JP5771342B1 - 汚染土壌浄化装置 - Google Patents

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【課題】大量の有害金属汚染土壌、さらには有害金属等以外の有害物を含む有害金属汚染土壌を事業として浄化することを可能にする実用的な汚染土壌浄化装置を提供する。【解決手段】汚染土壌浄化装置Sは、破砕部1と分級部2と沈降分離部3と濾過部4とキレート剤再生部5とを備えている。破砕部1は、有害金属等で汚染された土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部2は、破砕部1から排出された土壌とキレート剤を含む洗浄水とを混合し、有害金属等を土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、土壌から粗骨材及び砂を分離して回収する。沈降分離部3は、分級部2から排出された細粒土を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と細粒土を含むスラッジとに分離する。キレート剤再生部5は、沈降分離部4から排出された上澄水中のキレート剤が捕捉している有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。【選択図】図1

Description

本発明は、有害金属及び/又はその化合物あるいはその他の汚染物質で汚染された大量の汚染土壌を浄化するための汚染土壌浄化装置に関するものである。
近年、例えばクロム、鉛、カドミウム、セレン、水銀などの有害金属及び/又はその化合物(以下、これらを「有害金属等」と総称する。)を原料又は材料として用いる生産施設の敷地又はその近隣地における土壌汚染、あるいは有害金属等を含む産業廃棄物の投棄等による土壌汚染が問題となっている。そして、有害金属等で汚染された土壌(以下「有害金属汚染土壌」という。)を、該有害金属汚染土壌が現に存在する位置(以下「原位置」という。)において、例えば有害金属等の不溶化、封じ込め又は電気修復などにより効果的に浄化することはかなり困難である。このため、有害金属汚染土壌は、一般に、掘削により原位置から除去され、外部の土壌浄化装置で浄化される。なお、有害金属汚染土壌が除去された跡地は、通常、土壌浄化装置で浄化された元の土壌又は別の清浄な土壌で埋め戻される。
原位置外の土壌浄化装置で有害金属汚染土壌を浄化する手法としては、従来、溶融処理(例えば、特許文献1参照)や土壌洗浄処理(例えば、特許文献2、3参照)などが知られている。ここで、溶融処理は、有害金属汚染土壌を溶融させた後で急冷することにより有害金属等を封じ込め、該土壌を骨材などとして利用するようにした土壌浄化手法であるが、大量の熱エネルギーを消費するので、大量の有害金属汚染土壌を処理するのには適していないといった問題がある。
他方、土壌洗浄処理は、有害金属汚染土壌を洗浄して有害金属等を除去するようにした土壌浄化手法であり、ほとんど熱エネルギーを必要としないので、大量の有害金属汚染土壌を処理するのに適している。そこで、本願発明者らは、すでに特許文献4において、土壌洗浄処理により有害金属汚染土壌を浄化する手法として、有害金属等で汚染された汚染物をキレート剤含有洗浄液で洗浄することにより汚染物から有害金属等を除去し、この洗浄により発生した洗浄廃液を、キレート剤よりも錯生成力の高い固相吸着材と接触させ、キレート剤含有洗浄液から有害金属等を除去・回収することにより、キレート剤含有洗浄液を再生するようにした有害金属汚染物の浄化方法を提案している(特許文献4の段落[0006]参照。)。
特許文献4に記載された発明に係る有害金属汚染物の浄化方法によれば、有害金属等で汚染された汚染土壌を、キレート剤を含有する洗浄剤で洗浄した後の洗浄廃液から固相吸着材で有害金属等を除去するので、洗浄液ないしはキレート剤を繰り返し使用することができ、エネルギー消費が非常に少ない汚染土壌浄化システムを構築することができる。これにより、自然汚染土壌その他の汚染土壌の浄化が容易となり、また汚染廃棄物に対しては廃棄物の減量化と有効利用が期待される、といった顕著な効果を奏する(特許文献4の段落[0010]参照。)。
特開2000−246232号公報 特開2000−325936号公報 特開2007−098299号公報 特許第5164169号明細書
前記のとおり、特許文献4に記載された発明は、ほとんど熱エネルギーを消費することなく、キレート剤を含有する洗浄液を繰り返し使用しつつ有害金属汚染土壌を浄化することができる浄化システムを構築することを可能にするものである。しかしながら、特許文献4は、実験室規模の実施例は開示しているものの、大量の有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化するための具体的な汚染土壌浄化装置を提案するには至っていない。そこで、本発明は、特許文献4に記載された発明に係る実験室規模の有害金属汚染物の浄化方法を利用して、大量の有害金属汚染土壌、さらには有害金属等以外の所定の汚染物質をも含む有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化することを可能にする実用的な汚染土壌浄化装置を提供することを解決すべき課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明に係る汚染土壌浄化装置は、破砕部と、分級部と、沈降分離部と、キレート剤再生部とを備えている。