JP2019108251A - セメント原料の製造方法 - Google Patents

セメント原料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019108251A
JP2019108251A JP2017243195A JP2017243195A JP2019108251A JP 2019108251 A JP2019108251 A JP 2019108251A JP 2017243195 A JP2017243195 A JP 2017243195A JP 2017243195 A JP2017243195 A JP 2017243195A JP 2019108251 A JP2019108251 A JP 2019108251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
sodium
chloride
raw material
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017243195A
Other languages
English (en)
Inventor
憲史 ▲高▼橋
憲史 ▲高▼橋
Norifumi Takahashi
秀 村岡
Shu MURAOKA
秀 村岡
博道 小泉
Hiromichi Koizumi
博道 小泉
林 浩志
Hiroshi Hayashi
浩志 林
佳典 ▲高▼山
佳典 ▲高▼山
Yoshinori Takayama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2017243195A priority Critical patent/JP2019108251A/ja
Publication of JP2019108251A publication Critical patent/JP2019108251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】ナトリウム含有ガラスを、セメント原料として用いられる珪石の代替品として利用可能に改質することができるセメント原料の製造方法を提供する。【解決手段】ナトリウム含有ガラスと、カルシウム含有塩化物と、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルシウム化合物とを含む混合物であって、前記ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対する前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比がモル比で1以上4以下の範囲内にあり、前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対する前記カルシウム含有塩化物と前記カルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比がモル比で1以上20以下の範囲内にある混合物を、550℃以上950℃以下の加熱温度で加熱処理する加熱工程と、前記加熱工程で得られた加熱処理物を水洗する洗浄工程とを備えるセメント原料の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、セメント原料の製造方法に関し、特にナトリウム含有ガラスを用いたセメント原料の製造方法に関する。
ソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスなどのナトリウム含有ガラスは、板ガラス、ガラス瓶、ディスプレイや太陽電池パネルなどの様々な分野で利用されている。ナトリウム含有ガラスは二酸化ケイ素を主成分とすることから、使用済みのナトリウム含有ガラスを、セメントの珪石代替品として再利用することが検討されている。但し、ナトリウム含有ガラスには、一般にアルカリ金属のナトリウムが酸化物(NaO)換算で10〜15質量%含まれており、ナトリウム含有ガラスをそのままセメントの原料として用いると、アルカリ骨材反応を誘発するおそれがある。このため、ナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去するための技術が検討され、その成果は、例えば、下記の特許文献に開示されている。
特許文献1には、塩素含有可燃物を燃焼させることによって発生させた塩素系ガスと、アルカリ金属含有物(ガラス、陶磁器)とを接触させて、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属を塩化物に変化させて揮発させる方法が開示されている。
特許文献2には、塩素含有可燃物と無機粉末(アルカリ金属を含有するガラス粉末ないし廃ガラス粉末)とを、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気という低酸素雰囲気下、塩化水素濃度を20%以上73%以下として、300℃以上800℃以下の温度で反応させ、生成した可溶性金属塩化物を水洗除去した後に上記無機粉末を回収し、セメント原料の一部として利用するセメント原料化方法が開示されている。
特許第4313936号公報 特許第4549559号公報
特許文献1および特許文献2に記載されているナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去する方法では、ナトリウム含有ガラスと塩素含有可燃物の燃焼あるいは熱分解によって生成した塩素系ガスとを接触させることによって、ガラス中のナトリウムをナトリウム塩化物に変化させて、揮発(特許文献1)あるいは水洗(特許文献2)により除去している。しかしながら、ナトリウム含有ガラス(固体)と塩素系ガス(気体)との反応のような気固反応では、気体の滞留時間を十分に長く設定しなければならなく、処理に長い時間を要するといった問題がある。また、ナトリウム含有ガラスと塩素系ガスとの反応では、温度が600℃を上回るとナトリウム含有ガラス表面が次第に溶融してしまい、ナトリウム含有ガラスのナトリウム除去効率が低下するという問題もあった。