JP2004231503A - ゼオライトの製造装置 - Google Patents

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JP2004231503A JP2003025670A JP2003025670A JP2004231503A JP 2004231503 A JP2004231503 A JP 2004231503A JP 2003025670 A JP2003025670 A JP 2003025670A JP 2003025670 A JP2003025670 A JP 2003025670A JP 2004231503 A JP2004231503 A JP 2004231503A
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Yosuke Yamakawa
洋亮 山川
Masataka Yamagami
雅敬 山上
Yoshiharu Imai
嘉治 今井
Koji Akita
浩司 秋田
Akio Henmi
彰男 逸見
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Abstract

【課題】焼却灰原料からゼオライトを効率よく製造することが可能で、しかもゼオライトが有する陽イオンを他の陽イオンに置換して所望の特性を備えたゼオライトを製造することが可能なゼオライトの製造装置を提供する。
【解決手段】100℃以下の温度で予備反応させて、焼却灰原料粒子の表面に形成される結晶質膜を効率よく溶解させる予備反応機構部2と、100℃を越える温度で効率よくゼオライト化反応を行わせる第1及び第2の加圧反応槽3a,3bと、反応後のスラリーを連続的に冷却する冷却手段4と、冷却後のスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段5と、濾過後のゼオライトを連続的に洗浄する洗浄手段6と、ゼオライトを連続的に乾燥させる乾燥手段9とを備えた構成とする。また、洗浄手段6と乾燥手段9の間に、ゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンに置換する陽イオン置換処理手段7及び最終洗浄手段8を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭をエネルギー源とする発電設備などにおいて発生する石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料は、セメント原料や路盤材として利用されているが、その相当量は埋立処分されている。
近年、この石炭灰や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料の、付加価値の高い用途への利用方法として、水酸化ナトリウムと反応させることにより、イオン交換剤、吸着剤、反応触媒などとして用いられるゼオライトを製造する方法が注目されるに至っている。
【0003】
ところで、石炭灰を水酸化ナトリウムと反応させてゼオライトを製造する方法としては、例えば、図3に示すような装置を用いてゼオライトを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1の方法によれば、例えば図3に示すように、以下の操作によりゼオライトの製造が行われる。
(1)まず、ホッパ31から石炭灰11を、水酸化ナトリウムタンク34から水酸化ナトリウム水溶液22を予備反応槽を兼ねる混合槽24に供給し、混合してスラリー23(23a)とするとともに、例えば、約90℃の温度に加熱して予備反応を行わせる。
(2)それから、混合槽(予備反応槽)24内のスラリー23(23a)を加圧反応槽25に連続的に供給し、例えば、0.8kg/cmGの加圧下で約120℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化ナトリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する。このとき、加圧反応槽25内のスラリー23(23b)をその底部から抜き出し、循環ライン37を経て循環させながら反応を行わせる。
(3)そして、循環ライン37を循環するスラリー23(23b)の一部を、送液ライン40を経て熱交換器27aに導き、スラリー供給ライン36a,スラリー循環ライン36bを経て循環する混合槽24内のスラリー23(23a)と熱交換させるとともに、熱交換器27bにおいて、水酸化ナトリウムタンク34から混合槽24に供給される水酸化ナトリウム水溶液22と熱交換させた後、スラリータンク28に送液する。
(4)次いで、スラリータンク28内のスラリー23(23c)を脱水機29に送って脱水し、分離された固形物(ゼオライト)を水洗槽42で水洗した後、脱水機43で再脱水し、これを乾燥機30に送って乾燥することにより、製品であるゼオライトを得る。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−255324号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1の方法では、例えば、約90℃の温度で予備反応を行わせることにより石炭灰粒子中のシリカやアルミナ成分を十分に効率よく溶解させた後、加圧反応槽に連続的に供給し、加圧下で例えば、約120℃に加熱して反応させるようにしているので、石炭灰の表面が水酸化ナトリウムと石炭灰との反応生成物により覆われて反応が妨げられることを抑制して、効率よくゼオライト化反応を進行させることが可能になるが、ゼオライトの分離、洗浄、及び乾燥の工程については、特許文献1の図1のフローシート及び明細書の段落番号0029などに簡単に説明されているだけで、効率的なゼオライトの分離方法や洗浄方法、あるいは乾燥方法などに関し、具体的な開示はされていないのが実情であり、固形物であるゼオライトを多量に含むスラリーからゼオライトを効率よく分離、洗浄し、乾燥を行って製品としてのゼオライトを得ることは必ずしも容易ではないという問題点がある。
