JP2006232597A - 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法 - Google Patents

溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006232597A
JP2006232597A JP2005048286A JP2005048286A JP2006232597A JP 2006232597 A JP2006232597 A JP 2006232597A JP 2005048286 A JP2005048286 A JP 2005048286A JP 2005048286 A JP2005048286 A JP 2005048286A JP 2006232597 A JP2006232597 A JP 2006232597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
solution
added
artificial zeolite
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005048286A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Takayanagi
和弘 高柳
Shuichi Ohara
周一 大原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aomori Prefecture
Original Assignee
Aomori Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aomori Prefecture filed Critical Aomori Prefecture
Priority to JP2005048286A priority Critical patent/JP2006232597A/ja
Publication of JP2006232597A publication Critical patent/JP2006232597A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

【課題】 原料として溶融還元スラグを用い、簡易な工程かつ短時間で可能な溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法を提供すること。
【解決手段】 pH2以下となるように硫酸を含む酸を添加して、少なくともシリカとアルミナを含む溶融還元スラグを溶解し、不溶解物と生成する硫酸塩の沈澱を分離した溶液を原料溶液とし、これにアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することにより、人工ゼオライトを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は溶融還元スラグから簡易に人工ゼオライトを製造する方法に関する。
廃棄物の有効利用として、近年、廃棄物を原料とする人工ゼオライト製造方法の開発が行われいる。石炭灰から製造される人工ゼオライトにおいては実用化されており、溶融スラグからゼオライトを合成する方法も研究されている(逸見彰男著:無機系廃棄物の人工ゼオライト転換による有効利用)。
溶融スラグを原料とする場合、ゼオライト化を阻害するCa分を多量に含む場合が多く、Ca分を除去した後にゼオライト化を行う製造方法が提案されている。
特開08-259221では高炉水砕スラグを原料とし、Ca分を除去した後、ゼオライトを製造する方法が提案されている。それによれば、〈1〉スラグを1N以上の硫酸に溶解、〈2〉生成する石膏を分離、〈3〉ろ液をpH3未満に調整、〈4〉生成するシリカゲルをろ過して分離、〈5〉そのろ液をpH13以上に調整、〈6〉重金属等の沈殿物を分離、〈7〉そのろ液をpH4〜9に調整、〈8〉沈殿したアルミナを分離、〈9〉上記のシリカとアルミナにナトリウム分を調整し85〜150℃、6〜100時間の条件でゼオライトを水熱合成する。以上のような9工程を経てA型、またはX型のゼオライトを製造している。
特開昭60-108357では溶鉱炉スラグを原料として、〈1〉粉砕したスラグを廃硫酸(他用途で使用したもの)にpH1.5前後で溶解、〈2〉生成した石膏をろ過、〈3〉ろ液に炭酸カルシウムを添加してpH3.2前後に調整、〈4〉得られた石膏とシリカゲルの沈殿物のうち、浮遊法によってシリカゲル沈殿を分離、〈5〉シリカゲルろ過後のろ液にシリカ対アルミナの比が0.1になるように可溶性シリカを添加、〈6〉炭酸カルシウムを添加してpH3.9に調整後、水酸化ナトリウムを添加してPH4.6に調整、〈7〉アルミナゲルと石膏の沈殿物をろ過、〈8〉浮遊法によりアルミナゲルと石膏を分離、〈9〉上記のシリカゲル、アルミナゲルを水酸化ナトリウムでpH10まで中和、〈10〉中和ゲル各々に一定量の水酸化ナトリウム溶液を添加し、アルミナゲルを溶解、〈11〉アルミナゲルを溶解した溶液の重金属等の不溶解物をろ別、〈12〉上記の二液を混合し、常温で一夜熟成、〈13〉85℃で2時間加熱して結晶化する。以上の13工程を経て高炉スラグからA型ゼオライトを製造している。
特開昭58-120512では水砕スラグ粉末を原料として、〈1〉水砕スラグ粉末を無機酸水溶液(硫酸を除く)に溶解、〈2〉アンモニアガスを吹き込んでpHを4〜9に調整、〈3〉沈殿物(シリカ、アルミナが主成分、カルシウム分は濾液側)をろ別、〈4〉沈殿物にアルカリを添加して100〜150℃で5時間以上水熱合成する。以上の4工程を経てA型、またはP型のゼオライトを製造している。
特開平08-259221号公報「高純度のゼオライトの製造方法」 特開昭60-108357号公報「ゼオライトAの製造方法および得られた生成物」 特開昭58-120512号公報「ゼオライト質組成物の製法」
