含まれる水溶性の放射性塩化セシウムを除去するだけでなく、粗粉Cを溶融し易くするNaClやKCl等のアルカリ塩素化合物をろ液F1側に除去することができ、脱水ケーキDC1を加熱する際に溶融を防止して放射性セシウムの揮発を促進させることができる。また、脱水ケーキDC1は粗粉Cと比較して比表面積が小さいため、さらに溶融し難い。
また、粗粉Cを水洗して固液分離した後のろ液F1をサイクロン42の排ガスG8に投入することで、ろ液F1に含まれていた放射性の水溶性塩化セシウムは、固体状のセシウム塩となってダストの微粉に付着して第1集塵機46で回収されるため、ロ−タリーキルン31に戻ることがない。冷却装置41にろ液F1を供給してもよい。ろ液F1に含まれるCsClがサイクロン42の粗粉C側に付着して循環してしまう虞があるが、その多くは微粉に付着して第1集塵機46で回収されるため、その影響はほとんどない。これにより、ろ液Fを冷却水としても有効利用できる。
図5は放射性セシウム汚染水の処理装置の第5の実施形態を示し、この処理装置71は、上記処理装置51と同様の構成を有し、水洗装置24に、廃棄物Wだけでなく、サイクロン42で回収された粗粉Cも供給する点のみが処理装置51と異なる。
処理装置71では、水洗装置24からのスラリーS2を固液分離機25で固液分離し、脱水ケーキDC2を乾燥・粉砕機26に供給して粉砕物CM1を得る。一方、固液分離機25から排出されるろ液F2を冷却装置41の散水装置41aに供給する。
この粉砕物CM1は、廃棄物Wに含まれる放射性の水溶性塩化セシウムと、粗粉Cに含まれるアルカリ、塩素及び放射性の水溶性塩化セシウムとをろ液F2側に除去したものであるため、焼成物Bの放射性セシウム濃度をさらに低減することができる。
上記の実施形態において、汚染水やろ液は多少の固形分を含んでいてもよい。例えば、汚染土壌を水を用いて分級処理し、放射性セシウムが比較的高濃度の粘土を含むスラリーを噴霧しても、後段の集塵機で回収できる。さらに、廃棄物や粗粉を水洗した場合の固液分離も厳密に行う必要はなく、例えば、遠心分離や沈降分離のように、ろ液に粉体が多少混入していてもよい。逆に固体側にろ液が多少混入してスラリー状となっていてもよい。分離精度を高めたい場合には、固液分離にフィルタープレスを用いるとよい。
尚、放射性セシウムで汚染された廃棄物Wとして、放射性セシウムで汚染された土壌、焼却灰を例示したが、これらの他に、伐採木、ごみ由来の溶融スラグ、下水汚泥、下水汚泥乾粉、浄水汚泥、建設汚泥、下水スラグ、貝殻、草木、がれき等の廃棄物であって放射性セシウムを含むものすべてを対象とすることができ、これらの群に含まれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせることができる。さらに、放射性セシウムをほとんど含まない部分(土壌の場合には、砂や石)を予め取り除いて得られる、放射性セシウムが濃縮された中間処理物も、本発明における放射性セシウムで汚染された廃棄物Wに含まれる。
1 放射性セシウム汚染水の処理装置
2 加熱炉
3 ボイラ
4 冷却装置
5 集塵機
6 誘引ファン
7 煙突
11 放射性セシウム汚染水の処理装置
20 原料調合装置
21〜23、27 貯槽
24 水洗装置
25 固液分離機
26 乾燥・粉砕機
30 焼成装置
31 ロータリーキルン
31a 投入口
31b バーナ
32 クーラ
40 排ガス処理装置
41 冷却装置
41a 散水装置
42 サイクロン
43 水洗装置
44 固液分離機
46 第1集塵機
47 第2集塵機
48 脱硝装置
49 煙突
51 放射性セシウム汚染水の処理装置
61 放射性セシウム汚染水の処理装置
71 放射性セシウム汚染水の処理装置
B 焼成物
C 粗粉
CM、CM1 粉砕物
D、D1、D2 ダスト
DC、DC1、DC2 脱水ケーキ
F、F1、F2 ろ液
G1〜G11 排ガス
H 加熱生成物
M 調合原料
N 中和剤
S、S1、S2 スラリー
PW (放射性セシウムを含む)汚染水
W (放射性セシウムで汚染された)廃棄物

Claims (8)

  1. 放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱し、
    加熱後のガスを冷却し、
    冷却後のガスから除塵して放射性セシウムを含むダストを回収する放射性セシウムの回収工程において、
    放射性セシウムを含む汚染水を前記加熱後のガスに投入することを特徴とする放射性セシウム汚染水の処理方法。
  2. 前記放射性セシウムを含む汚染水は、前記放射性セシウムで汚染された廃棄物を水洗処理した際に発生した排水であることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウム汚染水の処理方法。
  3. 前記放射性セシウムを含む汚染水は、前記冷却後のガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分離し、分離した粗粉を水洗処理した際に発生した排水であることを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウム汚染水の処理方法。
  4. 放射性セシウムで汚染された廃棄物を加熱する加熱炉と、
    該加熱炉の排ガスに含まれるダストを集塵する集塵機と、
    放射性セシウムを含む汚染水を前記加熱炉の排ガスに投入する投入装置とを備えることを特徴とする放射性セシウム汚染水の処理装置。
  5. さらに前記加熱炉の排ガスを冷却する冷却装置を備え、前記投入装置は、前記放射性セシウムを含む汚染水を該冷却装置の冷却水として該冷却装置に投入することを特徴とする請求項4に記載の放射性セシウム汚染水の処理装置。
  6. 前記加熱炉の排ガスに含まれるダストを粗粉と微粉とに分離する分級機と、
    該分級機によって分離された粗粉を前記加熱炉へ供給する供給装置とを備え、
    前記分級機によって分離された微粉を前記集塵機によって回収し、
    前記放射性セシウムを含む汚染水を、前記分級機の排ガスに投入することを特徴とする請求項4又は5に記載の放射性セシウム汚染水の処理装置。
  7. 前記粗粉を水洗処理する水洗装置を備え、前記放射性セシウムを含む汚染水は、該水洗装置により発生した排水であることを特徴とする請求項6に記載の放射性セシウム汚染水の処理装置。
  8. 前記加熱炉は、ロータリーキルンであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の放射性セシウム汚染水の処理装置。
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