JP4639064B2 - ゼオライトの製造方法 - Google Patents

ゼオライトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4639064B2
JP4639064B2 JP2004256128A JP2004256128A JP4639064B2 JP 4639064 B2 JP4639064 B2 JP 4639064B2 JP 2004256128 A JP2004256128 A JP 2004256128A JP 2004256128 A JP2004256128 A JP 2004256128A JP 4639064 B2 JP4639064 B2 JP 4639064B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
zeolite
calcium
content
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004256128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006069853A (ja
Inventor
祐二 新井
洋亮 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kimura Chemical Plants Co Ltd
Maeda Corp
Original Assignee
Kimura Chemical Plants Co Ltd
Maeda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kimura Chemical Plants Co Ltd, Maeda Corp filed Critical Kimura Chemical Plants Co Ltd
Priority to JP2004256128A priority Critical patent/JP4639064B2/ja
Publication of JP2006069853A publication Critical patent/JP2006069853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4639064B2 publication Critical patent/JP4639064B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Description

本願発明は、石炭をエネルギー源とする発電設備などにおいて発生する石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを製造する方法に関し、詳しくは、高い割合で鉄分あるいは鉄分およびカルシウム分を含有させたゼオライトの製造方法に関する
石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料は、セメント原料や路盤材として利用されているが、その相当量は埋立処分されている。
近年、この石炭灰や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料の、付加価値の高い用途への利用方法として、水酸化ナトリウムと反応させることにより、イオン交換剤、吸着剤、反応触媒などとして用いられるゼオライトを製造する方法が注目されるに至っている。
ところで、石炭灰を水酸化ナトリウムと反応させてゼオライトを製造する方法としては、例えば、図3に示すような装置を用いてゼオライトを製造する方法がある(特許文献1参照)。
この特許文献1の方法によれば、例えば図3に示すように、以下の操作によりゼオライトの製造が行われる。
(1)まず、ホッパ31から石炭灰11を、水酸化ナトリウムタンク34から水酸化ナトリウム水溶液22を予備反応槽を兼ねる混合槽24に供給し、混合してスラリー23(23a)とするとともに、例えば、約90℃の温度に加熱して予備反応を行わせる。
(2)それから、混合槽(予備反応槽)24内のスラリー23(23a)を加圧反応槽25に連続的に供給し、例えば、0.8kg/cm2Gの加圧下で約120℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化ナトリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する。このとき、加圧反応槽25内のスラリー23(23b)をその底部から抜き出し、循環ライン37を経て循環させながら反応を行わせる。
(3)そして、循環ライン37を循環するスラリー23(23b)の一部を、送液ライン40を経て熱交換器27aに導き、スラリー供給ライン36a,スラリー循環ライン36bを経て循環する混合槽24内のスラリー23(23a)と熱交換させるとともに、熱交換器27bにおいて、水酸化ナトリウムタンク34から混合槽24に供給される水酸化ナトリウム水溶液22と熱交換させた後、スラリータンク28に送液する。
(4)次いで、スラリータンク28内のスラリー23(23c)を脱水機29に送って脱水し、分離された固形物(ゼオライト)を水洗槽42で水洗した後、脱水機43で再脱水し、これを乾燥機30に送って乾燥することにより、製品であるゼオライトを得る。
そして、ゼオライトにさらなる特性を付与するため、ゼオライトが有する陽イオン(例えば、特許文献1の製造方法により製造されたゼオライトにおいてはナトリウムイオン)を他の陽イオンに置換することが行われるに至っている。
その例としては、フライアッシュと水酸化ナトリウム水溶液の混合スラリーに水熱処理を施し人工ゼオライトを合成する人工ゼオライトの製造方法において、水熱処理後にFe2+イオンを混合するイオン付与工程を有することを特徴とするゼオライトの製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
そして、この発明によれば、水熱処理後にFe2+イオンを混合することにより、フライアッシュ中に含まれていた6価クロム(Cr6+)が3価クロム(Cr3+)に変換されるため、人工ゼオライト中の有害成分を低減することが可能になるなどの効果が得られるとされている。