【0007】
また、近年ゼオライトに所望の特性を付与するため、ゼオライトが有する陽イオン(例えば、特許文献1の製造方法により製造されたゼオライトにおいてはナトリウムイオン)を他の陽イオンに置換することが行われるに至っているが、上記特許文献1に示されているゼオライトの製造方法及び製造装置においては、どのような方法や設備を用いて陽イオンの置換を行えばよいのかは必ずしも明確にはされていないのが実情である。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、石炭灰(フライアッシュ)や製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料からゼオライトを効率よく製造することが可能であり、さらにはゼオライトが有する陽イオンを他の陽イオンに置換して所望の特性を備えたゼオライトを製造することが可能なゼオライトの製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)のゼオライトの製造装置は、石炭灰、製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーを100℃以下の温度で連続的に予備的に反応させる予備反応機構部と、
予備反応機構部で100℃以下の温度で予備的に反応させた前記スラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱して石炭灰と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを連続的に反応せしめる反応機構部と、
反応機構部から排出されるスラリーを連続的に冷却する冷却手段と、
冷却されたスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
濾過して分離したゼオライトを連続的に洗浄する洗浄手段と、
洗浄されたゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段と
を具備することを特徴としている。
【0010】
本発明(請求項1)のゼオライトの製造装置は、予備反応機構部において100℃以下の温度で予備反応させることにより、焼却灰原料粒子中のシリカやアルミナ成分を十分に効率よく溶解させた後、加圧反応槽において100℃を越える温度でゼオライト化反応を行わせるようにしているので、石炭灰の表面が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム(以下、単に「水酸化アルカリ」ともいう)と石炭灰との反応生成物(結晶質膜)により覆われて反応が妨げられることを抑制し、効率よくゼオライト化反応を進行させることが可能になるとともに、反応後のスラリーを冷却手段において連続的に冷却し、冷却後のスラリーを濾過手段において連続的に濾過して生成したゼオライトを分離し、洗浄手段において濾過後のゼオライトを連続的に洗浄した後、ゼオライトを連続的に乾燥させるようにしているので、焼却灰原料と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの予備反応から、生成したゼオライトの乾燥までの工程を連続的に実施することが可能になり、全体として効率よくゼオライトを製造することが可能になる。
【0011】
また、請求項2のゼオライトの製造装置は、前記反応機構部が、直列に接続された2以上のの加圧反応槽を備えており、上流側の加圧反応槽で反応せしめたスラリーが、順次下流側の加圧反応槽に供給されるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
反応機構部を、直列に接続された2以上の加圧反応槽を備え、かつ、上流側の加圧反応槽で反応させたスラリーが、順次下流側の加圧反応槽に供給されるような構成とすることにより、連続操作とした場合にも加圧反応槽を単段とした場合に比べて、スラリーの一部がショートパスすることを抑制することが可能になり、焼却灰原料と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを十分に反応させて、品質の良好なゼオライトを確実に製造することができるようになる。
【0013】
また、請求項3のゼオライトの製造装置は、前記予備反応機構部では80〜100℃の温度で予備反応を行わせ、前記反応機構部では105〜150℃の温度でゼオライト化反応を行なわせるように構成されていることを特徴としている。
【0014】
予備反応温度を80〜100℃とすることにより、石炭灰と水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)の予備的な反応を効率よく進行させることが可能になる。なお、上記の80〜100℃の温度範囲は、加圧反応槽内で加熱されたスラリー(例えば105〜150℃)との熱交換により容易に実現することが可能な温度である。但し、上記の熱交換だけでは所定の温度に昇温できない場合に、別途スチームなどの熱源を用いて所定の温度に昇温させることも可能である。
【0015】
また、加圧反応槽内でのスラリーの加熱温度を105〜150℃とすることにより、実用的な操作圧力の範囲で、反応を効率よく進行させることが可能になる。なお、石炭灰と水酸化アルカリの反応速度は、所定の温度までならば加圧反応槽内でのスラリーの加熱温度が高くなるにつれて大きくなる傾向があるが、150℃を越える温度にまで加熱しようとすると、圧力が高くなり、設備費や運転費の増大を招くため好ましくない。