この汚染土壌浄化装置において、破砕部は、石及び/又は礫が混在しかつ有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染された土壌を受け入れ、土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部は、破砕部から排出された土壌と、キレート剤を含む洗浄水とを混合し、土壌に付着している有害金属等を土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、土壌から粗骨材(石及び/又は礫)及び砂を分離して除去(回収)する。沈降分離部は、分級部から排出された細粒土(シルト及び/又は粘土)を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と、細粒土を含むスラッジとに分離する。キレート剤再生部は、沈降分離部から排出された上澄水を受け入れ、上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを捕捉しているキレート剤から有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、キレート剤再生部は、洗浄水再生装置と、洗浄水還流機構と、固相吸着材再生機構とを有する。洗浄水再生装置は、キレート剤よりも錯生成力が高く沈降分離部から排出された上澄水と接触したときに上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着する固相吸着材を有し、上澄水中のキレート剤から有害金属等を除去して上澄水を洗浄水として再生する。洗浄水還流機構は、洗浄水再生装置から排出された洗浄水を分級部に還流させる。なお、分級部に加えて破砕部にも洗浄水を供給する(還流させる)ようにしてもよい。固相吸着材再生機構は、洗浄水が排除された状態で洗浄水再生装置に酸液を流し、固相吸着材に吸着された有害金属等を酸液により除去して固相吸着材を再生する。ここで、固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、該環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属等ないしはこれらのイオンを選択的に取り込むものである。
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、洗浄水再生装置は、内部に固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された粒状物が収容される一方、沈降分離部から排出された上澄水が下側から上側に流通し、固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された粒状物が上澄水の上昇流によって流動化される液系流動層装置を有するものであるのが好ましい。また、洗浄水再生装置は、固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された充填物が充填されてなる充填層が内部に形成され、沈降分離部から排出された上澄水が充填層を流通するように構成された充填塔を有するものであってもよい。
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、破砕部は、有害金属等で汚染された土壌と洗浄水還流機構から供給された洗浄水とを混合する混合装置と、混合装置から排出された土壌と洗浄水の混合物を受け入れて土壌に含まれている石又は礫を破砕する湿式のミルブレーカとを有するものであるのが好ましい。また、分級部は、ミルブレーカから排出された土壌と洗浄水還流機構から供給された洗浄水とを混合しつつ該土壌から粗骨材を分離して除去(回収)するトロンメルと、トロンメルから排出された土壌と洗浄水の混合物を受け入れ該混合物から砂を分離して除去(回収)する、サイクロン及びサンドスクリーンを備えた砂分離機構とを有するものであるのが好ましい。
本発明に係る汚染土壌浄化装置は、沈降分離部から排出されたスラッジを濾過して濾過ケークを生成する濾過部、例えば、真空濾過機、フィルタプレス等を備えているのが好ましい。この場合、汚染土壌浄化装置は、濾過部から排出された濾過ケークを乾燥させる連続式の乾燥装置、例えば通気バンド乾燥機、通気回転乾燥機などを備えているのがより好ましい。
本発明によれば、破砕部から排出された土壌が、分級部においてキレート剤を含む洗浄水によって洗浄されるので、土壌に含まれる粗骨材(石及び/又は礫)、砂、細粒土等に付着している有害金属等が除去される。このため、分級部で分離・回収された粗骨材又は砂、あるいは沈降分離部から排出されるスラッジに含まれる細粒土は、有害金属等をほとんど含まない。したがって、粗骨材又は砂は土木・建築材料として使用することができ、またスラッジは、濾過等により脱水することにより、例えば改良土として植物栽培等に使用することができる。よって、有害金属等で汚染された土壌から、有害金属等をほとんど含まず再使用することができる粗骨材、砂(洗い砂)及び/又は細粒土(改良土)を生成することができる。なお、ある種のキレート剤は、有害金属等以外の特定の汚染物質(例えば、ホウ素、フッ素等)も捕捉することができる(例えば、本町化学工業株式会社の「排水用9000シリーズキレート剤」)。
また、キレート剤を含む洗浄水は循環して使用され、その循環の途中でキレート剤に捕捉されている有害金属等が固相吸着材により除去され、また適宜に固相吸着材に吸着されている有害金属等が酸液により除去される。このため、キレート剤又は固相吸着材をほとんど補充することなく、有害金属等で汚染された大量の土壌を連続的に浄化して、清浄な骨材ないしは粗骨材、洗い砂、改良土等を生成することができる。