加えて、塩素系ガスは酸性で腐食性が高いため、反応装置や配管が劣化しやすく、排出ガスの処理が煩雑になるという問題もあった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスを外部に放出させずに、ナトリウム含有ガラスからナトリウムを比較的短時間で効率よく除去することができ、ナトリウム含有ガラスを、セメント原料として用いられる珪石の代替品として利用可能に改質することができるセメント原料の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のセメント原料の製造方法は、ナトリウム含有ガラスと、カルシウム含有塩化物と、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルシウム化合物とを含む混合物であって、ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対するカルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比(Cl/Na比)がモル比で1以上4以下の範囲内にあり、カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対するカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比(Ca/Cl比)がモル比で1以上20以下の範囲内にある混合物を、550℃以上950℃以下の加熱温度で加熱処理する加熱工程と、前記加熱工程で得られた加熱処理物を水洗する洗浄工程とを備えることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のセメント原料の製造方法においては、加熱工程においてナトリウム含有ガラスのナトリウムと、カルシウム含有塩化物あるいはカルシウム化合物のカルシウムとが置換反応することによって、ナトリウム含有ガラスのナトリウムが外部に放出される。放出されたナトリウムは、カルシウム含有塩化物の塩素と反応して塩化ナトリウムとして固定化される。一方、ナトリウムと置換してガラスの内部に侵入したカルシウムは、ガラス中のケイ酸と反応して安定なウォラストナイト(CaSiO)を生成する。そして、加熱工程で生成した塩化ナトリウムと、未反応のまま残留したカルシウム含有塩化物は、洗浄工程にて溶解除去される。
従って、本発明のセメント原料の製造方法によれば、ナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の混合物を加熱処理するため、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとが置換する反応と、置換されたナトリウムが塩化ナトリウムとして固定化される反応とが同時に起こる。このため、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去を効率よく進めることができる。また、混合物は、Cl/Na比がモル比で1以上4以下の範囲内とされているので、ナトリウムを塩化ナトリウムとして効率よく固定できると共に、ワダライト(CaAlSi16Cl)などの難溶性塩化物が生成しにくくなる。さらに、混合物は、Ca/Cl比がモル比で1以上20以下の範囲内とされていて、塩素量に対してカルシウム量が多いので、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスが生成しにくくなる。また、生成した塩素系ガスを塩化カルシウムとして固定することができるので、塩素系ガスが外部に放出されにくくなる。よって、反応装置や配管の腐食が起こりにくく、加熱工程で生成する排出ガスの処理が簡便になる。
さらに、加熱工程において生成するケイ酸塩鉱物は、ナトリウム含有ガラスと比較して融点が高い。例えば、ソーダ石灰ガラスの融点は約720℃であるのに対して、ウォラストナイト(CaSiO)の融点は約1540℃である。このため、混合物を、比較的高温で加熱処理することが可能となり、ナトリウム含有ガラスのナトリウムの除去が促進されるため、短時間でナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去することができる。
ここで、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記加熱工程における前記混合物の加熱温度が600℃以上900℃以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、加熱温度が600℃以上と高いので、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとが置換する反応と、ナトリウムと塩素との反応とが起こりやすくなる。また、加熱温度が900℃以下に抑えられているので、ナトリウム含有ガラスが溶融しにくくなる。よって、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去をより短時間で効率よく進めることができる。
また、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記加熱工程における前記混合物は、前記ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対する前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比(Cl/Na比)がモル比で1以上3以下の範囲内にあって、前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対する前記カルシウム含有塩化物と前記カルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比(Ca/Cl比)がモル比で1以上10以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、Cl/Na比がモル比で3以下とされているので、ワダライト(CaAlSi16Cl)などの難溶性塩化物が生成しにくくなる。また、Ca/Cl比がモル比で10以下とされているので、得られるセメント原料は、カルシウム含有量が少なく、相対的に珪素の含有量が多くなるので、このセメント原料を用いることによって、セメント製造時の珪石の使用量を削減することができる。
さらに、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記ナトリウム含有ガラスは、メジアン径が1μm以上200μm以下の範囲内にあって、前記カルシウム含有塩化物は、メジアン径が1μm以上100μm以下の範囲内にあり、前記カルシウム化合物は、メジアン径が1μm以上100μm以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、ナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物を混合する際に発塵が起こりにくくなる。また、加熱工程で発生するばいじんの量を抑制することができる。さらに、混合物中のナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の接触面積が大きくなるので、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとの置換反応が起こりやすくなり、これによって、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去をさらに効率よく進めることができる。なお、メジアン径は、レーザ回折/散乱式の粒子径分布測定装置により測定した値である。