【0016】
また、請求項4のゼオライトの製造装置は、前記濾過手段でゼオライトと分離された濾液が、焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーの調製に使用されるように構成されていることを特徴としている。
【0017】
濾過手段でスラリーを濾過することによりゼオライトと分離された濾液を回収し、焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーの調製に使用することにより、薬剤の使用量を減らして、ゼオライトの製造コストを低減することが可能になる。
【0018】
また、請求項5のゼオライトの製造装置は、前記洗浄手段が、複数の洗浄段を備えており、最終の洗浄段では新水が洗浄液として用いられるとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
洗浄手段を、複数の洗浄段を備え、最終の洗浄段では新水を洗浄液として用いかつ、各洗浄段で用いた洗浄液を、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いるようにした場合、洗浄すべきゼオライトと洗浄液を向流式に接触させて、少ない洗浄液で効率のよい洗浄を行うことが可能になる。
【0020】
また、請求項6のゼオライトの製造装置は、前記濾過手段が、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材上に、前記反応後の冷却されたスラリーを連続的に供給することによりゼオライトの濾過が連続的に行われるように構成されたものであることを特徴としている。
【0021】
濾過手段として、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材上に、スラリーを連続的に供給することによりゼオライトを連続的に濾過するように構成されたもの(例えば、水平ベルトフィルタ)を用いることにより、ゼオライトを連続的に濾過することが可能になるとともに、これに、後述(請求項7)のような連続的な洗浄手段を組み合わせることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0022】
また、請求項7のゼオライトの製造装置は、前記洗浄手段が、複数の洗浄段に相当する、前記フィルタ部材の搬送方向における所定の複数の位置で水を供給することにより、前記フィルタ部材上のゼオライトの洗浄を行うように構成されているとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液(洗浄水)が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されていることを特徴としている。
【0023】
洗浄手段を、搬送されている状態の請求項6のフィルタ部材上のゼオライトに、複数の洗浄段に相当する、フィルタ部材の搬送方向における所定の複数の位置で水を供給してゼオライトの洗浄を行うとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液を、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いるように構成した場合、洗浄すべきゼオライトと洗浄水を向流式に接触させて、少ない洗浄水で効率のよい洗浄を行うことが可能になる。
【0024】
また、請求項8のゼオライトの製造装置は、ゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンで置換するために、前記洗浄後のゼオライトを所定の陽イオンを含む溶液と接触させて連続的に陽イオン置換反応を行わせる陽イオン置換処理手段と、陽イオン置換後のゼオライトを連続的に洗浄する最終洗浄手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
洗浄後のゼオライトを連続的に所定の陽イオンを含む溶液と接触させて陽イオン置換反応を行わせる陽イオン置換処理手段と、陽イオン置換反応を行わせた後のゼオライトを連続的に洗浄するための最終洗浄手段とを備えた構成とすることにより、ゼオライトが有する陽イオンを他の陽イオンに連続的に置換して、所望の特性を備えたゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
なお、陽イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移元素あるいはその錯イオンなどが例示される。
【0026】
また、請求項9のゼオライトの製造装置は、前記陽イオン置換処理手段が、前記洗浄手段を構成する前記フィルタ部材上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオンを含む溶液を供給して陽イオン置換反応を行わせるように構成されているとともに、前記最終洗浄手段が、搬送されている状態の前記フィルタ部材上の陽イオン置換後のゼオライトに水を供給することにより洗浄を行うように構成されていることを特徴としている。
【0027】
陽イオン置換処理手段を、洗浄手段を構成するフィルタ部材上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオンを含む溶液を供給して陽イオン置換反応を行わせるような構成とすることにより、上記洗浄手段による洗浄工程の後に引き続いて陽イオン置換処理を行うことが可能になり、所望の特性を備えたゼオライトをさらに効率よく製造することが可能になる。また、搬送されている状態のフィルタ部材上の陽イオン置換後のゼオライトに水を供給して最終洗浄を行うことにより、陽イオン置換工程に引き続いて、効率よくゼオライトの洗浄を行うことが可能になり、十分に洗浄された特性の良好なゼオライトを得ることができるようになる。
