JPWO2004019024A1 - 塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法 - Google Patents

塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2004019024A1
JPWO2004019024A1 JP2003504573A JP2003504573A JPWO2004019024A1 JP WO2004019024 A1 JPWO2004019024 A1 JP WO2004019024A1 JP 2003504573 A JP2003504573 A JP 2003504573A JP 2003504573 A JP2003504573 A JP 2003504573A JP WO2004019024 A1 JPWO2004019024 A1 JP WO2004019024A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
detection
base sequence
reference electrode
nucleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003504573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3677276B2 (ja
Inventor
岡田 純
純 岡田
橋本 幸二
幸二 橋本
高橋 匡慶
匡慶 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP3677276B2 publication Critical patent/JP3677276B2/ja
Publication of JPWO2004019024A1 publication Critical patent/JPWO2004019024A1/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6825Nucleic acid detection involving sensors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

導電性の検出極(2)と、この検出極(2)の表面を被覆するように形成され、検出極(2)表面への挿入剤の吸着を低減するブロッキング分子(21)と、直鎖状有機分子からなるスペーサ部材(22)を介して検出極(2)に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補核酸プローブ(23)と、導電性の対照極(3)と、この対照極(3)の表面を被覆するように形成され、該対照極(3)表面への挿入剤の吸着を低減するブロッキング分子(31)とを備える。

