JP4520957B2 - ゼオライトの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、ゼオライトの製造方法および製造装置に関し、詳しくは、石炭をエネルギー源とする発電設備などにおいて発生する石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを製造するための製造装置およびその製造方法に関する。
焼却灰原料からゼオライトを製造する方法として、例えば、図5に示すような装置を用いて、焼却灰原料を水酸化ナトリウムと反応させてゼオライトを製造する方法がある(特許文献1参照)。
この特許文献1の方法によれば、以下の操作によりゼオライトの製造が行われる。
(1)まず、ホッパ31から焼却灰原料(この例では石炭灰)41を、水酸化ナトリウムタンク34から水酸化ナトリウム水溶液22を予備反応槽を兼ねる混合槽24に供給し、混合してスラリー23(23a)とするとともに、例えば、約90℃の温度に加熱して予備反応を行わせる。
(2)それから、混合槽(予備反応槽)24内のスラリー23(23a)を加圧反応槽25に連続的に供給し、例えば、0.8kg/cm2Gの加圧下で約120℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化ナトリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する。このとき、加圧反応槽25内のスラリー23(23b)をその底部から抜き出し、循環ライン37を経て循環させながら反応を行わせる。
(3)そして、循環ライン37を循環するスラリー23(23b)の一部を、送液ライン40を経て熱交換器27aに導き、スラリー供給ライン36a,スラリー循環ライン36bを経て循環する混合槽24内のスラリー23(23a)と熱交換させるとともに、熱交換器27bにおいて、水酸化ナトリウムタンク34から混合槽24に供給される水酸化ナトリウム水溶液22と熱交換させた後、スラリータンク28に送液する。
(4)次いで、スラリータンク28内のスラリー23(23c)を脱水機29に送って脱水し、分離された固形物(ゼオライト)を水洗槽42で水洗した後、脱水機43で再脱水し、これを乾燥機30に送って乾燥することにより、製品であるゼオライト(ナトリウム型ゼオライト)を得る。
そして、ゼオライトにさらなる特性を付与するため、ゼオライトが有する陽イオン(特許文献1の製造方法により製造されたゼオライトにおいてはナトリウムイオン)を他の陽イオンに置換することが行われるに至っている。
しかしながら、上述の方法で製造されたゼオライトについて、イオン交換操作を実施しても、数%程度のナトリウム分が残留することになり、ナトリウム分をさらに除去しようとすればコストが飛躍的に増加するという問題点がある。
また、水酸化カリウム溶液と焼却灰を反応させ、ナトリウムを含有しないゼオライトを製造する方法も実験的には試みられていたが、品質の良好な製品を得るためには、15時間以上もの反応時間が必要で、工業規模では装置の大型化が懸念されていた。
特開平9−255324号公報
本願発明は、水酸化カリウムと焼却灰原料の反応を工業規模で可能ならしめたゼオライトの製造方法および製造装置であって、水酸化ナトリウムを用いることなく、イオン交換が不要で、K型人工ゼオライトを経済的に製造することが可能なゼオライトの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本願発明(請求項1)のゼオライトの製造方法は、
(a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、
(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、
(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、
(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、
(e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、
(f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、
(g)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、
(h)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のゼオライトの製造方法は、
(a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、
(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、
(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、
(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、
(e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、
(f)前記洗浄工程で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理工程と、
(g)前記陽イオン置換処理工程においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄工程と、
(h)最終洗浄工程で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、
(i)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、
(j)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項3のゼオライトの製造方法は、請求項1または2記載の発明の構成において、前記蒸発濃縮工程において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を前記反応工程に供給することを特徴としている。
また、本願発明(請求項4)のゼオライトの製造装置は、
(a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、
(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、
(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、
(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
(e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、
(f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、
(g)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、
(h)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部と
を具備することを特徴とするゼオライトの製造装置。
また、本願発明(請求項5)のゼオライトの製造装置は、
(a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、