本発明に係る汚染土壌浄化装置の概略的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る汚染土壌浄化装置の具体的な構成を示すブロック図である。 図2に示す汚染土壌浄化装置のキレート剤再生部の1つの具体的な構成を示す模式図である。 図2に示す汚染土壌浄化装置のキレート剤再生部のもう1つの具体的な構成を示す模式図である。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を具体的に説明する。まず、図1を参照しつつ、本発明に係る汚染土壌浄化装置の概略構成を説明する。図1に示すように、本発明に係る汚染土壌浄化装置Sは、破砕部1と、分級部2と、沈降分離部3と、濾過部4と、キレート剤再生部5とを備えている。
この汚染土壌浄化装置Sにおいて、破砕部1は、石及び/又は礫が混在しかつ有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染された土壌を受け入れ、該土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部2は、破砕部1から排出された土壌と、キレート剤を含む洗浄水とを混合し、土壌に付着している有害金属等を該土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、該土壌から粗骨材及び砂を分離して回収する。沈降分離部3は、分級部2から排出された細粒土(シルト及び/又は粘土)を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と、細粒土を含むスラッジとに分離する。濾過部4は、沈降分離部3から排出されたスラッジを濾過して濾過ケークを生成する。キレート剤再生部5は、沈降分離部3から排出された上澄水を受け入れ、上澄水中のキレート剤が捕捉している有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。
この汚染土壌浄化装置Sにおいて、キレート剤再生部5は、洗浄水再生装置と、洗浄水還流機構と、固相吸着材再生機構とを備えている(図2参照)。洗浄水再生装置は、キレート剤よりも錯生成力が高く沈降分離部3から排出された上澄水と接触したときに上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着する固相吸着材を有し、上澄水中のキレート剤から有害金属等ないしはこれらのイオンを除去して上澄水を洗浄水として再生する。洗浄水還流機構は、洗浄水再生装置から排出された洗浄水を分級部2に還流させる。なお、洗浄水還流機構を、分級部2に加えて破砕部1にも洗浄水を供給するように構成してもよい。固相吸着材再生機構は、洗浄水が排除された状態で洗浄水再生装置に酸液を流し、固相吸着材に吸着された有害金属等ないしはこれらのイオンを酸液により除去して固相吸着材を再生する。固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、該環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属等ないしはこれらのイオンを選択的に取り込むものである。
次に、図2を参照しつつ、汚染土壌浄化装置Sの具体的な構成を説明する。図2に示すように、汚染土壌浄化装置Sにおいては、まず、有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染され、場合によってはその他の汚染物質(例えば、フッ素、ホウ素、シアン等の第二種特定有害物質)で汚染された地盤の掘削等により採取された土壌(汚染土壌)が、投入ホッパ11に受け入れられる。そして、投入ホッパ11内の土壌はまず混合装置12に投入され、混合装置12内で、キレート剤を含む洗浄水と混合される。ここで、土壌は、細粒土(粒径が0.075mm以下のシルト又は粘土)及び種々の粒径の土石ないしは土砂、例えば石(粒径が75mm以上)、礫(粒径が2ないし75mm)及び/又は砂(粒径が0.075ないし2mm)等を含むものである。
投入ホッパ11内の土壌は有害金属等で汚染され、場合によってはさらにその他の汚染物質で汚染されている。ここで、有害金属等としては、例えばクロム、鉛、カドミウム、セレン、水銀、金属砒素及びこれらの化合物などが挙げられる。その他の汚染物質としては、例えば、フッ素又はその化合物、ホウ素又はその化合物、シアン化合物等の第二種特定有害物質などが挙げられる。
混合装置12で生成された土壌と洗浄水の混合物(以下「土壌・水混合物」という。)は湿式のミルブレーカ13に移送される。ミルブレーカ13としては、例えばロッドミルを用いることができる。ロッドミルは、詳しくは図示していないが、ドラムの中に複数のロッド(例えば、10本の75mmφ×2mのスチールロッド)が配置された破砕装置であり、ドラムの回転によってロッドが互いに平行に転動して線接触し、その衝撃力、剪断力、摩擦力等により、比較的粒径の大きい石、礫等を破砕する。その際、石、礫等に付着し又は含まれている有害金属等あるいはその他の汚染物質は剥離又は除去され、洗浄水中に離脱する。
かくして、土壌の表面から離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンは、洗浄水中のキレート剤によって捕捉される。ここで、ミルブレーカ13はロッドミルに限定されるわけではなく、その他の破砕装置、例えばボールミルなどを用いることができるのはもちろんである。なお、混合装置12を設けず、投入ホッパ11内の土壌をミルブレーカ13に直接供給する一方、キレート剤を含む洗浄水をミルブレーカ13に直接供給するようにしてもよい。