Description

技術分野
本発明は試料中に存在する特定の遺伝子を特異的に検出するための塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法に関する。
背景技術
近年の遺伝子工学の発展により、医療分野では遺伝子による病気の診断や予防が可能となってきている。遺伝子工学を用いた診断は遺伝子診断とよばれている。この遺伝子診断では、病気の原因となるヒトの遺伝子欠陥や変化を検出することにより、病気の発症前やその初期段階で診断や予測を行うことができる。また、感染したウィルスや病原菌の遺伝子を検出することにより、正確な診断が可能になる。
従来用いられている一般的な遺伝子検出法は次の通りである。
まず、試料から遺伝子を抽出する。必要があれば、適当な制限酵素で切断した後、電気泳動及びサザンプロットを行う。次に、検出の目的とする標的遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する核酸プローブを、プロットされた遺伝子とハイブリダイズさせる。なお、この核酸プローブは、通常蛍光色素でラベルされている。次いで、レーザ光で蛍光色素を励起する。これにより、ハイブリダイズされた核酸プローブを検出し、標的遺伝子の存在を確認する。
しかしながら、この蛍光色素を用いた検出方法では、遺伝子の検出までに少なくとも2〜3日間を要する。また、核酸プローブを高価な蛍光色素でラベルしなければならない。さらには、蛍光色素を励起させるためのレーザ発生装置が必要となり、装置が大型化してしまう。
前述した蛍光色素を用いた検出方法の問題を解決するため、電気化学的手法を用いた遺伝子検出方法が考案されている。この電気化学的手法を用いた検出方法は、本発明者らにより考案された特許第2573443号に開示されており、その内容は参考のためにここに組み込まれる。この電気化学的手法によれば、プローブが固定化された電極からの電気化学的信号を検出することにより、標的遺伝子の存在を確認することができる。
しかしながら、電気化学的手法を用いた遺伝子検出では、電流検出時にバックグラウンド電流が発生する。従って、電極から検出される電流値には、プローブとの由来による電流とバックグラウンド電流が含まれる。そのため、検出結果からプローブ由来の電流のみを抽出することが困難であった。
発明の開示
本発明の目的は、標的塩基配列との相互作用に基づく電流の検出を高精度に行う塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法を提供することにある。
この発明の一の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子とを具備してなる塩基配列検出電極が提供される。
この発明の別の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、前記検出極から検出された電気化学信号から前記対照極から検出された電気化学信号を減算する減算器とを具備してなる塩基配列検出装置が提供される。
また、この発明のさらに別の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子とを備えた塩基配列検出装置の前記検出極及び対照極における電気化学信号を検出し、前記検出極で検出された電気化学信号から前記対照極で検出された電気化学信号を減算する塩基配列検出方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る塩基配列検出装置の全体構成の概念を示すブロック図である。図1に示すように、電気化学セル1内に、検出極2及び対照極3が配置されている。これら検出極2及び対照極3における電流は、ポテンシオ・スタット40及び50でそれぞれ検出される。得られた電気化学信号は、それぞれ信号処理装置60及び70に出力される。信号処理装置60及び70は、ピーク電流値の算出等の信号処理を行い、その信号処理されたデータを減算器80に出力する。
減算器80は、信号処理装置60から得られたデータから、信号処理装置70から得られたデータを減算し、減算結果をコンピュータ90に出力する。
電気化学セル1、検出極2、対照極3、ポテンシオ・スタット40及び50は塩基配列を検出するための半導体基板101(チップ)に形成される。また、検出極2、対照極3、ポテンシオ・スタット40及び50は、その半導体チップの集積回路により構成される。減算器80はその半導体基板101に形成された集積回路として実現されてもよいし、半導体基板101とは別個に設けられたコンピュータや減算器により実現されてもよい。減算器80は、コンピュータとそのコンピュータを制御するソフトウェアにより実現されてもよいし、ROMなどに減算処理内容が記録されるファームウェアとして実現されてもよいし、ハードウェアのみで実現されてもよい。
コンピュータ90は、例えばパーソナルコンピュータなど、一般的な演算処理が可能なコンピュータであれば何でもよい。コンピュータ90は、通信インタフェース91、CPU92及び表示装置93を備える。通信インタフェース91は、減算器80からの減算結果を受信し、CPU92に出力する。CPU92は、減算結果を表示装置93に表示させる。
図2A及び図2Bは検出極2及び対照極3の詳細な構成を示す図である。図2Aは検出極2の詳細を、図2Bは対照極3の詳細を示している。
図2Aに示すように、ブロッキング分子21が検出極2の表面を被覆するように形成されている。ブロッキング分子21は、検出極2表面よりも単位面積当たりの挿入剤の吸着が少ない分子により構成される。具体的には、例えばメルカプトヘキサノールやメルカプトオクタノールなどから構成されている。検出極2は完全に被覆されていなくてもよく、少なくとも検出極2表面の一部が被覆されていればよい。このように、検出極2表面をブロッキング分子21が被覆する構成とすることにより、挿入剤分子の検出極2表面への吸着を低減することができる。
ブロッキング分子21は特に上述の物質に限定されるものではないが、例えば直鎖のアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン類が好ましく、さらにこれらの分子が酸素、窒素、イオウ等の原子を介して複数個鎖状に結合した分子でも構わない。また、これらに官能基として例えばアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、フェニル基、アミノ基、チオール基、ハロゲン等の中で、挿入剤分子と相互作用しにくいものが導入されている分子がより好ましい。また、これらのブロッキング分子21は、チオール基、アミノ基等を介して検出極2表面に吸着させ、自己組織単分子膜を作製するのが好ましい。この他にも、無機酸化物層、高分子層などを形成させてもよい。
また、このブロッキング分子21が形成されていない検出極2表面にはスペーサ部材22の末端が固定化されている。このスペーサ部材22は検出極2表面よりも単位面積当たりの挿入剤の吸着が少ない材料からなる。具体的には、スペーサ部材22は直鎖状有機分子からなり、例えばエチレングリコールが該当する。スペーサ部材22の材料は特に限定されるものではないが、例えば直鎖のアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン類が好ましく、さらにこれらの分子が酸素、窒素、イオウ等の原子を介して複数個鎖状に結合した分子でも構わない。
さらに、このスペーサ部材22の他の末端には、標的相補核酸プローブ23が固定化されている。標的相補核酸プローブ23は、検出の目的とする標的核酸配列と相補的な塩基配列を有する核酸からなるプローブである。このように、スペーサ部材22を介して検出極2に標的相補核酸プローブ23が固定化される構成をとることにより、試料と標的相補核酸プローブ23との結合の効率を向上させることができる。
従来、スペーサ部材には挿入剤分子が相互作用し、バックグラウンド電流を増加させる原因となっていたが、本実施形態のようにスペーサ部材22の構成として、挿入剤分子が相互作用しにくい分子を選択することにより、バックグラウンド電流を減少させることができる。バックグラウンド電流とは、検出極2に配置した標的相補核酸プローブ23と挿入剤との相互作用に起因する電流以外のノイズ等の原因となる電流を指す。このバックグラウンド電流は、例えば検出極2表面と挿入剤との相互作用や、ブロッキング分子21と挿入剤との相互作用、スペーサ部材22と挿入剤との相互作用に起因する電流を含む。標的相補核酸プローブ23と挿入剤との相互作用に起因する電流をプローブ電流と呼ぶ。
上述したような直鎖状有機分子から構成される標的相補核酸プローブ23を使用する場合には、バックグラウンド電流は、ほぼ検出極2表面に挿入剤が相互作用することに起因する電流のみとなる。このため、後述する対照極3の構成は、ブロッキング分子層のみでよくなり、非常に好ましい。このような効果のあるスペーサ分子としては、例えばエチレングリコールが1つあるいは多数連結された直鎖状分子がある。この他にも、挿入剤分子と相互作用しない分子であれば、その材料は限定されない。
図2Bに示すように、対照極3では、ブロッキング分子31が対照極3の表面を被覆するように形成されている。このブロッキング分子31は、検出極2表面を被覆するブロッキング分子21と同じ材料により構成されるのが好ましいが、類似の性質を示す分子であれば特に限定されない。対照極3を完全に被覆してなくてもよく、少なくとも対照極3表面の一部が被覆されていればよい。このように、対照極3表面を、ブロッキング分子21と同じ材料のブロッキング分子31が被覆する構成とすることにより、挿入剤分子の検出極2表面への吸着を低減することができるとともに、検出極2と対照極3の双方におけるバックグラウンド電流に対する影響の低減効果を同じにすることができる。
図3〜図14は、この検出極2及び対照極3を含む電極構造の上面模式図である。図3〜図14に示すように、電極の種類には、検出極2及び対照極3の他に、対極4及び参照極5がある。これら検出極2、対照極3、対極4及び参照極5は導電性の材料により構成され、いずれも電気化学セル1内に配置される。これら検出極2、対照極3、対極4及び参照極5が配置された電気化学セル1には、検出極2や対照極3に固定化されたプローブとの間のハイブリダイゼーションを行わせるための検体塩基配列を有する試料や、挿入剤、バッファなどが充填され、電気化学反応が実行される。
検出極2及び対照極3は、セル1内の反応電流を検出するための電極である。
検出極2には、標的塩基配列とは相補的な標的相補塩基配列を有するDNAプローブが固定化され、標的相補核酸プローブと挿入剤との相互作用に起因するプローブ電流が検出される。
対照極3は、ノイズなどのバックグラウンド電流を検出し、後にそのバックグラウンド電流で検出極2で検出される電流から差し引くことによりノイズ等の影響を低減するための電極である。対照極3は、プローブが固定されずに用いられるか、あるいは後述の図16に示すようにダミープローブが固定化されて用いられる。
対極4は、検出極2あるいは対照極3との間に所定の電圧を印加してセル1内に電流を供給する電極である。
参照極5は、参照極5と検出極2あるいは参照極5と対照極3の間の電圧を所定の電圧特性に制御すべく、その電極電圧を対極4に負帰還させる電極である。この参照極5により、対極4による電圧が制御され、セル1内の各種検出条件に左右されない精度の高い酸化電流検出が行える。
図3は、検出極2、対極4及び参照極5からなる検出極側3電極系31と、対照極3、対極4及び参照極5からなる対照極側3電極系32からなる。
検出極側3電極系31は、円形の検出極2に対して所定の間隔をおいて、所定の方向に長手方向を有する長方形の対極4が配置されている。また、検出極2に対して所定の間隔をおいて、対極4の長手方向とはほぼ垂直な方向に長手方向を有する長方形の参照極5が配置されている。検出極2と対極4との距離と、検出極2と参照極5との距離はほぼ等しく配置される例を示しているが、これに限定されず、異なる距離で配置してもよい。
対照極側3電極系32は、検出極側3電極系31の検出極2を対照極3に置換した構成となっている。これら3電極系31や32を1組の電極系として、ポテンシオ・スタット40や50が接続される。
図4は図3の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図4に示すように、図3に示したのと同様の3電極系31及び32が交互にマトリクス配置されている。図4では列方向に同じ3電極系が並び、行方向に異なる3電極系が交互に配置される例を示しているが、行方向に同じ3電極系を配置し、列方向に異なる3電極系を交互に配置してもよい。また、行方向及び列方向共に異なる3電極系が交互に配置されるように配置してもよい。この場合、マトリクスの斜め方向に共通する3電極系が並んで配置される。
図5は図3と同一形状の電極の別の配置例を示している。長方形の対極4に対して長手方向が同一の参照極5が対極4を挟んで等しい間隔をおいて配置されている。対極4及び一方の参照極5の間には対照極3が配置され、さらにその参照極5の対照極3が設けられた側とは反対側には検出極2が配置されている。また、対極3及び他方の参照極5の間には検出極2が配置され、さらにその参照極5の対照極3が設けられた側とは反対側には対照極3が配置されている。対極4あるいは参照極5と検出極2あるいは対照極3の距離は等間隔である。また、検出極2と対照極3は、参照極5を挟んで対称の位置に配置されている。さらに、検出極2と対照極3は対極4を挟んで対称の位置に配置されている。
図6は図5の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図6に示すように、図5に示したのと同様の電極構造を有しているが、検出極2及び対照極3は、対極4や参照極5の長手方向に沿って等間隔に複数配置され、それぞれ検出極群20及び対照極群3をなす。また、検出極2や対照極3は、参照極5や対極4を挟んで対称の位置に配置されている。対称の位置に配置される検出極2と対照極3同士が減算の対象となる電極である。すなわち、参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2あるいは対照極3と、その参照極5と、さらにはその検出極2あるいは対照極3に近接して設けられた対極4により3電極系をなす。各検出極2から対極4及び参照極5までの距離は等しく、各対照極3から対極4及び参照極5までの距離は等しい。その3電極系にポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。1つの検出極群20、1つの対照極群30、1つの対極4及び1つの参照極5からなる電極セットが、それら電極あるいは電極群の長手方向と異なる方向(望ましくはほぼ垂直な方向)に複数配置される。
図7は図3や図5と同一形状の電極の別の配置例を示している。対極4の中心近傍から所定の間隔をおいて、かつ対極4に対して長手方向がほぼ垂直となるように参照極5が配置されている。参照極5から所定の間隔をおいて検出極2が配置され、またこの検出極2と参照極5に対して対称の位置に対照極3が配置されている。
図8は図7の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図8に示すように、図7に示したのと同様の電極構造を有しており、かつ検出極2及び対照極3は、参照極5を挟んで対称の位置に、参照極5の長手方向に沿って等間隔に複数配置され、それぞれ検出極群20及び対照極群3をなす。参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2と対照極3が減算の対称となる電極である。すなわち、参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2あるいは対照極3と、その参照極5と、さらには参照極5に垂直に設けられた対極4により3電極系をなす。その3電極系にポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。各検出極2から参照極5までの距離は等しく、各対照極3から参照極5までの距離は等しい。
図9は図3,5や7と同一形状の電極の別の配置例を示している。対極4から所定の間隔をおいて、かつ対極4の長手方向とほぼ平行に長手方向を有する参照極51,52が配置されている。その一方の参照極51と対極4との間には検出極2が、他方の参照極52と対極4の間には対照極3が配置されている。検出極2に対する参照極51及び対極4に対する位置関係と、対照極3に対する参照極52及び対極4に対する位置関係は等しい。検出極2と、この検出極2に対応して設けられた参照極51の組を検出極側電極群510、対照極3と、この対照極3に対応して設けられた参照極52の組を対照極側電極群520と呼ぶ。1つの検出極側電極群510と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット40が接続される。1つの対照極側電極群520と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット50が接続される。
