JP5937261B1 - 放射性物質除去方法及び放射性物質除去システム - Google Patents

放射性物質除去方法及び放射性物質除去システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡略且つ小規模な構成を採用しながら省エネ性を向上できる放射性物質除去技術を提供する。【解決手段】放射性物質を含む処理対象物Aを加熱室3aで燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部3を備えた放射性物質除去システムにおいて、放射性物質を含む汚染可燃物Bを燃焼させる燃焼処理を実行する燃焼処理部1を備え、燃焼処理部1で生成された燃焼ガスGcを加熱室3aに導入する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法、及び、同加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムに関する。
従来、放射性物質を含む災害廃棄物の焼却に伴って発生する焼却灰や汚染土壌などの処理対象物から放射性セシウムなどの放射性物質を除去する放射性物質除去技術として、処理対象物を、炭酸カルシウムや塩化ナトリウムなどのセシウム揮発促進剤を添加した上で加熱する加熱処理を実行することで、処理対象物から放射性物質を揮発除去するものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このような放射性物質除去技術では、処理対象物を高温に加熱する必要があるため、一般的には、ロータリーキルンなどの加熱炉を利用して、処理対象物を加熱炉の内部に形成された加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する。
放射性物質を含む木質系廃棄物や有機性廃棄物などの汚染可燃物についても、セシウム揮発促進剤を添加した上で焼却することで、当該汚染可燃物の減容化を行うともに、それに含まれる放射性物質を揮発除去する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2014−174090号公報 特開2014−174089号公報
従来の放射性物質除去技術では、多くの化石燃料を使用して処理対象物を高温に加熱する必要があるために、省エネの観点から化石燃料の使用削減が望まれている。
また、処理対象物や汚染可燃物の何れを処理する場合でも、放射性物質が排ガスに移行して排出されるため、その排ガスから放射性物質を捕集するための排ガス処理を施す設備を設置する必要があり、このことが処理システムの煩雑化や大規模化の要因となる。
更に、木質系廃棄物などについては、バイオマス燃料として有効利用することが考えられるが、その木質系廃棄物が放射性物質を含むものである場合には、別途放射性物質を捕集するための排ガス処理設備が必要となる等の問題があるため、他の有機性廃棄物等とまとめて汚染可燃物として加熱処理しており、燃料としての有効利用がなされていなかった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、簡略且つ小規模な構成を採用しながら省エネ性を向上できる放射性物質除去技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法であって、
放射性物質を含む汚染可燃物を燃料として燃焼させる燃焼処理を実行し
前記燃焼処理で生成された燃焼ガスを前記加熱室に導入すると共に、
前記加熱処理が施される処理対象物に、前記加熱室への処理対象物の投入量に応じて調整された塩化化合物を添加する添加処理を実行して、前記加熱室を塩素雰囲気とすると共に、前記汚染可燃物への塩化化合物の添加を省略し、
前記加熱室に導入された燃焼ガスに含まれている放射性物質を、前記塩素雰囲気とされた加熱室に通過させて塩化物に変化させる点にある。
本構成によれば、上記燃焼処理で汚染可燃物が燃料として燃焼して生成された高温の燃焼ガスが、当該汚染可燃物とは別の処理対象物が加熱される加熱室に導入されて、上記加熱処理の熱源として利用されることになる。よって、上記加熱処理の熱源を確保するために追加すべき化石燃料を省略又は縮小して、省エネ性を向上することができる。
