JP2005230655A - ダストの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダストから一回の工程で有用成分を回収し、これを非鉄製錬原料、肥料原料又はハロゲン原料として有効利用する。
【解決手段】 本発明の処理方法は、セメントキルンや焼却炉からのダストに水を混合し、これにpH調整剤を添加してpHを10以上に調整し、次いで混合液に重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するか、またはこの陰イオン種を生成した後、これを静置し、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下で溶存する重金属を液から除去する。
【選択図】 図1

Description

この発明はダストの処理方法、詳しくはダストから肥料およびハロゲン原料などの有用な原料を得るダストの処理方法に関する。
これまで産業廃棄物あるいは一般廃棄物の中で重金属、アルカリが多量に含まれているダストについては、特別管理廃棄物として取り扱われて、その処分が問題となっていた。従来はこのようなダストは、最終処分場に埋め立て処分されていた。しかし、近年、この様なダストを処分できる処分場の設置は難しく、処分場の容量も逼迫してきている。
従来これらのダスト処理技術として、セメント製造装置において発生するキルン燃焼ガスの処理システムとして、キルン燃焼ガスのダストに第1pH調整剤(例えば、水)を添加し、前記ダスト中の第1障害物質、即ちCdの沈澱に最適なpHの1次スラリーとし、該1次スラリー中で沈澱した第1障害物質を除去し、該1次スラリーに第2pH調整剤、例えばキルン排ガスを添加し、第2障害物質の沈澱に最適なpHの第2スラリーにすることからなるキルンダストの処理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、セメントダストから有害重金属成分を分離する際の、不溶化せしめられた有害重金属成分を含有するスラリーからの固形物の分離が容易とされたセメントダストの処理方法が開示されている。更に具体的には、セメントダストを常法によって水洗し、得られた液は、そのpHが、通常12〜13程度であり、この液にはアルカリ成分および塩素成分ならびに鉛成分などを高濃度で溶存しており、またカドミウムは不溶化して固形分として第1スラリーを形成している。この第1スラリーは液分を分離して第1濃縮物とされる。一方、液分には、酸性物質を添加してpH7〜9程度の中性乃至弱アルカリ性に調整される。更に沈澱促進剤を添加して重金属を不溶化し、第2スラリーとし、固形分を分離して第2濃縮物とし、第2スラリーから得られた液分は、排水として放流される。更に第1濃縮物と第2濃縮物とを混合し、混合濃縮物とする。この混合濃縮物から固形物を得、セメントの主原料と混合して再利用することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2764508号公報(特開平6−157089号公報、段落0010参照) 特開2000−34142号公報(段落0010、段落0019参照)
しかしながら、前述の特許文献1に示すキルンダストの処理システムおよび特許文献2に開示されたセメントダストの処理方法にあっては、いずれも除去対象元素により最適沈殿pHが異なるために、生成沈殿と液の分離を2回行うことが必要となる。処理工程が複雑であり、したがって処理コストがかかり実用化が困難であるという問題がある。このような中で、ダストには、有用な成分が相当量存在することが確認されており、これらの成分の分離はリサイクル環境においても有効であることがわかった。したがって、有用な成分を効率よく分離する技術が望まれていた。
そこで、発明者は、重金属塩、アルカリ塩、ハロゲン化合物を含むダストから有用成分を回収し、非鉄製錬原料、肥料原料又はハロゲン原料、特に臭素原料を再利用できるような処理を課題として種々検討したところ、ダストを水と混合した後、該混合液のpHを10以上に調整すると共に、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加あるいは生成させた後、静置することにより、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下に溶存する金属を除去でき、即ち分離工程が1回ですむシステムを開示するに至り、かつ得られたろ液は、肥料原料やハロゲンの原料(特に臭素)とすることができ、またろ過残渣はセメント原料または非鉄製錬原料とすることができ、ダストの有効利用乃至再利用が計られることを見出し、ここにこの発明を完成するに至った。
したがって、この発明が解決しようとする課題は、一回の分離工程という単純なシステムでダストから有用成分を回収し、非鉄製錬原料、肥料原料又はハロゲン原料、特に臭素原料として有効利用乃至再利用することができるダストの処理方法を提供することにある。
上記課題は、以下の各発明によってそれぞれ達成される。
