JP3940157B1 - 焼却残渣処理方法及び焼却残渣処理物 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要成分を増加させずに必要なカルシウム成分を回収することができ、回収物の乾燥工程を不要にできるためコスト的にも有利な焼却残渣処理方法、及びこの処理方法によって得られる焼却残渣処理物を提供する。
【解決手段】焼却残渣を水洗および固液分離して水分付着ケーキを得る第1工程と、その水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加して水酸化カルシウムを生成させる第2工程とを含む焼却残渣処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼却炉、溶融炉などの排ガス処理にともなって発生する飛灰、又は焼却処理等で生じる主灰(焼却灰)などの焼却残渣を処理するための焼却残渣処理方法、及びこの焼却残渣処理方法によって得られる焼却残渣処理物に関する。
焼却炉、溶融炉などの燃焼設備では、排ガス処理にともなって飛灰が発生するが、飛灰が大気中に放出されるのを防止するために、電気集塵機やバグフィルタ等を備えた集塵装置を用いて飛灰を回収している。特に産業廃棄物、一般廃棄物などを焼却処理することにより発生する飛灰には、多種雑多な成分が含まれており、その成分、含有量もまちまちである。しかし、このように成分等が一定しない廃棄物であっても、2次汚染等の防止のため、環境に影響を及ぼさないように飛灰を処理しなければならない。
この飛灰中には、場合によっては、銅、鉄、亜鉛、鉛等の有価金属の酸化物、化合物等が含まれており、それらの金属成分を抽出できれば資源として利用できることになる。更に、焼却で発生する塩化水素ガスや硫黄酸化物(SOx)などの酸性ガスを中和・除去するために、消石灰(主成分はCa(OH))を煙道などに吹き込む場合が多く、その場合には、飛灰中に、Ca(OH)、CaSO、CaClなどが含有される場合が多い。
飛灰を処理する技術としては、下記の特許文献1に示されるように、廃液中のCOD(化学的酸素要求量、Chemical Oxygen Demand)成分を湿式に処理する方法が知られている。また、飛灰を乾式処理する方法として、下記の特許文献2には、飛灰に塩基を添加して、熱処理することを特徴とする飛灰の処理方法が提案されている。
しかしながら、上記の発明は、いずれもカルシウム成分の回収を目的とするものではなく、カルシウム成分の回収に関する開示は存在しない。また、一般的に、湿式処理によって特定成分の回収を行う場合、含水状態では回収物の搬送重量が大きく、取扱い性にも劣るため、回収物の乾燥工程が必要になるといった問題がある。
一方、焼却処理等で生じる主灰にも、飛灰と同様に重金属や塩化カルシウムが含有され、更に酸化カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化第二鉄などが含有される場合がある。このため、酸化カルシウム等を回収して、セメント原料に利用する技術が存在するが、その用途では、塩化カルシウムや重金属を除去するのが望ましい。
特開平9−192679号公報 特開2004−283762号公報
そこで、本発明の目的は、不要成分を増加させずに必要なカルシウム成分を回収することができ、回収物の乾燥工程を不要にできるためコスト的にも有利な焼却残渣処理方法、及びこの処理方法によって得られる焼却残渣処理物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、湿式処理で飛灰等を処理する方法について鋭意研究したところ、水洗後の水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加することで、不要成分を増加させずに、化学反応と蒸発により水分除去が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の焼却残渣処理方法は、焼却設備の飛灰の水洗、その水洗で溶出した重金属のキレート剤添加による凝集沈殿処理および凝集沈殿処理後のスラリーの固液分離を含む処理により、重金属を含む沈殿物及び水酸化カルシウムを含有する水分付着ケーキを得る第1工程と、その水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加して水酸化カルシウムを生成させ、得られた焼却残渣処理物をリサイクル用のカルシウム成分として回収する第2工程と、を含むことを特徴とする。ここで、水分付着ケーキとは付着水分を含有するケーキをさし、脱水工程を経た脱水ケーキなども含まれる。
