JP5028740B2 - ダストの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントキルンから塩素、アルカリ等をバイパスさせて得られたキルンダスト、或いは焼却炉、溶融炉、ガス化溶融炉等から得られた飛灰、溶融飛灰、ダスト等の中で、Ca分が少量しか含まれていないダスト処理方法に関する。更に詳しくは重金属、塩素、アルカリ等を含有する飛灰、ダストからの有価金属、含有塩化物、肥料原料、化学原料、製錬原料、セメント原料等の再資源化のためのダスト処理方法に関するものである。更に本発明は、ダスト等からの肥料原料又は化学原料の製造方法並びに製錬原料又はセメント原料の製造方法に関するものである。
従来、この種のダスト処理方法として、キルン熱処理ガスのダストに水に代表されるpH調整剤を添加することにより、このダスト中の第1障害物質の沈殿に最適なpHの1次スラリーに調製する工程と、この1次スラリー中で沈殿した第1障害物質を除去する工程と、この1次スラリーにキルン排ガスに代表されるpH調整剤を添加し、第2障害物質の沈殿に最適なpHの2次スラリーにする工程とを備えたキルンダストの処理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また別のダスト処理方法として、可溶性重金属塩とNaCl、KCl、Na2SO4、K2SO4等のアルカリ金属塩を含む微粉状廃棄物または微粉状にした廃棄物を水に浸漬し、この廃棄物中に含まれる可溶性重金属塩及びアルカリ金属塩を水に溶解するとともに、NaOH、Ca(OH)2等のアルカリを添加し、このアルカリによって可溶性重金属塩を不溶性の重金属水酸化物とし、次いでこれをろ過し、ろ液中に上記アルカリ金属塩を移行せしめることにより、このアルカリ金属塩を分離したろ過残渣を作成し、このろ過残渣を高温焼結または高温溶融処理する微粉状廃棄物の処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第2764508号公報(請求項1、[0011]、図1) 特公昭63−58638号公報(特許請求の範囲、図1)
一般に、この種のダストは組成変動が大きく、中にはCaOが少量しか含まれていないものもある。このようなダストを水に浸漬しても、得られたスラリーのpHは十分に高くない。1次スラリーのpHが高いことを前提条件とする特許文献1の処理方法はカルシウム金属塩が少量しか含まれていないダストには適しない。また特許文献1の処理方法では、pH調整を二段階で行いかつ第1障害物質を除去する必要があり、工程が煩雑になるとともに、水酸化物の最小溶解度までしか重金属を除去できず、結果としてろ液中の重金属濃度を低減することが困難である。
一方、特許文献2の処理方法では、ダストを水に浸漬して得られたスラリーにNaOH、Ca(OH)2等のアルカリを添加することによって可溶性重金属塩を不溶性の重金属水酸化物としているけれども、重金属水酸化物はその種類毎に溶解度が異なるため、上記アルカリによって水酸化物を生成させる処理では、複数の重金属を低濃度まで除去し難く、結果としてろ液中の重金属濃度を低減することができない。
本発明の目的は、カルシウム分が少量しか含まれていないダストに対して、固液分離した後の液中の重金属濃度を効率的に低減することができるダストの処理方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1の実線で示すように、カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト10にこのダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉11を添加混合する工程12と、この石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水13とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程14と、このpH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス16を吹き込み、このスラリーのpHをスラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させてスラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程17と、この炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程18と、この静置物を固液分離する工程19とを含むダストの処理方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、石灰粉の添加量を、ダスト10の一部を採取してこのダストのカルシウム含有量を分析した後、この分析値と目標となるカルシウム含有量との差から決定する処理方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、石灰粉が石灰石、生石灰又は消石灰の少なくとも1種からなる粉体である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、固液分離により得られたろ液21を蒸発・晶析する工程22と、この蒸発・晶析により得られた固形物23から肥料原料又は化学原料を生成する工程とを更に含む処理方法である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、固液分離により得られた残渣24から製錬原料又はセメント原料を生成する工程を更に含む処理方法である。