(1)請求項1に記載の発明は、ダストに水を混合して混合液を得る工程と、得られた混合液のpHを10以上に保持する工程と、pHが10以上に保持された混合液に、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するか、または、この陰イオン種を生成した後、これを静置し、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下で溶出した重金属を混合液から除去する工程とを含むダストの処理方法である。
(2)請求項2に記載の発明は、上記混合液に添加する、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種が炭酸イオンである請求項1に記載のダストの処理方法である。
(3)請求項3に記載の発明は、上記混合液に添加する炭酸イオンを生成させる物質が、水溶性炭酸塩または炭酸ガスである請求項2に記載のダストの処理方法である。
(4)請求項4に記載の発明は、上記混合液に重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加しまたはこの陰イオン種を生成させた後、この混合液を静置する時間は少なくとも30分以上とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のダストの処理方法である。
(5)請求項5に記載の発明は、上記混合液に、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせるためのカルシウムイオンを添加する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のダストの処理方法である。
(6)請求項6に記載の発明は、重金属を除去した液を1回のろ過工程で固液分離し、これから副産物を取り出す請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のダストの処理方法である。
(7)請求項7に記載の発明は、上記副産物が肥料原料である請求項6に記載のダストの処理方法である。
(8)請求項8に記載の発明は、上記副産物が臭素である請求項6に記載のダストの処理方法である。
(9)請求項9に記載の発明は、上記副産物がセメント原料または非鉄製錬原料である請求項6に記載のダストの処理方法である。
(10)請求項10に記載の発明は、上記ダストが、サスペンションプレヒータ付きキルンでセメントを製造する際に発生するキルン窯尻から抽気したガスを冷却したことによって得られたセメントキルンダストである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のダストの処理方法である。
(11)請求項11に記載の発明は、上記ダストが、ごみ焼却炉からでる焼却灰または焼却飛灰である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のダストの処理方法である。
この発明の請求項1に記載のダストを処理する方法は、ダストに水を混合し、得られた混合液のpHを測定し、該pHを10以上のアルカリにし、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するかあるいは該陰イオン種を生成させた後、静置し、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下で溶出した重金属を混合液から除去することにより、ダストから一回の分離工程で効率的に有用成分を回収し、非鉄製錬原料、肥料原料又はハロゲン原料として有効利用乃至再利用することができる。更にダストの有効利用が進むことにより、ダストを廃棄処分することなく資源として有効利用することができる。
この発明に係る請求項2に記載のダストを処理する方法は、前記請求項1に記載の発明において、前記混合液に添加する重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種が炭酸イオンであることにより、カルシウムイオンが炭酸塩として沈澱するので、静置することにより、共沈作用により重金属元素類の沈澱が良好に行われ、その結果、廃液中には、重金属元素類はほとんど溶解していないので、仮にそのまま排出しても、安全に排水することができるという優れた効果を奏するものである。
この発明の請求項3に記載のダストを処理する方法は、前記請求項2に記載の発明において、前記混合液に添加する炭酸イオンを生成させる物質が水溶性炭酸塩または炭酸ガスであることにより、溶液中のカルシウムイオンは炭酸塩として沈澱する。また、溶解している重金属は共沈作用により、分離が良好に行われ、その結果、処理廃液のろ液中には、重金属はほとんど溶解していないので、仮にそのまま排出しても、安全に排出することができるという優れた効果を奏するものである。
この発明の請求項4に記載のダストを処理する方法は、前記請求項1〜請求項3に記載の発明において、前記混合液に重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加あるいは生成させた後、静置する時間を少なくとも30分以上とすることにより、重金属元素類の沈殿が良好に行われる。