本発明の焼却残渣処理方法によると、第1工程によって、飛灰等に含まれる水溶性成分(例えば、金属精錬用途に有害なCaCl等)を水洗・除去して、有用なカルシウム成分(例えば、Ca(OH)、CaSO等)を効率良く、水分付着ケーキとして回収することができる。更に、第2工程において、水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加することで、水との反応により水分が除去され、その際に生じる反応熱によって水分の蒸発(気化)が生じるため、特に乾燥工程を行わなくても、水分を十分に除去することが可能になる。更に、酸化カルシウムを添加し、これが全部又は一部だけ水酸化カルシウムになるため、不要成分を増加させずに、必要なカルシウム成分をリサイクル用のカルシウム成分として回収することができる。また、飛灰を処理する場合、重金属の凝集沈殿処理を行うことによって、水洗で溶出した重金属を回収できるため水洗後の廃液処理が軽減でき、また、飛灰処理物(即ち、リサイクル用の回収物)に重金属が含有されていても、特定の金属精錬工程や焼却設備などに対しては、重金属の含有が問題となる場合は少ない。
上記において、前記水分付着ケーキ中の付着水分の重量に対して、前記酸化カルシウムを1〜3倍の重量で添加することが好ましい。この範囲の重量で酸化カルシウムを添加すると、化学反応と蒸発による水分除去がより確実に行え、過剰な酸化カルシウムの添加も避けることができる。
一方、本発明のリサイクル方法は、本発明の焼却残渣処理方法により焼却残渣処理物を回収した後、この焼却残渣処理物をカルシウム成分として利用するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の焼却残渣処理方法の一例(飛灰を処理する場合)を示す工程図である。図3は、本発明の焼却残渣処理方法の他の例(主灰を処理する場合)を示す工程図である。
本発明の焼却残渣処理方法は、図1に示すように、焼却残渣の水洗および固液分離を含む処理により水分付着ケーキを得る第1工程を含むものである。この工程によって、飛灰等に含まれる水溶性成分(例えば、金属精錬用途に有害なCaCl等)を水洗・除去することができる。
処理対象としては、飛灰又は主灰等が挙げられるが、飛灰としては、例えば産業廃棄物、一般廃棄物等を焼却処理した際に発生する飛灰や、廃棄物等をそのまま溶融処理した際に発生する飛灰が含まれる。代表的なものとして、焼却設備においてバグフィルタ等で捕集された飛灰などがあげられる。また、処理対象となる主灰としては、例えば産業廃棄物、一般廃棄物等を焼却処理した際に生じる主灰が挙げられる。
本発明は、飛灰がカルシウム成分をCaO換算で20重量%以上含有する場合に有効であり、30重量%以上含有する場合に特に有効となる。このような飛灰は、焼却で発生する酸性ガスを中和・除去するために、消石灰(主成分はCa(OH))を煙道などに吹き込む場合に得られ、その場合には、飛灰がCa(OH)、CaSO、CaClなどを主として含有する。
水洗に使用する水は、水道水、工業用水などが使用でき、必要により温水を用いることも可能である。水洗は、バッチ処理、循環水洗、連続水洗などいずれでもよいが、循環水洗の場合、CaCl等の濃度が高くなり過ぎないように、一部の水を追加・放出するのが好ましい。逆に、CaCl等の回収をも目的とする場合、少量の水(例えば、焼却残渣重量の5倍以下)を用いるのが好ましい。
水洗は、撹拌操作を伴うのが好ましく、混合撹拌槽を用いて水洗を行うことが好ましい。
焼却残渣の水洗および固液分離を含む処理は、水洗と固液分離とからなる処理(水洗と固液分離とを同時に行ってもよい)であってもよいが、焼却残渣から溶出した重金属を凝集沈殿させるための凝集沈殿処理を含んでいてもよい。あるいは、活性炭槽を通過させて重金属を吸着させてもよく、その場合、吸着後の活性炭を焼却すればよい。焼却残渣に含まれる重金属としては、亜鉛、鉛、クロム、銀、水銀、カドミウムなどが挙げられる。
