JP3293155B2 - 水酸化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

水酸化アルミニウムの製造方法

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JP3293155B2 JP03646892A JP3646892A JP3293155B2 JP 3293155 B2 JP3293155 B2 JP 3293155B2 JP 03646892 A JP03646892 A JP 03646892A JP 3646892 A JP3646892 A JP 3646892A JP 3293155 B2 JP3293155 B2 JP 3293155B2
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F7/00Compounds of aluminium
    • C01F7/02Aluminium oxide; Aluminium hydroxide; Aluminates
    • C01F7/04Preparation of alkali metal aluminates; Aluminium oxide or hydroxide therefrom
    • C01F7/06Preparation of alkali metal aluminates; Aluminium oxide or hydroxide therefrom by treating aluminous minerals or waste-like raw materials with alkali hydroxide, e.g. leaching of bauxite according to the Bayer process

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボーキサイトを苛性カリ
ウム溶液で高温処理し、可溶性シリカ分を抽出し分離す
る各工程からなる前段処理工程と、シリカ分抽出後の固
液分離での不溶解残渣からアルミナ分を抽出し、水酸化
アルミニウムを析出せしめる本工程とからなる改良アル
ミナ製造方法に於て発生する不溶解残渣、すなわち赤泥
に関するものである。詳しくは、低廉なセメント原料
や、アスファルトフィラー・土木建築材料用骨材原料な
どとして最適なアルカリ低含有赤泥の製造効率を著しく
向上させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボーキサイトを苛性ソーダ溶液またはア
ルミン酸ソーダ溶液(以下アルミネ−ト液という)で高
温処理することにより、ボーキサイトからアルミナ分を
抽出し、析出により水酸化アルミニウムを製造するとい
ういわゆるバイヤー法において発生する不溶解残渣、す
なわち赤泥は、アルミナ1tonあたり700〜800
kgと大量に副生し、産業廃棄物として投棄されてい
る。しかし、近年、環境規制が強化されつつあるため、
早急に赤泥の有効利用対策の確立が求められているにも
かかわらず、実用化されている施策はない。したがって
バイヤー法によってアルミナを製造している企業にとっ
てはその利用方法の確立が大きな課題となっている。
【0003】バイヤー法の原料であるボーキサイトは第
1成分として水酸化アルミニウム、第2成分として酸化
鉄、その他の成分としてシリカ、チタニア等から成り立
っている。高温高圧溶解処理によりボーキサイト中の水
酸化アルミニウム、シリカなどがアルミネート液中に部
分的に溶け出す。このアルミネート液等の苛性アルカリ
溶液に溶け出すシリカ分を反応性シリカ(R−SiO
2 )と呼び、溶けない石英質シリカ(Q−SiO2 )と
区別している。水酸化アルミニウムは種子が加えられ、
析出するまで比較的安定にアルミネ−ト液中に存在する
が、溶け出した反応性シリカは溶解開始後短時間で過飽
和状態となるため不安定であり、複合珪酸塩鉱物の一つ
であるソーダライトとして晶出し易い。ソーダライトは
高温で安定であり、Al23 およびSiO2 とNa2
Oとからなる物質なので、晶析の際アルミネート液中の
シリカを取り込み、液中シリカ濃度は著しく低下する。