図10は図9の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図10に示すように、図9に示したのと同様の電極構造を有しており、検出極側電極群510が列方向に複数等間隔で配置され、対照極側電極群520が列方向に複数等間隔で配置され、これら電極群同士が互いに行方向に交互に配置されているマトリクス構造である。この電極群510,520の各々と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。なお、列方向には同一の電極群が配置される例を示しているが、列方向にも検出極側電極群510と対照極側電極群520が交互に配置される構成としてもよい。また、行方向と列方向は互いにほぼ垂直な場合を示しているが、これに限定されるものではなく、列方向は行方向に対して垂直ではない角度を有していてもよい。
図11は図3,5,7や9と同一形状の検出極2及び対照極3と、円形の対極4及び円環形状の参照極5による電極構造の一例を示す図である。図11に示すように円形の対極4の中心を同じくする円環形状の参照極5が対極4を囲むように配置されている。さらに、対極4に対して対称の位置であって参照極5の外周から所定の間隔をおいて検出極2及び対照極3が配置されている。
図12は図11の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図12に示すように、図11に示すのと同様の電極構造を有しており、かつ検出極2及び対照極3が対極4に対して対称の位置に複数配置されている。また、複数の検出極2及び複数の対照極3の各々は対極4から同じ位置に配置されているため、対極4を中心とする円周400上に検出極2及び対極3が交互に複数配置される構成をなす。対極4に対して対称の位置にある検出極2及び対照極3同士を減算の対象としてもよいし、隣り合う検出極2及び対照極3同士を減算の対象としてもよい。
図13は図3,5,7や9と同一形状の検出極2及び対照極3と、正方形の対極4及び十字形状の参照極5による電極構造の一例を示す図である。図13に示すように、長手方向が互いにほぼ垂直に交差する2つの長方形の電極が重なるように構成された十字形状の参照極5が配置されている。この参照極5の十字により仕切られる4つの領域の各々に、参照極5から所定の間隔をおいて対極4が1つずつ配置されている。また、これら4つの領域の各々のうち、2つの領域には、検出極2が1つずつ配置され、他の2つの領域には対照極3が1つずつ配置されている。これら検出極2及び対照極3は、対極4よりも参照極5から離れた位置に配置される。参照極5からの各対極4への距離は等しく、また参照極5からの各検出極2及び各対照極3への距離は等しい。
図14は図13の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図14に示すように、対極4と参照極5の構成は図13と共通する。この図14の場合、参照極5で仕切られる4つの領域401〜404の各々に、検出極2が複数配置され、あるいは対照極3が複数配置される。より具体的には、互いに隣接する領域401と404には検出極2が複数配置され、互いに隣接する領域402と403には対照極3が複数配置される。参照極5との間隔が等しい検出極2及び対照極3同士が減算の対象となる。なお、4つの領域401〜404のうちの少なくとも1つの領域に検出極2が配置され、また少なくとも1つの領域に対照極3が配置されていればよい。従って、3つの領域に検出極2が配置されていても、1つの領域のみに検出極2が配置されていてもよい。また、対極4は各領域に1つずつ、計4つ配置する場合を示したが、各領域に2つ以上の対極4を配置してもよい。また、1つの領域に検出極2と対照極3を混在して配置してもよい。
以上に示した図3〜図14の電極配置は一例にすぎず、各電極の形状、大きさ、位置関係などを種々変更することができる。図3〜図14に示す電極構造は、1つの半導体やガラス等の基板に配置することができる。従って、検出極2と対照極3は同一基板内に配置される。検出極2は1つでも複数でもよい。対照極3は1つでも複数でもよい。また、検出極2に対して減算の対象となる対照極3は1つでも複数でもよい。また、対照極3に対して減算の対象となる検出極2は1つでも複数でもよい。もちろん、各電極を別の基板上に配置してもよい。
次に、前述した塩基配列検出装置の動作を図15のフローチャートに沿って説明する。
まず、電気化学セル1内に検出極2及び対照極3を配置し、セル1内に検査の対象となる核酸を含む試料(検体溶液)で充填する。そして、セル1を所定の温度に保持し、試料と検出極2に固定化された標的相補核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を促進させる。ハイブリダイゼーション反応が終了した後、セル1内から試料を送出し、バッファ剤で充填した後、セル1内を挿入剤で充填する。この挿入剤が充填されたセル1内の検出極2及び対照極3と対極4との間に参照極5による電圧のフィードバックの下で所定の電圧を印加することにより、検出極2及び対照極3でそれぞれ並行してポテンシオ・スタット40及び50により電気化学測定が行われる(s1)。
次に、電気化学測定により得られた検出極2及び対照極3からの電流値のピーク電流値を検出する(s2)。このピーク電流値の検出は、検出極2及び対照極3の双方で並行して行われる。ピーク電流値の検出は、信号処理装置60及び70で実行される。信号処理装置60及び70は、ポテンシオ・スタット40及び50から得られる電流波形あるいは電流波形を電流電圧変換した電圧波形のピーク値を抽出する。なお、得られるピーク電流値は、A/D変換されていてもよいし、また複数の検出極2や複数の対照極3の平均値算出等の統計処理を行った後に得てもよい。得られたピーク電流値は減算器80に出力される。
減算器80は、検出極2についてのピーク電流値から対照極3についてのピーク電流値を減算する(s3)。検出極2についてのピーク電流値は、標的相補核酸プローブに挿入剤分子が相互作用することに起因するプローブ電流と、意図しないノイズとして検出されるバックグラウンド電流を加算した電流に基づいて得られる。バックグラウンド電流としては、検出極2表面と挿入剤分子が相互作用することに起因する電流値と、核酸プローブ部分と基板表面とをつなぐスペーサ部材22に挿入剤分子が相互作用することに起因する電流値が含まれる。
対照極3についてのピーク電流値は、意図しないノイズとして検出されるバックグラウンド電流に基づいて得られる。従って、減算により、バックグランド電流による電流値を差し引くことができ、プローブによる電流を検出することができる。
減算器80は、減算結果をコンピュータ90に出力する。コンピュータ90は、減算結果を表示装置93に表示する。オペレータは、この表示された減算結果により、試料に含まれる塩基配列を特定することができる。もちろん、減算結果に基づき試料に含まれる塩基配列の有無の判定などを行う判定回路を設け、その判定結果を表示装置93に表示してもよい。
このように本実施形態によれば、本発明においては、検出極2としての従来の遺伝子検出電極のほかに、対照極3としてバックグラウンド電流のみを検出できる電極を具備する。両電極2、3における電流値を検出した後、基板上の集積回路上で演算を行うことによって検出極2の電流値から対照極3の電流値を差し引き、バックグラウンド電流を除去した標的遺伝子由来の電流値のみを検出することが可能である。ブロッキング分子が検出極2及び対照極3の表面を被覆するように形成されているため、電極表面と挿入剤の相互作用によるバックグラウンド電流の影響を低減できる。また、スペーサ部材として直鎖状有機分子を用いることにより、スペーサ起因のバックグラウンド電流を大幅に低減できる。従って、対照極3はプローブを設けなくてもスペーサの有無によるバックグラウンド電流の差がほとんど生じない。従って、スペーサ及びプローブを固定化させる手間が省ける。
従来の電流検出型の遺伝子検出法においては、標的遺伝子由来の電流値のみを抽出し、解析することが困難であった。特に一塩基多型を判別する際には、非特異的にハイブリダイズした遺伝子によって電流値が増加し、バックグラウンド電流との判別が困難であったが、本実施形態によれば、このような課題を解決することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
検出極2に固定化させるプローブは、標的塩基配列と相補的な塩基配列である標的相補塩基配列を有するプローブが用いられたが、これに限定されるものではない。例えば、標的相補塩基配列とは一塩基、あるいは数塩基異なる塩基配列を有し、標的相補塩基配列よりも標的塩基配列との相補性が低いプローブ(以下、標的準相補核酸プローブと呼ぶ)を用いてもよい。また、標的相補核酸プローブと標的準相補核酸プローブの双方を検出極に固定化して用いてもよい。
また、上記実施形態では対照極3表面にブロッキング分子31を被覆し、スペーサ及びプローブを設けない例を示したが、これに限定されない。図16は図2Bに示す対照極3の変形例を示す図である。この変形例に係る対照極300は、ブロッキング分子31を介して直鎖状有機分子からなるスペーサ部材301の末端が固定化されている。このスペーサ部材301は検出極2に設けられたスペーサ部材22と同一の材料により構成される。
スペーサ部材301の他の末端には、ダミープローブ302が固定化されている。ダミープローブ302は、標的核酸配列と相補的な塩基配列を有さず、非相補的な塩基配列を有する核酸からなるプローブである。
このように、対照極3側にもスペーサを介してプローブを固定化することができる。これにより、検出極2側のスペーサ部材22に起因するバックグラウンド電流を対照極3側の電流で差し引くことが出来る。
また、検出極2側では、スペーサ部材22を介して検出極2に標的核酸プローブ23を固定化する例を示したが、これに限定されない。例えば図22A及び図22Bに示すように、標的核酸プローブ23をスペーサ部材22を介さずに検出極2に固定化させるものでもよい。
また、図1では特に示さなかったが、コンピュータ90が半導体基板101に形成された各回路を自動制御するものでもよい。この場合、コンピュータ90は、通信インタフェース91を介してポテンシオ・スタット40,50、信号処理装置60,70、減算器80の動作を制御するための制御指令を出力する。これら各回路は、受信した制御指令に基づき動作し、動作結果や演算結果をさらにコンピュータ90に送信する。これにより、塩基配列の検出を自動化することができる。また、図1では、半導体基板101に信号処理装置60、70及び減算器80を設ける場合を示したが、これらと同様の機能をコンピュータ90側で実現してもよい。この場合、ポテンシオ・スタット40及び50の出力信号がコンピュータ90に送信され、コンピュータ90側で信号処理及び減算処理が実行される。
以上説明したように本発明は、標的塩基配列との相互作用に基づく電流の検出を高精度に行うことができる。
(実施例)
以下に、本発明による塩基配列検出装置のより具体的な実施例を説明する。
この実施例では、上述した本実施形態の実施例と、その実施例との比較のための従来例を説明する。
(従来例)
この従来例では、対照極3を用いずに核酸の検出を行った。検出極2として、検出極201、202及び203の3つのAu電極が用いられた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸の配列番号1と相補的な配列2を持つプローブとして、一本鎖の核酸プローブを10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬する。これにより、検出極201への標的相補核酸プローブ211の固定化を行った。同様に標的核酸と相補的な塩基配列と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖核酸プローブ(以下、標的準相補核酸プローブ212,213と呼ぶ)を検出極202及び203にそれぞれ固定化した。これら一本鎖核酸プローブ211〜213は、塩基(シトシン)20個からなるスペーサを介して検出極201〜203にそれぞれ固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203を浸漬することにより、標的相補核酸プローブ211や標的準相補核酸プローブ212及び213が固定化されていない部分をブロッキングした。
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定の結果を図17に示す。検出極201と比較すると検出極202及び203の電流値は低いが、バックグラウンド電流との区別が付かない。
(実施例1)
この実施例1では、対照極3を用いて従来例と同様な核酸の検出を行った。検出極2として、検出極201、202及び203の3つのAu電極が用いられた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖核酸プローブを10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって標的相補核酸プローブ211の固定化を行った。同様に配列2と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖標的準相補核酸プローブを検出極202及び203に固定化した。さらに配列2とは非相補的な配列5を持つ一本鎖核酸プローブ(以下、標的非相補核酸プローブと呼ぶ)を対照極3に固定化した。一本鎖核酸プローブは、塩基(シトシン)20個からなるスペーサ部材を介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図18に示す。検出極202は検出目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的とする遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。この実施例1により、対照極3を用いた遺伝子検出を行うことによって目的遺伝子由来の電流のみを抽出できていることが明らかになった。
(実施例2)
従来例1及び実施例1においては、核酸プローブのスペーサ部材に、挿入剤分子と相互作用しやすい塩基列を用いた。そのため、対照極3にも核酸プローブを固定化した。この実施例2においては、核酸プローブのスペーサ部材に、挿入剤分子と相互作用しないエチレングリコール分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブの固定化を行った。同様に標的核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖核酸プローブ211〜213は、エチレングリコール分子30個からなるスペーサを介して各電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201及び202および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201及び202および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図19に示す。検出極202は検出の目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。この実施例2により、検出極2に固定化させる核酸プローブのスペーサとしてエチレングリコールを用いることによって、対照極3には核酸プローブを固定化せずにブロッキング分子のみで構成することが可能であることが明らかになった。
(実施例3)
この実施例3においては、従来例、実施例1及び2とは別なブロッキング分子を用いた。核酸プローブのスペーサ部材には、エチレングリコール分子が5個結合した分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この試料核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブの固定化を行った。同様に試料核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖核酸プローブ211〜213は、エチレングリコール分子30個からなるスペーサを介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトオクタノール水溶液中に各検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図20に示す。検出極202は検出の目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。
(実施例4)