この発明の請求項5に記載のダストを処理する方法は、前記請求項1〜請求項4に記載の発明において、前記混合液に重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせるためのカルシウムイオンを添加することにより、混合液中の重金属元素類の共沈を促進する。
この発明の請求項6に記載のダストを処理する方法は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、溶存する重金属を除去した液を一回のろ過工程で固液分離し、副産物を取り出し、かつ利用する。これにより、溶存成分としてアルカリ分、硫酸塩、ハロゲン類等の副産物が多量に含まれているので、これらの副産物は、肥料の原料に、またハロゲン類はハロゲンの原料として利用し得るものである。
この発明の請求項7に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、前記副産物が肥料原料であることにより、農産物等を育成するための安価な肥料として利用される。
この発明に係る請求項8に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、前記副産物が臭素であることにより、工業製品の原料として利用される。
この発明に係る請求項9に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、前記副産物がセメント原料や非鉄製錬原料であることにより、ダストから安価な原料が得られる。
この発明に係る請求項10に記載のダストを処理する方法は、請求項1〜請求項9に記載の発明において、前記ダストがサスペンションプレヒーターキルンでセメントを製造する際に発生するキルン窯尻から抽気したガスを冷却したことによって得られたセメントキルンダストであることにより、ダストから有用成分のうち、アルカリ金属、ハロゲン類が効率よく分離でき、またろ液には重金属が含まれないから、このろ液からは副産物として良好な肥料原料が得られ、ろ過残渣から副産物としてセメント原料や非鉄製錬原料が得られ、ダストの有効利用が計られる。
この発明に係る請求項11に記載のダストを処理する方法は、請求項1〜請求項9に記載の発明において、前記ダストがごみ焼却炉からでる焼却灰または焼却飛灰であることにより、焼却灰または焼却飛灰を処理した際に、ろ過残渣から副産物としてセメント原料や非鉄製錬原料が得られ、焼却灰または焼却飛灰の有効利用が計られる。
以下に、この発明の実施のための最良の形態を更に詳しく説明するが、この発明は、これらに限定されるものではない。
この発明の請求項1に記載のダストを処理する方法は、ダストに水を混合し、得られた混合液のpHを測定し、該pHを10以上のアルカリにし、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するかあるいは該陰イオン種を生成させた後、静置し、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下で溶存する重金属を除去することを特徴とする。
図1にその処理フローを示す。更に具体的には、ダストに水を混合し、攪拌し、スラリー化する。得られた混合液のpHを測定し、該pHが10未満のときは、アルカリ剤を投入して10以上のアルカリに調整し、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するかあるいは該陰イオン種を生成させた後、十分静置した後、得られた液を沈澱物と共にろ過することによりろ液とろ過残渣を得ることを特徴とする。
この際の調整pHとしては、10〜12がより好ましい。pHが10未満および12を越える場合には若干ではあるが重金属の除去効率が低下する。なお、水を混合した際にpHが最適範囲にある場合は、pH調整工程は省略することができる。
また、この発明の請求項2に記載のダストを処理する方法は、前記混合液に陰イオン種が炭酸イオンであることを特徴とする。
更にこの発明の請求項3に記載のダストを処理する方法は、請求項2に記載の発明において、前記混合液に添加する炭酸イオンを生成させる物質が水溶性炭酸塩あるいは炭酸ガスであることを特徴とする。水溶性炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましいが、これに限定されない。炭酸ガスの濃度は、5〜50%体積部/体積部が好ましい。5%未満の場合は反応効率の面で若干劣り、50%を越えても反応効率に変化はなくコスト面でも不利であるためである。ただし、これに限定されるものではない。また、水溶性炭酸塩の添加量は、ダストに含まれる重金属等の成分にもよるが、ダストに対して、0.0001〜0.1重量部/重量部である。0.0001未満の場合は十分な共沈効果が得られず、0.1を越えても重金属に対する効果はそれほど増加せずコスト高になる。炭酸ガスと水溶性炭酸塩は、それぞれ単独で用いてもよく、また併用してもよい。
また、例えば液がアルカリ性の場合には、炭酸ガスを吹き込む等により、pH10〜12への調整と陰イオン種の添加あるいは生成を同時に行うことも可能である。このようにpH調整と陰イオン種の添加または生成の工程は同時に行っても差し支えない。
この発明の請求項4に記載のダストを処理する方法は、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加あるいは生成させた後、静置する時間を少なくとも30分以上とすることを特徴とする。