(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、
(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、
(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
(e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、
(f)前記洗浄手段で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理機構部と、
(g)前記陽イオン置換処理機構部においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄手段と、
(h)最終洗浄手段で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、
(i)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、
(j)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部と
を具備することを特徴としている。
また、請求項6のゼオライトの製造装置は、請求項4または5記載の発明の構成において、前記蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を前記反応機構部に戻すことを特徴としている。
また、請求項7のゼオライトの製造装置は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明の構成において、前記ケイ酸塩分離機構部において、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを1〜7molの範囲で添加することを特徴としている。
また、請求項8のゼオライトの製造装置は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明の構成において、前記ケイ酸塩分離機構部において、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを2〜4molの範囲で添加することを特徴としている。
また、請求項9のゼオライトの製造装置は、請求項4〜8のいずれかに記載の発明の構成において、前記ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として1000ppm以下とすることを特徴としている。
また、請求項10のゼオライトの製造装置は、請求項4〜8のいずれかに記載の発明の構成において、前記ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として500ppm以下とすることを特徴としている。
また、請求項11のゼオライトの製造装置は、請求項4〜10のいずれかに記載の発明の構成において、前記反応機構部が、並列に接続された2以上の加圧反応槽を備えており、各加圧反応槽で交互にまたは並行して、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応せしめることができるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項12のゼオライトの製造装置は、請求項4〜11のいずれかに記載の発明の構成において、前記反応機構部において、反応時間1〜10時間、反応温度100〜160℃の条件で反応させることを特徴としている。
また、請求項13のゼオライトの製造装置は、請求項4〜11のいずれかに記載の発明の構成において、前記反応機構部において、反応時間3〜7時間、反応温度110〜140℃の条件で反応させることを特徴としている。
また、請求項14のゼオライトの製造装置は、請求項4〜13のいずれかに記載の発明の構成において、前記濾過手段により濾過したゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部を、前記蒸発濃縮機構部における蒸発濃縮の対象とし、かつ、前記蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮した濃縮洗浄液を、前記スラリー調合機構部におけるスラリーの調合に用いることを特徴としている。
また、本願発明(請求項1)のゼオライトの製造方法は、(a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、(e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、(f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、(g)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、(h)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程とを具備しているので、水酸化ナトリウムを用いることなく、ナトリウムを除去するためのイオン交換を必要としない人工ゼオライトを効率よく、経済的に製造することが可能になる。
すなわち、本願発明のゼオライトの製造方法によれば、
(イ)反応工程において、焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させるようにしているので、短い反応時間で良好なゼオライトを生成させることが可能になる、
(ロ)また、ケイ酸塩分離液を蒸発濃縮するとともに、洗浄工程においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、所定の固形分濃度のスラリーを調合するようにしているので、水酸化カリウム成分を含む洗浄液を回収し、再利用して、薬剤原単位を抑えることが可能になる、
(ハ)また、スラリー調合工程において、焼却灰原料と、フレッシュな水酸化カリウムとを混合すると、スラリー調合工程において、反応工程で生成させるべき反応とは異なる反応が生起してしまい、所望の特性を備えたゼオライトを得ることが困難になる場合があるが、本願発明においては、水酸化カリウムの含有量が低く、反応性の穏やかな洗浄液を焼却灰原料と混合してスラリーを調合するようにしているので、スラリー調合工程において、意図しない反応が生起することを抑制して、所望の特性を備えたゼオライトを確実に製造することが可能になる、
(ニ)また、ゼオライト分離濾液からケイ酸塩を除去するとともに、ケイ酸塩を除去したゼオライト分離濾液を濃縮することにより、洗浄工程においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部をスラリー調合工程に戻すことが可能になる。すなわち、洗浄液をスラリー調合に用いようとすると、系内の液量バランスが崩れ、反応機構部におけるスラリー濃度が、好ましい範囲(例えば、スラリー濃度20重量%)を下回ることになり、設備全体の適正な操業に支障をきたすことになるが、ケイ酸塩を除去したゼオライト分離濾液を濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程を備えているので、この蒸発濃縮工程で濃縮したゼオライト分離濾液を系内に戻すことにより、ゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合工程で用いるようにした場合にも、系内の液量のバランスを保って、反応工程におけるスラリー濃度を所望のスラリー濃度に調整して操業を行うことが可能になるとともに、洗浄液およびゼオライト分離濾液(の濃縮液)中の有効成分(水酸化カリウム)を効率よく回収して、薬剤原単位を抑えることが可能になる、