また液中にシリカがなければ、ソーダライトは晶析しな
い。したがって、不溶解残渣として排出される赤泥の中
には、第2成分であった酸化鉄と、溶解時に晶析したソ
ーダライトとが主成分として含まれ、アルミネート液中
のシリカは水酸化アルミニウムの品質に影響の無いレベ
ルまで低下する。この赤泥の組成は原料ボーキサイトの
組成によっても若干異なるが、Fe23 が40〜50
重量%、ソーダライトが20〜50重量%の範囲にあ
る。その他には石英、TiO2 、アルミナ水和物および
石灰石のそれぞれが数重量%含まれる。
【0004】このような赤泥の有効利用を阻んでいるの
は、赤泥に含まれるアルカリ分にあり、他物質との反応
性に富むうえ、腐食・生体への悪影響なども引き起こす
ためである。このソーダ分はソーダライトとして含ま
れ、それは技術的にはボーキサイト中の反応性シリカの
分離である。ボーキサイト中の反応性シリカを分別する
ために、さまざまな方法が考案されており、例えば、ソ
ーダライトの構成分であるシリカをボーキサイトから予
め抽出し除くことによりソーダライトの生成を抑えよう
とする方法(特公昭58ー3969)、粉砕ボーキサイ
トの粒度が細かいほどボーキサイトの反応性シリカ含有
量が高いことと、アルミネート液中でのアルミナ分とシ
リカ分の溶出速度差が大きいこととを利用した方法(特
開昭63−190709)などがある。しかしながらこ
れらの方法では、シリカ抽出を十分になしえず、結果的
に赤泥中のソーダ含有量が望ましい数値である1重量%
以下とはならない。というのは、これらのプロセスに用
いたアルミネート液は水酸化アルミニウムを製造する工
程と同じ組成の液を使用しており、反応性シリカを十分
に抽出するには不適切な条件であるためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】赤泥中のソ−ダ含有量
が1重量%以下となる製造方法に関する先行技術として
は、唯一特願平3−339054の発明である。シリカ
抽出液としてアルミネート液を使用している本出願発明
では、ボーキサイト中の反応性シリカが溶出しきらない
うちにソーダライト生成反応が始まり易い為に、両反応
を全く別々に生ぜしめるように厳しい運転条件で管理す
ることが必須要件であり、その後でシリカを複合珪酸塩
鉱物の一つのソーダライトとして別途分離する必要もあ
った。また抽出液粘度が高いことと不溶解残渣の粒度が
細かいことにより次工程の固液分離は非常に困難をとも
なうという問題点があった。更にシリカを十分に抽出す
るため抽出液の苛性ソ−ダ濃度をかなり高くするための
濃縮設備が新たに必要であり、莫大な設備投資が求めら
れるという問題点もあった。
【0006】前記出願発明における厳しい運転条件管理
の緩和、固液分離性の向上および設備投資額の低減を実
現するために用いるシリカ抽出液の最も望ましい特性と
しては、下記の〜の事項に合致する必要がある。特
にととの両立は極めて難しい。 抽出液の単位容積当たりのシリカ溶解量が大きいこ
と。この溶解量がボーキサイト処理効率を左右する。 溶存しているシリカが容易に晶析しないこと。 シリカ抽出後の液粘度が十分に低いこと。不溶解残渣
は微粒化し易いため濾別効率が悪くなり易い。 溶存しているシリカを緩やかな運転条件管理で晶析さ
せられること。 したがって上記の〜を同時に両立できるシリカ抽出
液を使用して効率良くかつ新規大型投資を要しないで、
不溶解残渣としての赤泥中のアルカリ分が酸化物基準で
1重量%以下である水酸化アルミニウムまたはアルミナ
等を製造する方法の確立が本発明の課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは製造効率が
よく且つ新規の大型投資を要しないで低アルカリ赤泥と
従来の場合と全く品質が変わらない水酸化アルミニウム
またはアルミナとを製造する方法について鋭意研究した
結果、シリカ抽出液として水酸化カリウム溶液またはア
ルミン酸カリウム溶液(以下これらを苛性カリ溶液とい
う)を用いることが極めて好ましいことを見出し本発明
を完成するに到った。本発明の第1の要旨は「ボーキサ
イトを苛性アルカリ溶液で溶解処理し、溶解液を固液分