またさらに、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記加熱工程における前記混合物の加熱時間が、15分以上120分以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとが置換する反応と、置換されたナトリウムが塩化ナトリウムとして固定化される反応とを十分に進行させることができる。
さらにまた、本発明のセメント原料の製造方法においては、前記洗浄工程において、水洗後の加熱処理物のナトリウム含有量がNaO換算で5質量%以下となるように前記加熱処理物を水洗することが好ましい。
この場合、水洗後の加熱処理物は、ナトリウム含有量が少ないので、セメント原料として有利に利用することができる。
本発明によれば、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスを外部に放出させずに、ナトリウム含有ガラスからナトリウムを比較的短時間で効率よく除去することができ、ナトリウム含有ガラスを、セメント原料として用いられる珪石の代替品として利用可能に改質することができるセメント原料の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るセメント原料の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るセメント原料の製造方法において有利に用いることができる加熱処理装置の全体構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態であるセメント原料の製造方法について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態においては、セメント原料の製造原料としてナトリウム含有ガラスを用いる。ナトリウム含有ガラスは、例えば、家庭やガラス製品の製造工場により廃棄された使用済みガラス、使用済みのディスプレイや太陽電池パネルをリサイクルするときに回収される使用済みガラスである。ナトリウム含有ガラスの例としては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスが挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るセメント原料の製造方法を示すフロー図である。
本実施形態のセメント原料の製造方法は、図1に示すように、ナトリウム含有ガラスを粉砕する粉砕工程S01、粉砕工程S01で得られたナトリウム含有ガラス粉末と、カルシウム含有塩化物と、カルシウム化合物とを混合する混合工程S02、混合工程S02で得られた混合物を加熱処理する加熱工程S03、加熱工程S03で生成した加熱処理物を水洗する洗浄工程S04を備えている。
(粉砕工程S01)
粉砕工程S01では、ナトリウム含有ガラスを粉砕してナトリウム含有ガラス粉末を得る。粉砕は乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよい。粉砕装置としては、一般的に無機鉱物の粉砕に使用される粉砕装置、例えば、ロールミル、ハンマーミル、ピンミル、ウイングミル、トルネードミル、ボールミル、ロッドミルまたは振動ミルなどを単独で、あるいは組合せて使用することができる。ナトリウム含有ガラスのサイズが大きい場合には、ナトリウム含有ガラスを粉砕する前に、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャーのような衝撃式の破砕機で粗粉砕するとよい。
粉砕によって得られたナトリウム含有ガラス粉末は、分級により粗大なガラス粒子を除去することが好ましい。分級は、粉体のふるい分けに使用されるふるい分け装置、例えば、円型振動ふるい、超音波振動ふるい、ジャイロシフター、バイブレーティングスクリーン、エアセパレータ、サイクロンなどを用いることができる。分級によって除外された粗大ガラス粒子は、再度、粉砕装置で目標粒度まで微粉砕することが好ましい。
粉砕工程S01で得られるナトリウム含有ガラス粉末は、メジアン径が1μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましい。ナトリウム含有ガラス粉末のメジアン径が200μm以下と微細であると、後述の加熱工程S03において、ナトリウム含有ガラス粉末中のナトリウムを外部に放出させやすくなるので、ナトリウムの除去効率が高くなる。また、ナトリウム含有ガラス粉末のメジアン径が1μm以上とされているので、後述の混合工程S02において、ナトリウム含有ガラス粉末の発塵を抑制することができる。また加熱工程で発生するばいじんの量を抑制することができる。なお、ナトリウム含有ガラス粉末の粒子形状は特に制限はなく、例えば、球状、楕円球状、角柱状、針状、鱗片状であってもよい。
ナトリウムの除去効率をより向上させるためには、粉砕工程S01で得られるナトリウム含有ガラス粉末のメジアン径は150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。また、加熱工程で発生するばいじんの量を抑制するためには、ナトリウム含有ガラス粉末のメジアン径は5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。
(混合工程S02)
混合工程S02では、粉砕工程S01で得られたナトリウム含有ガラス粉末と、カルシウム含有塩化物と、カルシウム化合物とを混合して混合物を得る。混合は乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよい。混合装置としては、タンブラーミキサー、ドラムミキサーまたはリボンミキサーなどの一般的な微粉体の混合に利用される混合装置を用いることができる。
カルシウム含有塩化物は、カルシウムと塩素とを含む化合物である。カルシウム含有塩化物の例としては、塩化カルシウム(CaCl)、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))を挙げることができる。カルシウム含有塩化物は、マグネシウムやアルミニウム、鉄などの金属の塩化物を含有していてもよい。
カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。これらのカルシウム化合物は2種以上を組合せて使用してもよい。
また、カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とはそれぞれ別の材料であってもよいが、カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを含む組成物であってもよい。
カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを含む組成物としては、例えば、カルシウム化合物の一部を塩酸もしくは塩素と反応させた反応生成物を用いることができる。具体的には、焼却飛灰、ばいじん、塩素バイパスダストを使用することができる。焼却飛灰は、都市ゴミの焼却処理で発生する塩素系ガスを含む酸性ガスを、カルシウム化合物(特に、水酸化カルシウム、酸化カルシウム)で中和させることによって生成した微細な粒子である。ばいじんとは、産業廃棄物の焼却処理で発生する塩素系ガスを含む酸性ガスを、カルシウム化合物で中和させることによって生成した微細な粒子である。塩素バイパスダストとは、セメント製造用のロータリーキルンの塩素バイパスから外部に取り出された微粉末である。また、カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを含む組成物として、石灰石やドロマイトなどのカルシウム含有鉱石の一部を塩酸で処理したものを用いることができる。
カルシウム含有塩化物およびカルシウム化合物は、メジアン径が1μm以上100μm以下の範囲内にあることが好ましい。カルシウム含有塩化物およびカルシウム化合物のメジアン径が1μm以上であると、混合時の発塵を抑制することができる。また、カルシウム含有塩化物およびカルシウム化合物のメジアン径が100μm以下と微細であると、混合物中のナトリウム含有ガラス粉末とカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の接触面積を大きくすることができる。なお、ナトリウム含有ガラス粉末とカルシウム含有塩化物は特に制限はなく、例えば、球状、楕円球状、角柱状、針状、鱗片状であってもよい。
加熱工程で発生するばいじんの量を抑制するためには、カルシウム含有塩化物およびカルシウム化合物のメジアン径は、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。
混合工程S02においては、先ず、ナトリウム含有ガラス粉末中のナトリウム量と、カルシウム含有塩化物中のカルシウム量および塩素量と、カルシウム化合物のカルシウム量とをそれぞれ測定することが好ましい。次いで、得られる混合物が、ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対するカルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比(Cl/Na比)がモル比で1以上4以下の範囲内にあり、カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対するカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比(Ca/Cl比)がモル比で1以上20以下の範囲内となるように、ナトリウム含有ガラス粉末とカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを混合することが好ましい。
Cl/Na比をモル比で1以上とすることによって、ナトリウムを塩化ナトリウムとして効率よく固定することができる。また、Cl/Na比をモル比で4以下とすることによって、塩素量を低減して、塩素が塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスを生成することを抑制することができる。塩素系ガスの生成をより確実に抑制するためには、Cl/Na比をモル比で3以下とすることが好ましい。
Ca/Clモル比を1以上とすることによって、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスが生成しにくくなる。また、生成した塩素系ガスを塩化カルシウムとして固定することができるので、塩素系ガスが外部に放出されにくくなる。また、Ca/Cl比をモル比で20以下とすることによって、珪素の含有量が多く、珪石の使用量を削減することができるセメント原料を得ることができる。得られるセメント原料の珪素含有量を多くするためには、Ca/Cl比をモル比で10以下とすることが好ましい。
なお、カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを含む組成物を用いる場合は、塩素量に対するカルシウム量の比(Ca/Cl比)がモル比で1以上20以下の範囲内、好ましくは1以上10以下の範囲内にあるものを用いる。
(加熱工程S03)
加熱工程S03では、混合工程S02で得られた混合物を加熱する。加熱機としては、電気炉、マッフル炉などのバッチ式の加熱機、ロータリーキルン、流動床炉、ストーカー炉などの連続式の加熱機を用いることができる。
加熱工程S03において混合物を加熱処理することによって、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウム含有塩化物あるいはカルシウム化合物のカルシウムとが置換反応して、ナトリウム含有ガラスのナトリウムが外部に放出される。置換反応によって外部に放出されたナトリウムは、カルシウム含有塩化物の塩素と反応して、塩化ナトリウムとして固定化される。また、ナトリウムと置換してガラスの内部に侵入したカルシウムは、ガラス中のケイ酸と反応して安定なウォラストナイト(CaSiO)を生成する。
ウォラストナイトを生成することによって、ガラス粉末の融点が高くなり、溶融しにくくなる。
本実施形態において加熱温度は、550℃以上950℃以下の範囲内とされている。加熱温度が低くなりすぎると、ナトリウムとカルシウムとの置換反応が起こりにくくなり、ナトリウムの除去効率が低下する。一方、加熱温度が高くなりすぎると、ナトリウム含有ガラス粉末が溶融して固結するおそれある。また、ガラスと塩素が反応しやすくなり、ワダライト(CaAlSi16Cl)などの難溶性塩化物が生成しやすくなるおそれがある。