この発明の請求項5に記載のダストを処理する方法は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記のダストを含む混合液にカルシウムの不溶性塩を生じさせるためのカルシウムイオンを添加することにより、炭酸カルシウムの生成を促進し、共沈効果による混合液中の重金属元素類の沈殿を促進することを特徴とする。カルシウムイオンの添加時期についてはpH調整前、pH調整と同時、陰イオン種添加時のいずれでも構わない。
これらの工程を行った後、スラリーを十分静置する。十分な静置後、一回のろ過工程でろ液とろ過残渣とに分離する。このろ液には、上記処理により重金属元素類は取り除かれるが、溶存成分としてアルカリ分、硫酸塩、ハロゲン類が多量に含まれているので、肥料の原料として利用することができ、またハロゲン類は、ハロゲンの原料として利用し得るものである。またろ過残渣は、CaO、SiO等を主成分とし、重金属元素類(表4参照)も含まれている。これらはセメント原料、または重金属量が多い場合には非鉄製錬の原料として利用が可能である。
前記の十分な静置の時間は、長い方がよく、30分以上であり、好ましくは1〜12時間である。除去効率からは1時間以上の静置で十分であるが、装置または操業上の観点から静置時間が決められる。なお上限値を超えても除去効率はほとんど変化しない。
この発明において、ダスト:水の比は、1:2〜1:100であり、好ましくは1:2〜1:20である。1:2より小さい場合には重金属除去効率低下や固液分離が困難になる等の操業面での問題が生じる。1:100を越えると水量が多く必要となるとともに、装置も大規模となり操業も困難となる。この混合液を十分攪拌混合した後、この混合液のpHを測定する。ついで、得られたpHを10以上好ましくは10〜12に調整する。pH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ剤や塩酸、硫酸、硝酸、炭酸ガス等の酸が通常用いられる。これらのうち、アルカリ剤を添加する場合には、カルシウムイオンを同時に添加できるという効果から水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が好ましい。このようにpH調整を行うことにより重金属元素類が水酸化物として沈澱するが、なお若干の重金属元素類が溶存しているので、この液に更に陰イオン種を添加することにより炭酸カルシウム等のカルシウムの不溶性塩を生じさせて、十分静置し、その際に共沈作用を利用して溶存する重金属元素類を沈澱させる。その後、ろ過する。
ろ過装置としては、通常用いられるフィルタープレス等の脱水処理で十分である。
この発明の請求項6に記載のダストを処理する方法は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、重金属を除去した液を一回のろ過工程で固液分離し、副産物を取り出し、かつ利用することを特徴とする。
この発明の請求項7に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、前記副産物が肥料原料としたものである。
この発明の請求項8に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、副産物が臭素であることを特徴とする。
更にこの発明の請求項9に記載のダストを処理する方法は、請求項6に記載の発明において、副産物がセメント原料あるいは非鉄製錬原料であることを特徴とする。どのような副産物が得られるかは元のダストの組成によって異なる。
ダスト中に共存する可溶性成分のカリウム、塩素濃度が高い場合は、副産物としてカリ肥料を得ることができる。この場合には、得られるろ液からは、重金属元素類が沈澱乃至共沈作用によりほとんど取り除かれるので、ろ液を蒸発・乾固させて得られた固形物はほとんどがカリウムと塩素から構成される。これらは、肥料原料として、そのまま使用が可能となり、副産物として安価な加里肥料原料が得られる。したがって、ダストの有効利用が計られる。また、ろ液に含まれる成分によっては、窒素、りん系肥料を得ることもできる。
また、ダスト中の臭素含有量が高い場合には、この発明の請求項8に記載の発明のように、ろ液から臭化アルカリを取り出すことにより、副産物として安価に臭素が得られ、ダストの有効利用が計られる。このろ液から臭素を取り出す方法は、具体的には、ろ液に塩素ガスを吹き込み、遊離した臭素ガスを捕集する方法、ろ液に塩素酸塩(例えば、塩素酸カリウム等)を添加し、発生した臭素を捕集する方法、あるいはろ液を電解酸化して臭素を遊離させ抽出する方法等がある。臭素を回収した後の液からは肥料原料の回収が可能である。
更に、ろ過残渣はCaO,SiOを主成分とし、他に若干の重金属を含んでいる。この発明の請求項7に記載の発明のように、セメント原料またはダスト中の重金属量が多い場合には、非鉄製錬原料をろ過残渣から安価に得ることが可能であり、したがって、ダストの有効利用が計られる。
以下に、この発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、この発明はこれらの例によって限定されるものではない。