上記したようにCa分を含む溶融スラグを出発原料とする従来のゼオライト合成法は、ゼオライトの直接的な原料であるシリカ、アルミナをゼオライト化を阻害するCa分と分離するために多大な工程を必要としていた。また、溶融スラグを出発原料とする従来の水熱合成反応では、固体粉末と水酸化ナトリウム溶液との固液反応のため、ゼオライト化に5時間以上の長い時間を要していた。
一方、溶融還元スラグを原料とすれば、重金属の含有量がきわめて少ない安全な人工ゼオライトを製造することができ、さらに溶融還元スラグの原料として、生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物を焼却して生じた焼却灰および飛灰を用いることができ、廃棄物の有効利用を図ることができる。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、原料として上述の各利点を有する溶融還元スラグを用い、簡易な工程で、かつ短時間で製造することのできる、溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、硫酸を含む酸溶解によりCaが分離された溶融還元スラグの酸溶解液を用いてアルカリ水熱合成反応を行うことによって上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下のとおりである。
(1) pH2以下となるように硫酸を含む酸を添加して、少なくともシリカとアルミナを含む溶融還元スラグを溶解し、不溶解物と生成する硫酸塩の沈澱を分離した溶液を原料溶液とし、これにアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することを特徴とする人工ゼオライト製造方法。
(2) pH2以下となるように硫酸を含む酸を添加して、少なくともシリカとアルミナを含む溶融還元スラグを溶解し、不溶解物と生成する硫酸塩の沈澱を分離した溶液に、該溶融還元スラグ中のSiOもしくはAl量が不足の場合にはSi分もしくはAl分を添加したものを原料溶液とし、これにアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することを特徴とする人工ゼオライト製造方法。
(3) アルカリ水熱合成に用いるアルカリ金属水酸化物またはその溶液は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムに係るものであって、その添加量は添加した酸を中和する量とスラグのSi当量の1倍以上をあわせた量であり、かつ、添加後の溶液のアルカリ金属水酸化物濃度が1N以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
(4) 前記酸の添加量は、前記溶融還元スラグのスラグ当量以上4倍以下であり、かつ該溶融還元スラグに含有されるCa当量以上の硫酸を含むことを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
(5) 前記溶融還元スラグの粒径は2mm以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
(6) 前記水熱合成の工程における加熱条件は、70℃以上160℃以下で、2時間以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
(7) 前記原料溶液のSiO2とAl2O3の比は6:1から1:2の範囲とすることを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
(8) 前記溶融還元スラグは生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等を焼却して生じた焼却灰や飛灰を原料として溶融還元処理により重金属類を分離した溶融還元スラグであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の人工ゼオライト製造方法。
本発明の溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、溶融還元スラグを原料として、人工ゼオライトを簡易な工程で製造することができ、また、2〜4時間の短い時間でアルカリ水熱合成することができる。また、溶融還元スラグをゼオライトの原料としているので、重金属の含有量がきわめて少ない安全な人工ゼオライトが製造でき、さらに、溶融還元スラグの原料として、生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物を焼却して生じた焼却灰および飛灰を用いれば廃棄物の有効利用をはかれるという効果もある。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明では、製鋼・精錬で排出される溶融還元スラグや廃棄物の焼却灰等を溶融還元して重金属を除去したスラグにpH2以下になるように硫酸を添加して、該溶融スラグを溶解し、不溶解物と生成した硫酸塩の沈殿物を分離した後、分離後の溶液にアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することを主たる構成とする。これにより上記課題を解決し、簡便で短時間でゼオライトを合成することができる。
また、Si分やAl分は溶解状態、または、コロイド状態になっているため、Si分やAl分がシリカやアルミナ等の固体粉末で水熱合成を行う従来方法に比べて、短時間でゼオライト化のための水熱合成を行うことができる。
さらに本発明では、スラグからSi分やAl分を分離することなくゼオライト化を行えるので、製造工程が削減できる。
より具体的には、〈1〉溶融還元スラグに硫酸を含む酸をpH2以下になるように添加して溶解。〈2〉不溶解物と生じた硫酸カルシウム等の硫酸塩をろ過等により分離。〈3〉分離した溶液にアルカリ金属水酸化物またはその水溶液を添加し、70℃以上に加熱して2時間以上水熱合成を行う。以上の3工程により非常に簡便に人工ゼオライトを製造することができる。