ここで、洗浄水に用いられるキレート剤としては、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、あるいは生分解性を有するHIDS(3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸)、IDS(2,2’−イミノジコハク酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、EDDS(エチレンジアミンジ酢酸)又はGLDA(L−グルタミン酸ジ酢酸)のナトリウム塩などが挙げられる。これらのキレート剤は、いずれも土壌に付着している有害金属等ないしはこれらのイオンを有効に捕捉する(キレートする)ことができものである。なお、実際に土壌を処理する際には、土壌に含まれる有害金属等の種類に応じて、その処理に適したキレート剤が選択され、又は複数種のキレート剤が用いられる。洗浄水中のキレート剤の濃度は、高ければ高い程有害金属等ないしはこれらのイオンの捕捉量が増えるが、実用上は0.005〜0.1モル/リットルの範囲、好ましくは0.01〜0.05モル/リットルの範囲に設定すればよい。
ミルブレーカ13から排出された土壌・水混合物はトロンメル14に導入される。トロンメル14は、詳しくは図示していないが、洗浄水を貯留することができる受槽と、水平面に対して傾斜して配置された略円筒形のドラムスクリーンとを有する湿式の篩分装置であって、ドラムスクリーンは、モータによりその中心軸(円筒の中心軸)まわりに回転することができるようになっている。また、ドラムスクリーン内に、洗浄水をスプレー状で噴射することができるようになっている。
トロンメル14の回転しているドラムスクリーンの内部を土壌・水混合物が流れる際に、ドラムスクリーンの網目より細かい土壌粒子は、洗浄水とともにドラムスクリーンの網目を通り抜け、ドラムスクリーン外に出て受槽内に入る。他方、ドラムスクリーンの網目より粗い土壌粒子は、ドラムスクリーンの網目を通り抜けることができないので、ドラムスクリーンの下側の開口端を経由して、ドラムスクリーン外に排出される。トロンメル14内では、土壌・水混合物中の土壌粒子同士が互いに擦れ合うので、土壌粒子の表面に残留・付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質が剥離され、洗浄水中に離脱させられる。このように洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンは、洗浄水中のキレート剤によって捕捉される。
この実施形態では、トロンメル14のドラムスクリーンの網目の分級径(目開き)は、粒径が2mm未満の土壌粒子がドラムスクリーンの網目を通り抜けるように設定されている。したがって、このトロンメル14では、粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)が土壌・水混合物から分離ないしは回収される。粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)は、ほとんど汚染物質を含まない。このため、トロンメル14で分離された粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)は、例えばコンクリート用の骨材ないしは粗骨材として用いることができ、あるいは販売することができる。
また、このような粒径が2mm以上の骨材ないしは粗骨材を、例えば篩分装置を用いて分級し、粒径が異なる複数種の骨材ないしは粗骨材を生産してもよい。例えば、粒径が5mm未満の比較的細かい骨材と、粒径が5mm以上の比較的粗い粗骨材に分級してもよい。なお、トロンメル14のドラムスクリーンの網目の寸法(目開き)は前記のものに限定されるわけではなく、得ようとする比較的粒径が大きい土壌粒子の粒径に応じて、任意に設定することができるのはもちろんである。
トロンメル14の受槽内に収容された粒径が2mm未満の土壌粒子と洗浄水とを含む土壌・水混合物はサイクロン15に導入される。サイクロン15は、詳しくは図示していないが、下方に向かって狭まる略円錐状のシリンダ内に土壌・水混合物をポンプで圧送して旋回流を生じさせ、これによって生じる遠心力を利用して、土壌・水混合物を、比較的粒径が小さい(例えば0.075mm未満)細粒土と洗浄水の混合物と、比較的粒径が大きい(例えば0.075mm以上)土壌粒子とに分離する。そして、細粒土と洗浄水の混合物(以下「細粒土含有水」という。)はサイクロン15の上端部から排出され、比較的粒径が大きい土壌粒子はサイクロン15の下端部から排出される。ここで、細粒土含有水はシールタンク16(中間貯槽)に一時的に貯留される。細粒土含有水に含まれる細粒土は、例えばその粒径が0.075mm未満のシルト又は粘土である。
他方、サイクロン15の下端部から排出された比較的粒径が大きい土壌粒子はサンドスクリーン17に導入される。なお、この比較的粒径が大きい土壌粒子は、例えばその粒径が0.075〜2mmの砂である。サンドスクリーン17は、所定の圧力及び水量で洗浄水を流動させて、比較的粒径が大きい土壌粒子すなわち砂にすすぎ洗浄処理を施すとともに、残留している浮遊物ないしは異物を捕集して除去する。サンドスクリーン17で捕集された浮遊物ないしは異物は、可燃物であれば燃料として再利用される(サーマルリサイクル)。また、すすぎ洗浄処理が施された比較的粒径が大きい土壌粒子すなわち砂(洗い砂)は、汚染物質をほとんど含んでいないので、再生砂として使用され、あるいは販売される。サンドスクリーン17から排出された洗浄水は、フィードタンク18(中間貯槽)に一時的に貯留される。