更に、上記燃焼処理で汚染可燃物の燃焼により放出された放射性物質は、燃焼ガスと共に上記加熱室に導入された後に、上記加熱処理で処理対象物の加熱により揮発された放射性物質と共に上記加熱室から排出される。そして、この加熱室から排出された排ガスを対象として当該排ガスから放射性物質を捕集する排ガス処理を実行するだけで、上記加熱処理で揮発除去された放射性物質に加えて、上記燃焼処理で放出された放射性物質をも適切に処理することができる。よって、上記燃焼処理で排出された排ガスのみを対象とした排ガス処理を省略して、構成の簡略化及び小規模化を図ることができる。
従って、本発明により、簡単且つ小規模な構成を採用しながら省エネ性を向上できる放射性物質除去方法を実現することができる。
更に、本構成によれば、塩化化合物が添加された処理対象物が投入されて加熱される加熱室は、塩素、塩化水素又は揮発した塩化化合物が存在する塩素雰囲気となる。よって、このような加熱室に導入された燃焼ガスに含まれている放射性物質は、その塩素雰囲気の加熱室を通過することで安定した塩化物に変化した上で、上記加熱室から排出されることになる。
従って、上記燃焼処理で燃焼される汚染可燃物への塩化化合物の添加を省略又は最小限とした場合でも、その汚染可燃物から放出された放射性物質を安定した塩化物の形態で確実に処理することができる。
本発明の第特徴構成は、前記燃焼処理を、前記汚染可燃物をバイオマス燃料として前記加熱室で燃焼させるバイオマスバーナで実行する点にある。
本構成によれば、上記燃焼処理を上記バイオマスバーナで実行するので、上記加熱室に投入された処理対象物を、汚染可燃物がバイオマス燃料として燃焼して生成された高温の燃焼ガスに接触させる形態で効率良く高温に加熱することができる。
また、上記加熱室において、上記バイオマスバーナから噴出される燃焼ガスに含まれる放射性物質が、同燃焼ガスに含まれる灰などの汚染可燃物の燃焼残渣に付着して処理対象物に混入する場合であっても、その燃焼残渣についても処理対象物と同様に加熱処理が施されることになるので、その燃焼残渣から放射性物質を好適に揮発除去して、加熱室から排ガスと共に排出することができる。
本発明の第特徴構成は、前記燃焼処理を、前記加熱室とは別の燃焼装置で実行し、当該燃焼装置から排出される燃焼ガスを前記加熱室に導入する点にある。
本構成によれば、上記燃焼処理を上記加熱室とは別の燃焼装置で実行し、その燃焼装置から排出される高温の燃焼ガスを加熱室に導入するので、上記加熱室に投入された処理対象物を、燃焼装置から導入された高温の燃焼ガスに接触させる形態で加熱することができる。
また、上記燃焼装置から上記加熱室に導入された燃焼ガスに含まれる放射性物質が、同じく上記加熱室に導入される灰などの汚染可燃物の燃焼残渣に付着している場合には、その燃焼残渣についても処理対象物と同様に加熱処理が施されることになるので、その燃焼残渣から放射性物質を好適に揮発除去して、加熱室から排ガスと共に排出することができる。
更に、汚染可燃物の燃焼残渣のうちの上記燃焼装置に残存する分については、放射性物質を含む可能性があるため、別途適切な処理を行うことができるが、例えば、上記処理対象物と共に加熱室に投入して、放射性物質を揮発除去するための加熱処理を施すこともできる。
本発明の第4特徴構成は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムであって、
放射性物質を含む汚染可燃物を燃焼させる燃焼処理を実行して、前記燃焼処理で生成された燃焼ガスを前記加熱室に導入する燃焼処理部を備えて
前記加熱処理が施される処理対象物に、前記加熱室への処理対象物の投入量に応じて調整された塩化化合物を添加する添加処理を実行する添加処理部を備えて、前記加熱室を塩素雰囲気とすると共に、前記汚染可燃物への塩化化合物の添加を省略し、
前記燃焼処理部により前記燃焼ガスを前記加熱室に導入し、当該燃焼ガスに含まれている放射性物質を排ガスと共に前記加熱室の排気口から排出することにより、前記加熱室に導入された燃焼ガスに含まれている放射性物質、前記塩素雰囲気とされた加熱室通過して塩化物に変化る点にある。
本構成によれば、前述の第1特徴構成を有する放射性物質除去方法が有する各種処理を実行するための各種処理部を備えているので、当該放射性物質除去方法と同様の作用効果を奏し、簡単且つ小規模な構成を採用しながら省エネ性を向上できる放射性物質除去システムを実現することができる。
第1実施形態の放射性物質除去システムの概略構成図 第1実施形態の放射性物質除去システムの構成図 第2実施形態の放射性物質除去システムの構成図
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。