【0028】
また、請求項10のゼオライトの製造装置は、前記陽イオン置換処理手段が、複数の陽イオン置換段を備えており、最終の陽イオン置換段では、陽イオン置換用の溶液として新しい溶液が用いられるとともに、各陽イオン置換段で用いられた陽イオン置換用の溶液が、それぞれ上流側の陽イオン置換段における陽イオン置換用の溶液として用いられるように構成されていることを特徴としている。
【0029】
陽イオン置換処理手段を、複数の陽イオン置換段を備え、最終の陽イオン置換段では、陽イオン置換用の溶液として新しい溶液を用い、各陽イオン置換段で用いられた陽イオン置換用の溶液を、それぞれ上流側の陽イオン置換段における陽イオン置換用の溶液として用いるように構成した場合、ゼオライトと陽イオン置換用の溶液を向流式に接触させて、少ない陽イオン置換用の溶液の使用量で効率よく陽イオンの置換を行うことが可能になる。
【0030】
また、請求項11のゼオライトの製造装置は、前記ゼオライトの有する陽イオンと置換される所定の陽イオンが、Ca、Al、Fe、NH、Cu、Ag、Mg、及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0031】
ゼオライトの有する陽イオンと置換される所定の陽イオンを、Ca、Al、Fe、NH、Cu、Ag、Mg、及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることにより、所望の特性を備えたゼオライトを確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
【0032】
また、請求項12のゼオライトの製造装置は、前記最終洗浄手段において用いられた陽イオンを含む洗浄液を、陽イオン置換処理手段による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部におけるプレ陽イオン置換用の溶液として用いることを特徴としている。
【0033】
最終洗浄手段において用いられた置換用の陽イオンを含む洗浄液を、陽イオン置換処理手段による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部におけるプレ陽イオン置換用の溶液として用いることにより、置換用の陽イオン原料の使用量を低減することが可能になるとともに、全体としての排水量を減少させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0034】
また、請求項13のゼオライトの製造装置は、前記洗浄後のゼオライト、又は陽イオン置換及び最終洗浄後のゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段が、間接加熱による方法でゼオライトを乾燥させるように構成されていることを特徴としている。
【0035】
乾燥手段として、間接加熱による方法でゼオライトを乾燥させるように構成された乾燥手段を用いることにより、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。図1は本発明の一実施形態にかかるゼオライトの製造装置を示す図である。図2はこの実施形態のゼオライトの製造装置の要部(濾過手段、洗浄手段、陽イオン置換処理手段、最終洗浄手段など)の構成を示す概略図である。
【0037】
図1及び図2に示すように、このゼオライトの製造装置は、石炭灰(フライアッシュ)を水酸化アルカリ水溶液(この実施形態では水酸化ナトリウム水溶液)と混合してスラリーとする混合槽1と、スラリーを100℃以下の温度(この実施形態では90℃)で連続的に予備的に反応させる予備反応機構部2と、スラリーを加圧下で100℃を越える温度(水酸化アルカリとして水酸化ナトリウムを用いる場合には120℃、水酸化カリウムを用いる場合には140℃)に加熱して石炭灰と水酸化アルカリを連続的に反応せしめる反応機構部3と、反応機構部3から連続的に排出されるスラリーを連続的に冷却する冷却手段4と、冷却されたスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段5と、濾過して分離したゼオライトを連続的に洗浄する洗浄手段6と、ゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオン(この実施形態ではCaイオン)で置換するために、洗浄後のゼオライトを連続的に所定の陽イオンを含む溶液と接触させて陽イオン置換反応を行わせる陽イオン置換処理手段7と、陽イオン置換反応を行わせた後のゼオライトを連続的に洗浄する最終洗浄手段8と、陽イオンの置換が行われたゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段9とを備えている。
【0038】
そして、この実施形態のゼオライトの製造装置において、反応機構部3は、加圧下で100℃を越える温度に加熱して石炭灰と水酸化アルカリを反応せしめる、直列に接続された第1の加圧反応槽3aと第2の加圧反応槽3bを備えており、上流側の第1の加圧反応槽3aで反応せしめたスラリーが、下流側の第2の加圧反応槽3bに供給されるように構成されている。これにより、スラリーの一部がショートパスすることを抑制、防止して、石炭灰と水酸化アルカリの反応を確実に行わせることが可能になる。
【0039】
また、この実施形態では、濾過手段5でスラリーを濾過することにより分離された濾液が回収され、混合槽1に戻されて石炭灰と水酸化アルカリ水溶液を含むスラリーの調製に使用されるように構成されている。
【0040】