この実施例4においては、核酸プローブのスペーサ部材に、直鎖アルカン分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この試料核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブ211の検出極201への固定化を行った。同様に試料核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖の標的相補核酸プローブ211及び標的準相補核酸プローブ212及び213は、炭素数96個の直鎖アルカン分子からなるスペーサを介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図21に示す。検出極202は検出目的遺伝子由来の電流値があまりなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。この実施例4により、核酸プローブのスペーサとして直鎖アルカン分子を用いることによっても、対照極3には核酸プローブを固定化せずにブロッキング分子のみで構成することが可能であることが明らかになった。
付加的な長所及び改変は当該技術に長けた者にとって容易に思い浮かぶであろう。従って、そのより広範な観点における本発明は、ここで示され説明される具体的な詳細及び代表的な実施形態に限定されない。従って、添付されるクレーム及びその均等物により定義される一般的な発明概念の精神あるいは視野から離れることなく様々な改変がなされ得る。
産業上の利用可能性
以上説明したようにこの発明は、塩基配列を検出するための検出電極の技術分野、塩基配列を検出するための検出装置の技術分野及び塩基配列を検出するための検出方法の分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一実施形態に係る塩基配列検出装置の全体構成の概念を示すブロック図。
図2A及び図2Bは同実施形態に係る検出極及び対照極の詳細な構成を示す図。
図3は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図4は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図5は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図6は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図7は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図8は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図9は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図10は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図11は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図12は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図13は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図14は同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
図15は同実施形態に係る塩基配列検出装置の動作のフローチャートを示す図。
図16は同実施形態に係る塩基配列検出装置の対照極の変形例を示す図。
図17は従来の塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
図18は対照極を含む塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
図19はスペーサ部材にエチレングリコール分子を用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
図20はメルカプトオクタノールをブロッキング分子として用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
図21はスペーサ部材に直鎖アルカン分子を用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
図22A及び図22Bはスペーサ部材を用いずに標的核酸プローブを固定化する変形例を示す図。
【配列表】
Figure 2004019024
Figure 2004019024
Figure 2004019024
【書類名】明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の検出極と、
この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、
前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、
導電性の対照極と、
この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、
直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブと
を具備する事を特徴とする塩基配列検出電極。
【請求項2】
前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項1に記載の塩基配列検出電極。
【請求項3】
導電性の検出極と、
この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、
前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、
導電性の対照極と、
この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、
前記検出極から検出された電気化学信号から前記対照極から検出された電気化学信号を減算する減算器と、
直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブと
を具備してなる事を特徴とする塩基配列検出装置。
【請求項4】
前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項5】
前記検出極と対向して配置された第1の対極との間に所定の電圧を印加して、前記検出極からの電気化学信号を検出するための第1のポテンシオ・スタットと、
第1のポテンシオ・スタットの出力を信号処理し、前記減算器に出力する第1の信号処理装置と、
前記対照極と対向して配置された第2の対極との間に所定の電圧を印加して、前記対照極からの電気化学信号を検出する第2のポテンシオ・スタットと、
第2のポテンシオ・スタットの出力を信号処理し、前記減算器に出力する第2の信号処理装置と
を具備することを特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項6】
前記減算器の減算結果を表示する表示装置をさらに備える事をと特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項7】
前記検出極、対照極及び減算器は同一基板に形成され、
前記減算器と前記表示装置はコンピュータを介して信号線により接続されてなる事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項8】
前記検出極と、
前記検出極から第1の距離離間して配置され、前記検出極との間に所定の電圧を印加するための第1の対極と、
前記検出極から第2の距離離間して配置され、検出される電圧を第1の対極に負帰還させるための第1の参照極と
からなる検出極側3電極系と、
前記対照極と、
前記対照極から第1の距離離間して配置され、前記対照極との間に所定の電圧を印加するための第2の対極と、
前記検出極から第2の距離離間して配置され、検出される電圧を第2の対極に負帰還させるための第2の参照極と
からなる対照極側3電極系とをさらに備え、
前記検出極側3電極系と前記対照極側3電極系の組はマトリクス状に複数配置される事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項9】
前記検出極が第1の方向に複数等間隔に配置された検出極群と、
前記検出極群から所定の距離離間して配置され、第1の方向に長手方向を有する参照極と、
前記参照極から所定の距離離間して配置され、前記対照極が第1の方向に複数等間隔に配置された対照極群と、
前記対照極群から所定の距離離間して配置され、第1の方向に長手方向を有し、前記検出極の各々及び前記対照極の各々との間に所定の電圧を印加するための対極と
をさらに備える事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項10】
前記検出極が第1の方向に複数等間隔に配置された検出極群と、
前記対照極が第1の方向に複数等間隔に配置された対照極群と、
前記検出極群及び前記対照極群から所定の距離離間して配置され、第1の方向に長手方向を有し、前記検出極の各々に所定の電圧を印加するための対極と、
前記検出極群、対照極群及び対極から所定の距離離間して配置され、第1の方向とはほぼ垂直な第2の方向に長手方向を有し、検出される電圧を前記対極に負帰還させるための参照極と
をさらに備える事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項11】
前記検出極と、前記検出極から第1の距離離間して配置された第1の参照極からなる検出極側電極群と、
前記対照極と、前記対照極から第1の距離離間して配置された第2の参照極からなる対照極側電極群と、
第1の方向に長手方向を有し前記検出極の各々及び前記対照極の各々との間に所定の電圧を印加するための対極とをさらに備え、
前記検出極側電極群と前記対照極側電極群は、第1の方向と、第1の方向とは異なる第2の方向にマトリクス状に配置されてなる事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項12】
前記検出極及び前記対照極に所定の電圧を印加するための円形の対極と、
前記対極を取り囲むように前記対極から所定の距離離間して配置された円環状の参照極とを備え、
前記検出極及び対照極は、前記対極を中心とした円周上に、交互に複数配置されてなる事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項13】
第1の方向に長手方向を有する第1の部材と、第1の方向とはほぼ垂直な方向に長手方向を有し、第1の部材と第1の交点で交差する第2の部材からなる参照極と、
前記参照極により仕切られる4つの領域の各々に、第1の交点から第1の距離離間して配置される4つの対極とをさらに備え、
前記検出極は、前記4つの領域のうちの少なくとも1つの領域に配置され、第1の交点から第1の距離よりも長い距離離間して複数配置され、
前記対照極は、前記4つの領域のうちの少なくとも1つの領域に配置され、第1の交点から第1の距離よりも長い距離離間して複数配置されてなる事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項14】
前記対照極は、前記4つの領域のうち、前記検出極が配置されていない領域に配置され、前記検出極は、前記4つの領域のうち、前記対照極が配置されていない領域に配置されてなる事を特徴とする請求項3に記載の塩基配列検出装置。
【請求項15】
導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子とを備えた塩基配列検出装置の前記検出極及び対照極における電気化学信号を検出し、
前記検出極で検出された電気化学信号から前記対照極で検出された電気化学信号を減算し、
直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブを備える事を特徴とする塩基配列検出方法。
【請求項16】
前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項15に記載の塩基配列検出方法。
【請求項17】
前記減算結果を、コンピュータに備えられた表示装置に表示させる事を特徴とする請求項15に記載の塩基配列検出方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は試料中に存在する特定の遺伝子を特異的に検出するための塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年の遺伝子工学の発展により、医療分野では遺伝子による病気の診断や予防が可能となってきている。遺伝子工学を用いた診断は遺伝子診断とよばれている。この遺伝子診断では、病気の原因となるヒトの遺伝子欠陥や変化を検出することにより、病気の発症前やその初期段階で診断や予測を行うことができる。また、感染したウィルスや病原菌の遺伝子を検出することにより、正確な診断が可能になる。
【0003】
従来用いられている一般的な遺伝子検出法は次の通りである。
【0004】
まず、試料から遺伝子を抽出する。必要があれば、適当な制限酵素で切断した後、電気泳動及びサザンプロットを行う。次に、検出の目的とする標的遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する核酸プローブを、プロットされた遺伝子とハイブリダイズさせる。なお、この核酸プローブは、通常蛍光色素でラベルされている。次いで、レーザ光で蛍光色素を励起する。これにより、ハイブリダイズされた核酸プローブを検出し、標的遺伝子の存在を確認する。
【0005】
しかしながら、この蛍光色素を用いた検出方法では、遺伝子の検出までに少なくとも2〜3日間を要する。また、核酸プローブを高価な蛍光色素でラベルしなければならない。さらには、蛍光色素を励起させるためのレーザ発生装置が必要となり、装置が大型化してしまう。
【0006】
前述した蛍光色素を用いた検出方法の問題を解決するため、電気化学的手法を用いた遺伝子検出方法が考案されている。この電気化学的手法を用いた検出方法は、本発明者らにより考案された文献に開示されており、その内容は参考のためにここに組み込まれる(例えば、特許文献1参照)。この電気化学的手法によれば、プローブが固定化された電極からの電気化学的信号を検出することにより、標的遺伝子の存在を確認することができる。
【0007】
しかしながら、電気化学的手法を用いた遺伝子検出では、電流検出時にバックグラウンド電流が発生する。従って、電極から検出される電流値には、プローブとの由来による電流とバックグラウンド電流が含まれる。そのため、検出結果からプローブ由来の電流のみを抽出することが困難であった。
【0008】
【特許文献1】
特許第2573443号明細書
【0009】
【発明の開示】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、標的塩基配列との相互作用に基づく電流の検出を高精度に行う塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の一の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブとを具備してなる塩基配列検出電極が提供される。
【0012】
この発明の別の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、前記検出極から検出された電気化学信号から前記対照極から検出された電気化学信号を減算する減算器と、直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブとを具備してなる塩基配列検出装置が提供される。
【0013】
また、この発明のさらに別の観点によれば、導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子とを備えた塩基配列検出装置の前記検出極及び対照極における電気化学信号を検出し、前記検出極で検出された電気化学信号から前記対照極で検出された電気化学信号を減算し、直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブを備える塩基配列検出方法が提供される。
【0014】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る塩基配列検出装置の全体構成の概念を示すブロック図である。図1に示すように、電気化学セル1内に、検出極2及び対照極3が配置されている。これら検出極2及び対照極3における電流は、ポテンシオ・スタット40及び50でそれぞれ検出される。得られた電気化学信号は、それぞれ信号処理装置60及び70に出力される。信号処理装置60及び70は、ピーク電流値の算出等の信号処理を行い、その信号処理されたデータを減算器80に出力する。
【0016】
減算器80は、信号処理装置60から得られたデータから、信号処理装置70から得られたデータを減算し、減算結果をコンピュータ90に出力する。
【0017】
