JP4480317B2 - アルミノ珪酸ソーダの処理方法 - Google Patents
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Description
本発明はアルミノ珪酸ソーダの処理方法に係る。
本発明によれば、現在廃棄されている、もしくは有効利用されていないアルミノ珪酸ソーダ、例えばアルミナおよびアルミニウム製造時に発生する赤泥やソーダライト、各種用途で利用されたゼオライト、または天然に存在するゼオライトおよびソーダライトを対象にして、それらに含有するナトリウムを分離することで、ナトリウムの回収利用とナトリウムを除去した残渣をセメント原料等として有効利用することができる。
背景技術
アルミノ珪酸ソーダの代表例として、まず水酸化アルミニウム、アルミナ製造の副産物として生成する赤泥がある。この赤泥は、アルミナ1ton製造するのに対して約800kg程度が生成する。赤泥は、Al2O3,SiO2,Na2Oからなるアルミノ珪酸ソーダとFe2O3を主成分とし、その他として、TiO2、石英、アルミナ水和物、石灰化合物が数%含有する。用途としては、セメント原料および製鉄原料が考えられる。しかし、セメント原料にするには、含有するNa分が多く、鉄鋼原料にするには含有するAl分が多いため、利用するのは困難とされてきた。よって、これまで赤泥は、利用されることなく産廃として廃棄されてきた。
また、赤泥からの有用成分(Fe,Na,Al)を回収する方法として、特開昭50−16608号公報などがある。この方法は、赤泥に所定の割合でCaO含有成分を添加して、還元性熱処理により溶融し、鉄と鉱滓に分離し、さらに鉱滓からはアルカリ溶出によって、Na,Al成分を回収する方法である。しかし、この方法では、Naは赤泥含有量の60〜70%程度しか回収できず、残渣にはNaがかなり残り、セメント原料等への有効利用はできない。また、赤泥中に40%程度含有する鉄を含めた状態での熱処理になるため、かなりの熱量負荷が掛かる。
その他のアルミノ珪酸ソーダとしては、各用途で使用されるゼオライトがある。ゼオライトは一般的に、金属触媒及び貴金属触媒を担持させた触媒として、またイオン交換を目的として利用されている。一部は再生処理され使用されているが、ほとんどの場合有害成分、有用成分を除去した後、担体ゼオライトは産廃として廃棄されている。
以上のように、アルミノ珪酸ソーダの一部は、有効利用方法について種々提案されているが、実際には、有用成分回収後の残渣またはアルミノ珪酸ソーダそのものは有効利用されず廃棄されている。
よって、本発明の主たる課題は、アルミノ珪酸ソーダが含有する成分のうち、Naの有用成分を回収して、更には残渣として排出される物質も、Na濃度を非常に低くすることでセメント原料等として有効利用することができる処理方法を提案することである。
発明の開示
本発明は、現在有効利用されないまま廃棄されているまたは未利用のアルミノ珪酸ソーダを有効利用するために、各種アルミノ珪酸ソーダより、Na成分を高い割合で回収すると共に、Na含有濃度が非常に低い有用物を得るアルミノ珪酸ソーダの処理方法であって、下記を好適な特徴とする。
(1) アルミノ珪酸ソーダに、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、または硫酸カルシウム等の単体またはその混合物、またはこれらを含む混合物としてのカルシウム化合物、特に好ましくは酸化カルシウムを添加混合する。
この時、添加するカルシウム化合物の量は、アルミノ珪酸ソーダ中のナトリウム成分をNa2Oで、ケイ素成分をSiO2で表した時モル比でCaO/Na2Oまたは(好ましくは「および」)CaO/SiO2が1〜5であり、好ましくは2.0〜4.0である。また、アルミノ珪酸ソーダおよび添加するカルシウム化合物の粒度は特に規定しないが、1μm〜300μmの粒径を含んでおり、より好ましくは60μm以下の粒径のものが良い。また、この混合物は、乾燥状態または湿潤状態のどちらでも良いが、より好ましくは湿潤状態である。
(2) (1)の混合物をキルン等の加熱機を用いて800〜1400℃、より好ましくは1000〜1350℃で加熱処理を行う。また、この時、被熱処理混合物は粉末状でもペレット化した状態でも良く、その形態は特に限定されない。また、加熱処理時間は5分から180分であり、より好ましくは20〜80分である。
(3) 加熱機で発生する高温の排ガスは、ボイラーなどで蒸気をつくり、廃熱を回収し、エネルギー回収を行う。