また、濾過手段5としては水平ベルトフィルタが用いられている。この水平ベルトフィルタは、図1及び図2に示すように、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材10上に、反応後の冷却されたスラリーを連続的に供給することによりゼオライトの濾過が連続的に行われるように構成されており、この濾過手段5の下流側が洗浄手段6となっている。なお、この実施形態のゼオライトの製造装置においては、濾過手段5において、適当な減圧下に濾過操作が行われるように構成されている。
【0041】
洗浄手段6は、図2に示すように、3つの洗浄段6a,6b,6cを備えており、最終の洗浄段6cでは新水が洗浄液として用いられ、また、洗浄段6c,6bで用いられた洗浄液は、それぞれ1つ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されている。なお、洗浄手段6の構成はこれに限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
【0042】
また、洗浄手段6の下流側には、ゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオン(この実施形態ではCaイオン)で連続的に置換するための陽イオン置換処理手段7が配設されており、この陽イオン置換処理手段7は、洗浄手段6を構成するフィルタ部材10上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオンを含む溶液(この実施形態では塩化カルシウム(CaCl)水溶液)を供給してCaイオンの置換反応を行わせるように構成されている。
【0043】
なお、この実施形態では、陽イオン置換処理手段7は、図2に示すように、3つの陽イオン置換段7a,7b,7cを備えており、最終の陽イオン置換段7cでは、新しい塩化カルシウム水溶液が陽イオン置換用の溶液として用いられ、各陽イオン置換段で用いられた陽イオン置換用の溶液が、それぞれ上流側の陽イオン置換段における陽イオン置換用の溶液として用いられるように構成されている。なお、陽イオン置換処理手段7の構成は上述のような多段構成の場合に限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
【0044】
また、陽イオン置換処理手段7の下流には最終洗浄手段8が配設されており、陽イオンの置換が行われたゼオライトは、この最終洗浄手段8において十分に洗浄される。なお、最終洗浄手段8は、特に図示していないが、上述の洗浄手段6と同様に、複数の洗浄段を備え、最終の洗浄段では新水が洗浄液として用いられ、各洗浄段で用いられた洗浄液が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されている。
【0045】
なお、この実施形態では、図2に示すように、最終洗浄手段8の洗浄液(例えば、上述のように複数の洗浄段を備えている場合には、置換用の陽イオンを豊富に含む1段めの洗浄液)が、陽イオン置換処理手段7による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部16において、プレ陽イオン置換用の溶液として用いられるように構成されている。これにより、置換用の陽イオン原料の使用量を低減することが可能になるとともに、全体としての排水を低減することが可能になる。なお、最終洗浄手段8の構成は上述のような多段構成の場合に限られるものではなく、単段構成とすることも可能である。
【0046】
また、乾燥手段9は、陽イオンの置換が行われたゼオライトを連続的に乾燥するための設備であり、図1に示すように、陽イオン置換後のゼオライトを受けるゼオライト受け取り部11、間接加熱により加熱した空気(熱風)を供給する熱風供給部12,乾燥したゼオライトを空気(熱風)と分離するサイクロン13と、分離されたゼオライトを貯めるゼオライト貯蔵部14と、ゼオライトと分離された空気中の微量の固形物を分離するバグフィルター15とを備えている。このように構成された乾燥手段9を用いることにより、粉塵などの発生を招くことなく、効率よくゼオライトを乾燥することが可能になる。
【0047】
次に、上記のように構成されたゼオライトの製造装置を用いてゼオライトを製造する方法について説明する。
(1)まず、石炭灰と水酸化アルカリ水溶液(NaOH濃度:約6重量%)を混合槽1にて混合し、スラリーとする。なお、ここでは、スラリー濃度を約20重量%とする。
なお、水酸化アルカリとして水酸化カリウム(KOH)を用いる場合には、石炭灰と水酸化カリウム水溶液(KOH濃度:約16重量%)を混合槽1にて混合し、スラリー濃度を約20重量%のスラリーとする。
(2)それから、混合槽1内のスラリーを予備反応機構部2に供給し、90℃の温度条件下で予備反応を行わせる。なお、この予備反応工程では、石炭灰の表面が水酸化アルカリにより溶解し、その後のゼオライト化反応が効率よく行われることになる。
(3)予備反応機構部2で予備反応を行わせたスラリーを、反応機構部3に連続的に供給し、0.8kg/cmGの加圧下で約120℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化ナトリウムを反応せしめ、石炭灰をゼオライト化する。
なお、水酸化アルカリ水溶液として水酸化カリウム水溶液(KOH濃度:約16重量%)を用いる場合には、スラリー濃度約20重量%のスラリーを2.6kg/cmGの加圧下で約140℃に加熱してスラリー中の石炭灰と水酸化カリウムを反応せしめる。
この反応機構部3では、予備反応後のスラリーが、上流側の第1の加圧反応槽3aに供給され、次に、下流側の第2の加圧反応槽3bに供給されることにより、スラリーのショートパスが抑制され、各加圧反応槽3a,3bにおいてゼオライト化反応が確実に進行することになる。
(4)それから、反応が終了したスラリーを連続的に冷却手段4に供給して連続的に冷却する。