電気化学セル1、検出極2、対照極3、ポテンシオ・スタット40及び50は塩基配列を検出するための半導体基板101(チップ)に形成される。また、検出極2、対照極3、ポテンシオ・スタット40及び50は、その半導体チップの集積回路により構成される。減算器80はその半導体基板101に形成された集積回路として実現されてもよいし、半導体基板101とは別個に設けられたコンピュータや減算器により実現されてもよい。減算器80は、コンピュータとそのコンピュータを制御するソフトウェアにより実現されてもよいし、ROMなどに減算処理内容が記録されるファームウェアとして実現されてもよいし、ハードウェアのみで実現されてもよい。
【0018】
コンピュータ90は、例えばパーソナルコンピュータなど、一般的な演算処理が可能なコンピュータであれば何でもよい。コンピュータ90は、通信インタフェース91、CPU92及び表示装置93を備える。通信インタフェース91は、減算器80からの減算結果を受信し、CPU92に出力する。CPU92は、減算結果を表示装置93に表示させる。
【0019】
図2A及び図2Bは検出極2及び対照極3の詳細な構成を示す図である。図2Aは検出極2の詳細を、図2Bは対照極3の詳細を示している。
【0020】
図2Aに示すように、ブロッキング分子21が検出極2の表面を被覆するように形成されている。ブロッキング分子21は、検出極2表面よりも単位面積当たりの挿入剤の吸着が少ない分子により構成される。具体的には、例えばメルカプトヘキサノールやメルカプトオクタノールなどから構成されている。検出極2は完全に被覆されていなくてもよく、少なくとも検出極2表面の一部が被覆されていればよい。このように、検出極2表面をブロッキング分子21が被覆する構成とすることにより、挿入剤分子の検出極2表面への吸着を低減することができる。
【0021】
ブロッキング分子21は特に上述の物質に限定されるものではないが、例えば直鎖のアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン類が好ましく、さらにこれらの分子が酸素、窒素、イオウ等の原子を介して複数個鎖状に結合した分子でも構わない。また、これらに官能基として例えばアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、フェニル基、アミノ基、チオール基、ハロゲン等の中で、挿入剤分子と相互作用しにくいものが導入されている分子がより好ましい。また、これらのブロッキング分子21は、チオール基、アミノ基等を介して検出極2表面に吸着させ、自己組織単分子膜を作製するのが好ましい。この他にも、無機酸化物層、高分子層などを形成させてもよい。
【0022】
また、このブロッキング分子21が形成されていない検出極2表面にはスペーサ部材22の末端が固定化されている。このスペーサ部材22は検出極2表面よりも単位面積当たりの挿入剤の吸着が少ない材料からなる。具体的には、スペーサ部材22は直鎖状有機分子からなり、例えばエチレングリコールが該当する。スペーサ部材22の材料は特に限定されるものではないが、例えば直鎖のアルカン、アルケン、アルキン、エーテル、エステル、ケトン類が好ましく、さらにこれらの分子が酸素、窒素、イオウ等の原子を介して複数個鎖状に結合した分子でも構わない。
【0023】
さらに、このスペーサ部材22の他の末端には、標的相補核酸プローブ23が固定化されている。標的相補核酸プローブ23は、検出の目的とする標的核酸配列と相補的な塩基配列を有する核酸からなるプローブである。このように、スペーサ部材22を介して検出極2に標的相補核酸プローブ23が固定化される構成をとることにより、試料と標的相補核酸プローブ23との結合の効率を向上させることができる。
【0024】
従来、スペーサ部材には挿入剤分子が相互作用し、バックグラウンド電流を増加させる原因となっていたが、本実施形態のようにスペーサ部材22の構成として、挿入剤分子が相互作用しにくい分子を選択することにより、バックグラウンド電流を減少させることができる。バックグラウンド電流とは、検出極2に配置した標的相補核酸プローブ23と挿入剤との相互作用に起因する電流以外のノイズ等の原因となる電流を指す。このバックグラウンド電流は、例えば検出極2表面と挿入剤との相互作用や、ブロッキング分子21と挿入剤との相互作用、スペーサ部材22と挿入剤との相互作用に起因する電流を含む。標的相補核酸プローブ23と挿入剤との相互作用に起因する電流をプローブ電流と呼ぶ。
【0025】
上述したような直鎖状有機分子から構成される標的相補核酸プローブ23を使用する場合には、バックグラウンド電流は、ほぼ検出極2表面に挿入剤が相互作用することに起因する電流のみとなる。このため、後述する対照極3の構成は、ブロッキング分子層のみでよくなり、非常に好ましい。このような効果のあるスペーサ分子としては、例えばエチレングリコールが1つあるいは多数連結された直鎖状分子がある。この他にも、挿入剤分子と相互作用しない分子であれば、その材料は限定されない。
【0026】
図2Bに示すように、対照極3では、ブロッキング分子31が対照極3の表面を被覆するように形成されている。このブロッキング分子31は、検出極2表面を被覆するブロッキング分子21と同じ材料により構成されるのが好ましいが、類似の性質を示す分子であれば特に限定されない。対照極3を完全に被覆してなくてもよく、少なくとも対照極3表面の一部が被覆されていればよい。このように、対照極3表面を、ブロッキング分子21と同じ材料のブロッキング分子31が被覆する構成とすることにより、挿入剤分子の検出極2表面への吸着を低減することができるとともに、検出極2と対照極3の双方におけるバックグラウンド電流に対する影響の低減効果を同じにすることができる。
【0027】
図3〜図14は、この検出極2及び対照極3を含む電極構造の上面模式図である。図3〜図14に示すように、電極の種類には、検出極2及び対照極3の他に、対極4及び参照極5がある。これら検出極2、対照極3、対極4及び参照極5は導電性の材料により構成され、いずれも電気化学セル1内に配置される。これら検出極2、対照極3、対極4及び参照極5が配置された電気化学セル1には、検出極2や対照極3に固定化されたプローブとの間のハイブリダイゼーションを行わせるための検体塩基配列を有する試料や、挿入剤、バッファなどが充填され、電気化学反応が実行される。
【0028】
検出極2及び対照極3は、セル1内の反応電流を検出するための電極である。
【0029】
検出極2には、標的塩基配列とは相補的な標的相補塩基配列を有するDNAプローブが固定化され、標的相補核酸プローブと挿入剤との相互作用に起因するプローブ電流が検出される。
【0030】
対照極3は、ノイズなどのバックグラウンド電流を検出し、後にそのバックグラウンド電流で検出極2で検出される電流から差し引くことによりノイズ等の影響を低減するための電極である。対照極3は、プローブが固定されずに用いられるか、あるいは後述の図16に示すようにダミープローブが固定化されて用いられる。
【0031】
対極4は、検出極2あるいは対照極3との間に所定の電圧を印加してセル1内に電流を供給する電極である。
【0032】
参照極5は、参照極5と検出極2あるいは参照極5と対照極3の間の電圧を所定の電圧特性に制御すべく、その電極電圧を対極4に負帰還させる電極である。この参照極5により、対極4による電圧が制御され、セル1内の各種検出条件に左右されない精度の高い酸化電流検出が行える。
【0033】
図3は、検出極2、対極4及び参照極5からなる検出極側3電極系31と、対照極3、対極4及び参照極5からなる対照極側3電極系32からなる。
【0034】
検出極側3電極系31は、円形の検出極2に対して所定の間隔をおいて、所定の方向に長手方向を有する長方形の対極4が配置されている。また、検出極2に対して所定の間隔をおいて、対極4の長手方向とはほぼ垂直な方向に長手方向を有する長方形の参照極5が配置されている。検出極2と対極4との距離と、検出極2と参照極5との距離はほぼ等しく配置される例を示しているが、これに限定されず、異なる距離で配置してもよい。
【0035】
対照極側3電極系32は、検出極側3電極系31の検出極2を対照極3に置換した構成となっている。これら3電極系31や32を1組の電極系として、ポテンシオ・スタット40や50が接続される。
【0036】
図4は図3の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図4に示すように、図3に示したのと同様の3電極系31及び32が交互にマトリクス配置されている。図4では列方向に同じ3電極系が並び、行方向に異なる3電極系が交互に配置される例を示しているが、行方向に同じ3電極系を配置し、列方向に異なる3電極系を交互に配置してもよい。また、行方向及び列方向共に異なる3電極系が交互に配置されるように配置してもよい。この場合、マトリクスの斜め方向に共通する3電極系が並んで配置される。
【0037】
図5は図3と同一形状の電極の別の配置例を示している。長方形の対極4に対して長手方向が同一の参照極5が対極4を挟んで等しい間隔をおいて配置されている。対極4及び一方の参照極5の間には対照極3が配置され、さらにその参照極5の対照極3が設けられた側とは反対側には検出極2が配置されている。また、対極3及び他方の参照極5の間には検出極2が配置され、さらにその参照極5の対照極3が設けられた側とは反対側には対照極3が配置されている。対極4あるいは参照極5と検出極2あるいは対照極3の距離は等間隔である。また、検出極2と対照極3は、参照極5を挟んで対称の位置に配置されている。さらに、検出極2と対照極3は対極4を挟んで対称の位置に配置されている。
【0038】
図6は図5の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図6に示すように、図5に示したのと同様の電極構造を有しているが、検出極2及び対照極3は、対極4や参照極5の長手方向に沿って等間隔に複数配置され、それぞれ検出極群20及び対照極群3をなす。また、検出極2や対照極3は、参照極5や対極4を挟んで対称の位置に配置されている。対称の位置に配置される検出極2と対照極3同士が減算の対象となる電極である。すなわち、参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2あるいは対照極3と、その参照極5と、さらにはその検出極2あるいは対照極3に近接して設けられた対極4により3電極系をなす。各検出極2から対極4及び参照極5までの距離は等しく、各対照極3から対極4及び参照極5までの距離は等しい。その3電極系にポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。1つの検出極群20、1つの対照極群30、1つの対極4及び1つの参照極5からなる電極セットが、それら電極あるいは電極群の長手方向と異なる方向(望ましくはほぼ垂直な方向)に複数配置される。
【0039】
図7は図3や図5と同一形状の電極の別の配置例を示している。対極4の中心近傍から所定の間隔をおいて、かつ対極4に対して長手方向がほぼ垂直となるように参照極5が配置されている。参照極5から所定の間隔をおいて検出極2が配置され、またこの検出極2と参照極5に対して対称の位置に対照極3が配置されている。
【0040】
図8は図7の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図8に示すように、図7に示したのと同様の電極構造を有しており、かつ検出極2及び対照極3は、参照極5を挟んで対称の位置に、参照極5の長手方向に沿って等間隔に複数配置され、それぞれ検出極群20及び対照極群3をなす。参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2と対照極3が減算の対称となる電極である。すなわち、参照極5に対して対称の位置に配置される検出極2あるいは対照極3と、その参照極5と、さらには参照極5に垂直に設けられた対極4により3電極系をなす。その3電極系にポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。各検出極2から参照極5までの距離は等しく、各対照極3から参照極5までの距離は等しい。
【0041】
図9は図3,5や7と同一形状の電極の別の配置例を示している。対極4から所定の間隔をおいて、かつ対極4の長手方向とほぼ平行に長手方向を有する参照極51,52が配置されている。その一方の参照極51と対極4との間には検出極2が、他方の参照極52と対極4の間には対照極3が配置されている。検出極2に対する参照極51及び対極4に対する位置関係と、対照極3に対する参照極52及び対極4に対する位置関係は等しい。検出極2と、この検出極2に対応して設けられた参照極51の組を検出極側電極群510、対照極3と、この対照極3に対応して設けられた参照極52の組を対照極側電極群520と呼ぶ。1つの検出極側電極群510と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット40が接続される。1つの対照極側電極群520と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット50が接続される。
【0042】
図10は図9の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図10に示すように、図9に示したのと同様の電極構造を有しており、検出極側電極群510が列方向に複数等間隔で配置され、対照極側電極群520が列方向に複数等間隔で配置され、これら電極群同士が互いに行方向に交互に配置されているマトリクス構造である。この電極群510,520の各々と対極4により3電極系をなし、これにポテンシオ・スタット40あるいは50が接続される。なお、列方向には同一の電極群が配置される例を示しているが、列方向にも検出極側電極群510と対照極側電極群520が交互に配置される構成としてもよい。また、行方向と列方向は互いにほぼ垂直な場合を示しているが、これに限定されるものではなく、列方向は行方向に対して垂直ではない角度を有していてもよい。
【0043】
図11は図3,5,7や9と同一形状の検出極2及び対照極3と、円形の対極4及び円環形状の参照極5による電極構造の一例を示す図である。図11に示すように円形の対極4の中心を同じくする円環形状の参照極5が対極4を囲むように配置されている。さらに、対極4に対して対称の位置であって参照極5の外周から所定の間隔をおいて検出極2及び対照極3が配置されている。
【0044】
図12は図11の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図12に示すように、図11に示すのと同様の電極構造を有しており、かつ検出極2及び対照極3が対極4に対して対称の位置に複数配置されている。また、複数の検出極2及び複数の対照極3の各々は対極4から同じ位置に配置されているため、対極4を中心とする円周400上に検出極2及び対極3が交互に複数配置される構成をなす。対極4に対して対称の位置にある検出極2及び対照極3同士を減算の対象としてもよいし、隣り合う検出極2及び対照極3同士を減算の対象としてもよい。
【0045】
図13は図3,5,7や9と同一形状の検出極2及び対照極3と、正方形の対極4及び十字形状の参照極5による電極構造の一例を示す図である。図13に示すように、長手方向が互いにほぼ垂直に交差する2つの長方形の電極が重なるように構成された十字形状の参照極5が配置されている。この参照極5の十字により仕切られる4つの領域の各々に、参照極5から所定の間隔をおいて対極4が1つずつ配置されている。また、これら4つの領域の各々のうち、2つの領域には、検出極2が1つずつ配置され、他の2つの領域には対照極3が1つずつ配置されている。これら検出極2及び対照極3は、対極4よりも参照極5から離れた位置に配置される。参照極5からの各対極4への距離は等しく、また参照極5からの各検出極2及び各対照極3への距離は等しい。
【0046】
図14は図13の電極構造に基づいて構成されるより具体的な電極構造例である。図14に示すように、対極4と参照極5の構成は図13と共通する。この図14の場合、参照極5で仕切られる4つの領域401〜404の各々に、検出極2が複数配置され、あるいは対照極3が複数配置される。より具体的には、互いに隣接する領域401と404には検出極2が複数配置され、互いに隣接する領域402と403には対照極3が複数配置される。参照極5との間隔が等しい検出極2及び対照極3同士が減算の対象となる。なお、4つの領域401〜404のうちの少なくとも1つの領域に検出極2が配置され、また少なくとも1つの領域に対照極3が配置されていればよい。従って、3つの領域に検出極2が配置されていても、1つの領域のみに検出極2が配置されていてもよい。また、対極4は各領域に1つずつ、計4つ配置する場合を示したが、各領域に2つ以上の対極4を配置してもよい。また、1つの領域に検出極2と対照極3を混在して配置してもよい。
【0047】
以上に示した図3〜図14の電極配置は一例にすぎず、各電極の形状、大きさ、位置関係などを種々変更することができる。図3〜図14に示す電極構造は、1つの半導体やガラス等の基板に配置することができる。従って、検出極2と対照極3は同一基板内に配置される。検出極2は1つでも複数でもよい。対照極3は1つでも複数でもよい。また、検出極2に対して減算の対象となる対照極3は1つでも複数でもよい。また、対照極3に対して減算の対象となる検出極2は1つでも複数でもよい。もちろん、各電極を別の基板上に配置してもよい。