図1に示す放射性物質除去システムは、放射性セシウム(放射性物質の一例)を含む処理対象物A、例えば土壌や焼却灰などの無機性廃棄物、都市ゴミや汚泥などの有機性廃棄物、枝葉類などの木質系廃棄物などから放射性セシウムを揮発除去するための放射性物質除去方法を実施するためのシステムとして構成されている。よって、このシステムには、当該処理対象物Aを加熱室3aで燃焼ガスGcに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部3が設けられている。
上記加熱処理部3は、ロータリーキルンや流動床式加熱炉などの公知の加熱炉で構成されており、この加熱処理部3では、加熱室3aにおいて、投入された処理対象物Aを、後述する燃焼処理部1で生成された高温の燃焼ガスGcに接触させて加熱する加熱処理が実行される。
この加熱処理部3が実行する加熱処理では、比較的低温の900℃以上1200℃以下、好ましくは950℃以上1100℃以下、且つ比較的短時間の30分以上120分以下、好ましくは30分以上60分以下の条件で、処理対象物Aが加熱される。すると、処理対象物A中の放射性セシウムが良好に揮発除去される。
加熱室3aで加熱処理が施されて放射性セシウムが揮発除去された加熱処理後の処理対象物Aは、処理済不燃物Cとして加熱室3aから払い出される。
また、処理対象物Aから揮発除去された放射性セシウムを含む排ガスGeは、加熱室3aから排出され、適宜冷却された後に、バグフィルタなどの乾式集塵手段や湿式スクラバのような湿式捕集手段として構成された排ガス処理部4に供給される。そして、この排ガス処理部4では、放射性セシウムやそれが付着した粉塵が捕集物Dとして分離除去される。その後、排ガスGeは、必要に応じて脱硝処理のような高度処理が行われた上で、大気中へと排気される。
このシステムには、加熱処理部3で加熱処理が施される処理対象物Aに、放射性セシウムの揮発を促進させるためのセシウム揮発促進剤Eを添加する添加処理部2が設けられている。
このセシウム揮発促進剤Eは、少なくとも塩化化合物である塩化ナトリウムが含まれており、更には、無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物が含まれている。
このようなセシウム揮発促進剤Eを処理対象物Aに添加することで、当該処理対象物Aを加熱する加熱処理において、比較的低温の加熱により、処理対象物A中の放射性セシウムを良好に揮発させることができるようになる。
添加処理部2においてセシウム揮発促進剤Eを添加するにあたり、先ずは、無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物が処理対象物Aに対して所定の添加量で添加され、次に、その無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物が添加された処理対象物Aに対し塩化ナトリウムが所定の添加量で添加される。そして、これらセシウム揮発促進剤Eの添加量は、処理対象物Aの投入量に応じて調整されている。
即ち、無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物の添加量については、処理対象物Aと無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物との混合物中における無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物の割合が3質量%以上50質量%以下となるように調整される。一方、塩化ナトリウムの添加量については、処理対象物Aと無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物との合計量に対して0.5質量%を超え10質量%以下となるように調整される。尚、セシウム揮発促進剤Eとして、塩化ナトリウムの代わりに、塩化カルシウムや塩化カリウムなどの他の塩化化合物を利用することもできる。また、これらセシウム揮発促進剤Eの種類、添加順序、及び添加量は適宜変更可能である。
以上が放射性物質除去システムの基本構成であるが、更にこのシステムには、簡略且つ小規模な構成を採用しながら省エネ性を向上するために、放射性セシウムを含む微粉状又はペレット状に加工された木質系廃棄物などの汚染可燃物Bを燃料として燃焼させる燃焼処理を実行する燃焼処理部1が設けられており、この燃焼処理部1での燃焼処理で生成された燃焼ガスGcを加熱処理部3の加熱室3aに導入するように構成されている。