(ホ)また、水酸化カリウムは同じ水酸化アルカリである水酸化ナトリウムよりも高価であるが、水酸化ナトリウムを用いて製造したNa型のゼオライトを例えばK型に変換しようとすると、水酸化カリウムなどのK化合物を用いてイオン交換を行うことが必要になり、最初から水酸化カリウムを用いてゼオライトを製造する方が全体的なコストの低減を図ることが可能になる
などの効果を得ることができる。
また、本願発明(請求項2)のゼオライトの製造方法は、(a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、(e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、(f)前記洗浄工程で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理工程と、(g)前記陽イオン置換処理工程においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄工程と、(h)最終洗浄工程で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、(i)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、(j)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程とを備えた構成、すなわち、洗浄後のゼオライトが有する陽イオン(Kイオン)を他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理工程を備えた構成を有しているので、請求項1の発明から得られる効果に加えて、ナトリウム型ゼオライトでは得られないようなさらなる特性を備えたゼオライトを得ることが可能になるという効果が得られる。
なお、置換される陽イオンとしては、Li、Na、NH4、Mg、Ca、Agなどが例示される。
また、請求項3のゼオライトの製造方法のように、蒸発濃縮工程において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を反応工程に供給することにより、例えば、蒸発濃縮したケイ酸塩分離液をスラリー調合機構部に戻した場合に生じるような、好ましくない反応が生じることを回避しつつ、ケイ酸塩分離液に含まれる有効成分(水酸化カリウム)を効率よく回収、再使用することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
本願発明(請求項4)のゼオライトの製造装置は、(a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、(e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、(f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、(g)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、(h)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部とを備えているので、水酸化ナトリウムを用いることなく、ナトリウムを除去するためのイオン交換を必要としない人工ゼオライトを効率よく、経済的に製造することが可能になる。
すなわち、本願発明のゼオライトの製造装置においては、請求項1のゼオライトの製造方法で得られる効果と同様に、
(イ)短い反応時間で良好なゼオライトを生成させることが可能になる、
(ロ)水酸化カリウム成分を含む洗浄液を回収し、再利用して、薬剤原単位を抑えることが可能になる、
(ハ)水酸化カリウムの含有量が低く、反応性の穏やかな洗浄液を焼却灰原料と混合してスラリーを調合するようにしているので、スラリー調合機構部において、意図しない反応が生起することを抑制して、所望の特性を備えたゼオライトを確実に製造することが可能になる、
(ニ)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部を備えているので、この蒸発濃縮機構部でゼオライト分離濾液を濃縮して系内に戻すことにより、ゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合機構部で用いるようにした場合にも、系内の液量のバランスを保って、反応機構部におけるスラリー濃度を所望のスラリー濃度に調整して操業を行うことが可能になるとともに、洗浄液およびゼオライト分離濾液(の濃縮液)中の有効成分(水酸化カリウム)を効率よく回収して、薬剤原単位を抑えることが可能になる、
(ホ)水酸化ナトリウムを用いて製造したNa型のゼオライトを例えばK型に変換しようとすると、水酸化カリウムなどのK化合物を用いてイオン交換を行うことが必要になり、最初から水酸化カリウムを用いてゼオライトを製造する方が全体的なコストの低減を図ることが可能になる
などの効果を得ることができる。
また、本願発明(請求項5)のゼオライトの製造装置のように、(a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、(e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、(f)前記洗浄手段で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理機構部と、(g)前記陽イオン置換処理機構部においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄手段と、(h)最終洗浄手段で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、(i)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、(j)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部とを具備する構成、すなわち、洗浄後にゼオライトが有する陽イオン(Kイオン)を他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理機構部を備えた構成を有しているので、請求項4の発明から得られる効果に加えて、ナトリウム型ゼオライトでは得られないようなさらなる特性を備えたゼオライトを得ることが可能になるという効果が得られる。
なお、置換される陽イオンとしては、Li、Na、NH4、Mg、Ca、Agなどが例示される。
また、請求項6のゼオライトの製造装置のように、蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を反応機構部に戻すことにより、例えば、蒸発濃縮したケイ酸塩分離液をスラリー調合機構部に戻した場合に生じるような、好ましくない反応が生じることを回避しつつ、ケイ酸塩分離液に含まれる有効成分(水酸化カリウム)を効率よく回収、再使用することが可能になり、本願発明を実効あらしめることが可能になる。
また、請求項7のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜6のいずれかに記載の発明の構成において、ケイ酸塩分離機構部で、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを1〜7molの範囲で添加することにより、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO2を十分に除去することが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