(5)次いで、冷却されたスラリーを濾過手段5に送って濾過する。
濾液は、全部又は一部が石炭灰と水酸化アルカリ水溶液を含むスラリーの調製にリサイクルされる。
(6)そして、分離されたゼオライト(ケーキ)を、洗浄手段6に送って連続的に洗浄を行う。このとき、ゼオライトは、図2に示すように、3つの洗浄段6a,6b,6cで、向流式に洗浄水を用いた洗浄方法により、少ない洗浄水で十分に洗浄される。
(7)次に、洗浄されたゼオライトを、陽イオン置換処理手段7に供給して、ゼオライトの有する陽イオン(この実施形態ではNaイオン)をCaイオンで置換する。
このとき、ゼオライトの陽イオンの置換は、図2に示すように、3つの置換段7a,7b,7cにおいて向流式に陽イオン置換用の溶液(この実施形態では塩化カルシウム水溶液)を接触させる方法により行われるため、少ない陽イオン置換用の溶液を用いて十分に陽イオンの置換を行うことができる。
(8)その後、陽イオンの置換が行われたゼオライトを最終洗浄手段8において連続的に水洗する。
(9)それから、水洗されたゼオライトを、乾燥手段9に連続的に供給して乾燥させる。
なお、乾燥は、間接加熱の方法により加熱した空気(熱風)を用いた方法により行われるため、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
【0048】
上記実施形態のゼオライトの製造装置を用いた場合、予備反応機構部で予備反応を行わせて、焼却灰原料粒子中のシリカやアルミナ成分を十分に溶解させた後、加圧反応槽において100℃を越える温度で効率よくゼオライト化反応を進行させることが可能になるとともに、その後のスラリーの冷却、濾過、ゼオライトの洗浄、洗浄後のゼオライトの陽イオン置換、洗浄、及び乾燥を連続的かつ効率的に行うことが可能になり、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することが可能になる。
【0049】
なお、上記実施形態では、陽イオン置換処理手段及び最終洗浄手段を備えた構成としているが、陽イオンの置換を行う必要がない場合には、陽イオン置換処理手段及び最終洗浄手段を省略した構成とすることが可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、反応機構部3が第1の加圧反応槽3aと第2の加圧反応槽3bの2つの加圧反応槽を備えている場合を例にとって説明したが、反応機構部は、単段構成とすることも可能であり、また、3段以上の複数段構成とすることも可能である。
なお、単段構成とする場合には、スラリーのショートパスを抑制、防止する見地から、スラリーを循環させる循環ラインを設けたりするなどの対策をとることが望ましい。
また、上記実施形態では、石炭灰を原料としてゼオライトを製造する場合を例にとって説明したが、本発明は石炭灰を原料とする場合に限らず、石炭灰以外の製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料を用いてゼオライトを製造する場合にも適用することが可能である。
【0051】
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、予備反応機構部や反応機構部の具体的な構成、冷却手段、濾過手段、洗浄手段、陽イオン置換処理手段、最終洗浄手段などの具体的な構成や細部の構造、圧力や温度などの運転条件、スラリーの供給方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0052】
【発明の効果】
上述のように、本発明(請求項1)のゼオライトの製造装置は、予備反応機構部において100℃以下の温度で予備反応させて、焼却灰原料粒子中のシリカやアルミナ成分を十分に効率よく溶解させた後、加圧反応槽において100℃を越える温度でゼオライト化反応を行わせるようにしているので、石炭灰の表面が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと石炭灰との反応生成物(結晶質膜)により覆われて反応が妨げられることを抑制し、効率よくゼオライト化反応を進行させることが可能になるとともに、冷却手段において反応後のスラリーを連続的に冷却し、濾過手段において冷却後のスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離し、洗浄手段において濾過後のゼオライトを連続的に洗浄した後、ゼオライトを連続的に乾燥させるようにしているので、焼却灰原料と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの予備反応から、生成したゼオライトの乾燥までの工程を連続的に実施することが可能になり、全体として効率よくゼオライトを製造することが可能になる。
【0053】
また、請求項2のゼオライトの製造装置のように、反応機構部を、直列に接続された2以上の加圧反応槽を備え、かつ、上流側の加圧反応槽で反応させたスラリーが、順次下流側の加圧反応槽に供給されるような構成とした場合、連続操作とした場合にも加圧反応槽を単段とした場合に比べて、スラリーの一部がショートパスすることを抑制することが可能になり、焼却灰原料と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを十分に反応させて、品質の良好なゼオライトを確実に製造することが可能になる。
【0054】
また、請求項3のゼオライトの製造装置のように、予備反応温度を80〜100℃とすることにより、石炭灰と水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)の予備的な反応を効率よく進行させることが可能にり、加圧反応槽内でのスラリーの加熱温度を105〜150℃とすることにより、実用的な操作圧力の範囲で、反応を効率よく進行させることが可能になる。