難溶性塩化物の生成を抑えつつ、ナトリウムの除去効率を向上させるためには、加熱温度は、600℃以上900℃以下の範囲内にあることが好ましく、650℃以上750℃以下の範囲内にあることが特に好ましい。
加熱時間は、加熱機の容量や混合物の組成などの条件によって変動するが、一般に15分以上120分以下の範囲内、好ましくは20分以上60分以下の範囲内である。加熱時間がこの範囲内にあると、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとの置換反応と、置換されたナトリウムが塩化ナトリウムとして固定化される反応とを十分に進行させることができる。
(洗浄工程S04)
洗浄工程S04では、加熱工程S03で得られた加熱処理物を水洗する。この水洗によって、加熱処理物中の塩化ナトリウム、カルシウム含有塩化物などの可溶性塩類を溶解させて除去する。水洗の方法としては、加熱処理物を水に懸濁させて撹拌洗浄する方法、加熱処理物に水をシャワーリングする方法などを用いることができる。また、加熱処理物が塊状化あるいは凝集して、水洗が効率良くできない場合には、加熱処理物を予め粉砕して、水洗効率を向上させてもよい。
加熱工程S03と洗浄工程S04とを、連続的に行うことが好ましい。加熱工程S03と洗浄工程S04とを、連続的に行うことができる加熱処理装置の例を図2に示す。
図2において、加熱処理装置10は、ホッパー11、スクリューフィーダ12、加熱機13、加熱処理物取出管14、洗浄タンク15を備える。
ホッパー11は、混合工程S02で得られた混合物を、一時的に貯留するための容器である。スクリューフィーダ12は、ホッパー11に貯留されている混合物を加熱機13に搬送するための装置である。加熱機13は、ロータリーキルンであって、混合物を連続的に加熱処理物取出管14側に移動させながら、混合物を加熱処理する。加熱処理物取出管14は、加熱機13で加熱処理された加熱処理物を外部に取り出すための配管である。洗浄タンク15は、加熱処理物を洗浄するための洗浄水16が貯留された容器である。
ホッパー11に貯留された混合物は、スクリューフィーダ12によって加熱機13に搬送される。加熱機13(ロータリーキルン)において、混合物は加熱処理されながら加熱処理物取出管14側に送られる。加熱機13にて加熱処理された混合物(加熱処理物)は、加熱処理物取出管14を通って、洗浄タンク15に送られる。洗浄タンク15において、加熱処理物は、洗浄水16によって洗浄される。
水洗後の加熱処理物(洗浄物)は、脱水、乾燥することが好ましい。脱水方法としては、フィルタープレス、真空ベルトフィルター、真空回転ろ過機、スクリューデカンタ、遠心分離機などの脱水機を用いることができる。脱水処理の前に、洗浄物に無機系あるいは有機系の凝集剤を添加して脱水性を改善してもよい。乾燥方法としては、熱風乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機を用いることができる。脱水、乾燥後の洗浄物は、含水率が30質量%以下であることが好ましい。
以上のようにして得られた洗浄物は、通常、固形物中のNaO含有量が5質量%以下であって、ウォラストナイト(CaSiO)を含む珪酸質組成物であり、セメント原料として用いられる珪石の代替品として、普通ポルトランドセメント、シリカセメント、アルミナセメントなどの珪石を含む各種セメントの原料として有利に利用することができる。
以上のような構成とされた本実施形態に係るセメント原料の製造方法によれば、加熱工程S03において、ナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の混合物を加熱処理するため、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとが置換する反応と、置換されたナトリウムが塩化ナトリウムとして固定化される反応とが同時に起こる。このため、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去とナトリウムとの固定とを比較的短時間で効率よく進めることができる。また、混合物は、Cl/Na比がモル比で1以上4以下の範囲内とされているので、ナトリウムを塩化ナトリウムとして効率よく固定できると共に、ワダライト(CaAlSi16Cl)などの難溶性塩化物が生成しにくくなる。さらに、混合物は、Ca/Cl比がモル比で1以上20以下の範囲内とされていて、塩素量に対してカルシウム量が多いので、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスが生成しにくくなる。また、生成した塩素系ガスを塩化カルシウムとして固定することができるので、塩素系ガスが外部に放出されにくくなる。よって、反応装置や配管の腐食が起こりにくく、加熱工程で生成する排出ガスの処理が簡便になる。
さらに、加熱工程S03において生成するケイ酸塩鉱物は、ナトリウム含有ガラスと比較して融点が高い。例えば、ソーダ石灰ガラスの融点は約720℃であるのに対して、ウォラストナイト(CaSiO)の融点は約1540℃である。そのため、混合物を、比較的高温で加熱処理することが可能となり、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去が促進されるため、短時間でナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去することができる。
本発明のセメント原料の製造方法においては、加熱工程S03における混合物の加熱温度を600℃以上900℃以下の範囲内とすることによって、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去をより短時間で効率よく進めることができる。
また、本発明のセメント原料の製造方法においては、加熱工程S03における混合物のCl/Na比をモル比で3以下とすることによって、塩素系ガスの生成をより低く抑えることができる。さらに、加熱工程S03における混合物のCa/Cl比をモル比で10以下とすることによって、得られるセメント原料は、カルシウム含有量が少なくなり、相対的に珪素の含有量が多くなるので、珪石の使用量を削減することができる。
さらに、本実施形態のセメント原料の製造方法においては、ナトリウム含有ガラス粉末のメジアン径を1μm以上200μm以下の範囲内とし、カルシウム含有塩化物のメジアン径を1μm以上100μm以下の範囲内とし、カルシウム化合物のメジアン径を1μm以上100μm以下の範囲内とすることによって、混合工程S02での発塵を抑制することができる。また、加熱工程S03で発生するばいじんの量を抑制することができる。さらに、混合物中のナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の接触面積が大きくなるので、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとの置換反応が起こりやすくなり、これによって、ナトリウム含有ガラスからのナトリウムの除去をさらに効率よく進めることができる。