シールタンク16に一時的に貯留された細粒土含有水はpH調整槽19に導入される。また、フィードタンク18に一時的に貯留された洗浄水もpH調整槽19に導入され、細粒土含有水に加えられる。そして、pH調整槽19では、細粒土含有水(加えられた洗浄水を含む)のpHが、pH調整剤、例えば酸性液(例えば、硫酸、塩酸等)及びアルカリ性液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)を用いて、ほぼ中性又は所定のpH(例えば、pH7〜8)となるように調整される。なお、図示していないが、pH調整槽19においては、細粒土含有水のpHは、pHメータ等を備えたpH自動制御装置により自動的に調整される。
pH調整槽19でpHが調整された細粒土含有水は原水槽20に一時的に貯留される。原水槽20では、細粒土含有水にポリ塩化アルミニウム液(PAC)と、高分子凝集剤と、pH調整剤(酸性液又はアルカリ性液)とが添加される。これにより、原水槽20内に非水溶性の金属水酸化物と細粒土とが混在する多数のフロックが生成される。その際、洗浄水中の水質汚濁物質がフロックに吸着され又はフロックに付着する。なお、ポリ塩化アルミニウム液及び高分子凝集剤を、原水槽20ではなく、pH調整槽19で細粒土含有水に添加してもよい。また、pH調整槽19と原水槽20の間に、細粒土含有水にポリ塩化アルミニウム液と高分子凝集剤とpH調整剤とを添加する凝集反応槽を設けてもよい。
原水槽20内の細粒土含有水は、浮遊物回収装置21により浮遊物が除去された後、シックナ22に導入される。シックナ22は、詳しくは図示していないが、細粒土含有水がほぼ静止している状態で非水溶性のフロックないしは細粒土を重力により沈降させ、下部に位置するスラッジ層(例えば、固形分の比率が5〜10%)と、上部に位置しほとんどフロックないしは細粒土を含まない上澄水(洗浄水)とを形成する。なお、上澄水の表面に浮遊している浮上油は、少量の上澄水をシックナ22の上部から溢流させることにより除去される。
シックナ22の下部に滞留ないしは堆積しているスラッジは、スラッジポンプ等により引き抜かれて中間タンク23に移送され、中間タンク23内に一時的に貯留される。そして、中間タンク23内のスラッジは、適宜に又は連続的に、フィルタプレス24に移送される。フィルタプレス24は、詳しくは図示していないが、バッチ式又は半連続式の加圧式濾過器であって、中間タンク23から受け入れたスラッジを加圧濾過し、濾過ケークと濾液とを生成する。フィルタプレス24の濾過圧力は、例えば濾過ケークの含水率が30〜40%となるように設定される。ここで、フィルタプレス24の濾液はシックナ22に戻される。なお、フィルタプレス以外の濾過器、例えば真空濾過器(オリバー式濾過器)等を用いてもよい。フィルタプレス24から排出された濾過ケークは、有害金属等あるいはその他の汚染物質をほとんど含まないので、必要に応じて乾燥処理を施した上で、改良土として使用し、又は販売することができる。
他方、シックナ22内の上澄水は、処理水槽25に導入されて貯留される。処理水槽25が満杯になったときには予備水槽26が使用される。処理水層25ないしは予備水槽26に貯留されている処理水は、後でその構成及び機能を詳しく説明するキレート剤再生部5に導入される。なお、処理水槽25に貯留されている処理水(循環水)が蒸発等により減少したときには、適宜に処理水槽25に水道水が補給される。
この汚染土壌浄化装置Sにおいては、有害金属等で汚染された土壌が、順に混合装置12とミルブレーカ13とトロンメル14とサイクロン15とサンドスクリーン17とで処理される際に、土壌に付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質は、キレート剤を含む洗浄水中に離脱するが、洗浄水中に離脱したこれらの汚染物質は、比較的粒径が小さい細粒土の表面に集約される(環境省、水・大気環境局、土壌環境課「汚染土壌処理業の許可審査等に関する技術的留意事項」第21頁、平成25年8月発行、参照)。したがって、トロンメル14で回収される粗骨材、あるいはサンドスクリーン17で回収される砂(洗い砂)は、ほとんど有害金属等を含まないので、土木・建築用の材料として再使用することができる。
前記のとおり、混合装置12からサンドスクリーン17までの流通過程で洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質は、比較的粒径が小さい細粒土の表面に集約されるが、細粒土は、シールタンク16又はフィードタンク18からシックナ22までの流通過程で、キレート剤を含む洗浄水と、十分に長い時間(例えば、1〜4時間)接触する。このため、細粒土に付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質は、ほとんど洗浄水中に離脱する。そして、洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンはキレート剤に捕捉される。したがって、フィルタプレス24で生成される濾過ケーク(改良土)は、有害金属等あるいはその他の汚染物質をほとんど含まないので、例えば連続式の通気バンド乾燥機、通気回転乾燥機などを用いて乾燥させ、再使用することができる。
以下、図3を参照しつつ、汚染土壌浄化装置Sのキレート剤再生部5の具体的な構成及び機能を説明する。図3に示すように、キレート剤再生部5には、洗浄剤再生装置として液系流動層装置30が設けられている。この液系流動層装置30の内部には、固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された小片もしくは粒状物(以下、これらを「固相吸着材粒子」と総称する。)が収容され、処理水槽25に貯留された上澄水すなわち再生すべき洗浄水(以下、単に「洗浄水」という。)が下側から上側に向かって流通し、固相吸着材粒子は洗浄水の上昇流によって流動化されるようになっている。液系流動層装置30には略円筒形の外套30a(シェル)が設けられ、その内部において上部に上側多孔板30bが配設される一方、下部に下側多孔板30cが配設されている。なお、下側多孔板30cの下側に洗浄水を整流するための整流部材30dが配設されている。