(4) (2)で得られる加熱処理物を水(または水溶液)で溶出処理し、ナトリウムを溶出・回収する。この時の水(または水溶液)量は、加熱処理物に対して1〜30重量倍であり、より好ましくは10〜20重量倍である。また、溶出温度は50℃以上で、より好ましくは70℃以上である。溶出時間は10〜120分、より好ましくは60〜90分である。
(5) (4)で得られるスラリーを濾過機などで固液分離し、ケーキは更に水で良く洗浄する。得られる分離液および洗浄濾液は、ナトリウム含有溶液としてアルカリ溶液を必要とする設備で有効利用し、ケーキ(ナトリウムを溶出した残渣のことをナトリウム回収残渣と記すことがある。)は、セメント原料としてリサイクルする。また、洗浄濾液は、(2)で得られる加熱処理物の溶出処理に使用しても良い。
発明を実施するための最良の形態
本発明におけるアルミノ珪酸ソーダは、水酸化アルミニウム、アルミナ、金属アルミニウムの製造で排出されるソーダライトや各種用途で使用されたゼオライト、天然及び合成のゼオライトおよびソーダライト等のいずれでもよい。
アルミニウムの製造で排出されるソーダライトは、一般的に、Na2Oが18〜25重量%、Al2O3が31〜38重量%、SiO2が28〜35重量%、Fe2O3などの不純物が5重量%以下を含む。また、ゼオライトの代表例としては、イオン式で表わすと、CaO・Al2O3・4SiO2・6.5H2O、Na2O・Al2O3・2SiO2・4.5H2O、Na2O・Al2O3・2.5SiO2・6H2Oなどがある。
このアルミノ珪酸ソーダは、ボーキサイト処理では鉄分を含む赤泥として入手される場合もあるが、本発明では鉄分とは分離されたアルミノ珪酸ソーダが好ましい。本発明において好ましいアルミノ珪酸ソーダは、アルミノ珪酸ソーダを90重量%以上、より好ましくは95重量%以上含むもの、あるいは鉄分がFe2O3として10重量%以下、より好ましくは5重量%以下のものである。ボーキサイト処理においてこのように鉄分と分離されたアルミノ珪酸ソーダを得る方法は知られている。しかし、アルミノ珪酸ソーダが鉄分その他の金属成分を含んでいても特に問題はない。ただしソーダライト分が多い方がソーダライト当たりのエネルギー消費量は少なくてすむ。
カルシウム化合物としては酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウムなど、あるいはこれらの混合物を用いることができる。酸化カルシウムが好ましい。カルシウム化合物をアルミノ珪酸ソーダと混合して加熱処理することにより、カルシウム化合物とアルミノ珪酸ソーダとが反応してソーダ分が水で溶出可能な化合物に変化させることができる。溶出可能な生成物は多分、アルミン酸ソーダを含む生成物であると考えられる。
添加するカルシウム化合物の量はアルミノ珪酸ソーダ中のナトリウム成分をNa2Oで、ケイ素成分をSiO2で表わしたとき、モル比でCaO/Na2Oまたは/及びCaO/SiO2が一般的に1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4の範囲でよい。これらの比が1未満ではアルミノ珪酸ソーダ中のソーダ分を十分に溶出可能な化合物にすることができない。また、これらの比が大きすぎると溶出しにくい化合物を生成してソーダ分の溶出率が低下する可能性がある。
アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物を混合するとき、アルミノ珪酸ソーダ及びカルシウム化合物は粉砕して粒度を小さくすることが好ましい。限定するわけではないが1μm〜300μmの範囲内の粒度のものを含むことが好ましく、より好ましくは粒径が80μm以下、特に60μm以下である。これらの粒度をより小さくすることにより、ソーダ溶出率を増加させることができる。ただし、必ずしもすべての粒子がこれらの粒径の範囲内にある必要はなく、少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%がこれらの粒径の範囲内にあれば効果がある。ソーダ溶出率を高くし、残渣中のソーダ分を1%以下にするためにはこれらの粒度の調整が有効であることが見い出された。粒度をあまり小さくすることは必要なく、経済的でないと思われる。
アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物は乾燥状態で混合してもよいが、CaOがCa(OH)2として一部溶解し、焼成前に液相でソーダライトのNaとCaが置換反応することが考えられるので水を加えて湿潤状態で混合することが好ましく、湿潤状態で混合した場合には混合物をペレット化でき、ペレット化することが好ましい。ペレット化することにより、焼成時に粉塵の発生が抑えられ、また移送が容易になる。なお、ペレット化する際にも、反応性はもとの粒子の粒度に依存するので、もとの粒子が上述の粒度を有することが望ましい。
アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物の混合物は一般的には800〜1400℃、特に好ましくは1000〜1350℃の温度で加熱する。加熱温度は加熱後のソーダ分の溶出率に対して影響が大きい。溶出し易い化合物を生成するために一定範囲内の加熱温度が必要なものと考えられる。加熱雰囲気は大気中でよい。加熱時間は特に限定されないが、一般的に5〜180分でよく、20〜80分が好ましい。昇温速度も限定されないが、一般的に10〜30℃/分でよい。冷却は急冷、徐冷のいずれでもよい。加熱装置も限定されないが、キルンなどが工業的に有利である(この加熱処理により生成した物質を加熱処理物と記すことがある)。
加熱処理した後、加熱処理物は溶出し易くするために粉砕することが好ましい。
溶出は水、または水溶液で行なう。水又は水溶液の量は特に限定されないが、好ましくは加熱処理物の1〜30重量倍、より好ましくは10〜20重量倍でよい。温水を用いることにより溶出を促進することができる。一般的には50℃以上、好ましくは70℃以上である。溶出時間は特に限定されないが、5〜120分、好ましくは60〜90分でよい。
以上の如く、本発明に従い、アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物を混合し、加熱処理し、ソーダ分の溶出を行なうことにより、溶出残渣中のソーダ分を極めて少なくすることが可能である。条件を適当に選択することにより、残留ソーダ分を1%以下、さらには0.6%以下、0.1%以下、特に0.01%以下にすることが可能であり、これによって珪酸カルシウムを主成分とするナトリウム回収残渣固形物はセメント原料として使用することが可能になる。さらに、アルミノ珪酸ソーダ中のソーダ分の回収率として計算して、95%以上、さらには99%以上、特に99.9%以上の回収(抽出)率を達成することも可能である。このように高いソーダ分の回収(抽出)率が達成可能であることは従来知られておらず、特にナトリウム回収残渣固形物中のソーダ分を1%以下にできることによりそれを有用なセメント原料として実用できることは、本発明の有用性を極めて高くするものである。
加熱処理物を水又は水溶液で溶出処理する際、ソーダ分と共にアルミナ分も溶出しても、この溶出液はそのままボーキサイトの処理(バイヤー法など)に再利用でき、ソーダ分とアルミナ分を分離する必要はない。一方、溶出残渣中にアルミナ分が残ってもセメント原料として用いるのに問題はなく、またアルミナ分が全く含まれない溶出残渣はそれはそれでセメント原料として好ましいものである。
本発明のプロセスの実施例を図1を参照して説明する。この処理プロセスは、大別して焼成工程、溶出工程で構成されている。
(焼成工程)
各種アルミノ珪酸ソーダを管路11より、また添加剤のCaOを管路12より混合装置1、例えばニーダーや混練機に供給し、アルミノ珪酸ソーダとCaOを良く混合する。この混合物は、管路13より加熱装置2、例えばキルンに供給され、1000℃〜1350℃で焼成処理される。次に、この焼成処理物は管路14より冷却装置3、例えばロータリークーラーまたはスチールベルトクーラーなどに送られ冷却し、ついで管路15より粉砕装置4、例えばハンマーミルに供給され粉砕される。
(溶出工程)
焼成工程の粉砕装置4で粉砕された粉砕物は、管路16を介して、管路17よりの水(または水溶液)と共に溶出装置5に供給され、撹拌混合しながら50℃〜100℃で溶出処理される。溶出装置5のスラリーは、管路18より抜き出され、固液分離装置6、例えば水平ベルトフィルターまたはロータリードラムフィルターで固液分離される。有用成分のナトリウムを含有する濾液は、管路20により抜き出され再利用される。分離ケーキは、管路19より供給される洗浄水により洗浄され、管路21より排出される。このナトリウム回収残渣は、カルシウムおよびシリカが主成分であり、ナトリウム含有量が1%以下であるのでセメント原料として有効利用される。また、この時の洗浄濾液も管路20より抜き出され再利用される。