請求項6に係る発明は、図1の実線で示すように、カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト10にこのダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉11を添加混合する工程12と、この石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水13とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程14と、このpH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス16を吹き込み、このスラリーのpHをスラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させてスラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程17と、この炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程18と、この静置物を固液分離する工程19と、固液分離により得られたろ液21を蒸発・晶析する工程22と、蒸発・晶析により得られた固形物23から肥料原料又は化学原料を生成する工程とを含む肥料原料又は化学原料の製造方法である。
請求項7に係る発明は、図1の実線で示すように、カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト10にこのダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉11を添加混合する工程12と、この石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水13とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程14と、このpH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス16を吹き込み、このスラリーのpHをスラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させてスラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程17と、この炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程18と、この静置物を固液分離する工程19と、固液分離により得られた残渣24から製錬原料又はセメント原料を生成する工程とを含む製錬原料又はセメント原料の製造方法である。
本発明の処理方法では、次の効果を奏する。
(1) スラリー化する際に予め石灰粉を水と混合して石灰乳にし、この石灰乳とダストを水に加える場合には石灰乳を調製する装置を必要とするけれども、本発明にはこの石灰乳の調製装置を必要としない。
(2) 石灰粉とダストを水に一緒に加える場合には石灰粉が水により塊状になり易く、この石灰塊を砕いて溶解させるまで長時間要するけれども、本発明ではスラリー化する前に石灰粉をダストに混合するため、石灰が粉末状でダストと混合され、スラリー化したときに、石灰粉が塊状になり難く、石灰がより容易かつ短時間で水と反応する。
(3) ダストのカルシウム含有量に応じて石灰粉の添加量を決めるため、スラリーのpH値は安定し、このスラリーに炭酸ガスを吹き込んで所望のpH値に調整することにより、ダストに含まれていた重金属を水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させることができる。
(4) 炭酸ガスを吹き込んだスラリーを静置することにより、水に溶解して残留していた重金属がカルシウム塩の沈殿に伴われて一緒に沈殿し、この結果、特許文献1及び2の処理方法と比較して、液中の重金属濃度をより効率的にかつより一層低減することができる。
(5) 特許文献1の処理方法では、ダストをスラリー化し、pH調整を行った際に発生する沈澱物質(第1障害物質)を除去していたものが、本発明では除去しないため、固液分離回数が減少し、工程を簡素化できる。
(6) 固液分離した液を蒸発・晶析することにより得られた固形物には、カリウム及び塩素等のハロゲン類が多量に含まれるので、これらを肥料の原料、又は化学原料に利用することができる。
(7) 固液分離により得られた残渣は若干重金属を含むものの大部分がカルシウム化合物、シリカから構成されているので、この残渣は製錬原料又はセメント原料に利用することができる。
本発明の実施の形態を実線で示された図1に基づいて説明する。
本発明処理方法の対象となるダストは、カルシウム含有量(CaO)が4重量%以下の重金属を含むダスト10である。カルシウム含有量が4重量%以下のダストは、水と混合してスラリーにしたときに、スラリーのpHが5〜10になる。このダストを例示すれば、セメントキルンから塩素、アルカリ等をバイパスさせて得られたキルンダスト、或いは焼却炉、溶融炉、ガス化溶融炉等から得られた飛灰、溶融飛灰、ダスト等、或いは都市ごみ、廃水処理工程からでるスラッジ等を焼却処理した際に排出されるダストである。ダストに含まれる重金属には、Cd、Pb、Zn、Cu等が例示される。
石灰粉の添加量は、ダスト10の一部を採取してこのダストのカルシウム含有量を蛍光X線分析法等により分析する工程10aを経て、この分析値と目標となるカルシウム含有量との差から決定される(工程10b)。即ち、この石灰粉の添加量は、ダストのカルシウム含有量によって変動するが、次のスラリー化したときのpH値を12以上にするために、ダスト100重量%に対して5重量%以上、好ましくは10〜15重量%の範囲から決められる。下限値未満ではスラリーのpH値が12未満になり、また上限値を越えて添加してもpH値はそれ程上昇しないためである。
ダストへのカルシウム添加量の決定工程10bに基づいて、石灰粉11をダスト10に添加され、均一に混合される(工程12)。なお、ダスト10のカルシウム含有量が既知である場合には、工程10a及び工程10bは省略される。ここで、石灰粉は石灰石(CaCO3)、生石灰(CaO)又は消石灰(Ca(OH)2)の少なくとも1種からなる粉体である。この中で化学的に安定で、水に溶けやすい消石灰が好ましい。石灰粉は市販されている平均粒径が10〜500μmのものであれば、ダストと均一に混合でき、かつ水に容易に反応する。