即ち、別途焼却して減容化すべき汚染可燃物Bが燃焼処理部1で燃料として燃焼されて、その燃焼により生成された燃焼ガスGcが加熱処理部3での加熱処理の熱源として利用される。このことで、加熱処理部3での加熱処理の熱源を確保するために追加すべき化石燃料が省略又は縮小され、結果、省エネ性が向上されている。
燃焼処理部1での燃焼処理で汚染可燃物Bの燃焼により放出された放射性セシウムは、燃焼ガスGcと共に加熱処理部3の加熱室3aに導入される。その加熱室3aに導入された放射性セシウムは、上記加熱室3aにおける加熱処理で処理対象物Aの加熱により揮発された放射性セシウムを含む排ガスGeと共に、上記加熱室3aから排出されて、排ガス処理部4で捕集物Dとして捕集されることになる。
即ち、加熱処理部3から排出された排ガスGeを対象とする排ガス処理部4で排ガス処理を実施するだけで、上記加熱処理部3での加熱処理で揮発除去された放射性セシウムに加えて、上記燃焼処理部1での燃焼処理で放出された放射性セシウムをも適切に処理することができる。よって、上記燃焼処理で排出された排ガスのみを対象とした排ガス処理が省略され、結果、構成の簡略化及び小規模化が図られている。
加熱処理部3で加熱処理が施される処理対象物Aには、前述のように、塩化化合物である塩化ナトリウムがセシウム揮発促進剤Eとして添加されている。このことで、加熱処理部3の加熱室3aは塩素、塩化水素又は揮発した塩化化合物が存在する塩素雰囲気となる。
すると、燃焼処理部1から加熱室3aに導入された燃焼ガスGcに含まれている放射性セシウムは、その塩素雰囲気の加熱室3aを通過することで安定した塩化セシウムに変化した上で上記加熱室3aから排出され、排ガス処理部4で捕集物Dとして捕集されることになる。よって、上記燃焼処理部1での燃焼処理で燃焼される汚染可燃物Bについては、塩化ナトリウムの添加を省略又は最小限とした場合でも、その汚染可燃物Bから放出された放射性セシウムが安定した塩化セシウムの形態で確実に処理されることになる。
次に、本実施形態の具体的構成について、図2に基づいて説明する。
尚、図2に示す放射性物質除去システムは、図1で説明した構成に対して、主に燃焼処理部1及び加熱処理部3に関する具体的な実施形態を示したものである。よって、他の同様の構成について、図面において同じ符号を付すとともに、詳細な説明は割愛する場合がある。
このシステムでは、加熱処理部3での加熱処理の対象となる処理対象物Aが、放射性セシウムを含む土壌や焼却灰などの比較的塊状になり易い無機性廃棄物である場合、加熱処理部3による加熱処理の前に、添加処理部2にて、この無機性廃棄物である処理対象物Aを適宜解砕した後に、セシウム揮発促進剤Eを添加して混合する。また、加熱処理部3としてはロータリーキルン10が採用されている。
このロータリーキルン10は、基端部を覆う供給側ケーシング12と先端側を覆う排出側ケーシング14との間で回転駆動が可能なように横架され、内部に加熱室3aを形成する円筒状の本体13を備える。そして、供給側ケーシング12に設けられた投入部11から加熱室3aの基端側に投入された処理対象物Aが、本体13の回転駆動により、当該本体13の内部に形成された加熱室3aで撹拌されながら基端側から先端側に向けて搬送される。同時に、この加熱室3aでは、供給側ケーシング12に設けられたバーナ15から噴出された燃料が燃焼用空気供給口(図示省略)から供給された燃焼用空気を利用して燃焼し、高温の燃焼ガスGcが生成される。これにより、加熱室3aでは、処理対象物Aを高温の燃焼ガスGcに接触させて加熱する加熱処理が実行されることになる。
尚、本実施形態では、ロータリーキルン10を、燃焼ガスGcが処理対象物Aに並行して流れる並行流方式としたが、燃焼ガスGcが処理対象物Aに対向して流れる対向流方式としても構わない。
ロータリーキルン10に設けられたバーナ15は、上述した燃焼処理部1として機能し、汚染可燃物Bをバイオマス燃料として加熱室3aで燃焼させるバイオマスバーナで構成されている。
具体的に、このバイオマスバーナ15は、汚染可燃物Bが微粉状又はペレット状のバイオマス燃料として供給され、それを別途供給される燃焼用空気と共に加熱室3aに噴出させて燃焼させる形態で、高温の燃焼ガスGcを加熱室3aに噴出させる。すると、加熱室3aにおいて、投入された処理対象物Aは、バイオマスバーナ15から噴出された高温の燃焼ガスGcに接触する形態で、効率良く高温に加熱されることになる。
加熱室3aで加熱処理が施された加熱処理後の処理対象物Aは、本体13の先端部からそれを覆う排出側ケーシング14の内部に落下し、当該排出側ケーシング14の底部に形成された払出口14aより処理済不燃物Cとして払い出される。