サスペンションプレヒーター付キルンでセメントを製造する際に発生するキルン窯尻から抽気したガスを冷却したことによって得られたセメントキルンダスト(ガス抽気ダスト)に含まれる主成分は、表1に示される如くである。また重金属成分は、表2に示される如くである。まず、ガス抽気ダストと水を1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定したところ、pH=10.5でアルカリ性であった。該混合液にガス抽気ダストに対して炭酸ナトリウム1%重量部を添加した。その後、静置し、30分後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物(液重量に対して5%)とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣を得た。ろ液を約100℃の温度で乾燥し、固形物を得た。この固形物の成分割合を表3に示す。更にろ過残渣の成分を表4に示す。また、沈殿物の生成過程で析出してきた殿物を乾燥し、分析を行ったところ、主成分は炭酸カルシウム(CaCO)であった。さらに蛍光X線分析により測定した結果、CaCO等と共に重金属類が含まれていることが確認できた。図2にその結果を示す。
Figure 2005230655
Figure 2005230655
Figure 2005230655
Figure 2005230655
表1及び表2に示されるガス抽気ダストの成分から得られるろ過残渣成分は、表4に示すように、非鉄製錬原料として利用でき、Pb,Zn,Cu等のような有用な金属を採取することができ、また表3から明らかなように、ろ液の乾燥品からは加里肥料を採取することができる。
サスペンションプレヒーター付キルンでセメントを製造する際に発生するガス抽気ダストと水を1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定したところ、pH=5.3で酸性であった。この混合液に水酸化カルシウムを添加し、混合液のpHを11.5に調整した。その後、ろ過工程を行うことなく直接、20体積%の炭酸ガスを吹き込み、混合攪拌した。その後、静置し、3時間後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣(5%)を得た。このろ液に塩素ガスを吹き込むことにより臭素を採取することが可能であった。なお、ろ過後のろ液について重金属濃度を測定したところ、Pb,Cd,Zn,Cuとも<0.1mg/Lであった。
サスペンションプレヒーター付キルンでセメントを製造する際に発生するガス抽気ダストと水とを1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定したところ、pH=10.6でアルカリ性であった。この該混合液に混合液に水溶性炭酸塩としてNaCOを添加した(ダスト比約1.0%)。
その後、静置し、1時間後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣(8%)を得た。このうち、ろ液を100℃の温度で乾燥し、固形物を得た。この固形物は、カリ肥料として有用であった。なお、ろ過後のろ液について重金属濃度を測定したところ、Pb,Cd,Zn,Cuとも<0.1mg/Lであった。
焼却炉から発生する焼却灰を用意し、該ダストと水を1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定したところ、pH=11.2でアルカリ性であった。ついで該混合液に水溶性炭酸塩としてNaCOを添加した(ダスト比1.0%重量部)。その後、静置し、5時間後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣(25%)を得た。このうち、ろ過残渣100℃の温度で乾燥し、固形物を得た。この固形物は、非鉄製錬原料として有用であった。表5に固形物(ろ過残さ)の分析値を示す。また、ろ液を分析したところ、水質汚濁法による排水基準を満足していた。表6にろ液の分析値を示す。
Figure 2005230655
Figure 2005230655
焼却炉から発生する焼却飛灰と水を1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定したところ、pH=12でアルカリ性であった。この混合液に水溶性炭酸塩としてNaCOを添加した(ダスト比約1.0%重量部)。その後、静置し、2時間後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣(5%)を得た。このろ過残渣は非鉄製錬原料として有用であった。表7に固形物(ろ過残渣)の分析値を示す。
Figure 2005230655