図2〜4は本発明のプロセスを実施するより具体的に装置の構成例を分解して示すものである。これらの図において、混合機31には、ソーダライト貯槽32を介してソーダライトが、またCaO貯槽33、CaO粉砕機34、CaO定量供給機35を介してCaOが、それぞれ所定の粒度、所定の量で供給され、混合機31中で混合された後、混合物はキルン投入装置36を介してキルン37に投入され所定温度で焼成される。焼成物は冷却機38で冷却された後、解砕機粉砕機39で粉砕されてから、溶出槽40中で温水により溶出処理される。溶出処理されたスラリーは濾過機41で濾液とケーキとに分離され、濾液は濾液槽42を経て、蒸発濃縮装置43を介してバイヤー法などのアルミナ処理プロセスに利用される。一方、濾過後のケーキはケーキ受槽44を介して乾燥機45、乾燥ケーキ受槽46を経てセメント原料として利用される。47はバグフィルターである。
実施例
(例1)
水酸化アルミニウム・アルミナ製造のバイヤー法に追加した脱珪工程から得られるソーダライトの分析値を表1に示す。このソーダライトと粒径が53μm以下のCaO及び混合物全体での水分が40%になる量の水を混合装置に投入し、混合する。この時のCaO混合量は、ソーダライト中のケイ素成分をSiO2で表した時、CaO/SiO2モル比=3となるように添加した。この混合物をキルンで1200℃、滞留時間30分で焼成処理し、次いで冷却装置に投入し冷却した後粉砕装置で粉砕した。
粉砕処理物は溶出槽に投入し、水を焼成処理物(粉砕品)の20重量倍添加し、90℃で60分間良く撹拌混合し溶出を行った。次いでこの溶出スラリーを濾過機に供給し固液分離を行うと共に、分離ケーキを水で良く洗浄した。
得られた回収液およびケーキのナトリウム成分濃度を化学分析し、ナトリウム成分の回収率およびケーキ中のナトリウム残存濃度を求めた。その結果、ナトリウムの回収率は99.9%と高回収率が得られ、さらに不溶解残渣のナトリウム濃度も0.01dry%と非常に低く、セメント原料として利用できる有用物が得られた。
(例2)
例1と同じソーダライトに、粒径が300μm超のCaOを混合装置に投入し、混合する。この時のCaO混合量は、例1と同様に、CaO/SiO2モル比=3となるように添加した。この混合物をキルンで1200℃、滞留時間60分で焼成処理し、次いで冷却装置に投入し冷却した後粉砕装置で粉砕した。
粉砕処理物は溶出槽に投入し、水を焼成処理物(粉砕品)の20重量倍添加し、90℃で60分間良く撹拌混合し溶出を行った。次いでこの溶出スラリーを濾過機に供給し固液分離を行うと共に、分離ケーキを水で良く洗浄した。
得られた回収液およびケーキのナトリウム成分濃度を化学分析し、ナトリウム成分の回収率およびケーキ中のナトリウム残存濃度を求めた。その結果、ナトリウムの回収率は22.5%、不溶解残渣のナトリウム濃度は8.81dry%であった。
(例3)
例1と同じソーダライトに、粒径が53μm以下のCaOを混合装置に投入し、混合する。この時のCaO混合量は、例1と同様に、CaO/SiO2モル比=3となるように添加した。この混合物をキルンで800℃、滞留時間30分で焼成処理し、次いで冷却装置に投入し冷却した後粉砕装置で粉砕した。
粉砕処理物は溶出槽に投入し、水を焼成処理物(粉砕品)の20重量倍添加し、90℃で60分間良く撹拌混合し溶出を行った。次いでこの溶出スラリーを濾過機に供給し固液分離を行うと共に、分離ケーキを水で良く洗浄した。
得られた回収液およびケーキのナトリウム成分濃度を化学分析し、ナトリウム成分の回収率およびケーキ中のナトリウム残存濃度を求めた。その結果、ナトリウムの回収率は61.8%、不溶解残渣のナトリウム濃度は4.33dry%であった。
(例4)
使用済み合成ゼオライト4Aを用いて実験を行った。合成ゼオライト4Aの分析値を表2に示す。このゼオライトとCaOを混合装置に投入し、混合する。この時のCaO混合量は、ソーダライト中のケイ素成分をSiO2で表した時、CaO/SiO2モル比=3となるように添加した。この混合物をキルンで1200℃、滞留時間60分で焼成処理し、次いで冷却装置に投入し冷却した後粉砕装置で粉砕した。粉砕処理物は溶出槽に投入し、水を焼成処理物(粉砕品)の20重量倍添加し、90℃で60分間良く撹拌混合し溶出を行った。次いでこの溶出スラリーを濾過機に供給し固液分離を行うと共に、分離ケーキを水で良く洗浄した。得られた回収液およびケーキのナトリウム成分濃度を化学分析し、ナトリウム成分の回収率およびケーキ中のナトリウム残存濃度を求めた。その結果、ナトリウムの回収率は93.4%と高回収率が得られ、さらに不溶解残渣のナトリウム濃度も0.66dry%と非常に低く、セメント原料として利用できる有用物が得られた。
以上の通り、本発明によれば、次の効果が奏せられる。
(1)廃棄物あるいは未利用天然資源のアルミノ珪酸ソーダから、有用成分であるナトリウムをほぼ完全に回収することが可能である。
(2)廃棄物あるいは未利用天然資源のアルミノ珪酸ソーダから、ナトリウム含有濃度が非常に低いセメント原料を製造することができる。