【0048】
次に、前述した塩基配列検出装置の動作を図15のフローチャートに沿って説明する。
【0049】
まず、電気化学セル1内に検出極2及び対照極3を配置し、セル1内に検査の対象となる核酸を含む試料(検体溶液)で充填する。そして、セル1を所定の温度に保持し、試料と検出極2に固定化された標的相補核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を促進させる。ハイブリダイゼーション反応が終了した後、セル1内から試料を送出し、バッファ剤で充填した後、セル1内を挿入剤で充填する。この挿入剤が充填されたセル1内の検出極2及び対照極3と対極4との間に参照極5による電圧のフィードバックの下で所定の電圧を印加することにより、検出極2及び対照極3でそれぞれ並行してポテンシオ・スタット40及び50により電気化学測定が行われる(s1)。
【0050】
次に、電気化学測定により得られた検出極2及び対照極3からの電流値のピーク電流値を検出する(s2)。このピーク電流値の検出は、検出極2及び対照極3の双方で並行して行われる。ピーク電流値の検出は、信号処理装置60及び70で実行される。信号処理装置60及び70は、ポテンシオ・スタット40及び50から得られる電流波形あるいは電流波形を電流電圧変換した電圧波形のピーク値を抽出する。なお、得られるピーク電流値は、A/D変換されていてもよいし、また複数の検出極2や複数の対照極3の平均値算出等の統計処理を行った後に得てもよい。得られたピーク電流値は減算器80に出力される。
【0051】
減算器80は、検出極2についてのピーク電流値から対照極3についてのピーク電流値を減算する(s3)。検出極2についてのピーク電流値は、標的相補核酸プローブに挿入剤分子が相互作用することに起因するプローブ電流と、意図しないノイズとして検出されるバックグラウンド電流を加算した電流に基づいて得られる。バックグラウンド電流としては、検出極2表面と挿入剤分子が相互作用することに起因する電流値と、核酸プローブ部分と基板表面とをつなぐスペーサ部材22に挿入剤分子が相互作用することに起因する電流値が含まれる。
【0052】
対照極3についてのピーク電流値は、意図しないノイズとして検出されるバックグラウンド電流に基づいて得られる。従って、減算により、バックグランド電流による電流値を差し引くことができ、プローブによる電流を検出することができる。
【0053】
減算器80は、減算結果をコンピュータ90に出力する。コンピュータ90は、減算結果を表示装置93に表示する。オペレータは、この表示された減算結果により、試料に含まれる塩基配列を特定することができる。もちろん、減算結果に基づき試料に含まれる塩基配列の有無の判定などを行う判定回路を設け、その判定結果を表示装置93に表示してもよい。
【0054】
このように本実施形態によれば、本発明においては、検出極2としての従来の遺伝子検出電極のほかに、対照極3としてバックグラウンド電流のみを検出できる電極を具備する。両電極2,3における電流値を検出した後、基板上の集積回路上で演算を行うことによって検出極2の電流値から対照極3の電流値を差し引き、バックグラウンド電流を除去した標的遺伝子由来の電流値のみを検出することが可能である。ブロッキング分子が検出極2及び対照極3の表面を被覆するように形成されているため、電極表面と挿入剤の相互作用によるバックグラウンド電流の影響を低減できる。また、スペーサ部材として直鎖状有機分子を用いることにより、スペーサ起因のバックグラウンド電流を大幅に低減できる。従って、対照極3はプローブを設けなくてもスペーサの有無によるバックグラウンド電流の差がほとんど生じない。従って、スペーサ及びプローブを固定化させる手間が省ける。
【0055】
従来の電流検出型の遺伝子検出法においては、標的遺伝子由来の電流値のみを抽出し、解析することが困難であった。特に一塩基多型を判別する際には、非特異的にハイブリダイズした遺伝子によって電流値が増加し、バックグラウンド電流との判別が困難であったが、本実施形態によれば、このような課題を解決することができる。
【0056】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0057】
検出極2に固定化させるプローブは、標的塩基配列と相補的な塩基配列である標的相補塩基配列を有するプローブが用いられたが、これに限定されるものではない。例えば、標的相補塩基配列とは一塩基、あるいは数塩基異なる塩基配列を有し、標的相補塩基配列よりも標的塩基配列との相補性が低いプローブ(以下、標的準相補核酸プローブと呼ぶ)を用いてもよい。また、標的相補核酸プローブと標的準相補核酸プローブの双方を検出極に固定化して用いてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では対照極3表面にブロッキング分子31を被覆し、スペーサ及びプローブを設けない例を示したが、これに限定されない。図16は図2Bに示す対照極3の変形例を示す図である。この変形例に係る対照極300は、ブロッキング分子31を介して直鎖状有機分子からなるスペーサ部材301の末端が固定化されている。このスペーサ部材301は検出極2に設けられたスペーサ部材22と同一の材料により構成される。
【0059】
スペーサ部材301の他の末端には、ダミープローブ302が固定化されている。ダミープローブ302は、標的核酸配列と相補的な塩基配列を有さず、非相補的な塩基配列を有する核酸からなるプローブである。
【0060】
このように、対照極3側にもスペーサを介してプローブを固定化することができる。これにより、検出極2側のスペーサ部材22に起因するバックグラウンド電流を対照極3側の電流で差し引くことが出来る。
【0061】
また、検出極2側では、スペーサ部材22を介して検出極2に標的核酸プローブ23を固定化する例を示したが、これに限定されない。例えば図22A及び図22Bに示すように、標的核酸プローブ23をスペーサ部材22を介さずに検出極2に固定化させるものでもよい。
【0062】
また、図1では特に示さなかったが、コンピュータ90が半導体基板101に形成された各回路を自動制御するものでもよい。この場合、コンピュータ90は、通信インタフェース91を介してポテンシオ・スタット40,50、信号処理装置60,70、減算器80の動作を制御するための制御指令を出力する。これら各回路は、受信した制御指令に基づき動作し、動作結果や演算結果をさらにコンピュータ90に送信する。これにより、塩基配列の検出を自動化することができる。また、図1では、半導体基板101に信号処理装置60、70及び減算器80を設ける場合を示したが、これらと同様の機能をコンピュータ90側で実現してもよい。この場合、ポテンシオ・スタット40及び50の出力信号がコンピュータ90に送信され、コンピュータ90側で信号処理及び減算処理が実行される。
【0063】
以上説明したように本発明は、標的塩基配列との相互作用に基づく電流の検出を高精度に行うことができる。
【0064】
(実施例)
以下に、本発明による塩基配列検出装置のより具体的な実施例を説明する。
【0065】
この実施例では、上述した本実施形態の実施例と、その実施例との比較のための従来例を説明する。
【0066】
(従来例)
この従来例では、対照極3を用いずに核酸の検出を行った。検出極2として、検出極201、202及び203の3つのAu電極が用いられた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
【0067】
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸の配列番号1と相補的な配列2を持つプローブとして、一本鎖の核酸プローブを10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬する。これにより、検出極201への標的相補核酸プローブ211の固定化を行った。同様に標的核酸と相補的な塩基配列と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖核酸プローブ(以下、標的準相補核酸プローブ212,213と呼ぶ)を検出極202及び203にそれぞれ固定化した。これら一本鎖核酸プローブ211〜213は、塩基(シトシン)20個からなるスペーサを介して検出極201〜203にそれぞれ固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203を浸漬することにより、標的相補核酸プローブ211や標的準相補核酸プローブ212及び213が固定化されていない部分をブロッキングした。
【0068】
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定の結果を図17に示す。検出極201と比較すると検出極202及び203の電流値は低いが、バックグラウンド電流との区別が付かない。
【0069】
(実施例1)
この実施例1では、対照極3を用いて従来例と同様な核酸の検出を行った。検出極2として、検出極201、202及び203の3つのAu電極が用いられた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
【0070】
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖核酸プローブを10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって標的相補核酸プローブ211の固定化を行った。同様に配列2と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖標的準相補核酸プローブを検出極202及び203に固定化した。さらに配列2とは非相補的な配列5を持つ一本鎖核酸プローブ(以下、標的非相補核酸プローブと呼ぶ)を対照極3に固定化した。一本鎖核酸プローブは、塩基(シトシン)20個からなるスペーサ部材を介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
【0071】
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図18に示す。検出極202は検出目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的とする遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。この実施例1により、対照極3を用いた遺伝子検出を行うことによって目的遺伝子由来の電流のみを抽出できていることが明らかになった。
【0072】
(実施例2)
従来例1及び実施例1においては、核酸プローブのスペーサ部材に、挿入剤分子と相互作用しやすい塩基列を用いた。そのため、対照極3にも核酸プローブを固定化した。この実施例2においては、核酸プローブのスペーサ部材に、挿入剤分子と相互作用しないエチレングリコール分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
【0073】
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この標的核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブの固定化を行った。同様に標的核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖核酸プローブ211〜213は、エチレングリコール分子30個からなるスペーサを介して各電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
【0074】
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201及び202および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201及び202および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図19に示す。検出極202は検出の目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。この実施例2により、検出極2に固定化させる核酸プローブのスペーサとしてエチレングリコールを用いることによって、対照極3には核酸プローブを固定化せずにブロッキング分子のみで構成することが可能であることが明らかになった。
【0075】
(実施例3)
この実施例3においては、従来例、実施例1及び2とは別なブロッキング分子を用いた。核酸プローブのスペーサ部材には、エチレングリコール分子が5個結合した分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
【0076】
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この試料核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブの固定化を行った。同様に試料核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖核酸プローブ211〜213は、エチレングリコール分子30個からなるスペーサを介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトオクタノール水溶液中に各検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
【0077】
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。この試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図20に示す。検出極202は検出の目的とする遺伝子由来の電流値がほとんどなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。一方、検出極203は非特異的に目的遺伝子がハイブリダイゼーションしていることがわかる。
【0078】
(実施例4)
この実施例4においては、核酸プローブのスペーサ部材に、直鎖アルカン分子を用いた。試料核酸には配列番号1を持つMxAタンパク質のプロモーター領域を用いた。
【0079】
(1)Au電極表面への核酸プローブの固定化
前述の試料核酸を標的核酸とする。この試料核酸と相補的な配列2を持つ一本鎖の標的相補核酸プローブ211を10μM含む溶液に検出極201を1時間浸漬することによって核酸プローブ211の検出極201への固定化を行った。同様に試料核酸と一塩基異なる配列3,4を持つ一本鎖の標的準相補核酸プローブ212及び213を検出極202及び203に固定化した。対照極3には一本鎖核酸プローブの固定は行わない。一本鎖の標的相補核酸プローブ211及び標的準相補核酸プローブ212及び213は、炭素数96個の直鎖アルカン分子からなるスペーサを介して電極に固定されている。次に、1mMメルカプトヘキサノール水溶液中に検出極201〜203及び対照極3を浸漬することにより、核酸プローブが固定化されていない部分をブロッキングした。
【0080】
(2)核酸プローブ固定化表面を用いた試料核酸の検出
試料核酸は、抽出後、PCRにより増幅した。試料核酸を含む2×SSC溶液中に、(1)で作製した検出極201〜203および対照極3を浸漬し35℃で60分間インキュベートすることによってアニーリング反応を行った。その後、0.2×SSC溶液で洗浄を行った。さらに検出極201〜203および対照極3を挿入剤であるヘキスト33258溶液を50μM含む溶液中に15分間浸漬した後、ヘキスト33258分子の酸化電流応答を測定した。電流測定後、減算器によりバックグラウンド電流を除去した。除去後の結果を図21に示す。検出極202は検出目的遺伝子由来の電流値があまりなく、1塩基の差が明確に判別できていることを示している。この実施例4により、核酸プローブのスペーサとして直鎖アルカン分子を用いることによっても、対照極3には核酸プローブを固定化せずにブロッキング分子のみで構成することが可能であることが明らかになった。
【0081】
付加的な長所及び改変は当該技術に長けた者にとって容易に思い浮かぶであろう。従って、そのより広範な観点における本発明は、ここで示され説明される具体的な詳細及び代表的な実施形態に限定されない。従って、添付されるクレーム及びその均等物により定義される一般的な発明概念の精神あるいは視野から離れることなく様々な改変がなされ得る。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0083】
【産業上の利用可能性】
以上説明したようにこの発明は、塩基配列を検出するための検出電極の技術分野、塩基配列を検出するための検出装置の技術分野及び塩基配列を検出するための検出方法の分野に有効である。
【0084】
【配列表】
SEQUENCE LISTING