両多孔板30b、30cは、これらを厚み方向に貫通する多数の貫通孔が形成された円板である。貫通孔の口径は、固相吸着材粒子が通り抜けるのを防止できる範囲の好ましい値に設定されている。なお、多孔板に代えて、網目部材(メッシュ)を用いてもよい。そして、両多孔板30b、30c間の中空部に固相吸着材粒子が収容されている。ここで、固相吸着材粒子の粒径は、液系流動層装置30内を流れる洗浄水の流速に応じて、固相吸着材粒子が動的にサスペンドして流動層を形成することができる範囲の好ましい値に設定されている。また、キレート剤再生部5には、洗浄水(キレート剤)を再生するときに、処理水槽25に貯留された洗浄水を液系流動層装置30に移送する一方、液系流動層装置30で再生された洗浄水を洗浄水貯槽27に移送するためのポンプ33及び複数の管路34〜37が設けられている。なお、洗浄水貯槽27内の再生された洗浄水は、ポンプ31及び管路32により、混合装置12とトロンメル14とサンドスクリーン17とに供給(還流)される。
また、キレート剤再生部5には、固相吸着材粒子を再生する際に、酸液貯槽28に貯留された酸液を液系流動層装置30に移送する一方、液系流動層装置30から排出された酸液を酸液貯槽28に戻すためのポンプ38及び複数の管路39、40が設けられている。さらに、キレート剤再生部5には、酸液で再生された固相吸着材粒子を水洗する際に、貯水槽29に貯留されたすすぎ水を液系流動層装置30に移送する一方、液系流動層装置30から排出されたすすぎ水を貯水槽29に戻すためのポンプ41及び複数の管路42、43が設けられている。
ここで、液系流動層装置30に洗浄水、酸液又はすすぎ水を移送するための入口側の管路34、35、39、42には、それぞれ、対応する管路を開閉するバルブ44、45、46、47が介設されている。他方、液系流動層装置30から洗浄水、酸液又はすすぎ水を排出するための出口側の管路36、37、40、43には、それぞれ、対応する管路を開閉するバルブ48、49、50、51が介設されている。これらのバルブ44〜51の開閉状態を切り換えることにより、液系流動層装置30に対して、洗浄水、酸液又はすすぎ水のいずれかを給排することができる。なお、これらのバルブ44〜51の開閉は、図示していないコントローラによって自動的に制御される。
以下、図3に示すキレート剤再生部5の運転手法の一例を説明する。なお、以下で説明する運転手法は単なる例示であって、本発明に係るキレート剤再生部5の運転手法が以下のものに限定されるものではないのはもちろんである。洗浄水(キレート剤)を再生する際には、管路34〜37に介設されたバルブ44、45、48、49が開かれる一方、その他のバルブ46、47、50、51が閉じられ、ポンプ33が運転される。これにより、処理水槽25内の洗浄水が、液系流動層装置30を流通して洗浄された後、洗浄水貯槽27に移送される。
液系流動層装置30内では、有害金属等を捕捉しているキレート剤を含む洗浄水が、キレート剤より錯生成力が高い固相吸着材(固相吸着材粒子)と接触させられる。固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属等のイオンを選択的に取り込むものである。その結果、キレート剤に捕捉されている有害金属等ないしはこれらのイオンがキレート剤から離脱させられ、固相吸着材(固相吸着材粒子)に吸着ないしは抽出される。これにより、洗浄水から有害金属等が除去・回収される一方、キレート剤は再び有害金属等を捕捉することができる状態となり、洗浄水が再生される。
このように再生された洗浄水は、洗浄水貯槽27に一時的に貯留された後、ポンプ31及び管路32により、混合装置12とトロンメル14とサンドスクリーン17とに還流させられる。つまり、キレート剤を含有する洗浄水は、土壌の浄化とキレート剤の再生とを繰り返しつつ、汚染土壌浄化装置S内を循環する。すなわち、汚染土壌浄化装置Sにおける洗浄水の循環機構はクローズドシステムであり、基本的には外部に排水を排出しない。このようにキレート剤を再生しつつ循環使用するので、基本的にはキレート剤を供給する必要はなく、目減り分を適宜に補充するだけでよい。
キレート剤より錯生成力が高い固相吸着材は、例えばゲル等の固体状のものであり、一般に、金属を捕捉しているキレート剤を含む水溶液と接触したときに、キレート剤と配位結合している金属イオンをキレート剤から離脱させて該固相吸着材に移動させることができる程度の共有結合以外の強い結合力を有しているものである。このような固相吸着材は、例えばキレート剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いる場合、濃度が10mM/lであるEDTA水溶液から、ほぼ100%の金属イオンを回収することができる強い結合力を有するものである。
このような固相吸着材としては、例えばシリカゲルや樹脂等の担体に環状分子を密に担持させ、この環状分子にキレート配位子を修飾させたものなどが挙げられる。このような固相吸着材を用いる場合、隣り合う環状分子及びキレート配位子により、配位結合、水素結合などの複数の様々な結合や相互作用が生じて多点相互作用が生じ、金属イオンに対してキレート剤よりも強い化学結合が生じるとともに環状分子の性状により金属イオンを選択的に取り込むことができる。