離して不溶解物として赤泥を排出し、赤泥分離溶液から
水酸化アルミニウムを析出させる水酸化アルミニウムの
製造方法において、ボーキサイトを粉砕するボーキサイ
ト粉砕工程の後、該ボーキサイトを予め苛性カリウム溶
液で処理して可溶性シリカ分を抽出し、固液分離により
該抽出液から不溶解残渣を分離後、残りの抽出液からは
複合珪酸塩鉱物を晶析させ、晶析した複合珪酸塩鉱物は
固液分離により脱珪生成物として分離し、残液は前記ボ
ーキサイト粉砕工程に循環する前段処理工程と、可溶性
シリカ分抽出後の前記不溶解残渣は、洗滌後または洗滌
なしで、苛性アルカリ溶液に溶解処理するアルミナ抽出
工程後、固液分離して不溶解残渣は赤泥として排出し、
赤泥分離容液は水酸化アルミニウムを析出後固液分離
し、その残液は前記アルミナ抽出工程に循環させる本工
程とからなることを特徴とする水酸化アルミニウムの製
造方法。」である。
【0008】本発明の第2の要旨は「赤泥に含まれるア
ルカリ分が、酸化物基準で1重量%以下であることを特
徴とする請求項1記載の水酸化アルミニウムの製造方
法。」である。本発明の第3の要旨は「ボーキサイトを
粉砕するボーキサイト粉砕工程の後、該ボーキサイトを
予め苛性カリウム溶液で処理して可溶性シリカ分を抽出
し、固液分離により該抽出液から不溶解残渣を分離後、
残りの抽出液からは複合珪酸塩鉱物を晶析させ、晶析し
た複合珪酸塩鉱物は固液分離により脱珪生成物として分
離し、残液は前記ボーキサイト粉砕工程に循環するボー
キサイトの脱珪方法。」である。
【0009】以下、本発明の詳細について述べる。改良
アルミナ製造方法の工程概要は図4に示す通り、前段処
理工程と本工程とからなっており、まず前段処理工程で
ある脱珪工程について述べる。ボ−キサイトからシリカ
を十分に抽出するに用いる苛性カリ溶液の濃度は2mo
l/Lから20mol/L、望ましくは6.5mol/
Lから12mol/Lが良い。この濃度範囲より高い
と、液粘度が高くなりすぎて実用的ではなく、低いとシ
リカ溶解能が十分でない。また、該抽出液にアルミネ−
ト液が混入しても抽出液のシリカ溶解能は劣化しないの
で、実際の使用に当たっては意図的に混入させても構わ
ない。
【0010】液濃度が決定されると、下記の式(2)か
らボーキサイトの仕込量が規定される。実際の仕込量は
式(2)で求められるボーキサイト量の40%から10
0%の範囲が望ましい。なお、式(2)は、図1を用い
て、下記の式(1)に置き換えることができる。 式(1) ボーキサイト仕込量(g/l)=(苛性カリウム溶液の
モル濃度(mol/L)×2.7−5.6)/(ボーキ
サイト中の反応性シリカ含有量(重量%)/100) 式(2)
【数1】
【0011】次に溶存シリカ安定性は液温度にも依存す
る。150℃以下で且つ上記の濃度範囲内では3時間以
上経過しても晶析してこない。したがって、処理時間の
範囲は0.5時間から5時間、望ましくは0.5時間か
ら4時間が良い。その際の液温度は、90℃から150
℃、望ましくは100℃から140℃の範囲で処理する
のがよい。この温度範囲でなら、一律の処理時間で構わ
ない。したがってこの融通性は、実操業の安定度に大き
な好ましい効果を与える。上記の液濃度であれば液温度
によってその程度は異なるが、苛性カリ溶液の液粘度は
苛性ソーダ溶液のそれより低くなる。通常のケリーフィ
ルター、またはフィルタープレス等が使用される固液分
離に要する時間は苛性カリ溶液の方の液粘度が低いた
め、苛性ソーダ溶液を用いた場合より短くなる。
【0012】しかしながら溶解能および液中安定性とも
に高い苛性カリ溶液での脱珪は、たとえ種子添加による
促進効果が付加されても非常に困難であり、シリカは液
温が140℃以下では晶析し難い。したがってシリカの
晶析方法に工夫が必要であった。シリカリッチな苛性カ
リ溶液に特定の種子を添加した場合は、液温として14
0〜300℃、望ましくは160℃から240℃の範囲
が良い。種子を加えない場合は液温として160〜30
0℃、望ましくは180℃から240℃の範囲が良い。
その際シリカはカリ沸石として晶析する。カリ沸石は、
シリカ・アルミナ・酸化カリウムを主成分とする物質で
ある。140℃以下では、カリ沸石は生成しないので、