なお、ここでいう溶融還元スラグとは、Si分とAl分を含有した、高炉残滓や生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等を焼却して生じた焼却灰や飛灰を還元雰囲気で溶融し、含まれていたFe、Cu等の重金属の酸化物を還元して分離した溶融スラグを冷却して得られたスラグを指し、重金属を多く含まないという特徴を有する。冷却は徐冷でも急冷、水冷でも良いが、急冷、水冷スラグの方が結晶化が妨げられているため、酸溶解が短時間で済み、好ましい。
スラグの融点を下げるために、スラグには通常Ca分が添加されており、スラグに含まれるCa分はゼオライト合成過程において珪酸カルシウムを形成して、ゼオライト化を阻害することが知られている。このため溶融還元スラグからCa分の除去が必須となる。Ca分の除去方法としてスラグを硫酸を含む酸に溶解し、硫酸によって硫酸カルシウムの沈澱として不溶解物と共にろ過等により分離する。ここで、分離する方法はろ過に限定されるものではなく、遠心分離法、浮遊法等の他の手段であっても良い。スラグ溶解に使う酸はCa分を除去するため、硫酸カルシウムの沈澱を生成できる硫酸を必ず用いなければならないが、塩酸、硝酸などの他の酸と硫酸を組み合わせて使ってもかまわない。
硫酸に溶解させるスラグの粒径は細かいほど早く溶解することができ、粒径が大きくなるほど溶解時間が長くなるので、実用的には粒径2mm以下であることが望ましい。
酸添加量はスラグのスラグ当量以上で、かつ、スラグに含有されるCa当量以上の硫酸を添加することが好ましい。さらに、スラグが溶解した後の溶液のpHが2以下になるように酸を添加する。ここで、スラグ当量とはスラグを構成する元素の塩基の化学当量の合計量を示し、Si当量やCa当量はスラグ中のSi分とCa分の化学当量である。
これは、酸濃度がスラグ当量より小さいとスラグが完全に溶解しないためであり、Ca分を完全に除去するためにはCa当量以上の硫酸を添加して硫酸カルシウムの塩を生じさせることが必要である。また、溶液のpHを2以下にするのは、pH2以上であると溶解工程中に溶液がゲル状になり、溶液と不溶解物および生じた硫酸塩との分離が困難になるためである。pH2以下であれば不溶解物と硫酸塩の沈澱を溶液と容易に分離することが可能である。
また、酸をスラグ当量より大過剰に添加することは、本発明の本質を損なうものではないが、アルカリ水熱合成するために添加するアルカリ金属水酸化物またはその溶液の添加量が多くなってしまうので、酸の添加量はスラグ当量の4倍以下が望ましい。
同様に溶解工程のスラグに対する固液比(S/L比)についても、高すぎる場合には溶解したSi分がゲル化しやすくなる。低すぎる場合には、添加した酸の濃度が低いとスラグの溶解に長時間要したり、溶解が困難となったり、液量が増加してしまうため、固液比は0.01以上0.15以下が望ましい。
不溶解物や沈澱した硫酸塩を分離した溶液に添加するアルカリ金属水酸化物、またはその溶液としては、NaOHやKOHが一般的であるが、ゼオライト化の水熱合成反応にはNaOHがもっとも一般的に使用される。添加するアルカリ金属水酸化物、またはその溶液の添加量は、酸溶解工程で添加した酸を中和する量とスラグに含まれているSi当量とを、少なくとも同量以上合わせたアルカリ当量を添加することが望ましい。
また、上記に加え、水熱反応に供する溶液のアルカリ金属水酸化物濃度が1N以上になるようにすることがよい。濃度が薄過ぎる場合、アルカリ水熱合成反応がゆるやかとなってゼオライト化が進行しづらくなり、ゼオライト製造に長時間を要するためである。
アルカリを添加した処理液は、ゼオライト化を進行させるため70℃以上に加熱する。加熱により液量の蒸発が激しいようであれば、蒸気を冷却回収して処理液に戻すか、100℃を超える加熱では耐圧容器のような密閉して加熱できる装置で行うとよい。実際的には70℃〜160℃で加熱処理することが望ましい。加熱時間は少なくとも2時間が必要である。本発明の方法であれば、少なくとも2時間加熱を行うことでA型ゼオライトやソーダライトを主成分とした人工ゼオライトを得ることができる。加熱時間は長時間であってもよいが、2〜4時間程度の加熱で人工ゼオライトを充分に生成することができる。
生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等を焼却して生じた焼却灰や飛灰をスラグ化したゴミ溶融スラグは様々な重金属を含んでいるが、溶融還元処理によりPb、Cd、Zn、Cr、Ni、Cu、Feなどの重金属は金属成分として分離することができる。その溶融還元スラグの重金属の含有量はFeが0.5wt%以下となり、その他の重金属成分については0.01%以下となる。このスラグから得られたゼオライトは重金属の含有量が少ないので、重金属の溶出や土壌への蓄積を防止することができる。また、重金属分が低減されたことにより、生成するゼオライトが重金属によって着色せず、白色の人工ゼオライトを得ることができる。
スラグは主要組成がSiO2、Al2O3、CaO、MgOなどで、ゼオライト原料とする際には少なくともSi分、Al分がスラグに含有されていなければならず、SiO2が25wt%以上、Al2O3が5%以上でSiO2+Al2O3が40wt%以上含有されていることが望ましい。ゼオライト化に必要なSi分、Al分の含有量が少ないと生成されるゼオライトも少なくなるためである。SiO2、Al2O3のうちどちらかが少ない場合には、少ない方の成分を添加した後に水熱合成反応を行うことにより収量が増えるので、SiO2とAl2O3の比が6:1から1:2の範囲を逸脱するようなスラグの場合には、その範囲に入るように、水熱合成反応前にSi分、またはAl分を添加することが望ましい。