凝集剤としては、キレート剤、高分子凝集剤、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド、鉄塩などを用いることができる。このような凝集沈殿処理を行う場合、集泥機構を有する沈殿濃縮装置、例えばシックナー等を用いて、集泥を行うことが好ましい。
凝集沈殿処理を行う場合、必要に応じて中和剤を添加して中和処理した後、キレート剤で重金属をキレート化し、無機系凝集剤でフロック形成し、更に、高分子凝集剤でフロックの沈降速度を高めるのが好ましい。これらの添加量などの条件は、従来公知の条件が何れも採用でき、焼却残渣中の成分に応じて、薬剤や添加量が適宜選択される。
図1に示す工程図では、1系統の流れによって、水洗、凝集沈殿処理、及び固液分離を行っているが、これを2系統に分けて、一方で水洗、凝集沈殿処理、及び固液分離を行い、他方で水洗、及び固液分離を行うようにしてもよい。
固液分離は、このようなスラリー又は泥を、水分付着ケーキと水分に分離する処理であり、例えば、遠心脱水機、フィルタプレス、ベルトプレス、真空脱水機、スクリュプレスなどを用いて行うことができる。
固液分離後の水分付着ケーキは、例えば付着水分量(重量%)として、30〜80重量%の水分を含有しているが、本発明では、60重量%以上の水分を含有する水分付着ケーキでも、次の第2工程によって、水分付着ケーキの十分な乾燥を行うことができる。
本発明の焼却残渣処理方法は、水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加して水酸化カルシウムを生成させる第2工程を含むものである。この第2工程によって、水分付着ケーキ中の水分と、酸化カルシウムとの反応により、水分が除去され、その際に生じる反応熱によって水分の蒸発が生じるため、特に乾燥工程を行わなくても、水分を十分に除去することが可能になる。
酸化カルシウムの添加は、主成分として酸化カルシウムを含むものが使用でき、例えば市販の生石灰などを用いることができる。添加を行う際には、反応を効率良く行い、反応物の固化等を防止する観点から、水分付着ケーキ等の混合・撹拌を行うことが好ましい。従って、本発明では、混合装置を備えた消化反応機を用いるのが好ましい。
また、酸化カルシウムの粒度は10mm以下のものが望ましく、粉末状が特に望ましい。酸化カルシウムの添加は、水分付着ケーキ中の付着水分の重量に対して、前記酸化カルシウムを1〜3倍の重量で添加するのが好ましく、より好ましくは、1.5〜2.5倍の重量である。酸化カルシウムの添加量が、1倍未満であると、化学反応と蒸発による水分除去が不十分になる場合がある。
また、この第2工程において、処理物の温度変化の最大値が90℃以上となるように処理することが好ましい。反応熱を利用して、処理物の温度変化の最大値を90℃以上とすることによって、水分の蒸発を効果的に行うことができ、処理もより迅速に行うことができる。このため、消化反応機は、保温機構を備えたものが好ましい。
第2工程では、水分の蒸発と共に粉塵が生じるが、湿った粉塵はバグフィルタ等の目詰まりなどの原因となるため、これをバーナなどで加熱して、バグフィルタ等の集塵機で捕集するのが好ましい。捕集したものは、第2工程の原料に添加して再利用することができる。
第2工程で得られた処理物は、付着水分量として0.2重量%以下が好ましい。この付着水分量を超えると、輸送途中で塊状になるなどの問題が生じる傾向がある。また、未反応の酸化カルシウムの含有量は0.2重量%以下が好ましい。一方、処理物の防塵対策として、10重量%程度の水分を含有させる場合があるが、このようなケースでも、本発明では、酸化カルシウムの添加量を少なくすることによって、処理物の含水量をコントロールすることができる。
第2工程で得られた処理物は、例えば、熟成機中で、未反応物の反応や経時的な変化が終了した後、分級機で粗粒や不純物などが除去され、最終処理物が貯槽に蓄えられる。
以上で得られる本発明における飛灰処理物は、Ca(OH)、CaSO、重金属などを含んでおり、金属精錬(亜鉛、鉛等)において鉱石を焼結する工程のカルシウム材や、金属精錬の湿式工程のアルカリ中和剤として用いることができる。また、焼却設備におけるアルカリ造滓剤として用いることができる。