しかしながら、人工ゼオライトに鉄分を含有させる場合、上記特許文献2のようなイオン交換の方法では、必ずしも所望の特性を得るために必要な量の鉄分をゼオライトに含有させることができない場合があり、さらなる改善が必要とされているのが実状である。
特開平9−255324号公報 特開2002−187713号公報
本願発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料から、鉄分あるいは鉄分とカルシウム分を高い割合で含有するゼオライトを効率よく製造することが可能なゼオライトの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴としている。
また、本願発明(請求項3)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴としている。
また、本願発明(請求項4)のゼオライトの製造方法は、
(a)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
(b)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項5)のゼオライトの製造方法は、
(a)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
(b)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーを、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
を具備することを特徴としている。
また、本願発明(請求項6)のゼオライトの製造方法は、
(a)焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
(b)焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項7のゼオライトの製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法において、前記鉄分含有水溶液が、鉄の鉱酸塩と、アルカリ性物質を反応させることにより、鉱酸塩中の鉄分の少なくとも1部を水酸化鉄としたものであることを特徴としている。
また、請求項8のゼオライトの製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法において、前記鉄分含有水溶液が、鉄の鉱酸塩と、遊離の鉱酸を含有するものであることを特徴としている。
また、請求項9のゼオライトの製造方法は、請求項4〜8のいずれかに記載のゼオライトの製造方法であって、前記鉄分含有水溶液として、カルシウムを含有する鉄分含有水溶液を用いることにより、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を同時に含有させる工程を具備していることを特徴としている。
本願発明(請求項1)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させるようにしているので、鉄分を高い割合で(Feとして1.0〜20重量%の割合で)含有させることが可能になり、鉄分の含有率の高いゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
なお、本願発明(請求項1)においては、焼却灰をアルカリと水熱反応させて生成させたゼオライトに、pH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を接触させることにより、鉄分がゼオライトの表面に接触したときに、水酸化鉄として、ゼオライトに固定されることになり、単にイオン交換により鉄分をゼオライトに保持させる場合に比べて、高い割合で鉄分をゼオライトに保持させることが可能になり、特有の作用効果を得ることが可能になる。
なお、鉄分含有水溶液としては、塩化鉄、硫酸鉄などの鉄の鉱酸塩を鉄原料とし、これを水に溶解した水溶液などが用いられる。また、鉄分含有水溶液としては、良好な取扱性を確保しつつ、鉄分を効率よくゼオライトに含有させる見地から、Fe分濃度が1.0〜10.0重量%のものを用いることが望ましく、さらには、3.0〜8.0重量%のものを用いることが望ましい。
また、本願発明において、ゼオライトと鉄分含有水溶液とを接触させる方法に特別の制約はなく、種々の態様で接触方法を適用することが可能である。
なお、ゼオライトに高い割合で鉄分を含有させることにより、例えば、土壌改良剤として用いた場合に、鉄分が栄養素となり植物の発育を促進することができるというような効果を得ることができる。
また、本願発明(請求項2)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを混合した後、固液分離するようにしているので、ゼオライトを含むスラリーと、鉄分含有水溶液とを混合した後、固液分離するだけで、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
また、本願発明(請求項3)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させるようにしているので、ゼオライトケーキに、鉄分含有水溶液を通過させるだけで、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
なお、ゼオライトケーキに、鉄分含有水溶液を通過させる方法の場合、ゼオライトをスラリー化して取り扱う場合に比べて、水の使用量が少なくて済むとともに、排水量を減らすことが可能になり有意義である。