Ca分の含有量は、これが多い場合は副産物の処理に窮し、ゼオライトの原料であるSi分、Al分の含有量が低下する。逆に含有量が少ない場合は、酸処理によってスラグが溶解しにくくなるので、10wt%〜50wt%の範囲で含有していることが望ましい。Mg分も含有量が多いとゼオライトの原料であるSi分、Al分の含有量が低下するため、含有量は少ない方が好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例に用いたスラグの組成を表1に示す。また、図18は各実施例における処理を施す前のスラグの一例についての走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例1>
水砕し粒径を2mm以下としたゴミ溶融還元スラグA(非晶質)10gに蒸留水と18N硫酸を13.5ml添加し、容量を100ml、pH1.6とした。溶解時間は35minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液に5N-NaOH溶液100mlを加え、容量200ml、アルカリ濃度2.5Nとし、ホットスターラーで撹拌しながら液温90℃で2h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末9.3gを得た。
これをX線回折したところ、A型ゼオライトとソーダライトが生成していた(図1)。ゼオライトの特性の1つであるメチレンブルー(以下MBとする)吸着量は12.7mg/gであった。なお、図12は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例2>
2mm以下に粉砕した、徐冷したゴミ溶融還元スラグB(結晶質)5gに蒸留水と18N硫酸を7ml添加し、容量を50ml、pH1.4とした。溶解時間は26minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液を90℃に加熱し、90℃に加熱した5N-NaOH溶液50ml加えて、アルカリ濃度2.5Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温90℃で4h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末3.2gを得た。
これをX線回折したところ、ソーダライトが生成していた(図2)。MB吸着量は5.9mg/gであった。
<実施例3>
2mm以下に粉砕した、急冷したゴミ溶融還元スラグC(非晶質)4gに蒸留水と18N硫酸を10.0ml添加し、容量100ml、pH1.2とした。溶解時間29minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液を100℃に加熱し、10N-NaOH溶液43mlと蒸留水を加えて容量150ml、アルカリ濃度2.8Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温100℃で2h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末3.6gを得た。
これをX線回折したところ、ソーダライトが生成していた(図3)。MB吸着量は9.5mg/gであった。なお、図13は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例4>
2mm以下に粉砕した、徐冷したゴミ溶融還元スラグD(非晶質)6gに蒸留水70mlを加え18N硫酸を22.1ml添加し、pH0.9とした。溶解時間21minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液をに、15N-NaOH溶液60mlと蒸留水を加えて、容量150ml、アルカリ濃度5.7Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温80℃で2h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末5.7gを得た。
これをX線回折したところソーダライトが生成していた(図4)。MB吸着量は9.4mg/gであった。
<実施例5>
2mm以下に粉砕した、急冷したゴミ溶融還元スラグC(非晶質)6gに蒸留水70mlを加え18N硫酸を8.4ml添加し、pH1.8とした。溶解時間は30minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液を80℃に加熱し、80℃に加熱した5N-NaOH溶液68mlと蒸留水を加えて、容量150ml、アルカリ濃度2.2Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温80℃で2h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末3.6gを得た。
これをX線回折したところ、A型ゼオライトとソーダライトが生成していた(図5)。MB吸着量は9.7mg/gであった。なお、図14は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例6>
2mm以下の粉砕した、急冷したゴミ溶融還元スラグC(非晶質)1gに蒸留水と18N硫酸を2ml添加し、容量100ml、pH2.0とした。溶解時間は41minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液を耐圧容器(オートクレーブ)に入れ、5N-NaOH溶液28mlと蒸留水を加えて、容量130ml、アルカリ濃度1.1Nとした。撹拌しながら液温160℃とし3h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末0.8gを得た。
これをX線回折したところ、A型ゼオライトとソーダライトが生成していた(図6)。MB吸着量は6.1mg/gであった。
<実施例7>