液中シリカ濃度は低下しないか、もしくは低下してもそ
の度合は低く実用的でない。また特定の種子添加の場合
でも、カリ長石またはカンクリナイトを比表面積0.5
〜20m2 /gまで粉砕したもの、望ましくは5〜20
2 /gまで粉砕したものを用いる。種子添加率は5〜
50m2 /L、望ましくは10〜40m2 /Lの範囲で
行うのが良い。この範囲より高くても種子効果に著しい
差異はみられず、低いと十分な脱珪が図れない。
【0013】処理時間は1時間以上、望ましくは1.5
時間から4時間の範囲内で行うのが良い。次に本工程が
バイヤ−工程による場合は、前段処理工程の固液分離後
の不溶解残渣には苛性カリ溶液が付着しているので、水
等で十分に洗滌処理する必要がある。アルミナ抽出液と
して苛性カリ溶液を使用する場合は洗滌する必要はな
く、アルミナ抽出溶液のKOH濃度は2mol/L〜1
0mol/Lの範囲で、液温は60℃〜300℃の範囲
である。
【0014】
【作用】シリカ溶解能とは単位体積中に溶かし込めるシ
リカの量を意味し、図1に示す通り、苛性カリ溶液のシ
リカ溶解能はアルミネート液のそれとほぼ同等である。
また図2は液中水酸化アルカリ分に対するアルミナ分の
モル比を0.3と等しくした場合を示し、液粘度を同じ
モル濃度で比較した場合、苛性カリ溶液の方がアルミネ
ート液よりかなり低く、温度が低下しても増粘傾向が小
さいことが理解でき、この性質は安定操業に多大の効果
を与える。これから苛性カリ溶液とアルミネート液の粘
度が同レベルになるよう調整した場合、苛性カリ溶液の
方がモル濃度が高くなる。すなわち、実際の使用では液
粘度が制限因子となるので、苛性カリ溶液の方がアルミ
ネート液よりシリカ溶解能は高いことになる。したがっ
て苛性カリ溶液がシリカ溶解能が大きく、固液分離がし
易いというシリカ抽出に最適な特性を示すことは明白で
ある。
【0015】シリカ溶解能が大きくなると液中に溶存し
ているシリカの安定性が問題になる。この溶存安定性を
アルミネート液の場合と比較するため、それぞれの溶液
中に、含まれる反応性シリカが全部溶けた場合シリカ溶
解能の値に近くなるようにインドネシア産ボーキサイト
を投入し、105℃で加熱して液中溶存シリカの経時変
化を調べたところ、図3に示す通りになった。これから
もわかるようにアルミネート液に比較して苛性カリ溶液
の方がシリカの溶存安定性が非常に高い。これらの特徴
はボーキサイトから反応性シリカを分離する際に絶大な
効果を発揮し、より高製造効率でアルカリ低含有赤泥を
製造できる。また、抽出液は循環使用されるので、その
液からシリカを除く必要があるが、一般に溶存シリカ安
定性が高いと脱珪しにくいので、実用的な脱珪処理を特
別に工夫する必要があった。通常脱珪処理は種子を添加
して行ない、これに加えて温度制御を行うと液中シリカ
濃度が非常に低下することが判明した。
【0016】
【実施例】次に実施例により、本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1) 粉砕したインドネシア産ボーキサイト(反応性シリカ含
有量3.7重量%)約540gをKOH濃度10mol
/L、Al23 濃度3mol/Lの組成を持つ溶液1
000ccに加え、オートクレーブ中で120℃で攪拌
しつつ、熱処理した。約2時間後、このスラリーを加圧
濾過によってただちに分離に要する時間は約20分で固
液分離し、不溶解残渣と液とに分け脱珪生成物を除い
た。一方、不溶解残渣はNaOH濃度150g/l、A
23 濃度60g/lの組成を持つアルミネート液
に、抽出後のAl23 モル濃度/NaOHモル濃度比
が0.31となるように加え、140℃で約1時間アル
ミナ分の抽出を行った。次に不溶解残渣と液とに固液分
離し、液は水酸化アルミニウムの析出に用いた。この液
のSiO2 濃度は0.5g/lであり、水酸化アルミニ
ウムの析出には支障の無いレベルであった。不溶解残渣
として排出された赤泥は水洗し、湿式分析したところ、
Na2 O分は0.3重量%しか含まれていなかった。
【0017】(実施例2)粉砕したインドネシア産ボー
キサイト(反応性シリカ含有量3.7重量%)約380
gをKOH濃度6.3mol/L、Al23 濃度1.