また、請求項8のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜6のいずれかに記載の発明の構成において、ケイ酸塩分離機構部で、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを2〜4molの範囲で添加することにより、カルシウム分を過剰に存在させることなく、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO2を十分に除去することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
また、請求項9のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜8のいずれかに記載の発明の構成において、ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として1000ppm以下とすることにより、系内におけるスケールの発生を抑制して、安定した運転を行うことが可能になる。
また、請求項10のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜8のいずれかに記載の発明の構成において、ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として500ppm以下とすることにより、系内におけるスケールの発生をより確実に抑制して、さらに安定した運転を行うことが可能になる。
また、請求項11のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜10のいずれかに記載の発明の構成において、反応機構部が、並列に接続された2以上の加圧反応槽を備え、各加圧反応槽で交互にまたは並行して、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応せしめることができるように構成されている場合、焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーの仕込み、昇温、反応、冷却、抜き出し、洗浄までを首尾良く効率的に行うことが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
また、請求項12のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜11のいずれかに記載の発明の構成において、反応機構部において、反応時間1〜10時間、反応温度100〜160℃の条件で反応させるようにした場合、ゼオライト化反応を十分に進行させて、良好なゼオライトを製造することが可能になる。
また、請求項13のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜11のいずれかに記載の発明の構成において、反応機構部において、反応時間3〜7時間、反応温度110〜140℃の条件で反応させるようにした場合、短時間でゼオライト化反応を十分に進行させて、良好なゼオライトを製造することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
また、請求項14のゼオライトの製造装置のように、請求項4〜13のいずれかに記載の発明の構成において、濾過手段により濾過したゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部を、蒸発濃縮機構部における蒸発濃縮の対象とし、かつ、蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮した濃縮洗浄液を、スラリー調合機構部におけるスラリーの調合に用いるようにした場合、ケイ酸塩分離液の他に、さらに、有効薬剤を含む洗浄液を回収して、薬剤原単位をさらに抑えて、経済性を向上させることができる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例にかかるゼオライトの製造方法を実施するのに用いた装置を示す図であり、図2は製造工程の流れを示す図である。
図1に示すように、このゼオライトの製造装置は、(a)洗浄手段5においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料(この実施例では石炭灰)とを混合して、反応機構部2に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部1と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度(この実施例では140℃)に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部2と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段3と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段4と、(e)濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段5と、(f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段6と、(g)濾過手段4によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部7と、(h)ケイ酸塩分離機構部7においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部8とを備えている。
そして、この実施例のゼオライトの製造装置において、反応機構部2には、加圧下で100℃を越える温度に加熱して焼却灰原料(石炭灰)と水酸化カリウムを反応せしめる加圧反応槽2aが用いられている。
なお、反応機構部2は、並列に接続された2以上の加圧反応槽2aを備え、各加圧反応槽で交互にまたは並行して、焼却灰原料と水酸化アルカリを回分式に反応せしめることができるような構成とすることも可能である。その場合、焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーの仕込み、昇温、反応、冷却、抜き出し、洗浄までを首尾良く効率的に行うことが可能になる。
また、この実施例では、濾過手段4でスラリーを濾過することにより分離された濾液が回収され、スラリー調合機構部1に戻されて石炭灰と水酸化アルカリ水溶液を含むスラリーの調製に使用されるように構成されている。
また、濾過手段(濾過装置)4としては真空脱水式水平ベルトフィルタが用いられている。この水平ベルトフィルタは、図1に示すように、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材10上に、反応後の冷却されたスラリーを連続的に供給することによりゼオライトの濾過が連続的に行われるように構成されており、この濾過手段4の下流側が洗浄手段5となっている。なお、この実施例のゼオライトの製造装置においては、濾過手段4において、適当な減圧下に濾過操作が行われるように構成されている。
なお、濾過手段(濾過装置)4としては、遠心分離機やフィルタプレスなどを用いることも可能である。