またさらに、本実施形態のセメント原料の製造方法においては、加熱工程S03における混合物の加熱時間が、15分以上120分以下の範囲内とすることによって、ナトリウム含有ガラス中のナトリウムとカルシウムとが置換する反応と、置換されたナトリウムが塩化ナトリウムとして固定化される反応とを十分に進行させることができる。
さらにまた、本発明のセメント原料の製造方法においては、洗浄工程S04において、水洗後の加熱処理物のナトリウム含有量がNaO換算で5質量%以下となるように加熱処理物を水洗することによって、ナトリウム含有量が少なく、珪石の代替品として有利に利用することができるセメント原料を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、粉砕工程S01にてナトリウム含有ガラスを粉砕して、ナトリウム含有ガラス粉末とした後、混合工程S02にてナトリウム含有ガラス粉末とカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを混合しているが、これに限定されることはない。例えば、ナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを粉砕しながら混合してもよい。
またさらに、混合工程S02を実施せずに、加熱処理装置内にナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とをそれぞれ直接投入してもよい。但し、この場合は、加熱処理装置内の混合物が、所定のCl/Na比およびCa/Cl比となるように、ナトリウム含有ガラスとカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物の投入速度を調整することが好ましい。
以下に、本発明の作用効果を実施例により説明する。
[本発明例1]
ソーダ石灰ガラス(SiO:70.4質量%、CaO:9.4質量%、Al:1.8質量%、NaO:14.6質量%、KO:0.02質量%、Cl:<0.01質量%、その他:0.3質量%)を、ハンマークラッシャーと振動ミルとを用いて粉砕した。得られたガラス粉砕物を、目開きが100μmの篩を用いて分級してソーダ石灰ガラス粉を得た。ソーダ石灰ガラス粉のメジアン径は20μmであった。
得られたソーダ石灰ガラス粉と、カルシウム含有塩化物として塩化カルシウム(メジアン径:30μm)と、カルシウム化合物として水酸化カルシウム(メジアン径:10μm)とを、ソーダ石灰ガラス粉に含まれるNa量に対する塩化カルシウムに含まれるCl量の比(Cl/Na比)がモル比で2、塩化カルシウムに含まれるCl量に対する塩化カルシウムと水酸化カルシウムとに含まれるCaの合計量の比(Ca/Cl比)がモル比で1となるように混合して、混合物を得た。得られた混合物をアルミナボードに充填し、電気炉を用いて、電気炉内に窒素ガスを流して電気炉内を窒素雰囲気としながら、昇温速度10℃/分で700℃まで昇温し、次いでその温度で1時間加熱した。炉内温度が700℃に達してから、30分加熱した時点で電気炉から排気された排ガス中の塩化水素ガス濃度および塩素ガス濃度を測定した。塩化水素ガス濃度および塩素ガス濃度は、JIS K 0804(検知管式ガス測定器(測長形))に規定される検知管式ガス測定器を用いて測定した。表1に、排ガス中の塩化水素ガス濃度および塩素ガス濃度を示す。
加熱後、電気炉を室温まで放冷し、放冷後の電気炉から、加熱処理物を取り出して洗浄した。洗浄は、加熱処理物10gと水100mLとを混合してスラリーとした後に、振とう機を用いて30分間振とうした。その後、スラリーを減圧ろ過して、ケーキを得て、得られたケーキを水100mLで水洗することによって行った。
洗浄によって得られた洗浄物(ケーキ)を、乾燥機を用いて105℃の温度で乾燥して、乾燥洗浄物(セメント原料)を得た。
[本発明例2〜11、比較例1〜5]
カルシウム含有塩化物およびカルシウム化合物の種類、混合物中のCl/Na比、Ca/Cl比、電気炉内の雰囲気、加熱温度を、下記の表1に示すように変更したこと以外は、本発明例1と同様にして、混合物を加熱処理して、乾燥洗浄物(セメント原料)を得た。表1に、混合物の加熱処理時の電気炉から排気された排ガス中の塩化水素ガス濃度および塩素ガス濃度を示す。
なお、カルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを用いる代わりに、本発明例10、11、比較例5では、セメント製造用ロータリーキルンの塩素バイパスから回収された塩素バイパスダストを用いた。
[乾燥洗浄物の評価]
本発明例1〜11及び比較例1〜5で得られた乾燥洗浄物について、NaO含有量、組成を、下記の方法により測定した。その結果を、下記の表1に示す。
(NaO含有量)
乾燥洗浄物を酸で溶解し、得られた溶液を希釈して試験溶液を調製した。調製した試験溶液中のNa濃度をICP−AES法にて測定し、得られたNa濃度を、乾燥洗浄物中のNaO含有量(質量%)に換算した。
Figure 2019108251
ソーダ石灰ガラス粉と塩化カルシウムを含有し、カルシウム化合物を含有しない混合物を加熱処理した比較例1〜4、およびCa/Cl比が本発明の範囲よりも低い混合物を加熱処理した比較例5においては、電気炉の排ガス中の塩化水素ガス濃度が高くなった。さらに、電気炉内を空気雰囲気とした比較例2では、排ガス中の塩素ガス濃度も高くなった。
排ガス中の塩化水素ガス濃度が高くなったのは、下記の式(1)に示すように、塩化カルシウムとソーダ石灰ガラス粉中の二酸化珪素との反応によって生成したCaCl・SiO(s)が、下記の式(2)に示すように、電気炉内に混入した水蒸気と反応して塩化水素ガスが生成したためであると考えられる。
CaCl(s)+SiO(s)→CaCl・SiO(s)・・・(1)
CaCl・SiO(s)+HO(g)→CaO・SiO(s)+2HCl(g)・・・(2)
排ガス中の塩素ガス濃度が高くなったのは、上記の式(1)示す反応によって生成したCaCl・SiO(s)が、下記の式(3)に示すように、電気炉内の酸素と反応して塩素ガスが生成したためであると考えられる。
CaCl・SiO(s)+1/2O(g)→CaO・SiO(s)+Cl(g)・・・(3)