産業上の利用分野
本発明によれば、現在廃棄されている、もしくは有効利用されていないアルミノ珪酸ソーダ、例えばアルミナおよびアルミニウム製造時に発生する赤泥やソーダライト、各種用途で利用されたゼオライト、または天然に存在するゼオライトおよびソーダライトを、それらに含有するナトリウムを分離することで、ナトリウムの回収利用とナトリウムを除去した残渣をセメント原料等として有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のブロセスの実施例を示す。
図2は本発明のプロセスを実施する装置構成の例(その1)を示す。
図3は本発明のプロセスを実施する装置構成の例(その2)を示す。
図4は本発明のプロセスを実施する装置構成の例(その3)を示す。
Claims (8)
- アルミノ珪酸ソーダにカルシウム化合物を加え、アルミノ珪酸ソーダおよびアルミノ珪酸ソーダに添加混合するカルシウム化合物の粒径は少なくとも60重量%以上が300μm以下であり、アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物の混合を、混合物が湿った状態で行ない、
得られるアルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物の混合物を1000〜1350℃の温度で加熱処理し、
得られる加熱処理物を水または水溶液で溶出処理して、アルミノ珪酸ソーダ中のナトリウム分を溶出させ、そして
前記溶出処理生成物から、溶出ナトリウムを回収するとともに、ナトリウム含有量が1重量%以下の有用物を得る
工程を含むアルミノ珪酸ソーダの処理方法。 - カルシウム化合物が、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、もしくは硫酸カルシウムの単体もしくはこれら2種類以上の混合物、またはそれらを含む混合物である請求項1記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
- アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物の混合比率が、アルミノ珪酸ソーダ中のナトリウム成分をNa2 Oで、ケイ素成分をSiO2 で表し、またカルシウム化合物中のカルシウム成分をCaOで表した時、以下のモル比である請求項1又は2記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
CaO/Na2 O=1〜5 または CaO/SiO2 =1〜5 - アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物との混合物の加熱処理において、加熱処理温度が1000〜1350℃での加熱処理時間が5〜180分である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
- アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物との混合加熱処理物からのナトリウム溶出において、上記混合加熱処理物を解砕または粉砕し、その解砕物または粉砕物に添加する水または水溶液が加熱処理物の1〜30重量倍であり、溶出処理温度が50℃以上であり、溶出時間が5〜120分である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
- 前記溶出処理操作で得られるスラリー(ナトリウム溶出液と溶出残渣の懸濁液)を固液分離し、得られたケーキを水で十分洗浄して、ナトリウム含有量1%以下のナトリウム回収残渣を得る請求項5記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
- 前記ナトリウム回収残渣、すなわち、アルミノ珪酸ソーダとカルシウム化合物との混合加熱処理物からナトリウムを全てもしくは一部除去したナトリウム含有量が1%以下の残渣をセメント生産の原料として用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
- 前記ナトリウム回収をした水溶液を、アルカリ溶液または水酸化ナトリウムを必要とする設備であるバイヤー法で再利用する請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミノ珪酸ソーダの処理方法。
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