一方、加熱室3aにおいて処理対象物Aから揮発除去された放射性セシウムを含む排ガスGeは、排出側ケーシング14の天井部に形成された排気口14bから排ガス管路16に排出され、適宜冷却された後に、排ガス処理部4に供給されて、適宜排ガス処理が施される。
バイオマスバーナ15から加熱室3aに噴出される燃焼ガスGcには、汚染可燃物B中にあった放射性セシウムが含まれているが、その燃焼ガスGcに含まれる放射性セシウムについても、塩素雰囲気の加熱室3aを通過することで安定した塩化セシウムに変化した上で、処理対象物Aの加熱により揮発された放射性セシウムを含む排ガスGeと共に、上記加熱室3aから排出され、排ガス処理部4で適宜排ガス処理が施されることになる。
バイオマスバーナ15から加熱室3aに噴出される燃焼ガスGcには、放射性セシウムに加えて、灰などの汚染可燃物Bの燃焼残渣が含まれており、同燃焼ガスGcに含まれる放射性セシウムがその燃焼残渣に付着した状態で存在する場合がある。そのような燃焼残渣については、軽いものは排ガスGeと共に加熱室3aから飛灰として排出されるが、重いものについては加熱室3aで加熱処理が施されている処理対象物Aに混入する場合がある。
そして、加熱室3aにおいて、放射性セシウムが付着した燃焼残渣が処理対象物Aに混入する場合であっても、その燃焼残渣は処理対象物Aと同様に加熱処理が施されることになるので、その燃焼残渣から放射性セシウムが好適に揮発除去されて、排ガスGeと共に加熱室3aから排出されることになる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。
尚、図3に示す放射性物質除去システムは、上述した第1実施形態に対して、主に燃焼処理部1及び加熱処理部3に関する構成が異なる。よって、他の同様の構成について、図面において同じ符号を付すとともに、詳細な説明は割愛する場合がある。
このシステムでは、加熱処理部3での加熱処理の対象となる処理対象物Aが、放射性セシウムを含む都市ゴミや汚泥などの比較的水分が多い有機性廃棄物である。よって、この有機性廃棄物である処理対象物Aを適宜乾燥させながら加熱するべく、加熱処理部3としては流動床式加熱炉20が採用されている。
この流動床式加熱炉20は、筒状の本体23内に形成された加熱室3aの底部に流動層22が形成され、この流動層22では、硅砂などの流動媒体が下方から供給される流動空気Gaにより流動化されている。更に、この流動層22には、側方に設けられた投入部21から処理対象物Aが投入されると共に、側方に設けられた吹込みノズル26を介して燃焼装置25から排出される高温の燃焼ガスGcが導入される。これにより、この流動層22では、処理対象物Aを高温の燃焼ガスGcに接触させて加熱する加熱処理が実行されることになる。
この流動床式加熱炉20の加熱室3aとは別に設けられた燃焼装置25は、上述した燃焼処理部1として機能し、汚染可燃物Bを燃料として燃焼させて高温の燃焼ガスGcを生成するように構成されている。
具体的に、この燃焼装置25は、汚染可燃物Bが微粉状又はペレット状のバイオマス燃料として供給され、それを内部の炉内(図示省略)で燃焼させて高温の燃焼ガスGcを生成し、その燃焼ガスGcを吹込みノズル26を介して流動床式加熱炉20における加熱室3aの流動層22に導入する。すると、流動層22において、投入された処理対象物Aは、吹込みノズル26から導入された高温の燃焼ガスGcに接触する形態で加熱されることになる。
流動層22で加熱処理が施された加熱処理後の処理対象物Aは、本体23の底部に形成された払出口23aより処理済不燃物Cとして払い出される。
一方、流動層22において処理対象物Aから揮発除去された放射性セシウムを含む排ガスGeは、加熱室3aを上昇し、本体23の天井部に形成された排気口23bから排ガス管路16に排出され、適宜冷却された後に、排ガス処理部4に供給されて、適宜排ガス処理が施される。
燃焼装置25から流動層22に導入される燃焼ガスGcには、汚染可燃物B中にあった放射性セシウムが含まれているが、その燃焼ガスGcに含まれる放射性セシウムについても、塩素雰囲気の加熱室3aを通過することで安定した塩化セシウムに変化した上で、処理対象物Aの加熱により揮発された放射性セシウムを含む排ガスGeと共に、上記加熱室3aから排出され、排ガス処理部4で適宜排ガス処理が施されることになる。