次いで石灰粉を混合したダストと水13とを混合してスラリーを調製する(工程14)。具体的には重量比でダストの2〜20倍量、好ましくは3〜10倍量の水と混合する。前述した石灰粉の所定量の添加によりスラリーのpHは12以上になる。スラリーのpHが12以上になると、ダストに含まれる重金属のうち、Cd、Cu等はそのほとんどが水酸化物になる。この水酸化物は水に対する溶解度が非常に小さく沈殿する。ダストに含まれる重金属のうち、Pb、Zn等については、pH12以上では水に対する溶解度が高くなり、一部がアルカリ水溶液に溶解している。
次にこのスラリーに炭酸ガス16を吹き込み、スラリーのpHをスラリー調製時のpH値より低下させる。好ましくはpHを12未満、更に好ましくは10〜11.5の範囲に低下させる(工程17)。この炭酸ガスは、キルン、焼却炉、溶融炉等の炭酸ガスを含む排ガスでもよい。炭酸ガスの吹き込みの際に、水に不溶性の重金属水酸化物は、分散していても、或いは沈降して沈澱物であってもよい。特許文献1に記載されているようにこの不溶性の重金属水酸化物を除去する必要はない。この炭酸ガスの吹き込みとスラリーのpHを低下させることにより、溶解していたPb、Zn等は、水に対する溶解度が低下するため、水酸化物になるとともに、炭酸塩を生成する。また僅かに溶存するCd等も炭酸塩になる。この水に不溶性の重金属の水酸化物、炭酸塩は時間の経過とともに沈殿する。
続いて上記スラリーを静置する(工程18)。静置は30分以上、好ましくは1〜12時間行う。除去効率を考慮すれば1時間以上静置すれば十分であるが、装置、操業上の観点から上記範囲内から静置時間が決められる。上記上限値を越えて静置しても除去効率はそれ程向上しない。この静置により、水に溶解して残留していた重金属がカルシウム塩の沈殿に伴われて一緒に沈殿する。この共沈効果により水に溶解している重金属の濃度がより一層低減する。
更に続いて液と沈殿物を含む静置物を遠心分離、フィルタプレス等により固液分離する(工程19)。ろ液21を加熱することによりその水分を蒸発させ、液に溶解していた物を晶析させる(工程22)。得られた固形物23にはカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属と、塩素、臭素等のハロゲン類が多量に含まれるので、この固形物により肥料の原料や化学原料が製造される。一方固液分離により得られた残渣24には若干重金属を含むものの大部分がカルシウム化合物、シリカから構成されているので、この残渣により製錬原料又はセメント原料が製造される。
次に本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
表1に示すセメントキルンダストを用意した。このダストはそのままダストの5倍量の水を加えてスラリー化すると、スラリーのpHが5.0になるものであった。この用意したセメントキルンダストに1.9重量%のCa(OH)2を添加し均一に混合した。このダストとCa(OH)2の混合物を重量比で5倍量の水にてスラリー化した。図1の破線に示すように、このスラリーの一部を抜き取りろ過した後、pH12.0のろ液1を得た。
その後、このスラリーに10%CO2−空気混合ガスを吹き込んでスラリーのpHを10.5に調整した。pHを調整した後、10%CO2−空気混合ガスを吹き込みを止め、図1の破線に示すように、スラリーの一部を抜き取りろ過した後、ろ液2を得た。pH調整したスラリーを1時間静置した後、静置物をフィルタプレスにより固液分離した。図1の破線に示すように、このときのろ液の一部を抜き取りろ液3とした。
Figure 0005028740
<実施例2>
表1に示すセメントキルンダストに3.3重量%のCa(OH)2を添加し均一に混合した。このダストとCa(OH)2の混合物を重量比で5倍量の水にてスラリー化した。図1の破線に示すように、このスラリーの一部を抜き取りろ過した後、pH12.0のろ液1を得た。それ以外は実施例1と同様にダストを処理した。
<実施例3>
表1に示すセメントキルンダストに8.4重量%のCa(OH)2を添加し均一に混合した。このダストとCa(OH)2の混合物を重量比で5倍量の水にてスラリー化した。図1の破線に示すように、このスラリーの一部を抜き取りろ過した後、pH12.1のろ液1を得た。それ以外は実施例1と同様にダストを処理した。
<実施例4>
表1に示すセメントキルンダストに10重量%のCa(OH)2を添加し均一に混合した。このダストとCa(OH)2の混合物を重量比で5倍量の水にてスラリー化した。図1の破線に示すように、このスラリーの一部を抜き取りろ過した後、pH12.1のろ液1を得た。それ以外は実施例1と同様にダストを処理した。
<実施例5>
表1に示すセメントキルンダストに12.5重量%のCa(OH)2を添加し均一に混合した。このダストとCa(OH)2の混合物を重量比で5倍量の水にてスラリー化した。図1の破線に示すように、このスラリーの一部を抜き取りろ過した後、pH12.1のろ液1を得た。それ以外は実施例1と同様にダストを処理した。
<ろ液の分析と評価>
実施例1〜5で得られたろ液1、ろ液2及びろ液3の各重金属成分についてICP発光分光分析法により化学分析を行った。重金属であるPbとCdとZnの合計値を表2に示す。
Figure 0005028740
表2からCa(OH)2添加量を増加させることにより、ろ液1〜3すべてにおいて、Pb、Cd、Znが効率的に除去されることが判った。またろ液1とろ液2の各分析値により、水酸化物による重金属の除去とCO2吹き込みによる重金属の除去とを比較すると、後者の方が効果的であった。更にろ液2とろ液3の各分析値の比較から、水酸化物や炭酸塩の形態で重金属を除去した後において、静置工程のカルシウム塩による共沈効果で重金属が更に除去されることが判った。
<固液分離後のろ液・残渣の処理>
実施例1〜5において、固液分離した後の各ろ液を加熱してろ液に溶解していた物を晶析し、得られた各固形物を分析したところ、すべての固形物にはK等のアルカリ金属と、Cl等のハロゲン類が多量に含まれており、肥料又は化学原料として利用可能であった。また固液分離により得られた各残渣を分析したところ、すべての残渣が若干重金属を含むもののその大部分がCa化合物、SiO2から構成されていた。従って、これらの残渣は製錬工程でのフラックス又はセメント原料への利用が可能であった。