サスペンションプレヒーター付キルンでセメントを製造する際に発生するガス抽気ダストと水を1:10の割合で混合攪拌する。得られた混合液のpHを測定した結果、pH=5.4で酸性であった。Caイオン添加の効果を検証するために得られた混合液に、pH調整剤として、Ca(OH)2、KOHをそれぞれ添加し、得られたそれぞれの混合液のpHを測定したところ、Ca(OH)2を添加した混合液のpHは11.4であり、KOHを添加した混合液のpHは11.4であった。ついでこれらの混合液に水溶性炭酸塩としてNa2CO3をダスト比1%重量部添加した。その後、静置し、1時間後に、ろ過操作により得られた液と沈澱物とを共にろ過することによりろ液とろ過残渣を得た。ろ液を分析したところ、表8に示されるように、ろ液中のPb分とCd分は、Ca(OH)2を用いた場合には、いずれも0.1mg/L以下であり、またKOHを用いた場合には、それぞれ0.1mg/Lと0.1mg/Lであった。Ca(OH)2の添加が重金属の除去に有用であることが確認できた。
Figure 2005230655
まず、表9に示す組成の抽気ダスト100gを水1Lにてスラリーとした。そのときのpHは12.2であった。また、比較のため、このスラリーの一部を抜き取り、ろ過した後、ろ液1を得た。
次に、当該スラリーに、15%CO−空気混合ガスを吹き込み、スラリーのpHを10.5に調整した。ここで、比較のため、pH調整後、この混合ガスの吹き込みを止め、スラリーの一部を抜き取り、ろ過した後、ろ液2を得た。
次に、pH10.5に調整したスラリーを1時間静置後、固液分離し、ろ液3を得た。
これらの工程で得られたろ液3をろ液1,2と比較するため、これらを重金属の分析に供するとともに、それらのpHをも測定した。この分析・測定結果を表10に示す。
以上の工程については図3のフロー図により示す。
この表10に示すように、炭酸ガスを吹き込むことにより、液中の重金属濃度が低下し、また、ろ液2とろ液3との比較によると、炭酸ガス吹き込み後に所定の静置時間を取ることにより、共沈効果でそのろ液中の重金属濃度が低下することが判明した。
Figure 2005230655
Figure 2005230655
実施例7に示した濾液3を加熱し、水分を揮発させKCl含有結晶を得た。このKCl結晶中K含有量は43%であり、KO換算にて50%以上の値を示し塩化カリウム肥料の規格を満足するものであった。またスラリー濾過後残渣はCa化合物、SiOが主成分であり、セメント原料あるいは非鉄製錬原料として再利用が可能なものであった。表11に固形物(ろ過残渣)の分析値を示す。
Figure 2005230655
この発明のダストを処理する方法は、排ガス処理、産業廃棄物、水処理、リサイクル等の技術分野における産業において効果的に利用される。
この発明のダストを処理する方法に関するフローシートである。 ろ液の重金属の蛍光X線分析の測定結果である。 この発明のダストを処理する方法の実施例に関するフローシートである。

Claims (11)

  1. ダストに水を混合して混合液を得る工程と、
    得られた混合液のpHを10以上に保持する工程と、
    pHが10以上に保持された混合液に、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加するか、または、この陰イオン種を生成した後、これを静置し、共沈作用を利用して水酸化物および炭酸塩の溶解度以下で溶出した重金属を混合液から除去する工程とを含むダストの処理方法。
  2. 上記混合液に添加する、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種が炭酸イオンである請求項1に記載のダストの処理方法。
  3. 上記混合液に添加する炭酸イオンを生成させる物質が、水溶性炭酸塩または炭酸ガスである請求項2に記載のダストの処理方法。
  4. 上記混合液に重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせる陰イオン種を添加しまたはこの陰イオン種を生成させた後、この混合液を静置する時間は少なくとも30分以上とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
  5. 上記混合液に、重金属の共沈作用を有するカルシウムの不溶性塩を生じさせるためのカルシウムイオンを添加する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
  6. 重金属を除去した液を1回のろ過工程で固液分離し、これから副産物を取り出す請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
  7. 上記副産物が肥料原料である請求項6に記載のダストの処理方法。
  8. 上記副産物が臭素である請求項6に記載のダストの処理方法。
  9. 上記副産物がセメント原料または非鉄製錬原料である請求項6に記載のダストの処理方法。
  10. 上記ダストが、サスペンションプレヒータ付きキルンでセメントを製造する際に発生するキルン窯尻から抽気したガスを冷却したことによって得られたセメントキルンダストである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
  11. 上記ダストが、ごみ焼却炉からでる焼却灰または焼却飛灰である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のダストの処理方法。
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