また、本願発明(請求項4)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、ゼオライト中の含有率がCaとして0.6〜10重量%となるような割合でカルシウム分を含有させる工程とを備えており、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有させるようにしているので、鉄分のみを含有させる場合(請求項1〜3の発明の場合)に比べて、ゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率を低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
なお、ナトリウム分の含有率を低くすることにより、例えば、植生に対する有害性を軽減することが可能になり、有用性を向上させることが可能になる。
また、本願発明(請求項5)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、ゼオライト中の含有率がCaとして0.6〜10重量%となるような割合でカルシウム分を含有させる工程とを備えており、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有させるようにしているので、鉄分のみを含有させる場合(請求項1〜3の発明の場合)に比べて、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率をより低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、本願発明(請求項6)のゼオライトの製造方法は、焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、ゼオライト中の含有率がCaとして0.6〜10重量%となるような割合でカルシウム分を含有させる工程とを備えており、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有させるようにしているので、鉄分のみを含有させる場合(請求項1〜3の発明の場合)に比べて、さらに焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率をより低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
なお、ゼオライトケーキに、鉄分含有水溶液、カルシウム分含有水溶液を通過させる方法の場合、ゼオライトをスラリー化して取り扱う場合に比べて、水の使用量が少なくて済むとともに、排水量を減らすことが可能になり有意義である。
また、請求項7のゼオライトの製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法において、鉄分含有水溶液として、鉱酸塩と、アルカリ性物質を反応させることにより、鉱酸塩中の鉄分の少なくとも1部を水酸化鉄として析出させたものを用いるようにしているので、鉄分含有水溶液を、ゼオライトを含有するスラリーと混合した後固液分離したり、あるいは、ゼオライトケーキを通過させたりすることにより、鉄分を効率よくゼオライトに含有させることが可能になるとともに、鉄分含有水溶液へのアルカリ性物質の添加量を調整することにより、ゼオライトのpHを効率よく制御することが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、請求項8のゼオライトの製造方法は、請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法において、鉄分含有水溶液として、鉄の鉱酸塩と、遊離の鉱酸を含有するものを用いるようにしているので、鉄分含有水溶液への鉱酸の添加量を調整することにより、ゼオライトのpHを効率よく制御することが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、請求項9のゼオライトの製造方法は、請求項4〜8のいずれかに記載のゼオライトの製造方法において、鉄分含有水溶液として、カルシウムを含有する鉄分含有水溶液を用いるようにしているので、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を同時に含有させることが可能になり、効率よく鉄分とカルシウム分を含有するゼオライトを製造することが可能になる。
なお、カルシウムを含有する鉄分含有水溶液を用いて、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を同時に含有させる工程とは別に、鉄分のみを含有させる工程を別に設けることも可能であり、また、ゼオライトに鉄分のみを含有させる工程と、カルシウム分のみを含有させる工程をさらに別に設けることも可能である。
なお、本願発明の方法により製造されるゼオライトは、含有させた鉄分が主として水酸化鉄および/または酸化鉄として含有されており、かつ、焼却灰に由来する鉄分とは別に含有させた鉄分がFeとして1.0〜20重量%の範囲で含有されているので、十分に鉄分を含有し、鉄型のゼオライトとして優れた特性を有するゼオライトを提供することが可能になる。
また、本願発明の方法により製造されるゼオライトは、下記の定義によるpHが7.0〜10.0の範囲にある場合、従来のナトリウム型のゼオライトなどに比べpHが低いことから、アンモニアガスの吸収などに優れた効果を奏する。
また、鉄分が多いゼオライトは、土壌改良剤として用いた場合に、鉄分が栄養素となり植物の発育を促進する効果が得られることが知られており、上述のゼオライトにおいても、その効果が確認されている。
なお、本願発明において、ゼオライトのpHは、未乾燥で、含水率を予め測定した、粒径が10mm以下の試料(ゼオライト)を用意し、
(1)粒径が2mm以下のものは試料を30g、
(2)粒径が2mmを超え、かつ、5mm以下のものは試料を100g、
(3)粒径が5mmを超え、10mm以下のものは試料を150g
採取し、試料の乾燥質量1に対して、蒸留水を質量比が2.5(2〜3)になるように添加し、懸濁状態にした後、30分以上3時間以内静置したものを、pH計で測定した値である。