9mol/Lの組成を持つ溶液1000ccに加え、1
40℃で攪拌しつつ、熱処理した。約3時間後、このス
ラリーを加圧濾過によってただちに分離に要する時間は
約15分で固液分離し、不溶解残渣と液とに分けた。こ
の液に1m2 /gまで粉砕したカリ長石を7m2 /Lの
割合で添加し、170℃で約2時間保持し、脱珪を行っ
た。この後、固液分離し脱珪生成物を除いた。一方、不
溶解残渣はNaOH濃度150g/l、Al23 濃度
60g/lの組成を持つアルミネート液に、抽出後のA
23 モル濃度/NaOHモル濃度比が0.8となる
ように加え、140℃で約1時間アルミナ分の抽出を行
った。次に不溶解残渣と液とに固液分離し、液は水酸化
アルミニウムの析出に用いた。この液のSiO2 濃度は
0.5g/lであり、水酸化アルミニウムの析出には支
障の無いレベルであった。不溶解残渣として排出された
赤泥は水洗し、湿式分析したところ、Na2 O分は0.
4重量%しか含まれていなかった。
【0018】(実施例3) 粉砕したオーストラリア産ボーキサイト(反応性シリカ
含有量2.8重量%)約340gをKOH濃度5mol
/L、Al23 濃度1.5mol/Lの組成を持つ溶
液1000ccに加え、100℃で攪拌しつつ、熱処理
した。約4時間後、このスラリーを加圧濾過によってた
だちに分離に要する時間は約10分で固液分離し、不溶
解残渣と液とに分けた。この液に7m2 /gまで粉砕し
たカリ長石を10m2 /Lの割合で添加し、160℃で
約2.3時間保持し、脱珪を行った。この後、固液分離
し脱珪生成物を除いた。一方、不溶解残渣はNaOH濃
度150g/l、Al23 濃度60g/lの組成を持
つアルミネート液に、抽出後のAl23 モル濃度/N
aOHモル濃度比が0.31となるように加え、140
℃で約1時間アルミナ分の抽出を行った。次に不溶解残
渣と液とに固液分離し、液は水酸化アルミニウムの析出
に用いた。この液のSiO2 濃度は0.5g/lであ
り、水酸化アルミニウムの析出には支障の無いレベルで
あった。不溶解残渣として排出された赤泥は水洗し、湿
式分析したところ、Na2 O分は0.6重量%しか含ま
れていなかった。
【0019】(実施例4)粉砕したオーストラリア産ボ
ーキサイト(反応性シリカ含有量2.8重量%)約34
0gをKOH濃度5mol/L、Al23 濃度1.5
mol/Lの組成を持つ溶液1000ccに加え、10
0℃で攪拌しつつ、熱処理した。約4時間後、このスラ
リーを加圧濾過によってただちに分離に要する時間は約
10分で固液分離し、不溶解残渣と液とに分けた。この
液に7m2 /gまで粉砕したカリ長石を10m2 /Lの
割合で添加し、160℃で約2.3時間保持し、脱珪を
行った。この後、固液分離し脱珪生成物を除いた。一
方、不溶解残渣を、KOH濃度210g/l、Al2
3 濃度60g/lの組成を持つ苛性カリ溶液に、抽出後
のAl23 モル濃度/KOHモル濃度比が0.3とな
るように加え、150℃で約1時間アルミナ分の抽出を
行った。次に不溶解残渣と液とに固液分離し、液は水酸
化アルミニウムの析出に用いた。この液のSiO2 濃度
は0.63g/lであり、水酸化アルミニウムの析出に
は支障の無いレベルであった。不溶解残渣として排出さ
れた赤泥は水洗し湿式分析したところ、K2 O分は0.
4重量%しか含まれていなかった。
【0020】(比較例1) 粉砕したインドネシア産ボーキサイト(反応性シリカ含
有量3.7重量%)約210gをNaOH濃度3.75
mol/L、Al23 濃度1.1mol/Lの組成を
持つ溶液1000ccに加え、60℃で攪拌しつつ、熱
処理した。約1.3時間後、このスラリーを加圧濾過に
よってただちに分離に要する時間は約25分で固液分離
し、不溶解残渣と液とに分けた。この液に2m2 /gま
で粉砕したバイヤー工程スケールを1m2 /Lの割合で
添加し、100℃で約0.5時間保持し、脱珪を行っ
た。この後、固液分離し脱珪生成物を除いた。一方、不
溶解残渣はNaOH濃度150g/l、Al23 濃度
60g/lの組成を持つアルミネート液に、抽出後のA
23 モル濃度/NaOHモル濃度比が0.31とな
るように加え、140℃で約1時間アルミナ分の抽出を
行った。次に不溶解残渣と液とに固液分離し、液は水酸
化アルミニウムの析出に用いた。この液のSiO2 濃度
は0.7g/lであり、水酸化アルミニウムの析出には
支障の無いレベルであった。不溶解残渣として排出され
た赤泥は水洗し、湿式分析したところ、Na2 O分は
5.1重量%含まれていた。
【0021】(比較例2) 粉砕したインドネシア産ボーキサイト(反応性シリカ含
有量3.7重量%)約410gをNaOH濃度4.25
mol/L、Al23 濃度1.3mol/Lの組成を
持つ溶液1000ccに加え、80℃で攪拌しつつ、熱
処理した。約2.7時間後、このスラリーを加圧濾過に
よってただちに分離に要する時間は約60分で固液分離
し、不溶解残渣と液とに分けた。この液に3.7m2
gまで粉砕した合成ソ−ダライトを3m2 /Lの割合で
添加し、90℃で約0.5時間保持し、脱珪を行った。
この後、固液分離し脱珪生成物を除いた。一方、不溶解
残渣はNaOH濃度150g/l、Al23 濃度60
g/lの組成を持つアルミネート液に、抽出後のAl2
3 モル濃度/NaOHモル濃度比が0.31となるよ
うに加え、140℃で約1時間アルミナ分の抽出を行っ
た。次に不溶解残渣と液とに固液分離し、液は水酸化ア
ルミニウムの析出に用いた。この液のSiO2 濃度は
0.5g/lであり、水酸化アルミニウムの析出には支
障の無いレベルであった。不溶解残渣として排出された
赤泥は水洗し、湿式分析したところ、Na2 O分は6.
9重量%含まれていた。
【0022】(比較例3) 粉砕したオーストラリア産ボーキサイト(反応性シリカ
含有量2.8重量%)約210gをNaOH濃度3.7
5mol/L、Al23 濃度1.1mol/Lの組成
を持つ溶液1000ccに加え、150℃で攪拌しつ
つ、熱処理した。約0.8時間後、このスラリーを加圧
濾過によってただちに分離に要する時間は約25分で固
液分離し、不溶解残渣と液とに分けた。この液を90℃
で約0.1時間保持し、脱珪を行った。この後、固液分
離し脱珪生成物を除いた。一方、不溶解残渣はNaOH
濃度150g/l、Al23 濃度60g/lの組成を
持つアルミネート液に、抽出後のAl23 モル濃度/
NaOHモル濃度比が0.31となるように加え、14
0℃で約1時間アルミナ分の抽出を行った。これを抽出
後、不溶解残渣と液とに固液分離し、液は水酸化アルミ
ニウムの析出に用いた。この液のSiO2 濃度は0.3
g/lであり、水酸化アルミニウムの析出には支障の無
いレベルであった。不溶解残渣として排出された赤泥は
水洗し、湿式分析したところ、Na2 O分は4.4重量
%含まれていた。
【0023】
【発明の効果】本発明により、多額の費用をかけて投棄
している赤泥の商業的活用が可能になると共に、多額の
新規設備投資をかけないで、従来より可なり高い製造効
率で処理できる方法が確立できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】水酸化カリウム溶液のモル濃度に対する反応性
シリカの溶解能を示す。
【図2】シリカ抽出液のアルカリ分に対するアルミナ分
のモル比(Al23 /NaOH、またはAl23
KOH)を0.3に調製した場合の、溶液温度に対する
液粘度の違いを示した。
【図3】水酸化カリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液と
を用いてボーキサイト中からシリカの抽出を行った際
の、液中シリカ濃度の経時曲線を示した。なお、この際