洗浄手段5は、図1に示すように、3つの洗浄段5a,5b,5cを備えており、最終の洗浄段5cでは新水が洗浄液として用いられ、また、洗浄段5c,5bで用いられた洗浄液は、それぞれ1つ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されている。なお、洗浄手段5の構成はこれに限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
また、洗浄手段5においては、洗浄水(洗浄液)の温度を50℃〜80℃として、洗浄効率の向上を図っている。
また、乾燥手段6は、洗浄が行われたゼオライトを連続的に乾燥するための設備であり、図1に示すように、洗浄後のゼオライトを受けるゼオライト受け取り部11と、間接加熱により加熱した空気(熱風)を供給する熱風供給部12と、乾燥したゼオライトを空気(熱風)と分離するサイクロン13と、分離されたゼオライトを貯めるゼオライト貯蔵部14と、ゼオライトと分離された空気中の微量の固形物を分離するバグフィルタ15とを備えている。このように構成された乾燥手段6を用いることにより、粉塵などの発生を招くことなく、効率よくゼオライトを乾燥することが可能になる。
また、ケイ酸塩分離機構部7は、濾過手段4によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離することができるように構成されている。
また、蒸発濃縮機構部8は、ケイ酸塩分離機構部7においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成されている。
次に、上記のように構成されたゼオライトの製造装置を用いてゼオライトを製造する方法について、図2を参照しつつ説明する。
(1)まず、石炭灰とゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合機構部1にて混合し、スラリーとする(図2の(a)の工程)。なお、ここでは、スラリー濃度を約20重量%とする。これにより、新しい水酸化カリウムおよび濃縮されたケイ酸塩分離液が添加される反応工程におけるスラリー濃度を約20重量%(好ましいスラリー濃度)とすることが可能になる。
(2)それから、調合されたスラリーを反応機構部2に供給し、加圧下で100℃を越える温度に加熱(この実施例では2.6kg/cm2Gの加圧下で約140℃に加熱)して、スラリー中の石炭灰と水酸化カリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する(図2の(b)の工程)。なお、この実施例において、反応は回分式に行わせる。
なお、反応機構部2における水酸化カリウム水溶液の濃度(KOH濃度)は、約1.5〜3.5mol/Lの範囲とすることが望ましい。
また、反応機構部2における反応時間は、1〜10時間、より好ましくは3〜7時間で反応させることが望ましい。
(3)それから、反応が終了したスラリーを連続的に冷却手段3に供給して連続的に冷却する(図2の(c)の工程)。
(4)次いで、冷却されたスラリーを濾過手段4に送って濾過することによりゼオライトを分離する(図2の(d)の工程)。
(5)そして、分離されたゼオライト(ケーキ)を、洗浄手段5に送って連続的に洗浄を行う。このとき、図1に示すように、3つの洗浄段5a,5b,5cで、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水を用いて、向流式にゼオライト(ケーキ)の洗浄を行う(図2の(e)の工程)。
具体的には、図1に示す3つの洗浄段5a,5b,5cのうちの最終の洗浄段5cに、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水(新水)を供給してゼオライトを洗浄した後、洗浄段5cで用いられた洗浄水を1つ上流側の洗浄段5bに供給してゼオライトの洗浄を行い、洗浄段5bで用いられた洗浄液を、さらに1つ上流側の洗浄段5aに供給してゼオライトの洗浄を行う。
(6)それから、水洗されたゼオライトを、乾燥手段6に連続的に供給して乾燥させる(図2の(f)の工程)。
なお、乾燥は、間接加熱の方法により加熱した空気(熱風)を用いた方法により行われるため、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
(7)また、ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液については、ケイ酸塩を分離する処理を行う(図2の(g)の工程)。この処理は、ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に対して、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加し、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として析出させることにより行う。
なお、この工程においては、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを1〜7mol、好ましくは、2〜4molの範囲で添加し、ケイ酸塩をカルシウム化合物として沈殿させて分離する。
(8)それから、ケイ酸塩分離機構部7(図1)においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮機構部8(図1)において蒸発濃縮する(図2の(h)の工程)。
濃縮液は、ゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合機構部で用いるようにした場合にも、系内の液量のバランスを保って、反応機構部におけるスラリー濃度を所望のスラリー濃度に調整して操業を行うことが可能になるような条件で行う。
なお、濃縮されたケイ酸塩分離液(水酸化カリウムを含む)は、反応機構部2(図1)に送られてゼオライト化反応に供される。
また、ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度はSiO2として1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下とする。
上記実施例のゼオライトの製造方法によれば、ケイ酸塩分離液を蒸発濃縮するとともに、洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、所定の固形分濃度のスラリーを調合するようにしているので、水酸化カリウム成分を含む洗浄液を回収して、効率よく、経済的にゼオライトを製造することができる。
すなわち、本願発明のゼオライトの製造方法(製造装置)のように、ゼオライト分離濾液からケイ酸塩を除去するとともに、ケイ酸塩を除去したゼオライト分離濾液を濃縮することにより、系内のバランスを保ちながら、洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部をスラリー調合機構部に戻すことが可能になり、有効成分を効率よく利用して、経済的にゼオライトを製造することができる。
図3は本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるゼオライトの製造工程の流れを示す図、図4は図3のゼオライトの製造方法を実施するために用いたゼオライトの製造装置の要部構成を示す図である。
この実施例2のゼオライトの製造方法は、図3に示すように、(a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程(図3の(a)の工程)と、(b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程(図3の(b)の工程)と、(c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程(図3の(c)の工程)と、(d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程(図3の(d)の工程)と、(e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程(図3の(e)の工程)と、(f)洗浄工程で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理工程(図3の(f)の工程)と、(g)陽イオン置換処理工程においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄工程(図3の(g)の工程)と、(h)最終洗浄工程で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程(図3の(h)の工程)と、(i)ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程(図3の(i)の工程)と、(j)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程(図3の(j)の工程)とを備えている。
すなわち、この実施例2のゼオライトの製造方法は、図3の(e)の工程で水洗されたゼオライトについて、陽イオンを他の陽イオン(この実施例ではCaイオン)に置換する陽イオン置換処理工程(図3の(f)の工程)を備えており、陽イオン置換処理を行う、この陽イオン置換処理機構部17は、洗浄手段5を構成するフィルタ部材10上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオン溶液(この実施例では塩化カルシウム(CaCl2)水溶液)を供給してCaイオンの置換反応を行わせるように構成されている(図4)。
そして、その後に図3の(g)の工程で最終洗浄を行った後、図3の(h)の工程で乾燥することにより、所望のイオンを付加したゼオライトを製造することができるように構成されている。
なお、図4に示すように、陽イオン置換処理を行うための陽イオン置換処理機構部17は、陽イオンとして、Caイオンを付加するためのカルシウム分供給処理手段として構成されており、洗浄手段5の下流側に配設されている。なお、図4において、図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
陽イオン置換処理機構部(カルシウム分供給処理手段)17は、カルシウム分として塩化カルシウムを用いたカルシウム分含有水溶液を供給する3段のカルシウム分供給段17a,17b,17cを備えており、最終の供給段17cでは、新しい塩化カルシウム水溶液がカルシウム分含有水溶液として用いられ、各供給段で用いられたカルシウム分含有水溶液が、それぞれ一つ上流側の供給段におけるカルシウム分含有水溶液として用いられるように構成されている。このように構成した場合、ゼオライトを段階的にカルシウム分濃度の高いカルシウム分水溶液と接触させることが可能になる。
なお、陽イオン置換処理機構部17の構成は上述のような複数段構成の場合に限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
また、陽イオン置換処理機構部17においては、陽イオン溶液の温度を50℃〜80℃として、陽イオン置換を向上させるようにしている。
また、陽イオン置換処理機構部(カルシウム分供給処理手段)17の下流には最終洗浄手段18が配設されており、鉄分とカルシウム分が供給されたゼオライトは、この最終洗浄手段18において十分に洗浄される。
なお、最終洗浄手段18は、上述の洗浄手段5と同様に、複数の洗浄段を備え、最終の洗浄段では新水が洗浄液として用いられ、各洗浄段で用いられた洗浄液が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されている(図示せず)。
なお、この実施例では、最終洗浄手段18の洗浄液(例えば、上述のように複数の洗浄段を備えている場合には、置換用の陽イオンを豊富に含む1段目の洗浄液)が、陽イオン置換処理機構部17による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部16において、プレ陽イオン溶液として用いられるように構成されている。これにより、置換用の陽イオン原料の使用量を低減することが可能になるとともに、全体としての排水を低減することが可能になる。なお、最終洗浄手段18の構成は上述のような複数段構成の場合に限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
そして、陽イオン置換処理機構部17で陽イオンの置換が行われ、かつ、最終洗浄手段18において十分に洗浄されたゼオライトを、乾燥手段6において乾燥することにより、製品であるカルシウム型ゼオライトを得ることができる。
なお、上記実施例2では、陽イオン置換を行ってカルシウム型ゼオライトを製造する場合を例にとって説明したが、他の種類の陽イオンによる陽イオン置換を行うことも可能であり、Li、Na、NH4、Mg、Ca、Agなどが例示される。
次に、上記のように構成されたゼオライトの製造装置を用いてゼオライトを製造する方法について、図3を参照しつつ説明する。
(1)まず、石炭灰とゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合機構部1にて混合し、スラリーとする(図3の(a)の工程)。なお、ここでは、スラリー濃度を約20重量%とする。これにより、新しい水酸化カリウムおよび濃縮されたケイ酸塩分離液が添加される反応工程におけるスラリー濃度を約20重量%(好ましいスラリー濃度)とすることが可能になる。
(2)それから、調合されたスラリーを反応機構部2に供給し、加圧下で100℃を越える温度に加熱(この実施例では2.6kg/cm2Gの加圧下で約140℃に加熱)して、スラリー中の石炭灰と水酸化カリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する(図3の(b)の工程)。なお、この実施例において、反応は回分式に行わせる。
なお、反応機構部2における水酸化カリウム水溶液の濃度(KOH濃度)は、約1.5〜3.5mol/Lの範囲とすることが望ましい。
(3)それから、反応が終了したスラリーを連続的に冷却手段3に供給して連続的に冷却する(図3の(c)の工程)。
(4)次いで、冷却されたスラリーを濾過手段4に送って濾過することによりゼオライトを分離する(図3の(d)の工程)。
(5)そして、分離されたゼオライト(ケーキ)を、洗浄手段5に送って連続的に洗浄を行う。このとき、図4に示すように、3つの洗浄段5a,5b,5cで、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水を用いて、向流式にゼオライト(ケーキ)の洗浄を行う(図3の(e)の工程)。
具体的には、図4に示す3つの洗浄段5a,5b,5cのうちの最終の洗浄段5cに、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水(新水)を供給してゼオライトを洗浄した後、洗浄段5cで用いられた洗浄水を1つ上流側の洗浄段5bに供給してゼオライトの洗浄を行い、洗浄段5bで用いられた洗浄液を、さらに1つ上流側の洗浄段5aに供給してゼオライトの洗浄を行う。
(6)次に、洗浄されたゼオライトを、陽イオン置換処理機構部17において、イオン置換処理を行った後、陽イオン置換処理機構部17に供給して、ゼオライトの有する陽イオン(この実施例ではKイオン)をCaイオンで置換する。
(7)その後、陽イオンの置換が行われたゼオライトを最終洗浄手段18において連続的に水洗する。
(8)それから、水洗されたゼオライトを、乾燥手段6に連続的に供給して乾燥させる。
なお、乾燥は、間接加熱の方法により加熱した空気(熱風)を用いた方法により行われるため、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
(9)また、ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液については、ケイ酸塩を分離する処理を行う(図3の(i)の工程)。この処理は、ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に対して、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加し、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として析出させるうことにより行う。
なお、この工程においては、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを1〜7mol、好ましくは、2〜4molの範囲で添加し、ケイ酸塩をカルシウム化合物として沈殿させて分離する。
(10)それから、ケイ酸塩分離機構部7(図1)においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮機構部8(図1)において蒸発濃縮する(図3の(j)の工程)。
濃縮液は、ゼオライトを洗浄した洗浄液をスラリー調合機構部で用いるようにした場合にも、系内の液量のバランスを保って、反応機構部におけるスラリー濃度を所望のスラリー濃度に調整して操業を行うことが可能になるような条件で行う。
なお、濃縮されたケイ酸塩分離液(水酸化カリウムを含む)は、反応機構部2(図3)に送られてゼオライト化反応に供される。
上記実施例のゼオライトの製造方法によれば、焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧反応槽において100℃を越える温度でゼオライト化反応を行わせるようにしているので、ゼオライト化反応を効率よく進行させることが可能になるとともに、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水を用いて、向流、複数段式にゼオライト(ケーキ)の洗浄を行った後、陽イオン溶液を用いて向流、複数段式に陽イオン置換を行うようにしているので、ゼオライトの濾過、洗浄、洗浄後のゼオライトの陽イオン置換などの諸工程を連続的かつ効率的に行うことが可能になり、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
なお、上記実施例では、ゼオライト化反応が終了した後の、ゼオライトとアルカリを含有するゼオライトスラリーを所定の温度に冷却した後に濾過するようにしているが、ゼオライトスラリーを濾過してゼオライトを分離する前に、カルシウム化合物をゼオライトスラリーに添加するように構成することも可能である。ゼオライトスラリーを濾過してゼオライトを分離する前に、カルシウム化合物をゼオライトスラリーに添加することにより、従来は分離工程や洗浄工程で析出することのあったケイ酸塩などの難溶性のケイ酸化合物を、ケイ酸カルシウムなどのカルシウム化合物として予め析出させ、濾材を通過した濾液からの難溶性のケイ酸化合物などの析出を確実に防止して、濾過工程や洗浄工程のより安定した操業を可能ならしめることが可能になる。
なお、上記実施例では、石炭灰を原料としてゼオライトを製造する場合を例にとって説明したが、本願発明は石炭灰を原料とする場合に限らず、石炭灰以外の製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰を用いてゼオライトを製造する場合にも適用することが可能である。
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、スラリー調合機構部、反応機構部の具体的な構成、冷却手段、濾過手段、ケイ酸塩分離機構部、蒸発濃縮機構部、洗浄手段、陽イオン置換処理機構部、最終洗浄手段、乾燥手段などの具体的な構成や細部の構造、圧力や温度などの運転条件、スラリーの供給方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、水酸化ナトリウムを用いることなく、水酸化カリウムを用いて、焼却灰原料から、効率よく、経済的にゼオライトを製造する。さらに、陽イオン置換された種々のゼオライトを効率よく製造することができる。
したがって、本願発明は、石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを製造するゼオライトの製造に関する技術分野に広く適用することが可能である。
本願発明の一実施例にかかるゼオライトの製造方法を実施するのに用いた製造装置を示す図である。 本発明の一実施例にかかるゼオライトの製造装置を用いてゼオライトを製造する場合の、製造工程の流れを示す図である。 本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるゼオライトを製造する場合の、製造工程の流れを示す図である。 図3のゼオライトの製造方法を実施するために用いたゼオライトの製造装置の要部構成を示す図である。 従来のゼオライトの製造装置を示す図である。
符号の説明
1 スラリー調合機構部
2 反応機構部
2a 加圧反応槽
3 冷却手段
4 濾過手段
5 洗浄手段
5a,5b,5c 洗浄段
6 乾燥手段
7 ケイ酸塩分離機構部
8 蒸発濃縮機構部
10 フィルタ部材
11 ゼオライト受け取り部
12 熱風供給部
13 サイクロン
14 ゼオライト貯蔵部
15 バグフィルタ
16 プレ陽イオン置換処理部
17 陽イオン置換処理機構部
17a,17b,17c カルシウム分供給段
18 最終洗浄手段

Claims (14)

  1. (a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、
    (b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、
    (c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、
    (d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、
    (e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、
    (f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、
    (g)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、
    (h)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  2. (a)下記(e)の洗浄工程でゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応工程に供されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合工程と、
    (b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応工程と、
    (c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却工程と、
    (d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離するゼオライト分離工程と、
    (e)分離したゼオライトを洗浄する洗浄工程と、
    (f)前記洗浄工程で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理工程と、
    (g)前記陽イオン置換処理工程においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄工程と、
    (h)最終洗浄工程で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥工程と、
    (i)前記ゼオライト分離工程でゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離工程と、
    (j)ケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮工程と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  3. 前記蒸発濃縮工程において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を前記反応工程に供給することを特徴とする請求項1または2記載のゼオライトの製造方法。
  4. (a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、
    (b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、
    (c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、
    (d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
    (e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、
    (f)洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、
    (g)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、
    (h)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部と、
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造装置。
  5. (a)下記(e)の洗浄手段においてゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部と、焼却灰原料とを混合して、下記(b)の反応機構部に供給されるべき、所定の固形分濃度のスラリーとするスラリー調合機構部と、
    (b)焼却灰原料と水酸化カリウムを含むスラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱し、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応させてゼオライトを生成させる反応機構部と、
    (c)焼却灰原料と水酸化カリウムを反応せしめた後のスラリーを冷却する冷却手段と、
    (d)冷却されたスラリーを濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
    (e)前記濾過手段により分離したゼオライトを洗浄する洗浄手段と、
    (f)前記洗浄手段で洗浄されたゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理機構部と、
    (g)前記陽イオン置換処理機構部においてイオン置換処理が行われたゼオライトを最終的に洗浄する最終洗浄手段と、
    (h)最終洗浄手段で洗浄されたゼオライトを乾燥する乾燥手段と、
    (i)前記濾過手段によりスラリーを濾過してゼオライトを分離した後のゼオライト分離濾液に水酸化カルシウムを添加して、ゼオライト分離濾液中のケイ酸塩をカルシウム化合物として分離するケイ酸塩分離機構部と、
    (j)ケイ酸塩分離機構部においてケイ酸塩を分離したケイ酸塩分離液を蒸発濃縮して系内に戻すことができるように構成された蒸発濃縮機構部と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造装置。
  6. 前記蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮したケイ酸塩分離液を前記反応機構部に戻すことを特徴とする請求項4または5記載のゼオライトの製造装置。
  7. 前記ケイ酸塩分離機構部において、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを1〜7molの範囲で添加することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  8. 前記ケイ酸塩分離機構部において、ゼオライト分離濾液中に溶解しているケイ素分をSiO2に換算した場合のSiO21molに対して、水酸化カルシウムを2〜4molの範囲で添加することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  9. 前記ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として1000ppm以下とすることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  10. 前記ケイ酸塩分離液のケイ酸塩濃度を、SiO2として500ppm以下とすることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  11. 前記反応機構部が、並列に接続された2以上の加圧反応槽を備えており、各加圧反応槽で交互にまたは並行して、焼却灰原料と水酸化カリウムを回分式に反応せしめることができるように構成されていることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  12. 前記反応機構部において、反応時間1〜10時間、反応温度100〜160℃の条件で反応させることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  13. 前記反応機構部において、反応時間3〜7時間、反応温度110〜140℃の条件で反応させることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  14. 前記濾過手段により濾過したゼオライトを洗浄した洗浄液の少なくとも一部を、前記蒸発濃縮機構部における蒸発濃縮の対象とし、かつ、前記蒸発濃縮機構部において蒸発濃縮した濃縮洗浄液を、前記スラリー調合機構部におけるスラリーの調合に用いることを特徴とする請求項4〜13のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
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