これに対して、ソーダ石灰ガラス粉とカルシウム含有塩化物とカルシウム化合物とを含有し、Cl/Na比およびCa/Cl比が本発明の範囲にある混合物を加熱処理した本発明例1〜11においては、電気炉の排ガス中の塩化水素ガス濃度および塩素ガス濃度が低くなった。これは、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化カルシウムなどのカルシウム化合物は、上記の式(2)の反応および式(3)の反応を抑制する作用を有し、また生成した塩化水素ガスおよび塩素ガスを塩化カルシウムとして固定する作用を有するためであると考えられる。
[本発明例12]
本発明例1で得られた乾燥洗浄物と、酸化カルシウム、粘土、酸化鉄、酸化アルミニウムを、普通ポルトランドセメントを生成する割合にて混合して、セメント原料組成物を得た。得られたセメント原料組成物を電気外熱式ロータリーキルンに投入し、1450℃で120分、大気雰囲気下で加熱した。ロータリーキルンから取り出された加熱組成物を室温まで放冷した。得られた加熱組成物(セメントクリンカー)を石膏と混合した後、粉砕して、ポルトランドセメントを得た。得られたポルトランドセメントは、乾燥洗浄物の代わりに通常の珪石を用いて製造した普通ポルトランドセメントと同様の特性を示した。
以上の結果から、本発明例によれば、塩素ガスや塩化水素ガスなどの塩素系ガスを外部に放出させずに、ナトリウム含有ガラスからナトリウムを比較的短時間で効率よく除去することができ、ナトリウム含有ガラスを、セメント原料として用いられる珪石の代替品として利用可能に改質することができるセメント原料の製造方法を提供することが可能となることが確認された。
10 加熱処理装置
11 ホッパー
12 スクリューフィーダ
13 加熱機
14 加熱処理物取出管
15 洗浄タンク
16 洗浄水

Claims (6)

  1. ナトリウム含有ガラスと、カルシウム含有塩化物と、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルシウム化合物とを含む混合物であって、前記ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対する前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比がモル比で1以上4以下の範囲内にあり、前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対する前記カルシウム含有塩化物と前記カルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比がモル比で1以上20以下の範囲内にある混合物を、550℃以上950℃以下の加熱温度で加熱処理する加熱工程と、
    前記加熱工程で得られた加熱処理物を水洗する洗浄工程と、を備えることを特徴とするセメント原料の製造方法。
  2. 前記加熱工程における前記混合物の加熱温度が600℃以上900℃以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のセメント原料の製造方法。
  3. 前記加熱工程における前記混合物は、前記ナトリウム含有ガラスに含まれるナトリウム量に対する前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量の比がモル比で1以上3以下の範囲内にあって、前記カルシウム含有塩化物に含まれる塩素量に対する前記カルシウム含有塩化物と前記カルシウム化合物とに含まれるカルシウムの合計量の比がモル比で1以上10以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載のセメント原料の製造方法。
  4. 前記ナトリウム含有ガラスは、メジアン径が1μm以上200μm以下の範囲内にあって、前記カルシウム含有塩化物は、メジアン径が1μm以上100μm以下の範囲内にあり、前記カルシウム化合物は、メジアン径が1μm以上100μm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のセメント原料の製造方法。
  5. 前記加熱工程における前記混合物の加熱時間が、15分以上120分以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のセメント原料の製造方法。
  6. 前記洗浄工程において、水洗後の加熱処理物のナトリウム含有量がNaO換算で5質量%以下となるように前記加熱処理物を水洗することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のセメント原料の製造方法。
JP2017243195A 2017-12-19 2017-12-19 セメント原料の製造方法 Pending JP2019108251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017243195A JP2019108251A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 セメント原料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017243195A JP2019108251A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 セメント原料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019108251A true JP2019108251A (ja) 2019-07-04

Family

ID=67178993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017243195A Pending JP2019108251A (ja) 2017-12-19 2017-12-19 セメント原料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019108251A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021050123A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 住友大阪セメント株式会社 精製されたセメント原料の製造方法、及び、精製されたセメント原料の製造装置