水砕し粒径を2mm以下としたスラグE(非晶質:平均粒径1.1mm)、8gに蒸留水と18N硫酸を13.5ml添加し、容量53.5ml、pH1.1とした。溶解時間は29minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液に10N-NaOH溶液53mlと蒸留水を加えて、容量150ml、アルカリ濃度3.5Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温70℃で4h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して、白色の粉末7.1gを得た。
これをX線回折したところ、ソーダライトが生成していた(図7)。MB吸着量は10.3mg/gであった。なお、図15は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例8>
2mm以下に粉砕(平均粒径0.75mm)した、徐冷したゴミ溶融還元スラグD(非晶質)2gに蒸留水と18N硫酸を5.0ml添加し容量100ml、pH1.5とした。溶解時間は40minであった。
この溶液を耐圧容器(オートクレーブ)に入れ、5N-NaOH溶液30mlと蒸留水を加えて、容量150ml、アルカリ濃度1.0Nとした。液温120℃で撹拌しながら4h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して灰白色の粉末1.6gを得た。
これをX線回折したところ、ソーダライトが生成していた(図8)。MB吸着量は6.6mg/gであった。
<実施例9>
水砕し粒径を2mm以下とした高炉スラグ(非晶質)、6gに蒸留水と18N硫酸を15ml添加し容量85ml、pH0.9とした。溶解時間は40minであった。
この溶液を70℃に加熱し、70℃に加熱した15N-NaOH溶液43mlと蒸留水を加えて容量150ml、アルカリ濃度4.3Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温70℃として3h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して灰白色の粉末5.6gを得た。
これをX線回折したところ、ソーダライトが生成していた(図9)。MB吸着量は9.3mg/gであった。
<実施例10>
2mm以下の粉砕した、急冷したゴミ溶融還元スラグF(非晶質)5gに、蒸留水を加え撹拌しながら18N硫酸を7ml添加し、容量75ml、pH1.5とした。溶解時間は28minであった。
この溶液に加熱し、Al薄1gを加えて溶解し、10N-NaOH溶液36mlと蒸留水を加えて容量150ml、アルカリ濃度2.4Nとした。ホットスターラーで撹拌しながら液温90℃として2h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して灰白色の粉末5.2gを得た。
これをX線回折したところ、A型ゼオライトとソーダライトが生成していた(図10)。MB吸着量は9.9mg/gであった。なお、図16は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
<実施例11>
水砕し粒径を2mm以下としたゴミ溶融還元スラグA(非晶質)10gに蒸留水と18N硫酸を7mlと6N塩酸21mlを添加し、容量を100ml、pH1.2とした。溶解時間は34minであった。不溶解物および沈殿物を吸引ろ過により分離した。
この溶液に7N-NaOH溶液100mlを加え、容量200ml、アルカリ濃度3.5Nとし、ホットスターラーで撹拌しながら液温100℃で4h加熱した。生じた沈澱をろ過、水洗、乾燥して白色の粉末9.1gを得た。これをX線回折したところ、A型ゼオライトとソーダライトが生成していた(図11)。MB吸着量は11.1mg/gであった。なお、図17は得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真である。
本発明によれば溶融還元スラグを原料として、人工ゼオライトを簡易な工程で、かつ2〜4時間という短い時間で製造することができる。また、重金属の含有量がきわめて少ない安全な人工ゼオライトが製造できる。したがって、産業上利用価値が高い発明である。
本発明実施例1により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例2により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例3により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例4により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例5により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例6により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例7により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例8により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例9により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例10により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例11により得られる人工ゼオライトのX線回折グラフである。 