<110> KABUSHIKI KAISHA TOSHIBA
OKADA, Jun
HASHIMOTO, Koji
TAKAHASHI, Masayoshi

<120> Base sequence detecting electrode, base sequence detecting device and base sequence detecting method

<130> 02S1026P

<150> JP 2002-244018

<151> 2002-8-23

<160> 5

<170> PatentIn Ver. 2.0

<210> 1
<211> 121
<212> DNA
<213> Homo sapiens

<400> 1
ggcctccgct ctcgcttcgc ctctttcacc ccgcgcccag ccccgccccg cgccgcgaag 60
aaatgaaact cacagaccct gtgctgaggg cggctccggg cgcagaaacg aaacctagct 120
c 121


<210> 2
<211> 15
<212> DNA
<213> Homo sapiens

<400> 2
gtttctgcgc ccgga 15


<210> 3
<211> 15
<212> DNA
<213> Homo sapiens

<400> 3
gtttctgcac ccgga 15


<210> 4
<211> 15
<212> DNA
<213> Homo sapiens

<400> 4
gtttctgctc ccgga 15


<210> 5
<211> 15
<212> DNA
<213> Escherichia coli

<400> 5
gacctgcttc tgact 15
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施形態に係る塩基配列検出装置の全体構成の概念を示すブロック図。
【図2】
A及びBは同実施形態に係る検出極及び対照極の詳細な構成を示す図。
【図3】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図4】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図5】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図6】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図7】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図8】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図9】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図10】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図11】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図12】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図13】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図14】
同実施形態に係る検出極及び対照極を含む電極構造の上面図。
【図15】
同実施形態に係る塩基配列検出装置の動作のフローチャートを示す図。
【図16】
同実施形態に係る塩基配列検出装置の対照極の変形例を示す図。
【図17】
従来の塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
【図18】
対照極を含む塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
【図19】
スペーサ部材にエチレングリコール分子を用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
【図20】
メルカプトオクタノールをブロッキング分子として用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
【図21】
スペーサ部材に直鎖アルカン分子を用いた塩基配列検出装置の電流測定結果を示す図。
【図22】
A及びBはスペーサ部材を用いずに標的核酸プローブを固定化する変形例を示す図。
【符号の説明】
1…電気化学セル、2…検出極、3…対照極、40、50…ポテンシオ・スタット、60、70…信号処理装置、80…減算器、90…コンピュータ、91…通信インタフェース、92…CPU、93…表示装置、101…半導体基板(チップ)。

Claims (20)

  1. 導電性の検出極と、
    この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、
    前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、
    導電性の対照極と、
    この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と
    を具備する事を特徴とする塩基配列検出電極。
  2. 前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項1に記載の塩基配列検出電極。
  3. 直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブをさらに備える事を特徴とする請求項1に記載の塩基配列検出電極。
  4. 導電性の検出極と、
    この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、
    前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、
    導電性の対照極と、
    この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子と、
    前記検出極から検出された電気化学信号から前記対照極から検出された電気化学信号を減算する減算器と
    を具備してなる事を特徴とする塩基配列検出装置。
  5. 前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  6. 前記検出極と対向して配置された第1の対極との間に所定の電圧を印加して、前記検出極からの電気化学信号を検出するための第1のポテンシオ・スタットと、
    第1のポテンシオ・スタットの出力を信号処理し、前記減算器に出力する第1の信号処理装置と、
    前記対照極と対向して配置された第2の対極との間に所定の電圧を印加して、前記対照極からの電気化学信号を検出する第2のポテンシオ・スタットと、
    第2のポテンシオ・スタットの出力を信号処理し、前記減算器に出力する第2の信号処理装置と
    を具備することを特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  7. 前記減算器の減算結果を表示する表示装置をさらに備える事をと特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  8. 前記検出極、対照極及び減算器は同一基板に形成され、
    前記減算器と前記表示装置はコンピュータを介して信号線により接続されてなる事を特徴とする請求項7に記載の塩基配列検出装置。
  9. 直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブをさらに備える事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  10. 前記検出極と、
    前記検出極から第1の距離離間して配置され、前記検出極との間に所定の電圧を印加するための第1の対極と、
    前記検出極から第2の距離離間して配置され、検出される電圧を第1の対極に負帰還させるための第1の参照極と
    からなる検出極側3電極系と、
    前記対照極と、
    前記対照極から第1の距離離間して配置され、前記対照極との間に所定の電圧を印加するための第2の対極と、
    前記検出極から第2の距離離間して配置され、検出される電圧を第2の対極に負帰還させるための第2の参照極と
    からなる対照極側3電極系とをさらに備え、
    前記検出極側3電極系と前記対照極側3電極系の組はマトリクス状に複数配置される事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  11. 前記検出極が第1の方向に複数等間隔に配置された検出極群と、
    前記検出極群から所定の距離離間して配置され、第1の方向に長手方向を有する参照極と、
    前記参照極から所定の距離離間して配置され、前記対照極が第1の方向に複数等間隔に配置された対照極群と、
    前記対照極群から所定の距離隙間して配置され、第1の方向に長手方向を有し、前記検出極の各々及び前記対照極の各々との間に所定の電圧を印加するための対極と
    をさらに備える事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  12. 前記検出極が第1の方向に複数等間隔に配置された検出極群と、
    前記対照極が第1の方向に複数等間隔に配置された対照極群と、
    前記検出極群及び前記対照極群から所定の距離離間して配置され、第1の方向に長手方向を有し、前記検出極の各々に所定の電圧を印加するための対極と、
    前記検出極群、対照極群及び対極から所定の距離離間して配置され、第1の方向とはほぼ垂直な第2の方向に長手方向を有し、検出される電圧を前記対極に負帰還させるための参照極と
    をさらに備える事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  13. 前記検出極と、前記検出極から第1の距離離間して配置された第1の参照極からなる検出極側電極群と、
    前記対照極と、前記対照極から第1の距離離間して配置された第2の参照極からなる対照極側電極群と、
    第1の方向に長手方向を有し前記検出極の各々及び前記対照極の各々との開に所定の電圧を印加するための対極とをさらに備え、
    前記検出極側電極群と前記対照極側電極群は、第1の方向と、第1の方向とは異なる第2の方向にマトリクス状に配置されてなる事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  14. 前記検出極及び前記対照極に所定の電圧を印加するための円形の対極と、
    前記対極を取り囲むように前記対極から所定の距離離間して配置された円環状の参照極とを備え、
    前記検出極及び対照極は、前記対極を中心とした円周上に、交互に複数配置されてなる事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  15. 第1の方向に長手方向を有する第1の部材と、第1の方向とはほぼ垂直な方向に長手方向を有し、第1の部材と第1の交点で交差する第2の部材からなる参照極と、
    前記参照極により仕切られる4つの領域の各々に、第1の交点から第1の距離離間して配置される4つの対極とをさらに備え、
    前記検出極は、前記4つの領域のうちの少なくとも1つの領域に配置され、第1の交点から第1の距離よりも長い距離離間して複数配置され、
    前記対照極は、前記4つの領域のうちの少なくとも1つの領域に配置され、第1の交点から第1の距離よりも長い距離離間して複数配置されてなる事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  16. 前記対照極は、前記4つの領域のうち、前記検出極が配置されていない領域に配置され、前記検出極は、前記4つの領域のうち、前記対照極が配置されていない領域に配置されてなる事を特徴とする請求項4に記載の塩基配列検出装置。
  17. 導電性の検出極と、この検出極の表面を被覆するように形成され、該検出極表面への挿入剤の吸着を低減する第1ブロッキング分子と、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と相補的な塩基配列を有する標的相補プローブと、導電性の対照極と、この対照極の表面を被覆するように形成され、該対照極表面への挿入剤の吸着を低減する第2ブロッキング分子とを備えた塩基配列検出装置の前記検出極及び対照極における電気化学信号を検出し、
    前記検出極で検出された電気化学信号から前記対照極で検出された電気化学信号を減算する事を特徴とする塩基配列検出方法。
  18. 前記標的相補プローブは、直鎖状有機分子からなる第1のスペーサ部材を介して前記検出極に固定される事を特徴とする請求項17に記載の塩基配列検出方法。
  19. 直鎖状有機分子からなる第2のスペーサ部材を介して前記対照極に固定化され、検出の目的とする標的塩基配列と非相補的な塩基配列を有するダミープローブをさらに備える事を特徴とする請求項17に記載の塩基配列検出方法。
  20. 前記減算結果を、コンピュータに備えられた表示装置に表示させる事を特徴とする請求項17に記載の塩基配列検出方法。
JP2003504573A 2002-08-23 2002-08-28 塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法 Expired - Fee Related JP3677276B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002244018 2002-08-23
JP2002244018 2002-08-23
PCT/JP2002/008671 WO2004019024A1 (ja) 2002-08-23 2002-08-28 塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3677276B2 JP3677276B2 (ja) 2005-07-27
JPWO2004019024A1 true JPWO2004019024A1 (ja) 2005-12-15