また、請求項4〜9のいずれかに記載の方法により製造されるゼオライトは、焼却灰に由来する鉄分とは別に含有させた鉄分が主として水酸化鉄および/または酸化鉄として含有されており、かつ、焼却灰に由来する鉄分とは別に含有させた鉄分の含有率がFeとして1.0〜20重量%であるとともに、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に含有させたカルシウム分の含有率がCaとして0.6〜10重量%の範囲にあり、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有しているので、鉄分のみを含有させたゼオライトに比べて、ゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率を低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、本願発明の方法により製造されるゼオライトにおいて、pHが7.0〜10.0の範囲にあり、かつ、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有させるようにした場合、鉄分のみを含有させたゼオライトに比べて、さらにゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率を低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、従来のナトリウム型のゼオライトなどに比べると、pHが低いことから、アンモニアガスの吸収などに優れた効果を奏するゼオライトを提供することが可能になる。
以下、本願発明の実施例を示して、その特徴とするところを詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施例にかかるゼオライトの製造方法を実施するのに用いた装置を示す図であり、図2はその要部(濾過手段、洗浄手段、鉄分およびカルシウム分を含有させるための鉄分供給処理手段、カルシウム分供給処理手段、最終洗浄手段など)の構成を示す概略図である。
図1および図2に示すように、このゼオライトの製造装置は、石炭灰(フライアッシュ)を水酸化アルカリ水溶液(この実施例では水酸化ナトリウム水溶液)と混合してスラリーとする混合槽1と、スラリーを100℃以下の温度(この実施例では90℃)で連続的に予備的に反応させる予備反応機構部2と、スラリーを加圧下で100℃を越える温度(水酸化アルカリとして水酸化ナトリウムを用いる場合には120℃、水酸化カリウムを用いる場合には140℃)に加熱して石炭灰と水酸化アルカリを連続的に反応せしめる反応機構部3と、反応機構部3から連続的に排出されるスラリーを連続的に冷却する冷却手段4と、冷却されたスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段(分離手段)5と、濾過して分離したゼオライトを連続的に洗浄する洗浄手段6と、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を含有させるために、洗浄後のゼオライトを、鉄分を含有する鉄分含有水溶液と接触させる鉄分供給処理手段7と、カルシウム分を含有するカルシウム分含有水溶液と接触させるカルシウム分供給処理手段17と、鉄分とカルシウム分を含有させた後のゼオライトを連続的に洗浄する最終洗浄手段8と、鉄分とカルシウム分を含有させたゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段9とを備えている。
そして、この実施例のゼオライトの製造装置において、反応機構部3は、加圧下で100℃を越える温度に加熱して石炭灰と水酸化アルカリを反応せしめる、直列に接続された第1の加圧反応槽3aと第2の加圧反応槽3bを備えており、上流側の第1の加圧反応槽3aで反応せしめたスラリーが、下流側の第2の加圧反応槽3bに供給されるように構成されている。これにより、スラリーの一部がショートパスすることを抑制、防止して、石炭灰と水酸化アルカリの反応を確実に行わせることが可能になる。
また、この実施例では、濾過手段5でスラリーを濾過することにより分離された濾液が回収され、混合槽1に戻されて石炭灰と水酸化アルカリ水溶液を含むスラリーの調製に使用されるように構成されている。
また、濾過手段(濾過装置)5としては真空脱水式水平ベルトフィルタが用いられている。この水平ベルトフィルタは、図1および図2に示すように、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材10上に、反応後の冷却されたスラリーを連続的に供給することによりゼオライトの濾過が連続的に行われるように構成されており、この濾過手段5の下流側が洗浄手段6となっている。なお、この実施例のゼオライトの製造装置においては、濾過手段5において、適当な減圧下に濾過操作が行われるように構成されている。
なお、濾過手段(濾過装置)5としては、遠心分離機やフィルタプレスなどを用いることも可能である。
洗浄手段6は、図2に示すように、合計4つの洗浄段6a,6b,6c,6dを備えている。なお、洗浄手段6の構成はこれに限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
また、洗浄手段6においては、洗浄水(洗浄液)の温度を50℃〜80℃として、洗浄効率の向上を図っている。
また、洗浄手段6の下流側には、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を含有させるための鉄分供給処理手段7と、カルシウム分供給処理手段17が配設されており、鉄分供給処理手段7は、洗浄手段6を構成するフィルタ部材10上の洗浄後のゼオライトに、鉄分含有水溶液を供給して鉄分を含有させるように構成されており、カルシウム分供給処理手段17は、鉄分供給処理手段7において鉄分を含有させたゼオライトにカルシウム分含有水溶液を供給してカルシウム分を含有させるように構成されている。
なお、この実施例では、鉄分供給処理手段7は、図2に示すように、最終洗浄手段8の洗浄液(カルシウム分を含む)を用いて塩化第2鉄(FeCl3)を溶解した、カルシウム分を含有する鉄分含有水溶液を供給する一段の鉄分供給段7aから構成されており、鉄分供給段7aで、鉄分のみではなく、鉄分含有水溶液に含まれるカルシウムもゼオライトに含有されることになる。
また、カルシウム分供給処理手段17は、カルシウム分として塩化カルシウムを用いたカルシウム分含有水溶液を供給する3段のカルシウム分供給段17a,17b,17cを備えており、最終の供給段17cでは、新しい塩化カルシウム水溶液がカルシウム分含有水溶液として用いられ、各供給段で用いられたカルシウム分含有水溶液が、それぞれ一つ上流側の供給段におけるカルシウム分含有水溶液として用いられるように構成されている。このように構成した場合、ゼオライトを段階的にカルシウム分濃度の高いカルシウム分水溶液と接触させることが可能になる。
また、カルシウム分供給処理手段17の下流には最終洗浄手段8が配設されており、鉄分とカルシウム分が供給されたゼオライトは、この最終洗浄手段8において十分に洗浄される。
また、乾燥手段9は、陽イオンの置換が行われたゼオライトを連続的に乾燥するための設備であり、図1に示すように、陽イオン置換後のゼオライトを受けるゼオライト受け取り部11と、間接加熱により加熱した空気(熱風)を供給する熱風供給部12と、乾燥したゼオライトを空気(熱風)と分離するサイクロン13と、分離されたゼオライトを貯めるゼオライト貯蔵部14と、ゼオライトと分離された空気中の微量の固形物を分離するバグフィルタ15とを備えている。このように構成された乾燥手段9を用いることにより、粉塵などの発生を招くことなく、効率よくゼオライトを乾燥することが可能になる。
次に、上記のように構成されたゼオライトの製造装置を用いてゼオライトを製造する方法について説明する。
(1)まず、石炭灰と水酸化アルカリ水溶液(NaOH濃度:約6重量%)を混合槽1にて混合し、スラリーとする。なお、ここでは、スラリー濃度を約20重量%とする。
なお、水酸化アルカリとして水酸化カリウム(KOH)を用いる場合には、石炭灰と水酸化カリウム水溶液(KOH濃度:約16重量%)を混合槽1にて混合し、スラリー濃度を約20重量%のスラリーとする。
(2)それから、混合槽1内のスラリーを予備反応機構部2に供給し、90℃の温度条件下で予備反応を行わせる。なお、この予備反応工程では、石炭灰の表面が水酸化アルカリにより溶解し、その後のゼオライト化反応が効率よく行われることになる。
(3)予備反応機構部2で予備反応を行わせたスラリーを、反応機構部3に連続的に供給し、0.8kg/cm2Gの加圧下で約120℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化ナトリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する。
なお、水酸化アルカリ水溶液として水酸化カリウム水溶液(KOH濃度:約16重量%)を用いる場合には、スラリー濃度約20重量%のスラリーを2.6kg/cm2Gの加圧下で約140℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化カリウムを反応せしめる。
この反応機構部3では、予備反応後のスラリーが、上流側の第1の加圧反応槽3aに供給され、次に、下流側の第2の加圧反応槽3bに供給されることにより、スラリーのショートパスが抑制され、各加圧反応槽3a,3bにおいてゼオライト化反応が確実に進行することになる。
(4)それから、反応が終了したスラリーを連続的に冷却手段4に供給して連続的に冷却する。
(5)次いで、冷却されたスラリーを濾過手段5に送って濾過する。濾液は排水される。
(6)そして、分離されたゼオライト(ケーキ)を、洗浄手段6に送って連続的に洗浄を行う。このとき、図2に示すように、4つの洗浄段6a,6b,6c,6dで、ゼオライト乾量に対して4〜15倍量の水を用いて、向流式にゼオライト(ケーキ)の洗浄を行う。
(7)次に、鉄分供給処理手段7の、一段の鉄分供給段7aにおいて、ゼオライト(洗浄後のゼオライトケーキ)に、鉄分含有水溶液(最終洗浄手段8の洗浄液(カルシウム分を含む)を用いて塩化第2鉄(FeCl3)を溶解した鉄分含有水溶液)を供給して、ゼオライトに鉄分を含有させる。なお、この実施例1では、鉄分含有水溶液として、塩化第2鉄(FeCl3)の濃度が5.0重量%(Feとして1.72重量%)、カルシウム分の濃度がCaとして2.0重量%(約0.50mol/L)のものを用いた。
また、このカルシウム分を含有する鉄分含有水溶液としては、pHが1.0〜6.5のものを用いる。ただし、この実施例1では、約pH1.5のものを用いた。
なお、上述の鉄分含有水溶液中の鉄分およびカルシウム分は、ゼオライトケーキと接触することにより、ほぼ全量がゼオライトに含有され、排水として系外に排出される鉄分およびカルシウム分はほとんどない。
(8)次に、カルシウム分供給処理手段17の、3段のカルシウム分供給段17a,17b,17cにおいて、ゼオライトにカルシウム分含有水溶液を供給してゼオライトにカルシウム分を含有させる。
このとき、図2に示すように、3つのカルシウム分供給段17a,17b,17cにおいて向流式にカルシウム分含有水溶液を接触させてゼオライトにカルシウムを含有させる。
なお、図2に示すカルシウム分含有水溶液を供給する3つのカルシウム分供給段17a,17b,17cのうちの供給段17cには、Caイオン濃度が0.01mol/L〜3.0mol/Lの範囲にある新しい塩化カルシウム水溶液を供給し、当該供給段17cで用いた水溶液を、1つ上流側の供給段17bに供給し、供給段17bで用いられた水溶液を、さらに1つ上流側の供給段17aに供給してゼオライトにカルシウム分を含有させる。なお、この実施例では、供給段17cに供給するフレッシュなカルシウム分含有水溶液として、カルシウム分の含有率がCaとして4.0重量%のものを用いた。
(9)その後、鉄分およびカルシウム分を含有させたゼオライトを最終洗浄手段8において連続的に水洗する。
(10)それから、水洗されたゼオライトを、乾燥手段9に連続的に供給して乾燥させる。
なお、乾燥は、間接加熱の方法により加熱した空気(熱風)を用いた方法により行われるため、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
上記実施例のゼオライトの製造方法によれば、鉄分のみではなく、カルシウム分も含有させるようにしているので、鉄分のみを含有させる場合(請求項1〜3の発明の場合)に比べて、焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライト中のアルカリ分(通常はナトリウム)の含有率をより低下させることが可能になり、特性をさらに向上させることが可能になる。
また、上記実施例の場合のように、ゼオライトケーキに、鉄分含有水溶液やカルシウム分含有水溶液を通過させる方法の場合、ゼオライトをスラリー化して取り扱う場合に比べて、水の使用量が少なくて済むとともに、排水量を減らすことが可能になり有意義である。
なお、上記実施例では、最終洗浄手段8のカルシウム分を含む洗浄液を用いて塩化第2鉄(FeCl3)を溶解した鉄分含有水溶液を用いたが、カルシウム分を含まない水を用いて鉄分含有水溶液を調製することも可能である。
上記実施例の方法により製造したゼオライト(鉄分とカルシウム分を含有させたゼオライト)について鉄、カルシウム、ナトリウムの含有率およびpHを調べた。その結果を表1に示す。
また、他の工程は上記実施例と同様とする一方、カルシウム分を含まない鉄分含有水溶液を用いて、カルシウムを含有させることなく、鉄分のみを含有させたゼオライトを作製し、これについても、鉄、カルシウム、ナトリウムの含有率、およびpHを調べた。
また、他の工程は上記実施例1と同様とする一方、鉄分およびカルシウム分を含有させる工程を含まない製造方法でナトリウム型のゼオライトを製造するとともに、他の工程は上記実施例1と同様とする一方、鉄分は含有させず、カルシウム分のみをイオン交換法により含有させたゼオライトについても鉄、カルシウム、ナトリウムの含有率、およびpHを調べた。
なお、表1における鉄、カルシウム、ナトリウムの含有率の値は、原料に由来する鉄、カルシウム、ナトリウムを除いた、ゼオライトの製造工程で含有させた鉄、カルシウム、ナトリウムの含有率を示している。
Figure 0004639064
表1より、試料番号1の、鉄分およびカルシウム分を含有させていない、ナトリウム型のゼオライトにおいては、交換性陽イオンとしてのナトリウム含有率が6.0重量%と高く、pHも11.2と高いことが確認された。
また、試料番号2の、鉄分を含有させず、カルシウム分のみをイオン交換法により含有させたゼオライトの場合、交換性陽イオンとしてのナトリウム含有率が2.3重量%、交換性陽イオンとしてのカルシウム含有率が3.0重量%で、pHは10.1であった。
一方、本願発明の実施例にかかる試料番号3の、カルシウム分を含まない鉄分含有水溶液を用いて、カルシウムを含有させることなく、鉄分を含有させたゼオライトにおいては、交換性陽イオンとしてのナトリウム含有率が3.4重量%、水酸化鉄および/または酸化鉄として含有させた鉄分の含有率が、Feとして、5.0重量%と高含有率であることが確認された。また、pHは8.5と低いことが確認された。
さらに、本願発明の実施例にかかる試料番号4の、鉄分とカルシウム分を含有させたゼオライトにおいては、交換性陽イオンとしてのナトリウム含有率が1.5重量%、交換性陽イオンとしてのカルシウム含有率が2.24重量%、水酸化鉄および/または酸化鉄として含有させた鉄分の含有率がFeとして、4.8重量%と高含有率であることが確認された。また、pHは7.9と、試料番号3のゼオライトよりも低いことが確認された。このように試料番号4のゼオライトのpHが7.9と低いのは、交換性陽イオンであるナトリウムの一部が水素イオンにより置換されたことによるものではないかと考えられる。
本願発明の実施例にかかる試料番号3および4のゼオライトは、含有させた鉄分の割合が高く、かつpHも低いため、表1の試料番号1および2の従来のゼオライトでは得られないような特性を得ることが可能になる。
例えば、本願発明の方法により製造されるゼオライトは、
(a)鉄分が多く、土壌に添加して用いた場合に植物の成長を促すことが可能になる、
(b)コンクリートに配合して、コンクリートブロックを形成し、このコンクリートブロックを藻場の形成材料として用いた場合に、藻や海洋植物などの成長を促すことが可能になり、良好な漁場を形成することが可能になる
というような効果を奏する。
また、本願発明の実施例にかかるゼオライトはpHが低いため、アンモニアガスなどのアルカリ性ガスの吸収などに優れた効果を奏する。
なお、上記実施例では、石炭灰を原料としてゼオライトを製造する場合を例にとって説明したが、本願発明は石炭灰を原料とする場合に限らず、石炭灰以外の製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰を用いてゼオライトを製造する場合にも適用することが可能である。
また、鉄分含有水溶液として、アルカリ性物質が添加され、鉱酸塩中の鉄分の少なくとも1部が水酸化鉄となったものを用いたり、鉱酸が添加されたものを用いたりすることにより、製品であるゼオライトのpHをさらに広い範囲で制御することが可能になり、所望の特性を付与することが可能になる。
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、予備反応機構部や反応機構部の具体的な構成、冷却手段、濾過手段、洗浄手段、鉄分供給処理手段、カルシウム分供給処理手段、最終洗浄手段、乾燥手段などの具体的な構成や細部の構造、圧力や温度などの運転条件、スラリーの供給方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料から、鉄分あるいは鉄分とカルシウムを高い割合で含有する、高特性のゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
したがって、本願発明は、石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを製造するゼオライトの製造に関する技術分野に広く適用することが可能である。
本願発明の一実施例にかかるゼオライトの製造方法を実施するのに用いた製造装置を示す図である。 本願発明の一実施例にかかるゼオライトの製造方法を実施するのに用いた製造装置の要部(濾過手段、洗浄手段、鉄分供給処理手段、カルシウム分供給処理手段、最終洗浄手段など)の構成を示す概略図である。 従来のゼオライトの製造装置を示す図である。
1 混合槽
2 予備反応機構部
3 反応機構部
3a 第1の加圧反応槽
3b 第2の加圧反応槽
4 冷却手段
5 濾過手段(分離手段)
6 洗浄手段
6a,6b,6c,6d 洗浄段
7 鉄分供給処理手段
7a 鉄分供給段
8 最終洗浄手段
9 乾燥手段
10 フィルタ部材
11 ゼオライト受け取り部
12 熱風供給部
13 サイクロン
14 ゼオライト貯蔵部
15 バグフィルタ
17 カルシウム分供給処理手段
17a,17b,17c カルシウム分供給段

Claims (9)

  1. 焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴とするゼオライトの製造方法。
  2. 焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーと、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液とを混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴とするゼオライトの製造方法。
  3. 焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させることを特徴とするゼオライトの製造方法。
  4. (a)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
    (b)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液に接触させて、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  5. (a)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーを、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
    (b)焼却灰をアルカリと水熱反応させることにより生成させたゼオライトを含むスラリーを、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液と混合した後、固液分離することにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  6. (a)焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、鉄イオンおよび/または水酸化鉄を含有するpH1.0〜6.5の鉄分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来する鉄分とは別に、鉄分をFeとして1.0〜20重量%となるような割合で、主に水酸化鉄として含有させる工程と、
    (b)焼却灰をアルカリと水熱反応させた後のゼオライトとアルカリを含有するスラリーを濾過して得たゼオライトケーキに、カルシウムイオンを含むカルシウム分含有水溶液を通過させることにより、焼却灰に由来するカルシウム分とは別に、カルシウム分をCaとして0.6〜10重量%となるような割合で含有させる工程と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  7. 前記鉄分含有水溶液が、鉄の鉱酸塩と、アルカリ性物質を反応させることにより、鉱酸塩中の鉄分の少なくとも1部を水酸化鉄としたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
  8. 前記鉄分含有水溶液が、鉄の鉱酸塩と、遊離の鉱酸を含有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
  9. 請求項4〜8のいずれかに記載のゼオライトの製造方法であって、前記鉄分含有水溶液として、カルシウムを含有する鉄分含有水溶液を用いることにより、ゼオライトに鉄分とカルシウム分を同時に含有させる工程を具備していることを特徴とするゼオライトの製造方法。
JP2004256128A 2004-09-02 2004-09-02 ゼオライトの製造方法 Active JP4639064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004256128A JP4639064B2 (ja) 2004-09-02 2004-09-02 ゼオライトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004256128A JP4639064B2 (ja) 2004-09-02 2004-09-02 ゼオライトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006069853A JP2006069853A (ja) 2006-03-16
JP4639064B2 true JP4639064B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=36150847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004256128A Active JP4639064B2 (ja) 2004-09-02 2004-09-02 ゼオライトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4639064B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168239A (ja) * 2009-01-21 2010-08-05 Takenori Shoda ゼオライト成形体、植生基盤材料、及び水処理剤
JP5467340B2 (ja) * 2009-10-09 2014-04-09 国立大学法人愛媛大学 石炭灰を原料とする化合物及びその製造方法