本発明実施例1により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明実施例3により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明実施例5により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明実施例7により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明実施例10により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明実施例11により得られる人工ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真である。 各実施例における処理を施す前のスラグの一例についての走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. pH2以下となるように硫酸を含む酸を添加して、少なくともシリカとアルミナを含む溶融還元スラグを溶解し、不溶解物と生成する硫酸塩の沈澱を分離した溶液を原料溶液とし、これにアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することを特徴とする人工ゼオライト製造方法。
  2. pH2以下となるように硫酸を含む酸を添加して、少なくともシリカとアルミナを含む溶融還元スラグを溶解し、不溶解物と生成する硫酸塩の沈澱を分離した溶液に、該溶融還元スラグ中のSiO2もしくはAl2O3量が不足の場合にはSi分もしくはAl分を添加したものを原料溶液とし、これにアルカリ金属水酸化物またはその溶液を添加して水熱合成することを特徴とする人工ゼオライト製造方法。
  3. アルカリ水熱合成に用いるアルカリ金属水酸化物またはその溶液は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムに係るものであって、その添加量は添加した酸を中和する量とスラグのSi当量の1倍以上をあわせた量であり、かつ、添加後の溶液のアルカリ金属水酸化物濃度が1N以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
  4. 前記酸の添加量は、前記溶融還元スラグのスラグ当量以上4倍以下であり、かつ該溶融還元スラグに含有されるCa当量以上の硫酸を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
  5. 前記溶融還元スラグの粒径は2mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
  6. 前記水熱合成の工程における加熱条件は、70℃以上160℃以下で、2時間以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
  7. 前記原料溶液のSiO2とAl2O3の比は6:1から1:2の範囲とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
  8. 前記溶融還元スラグは生活ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等を焼却して生じた焼却灰や飛灰を原料として溶融還元処理により重金属類を分離した溶融還元スラグであることを特徴とする、請求項1または2に記載の人工ゼオライト製造方法。
JP2005048286A 2005-02-24 2005-02-24 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法 Pending JP2006232597A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005048286A JP2006232597A (ja) 2005-02-24 2005-02-24 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005048286A JP2006232597A (ja) 2005-02-24 2005-02-24 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006232597A true JP2006232597A (ja) 2006-09-07

Family

ID=37040662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005048286A Pending JP2006232597A (ja) 2005-02-24 2005-02-24 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006232597A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100436323C (zh) * 2007-01-23 2008-11-26 东北大学 一种填充阻燃剂纳米氢氧化镁铝的制备方法
CN104291354A (zh) * 2013-07-20 2015-01-21 东北大学 一种以钒渣为原料制备沸石4a及钒钛催化剂的方法
CN104291353A (zh) * 2013-07-20 2015-01-21 东北大学 一种以红土镍矿酸浸渣为原料制备4a沸石的方法
JP2016022417A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 Jfeスチール株式会社 捕集材の製造方法、捕集材、及び被処理物質の処理方法
JP2017057095A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 国立大学法人 熊本大学 ゼオライトの製造方法
JP2018149538A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 株式会社三井E&Sホールディングス 溶融スラグ処理方法、シリカ原料、高比表面積シリカ、メソポーラスシリカ、及びシリカ製造方法