このような洗浄水の再生に伴って、固相吸着材における有害金属等の吸着量は経時的に増加してゆくが、固相吸着材の吸着能力には上限がある。このため、固相吸着材における有害金属等の吸着量が飽和状態ないしはその近傍に達したときには、固相吸着材は、固相吸着材再生機構(酸液貯槽28、ポンプ38、管路39、35、36、40等)によって再生される。すなわち、固相吸着材再生機構は、洗浄水が排除された状態で液系流動層装置30に酸液を流し、固相吸着材に吸着された有害金属等を酸液により除去して固相吸着材を再生する。かくして、有害金属等が酸液によって回収される一方、固相吸着材は再生されて再び有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着又は抽出することが可能な状態となる。なお、固相吸着材は、酸液によって再生された後、水洗機構(貯水槽29、ポンプ41、管路42、35、36、43等)によって水洗され、固相吸着材に付着している微量の酸液が除去される。
このように、液系流動層装置30内の固相吸着材の有害金属等の吸着量が飽和状態ないしはその近傍に達して固相吸着材を酸液で再生する際には、管路39、35、36、40に介設されたバルブ46、45、48、50が開かれる一方、その他のバルブ44、47、49、51が閉じられ、ポンプ38が運転される。これにより、酸液貯槽28内の酸液が、液系流動層装置30を流通して酸液貯槽28に還流する。固相吸着材の再生操作を開始する前には、液系流動層装置30内の洗浄水は排除される。なお、複数の液系流動層装置30を並列に配設すれば、一部の液系流動層装置30への洗浄水の供給が停止されているときでも、洗浄水を連続的に再生することができる。固相吸着材の有害金属等の吸着量が飽和状態ないしはその近傍に達したか否かは、液系流動層装置30から排出された洗浄水中の有害金属等の含有量を検出することにより判定することができる。
液系流動層装置30内に酸液を流す時間は、液系流動層装置30の寸法ないしは形状、固相吸着材粒子の寸法等に応じて好ましく設定される。酸液は、酸液貯槽28と液系流動層装置30とを循環して流れる。その際、液系流動層装置30内の固相吸着材は酸液と接触し、固相吸着材に吸着されている有害金属等が酸液中に離脱させられる。すなわち、有害金属等が酸液によって回収される一方、固相吸着材は再生されて再び有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着することが可能な状態となる。
また、酸液による固相吸着材の再生が終了した後に固相吸着材を水洗する際には、管路42、35、36、43に介設されたバルブ47、45、48、51が開かれる一方、その他のバルブ44、46、49、50が閉じられ、ポンプ41が運転される。これにより、貯水槽29内のすすぎ水が、液系流動層装置30を流通して貯水槽29に還流する。このような固相吸着材(固相吸着材粒子)の水洗操作を開始する前には、液系流動層装置30内の酸液は排除される。すすぎ水は、貯水槽29と液系流動層装置30との間を循環して流れる。その際、液系流動層装置30内の固相吸着材粒子はすすぎ水と接触し、固相吸着材粒子に付着している酸液が除去される。この後、洗浄水の再生が再開される。
以下、図4を参照しつつ、もう1つの実施形態に係るキレート剤再生部5’の具体的な構成及び機能を説明する。ただし、図4に示すキレート剤再生部5’の構成は、図3に示すキレート剤再生部5の構成と大部分が共通であるので、説明の重複を避けるため、以下では主として図3に示すキレート剤再生部5との相違を説明する。なお、図4に示すキレート剤再生部5’の構成要素において、図3に示すキレート剤再生部5の構成要素と共通ないしは対応するものには、図3に示すキレート剤再生部5の場合と同一の参照番号を付している。
図4に示すキレート剤再生部5’では、洗浄水を再生する手段として、液系流動層装置ではなく、その内部に固相吸着材粒子、又は固相吸着材が固定された充填物(パッキング)が充填された充填塔60が設けられている。そして、管路34〜37、39、40、42、43及びバルブ44〜47、48〜51は、洗浄水、酸液又はすすぎ水が充填塔60内を上側から下側に向かって流れるように配設されている。その他の点については、図3に示すキレート剤再生部5と同様である。なお、充填塔60は、洗浄水中の懸濁物質によって目詰まりが生じる可能性があるので、処理水槽25内の上澄水(洗浄水)は、清澄濾過装置(例えば、砂濾過器)により清澄濾過して充填塔60に供給するのが好ましい。
本発明に係る汚染土壌浄化装置Sないしはキレート剤再生部5、5’によれば、破砕部1(混合装置2、ミルブレーカ3)から排出された土壌が、分級部2(トロンメル14、サイクロン15、サンドスクリーン17)においてキレート剤を含む洗浄水によって洗浄されるので、土壌に含まれる粗骨材(石及び/又は礫)、砂、細粒土等に付着している有害金属等が除去される。このため、分級部2で分離・回収された粗骨材又は砂、あるいは濾過部4(フィルタプレス24)から排出される濾過ケークに含まれる細粒土は、有害金属等をほとんど含まない。したがって、粗骨材又は砂は土木・建築材料として使用することができ、また濾過ケークは、例えば改良土として使用することができる。よって、有害金属等で汚染された土壌から、有害金属等をほとんど含まず再使用することができる粗骨材、砂(洗い砂)及び/又は細粒土(改良土)を生成することができる。また、特定のキレート剤を用いることにより、有害金属等以外の特定の汚染物質、例えば、ホウ素、フッ素なども除去することが可能である。
また、キレート剤を含む洗浄水は循環して使用され、循環の途中でキレート剤に捕捉されている有害金属等が固相吸着材により除去され、また適宜に固相吸着材に吸着されている有害金属等が酸液により除去される。このため、キレート剤又は固相吸着材をほとんど補充することなく、有害金属等で汚染された大量の土壌を連続的に浄化して、清浄な骨材ないしは粗骨材、洗い砂、改良土等を生成することができる。