【0055】
また、請求項4のゼオライトの製造装置のように、濾過手段でスラリーを濾過することによりゼオライトと分離された濾液を回収し、焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーの調製に使用するようにした場合、薬剤の使用量を減らして、ゼオライトの製造コストを低減することが可能になる。
【0056】
また、請求項5のゼオライトの製造装置のように、洗浄手段を、複数の洗浄段を備え、最終の洗浄段では新水を洗浄液として用いかつ、各洗浄段で用いた洗浄液を、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いるようにした場合、洗浄すべきゼオライトと洗浄液を向流式に接触させて、少ない洗浄液で効率のよい洗浄を行うことが可能になる。
【0057】
また、請求項6のゼオライトの製造装置のように、濾過手段として、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材上に、スラリーを連続的に供給することによりゼオライトを連続的に濾過するように構成されたものを用いた場合、ゼオライトを連続的に濾過することが可能になるとともに、これに連続的な洗浄を組み合わせることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0058】
また、請求項7のゼオライトの製造装置のように、洗浄手段を、搬送されている状態の請求項6のフィルタ部材上のゼオライトに、複数の洗浄段に相当する、フィルタ部材の搬送方向における所定の複数の位置で水を供給してゼオライトの洗浄を行うとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液を、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いるように構成した場合、洗浄すべきゼオライトと洗浄水を向流式に接触させて、少ない洗浄水で効率のよい洗浄を行うことができるようになる。なお、ここで使用した洗浄水の全て、あるいは一部を反応前スラリーの調合水に用いて排水量を少なくすることも可能である。
【0059】
また、請求項8のゼオライトの製造装置のように、洗浄後のゼオライトを連続的に所定の陽イオンを含む溶液と接触させて陽イオン置換反応を行わせる陽イオン置換処理手段と、陽イオン置換反応を行わせた後のゼオライトを連続的に洗浄するための最終洗浄手段とを備えた構成とした場合、ゼオライトが有する陽イオンを他の陽イオンに連続的に置換して、所望の特性を備えたゼオライトを効率よく製造することができるようになる。
【0060】
また、請求項9のゼオライトの製造装置のように、陽イオン置換処理手段を、洗浄手段を構成するフィルタ部材上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオンを含む溶液を供給して陽イオン置換反応を行わせるような構成とすることにより、上記洗浄手段による洗浄工程の後に引き続いて陽イオン置換処理を行うことが可能になり、所望の特性を備えたゼオライトをさらに効率よく製造することが可能になる。また、搬送されている状態のフィルタ部材上の陽イオン置換後のゼオライトに水を供給して最終洗浄を行うことにより、陽イオン置換工程に引き続いて、効率よくゼオライトの洗浄を行うことが可能になり、十分に洗浄された特性の良好なゼオライトを得ることが可能になる。
【0061】
また、請求項10のゼオライトの製造装置のように、陽イオン置換処理手段を、複数の陽イオン置換段を備え、最終の陽イオン置換段では、陽イオン置換用の溶液として新しい溶液を用い、各陽イオン置換段で用いられた陽イオン置換用の溶液を、それぞれ上流側の陽イオン置換段における陽イオン置換用の溶液として用いるように構成した場合、ゼオライトと陽イオン置換用の溶液を向流式に接触させて、少ない陽イオン置換用の溶液の使用量で効率よく陽イオンの置換を行うことができるようになる。
【0062】
また、請求項11のゼオライトの製造装置のように、ゼオライトの有する陽イオンと置換される所定の陽イオンを、Ca、Al、Fe、NH、Cu、Ag、Mg、及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることにより、所望の特性を備えたゼオライトを確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
【0063】
また、請求項12のゼオライトの製造装置のように、最終洗浄手段において用いられた置換用の陽イオンを含む洗浄液を、陽イオン置換処理手段による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部におけるプレ陽イオン置換用の溶液として用いるようにした場合、置換用の陽イオン原料の使用量を低減することが可能になるとともに、全体としての排水量を減少させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
【0064】
また、請求項13のゼオライトの製造装置のように、乾燥手段として、間接加熱による方法でゼオライトを乾燥させるように構成された乾燥手段を用いた場合、燃焼排ガス成分に由来する悪臭成分がゼオライトに付着することを防止して、品質の良好なゼオライトを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるゼオライトの製造装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるゼオライトの製造装置の要部(濾過手段、洗浄手段、陽イオン置換処理手段、最終洗浄手段など)の構成を示す概略図である。
【図3】従来のゼオライトの製造装置を示す図である。