の処理温度は105℃である。
【図4】改良アルミナ製造方法の工程概要を示す。
【符号の説明】
1 ボーキサイト粉砕 2 反応性シリカ抽出 3 固液分離 4 ソーダライト晶析 5 固液分離 6 洗滌 7 アルミナ抽出 8 固液分離 9 水酸化アルミニウム析出 10 固液分離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−160321(JP,A) 特開 平5−170434(JP,A) 特公 昭50−20040(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 7/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボーキサイトを苛性アルカリ溶液で溶解処
    理し、溶解液を固液分離して不溶解物として赤泥を排出
    し、赤泥分離溶液から水酸化アルミニウムを析出させる
    水酸化アルミニウムの製造方法において、ボーキサイト
    粉砕するボーキサイト粉砕工程の後、該ボーキサイト
    を予め苛性カリウム溶液で処理して可溶性シリカ分を抽
    出し、固液分離により該抽出液から不溶解残渣を分離
    後、残りの抽出液からは複合珪酸塩鉱物を晶析させ、晶
    析した複合珪酸塩鉱物は固液分離により脱珪生成物とし
    て分離し、残液は前記ボーキサイト粉砕工程に循環する
    前段処理工程と、可溶性シリカ分抽出後の前記不溶解残
    渣は、洗滌後または洗滌なしで、苛性アルカリ溶液に溶
    解処理するアルミナ抽出工程後、固液分離して不溶解残
    渣は赤泥として排出し、赤泥分離容液は水酸化アルミニ
    ウムを析出後固液分離し、その残液は前記アルミナ抽出
    工程に循環させる本工程とからなることを特徴とする水
    酸化アルミニウムの製造方法。
  2. 【請求項2】赤泥に含まれるアルカリ分が、酸化物基準
    で1重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の
    水酸化アルミニウムの製造方法。
  3. 【請求項3】ボーキサイトを粉砕するボーキサイト粉砕
    工程の後、該ボーキサイトを予め苛性カリウム溶液で処
    理して可溶性シリカ分を抽出し、固液分離により該抽出
    液から不溶解残渣を分離後、残りの抽出液からは複合珪
    酸塩鉱物を晶析させ、晶析した複合珪酸塩鉱物は固液分
    離により脱珪生成物として分離し、残液は前記ボーキサ
    イト粉砕工程に循環するボーキサイトの脱珪方法。
  4. 【請求項4】前段処理工程での苛性カリウム溶液の苛性
    アルカリ濃度が、2mol/L〜20mol/Lである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水酸化アル
    ミニウムの製造方法。
  5. 【請求項5】脱珪工程での苛性カリウム溶液の苛性アル
    カリ濃度が、2mol/L〜20mol/Lであること
    を特徴とする請求項3に記載のボーキサイトの脱珪方
    法。
  6. 【請求項6】本工程における苛性アルカリ溶液の水酸化
    アルカリ濃度が2mol/L〜10mol/Lであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の水酸化アルミニウムの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ボーキサイト仕込量が下記の式(1)で
    求められる量の40〜100%であることを特徴とする
    請求項1に記載の水酸化アルミニウムの製造方法。式(1) ボーキサイト仕込量(g/l)=(苛性カリウム溶液の
    モル濃度(mol/L)×2.7−5.6)/(ボーキ
    サイト中の反応性シリカ含有量(重量%)/100)
  8. 【請求項8】 ボーキサイト仕込量が下記の式(1)で
    求められる量の40〜100%であることを特徴とする
    請求項3に記載のボーキサイトの脱珪方法。 式(1) ボーキサイト仕込量(g/l)=(苛性カリウム溶液の
    モル濃度(mol/L)×2.7−5.6)/(ボーキ
    サイト中の反応性シリカ含有量(重量%)/100)
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