CN108840343A (zh) * 2018-08-28 2018-11-20 太原理工大学 一种利用煤矸石制备硅溶胶的方法
JP2019156667A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 株式会社三井E&Sエンジニアリング 溶融スラグ処理方法、シリカ原料、ゾル状液、シリカ、及びゾル状液製造方法
CN112779381A (zh) * 2020-12-28 2021-05-11 郑州大学 一种铝硅合金及其制备方法和应用

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100436323C (zh) * 2007-01-23 2008-11-26 东北大学 一种填充阻燃剂纳米氢氧化镁铝的制备方法
CN104291354A (zh) * 2013-07-20 2015-01-21 东北大学 一种以钒渣为原料制备沸石4a及钒钛催化剂的方法
CN104291353A (zh) * 2013-07-20 2015-01-21 东北大学 一种以红土镍矿酸浸渣为原料制备4a沸石的方法
CN104291353B (zh) * 2013-07-20 2016-07-06 东北大学 一种以红土镍矿酸浸渣为原料制备4a沸石的方法
JP2016022417A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 Jfeスチール株式会社 捕集材の製造方法、捕集材、及び被処理物質の処理方法
JP2017057095A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 国立大学法人 熊本大学 ゼオライトの製造方法
JP2018149538A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 株式会社三井E&Sホールディングス 溶融スラグ処理方法、シリカ原料、高比表面積シリカ、メソポーラスシリカ、及びシリカ製造方法
JP7027672B2 (ja) 2017-03-13 2022-03-02 Jfe環境テクノロジー株式会社 溶融スラグ処理方法、メソポーラスシリカ製造方法、及びシリカ製造方法
JP2019156667A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 株式会社三井E&Sエンジニアリング 溶融スラグ処理方法、シリカ原料、ゾル状液、シリカ、及びゾル状液製造方法
JP7083125B2 (ja) 2018-03-09 2022-06-10 Jfe環境テクノロジー株式会社 溶融スラグ処理方法、シリカ原料製造方法、ゾル状液製造方法、及びシリカ製造方法
CN108840343A (zh) * 2018-08-28 2018-11-20 太原理工大学 一种利用煤矸石制备硅溶胶的方法
CN112779381A (zh) * 2020-12-28 2021-05-11 郑州大学 一种铝硅合金及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006232597A (ja) 溶融還元スラグからの人工ゼオライトの製造方法
JP2007105692A (ja) 塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置
EP3395969B1 (en) Method for immobilizing arsenic, and arsenic-containing vitrified waste
US5674402A (en) Method for the treatment of water treatment sludge
EP1341939B1 (en) Recovery of titanium dioxide from titanium oxide bearing materials like steelmaking slags
JP5843118B2 (ja) 鉄鋼スラグを原料とするハイドロ複合体及びその製造方法
CN111533156A (zh) 焚烧飞灰的处理工艺和焚烧灰渣的处理工艺
KR101870619B1 (ko) 철강슬래그로부터 칼슘 및 실리콘 화합물 제조방법
JP2006241529A (ja) ニッケル化合物またはコバルト化合物から硫黄などを除去する精製方法、フェロニッケルの製造方法
JP2009084124A (ja) 鉄砒素化合物の製造方法
US20100129282A1 (en) High-purity calcium compounds
KR102540810B1 (ko) 양극재 폐도가니로부터 리튬의 회수방법
CN102220495B (zh) 沉钒母液的净化方法
US20230235427A1 (en) Desulfurisation of lead-containing waste
JP2000189927A (ja) 焼却灰又は燐酸アルミニウムを含む素材からのアルミニウムと燐酸塩の分別回収法
JP5028742B2 (ja) ダストの処理方法
JP4536257B2 (ja) 塩化ナトリウム水溶液の製造方法
CN109319896A (zh) 用粉煤灰和钒钛磁铁矿制备絮凝剂的方法
JPH0952716A (ja) めっき廃液からのソフトフェライト用複合酸化物粉末の製造方法
KR101120106B1 (ko) 슬래그를 이용한 염화칼슘의 제조방법
JP2004049952A (ja) 酸性廃水の処理方法
JP5028740B2 (ja) ダストの処理方法
JP3870400B1 (ja) 水酸化アルミニウムスラッジの精製方法
JP2005230655A (ja) ダストの処理方法
WO2024053678A1 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法及び製造システム