【符号の説明】
1 混合槽
2 予備反応機構部
3 反応機構部
3a 第1の加圧反応槽
3b 第2の加圧反応槽
4 冷却手段
5 濾過手段
6 洗浄手段
6a,6b,6c 洗浄段
7 陽イオン置換処理手段
7a,7b,7c 陽イオン置換段
8 最終洗浄手段
9 乾燥手段
10 フィルタ部材
11 ゼオライト受け取り部
12 熱風供給部
13 サイクロン
14 ゼオライト貯蔵部
15 バグフィルター
16 プレ陽イオン置換処理部

Claims (13)

  1. 石炭灰、製紙スラッジ焼却灰などの焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーを100℃以下の温度で連続的に予備的に反応させる予備反応機構部と、
    予備反応機構部で100℃以下の温度で予備的に反応させた前記スラリーを、加圧下で100℃を越える温度に加熱して石炭灰と水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを連続的に反応せしめる反応機構部と、
    反応機構部から排出されるスラリーを連続的に冷却する冷却手段と、
    冷却されたスラリーを連続的に濾過して生成したゼオライトを分離する濾過手段と、
    濾過して分離したゼオライトを連続的に洗浄する洗浄手段と、
    洗浄されたゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段と
    を具備することを特徴とするゼオライトの製造装置。
  2. 前記反応機構部が、直列に接続された2以上の加圧反応槽を備えており、上流側の加圧反応槽で反応せしめたスラリーが、順次下流側の加圧反応槽に供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のゼオライトの製造装置。
  3. 前記予備反応機構部では80〜100℃の温度で予備反応を行わせ、前記反応機構部では105〜150℃の温度でゼオライト化反応を行なわせるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のゼオライトの製造装置。
  4. 前記濾過手段でゼオライトと分離された濾液が、焼却灰原料と水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を含むスラリーの調製に使用されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  5. 前記洗浄手段が、複数の洗浄段を備えており、最終の洗浄段では新水が洗浄液として用いられるとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  6. 前記濾過手段が、濾過機能を有するシート状材料が無端ベルト状に形成され、連続的に循環・搬送されるフィルタ部材上に、前記反応後の冷却されたスラリーを連続的に供給することによりゼオライトの濾過が連続的に行われるように構成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  7. 前記洗浄手段が、複数の洗浄段に相当する、前記フィルタ部材の搬送方向における所定の複数の位置で水を供給することにより、前記フィルタ部材上のゼオライトの洗浄を行うように構成されているとともに、各洗浄段で用いられた洗浄液(洗浄水)が、それぞれ上流側の洗浄段における洗浄液として用いられるように構成されていることを特徴とする請求項6記載のゼオライトの製造装置。
  8. ゼオライトの有する陽イオンを他の陽イオンで置換するために、前記洗浄後のゼオライトを所定の陽イオンを含む溶液と接触させて連続的に陽イオン置換反応を行わせる陽イオン置換処理手段と、陽イオン置換後のゼオライトを連続的に洗浄する最終洗浄手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  9. 前記陽イオン置換処理手段が、前記洗浄手段を構成する前記フィルタ部材上の洗浄後のゼオライトに、所定の陽イオンを含む溶液を供給して陽イオン置換反応を行わせるように構成されているとともに、前記最終洗浄手段が、搬送されている状態の前記フィルタ部材上の陽イオン置換後のゼオライトに水を供給することにより洗浄を行うように構成されていることを特徴とする請求項8記載のゼオライトの製造装置。
  10. 前記陽イオン置換処理手段が、複数の陽イオン置換段を備えており、最終の陽イオン置換段では、陽イオン置換用の溶液として新しい溶液が用いられるとともに、各陽イオン置換段で用いられた陽イオン置換用の溶液が、それぞれ上流側の陽イオン置換段における陽イオン置換用の溶液として用いられるように構成されていることを特徴とする請求項8又は9記載のゼオライトの製造装置。
  11. 前記ゼオライトの有する陽イオンと置換される所定の陽イオンが、Ca、Al、Fe、NH、Cu、Ag、Mg、及びBaからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  12. 前記最終洗浄手段において用いられた陽イオンを含む洗浄液を、陽イオン置換処理手段による陽イオン置換に先立つ、プレ陽イオン置換処理部におけるプレ陽イオン置換用の溶液として用いることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
  13. 前記洗浄後のゼオライト、又は陽イオン置換及び最終洗浄後のゼオライトを連続的に乾燥する乾燥手段が、間接加熱による方法でゼオライトを乾燥させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のゼオライトの製造装置。
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