燃焼装置25から流動層22に導入される燃焼ガスGcには、放射性セシウムに加えて、灰などの汚染可燃物Bの燃焼残渣が含まれている場合があり、同燃焼ガスGcに含まれる放射性セシウムがその燃焼残渣に付着した状態で存在する場合がある。そのような燃焼残渣については、軽いものは排ガスGeと共に加熱室3aから飛灰として排出されるが、重いものについては流動層22で加熱処理が施されている処理対象物Aに混入する場合がある。
そして、流動層22において、放射性セシウムが付着した燃焼残渣が処理対象物Aに混入する場合であっても、その燃焼残渣は処理対象物Aと同様に加熱処理が施されることになるので、その燃焼残渣から放射性セシウムが好適に揮発除去されて、排ガスGeと共に加熱室3aから排出されることになる。
また、燃焼装置25において、燃焼ガスGcに同伴して排出されることなく残留する燃焼残渣Fについても、放射性セシウムが含まれている場合がある。この場合には、その燃焼残渣Fを処理対象物Aに混合して加熱室3aに投入し加熱処理を施すなどして、適宜放射性セシウムを除去するための処理を施すことができる。
尚、本実施形態では、流動床式加熱炉20での加熱処理の対象となる処理対象物Aを、都市ゴミや汚泥などの有機性廃棄物としたが、完全な有機物である必要はなく、また、土壌や焼却灰などの無機性廃棄物などの別の処理対象物Aを加熱処理の対象としても構わない。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、加熱処理部3をロータリーキルン10(図2参照)や流動床式加熱炉20(図3参照)で構成したが、加熱処理部3としては、加熱室3aにおいて処理対象物Aが燃焼ガスGcに接触して加熱されるものであれば、ストーカ炉などの別の加熱炉で構成しても構わない。
(2)上記実施形態では、燃焼処理部1での燃焼処理により生成された燃焼ガスGcを加熱処理部3での加熱処理の熱源として利用するように構成したが、化石燃料を燃焼させるバーナ等などの別の熱源を適宜追加して、加熱に必要な熱量を補うように構成しても構わない。
1 燃焼処理部
3 加熱処理部
3a 加熱室
10 ロータリーキルン
15 バイオマスバーナ
20 流動床式加熱炉
25 燃焼装置
A 処理対象物
B 汚染可燃物
E セシウム揮発促進剤(塩化化合物)
Gc 燃焼ガス

Claims (4)

  1. 放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法であって、
    放射性物質を含む汚染可燃物を燃料として燃焼させる燃焼処理を実行して、
    前記燃焼処理で生成された燃焼ガスを前記加熱室に導入すると共に、
    前記加熱処理が施される処理対象物に、前記加熱室への処理対象物の投入量に応じて調整された塩化化合物を添加する添加処理を実行して、前記加熱室を塩素雰囲気とすると共に、前記汚染可燃物への塩化化合物の添加を省略し、
    前記加熱室に導入された燃焼ガスに含まれている放射性物質を、前記塩素雰囲気とされた加熱室に通過させて塩化物に変化させる放射性物質除去方法。
  2. 前記燃焼処理を、前記汚染可燃物をバイオマス燃料として前記加熱室で燃焼させるバイオマスバーナで実行する請求項1に記載の放射性物質除去方法。
  3. 前記燃焼処理を、前記加熱室とは別の燃焼装置で実行し、当該燃焼装置から排出される燃焼ガスを前記加熱室に導入する請求項1に記載の放射性物質除去方法。
  4. 放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムであって、
    放射性物質を含む汚染可燃物を燃焼させる燃焼処理を実行して、前記燃焼処理で生成された燃焼ガスを前記加熱室に導入する燃焼処理部を備えて
    前記加熱処理が施される処理対象物に、前記加熱室への処理対象物の投入量に応じて調整された塩化化合物を添加する添加処理を実行する添加処理部を備えて、前記加熱室を塩素雰囲気とすると共に、前記汚染可燃物への塩化化合物の添加を省略し、
    前記燃焼処理部により前記燃焼ガスを前記加熱室に導入し、当該燃焼ガスに含まれている放射性物質を排ガスと共に前記加熱室の排気口から排出することにより、前記加熱室に導入された燃焼ガスに含まれている放射性物質、前記塩素雰囲気とされた加熱室通過して塩化物に変化る放射性物質除去システム。
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JPH07174891A (ja) * 1993-03-11 1995-07-14 Ngk Insulators Ltd 放射性廃棄物の処理方法およびそれに用いる装置
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