よって、本発明に係る汚染土壌浄化装置Sないしはキレート剤再生部5、5’によれば、特許文献4に記載された発明に係る有害金属汚染物の浄化方法を利用して、大量の有害金属汚染土壌、さらには有害金属等以外の所定の汚染物質をも含む有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる汚染土壌浄化装置Sは、有害金属等で汚染された大量の土壌の浄化に有用であり、とくに有害金属等を原料又は材料等として用いる生産施設の敷地又はその近隣地における土壌汚染、あるいは有害金属等を含む産業廃棄物の投棄等による土壌汚染を解消するのに適している。
S 汚染土壌浄化装置、1 破砕部、2 分級部、3 沈降分離部、4 濾過部、5 キレート剤再生部、11 投入ホッパ、12 混合装置、13 ミルブレーカ、14 トロンメル、15 サイクロン、16 シールタンク、17 サンドスクリーン、18 フィードタンク、19 pH調整槽、20 原水槽、21 浮遊物回収装置、22 シックナ、23 中間タンク、24 フィルタプレス、25 処理水槽、26 予備水槽、27 洗浄水貯槽、28 酸液貯槽、29 貯水槽、30 液系流動層装置、31 ポンプ、32 管路、33 ポンプ、34〜37 管路、38 ポンプ、39〜40 管路、41 ポンプ、42〜43 管路、44〜51 バルブ、60 充填塔。

Claims (5)

  1. 石又は礫が混在しかつ有害金属又はその化合物で汚染された土壌と、キレート剤濃度が0.01〜0.05モル/リットルの範囲であるキレート剤を含む洗浄水とを受け入れ、該土壌中に混在している石又は礫に衝撃力、剪断力及び摩擦力を加えることにより、該石又は礫を破砕するとともに該石又は礫に付着している有害金属又はその化合物の一部を該土壌から洗浄水中に離脱させてキレート剤に捕捉させる湿式のロッドミルと、
    前記ロッドミルから排出された土壌と洗浄水の混合物をドラムスクリーン内に受け入れ、前記ドラムスクリーン内を流れている前記混合物に、キレート剤濃度が0.01〜0.05モル/リットルの範囲であるキレート剤を含む洗浄水を噴射することにより、該土壌に残留・付着している有害金属又はその化合物を該土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、該土壌から粗骨材を分離して除去するトロンメルと、
    前記トロンメルから排出された土壌と洗浄水の混合物を受け入れて、砂と、細粒土と洗浄水の混合物とに分離するサイクロンと、
    前記サイクロンから排出された細粒土洗浄水の混合物を、沈降分離により、上澄水と、細粒土を含むスラッジとに分離する沈降分離部と、
    前記沈降分離部から排出された上澄水を受け入れ、該上澄水中の有害金属又はその化合物を捕捉しているキレート剤から有害金属又はその化合物を除去して該キレート剤を再生するキレート剤再生部とを備えている汚染土壌浄化装置であって、
    前記キレート剤再生部は、
    キレート剤よりも錯生成力が高く前記沈降分離部から排出された上澄水と接触したときに該上澄水中の有害金属又はその化合物を吸着する固相吸着材を有し、該上澄水中のキレート剤から有害金属又はその化合物を除去して該上澄水を洗浄水として再生する洗浄水再生装置と、
    前記洗浄水再生装置から排出された洗浄水を前記ロッドミルと前記トロンメルとに還流させる洗浄水還流機構と、
    洗浄水が排除された状態で前記洗浄水再生装置に酸液を流し、前記固相吸着材に吸着された有害金属又はその化合物を酸液により除去して該固相吸着材を再生する固相吸着材再生機構とを有し、
    前記固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、該環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属又はその化合物のイオンを選択的に取り込むものであることを特徴とする汚染土壌浄化装置。
  2. 前記洗浄水再生装置は、内部に固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された粒状物が収容される一方、前記沈降分離部から排出された上澄水が下側から上側に流通し、固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された前記粒状物が該上澄水の上昇流によって流動化される液系流動層装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌浄化装置。
  3. 前記洗浄水再生装置は、固相吸着材の粒子又は固相吸着材が固定された充填物が充填されてなる充填層が内部に形成され、前記沈降分離部から排出された上澄水が前記充填層を流通するように構成された充填塔を有することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌浄化装置。
  4. 害金属又はその化合物で汚染された土壌と前記洗浄水還流機構から供給された洗浄水とを混合して前記ロッドミルに供給する混合装置と、
    前記サイクロンから排出された砂にすすぎ洗浄処理を施すとともに、残留している浮遊物又は異物を捕集して除去するサンドスクリーンとを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の汚染土壌浄化装置。
  5. 前記沈降分離部から排出されたスラッジを濾過して濾過ケークを生成する濾過部を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の汚染土壌浄化装置。
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