JP7398051B2 (ja) 2020-03-11 2023-12-14 住友大阪セメント株式会社 粉体の処理方法、粉体の処理装置、セメント原料の製造方法、および、セメントの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342045A (ja) * 2000-05-29 2001-12-11 Taiheiyo Cement Corp セメントクリンカの製造方法
JP2002274900A (ja) * 2001-03-14 2002-09-25 Taiheiyo Cement Corp セメント原料化方法およびその原料
JP2003039038A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Taiheiyo Cement Corp 廃棄物処理方法
JP2004059754A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Taiheiyo Cement Corp 廃棄物処理方法及びセメント原料製造方法
JP2013013843A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 Taiheiyo Cement Corp アルカリ金属含有廃棄物の処理方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342045A (ja) * 2000-05-29 2001-12-11 Taiheiyo Cement Corp セメントクリンカの製造方法
JP2002274900A (ja) * 2001-03-14 2002-09-25 Taiheiyo Cement Corp セメント原料化方法およびその原料
JP2003039038A (ja) * 2001-07-30 2003-02-12 Taiheiyo Cement Corp 廃棄物処理方法
JP2004059754A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Taiheiyo Cement Corp 廃棄物処理方法及びセメント原料製造方法
JP2013013843A (ja) * 2011-07-01 2013-01-24 Taiheiyo Cement Corp アルカリ金属含有廃棄物の処理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021050123A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 住友大阪セメント株式会社 精製されたセメント原料の製造方法、及び、精製されたセメント原料の製造装置
JP7288607B2 (ja) 2019-09-26 2023-06-08 住友大阪セメント株式会社 精製されたセメント原料の製造方法、及び、精製されたセメント原料の製造装置
JP7398051B2 (ja) 2020-03-11 2023-12-14 住友大阪セメント株式会社 粉体の処理方法、粉体の処理装置、セメント原料の製造方法、および、セメントの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6828464B2 (ja) ナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去する方法およびセメントの製造方法
TW422823B (en) Method of producing synthetic silicates and use thereof in glass production
CA2429456A1 (en) Recovery of cement kiln dust through precipitation of calcium sulfate using sulfuric acid solution
JP2022545616A (ja) 鉄鉱石精鉱過程で生じる砂鉱滓から粉末ケイ酸ナトリウムを得る方法
US20170100618A1 (en) Stabilization of at least one heavy metal contained in a sodic fly ash using a water-soluble source of silicate and a material containing calcium and/or magnesium
JP2019108251A (ja) セメント原料の製造方法
CN107500325A (zh) 一种煤矸石生产纳米氧化铝粉体的方法
JP6787150B2 (ja) ナトリウム含有ガラスからナトリウムを除去する方法
JP5683066B2 (ja) スラッジ乾燥粉を用いたセメント系固化材およびその製造方法
CN113302166A (zh) 玻璃生产方法和工业玻璃制造设备
JP4958156B2 (ja) 廃セメント微粉末を用いた合成炭酸カルシウムの製造方法
AU653661B2 (en) Process for the preparation of amorphous silica
RU2690830C1 (ru) Способ получения ультрадисперсного порошка диоксида кремния
JP2022507481A (ja) ガラスのアルカリ消化
US11964922B2 (en) Cementitious material production from non-limestone material
KR101256807B1 (ko) 활용도가 낮은 석회석 분말을 이용한 생석회 성형체 및 그 제조방법과 이를 이용한 경질탄산칼슘
JP7121676B2 (ja) 廃ガラス処理方法及び処理装置
JP3692443B2 (ja) 石炭ガス化スラグを用いたハイドログロシュラーの製造方法
JP2002114543A (ja) 高反応性水酸化カルシウムの製造方法
WO1999008959A1 (en) A process for producing silica acid
CN102173430B (zh) 利用水合硅酸钙制备硅灰石超细粉体的工艺
KR0128125B1 (ko) 석회석 슬러지를 이용한 분생석회의 제조방법
JP2022131418A (ja) シリカの製造方法、並びに、セメントクリンカ及びセメント組成物の製造方法
JP2006232637A (ja) 無水石膏の製造方法
JP4480317B2 (ja) アルミノ珪酸ソーダの処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210820

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211005