次に、図3に基づいて、主灰を処理する場合について説明する。主灰を処理する場合、焼却残渣の水洗および固液分離を含む処理により水分付着ケーキを得る第1工程において、重金属を水中に溶出させて、固液分離する水分付着ケーキから重金属を除去するのが、最終処理物をセメントの製造原料として利用する上で好ましい。
例えば、図3に示すように、硫酸等の無機酸を用いてpHを下げることによって、重金属を水中に溶出させ易くなり、上澄をシックナーで分離した後、中和剤を添加し、キレート剤、高分子凝集剤などで重金属を沈殿させる。この沈殿物をシックナーから取り出してプレスにより脱水することで、水分付着ケーキ(重金属含有物)が得られるが、この水分付着ケーキは、前述した飛灰処理の第2工程に用いることができる。
一方、水洗後に必要により凝沈剤(高分子凝集剤他)を添加して、重金属が除去された沈殿物は、シックナーで分離され、プレスにより脱水することで、水分付着ケーキ(重金属除去物)が得られる。その後の工程は、飛灰処理の場合と同じであり、消化機において、水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加して水酸化カルシウムを生成させる第2工程が実施される。
このようにして得られた本発明における主灰処理物は、Ca(OH)、シリカ、アルミナなどを含んでおり、セメントの製造原料として好適に利用することができる。また、溶融炉等スラグを製造する場合の造滓剤として有効利用できる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、各種測定は次のようにして行った。
(1)検出元素の含有比率
水洗前の飛灰と、水洗・固液分離後の水分付着ケーキを110℃で完全に乾燥させた乾燥処理物とをサンプルとして、次のようにして測定した。即ち、波長分散型蛍光X線装置(ZSX100e、理化学電機社製)を用いて、希ガスを除くF〜U元素を測定し、検出成分中の含有比率を算出する半定量分析を行った。
(2)水分付着ケーキの付着水分量
水分付着ケーキを乾燥機内で、約90℃で十分乾燥させ、乾燥前後の重量の差を付着水分量として測定し、これを水分付着ケーキの乾燥前重量で割って、付着水分量の百分率(%)を求めた。
(3)処理物の付着水分量
上記(2)と同様にして、処理物を乾燥機内で十分乾燥させ、乾燥前後の重量の差を付着水分量として測定し、これを処理物の乾燥前重量で割って、付着水分量の百分率(%)を求めた。
実施例1
処理対象物として、ストーカ炉のバグフィルタで回収された、表1に示す検出元素の含有比率を有する飛灰100gを準備した。この飛灰には、表1の元素含有比率とその他の分析結果(TG−DTAによる分析)から、Ca(OH)、CaSO、CaCl(例えば重量比57、16、27)などを主として含有していることが分かる。
Figure 0003940157
この飛灰100gに対し、水1Lを加えて、水洗タンク内で撹拌翼により10分間撹拌して、水洗を行った。これをフィルタで濾過した後、再度、水1Lを加えて、水洗タンク内で撹拌翼により10分間撹拌して、水洗した処理物をフィルタで濾過して、更に加圧脱水することによって、付着水分量が32.7重量%の水分付着ケーキを得た。
この水分付着ケーキに含まれる元素の含有比率を表1に示す。また、水洗前後の含有比率の差を表に併せて示すとともに、表1の結果を図1のグラフに示した。この結果から、水洗・固液分離によって、飛灰中の水溶性成分(例えば、CaCl、NaCl等)を水洗・除去して、有用なカルシウム成分(例えば、水不溶性であるCa(OH)、CaSO等)を効率良く回収していることが分かる。
上記と同様にして得られた水分付着ケーキ1000g(付着水分重量327g)を発泡スチロールにより保温したビーカ内に入れて、市販の生石灰(CaO純度98%)700gを添加して(CaOは付着水分重量の2.1倍)、撹拌棒で混合撹拌を開始した。約2分後に撹拌を停止したが、反応による昇温が起こり、処理物は最高温度で100℃以上となった。やがて、温度が低下して反応が終了したことが確認できた。最終的に得られた処理物は1550gとなり、水分150gが蒸発しており、付着水分量は0.0重量%であった。
実施例2
実施例1において、市販の生石灰(CaO純度98%)600g(CaOは付着水分重量の1.8倍)を添加すること以外は、実施例1と全く同じ条件で、飛灰の処理を行った。最終的に得られた処理物は1450gとなり、水分150gが蒸発しており、付着水分量は0.5重量%であった。
実施例3
実施例1において、固液分離の条件を変えることによって、付着水分量が45.7重量%の水分付着ケーキを得た。このようにして得られた水分付着ケーキ1000g(付着水分重量457g)を発泡スチロールにより保温したビーカ内に入れて、市販の生石灰(CaO純度98%)750gを添加して(CaOは付着水分重量の1.6倍)、撹拌棒で混合撹拌を開始した。約2分後に撹拌を停止したが、反応による昇温が起こり、処理物は最高温度で100℃以上となった。やがて、温度が低下して反応が終了したことが確認できた。最終的に得られた処理物は1470gとなり、水分280gが蒸発しており、付着水分量は1.2重量%であった。
実施例4
実施例1において、固液分離の条件を変えることによって、付着水分量が37.2重量%の水分付着ケーキを得た。このようにして得られた水分付着ケーキ1000g(付着水分重量372g)を発泡スチロールにより保温したビーカ内に入れて、市販の生石灰(CaO純度98%)600gを添加して(CaOは付着水分重量の1.6倍)、撹拌棒で混合撹拌を開始した。約2分後に撹拌を停止したが、反応による昇温が起こり、処理物は最高温度で100℃以上となった。やがて、温度が低下して反応が終了したことが確認できた。最終的に得られた処理物は1400gとなり、水分200gが蒸発しており、付着水分量は7.5重量%であった。
実施例5
実施例1において、水分付着ケーキを得る際に、次のようにしてキレート剤と高分子凝集剤とを添加したこと以外は、全て実施例1と同じ条件で、水洗・固液分離と酸化カルシウムの添加とを実施した。その結果、処理物の最高温度は100℃以上となり、最終的に得られた処理物の付着水分量は0重量%であった。
水分付着ケーキは、まず実施例1と同じ飛灰100gに対し、水1Lを加えて、水洗タンク内で撹拌翼により10分間撹拌した後、更に、キレート剤(東ソー社製、TX−10)50mg/Lを添加して撹拌した後、高分子凝集剤(オルガノ社製)3mg/Lを添加して、凝集沈殿処理を行った。沈殿を確認した後、上澄液を除去した後、処理物をフィルタで濾過して、更に加圧脱水することによって、付着水分量が40重量%の水分付着ケーキを得た。なお、除去した上澄液をサンプルとして、元素分析を行ったところ、重金属(亜鉛、鉛)は、検出されなかった。
比較例1
実施例1と同じ条件で得られた水分付着ケーキ1000gを乾燥機で乾燥させて、付着水分量0重量%の処理物を得た。この処理物は、表1の水洗後の元素含有比率を有しているため、実施例1〜2と比べて、カルシウム成分が相対的に低いので、その用途が限定される。しかも、乾燥にかかる電力コストが大きくコスト的に不利なため、リサイクル利用が困難であると考えられる。
本発明の焼却残渣処理方法の一例(飛灰を処理する場合)を示す工程図 実施例1における水洗前の飛灰、及び水分付着ケーキの乾燥処理物の元素含有比率を示すグラフ 本発明の焼却残渣処理方法の他の例(主灰を処理する場合)を示す工程図

Claims (3)

  1. 焼却設備の飛灰の水洗、その水洗で溶出した重金属のキレート剤添加による凝集沈殿処理および凝集沈殿処理後のスラリーの固液分離を含む処理により、重金属を含む沈殿物及び水酸化カルシウムを含有する水分付着ケーキを得る第1工程と、
    その水分付着ケーキに酸化カルシウムを添加して水酸化カルシウムを生成させ、得られた焼却残渣処理物をリサイクル用のカルシウム成分として回収する第2工程と、
    を含む焼却残渣処理方法。
  2. 前記水分付着ケーキ中の付着水分の重量に対して、前記酸化カルシウムを1〜3倍の重量で添加する請求項1記載の焼却残渣処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の焼却残渣処理方法により焼却残渣処理物を回収した後、この焼却残渣処理物をカルシウム成分として利用するリサイクル方法。
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