本発明は、キルンダスト、或いは焼却炉、溶融炉、ガス化溶融炉等から得られた飛灰、溶融飛灰、ダスト等の中で、Ca分が少量しか含まれていないダスト処理に利用できる。また上記キルンダスト等から、肥料原料、化学原料、製錬原料、セメント原料等を製造できる。
本発明のダスト処理工程を示す図。
符号の説明
10 ダスト
11 石灰粉
12 ダストと石灰粉の混合工程
13 水
14 スラリーの調製工程
16 炭酸ガス
17 重金属の沈殿工程
18 静置による残留重金属のカルシウム塩との共沈工程
19 固液分離工程
21 ろ液
22 蒸発・晶析工程
23 固形物
24 残渣

Claims (7)

  1. カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト(10)に前記ダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉(11)を添加混合する工程(12)と、前記石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水(13)とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、前記pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程(14)と、前記pH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス(16)を吹き込み、前記スラリーのpHを前記スラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させて前記スラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程(17)と、前記炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、前記スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程(18)と、前記静置物を固液分離する工程(19)とを含むダストの処理方法。
  2. 石灰粉の添加量を、ダスト(10)の一部を採取してこのダストのカルシウム含有量を分析した後、この分析値と目標となるカルシウム含有量との差から決定する請求項1記載の処理方法。
  3. 石灰粉が石灰石、生石灰又は消石灰の少なくとも1種からなる粉体である請求項1又は2記載の処理方法。
  4. 固液分離により得られたろ液(21)を蒸発・晶析する工程(22)と、前記蒸発・晶析により得られた固形物(23)から肥料原料又は化学原料を生成する工程とを更に含む請求項1ないし3いずれか1項に記載の処理方法。
  5. 固液分離により得られた残渣(24)から製錬原料又はセメント原料を生成する工程を更に含む請求項1ないし3いずれか1項に記載の処理方法。
  6. カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト(10)に前記ダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉(11)を添加混合する工程(12)と、前記石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水(13)とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、前記pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程(14)と、前記pH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス(16)を吹き込み、前記スラリーのpHを前記スラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させて前記スラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程(17)と、前記炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、前記スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程(18)と、前記静置物を固液分離する工程(19)と、固液分離により得られたろ液(21)を蒸発・晶析する工程(22)と、前記蒸発・晶析により得られた固形物(23)から肥料原料又は化学原料を生成する工程とを含む肥料原料又は化学原料の製造方法。
  7. カルシウム含有量が4重量%以下であってCd、Pb、Zn及びCuの重金属を少なくとも含むダスト(10)に前記ダストのカルシウム含有量が5重量%以上になるように石灰粉(11)を添加混合する工程(12)と、前記石灰粉を混合してカルシウム含有量を5重量%以上としたダストと水(13)とを混合してpH12以上のスラリーを調製するとともに、前記pH値を12以上としたスラリー中でCd及びCuの殆どを水に不溶性の水酸化物にする工程(14)と、前記pH値を12以上としたスラリーに炭酸ガス(16)を吹き込み、前記スラリーのpHを前記スラリー調製時のpH値より低い10〜11.5の範囲にまで低下させて前記スラリーに溶解しているPb、Znの水に対する溶解度を低下させ、水酸化物又は炭酸塩の形態で沈殿させ、かつ、僅かに溶存するCdを炭酸塩の形態で沈殿させる工程(17)と、前記炭酸ガスを吹き込んだスラリーを30分以上12時間以下の範囲内で静置して、前記スラリーに溶解して残留している重金属をカルシウム塩との共沈効果により沈澱させ、スラリーに溶解している重金属濃度をより一層低減する工程(18)と、前記静置物を固液分離する工程(19)と、固液分離により得られた残渣(24)から製錬原料又はセメント原料を生成する工程とを含む製錬原料又はセメント原料の製造方法。
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