JP6036993B2 (ja) * 2013-04-08 2016-11-30 株式会社 Acr 磁性ゼオライト製造装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57183318A (en) * 1981-05-01 1982-11-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Improving method for granulating property of zeolite
JPS62207713A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Res Assoc Residual Oil Process<Rarop> 鉄含有アルミノシリケ−トの製造方法
JPS6364914A (ja) * 1986-09-04 1988-03-23 Res Assoc Residual Oil Process<Rarop> 鉄含有アルミノシリケ−トの製造方法
JPH05178611A (ja) * 1991-12-27 1993-07-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 金属含有ゼオライトの製造方法
JP2004231503A (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Akio Henmi ゼオライトの製造装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57183318A (en) * 1981-05-01 1982-11-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Improving method for granulating property of zeolite
JPS62207713A (ja) * 1986-03-07 1987-09-12 Res Assoc Residual Oil Process<Rarop> 鉄含有アルミノシリケ−トの製造方法
JPS6364914A (ja) * 1986-09-04 1988-03-23 Res Assoc Residual Oil Process<Rarop> 鉄含有アルミノシリケ−トの製造方法
JPH05178611A (ja) * 1991-12-27 1993-07-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 金属含有ゼオライトの製造方法
JP2004231503A (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Akio Henmi ゼオライトの製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006069853A (ja) 2006-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103566726B (zh) 白云石灰烟气脱硝脱硫制取氢氧化镁、氧化镁和石膏方法
CN107381605A (zh) 一种NaOH分解锂辉石制备碳酸锂副产方沸石的方法
JP2007238412A (ja) ケイ酸カルシウム二次粒子凝集体の製造方法及びその利用
CN109133459A (zh) 一种脱硫废水资源化处理方法
JP4639064B2 (ja) ゼオライトの製造方法
JP5750722B2 (ja) 有機物廃液の処理方法
CN105460961B (zh) 一种利用重镁水制备无结晶水碳酸镁的方法
Santasnachok et al. The utility of rice husk ash from biomass power plant: synthesis of Na-A and Na-X zeolites using the two step method hydrothermal
CN109704380A (zh) 一种利用电厂烟气连续制备轻质碳酸钙填料的方法
Abdel-Hameed et al. Exploitation of industrial solid wastes for preparing zeolite as a value-added product and its kinetics as adsorbent for heavy metal ions
JP4520957B2 (ja) ゼオライトの製造方法および製造装置
KR20150079481A (ko) 석탄회로부터 칼륨형 인공제올라이트를 제조하는 방법
CN113244880A (zh) 一种高效除磷的烧结陶粒、其制备方法及其再生方法
JP2004231503A (ja) ゼオライトの製造装置
JPH062576B2 (ja) ゼオライトの製造方法
PL240207B1 (pl) Sposób syntezy zeolitów z popiołów powstałych ze spalania i współspalania biomasy
CN102976351A (zh) 一种利用高岭土和石英合成八面沸石的方法
JP2001278620A (ja) 人工ゼオライトの製造方法
JP4855645B2 (ja) ゼオライトの製造方法
CN110372016A (zh) 一种采用酸化法从锂磷铝石中合成电池级碳酸锂的工艺
JP3338509B2 (ja) 改質石炭灰の製造方法
CN109626795A (zh) 一种烧结机烟气净化制酸废水的含炭粉污泥脱水方法
CN105463579B (zh) 一种利用活性炭脱硫制备硫酸钙晶须的工艺方法
JP6906747B2 (ja) 石炭灰由来のセシウム、ストロンチウム吸着材の製造方法
KR20170000372A (ko) 석탄회로부터 칼륨형 인공제올라이트를 제조하는 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4639064

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250