Family

ID=31944114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003504573A Expired - Fee Related JP3677276B2 (ja) 2002-08-23 2002-08-28 塩基配列検出電極、塩基配列検出装置及び塩基配列検出方法

Country Status (8)

Country Link
US (2) US7097751B2 (ja)
EP (1) EP1445609B1 (ja)
JP (1) JP3677276B2 (ja)
KR (1) KR100477043B1 (ja)
CN (1) CN1232816C (ja)
DE (1) DE60216315T2 (ja)
TW (1) TWI223065B (ja)
WO (1) WO2004019024A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7745203B2 (en) * 2002-07-31 2010-06-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Base sequence detection apparatus and base sequence automatic analyzing apparatus
DE60216315T2 (de) 2002-08-23 2007-03-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Basensequenzierungselektroden, Basensequenzierungsvorrichtung und Basensequenzierungsverfahren
DE102004031672A1 (de) 2004-06-30 2006-01-19 Infineon Technologies Ag Planar-Sensor-Anordnung, Sensor-Array und Verfahren zum Herstellen einer Planar-Sensor-Anordnung
JP2008536103A (ja) * 2005-03-08 2008-09-04 ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ 静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイス
ATE546730T1 (de) * 2008-11-26 2012-03-15 Atotech Deutschland Gmbh Verfahren zur kontrolle von stabilisatoradditiven in elektrolyten zur chemischen metall- und metalllegierungsabscheidung
US10001476B2 (en) * 2009-10-28 2018-06-19 Genmark Diagnostics, Inc. Capture ligand controls, blocking probes, masking probes and methods of using the same
EP2713877B1 (de) 2011-05-23 2019-07-31 Roche Diabetes Care GmbH Sensorvorrichtung zum nachweis eines analyten
JP6593310B2 (ja) * 2016-11-25 2019-10-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像読取装置及び画像形成装置

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4874500A (en) * 1987-07-15 1989-10-17 Sri International Microelectrochemical sensor and sensor array
AU711564B2 (en) 1996-04-17 1999-10-14 Motorola, Inc. Transistor-based molecular detection apparatus and method
US6391558B1 (en) * 1997-03-18 2002-05-21 Andcare, Inc. Electrochemical detection of nucleic acid sequences
US5945286A (en) * 1997-10-23 1999-08-31 Motorola, Inc. Electrochemical-based molecular detection apparatus and method
US6290839B1 (en) 1998-06-23 2001-09-18 Clinical Micro Sensors, Inc. Systems for electrophoretic transport and detection of analytes
IL132966A0 (en) 1998-12-01 2001-03-19 Yissum Res Dev Co Method and system for detecting oligonucleotides in a sample
EP1077264B1 (en) * 1999-06-07 2005-04-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. DNA chip, PNA chip, and their preparation methods
JP4426700B2 (ja) 1999-06-07 2010-03-03 富士フイルム株式会社 Dna分析素子あるいはpna分析素子を用いる相補性を有する試料核酸断片の高感度定量法
EP1065278A3 (en) 1999-06-07 2004-02-04 Fuji Photo Film Co., Ltd. Detection of partly complementary nucleic acid fragment
JP3888807B2 (ja) 1999-08-06 2007-03-07 凸版印刷株式会社 遺伝子を検出する方法、並びに検出装置及び検出用チップ
JP3685989B2 (ja) 1999-10-20 2005-08-24 繁織 竹中 遺伝子の検出用チップ、検出装置、並びに検出方法
DE60040205D1 (de) 1999-10-20 2008-10-23 Shigeori Takenaka Gen-detektionschip, sensor und nachweisverfahren
JP4021627B2 (ja) 2000-03-22 2007-12-12 株式会社東芝 遺伝子検出用担体、及びインターフェロン療法の有効性を検出するためのその使用
JP3816296B2 (ja) 2000-04-14 2006-08-30 独立行政法人科学技術振興機構 半導体空乏層容量測定方法及びその装置
JP2002017352A (ja) 2000-04-28 2002-01-22 Fuji Photo Film Co Ltd 核酸試料検出用具及び電気化学的検出方法
JP3076232U (ja) * 2000-09-08 2001-03-30 相互薬工株式会社 生化学物質検出装置
JP2002195997A (ja) * 2000-09-29 2002-07-10 Toshiba Corp 核酸検出用センサ
KR100423021B1 (ko) 2001-02-06 2004-03-12 (주)미토콘 혼합 인터칼레이터, 이를 이용한 디엔에이의 전기화학적검출방법 및 이를 위한 검출 키트
DE60216315T2 (de) 2002-08-23 2007-03-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Basensequenzierungselektroden, Basensequenzierungsvorrichtung und Basensequenzierungsverfahren

Also Published As

Publication number Publication date
DE60216315D1 (de) 2007-01-04
CN1531651A (zh) 2004-09-22
TWI223065B (en) 2004-11-01
JP3677276B2 (ja) 2005-07-27
CN1232816C (zh) 2005-12-21
US20070007148A1 (en) 2007-01-11
KR20040040276A (ko) 2004-05-12
KR100477043B1 (ko) 2005-03-18
EP1445609B1 (en) 2006-11-22
EP1445609A4 (en) 2005-04-06
EP1445609A1 (en) 2004-08-11
US7097751B2 (en) 2006-08-29
DE60216315T2 (de) 2007-03-08
US20050089447A1 (en) 2005-04-28
US7718048B2 (en) 2010-05-18
WO2004019024A1 (ja) 2004-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7728119B2 (en) Nucleotide primer set and nucleotide probe for detecting genotype of methylene tetrahydrofolate reductase (MTHFR)
US7718048B2 (en) Base sequence detecting electrode, base sequence detecting device and base sequence detecting method
JPWO2006022370A1 (ja) 電界効果デバイスを用いたdna塩基配列解析方法及び塩基配列解析装置
JP3888807B2 (ja) 遺伝子を検出する方法、並びに検出装置及び検出用チップ
JP4021627B2 (ja) 遺伝子検出用担体、及びインターフェロン療法の有効性を検出するためのその使用
US7919611B2 (en) Nucleotide primer set and nucleotide probe for detecting genotype of N-acetyltransferase-2 (NAT2)
US20090061433A1 (en) Nucleotide primer set and nucleotide probe for detecting genotype of serum amyloid a1(saa1)
Shin et al. Electrochemical detection of DNA mutations on a PNA-modified electrode utilizing a single-stranded DNA specific endonuclease
Kara et al. Electrochemical probe DNA design in PCR amplicon sequence for the optimum detection of microbiological diseases
KR100482718B1 (ko) 핵산 프로브 고정화 기체 및 그것을 이용한 표적 핵산의존재를 검출하는 방법
JP4706074B2 (ja) 生体分子固定化用の三脚型機能性界面分子とこれを用いた遺伝子検出デバイス
JP4580996B2 (ja) 標的核酸の検出方法および標的核酸検出用基体
JP2009268370A (ja) 標的核酸の検出方法
Mishra et al. Recent techniques for the detection of β-thalassemia: a review
KR20040050587A (ko) Dna 감지체 및 이를 이용한 dna 감지방법
JP4040834B2 (ja) 2本鎖dnaの分析方法
JP3790194B2 (ja) 核酸プローブ固定化基体
KR101188433B1 (ko) 과산화효소 활성을 가지는 핵산효소를 이용한 핵산의 검출방법
KR20070031957A (ko) 나노크기 전자 검출 시스템 및 그의 제조 방법
JP4399024B1 (ja) N−アセチルトランスフェラーゼ2(nat2)の遺伝子型を検出するための核酸プライマーセット、キット、及び該プライマーセットを用いた検出方法
JP3697436B2 (ja) 核酸配列の解析方法、プローブ固定化基体、アッセイキットおよびプローブセット
JP4399025B1 (ja) N−アセチルトランスフェラーゼ2(nat2)の遺伝子型を検出するための核酸プライマーセット、キット、及び該プライマーセットを用いた検出方法
JP4034818B1 (ja) 遺伝子検出用担体、及びインターフェロン療法の有効性を検出するためのその使用
JP2009124960A (ja) RecA様相同組換え蛋白質を用いたDNA相同塩基配列の検出方法
JP2003102499A (ja) 核酸の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050506

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3677276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees