JP7027672B2 - 溶融スラグ処理方法、メソポーラスシリカ製造方法、及びシリカ製造方法 - Google Patents

溶融スラグ処理方法、メソポーラスシリカ製造方法、及びシリカ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に環境エネルギー施設から発生する溶融スラグを原料とした、溶融スラグ処理方法、シリカ原料、高比表面積シリカ、メソポーラスシリカ、及びシリカ製造方法に関する。
従来から、高比表面積シリカのシリカゲル、規則性多孔構造を持つメソポーラスシリカ(mesoporous silica)、ゼオライト(zeolite)等の高機能なシリカ組成物が、光学デバイス、触媒、吸着材料、薬物送達システム、コーティング、化粧品原料、生物学的分離、診断、ガスセンサー、分離膜、イオン交換材料、脱水、湿度調節等の各種用途に用いられている。また、これらの高機能なシリカ組成物は、いわゆるナノテクノロジーのための素材として注目されている。
ここで、従来の高機能なシリカ組成物は、中間物質としてテトラエトキシシラン(Si(OC254、TEOS)、珪酸ソーダ等を使用して合成されていた。
たとえば、特許文献1には、従来のメソポーラスシリカの合成方法の一例が記載されている。
特開2010-120812号公報
しかしながら、従来、高機能なシリカ組成物の製造プロセスでは、高価な中間物質を経由して合成する必要があるため、コストが高かった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、安価な原料を基に高機能なシリカ組成物を取得可能な技術を提供し、上述の問題を解消することを目的とする。
本発明の溶融スラグ処理方法は、溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、未溶解物を取得し、界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、前記酸の前記特定濃度は、0.5~4Nであり、前記特定温度は、20~100℃であり、前記特定時間は、5時間以上であり、100mLの前記酸に対して、水を10~50mL、前記溶融スラグを6~25g、前記界面活性剤を2~6gとする混合比で加えられることを特徴とする。
本発明の溶融スラグ処理方法は、溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、未溶解物を取得し、界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、前記酸の前記特定濃度は、11~12Nであり、前記特定温度は、20~100℃であり、前記特定時間は、5時間以上であり、8~15mLの前記酸に対して、水を100mL、アルコール1~10mL、前記溶融スラグを3~10g、前記界面活性剤を1~5gとする混合比で加えられることを特徴とする。
本発明の溶融スラグ処理方法は、前記溶融スラグは、Si:Ca:Alの質量比が1:0.1~7.0:0.2~0.9であることを特徴とする。
本発明の溶融スラグ処理方法は、前記溶融スラグは、環境エネルギー施設から発生するスラグ及び/又は鉄鋼スラグであることを特徴とする。
本発明の溶融スラグ処理方法は、前記酸は、塩酸であることを特徴とする
本発明のメソポーラスシリカ製造方法は、前記溶融スラグ処理方法の前記焼成処理により製造することを特徴とする。
本発明のシリカ製造方法は、環境エネルギー施設から発生する溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、未溶解物を取得し、界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、前記酸の前記特定濃度は、0.5~4Nであり、前記特定温度は、20~100℃であり、前記特定時間は、5時間以上であり、100mLの前記酸に対して、水を10~50mL、前記溶融スラグを6~25g、前記界面活性剤を2~6gとする混合比で加えられることを特徴とする。
本発明のシリカ製造方法は、環境エネルギー施設から発生する溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、未溶解物を取得し、界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、前記酸の前記特定濃度は、11~12Nであり、前記特定温度は、20~100℃であり、前記特定時間は、5時間以上であり、8~15mLの前記酸に対して、水を100mL、アルコール1~10mL、前記溶融スラグを3~10g、前記界面活性剤を1~5gとする混合比で加えられることを特徴とする。
本発明によれば、環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する産業廃棄物等である安価な溶融スラグに対し、特定濃度の塩酸を加えて、特定温度で溶解処理し、未溶解物を取得することで、低コストで高機能なシリカ組成物が得られる溶融スラグ処理方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法を含む反応のフローチャートである。 本発明の実施例1に係る溶融スラグ及び比較例に係るクリスタルガラスのX線回折分析のグラフである。 本発明の比較例に係る結晶性珪砂及び文献値の石英のX線回折分析のグラフである。 本発明の実施例1に係るメソポーラスシリカの写真である。 本発明の第二実施形態に係る溶融スラグ処理方法を含む反応のフローチャートである。 本発明の実施例2に係るゾル状液の写真である。
<第一実施形態>
図1に示すように、本発明者らは、環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する副産物である溶融スラグの有効活用について鋭意研究を行っていた。この溶融スラグは、非晶質を含むことによって反応性に富んでいた。このため、この溶融スラグを可溶化してケイ酸に精製し、重合、乾燥、塩基処理、酸処理等を行って、高比表面積シリカ(シリカゲル)、テトラアルコキシシラン等の有機ケイ素の原料として用いることが可能であることが分かった。
本発明者らは、この研究を更に進め、鋭意実験を繰り返したところ、溶融スラグに特定濃度の酸を加え、特定温度で溶解処理を行うことで、シリカ多孔質を得ることができるという、当業者に予測がつかない反応が起こることを見いだした。これは、溶融スラグに含まれる重金属を含む各種金属成分が除去されて、ケイ素の骨格が残るためであると考えられる。更に、この反応を修正し、界面活性剤を加えて反応させるだけで、特徴的な構造をもつメソポーラスシリカも合成することが可能であった。これらの反応を、図1の太線で示す。
すなわち、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、溶融スラグを原料とすることで、中間物質を経由せずに、直接、高比表面積シリカやメソポーラスシリカ等の高機能なシリカ組成物を製造することができるという顕著な効果が得られる。
具体的に説明すると、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、未溶解物を取得することを特徴とする。
また、本発明の第一実施形態に係るシリカ製造方法は、上述の溶融スラグ処理方法と同様に、環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で溶解処理し、未溶解物を取得することを特徴とする。
ここで、本実施形態の環境エネルギー施設は、例えば、都市ごみ清掃工場、下水汚泥焼却設等である。また、本実施形態の環境エネルギー施設は、例えば、都市ごみ等の一般廃棄物、産業廃棄物、下水汚泥等(以下、単に「ゴミ」と称する。)を熱分解した後、発生ガスを燃焼するとともに、灰や不燃物等を溶融するガス化溶融施設であってもよい。ガス化溶融施設はゴミを熱分解、ガス化して燃焼させ、灰、不燃物等を溶融する施設であり、従来のごみ焼却施設のように灰等を別途処理する必要がないため、効率的にゴミを処理可能である。また、燃焼時の熱を用いて、発電や温水の供給を行うようなガス化溶融施設も存在する。このガス化溶融施設としては、ゴミの熱分解と溶融を一体で行うシャフト炉式、分離して行うキルン式や流動床式であってもよい。なお、ガス化溶融施設以外の焼却施設により焼却した灰を、別途、溶融固化して、下記の溶融スラグとして用いることも可能である。
また、本実施形態の環境エネルギー施設から発生する溶融スラグは、ゴミの灰分を1,200℃以上の高温下で融液の状態にした後、任意の方式で冷却、固化した組成物であってもよい。また、本実施形態の溶融スラグの種類は、ゴミの種類、溶融炉の形式等によって区別される。具体的には、上述の融液を水等の冷却媒体と直接又は間接的に接触させて急速に冷却させて得られるガラス質で細粒状又は砂状である急冷スラグ、融液をコンベア又は容器に受け、大気中又は保温室で冷却させた徐冷スラグ、焼却灰を高温火炎中に噴射して溶融状態にして表面張力により球状にした溶融スラグ、還元雰囲気中で酸化鉄等の金属を分離して取り出された溶融スラグ等であってもよい。
また、本実施形態の溶融スラグとして、一般廃棄物、下水汚泥、又はそれらの焼却灰を溶融固化したコンクリート用溶融スラグ骨材である、JIS A 5031規格の溶融スラグを用いることも可能である。また、本実施形態の溶融スラグとして、一般廃棄物、下水汚泥、又はそれらの焼却灰を溶融固化した道路用溶融スラグである、JIS A 5032規格の溶融スラグを用いることも可能である。
ここで、本実施形態においては、これらの溶融スラグのうち、特に、非晶質(非結晶質、ガラス質、アモルファス)を含むものを用いることで、反応性を高めることができるため、好適である。このような非晶質の溶融スラグにより、後述する酸処理で金属質を溶融させた後でケイ素の骨格を残すことができ、高比表面積シリカを生成させたり、メソポーラスシリカを精製させたりする際に、十分な反応性を得ることが可能である。
このように溶融スラグが非晶質であることは、例えば、下記の実施例で示したように、X線回折分析で結晶由来の回折線が検出されない、又は、特定の閾値以下であることを検出することで、当業者に判別可能である。
なお、本実施形態においては、溶融スラグであれば、ある程度結晶化させた徐冷スラグを用いることも可能である。
また、本実施形態の溶融スラグとして、製鉄施設から発生する鉄鋼スラグ等の石炭等を燃焼させて得られるスラグを用いることも可能である。
本実施形態の鉄鋼スラグとしては、高炉スラグ及び製鋼スラグのいずれも使用可能である。この高炉スラグは、銑鉄製造工程で発生するスラグであり、高炉内に鉄鉱石、コークス、石灰石等の原料を装入し熱風を送ることで還元された溶銑から分離されたものである。この高炉スラグは、CaO、SiO2、Al23を主成分としており、セメントに似た化学組成である。また、この高炉スラグとしては、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ等を用いることが可能である。また、製鋼スラグとしては、製鋼工程において発生するスラグであり、転炉スラグ、電気炉スラグ等を用いることが可能である。転炉スラグは、転炉で酸化精錬の際に生じた酸化物と精錬材から生じるスラグである。この転炉スラグは、CaO、SiO2、Al23を主成分とするものの、高炉スラグよりCaOが多く、水溶液が強いアルカリ性を示す。また、電気炉スラグは、電気炉において炉内雰囲気を酸化性に変化させる際に発生する酸化スラグ、還元性に変化させる際に発生する還元スラグ等を用いることが可能である。
また、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、溶融スラグは、Si:Ca:Alの質量比が1:0.1~7:0.2~0.9の特定質量比であることを特徴とする。この特定質量比は、好ましくは、Si:Ca:Alの質量比が1:0.1~2.1:0.2~0.9、より好ましくは。1:0.1~1.5:0.2~0.9であることを特徴とする。
このような構成比の溶融スラグを用いることにより、環境エネルギー施設から発生する廃棄物である溶融スラグを酸処理するだけで、産業上有用な高比表面積シリカやメソポーラスシリカ等の高機能シリカを得ることができる。
また、鉄鋼スラグ等からでも、産業上有用な高比表面積シリカやメソポーラスシリカ等の高機能シリカを得ることができる。すなわち、本実施形態の溶融スラグとして、Si比率が高いスラグだけでなく、Si:Ca:Alの質量比のうち、Caが多くSi含有量が少なめの高炉スラグ等でも、高比表面積シリカやメソポーラスシリカ等を取得可能である。また、高炉スラグ等でも、後述する第二実施形態のゾル状液を得ることができる。
なお、本実施形態の溶融スラグの代替として、Si:Ca:Alの質量比が特定質量比であり、非晶質であるケイ酸塩を含む粒子も用いることが可能である。たとえば、火山灰、廃ガラスを用いた発泡ガラス粒子等を用いることも可能である。
また、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、酸の特定濃度は、3~12Nであり、特定温度は、20~100℃であり、特定時間は、10分以上であり、100mLの酸に対して、溶融スラグを3~25gとする混合比で加えられることが好適である。
また、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、酸として、金属を溶解させ、ケイ素の骨格を残すような性質のある酸を用いることが可能である。具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、オキソ酸、フルオロ錯体の遊離酸等の強酸を用いてもよい。また、一般的な強酸以外の酸を用いることも可能である。
これらの酸のうち、特に、塩酸を用いることで、上述の性質の高機能シリカを容易に得ることができ、廃液処理等も容易になる。また、酸が塩酸である場合、特定濃度については、3N以上であれば、塩酸の飽和濃度である12Nまで、問題なく用いることが可能である。
なお、本実施形態において、酸の濃度を、規定度(N)=価数×モル数として示す。
また、本発明の第一実施形態に係る高比表面積シリカは、上述の溶融スラグ処理方法により処理された未溶解物であることを特徴とする。
すなわち、上述のような条件で溶解処理をするように構成することで、下記で説明するように、溶解処理後の未溶解物を高比表面積シリカとして取得することが可能となる。
ここで、特定温度が20℃より低い、酸の濃度が3N未満、及び/又は、特定時間が10分未満である場合、溶融反応が十分進まず、溶解処理後の未溶解物のSiO2含有量が低くなる。逆に、酸の濃度、特定時間、特定温度が上がるにつれて、未溶解物のSiO2含有量が高くなる。また、100mLの酸に対して、溶融スラグが3g未満であると、未溶解物の収量が低くなる。また、溶液/溶融スラグの比(Liquid/Slag、以下、単に「L/S」と記載する。)は大きくなるにつれて、未溶解物のSiO2含有量が高くなる。
また、後述の実施例で示すように、未溶解物を高比表面積シリカとして取得する際の酸として、例えば、塩酸を用いた場合、特定濃度は、4N程度、特定温度は、80℃程度、特定時間は120~240分、L/Sは100:3程度であることが、SiO2含有量が高い未溶解物が得られ、高比表面積が高く高品質な高比表面積シリカを得られるため最も好適である。
また、従来、メソポーラスシリカは、高価な有機ケイ素を用いて合成されていたため、利用が限定的であった。
これに対して、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、界面活性剤を加えた上で溶解処理を行い、未溶解物を焼成処理することを特徴とする。
また、本発明の第一実施形態に係るメソポーラスシリカは、上述の溶融スラグ処理方法により製造された焼成処理による生成物であることを特徴とする。
このように構成することで、環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する廃棄物である溶融スラグから、中間物質を経ることなく直接メソポーラスシリカを合成することができる。これにより、製造コストが下がり、メソポーラスシリカの利用拡大につながる。
また、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、酸の特定濃度は、0.5~4Nであり、特定温度は、20~100℃であり、特定時間は、5時間以上であり、100mLの酸に対して、水を10~50mL、溶融スラグを6~25g、界面活性剤を2~6gとする混合比で加えられることを特徴とする。
このような条件で溶解処理をするように構成することで、溶解処理後の未溶解物を直径2~50nmの「メソポーラス」の細孔を備えた高品質なメソポーラスシリカとして取得することが可能となる。ここで、上述のような条件以外である場合、メソポーラスシリカとしての品質が確保できない可能性がある。
また、この場合も、酸として、金属を溶解させ、ケイ素の骨格を残すような性質のある酸を用いることが可能である。
より具体的には、後述の実施例で示すように、未溶解物をメソポーラスシリカとして取得する際の一例として塩酸を用いた場合、特定濃度は、2N程度、特定温度は、20~25℃程度の室温で特定時間として20時間攪拌した後、80℃程度で特定時間として20時間攪拌してもよい。この際、120mL程度の塩酸について、水30mL程度に、4.0gの溶融スラグを加える。また、界面活性剤としては、Pluronic P123を4.0~5.0g程度用いることが好適である。また、焼成処理の温度は、550℃で4時間程度等、当業者に一般的な、界面活性剤を分解させる条件であってもよい。これにより、高品質なメソポーラスシリカを得られるため最も好適である。
また、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、酸の特定濃度は、11~12Nであり、特定温度は、20~100℃であり、特定時間は、5時間以上であり、8~15mLの酸に対して、水を100mL、アルコール1~10mL、溶融スラグを3~10g、界面活性剤を1~5gとする混合比で加えられることを特徴とする。このような条件で溶解処理をするように構成することで、溶解処理後の未溶解物を、窒素ガス吸着法によって求めたBET比表面積は、800m2/gである高品質なメソポーラスシリカとして取得することが可能となる。ここで、上述のような条件以外である場合、メソポーラスシリカとしての品質が確保できない可能性がある。
また、この場合も、酸として、金属を溶解させ、ケイ素の骨格を残すような性質のある酸を用いることが可能である。
より具体的には、後述の実施例で示すように、未溶解物をメソポーラスシリカとして取得する際の他の一例として塩酸を用いた場合、特定濃度は、水100mLに対して、10~12mL程度の12Nの濃塩酸、7.0~8.0mL程度の1-ブタノール、100℃程度の特定温度において、5.0gの溶融スラグを加え、特定時間として20時間攪拌してもよい。また、界面活性剤としては、Pluronic F127を2.0~3.0g程度用いることが好適である。また、焼成処理の温度は、550℃で4時間程度等、当業者に一般的な条件であってもよい。これにより、高品質なメソポーラスシリカを得られるため最も好適である。なお、この反応においても、ブタノールの他にも、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置き換えた各種アルコールを用いることが可能である。
また、上述のように、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法の溶融スラグは、既存のシリカ原料より安価である。このため、本発明の第一実施形態に係る溶融スラグ処理方法で製造されたメソポーラスシリカは、従来より製造コストを下げることができ、メソポーラスシリカの利用拡大につながる。
また、本発明の第一実施形態に係るシリカ原料は、上述の溶融スラグ処理方法により製造されたことを特徴とする。
具体的には、上述の溶融スラグ処理方法により溶融スラグを基に合成された高比表面積シリカ又はメソポーラスシリカ等を含む未溶解物は、上述のように可溶化してケイ酸に精製し、重合、乾燥、塩基処理、酸処理等を行って、高比表面積シリカゲル、有機ケイ素、メソポーラスシリカ等のシリカ原料として加工することが可能である。これにより、廃棄物である溶融スラグを有効に活用することが可能である。
この際、本実施形態のシリカ原料は、メタノール等と反応させて、分子内にSi-C結合を備えたシリコーン樹脂等の有機ケイ素素材の原料として用いることも可能である。すなわち、上述のシリカ原料は、有機ケイ素であるテトラアルコキシシランとして、テトラメトキシシラン(オルトケイ酸テトラメチル、TMOS)、テトラエトキシシラン(オルトケイ酸テトラエチル、TEOS)等を容易に合成することも可能である。
具体的には、本実施形態のテトラメトキシシランは、例えば、上述のシリカ原料として、メタノール、有機脱水剤としてアセトンジメチルアセタール(2,2-ジメトキシプロパン)、水酸化カリウムを加え、二酸化炭素をオートクレーブ内が2MPa以上になるよう充填して密封し、オートクレーブ内で攪拌しつつ240℃程度まで加熟し、24時間以上反応させることで合成可能となる。
また、本実施形態のテトラエトキシシランは、例えば、上述のシリカ原料とエタノールに、触媒として少量の水酸化カリウム、脱水剤として固体状無機物質であるモレキュラーシーブを加えて加熱し反応させることで合成することも可能である。この際、触媒として加えた水酸化カリウムは、シリカの分解すなわちケイ素-酸素結合の切断を促進する。また、無機脱水剤であるモレキュラーシーブは、反応によって生成した水を吸着して、反応系から取り除き、反応が逆方向に戻ってしまうことを防ぐ。
また、本実施形態のシリカ原料は、他の有機ケイ素素材として使用可能である。
本実施形態のシリカ原料は、例えば、有機ケイ素を化学メーカーの素材原料として各種の製品等に混入したり、加工用の原材料として使用したりすることが可能である。
より具体的には、例えば、上述のシリカ原料を、クレンザー等の研磨材の鉱物原料の代替として使用可能である。シリカ原料は、重金属や塩素分、硫黄分等が少ないために、良好な研磨剤として用いることが可能である。
また、上述のシリカ原料は、次世代エコタイヤ等のようにゴムや各種プラスチックへの添加剤として用いることも可能である。
また、上述のシリカ原料は、珪藻土の代替の建築材料として、保温材や耐火材等にも用いることが可能である。
また、上述のシリカ原料は、農薬等を含む各種化学物質のキャリアー(担体)として使用することも可能である。
また、上述のシリカ原料は、自動車用部材、太陽光発電用部材、化粧品、家電製品、宇宙航空用材料、シーリング材等の各種用途に好適に用いることができる。
<第二実施形態>
次に、図5によれば、本発明者らは、上述の第一実施形態と同様の溶融スラグを処理する処理方法において、各種条件を変更して鋭意実験を行った。すると、低酸濃度領域での処理により、ゾル状液が得られることを見出した。このゾル状液(コロイド溶液)は、上述の第一実施形態の未溶解物と同様にシリカ原料として好適に用いることができる。すなわち、本実施形態のゾル状液から、第一実施形態と同様の未溶解物と同様の未溶解ゲルを製造し、高比表面積シリカのシリカゲルを容易に合成可能となる。
さらに、本実施形態のゾル状液を製造する際に、必要な酸の濃度が低くなるため、使用する酸の量を減らすことができ、耐食性に求められる水準も低くなるため、コストを低減できる。また、ゾル状液は、液体のため、保存や搬送が容易となる。
具体的には、本発明の第二実施形態に係る溶融スラグ処理方法は、溶融スラグに対し、特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、ゾル状液を取得することを特徴とする。
この際に、本実施形態の酸の特定濃度は、0.1~3Nであり、特定温度は、20~100℃であり、特定時間は、10分以上であり、100mLの酸に対して、溶融スラグを3~25gとする混合比で加えられることが好適である。
ここで、本実施形態の酸の特定濃度が0.1N未満だと、溶融スラグを十分、溶解できない。また、逆に、3Nより大きいと、第一実施形態の未溶解物を取得する際に溶け出すのと同時に、さらに酸が触媒となりゲル化が進行して、再度未溶解物が生じ、ゾル状液を生じなくなる。
また、溶解処理した後、条件によっては、僅かに未溶解物が残ることがあり、これらは濾紙やフィルター等により濾過して、この未溶解物を除去することが好適である。
図6に、後述する実施例2で製造したゾル状液の外観を示す。
また、本実施形態のゾル状液のコロイド状のシリカの粒子径は、3~50nmであることを特徴とする。ここで、本実施形態においては、動的光散乱法で測定した際の第一ピークのデータを粒子径として用いてもよい。
このように、非常に微細であり表面積が大きいため、反応性が高まり、各種反応に容易に用いることができる。
なお、粒子径が3~50nmより大きい粒子は、未溶解物であるため、上述のように濾過して除去することができる。また、シリカ以外のCa、Al、P、その他の金属イオン等は、各種処理により除去することが可能である。
また、本実施形態の溶融スラグは、第一実施形態と同様に環境エネルギー施設や製鉄施設等から発生する溶融スラグを用いることができる。また、本実施形態の酸も、第一実施形態と同様の各種酸を用いることができ、特に塩酸を用いることが好適である。
また、本実施形態のゾル溶液は、上述の第一実施形態と同様に、シリカ原料として用いることができる。また、テトラメトキシシラン等の合成、他の有機ケイ素素材等を含む各種用途に用いることも可能である。
次に図面に基づき本発明を実施例によりさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(溶融スラグの種類)
以下の実験において、環境エネルギー施設から発生する溶融スラグとして、都市ごみ清掃工場のキルン式のガス化溶融施設から取得した急冷スラグ(水砕スラグ)である「Hスラグ」、「Kスラグ」の二種類の溶融スラグを用いた。このHスラグ、Kスラグとも、Si:Ca:Alの質量比は、1:0.1~1.5:0.2~0.9であり、上述の実施形態で示した特定質量比に含まれていた。
また、比較例として酸化鉛を21%含む、クリスタルガラス及び結晶性の珪砂を用いた。
(X線回折(XRD)定性分析)
Hスラグ、クリスタルガラスを試料とし、前処理として各試料を粉砕し、X線回折分析(島津製作所製、XRD-6100)を行った。測定条件は、X線管球:Cu(1.54060Å)、管電圧:40.0kV、管電流:30.0mA、測定範囲:5.0000~70.0000°、ステップ幅:0.0200°、計数時間:0.60秒、スリットDS:1.00°、SS:1.00°、RS:0.30mmである。
図2によれば、上グラフがHスラグ、下グラフがクリスタルガラスのX線回折分析の結果を示すグラフである。両方とも、結晶由来の回折線は検出しなかったことから、非結晶の状態であると考えられる。
図3によれば、上グラフが石英の理論値(文献値)を示すX線回折分析のグラフ、下が比較例で用いた結晶性の珪砂のX線回折分析のグラフである。この珪砂では、石英と同様の結晶性であるエビデンスを示す、結晶由来の回折線を検出した。
(SiO2濃縮試験)
ここで、Hスラグ、Kスラグ、及びクリスタルガラスについて、特定濃度の塩酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、取得した未溶解物のSiO2純度について計測するSiO2濃縮試験を行った。それぞれ、塩酸の濃度、特定時間(分)、特定温度(℃)、L/Sを変化させた場合のSiO2純度(wt%)の変化を計測した結果を下記に示す。
表1はHスラグの結果、表2はKスラグの結果、表3はクリスタルガラスの結果である。条件0が試験サンプル中のSiO2(wt%)(無処理)を示し、条件1以降は、サンプルを溶解処理して得られた(溶解後に再度固化した)固体分中のSiO2含有量である。
なお、Kスラグ、クリスタルガラスで試験を行った条件は、下記の表において、SiO2(wt%)のデータがある箇所である。
Figure 0007027672000001
Figure 0007027672000002
Figure 0007027672000003
結果として、比較例のクリスタルガラスにおいては、塩酸の濃度、特定時間、特定温度を変化させても、SiO2含有量は、ほぼ変わらなかった。
これに対して、Hスラグ、Kスラグ等の溶融スラグでは、塩酸の濃度、特定時間、特定温度を上昇させるにつれて、SiO2含有量(純度)が高くなっていた。また、L/Sは大きくなるにつれて、SiO2含有量は高くなっていた。また、Hスラグ、Kスラグでは、同様の結果が得られた。これより、SiO2含有量を高めるための最適な条件を求めることができた。
(溶融スラグを原料とする高比表面積シリカの合成例)
上述のSiO2濃縮試験の結果を基に、減圧下、80℃で乾燥した溶融スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:1.2:0.2)3.0gに4Nの塩酸を加え、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、淡黄色の固体を吸引ろ過により回収し、50mLの蒸留水で二回、洗浄を行った。得られた固体を120℃で4時間乾燥し、高比表面積シリカ1.5gを得た。
蛍光エックス線分析(島津製作所社製、EDX1800HS)によって求めたSiO2純度は、88%であった。窒素ガス吸着法(マイクロトラック・ベル社BELSORP-mini)によって求めたBET比表面積は、643m2/gであった。
なお、HスラグとKスラグとで、同様の結果が得られた。以下の試験でも同様であった。
(溶融スラグを原料とするメソポーラスシリカの合成例1)
メソポーラスシリカの合成例として、常温で、水30mL、2規定塩酸120mLの混合液に界面活性剤(BASF社製、Pluronic P123(PEO20-PPO68-PEO20))を4.0g加えて攪拌した。その溶液に、溶融スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:1.2:0.2)6.0gを加えて、室温(約25℃)で20時間攪拌した後、80℃で20時間攪拌した。得られた白色の固体を吸引ろ過により回収した。得られた固体を550℃で4時間加熱して焼成処理したところ、2.50gのシリカを得た。
エックス線回折(ブルカー社製、D8-Advance)によれば、0.94°にピークを持っていた。
図4に、このメソポーラスシリカの合成例の電子顕微鏡写真を示す。規則的な「メソポーラス」の細孔を備えた柱状の構造体がスパゲッティ状に折り重なっていることが分かる。
(溶融スラグを原料とするメソポーラスシリカの合成例2)
次に、別のメソポーラスシリカの合成例として、常温で、水100mLに濃塩酸10.8mL、1-ブタノール7.6mLの混合液に界面活性剤(BASF社製、Pluronic F127)を2.1g加えて攪拌した。その溶液に、溶融スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:1.2:0.2)5.0gを加えて、100℃で20時間攪拌した。室温まで冷却した後、白色の固体を吸引ろ過により回収した。得られた固体(5.75g)の内、2.0gを550℃で4時間加熟して、焼成処理した。最終的に、0.685gのシリカを得た。エックス線回折(ブルカー社製、D8-Advance)によれば、0.71°にピークを持っていた。窒素ガス吸着法(マイクロトラック・ベル社製、BELSORP-mini)によって求めたBET比表面積は、833m2/gであった。
(比較例のクリスタルガラスを原料とする酸処理結果)
上述の比較例のクリスタルガラス(Si:Ca:Alの質量比、1:0.046:0.0018)3.0gに、4Nの塩酸を加え、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、淡黄色の固体を吸引ろ過により回収し、50mLの蒸留水で二回、洗浄を行った。得られた固体を120℃で4時間乾燥し、酸処理クリスタルガラス2.8gを得た。窒素ガス吸着法(マイクロトラック・ベル社製、BELSORP-mini)によって求めたBET比表面積は、0.04m2/gであり、低比表面積であった。
すなわち、結果として、上述の溶融スラグのSi:Ca:Alの特定質量比から外れている、比較例のクリスタルガラスでは、シリカ濃度の向上が無いことに加え、酸で処理しても高比表面積にならなかった。
(比較例の結晶性の珪砂を原料とする酸処理結果)
上述の比較例の結晶性の珪砂(Si:Ca:Alの質量比、1:0.1:0.2)3.0gに4Nの塩酸を加え、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、淡黄色の固体を吸引ろ過により回収し、50mLの蒸留水で二回、洗浄を行った。得られた固体を120℃で4時間乾燥し、酸処理結晶性珪砂2.7gを得た。窒素ガス吸着法(マイクロトラック・ベル社製、BELSORP-mini)によって求めたBET比表面積は、14m2/gであり、低比表面積であった。
すなわち、結果として、上述の溶融スラグのSi:Ca:Alの特定質量比の範囲に含まれても、結晶性である珪砂を酸で処理した場合、高比表面積にならなかった。
(溶融スラグを原料として合成した高比表面積シリカからのテトラメトキシシランの合成例)
追加の実験として、磁気攪拌子を入れた20mL容積のSUS製オートクレーブ(日東高圧社製)に、溶融スラグを原料として合成した高比表面積シリカ1.8g、メタノール5.5g、有機脱水剤としてアセトンジメチルアセタール(2,2-ジメトキシプロパン)2.6g、水酸化カリウム0.02gを加え、25℃の温度下でボンベから二酸化炭素を、圧力計(スウェージロックFST社製、PGI-50M-MG10)が示す圧力でオートクレーブ内が2MPaになるよう充填して10分間攪拌しながら保持し、密封した。その後、オートクレーブ内を1200rpmで攪拌しつつ240℃まで加熟し、24時間反応させた。冷却後、残存する二酸化炭素を放出し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC-2014ATF/SPL)により分析した。二酸化ケイ素基準のテトラメトキシシランの収率は64%であった。
(高炉スラグを原料とする高比表面積シリカの合成)
高炉スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:2.1:0.28)3.2gに、4mol/L(4N)の塩酸100mLを加え、80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、淡黄色の固体を吸引ろ過により回収し、50mLの蒸留水で二回、洗浄を行った。得られた固体を120℃で4時間乾燥し、高比表面積シリカ1.1gを得た。
蛍光エックス線分析(島津製作所社製、EDX1800HS)によって求めたSiO2純度は、97%であった。窒素ガス吸着法(マイクロトラック・ベル社製、BELSORP-mini)によって求めたBET比表面積は、789m2/gであった。
(ゾル状液の合成)
(実験例1)
溶融スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:0.43:0.36)3gに、1mol/L(1N)の塩酸を100mL加え、80℃で30分攪拌した。室温まで冷却し、シリカのゾル状液を得た。動的光散乱法(マルバーン社製、ゼータサイダーナノS)で分析した、ゾル状液中に含まれるコロイド状のシリカの粒子径は、11.7nmであった。
(実験例2)
溶融スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:0.65:0.28)3gに、0.60mol/Lの塩酸を100mL加え、80℃で30分攪拌した。室温まで冷却し、微量に残る不溶な成分をろ過して取り除くことにより、シリカのゾル状液を得た。動的光散乱法(マルバーン社製、ゼータサイダーナノS)で分析した、ゾル状液中に含まれるコロイド状のシリカの粒子径は、15.7nmであった。
(実験例3)
高炉スラグ(Si:Ca:Alの質量比、1:2.1:0.28)3gに、2mol/Lの塩酸を100mL加え、80℃で30分攪拌した。室温まで冷却し、微量に残る不溶な成分をろ過することで取り除くことにより、シリカのゾル状液を得た。動的光散乱法(マルバーン社製、ゼータサイダーナノS)で分析した、ゾル状液中に含まれるコロイド状のシリカの粒子径は、4.8nmであった。
本発明の溶融スラグ処理方法は、環境エネルギー施設から発生する溶融スラグから有用な高比表面積シリカ、メタポーラスシリカ、その他のシリカ原料等を製造することができ、産業上利用することができる。

Claims (8)

  1. 溶融スラグに対し、
    特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、
    未溶解物を取得し、
    界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、
    前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、
    前記酸の前記特定濃度は、0.5~4Nであり、
    前記特定温度は、20~100℃であり、
    前記特定時間は、5時間以上であり、
    100mLの前記酸に対して、水を10~50mL、前記溶融スラグを6~25g、前記界面活性剤を2~6gとする混合比で加えられる
    ことを特徴とする溶融スラグ処理方法。
  2. 溶融スラグに対し、
    特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、
    未溶解物を取得し、
    界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、
    前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、
    前記酸の前記特定濃度は、11~12Nであり、
    前記特定温度は、20~100℃であり、
    前記特定時間は、5時間以上であり、
    8~15mLの前記酸に対して、水を100mL、アルコール1~10mL、前記溶融スラグを3~10g、前記界面活性剤を1~5gとする混合比で加えられる
    ことを特徴とする溶融スラグ処理方法。
  3. 前記溶融スラグは、
    Si:Ca:Alの質量比が1:0.1~7.0:0.2~0.9である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融スラグ処理方法。
  4. 前記溶融スラグは、
    環境エネルギー施設から発生するスラグ及び/又は鉄鋼スラグである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶融スラグ処理方法。
  5. 前記酸は、塩酸である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶融スラグ処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溶融スラグ処理方法の前記焼成処理により製造する
    ことを特徴とするメソポーラスシリカ製造方法。
  7. 環境エネルギー施設から発生する溶融スラグに対し、
    特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、
    未溶解物を取得し、
    界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、
    前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、
    前記酸の前記特定濃度は、0.5~4Nであり、
    前記特定温度は、20~100℃であり、
    前記特定時間は、5時間以上であり、
    100mLの前記酸に対して、水を10~50mL、前記溶融スラグを6~25g、前記界面活性剤を2~6gとする混合比で加えられる
    ことを特徴とするシリカ製造方法。
  8. 環境エネルギー施設から発生する溶融スラグに対し、
    特定濃度の酸を加えて、特定温度で特定時間、溶解処理し、
    未溶解物を取得し、
    界面活性剤を加えた上で前記溶解処理を行い、
    前記溶解処理された前記未溶解物を焼成処理し、
    前記酸の前記特定濃度は、11~12Nであり、
    前記特定温度は、20~100℃であり、
    前記特定時間は、5時間以上であり、
    8~15mLの前記酸に対して、水を100mL、アルコール1~10mL、前記溶融スラグを3~10g、前記界面活性剤を1~5gとする混合比で加えられる
    ことを特徴とするシリカ製造方法。
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