JP2008536103A - 静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイス - Google Patents

静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイス Download PDF

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Abstract

静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイスは、局在化された電子電荷を持つ攪乱種を含む。電子導電率を有する検知種が、該局在化された電子電荷と関連する電子導電率における変化を誘発するのに十分な距離にて、該攪乱種に近接して配置されている。エレクトロニクスが、該検知種を介して、該導電率を測定するように与えられている。一時的に制御された原子的規模のトランジスタは、基板を、アースに関して、基板電位にバイアスすることにより与えられる。基板原子から伸びたダングリングボンドは、一群の帯電状態中の、一帯電状態を持つ。該荷電状態は、単一の電子の付加又は引抜きの単位で変化する。設置された電気接点は、該ダングリングボンドに近接する、局在化された電子電荷内に与えられる。電子導電率を有する検知種も、該ダングリングボンドに近接して配置される。該基板に関してバイアスされた検知種接点は、変動する該基板電位が、該基板原子の帯電状態に対して、電荷の一電子単位だけ変性され、かつ依然として該基板原子に対して、該一群の帯電状態にあるように与えられる。該ダングリングボンドは、単一原子のゲート電極として機能する。検知種のアレイ内に、該ダングリングボンドを配置することによって、原子論的な多-チャンネルゲートトランジスタを製造する。静電的に制御された原子的規模の、導電性デバイスの動作方法は、局在化された電子電荷を持つ、攪乱種又は分子種を帯電させて、静電場を誘起する工程を含む。電子導電率を、該静電場に近接する、検知原子又は分子を介して追跡することによって、原子的規模のデバイスを製造する。

Description

(関連出願)
本件特許出願は、2005年3月8日付出願に係る米国仮特許出願第60/659,481号及び2005年7月21日付出願に係る米国仮特許出願第60/701,276号に関する優先権を請求するものである。これらの特許出願を、参考文献としてここに組入れる。
本発明は、帯電した単一の原子から派生した静電電位に近接して、原子又は分子を配置すること、及び特に分子トランジスタを製造するための、該静電電位の制御された取扱いに関するものである。
単一分子の電気的輸送に関する研究において、多大な進歩がなされた(1、2)。特に、2端子構造に関する報告が益々活発となり、また再現可能となっている(3、4、5、6)。分子の特性は、構造及び組成に大きく依存する。最近の理論的並びに実験的研究は、輸送特性も、原子-レベルの構造変化の結果として、大幅に変動する可能性のあることを示した(7、8、9、10、11、12)。分子デバイスの完全な電位は、細々とした構造上の知見及び制御が自由に行える場合においてのみ、明らかになることは明白である。
ゲート制御(デバイスによる電流の静電的な制御)に関する戦略を改善することも、同様に重要である。ゲート制御されたデバイス、例えば真空管「バルブ」及びトランジスタは、回路内の電流の、動的再構成を可能とすることから、望ましいものである。ゲート制御された分子伝導に関する研究に固有の問題点の一つは、不十分な空間があるに過ぎず、例えばベンゼン分子の体積、そのサイズに、3つの電極を集中させることは不可能である点にある(13)。極めて密な間隔で配置された2つの電極を該分子に接続し、一方で必然的により隔置された第三の電極を、ゲートとして機能させるという、妥協を行うことも可能であるが、貧弱なゲート効率がもたらされる(10、14)。根本的に異なる方法が、必要であると考えられる。
通常の3-端子単一分子デバイス方式は、コンドー(Kondo)共鳴又は単一電子(クーロン)物理等の現象に注目しており、この現象は、動作させるのに極低温条件を必要とする(15、16)。室温での切換え動作を可能とする、別の方式は、分子エレクトロニクスの進歩にとって、(十分ではないが)必要な性能である。
活発な分子技術は、多くの付随的な課題に直面しているが、細部の構造的な制御、ゲート制御された分子伝導を達成するための戦略、及び室温動作に対する要求は、最も重大な克服すべき障害である。
これらの要求を満たすための一つの方法は、規則的な表面、例えばシリコン表面と結合した分子を、量子力学(17)及び古典的な静電的シミュレーション及び分析によって、走査式トンネリング(tunneling)を利用して研究することである。このように、個々の分子の諸特性に影響を及ぼす、原子構造及び静電電位の変動が、理解される。原子的な規模の導電性を理解し、かつ最終的にこれを制御しようとした努力にも拘らず、系統的な、かつ制御された、この規模のデバイスの構築は、困難であることが明らかとなった。
このように、静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイス、例えば分子トランジスタに対する需要がある。付随的に、製造可能であり、かつ様々な動作環境にて動作可能な、このようなデバイスを構築する方法に対する需要がある。
静電的に制御される、原子的な規模の導電性デバイスは、局在化された電子電荷を持つ、攪乱種(perturbing species)を含む。電子導電率を持つ検知種が、該局在化された電子電荷と関連する電子導電率における変化を誘発するのに十分な距離にて、該撹乱種に近接して配置されている。エレクトロニクスが、該検知種を介して、該導電率を測定するように設けられている。
一時的に制御された原子的な規模のトランジスタは、アースに対して、ある基板電位まで、基板をバイアスすることによって得られる。基板原子から伸びているダングリングボンドは、一群の帯電状態の内の、ある帯電状態を持つ。この帯電状態は、単一電子の付加又は抜取りの単位で変動する。アースされた電気的接点が、該ダングリングボンドと近接する、局在化された電子電荷内に与えられる。電子導電率を有する検知種も、該ダングリングボンドと近接して配置されている。該基板に対してコンタクトバイアスされている検知種は、変動するが基板電圧が、電荷の一電子単位にて、しかも依然として該基板原子に関する帯電状態群にある、該基板原子の帯電状態を、変更するように与えられる。該ダングリングボンドは、単一電子のゲート電極として機能する。該ダングリングボンドを、検知種のアレイ内に配置することにより、原子論的に多-チャンネルゲートトランジスタが形成される。
静電的に制御された原子的規模の、導電性デバイスの動作方法は、結合している、局在化された電子電荷を持つ、攪乱種又は分子種を帯電させて、静電場を誘起する工程を含む。電子導電率を、該静電場に近接する、検知原子又は分子を介して追跡することによって、原子的規模のデバイスを形成する。
本発明は、原子的な規模の導電性デバイスとして有用である。
本発明のデバイスは、局在化された電子電荷(モノポール、ダイポール、又はその他の形状にある)を担持する、単一の又は集合としての原子又は分子(撹乱種)を有する。単一の又は集合としての原子又は分子(検知種)は、該撹乱種から発せられる静電場の存在を検知するために、該撹乱種と十分に近接した状態(数Å、数十Å、数百Å、数千Å)で与えられ、該静電場の発生は、該検知種の電子導電率における変動によって立証され、またエレクトロニクスが、該検知種を介して、この伝導を測定する。
該検知種は、固体状態において実現できる。固体表面上に結合接点を持つように配置でき、また液体、気体、又は真空環境に対して配置され、あるいは2つの固体間の界面に形成することができる。これは、また固体又は液体により、封入することも可能である。次いで、撹乱種との相互作用は、化学反応、及び/又は接触、及び/又は該封入体の外側壁による撹乱種の物理的収着によって、及び/又は反応及び/又は該封入体本体への拡散によって起る。あるいはまた、該検知種は、単一の又は集合としてのイオン化された不純物原子又は分子(表面の上、中、又はその上方に存在し、ドナー/ブリッジ/アクセプタ電荷移動錯体とのカップリング状態で、又は固体本体内に存在)であり、場合によっては、点欠陥、点欠陥の集合(例えば、間隙、空孔、置換性の不純物(ドーパントを含む)等)、あるいはドメイン、又は結晶粒界、又はこれらの組合せと結合している。
該検知種が、ドーパントである場合、温度依存性の、該種の可変性のイオン化度は、本発明のデバイスが、温度計として機能することを可能とする。低温において、ドーパントは、殆どイオン化せず(通常は中性);高温においては、該ドーパントは、イオン化され(帯電し)、結果的に強靭な固体(半導体)デバイスを形成する。
該検知種及び/又は該撹乱種は、場合により夫々独立に、液体相又はゲル内、溶液中又は懸濁液(例えば、コロイド状の)中に、又は気相中に存在することが理解される。電気接点が表面(固体又はゲル)上にパターン化されており、該検知及び撹乱分子は、該ゲル、液体、又は気相によって与えられる。溶液内を拡散して、検知種と相互作用する、可溶性の撹乱種は、溶液粘度又はイオン性と関連する、温度依存性の拡散速度変化を起こし易い。
撹乱種に対する相対的な検知種の数及び検知種の既知の状態は、該撹乱種に関する情報を推定するのに利用することができる。
実施に際して、単一の検知種が、単一の撹乱種の帯電常態を決定するのに使用され、そこで該検知種の位置と、該撹乱種を局在化する官能基との間の空間的な相関関係は、公知である。この場合において、該検知分子の第IVの特性におけるシフトは、該撹乱種の帯電状態(性能及び符合)を示唆するものである。実際には、単一の検知種は、該撹乱種と該検知種との間の距離を決定するのに使用され、該撹乱種の帯電状態は、特定の用途において起る、局所的な化学現象に関する知見に基いて、公知である。該検知分子全体に渡る、該第IVの特性における変動は、該撹乱種と該検知種との間の距離を示唆するものである。該検知種各々の間の、相対的空間的な座標に関する正確な知見によって、個々の検知種のアレイは、単一の又は集合としての撹乱種位置及び帯電状態を決定するのに使用される。単一の又は集合としての検知種は、静電場を精密(即ち、より多くのセンサ=より大きな空間的解像度/精度)に示すのに使用される。
該検知種は、局在化された、瞬間的な、又は静電摂動の巡回(itinerant)の感受性のプローブとして動作でき、ここで巡回電荷は、例えば固体、液体又はガス媒体内の、移動性の電荷、イオン、又は不連続な多重極電荷分布に相当する。該検知種全体に渡る、導電率の大きな変動は、局所的な静電場の存在に起因する。該局所的な環境に対する電流の輸送メカニズムは、その帯電状態を変更することなしに、該撹乱種の帯電状態の決定を可能とする。
本発明は、量子箱セルラーオートマータ(cellular automata; QCA)に関する、ある読取り能力を提供する。QCAの模範的なものは、量子箱との相互作用において、単一電子を使用して、二進情報をコード化し、かつ処理し、量子箱と相互作用する、単一電子と関連する分極が、QCAの論理レベルを表す。本発明による検知種は、QCAの該論理レベルを読取るのに容易に使用できることが理解される。更に、QCAアナログが、量子箱の代わりに、ダングリングボンドを使用することによって形成され、一方でQCA型のアレイ内の多数の量子箱が、量子箱系に単一電子の注入によって得られるものと類似する、分子の分極論理レベルを調和させることが理解される。
トランジスタとしての、本発明のデバイスは、ソース-ドレイン接点を横切る、ナノアンペア電流によって動作できる。単に外部回路の感度に依存して、数次低い又は高い電流でも、動作可能であるものと理解され、該外部回路は、該検知種の該IV特性及び/又は該検知種を横切って作用する、該キャリア輸送メカニズムに関連する基本的固有なノイズ限定、例えば該検知種を横切って流れる電流中のショットノイズを測定する。トランジスタとして動作する、本発明のデバイスのアレイは、量子コンピュータ機能構造を生成する。
検知及び撹乱種を、化学的及び又は物理的相互作用により、一緒に結合する。該検知種に対する接点は、各々、該検知種と結合し又は物理的収着状態にある、単一の又は集合としての原子又は分子(以下「接触種」という)を含む、0、1又は多数の個々の化学基によって作られる。該検知及び接触種の、集合的な、電磁気的吸収及び/又は発光特性は、該撹乱種による、静電気及び/又は拡散によって誘発される変性に依存する。該撹乱種の該帯電状態及び/又は化学的な同一性は、集合的な検知、撹乱及び接触種の電磁気的吸収及び/又は発光スペクトルにおいて誘発された変化から推定される。
あるいはまた、該接触種は、該撹乱種の影響下で、該検知種における電子レベルの、静電気及び/又は拡散によって誘発されるシフトを伴って、トリガとして作用し、該トリガ接触種に、i) (電磁スペクトル分析法又はマススペクトル分析法を介して)同定可能な、局所的環境に放出される生成物への化学的分裂を引起し、ii) 該局所的環境に存在する他の化学種との化学的な融合、iii) 反応体の枯渇に至るまで、連鎖反応をもたらす、該局所的環境中の他の化学種との化学的な融合、又はiv) 新たに生成されたトリガ接触種と結合した、単一の検知種を含む、該初期構成の1又はそれ以上のコピーの複製に導く、化学的融合と分裂との組合せを生じさせる。
該電荷によるゲート制御された分子が、液相において使用される場合、該検知種は、場合により固体基板に対する電気的接続を含まない。該検知種は、ドナーとアクセプタとの間の電子ブリッジとして機能し得る。ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体における、ブリッジ媒介電子輸送は、公知である。これらの場合において、該ブリッジは、常に「オン」の状態にある。電子の輸送は、該ドナー分子が電子的に励起された場合には、いつでも起る。通常「オフ」状態にあるが、帯電した種が近傍にある場合には、「オン」状態となるブリッジを選択することによって、ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体の新たな動作モードが可能となる。通常、オン状態にあり、かつ帯電により誘発されるオフ挙動も可能である。
該ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体の電磁的吸収及び/又は発光スペクトルにおいて誘発される変化は、変更された輸送の検出を可能とする。従って、このような錯体は、該撹乱種の存在に係る指標である。
該ブリッジ種の化学的官能化は、撹乱種との選択的な相互作用を可能とし、該錯体に識別性の検出機能を付与する。該ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体は、また場合により束縛され、帯電した(又は多重極)レセプタ部分を含む。その場合、装填(charger)レセプタが、ゲートとして機能し、該ゲートは、誘電特性を際立たせる溶液撹乱種の、近傍への接近により調節される。図8は、可溶性の帯電した種の撹乱を受けやすい、電荷レセプタと結合した、ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体を示す。該溶液種は、集積回路の一種である、ネットワークと容易に結合して、化学的な刺激があった際に、論理及び他の機能の実行を可能とする。液相中にあるか、あるいは基板が固体基板に搭載されている場合、検知分子の電荷媒介伝導を、化学的なトリガとして使用できる。例えば、酸化還元による化学的変換は、該アクセプタ分子に到達する電子によって駆動できる。
ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体と結合し易い電荷レセプタの例は、ヘテロベンジル四級アンモニウム塩、及び特にテニルメチレン基を含むもの;金属をドープしたフッ素、及びタンパク質、例えばロドプシンを包含する。一例として、1-アニリノ-8-ナフチレンスルホネートは、タンパク質の構成を密にする、可溶性の帯電した実在物として機能することが知られている(18)。このようなタンパク質の、ドナー/ブリッジ/アクセプタ錯体との結合は、本発明による動作可能なデバイスを代表するものである。
該撹乱種は、固体、液体、又は気相環境(及び/又はこれらの溶液)の構成員である、原子又は分子(単一の又は集合としての)である。固体において、該撹乱種は、場合により、表面上、その内部、その上方、あるいは固体本体内に存在する、単一の又は集合としてのイオン化された不純物原子又は分子である。該撹乱種は、また点欠陥、点欠陥の集合(例えば、間隙、空孔、置換性の不純物等)、又はドメイン又は結晶粒界、あるいは電荷を局在化する能力をもたらす、これらの任意の集団に対応するものであり得る。液体において、該撹乱種は、多重極電荷モーメントを有する、イオン又は分子によって与えられる。
撹乱種が、場合により量子箱に類似する、分極性のQCA素子を形成し、検知種を介して読取り可能であるという、付加的な利点を持つことが理解される。本発明による類似のQCAデバイスは、量子箱による電子の捕獲に関連する、崩壊状態と比較して、安定な分極状態を与えるという利点をもたらす。
該撹乱種は、またデバイスの受動素子としても機能できる。該検知種及び該撹乱種を横切って流れる電流間の強力な結合が存在する状況下で、該撹乱種の帯電状態は、該検知種を流通する電流の強度又は方向に依存する。これは、双安定性又は負の微分抵抗又は該検知種全体に及ぶ上記第IV特性におけるヒステリシスをもたらす。このような効果は、論理回路又はアナログ信号処理回路を製造するのに適した、非線形デバイスの要素を生成するために使用される。
本発明の原子的な規模の導電性デバイスを構築するのに有効な固体基板は、撹乱種に対する少なくとも一つの電気接点、及び少なくともマスク、又は犠牲マスク上に描画する電子ビームを画成するという属性を持つ。パターン化後、金属層を真空堆積、スパッタリング又は電着法によって堆積させる。金属イオン堆積用のこの基板は、様々な絶縁性表面を含む。適当な基板の例は、シリコンウエハ、マイカ、セラミックス、及びシリケートを含む。
撹乱種及び検知種を、電気接点の近傍で、融合する本発明の態様においては、動作性のデバイスは、該検知種に、第二の電気接点を設けることによって完成される。該撹乱種が、半導体成分であるこれらの態様において、撹乱種-形成材料は、該基板上にパターン化された接点を重ねる。撹乱種を生成するのに適した材料の例は、不完全な表面不動態化を含む半導体ドメイン、その特定の形状としての、局所的にドープされ、プロトン化された表面を含むもの、及び半導体、例えばシリコンのナノ結晶性ドメイン、外因性の及び固有の単原子、二成分、及び三成分半導体、例えばシリコン、ガリウムヒ素、ガリウムリン、インジウムリン、ゲルマニウム、インジウムヒ素、インジウムアンチモン、ガリウムアルミニウムヒ素、硫化カドミウム、硫化亜鉛、アルミニウムインジウムリン、アルミニウムガリウムヒ素、アルミニウムインジウムヒ素、アルミニウムガリウムアンチモン、ガリウムインジウムリン、鉛錫テルル、銅ガリウムセレン、亜鉛ゲルマニウムヒ素、及び硫化銅鉄を包含する半導体を含む。パターン化された半導体の堆積は、米国特許第4,180,604号、同第4,745,042号、及び同第5,627,090号に具体的に示されているように、当分野において周知である。撹乱種を形成するための、半導体へのドーパントの局部的注入は、様々な技術、例えばレーザーインプランテーション(18)、静電電位加速イオン注入(19)、及び流動性気相又は液相からの、原子又は分子ドーパントの吸収等によって達成される。あるいはまた、半導体ナノ結晶を、下部の基板と、あるいは自己組織化単分子膜の使用による、電気的接点と共有結合的に結合させる。自己組織化単分子膜の使用による、ナノ結晶接着のための手順の例は、米国特許第5,751,018号に詳しく記載されている。半導体は、場合によりこれに検知種を接着することによって変性される。あるいはまた、検知種は、電気接点に対する接着によって、半導体ドメインと結合した撹乱種の近傍にもたらされ、該撹乱種の第二の検知電気接点近傍に移動され、あるいは周辺の液相、ゲル又は気相内に見出される、拡散種として移動する。
特定の態様における該撹乱種は、任意の表面に電荷を持ち、あるいは点欠陥、例えば空孔又は格子間原子又は分子を持つ、上記H:Si(100)表面上の負に帯電したダングリングボンドを含む。半導体本体において、該撹乱種は、ミッドギャップ(mid-gap)状態(例えば、水素末端を持つシリコン表面上のシリコンラジカル)であり得る。一般に、該撹乱種の家電状態は、負、中性、及び正の状態の間で変化し、また基本的な電子電荷の非-整数又は整数倍として存在する。該検知種と結合する、該撹乱種によって発生した静電場は、また該撹乱種内の電荷分布の、高次の、多重極モーメント(例えば、双極子モーメント、四極子モーメント等)をもたらす可能性がある。該撹乱種の近傍における、又はその内部の電荷分布の多重極モーメントへの変化(該撹乱種の正味の荷電状態への変化を伴う、又は伴わない)は、同様に該検知種全体に渡る電流輸送を調節するのに利用することができる。
特定の理論に拘泥するつもりはないが、該検知種に対する導電率における変化が、該検知種におけるエネルギーレベルの静電的シフト、又は該撹乱種との拡散相互作用に起因するものであり、また該検知種全体に渡るあらゆる既知の電子又はホール輸送メカニズム(例えば、キャリアトンネリング、バリスティックトランスポート電流、電荷ホッピング(charge hopping)、キャリア拡散等)を包含するものと考えられる。同様に電流への変動(例えば、トンネリング配置、又はホッピング媒介伝導)は、該撹乱種によって、該検知種に誘発された、配座の変化に起因するものであり得る。
該検知種の伝導率における変化は、本発明の一態様においては、2つの接点間に置かれた原子/分子の、一点電流-電圧測定を含む、電流-電圧(IV)分光分析法を実施することによって、測定される。上記のH:Si(100)表面上のダングリングボンド系の態様において、該H:Si表面は、該検知種と接触した一つの接点を与える。その第二の接点は、該検知分子/基板上方に位置する電極とのトンネル接合によって与えられる。一般に、検知分子に対する接点(トンネルギャップ、広いHOMO-LUMOギャップを持つ原子又は分子、又はその他のものを含むが、これらに限定されない)は、他の材料(導電体、絶縁体、半導体、単一の又は集合としての原子又は分子、点欠陥、ボイド等)を用いて製造され、また任意の有利な又は実用的な配向、例えば基板の面に沿って形作られる。該検知及び撹乱種の関する該電流-電圧特性は、原子的規模にてトランジスタ動作することを可能とする。ソース及びドレインとして作用する、該検知種に対する2つの接点及び該撹乱種に対して1接点、即ちゲートを作成することにより、分子規模のトランジスタが得られる。個々のデバイス間に適当な電気的接続を生成することにより、回路が製造され、その例は論理回路、メモリー回路、及び/又は増幅回路を含む。
本発明のデバイスは、該検知種、撹乱種、及びこれら検知及び/又は撹乱種に対する接点における、電子エネルギーレベルの固有のアラインメントから、第IV特性を持つ成分を得る。特定の化学的組成、及び該構成原子及び/又は分子の空間的な配置の選択が、該種間の相互作用を考慮して、更に該デバイスの該第IV特性を決定する。一例として、該検知種における芳香族部分の存在は、特定のバイアスにおける、該検知種を介する伝導の急激な「ターンオン」をもたらす。他の電子軌道配置、例えば芳香族部分、共役結合、小さなHOMO-LUMOギャップを持つ原子又は分子等は、特定の第IV特性を達成するために使用されて、例えば負の微分抵抗、又は双安定性を呈する。
第IV特性は、温度依存性であるものと判断される。低温及び特に室温以下の温度は、コヒーレントな電子効果、熱により誘発される該電子エネルギーレベル拡張の最小化、弱く化学収着又は物理収着された種との相互作用、及び改善されたスイッチング特性を助長する。所定のスイッチング特性の例は、属性、例えばより急激な「オン」及び「オフ」状態間の交替、即ちトランジスタ構成にあるデバイスに関するより大きなトランスコンダクタンス、「オフ」状態におけるより低い漏洩電流、より大きな「オン/オフ」電流比等を包含する。本発明のデバイスの熱的な作用に対する、該第IV特性に関する知見によって、その局所的な環境の温度を推定することができ、そこで該デバイスは、その機能を果たしている。従って、室温及び室温以上の温度における動作は、本発明のデバイスの固有の特性である。
温度感知機能は、またイオン化可能な撹乱種、例えばドーパント原子を、該検知種と近接させて配置することによっても達成される。静電気的又は時間的に変動する、該撹乱種の荷電状態における揺らぎによって生じ、そのイオン化電位に依存する、該検知種全体に渡る導電率の変調は、該局所的環境の温度を推定するのに利用される。
多重荷電状態の可能な撹乱種、例えば本発明のデバイスにおける、水素末端を持つシリコン表面上のシリコンラジカルは、多段状態論理の実行をもたらす。該撹乱種の特定の状態は、該検知種の該第IV特性から推定される。
該撹乱種の荷電状態は、該環境内に存在する他の化学種による、化学収着又は物理収着によって直接、あるいは隣接する官能基による同様な相互作用によって間接的に、容易に変調され、該官能基の該撹乱種との結合は、結果として該撹乱種の該荷電状態、結果的に該検知種全体に及ぶ導電率を変調するように機能する。検出事象は、例えばパーマネントメモリー記憶デバイスの作成を可能とするシングルショット、又は該環境内の特定の化学物質の検出を含み、後者は、幾つかの可能な状態の一つ、経時の多重荷電状態の変化を記憶することの可能な、メモリー記憶デバイスと等価であり、及びメモリーの復元及び/又は書換え機能に相当し、あるいは経時の化学的痕跡物における変動を検出する。
該撹乱種の荷電状態の直接的又は間接的な変調は、また該局所的な環境との相互作用によってももたらされ、その例は光との相互作用、例えば単一又は多重光子吸収過程(これは、エネルギー閾値依存性フォトキャリア発生に起因し、光-イオン化、偏光処理された光等により誘発される、荷電双極子又は多重極モーメントを発生する);機械的振動;磁場;及び該撹乱種の荷電状態及び該撹乱種と該検知種との間の結合強度を、間接的又は直接的に変調するように機能する、粒子衝突を包含する。これは、該検知種全体に渡る電気電導率における変化を、例えば局所的な環境における変化;光、強度、又はスペクトル分布、分極における変化;振動/歪;磁場;又は粒子流の衝突;等を反映するものとして解釈することを可能とする。外部環境との結合による、メモリーの書込み及び復元機能が、これによって達成される。
該撹乱種と該検知種との間の静電的な結合は、該撹乱種と該検知種との間の物理的なギャップに介入する原子又は分子、及び/又は該撹乱種近傍における化学収着又は物理収着を変調することによって達成される。該撹乱種を包囲する該ギャップ及び/又は領域は、容易に化学的に官能化されて、特定の原子又は分子のみの化学収着又は物理収着を可能とする。このように化学的、選択的な、該検知種の導電率変調は、論理及び/又は化学的検知機能の実効を可能とする。
該撹乱種の荷電状態は、電気接点を使用して、局所的な化学ポテンシャルを変更することにより調節することができる。このことは、3端子式のデバイスを与える。該接点を利用して、該撹乱種の荷電状態を変える場合、孤立した該撹乱種の電気化学ポテンシャルにおける変化、第三の基準ポテンシャルに対する、該撹乱及び検知種の電気化学ポテンシャルにおける変化を、調節する。該撹乱種の荷電状態調節は、外部接点からの電流の直接的な導入によっても達成されることが理解される。注入された電子の滞留時間、及び結果としての外部ゲート動作に対する該デバイスの一時的応答は、該撹乱種と結合した、局所的な不純物、点欠陥等の作用を包含する、該撹乱種に関するこれらと、該デバイス及び該局所的な環境における電子軌道のエネルギー的及び空間的アラインメントに依存する。迅速な(ピコ秒乃至ナノ秒なる時間のスケール)緩和時間は、迅速な切換え特性のために使用され、また計算並びに信号方式用途において望ましいものであり、緩慢な緩和時間(ナノ秒及びそれ以上なる時間スケール)は、緩慢な切換え用途、例えば復元可能なメモリー記憶装置要素製造のために使用される。
該撹乱種の該荷電状態又は多重極電荷分布は、意図的に該表面の下部又はその上に配置させた、単一の又は集合としての点欠陥、例えば不純物原子、空孔、間隙、置換性の不純物等の存在により調節される。該点欠陥が、静電荷(及び/又は多極子モーメント)を担持している場合には、該撹乱種の荷電状態は、変えることができ、あるいは結合した撹乱種及び検知種の電流-電圧特性におけるオフセットがもたらされるであろう。このような点欠陥が、中性を維持している場合には、その分散及び/又は多極子モーメントとの相互作用は、該撹乱種の荷電状態における変化又は結合した撹乱種及び検知種の電流-電圧特性の変調に導く。
化学的検出用途において、化学収着又は物理収着に対する、撹乱種の選択的な反応性、又は間接的検出用途における、近接官能基の選択的反応性は、該系の局所的な電気化学ポテンシャルを変えることによって調節される。特定の化学的化合物に対する、該撹乱種の選択的反応性及び結果的に該検知種の該第IV特性は、以下に列挙する因子によって調節されるであろう:
i) 該デバイス端子に与えられる電流/電圧の変更;
ii) 局所的化学的環境に対する、長期又は短期の変動、例えば基板ドーピングレベルにおける変更、該撹乱種の、イオン化された不純物原子又は分子(表面の上、中、又はその上方、固体本体内、液相中又はゲル内、溶液中又は懸濁液(例えば、コロイド状で)中に、又は気相中に存在)、点欠陥、点欠陥の特定の集合又は構成(例えば、間隙、空孔、置換性の不純物等)、ドメイン又は結晶粒界、あるいはこれらの任意の集団に対する、静電的又は分散性の結合。該撹乱種間の相互作用(分散又は静電相互作用による)は、また該撹乱種又は近接する官能基の選択的化学反応性を変更するのに利用できる;及び
iii) 静的局所的化学環境の設計、例えば基板ドーピングレベルの選択、イオン化された不純物原子又は分子(表面の上、中、又はその上方、固体本体内)、点欠陥、点欠陥の特定の集合又は構成(例えば、間隙、空孔、置換性の不純物等)、ドメイン又は結晶粒界、あるいはこれらの任意の集団に対する、該撹乱種の、静電的又は分散性の結合による設計。該撹乱種間の相互作用(分散又は静電相互作用による)は、また該撹乱種又は近接する官能基の選択的化学反応性を変更するのに利用できる。
逆の過程が、変更(i)及び(ii)において可能であり、即ち一旦結合した、物理的収着/化学的収着原子/分子等は、該局所的な電気化学ポテンシャルを同様に操作することによって放出することができるものと理解される。上記の調節計画は、また検出反応サイトを不動態化して、原子/分子等の物理収着/化学収着を、化学的に選択性の様式又はその他によって、妨害するように適用される。局所的な化学反応性を変更するためのこのような調節計画は、アドレス指定可能なメモリー記憶、消去、及び書換え機能と相溶性である。従って、化学的メモリーデバイスの状態は、該検知種を介して読取ることができる。
この概念は、化学的信号化用途を包含し、及び/又は分子規模での論理機能を実行するために、拡張できる。情報を、化学的同等物でコード化し、また反応は、例示的な因子、例えばi) 固有の化学的特性、及び/又はii) 局所的な可変性の電気化学的環境(外部接触、及び/又は他の結合試薬によって課せられたポテンシャルによって決定された)、及び/又はiii) 該環境の静的な電気化学的成分(基板の設計、局部的官能化、デバイスの位置等)に基いて起こる。別々のデバイス(例えば、固体表面に沿った、又はゲル内に、あるいは原子又は分子クラスタの表面に沿った好ましい拡散路のパターン)間の反応物及び生成物を案内/結合するための、空間的なダクトを画成することにより、与えられたサイトにおける化学的な活性が、他の特定の位置における発生事象に依存性のものとなる。ここに詳述したように、任意の与えられたサイトにおける化学的な状態に関する情報は、該検知種の該第IV特性を測定することによって得ることができる。
本発明を、検知種の電子導電率を変更することによって検知される、静電場を発生する撹乱種としてのダングリングボンド(DB)を用いて詳しく説明する。
分子トランジスタは、該分子の分子軌道状態が量子化され、それ故により洗練されたゲート現象及び既存のトランジスタに対して小型化されたサイズを提供できる見通しを与える等の点において、従来のゲート制御された電気的デバイスに勝るかなりの利点を与える。本発明の一特定の態様において、分子は、ダングリングボンド近傍で表面上に接着されており、結果として該ダングリングボンド及び下部の表面は、該ダングリングボンドが帯電した場合には、電位変化を示す。帯電したダングリングボンド近傍の分子は、放電源に起因する静電ポテンシャルの作用を受け、結果的に該分子内の分子軌道エネルギーレベルがシフトする。分子軌道エネルギーレベルの相対的な位置及びこれと電気的連絡状態にある電極におけるエネルギーレベルが、同様に変更を受け、該モジュールを介する電子伝導が、影響を受ける。本発明によれば、シリコンが、ダングリングボンドを発生するための好ましい表面である。しかし、少なくとも0.1nmに渡って拡がる静電ポテンシャルを誘発する、局在化された電荷を維持することのできる他の表面は、本発明においても機能可能であることが理解される。
ゲート制御された分子伝導は、点電荷の存在下で、単一の基板-結合分子から形成される。固定された点電荷に起因する静電ポテンシャルが可視化され、また単一の分子エネルギーレベルのシフトが、室温においてさえ直接観測される。本発明によれば、分子伝導オンセットのシフトは、シリコン表面原子の荷電状態を変更することによって、あるいは該分子と帯電したダングリングボンド(DB)との間の空間的な関連性を変えることによって達成される。本発明によれば、該DB及び該結合が存在する基本表面は、該DBが帯電している場合には、同一電位ではない。
ここに詳述するトランジスタは、予備成型された結晶性のパッド及び接点と共に、容易に使用できる。室温において動作可能であることも注目すべきである。該検知スチレン種及びSTMプローブとの接点形成に対する、該撹乱DBとの関連性は、模式的に図5に示されており、また本発明によるゲート及びソース電位は、厳密に幾何学的に関係付けられ、これらの電位は、相対的に、該ソース-ドレイン電流を切換えを実行するのに十分に、変更される。セルを横切る2つの電位が、第三の基準電位に対してバイアスされている、電気化学的な研究において馴染み深い方法を用いることによって、様々な方法論により、該ゲート-ソース電位を変えることが可能である。
半導体材料、例えばシリコンの表面上の単一の原子を、-1〜+1電子電荷なる範囲にて、制御可能に帯電させる。電荷制御原子が、ホスト格子と同一型の元素からなる場合を、以下議論する。該ホスト格子の元素とは異なる元素同一性を持つ、原子の電荷に関する、同様な制御も本発明によって達成され、また少なくとも一つのイオン化された不純物原子又は分子を含むことが理解される。
電荷の制御を行うべき該原子は、該当する元素にとって正常なものよりも少ない結合相手を持つ必要がある。例えば、通常4つの結合を分け合うシリコン原子は、3個のみの結合に制限した場合には、制御可能に帯電させることができる。この状況は、各表面原子が3つの配位結合を持つ、シリコン結晶の表面において達成される。単一の荷電性の原子は、水素原子と結合した表面シリコン原子一つ以外の、全てを結合することによって生成でき、従って全ての表面シリコン原子各々は、3つのSi-Si結合と一つのSi-H結合を分け合っている。これは、様々な手段、例えば真空中でのH原子への暴露、真空中でのH原子供与分子への暴露、及び緩衝された水性HF溶液に対する暴露によって、達成できる。走査型プローブ法、フォトン暴露法、電子暴露法又は化学的な手段等を包含する、様々な技術の何れかを用いて、不完全なH原子への暴露、又は完全にH原子で終端している表面からのH原子の選択的な除去によって、僅かに3つの結合相手を持つ、単一のシリコン原子を調製できる。
このような原子は、そのバンド内にある、空間的に局在化された電子エネルギー状態と関連している。即ち、この状態は、半導体本体の価電子帯端部よりもエネルギーにおいてより高く、一方でその伝導帯端部の底部よりも、エネルギーにおいて低い。このような状態は、変動性の帯電挙動を示すことが知られている。特定の荷電レベルは、幾つかのパラメータの関数であり、その主なものは、ギャップ状態の密度、バルク結晶のドーピング濃度、及び物理的な変移、及び外部ゲート電極に印加された相対的な静電電位である。
このようなギャップ状態は、従来の半導体デバイスに有害な作用を及ぼし、トランジスタゲートに印加すべき理想的な切換え電圧よりも、印加電圧を大きくする。従って、通常は、ギャップ状態を排除するために、極端な手段が講じられる。
本明細書において既に説明したように、ダングリングボンドとも呼ばれる、このようなギャップ状態は、単一の分子を包含する、このようなギャップ状態に隣接して配置された実在物の、緊密で、高度かつ効率的な静電的ゲート制御を達成する、新たな機会を与える。
電気的な接点の適用を通して、該接点のデバイ長さにおけるギャップ状態は、制御可能に帯電状態とすることができる。荷電レベルは、該接点に適用すべき電圧を調節することによって、-1〜+1電子電荷なる範囲にて、変更することができる。該バイアスした接点によって課せられる電位差は、該デバイ長さで与えられる特性長さにより、該接点からの距離に伴って減衰し、該荷電制御効果は、一原子又は該範囲内の原子の集合に局在化できるであろう。
接点近傍の、荷電可変性のダングリングボンドは、検知種及び該検知種に対する第二の接点と組合わせて、完全に一時的に制御可能なトランジスタを実現する。図9に示すように、該DBに近接する接点は、アースされている。典型的に、該アースされている接点は、該DBの0.5〜8nmの範囲にある。該基板は、アースに対して、電圧VGにてバイアスされている。該検知種接点は、電圧VSDにて、基板に対してバイアスされている。VGの変動は、該検知種を横切る電圧変化を伴うことなしに、該ダングリングボンドの荷電状態を変える。VGは、直接該ダングリングボンドと接続していないが、にも拘らず、これは該当する原子の荷電状態に影響を与え、該ダングリングボンドを、単原子ゲート電極として機能させ、バイアスの時間的な関数として、+1、0及び1なる群内で荷電状態を変化する。単一電子ゲート電極が得られる。検知種の空間的(立体的)に分割されたアレイ内に存在するダングリングボンドは、原子論的な多重チャンネルトランジスタを形成するものと認識される。
以下の非-限定的な実施例に関連して、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1:サンプルの調製
事実上全ての気体の排除を可能とする、超高真空チャンバー内で、サンプルを研究する。表面の調製は、酸化物上部層を除去するための、また平坦なシリコン表面を露呈させるための加熱を含む。約1%程度の欠陥が存在し、その大部分は、既知起源のものであり、吸着された水分子が主なものであり(50)、またここで説明する研究において、重要ではないことが分かっている。各表面シリコン原子は、3つのSi-Si結合に関与しており、また不十分な結合能を持つ第四の結合を有し、これはダングリングボンド又はDBと呼ばれる。一方のみが占有(中性)されている場合は、該DB状態は、ラジカルと呼ぶこともできる。この研究においては、清浄な表面を、加熱タングステンフィラメント上での、H2ガスの分解によって簡単に形成される、H原子に暴露して、該表面をH-終端状態にする。このH-末端化の際に、Si-Si結合が維持され、各表面のSi原子は、1個のH原子によってキャップされる。不完全な末端処理は、該表面に所定密度のDBを残すために利用される。あるいはまた、STMチップに関しては、単一の又は多数のH原子を随意に除去して、DBを再度生成することができる。該表面の結晶パターン、即ちこの像に広がる、対角線の列状の構造は、この特定の面におけるシリコンのバルクダイアモンド-型構造を末端処理した当然の結果である(51)。該列は、7.68Å間隔で隔置されている。該列には亜-構造があり、この像では辛うじて見ることができるに過ぎず、ダイマーと呼ばれる。該Siダイマーは、3.84Åだけ分離されている。
実施例2:ポアソン方程式の解
有限要素法(52)は、任意的なドーピングプロフィールを有し、また占有率可変の、表面ダングリングボンド状態を持つ、半導体に近い、モデルSTMチップに関するポアソン方程式を解くために利用した。この問題は、高度に非線形であり、静止モデルを使用する。このモデルにおいては、該チップへの又は該チップからの電流はないものと仮定されている。フェルミレベルEFは、該半導体全体に渡り一定であるが、電位における変化が、バンドの湾曲を生じる。1/2度のフェルミ-ディラック積分を使用して、価電子帯におけるホール及び伝導帯における電子の濃度を計算する。該イオン化されたドナー原子濃度に加えて、このものは、電荷密度ρを与える。更なる詳細に関しては、Sze(32)に見出すことができる。
該チップと該半導体の背面の接点における境界条件は、真直ぐの定電位である。半導体-真空境界は、DBの効果を扱う。DB当たりの平均の電荷は、該表面上の各点における、該フェルミレベルの位置に基いて、そのアクセプタレベルEA及びそのドナーレベルEDの占有率によって決定される。EFが、EAの上方又はその近辺にある場合、該表面は、負に帯電しており、EDの下方又はその近辺のEFに対しては、該表面は、正に帯電しており、その中間の場合には、ほぼ中性の表面を与える。
実施例3:量子力学的方法の詳細
シリコンクラスタ:シリコン原子のピラミッド状の集合を組立てて、7個のダイマーの3列で構成される2×1表面構造を持つクラスタを作成した。該表面シリコン原子は、該ダイマー間の距離が3.84Åであり、かつ該列間の距離が7.68Åとなるように、配列させた。該表面原子は、該クラスタを人為的に終端させた結果としての、該モデルのサイドにおける満たされていないシリコンの原子価が存在するように、水素で終端させた。AM1(53)法を利用して、格子位置を維持すべく制限されている表面シリコン原子を除く、全てのシリコン原子を、エネルギー的に最適化した。次いで、該クラスタのサイズを、5層のシリコン原子(全体で250個のシリコン原子)を含むように低下させ、また満たされていない原子価を、水素によって終端させた。ラジカル及びカチオン性のクラスタを、中央の列表面サイトから、水素原子一個を除去することによって生成し、更なる幾何学的な最適化は行わなかった。アニオン性のクラスタを、同様にして生成したが、該DBを持つシリコン原子は、より小さなアニオン性クラスタにおける、完全な幾何学的最適化の結果に従って、約0.4Åだけ、他の表面原子に比して、大きくシフトした。
分子を含むシリコンクラスタ:該クラスタ上のスチレンから誘導されたシリコン系の最適構造を決定するために、水素原子によって終端された、満たされていない原子価を持つシリコン原子の表面層を用いて計算を行った。この方法は、最適構造を決定する効果的な手段を与える。というのは、これら構造が、立体的な効果によって大きく制限されるからである。構造は、HCTH407 (57)/CEP-31G (40)レベル理論を利用して最適化されたが、該理論は、分子間の分散相互作用の幾分かを考慮(55)することができる。末端分子の折畳みを防止するために、該分子全てが、同等な構造を持つべく最適化する際に、抑制された。これらの計算は、最小エネルギー構造に導き、そこでは、該分子のリング部分は、該表面に対して傾斜していた。この構造は、室温において得ることのできる、2つの縮退した構造の一つである。実験条件の下で観測される構造の、より正確な表示を与えるために、これらの分子を、該リングが、該表面に対して直交するように束縛された、必要な二面角を持つように、再度最適化させた。この直交する配列は、該縮退最小エネルギー構造よりも、エネルギーにおいて約0.35eV高い。これらの分子に関する最適化された幾何学的パラメータを使用して、更なる最適化無しに、250個のシリコン原子クラスタ上に、4個の分子列を構築した。
エネルギー計算:単一点エネルギー計算を、Perdew, Burke, & Ernzerhof (PBE)(38)による、ピュアデンシティーファンクショナル(pure density functional)を利用して、全てのクラスタについて実施した。水素以外の原子全てに対して、有効コア電位(effective core potentials) (40)及びスプリット-バレンスガウシアン(split-valence Gaussian) (31G)基本セットを使用した。広範なベンチマーク計算を行って、観測された傾斜及び電荷の局在化効果が、クラスタのサイズ及び方法には無関係であることを確認した。変動する数の表面分子を含む、3個のダイマーの3列から、9個のダイマーの一列までの、サイズ範囲に及ぶクラスタは、図4に示すように、類似する傾斜効果(slope effect)特性を示す。また、6-31G*基本セットを使用して、B3LYP (56)ハイブリッドデンシティーファンクショナル(hybrid density functional)及びHartree-Fock法によって、計算を行った。これらも、定性的に図4に示した結果と一致する結果を与えた。我々は、またドーパントとしてのリン原子を、該クラスタの下部列内の格子サイトにおける、シリコン原子と置換するために使用した場合に、負電荷が、表面のダングリングボンド中に局在化されることを明らかにした。該アニオン性クラスタ中の電荷分布は、上記のようにリンドーパント原子を使用することによって、あるいは全体がシリコンからなるクラスタに電子を付加することによって、該クラスタが帯電するか否かとは無関係である。一緒に考察すると、これらのベンチマークは、ここに報告された結果が、しっかりしたものであり、また静電効果が、観測された分子ゲート制御を発生すべく機能しているという、我々の結論を支持していることを確信させる。
実施例5:「スロープ効果(slope effect)」の描写
図1(A)は、高度にn-型にドープされた(7×1019 cm-3)結晶の、H-末端処理したSi(100)表面の室温STM像である。調製に関する詳細は、実施例1に説明してある。図1(A)における白色のバーは、スチレン分子(一旦該表面に結合させたスチレンは、より正確にはエチルベンゼンとして検分される)のラインである。該分子ラインの左側端部には、単一のDBがある。該ラインの直下に見られる白色の円形の特徴は、第二のDBである。このような分子のラインは、「自己指向(self-directed)」過程に従って成長し、該過程は、秩序だった連続的様式で、自動的に分子を整列させ、ラインの端部にシリコン表面DBを配置する(21-24)。シリコン上に吸着された広範な分子の構造並びにSTM像の様相は、確立されている(24-31)。各分子は、単一の共有結合C-Si結合を介して該表面と結合している。これらの分子は、相互に共有結合していない。本発明の目的にとって、これらラインは、電位-制御した分子エネルギーレベルのシフトに関する研究のための、便利ではあるが本質的でない成分である。あるいはまた、シリコン表面において、分子を制御可能に結合し、及び配置させる他の方法を使用することも可能であった。
図1(A)に提示された像の順序及び断面を見ると、このスロープ効果、即ち該DBからの距離の増加に伴う、分子の見かけ上の高さの減少が、該DBと関連していることは明白である。該DBから最も離れた分子は、ある電圧-高さ応答を示し、該応答は、該DBによって大きく撹乱されてはいない。より高い撮像電圧において(図1(A))、これら遠位の分子は、分子が該DBに近いほど高いものと思われる。該DBに最も近い分子は、固有のオフセット電圧を経験した如く、早期に高くなるものと思われる。チップ作用関数におけるランダムな変動は、このスロープ効果のスペクトル特性にオフセットを引起すが、定性的には、この効果は、完全に再現性のものである。特定の理論には拘泥しないが、観測されたこの挙動は、静電モデルと一致する。
この効果は、分子π-結合を含むスチレン等の分子において顕著である。π-結合を含む分子は、電圧依存性像形成において、顕著な分光学的特徴を示す。約-2V(サンプル)を越えると、該分子は「ターンオン」して、STM像において実質的に大きくなる。図1に描写された、該ゲート制御された分子伝導作用の本質は、帯電したDBに起因する静電位の影響下における、分子エネルギーレベルのシフトである。π-結合含有分子によって示される、明白なオンセット挙動のために、像形成電圧、又はゲート電位における比較的小さなシフトは、分子媒介伝導に顕著な変化を生じる。
実施例6:電荷及び電場の説明;ポアソン方程式
DBの荷電状態を知るために、ドーパント濃度ばかりでなく、外部から適用した電場の効果をも知る必要がある。Feenstraは、最近、STMチップの電場-誘発バンドの、湾曲の程度を明らかにする、詳細な計算を行った(33)。これらは、ポアソン方程式を解くという半-古典的な計算であり、該計算は、エネルギー状態のシフトを説明し、また我々の特定の物質、ドーパント密度、表面状態(DB)、及び実施例2において詳述された印加電場を扱うために、解かれる。
該ドーパント密度、DBの密度及び図1の条件に対する像形成条件は、DBを負に帯電することを見出した。正のチップは、該表面における負の電荷を安定化するように作用する。該ポアソン方程式の静電処理は、電流を考慮しておらず、あるいはどのようにあるいはどんな速度で平衡に達するかを、考慮していない。低ドープの結晶における中間ギャップ状態は、事実上その周囲から分断されている。これは、実質上ソース電流又はシンク電流とはなり得ない (35)。しかし、極めて高濃度(縮退的)でn-ドープされた結晶については、幾つかの因子が、DBの、該結晶本体との効果的な接続を引起す。DBに電子を与える表面領域の厚みである、空乏長さは、極めて小さく、〜15nmである。この空乏長さは、バンドの屈曲が制限される領域を画成し、またこれは、表面状態が該結晶本体からの電流を流す、トンネルとして機能すべき、領域である。縮退的にドープした結晶において、実質的に占有された状態の密度は、該フェルミレベルの直下にある。該短い空乏長さによって提示された、低くかつ狭いバリアと組合された該電子源は、該DBから、該本体からの補給を受けるべき該STMチップまで、電子がトンネル動作することを可能とする。
図2は、比較的低度にドープされた(1016 cm-3)n-型シリコンサンプルの像を示す。スロープ効果はない。1016 cm-3なるドーパント濃度において、STMチップ電場のない条件下では、該平衡表面電荷は、2×1011電子/cm2となるものとして計算された。この実験的なDB密度が、該電荷密度の約100倍を越えて大きい場合には、平均のDB電荷は、10-2電子又はほぼ中性となる。
この計算は、典型的な占有像形成条件におけるDBの、静電的、平衡荷電状態は、平衡が維持されている場合には、負となる。しかし、1016 cm-3でドープした物質において、バルク由来の電子が、該DBに供給される通路がないので、該結果は、該DBが像形成中に、負にはならないということであり、このことはスロープのない分子ラインの観測と一致している。
実施例7:ゲート電位による化学反応の制御
該DBにおける電荷が、排除された場合には、該スロープ効果が存在しないことの、更なる証明は、図3に示されている。図3(A)には、2つの分子ラインが示されている。各ラインは、帯電したDB(該基板が、高度にn-ドーピングされているために帯電することが知られている)によって終端され、また顕著なスロープ効果を示している。図3(B)において、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)分子1個が、該DB各々に結合して、該スロープ効果の消滅をもたらしている。該ラジカル種TEMPOは、最近Si DBと結合することが示された(36、37)。該Si DB及び該TEMPOラジカルは結合して、新たな共有結合を形成する。生成する結合状態は、該シリコンのバンドギャップ(中間ギャップよりも数eV低い)を十分に外れたレベルに、2個の電子を保持する。反結合レベルは、空のままであり、またそのサイトは荷電されていない。というのは、この状態が、該CB末端の上方にあるからである。図3(C)は、該DBが、該TEMPO分子が、チップ-誘発性脱着過程を介して除去された場合に、再生することができる(37)。電荷を中間ギャップレベルに維持するその能力の再生の際に、該スロープ効果を再度獲得する。夫々TEMPOの付加及び削除による、スロープの除去及び再生は、図3(D)における高さのプロフィールにおいても明らかにされている。
実施例8:該スロープ効果の量子力学的計算
有効コア電位(40)及び原子価二重-ζ基本セットを用いた、デンシティーファンクショナル理論(38)を利用して、実施例3に記載したように、250個のシリコン原子と、4つの分子で構成される、スチレン由来の分子ラインを含むクラスタと関連する、エネルギーを計算する。これらの計算技術は、分子-シリコン結合エンタルピー及び幾何形状、吸着された分子の振動スペクトル分析、及びSTM像形成の、様々な局面を説明することができた(41、42)。このモデル化は、首尾一貫した非-経験的な方法における、帯電及びレベル-シフト効果を包含する。
図4は、異なる分子のπ-型状態由来の電荷密度が、加算された際に、該スロープ効果が如何にして導かれるかを示す(43)。図4の左側部分において、分子を中心として状態の軌道が示されている。最大エネルギーを持つ分子のπ-型状態は、該価電子帯の下方約0.7Vにおいて起り、また負のDB近傍に局在化される(紫色に着色し、また矢印で示した)。該表面電荷密度(本図の右側に示した)は、この局在化が、該スロープ効果を如何にしてもたらすかを示している。これは、該DBに最も近接する分子が、より小さな大きさの像形成電圧において、「ターンオン」されることを示す、STMの観測と一致している。段階的に低い電圧において、該分子状態は、該DBから更に遠位において局在化される傾向がある。より遠位の分子上に集中する追加の電荷密度は、殆どスロープをもたらさない。より低エネルギー分子状態は、該DBからより離れた位置で局在化され、また対応する電荷密度は、該ラインの端部近傍のより多くの分子を囲い込む。VBの1.5V下方のエネルギーウインドウにおける、該分子状態由来の分子電荷密度の総和は、図4の右下部に示されている。この密度は、該ライン中の全分子を十分に包囲し、また該スロープ効果が、本質的に排除されていることを示す。これら計算結果は、該STM実験において観測された走査電圧を増大させた際の、スロープの偶発的な均衡化と、完全に一致する。
負のDBを持ち、また分子ラインを持たない、シリコンクラスタに関する計算は、該負のDBの立体的な特徴のある尺度を与える。該DB状態は、原子価を持たないシリコン原子近傍に、高度に局在化され、また2個の電子を含む軌道が、空間的に、表面直下に存在する約3/4の成分と、sp3混成軌道の表面上方約1.5Åに集中した、約1/4成分に分配される。
該静電的に誘発されたスロープ効果は、強固なものであり、特定の分子形状の細部の関数としては殆ど変化せず、あるいは基本セットの選択によっては殆ど変化しない。事実、Cl-イオンに近接して配置された分子の、モデルラインは、同様な定性的効果を示す。古典的電荷を使用できる(静電的な相互作用を行うが、脱局在化不可能なもの)が、この場合にも同様な定性的な結果を与える。
付随的な計算を行って、個々の分子のレベルシフトを評価した。これらに対して、固有値は、該DBから1〜4格子サイトのダイマー位置において、該表面と結合した分子について計算した。これらの結果は、該分子状態が、該DBと該リング中心との間の距離の逆数の関数として、レベルシフトすることを示している。図7に示したように、π-エネルギー状態における線形の変化は、該帯電したDBから生じる電場によって、これら軌道がStark-シフトの発生を示す指標である。このことは、空間的に変動可能な静電電位が、該スロープ効果の根本であることを確認する、もう一つの証拠を与える。
実施例9:室温動作性の分子トランジスタ
STM測定において、電流は、高さに伴って指数関数的に変動し、測定された崩壊定数は、1Å-1 (44)であった。大雑把に言えば、約2Åなる観測された高さの変化は、固定されたチップの高さに対する電流変化の100-倍に相当する。トポグラフィーに代わるものとしての、分光分析法を利用して、図6(A)に示すように、分子における電流輸送特性を、該DBからの距離の関数として精査する。各IV曲線は、固定分子からDB距離までの、ソース-ドレイン電圧(VSD)による掃引を表す。図6(A)の挿入図は、該DBからの距離4及び58Åにおいて得たスペクトルの比を示す。この比は、この光-デバイスに関するオン/オフ電流コントラストを説明する。約130というピーク値は、-1.4Vなるソース-ドレイン電圧において観測される(42)。該第IVスペクトルは、該DBに対する低下する距離が、比較的容易に電流のオンセットを生じることを明らかにしている。固定されたVSDにおいて、各曲線から、ISD値を抽出することにより、図6(B)に示すように、固定されたVSDにおける、ISD対DBまでの距離の曲線を、描くことができる。最後に、分子対DBまでの距離を、計算された静電電位-距離の関係に従って、ゲート電位に変換する(46)。図6(B)は、距離及び静電電位両者対ISDのグラフを示す。最大のスロープは、0.26nA/Vなるトランスコンダクタンスに対応する。
ここで研究した分子ラインの合成挙動は、可変電位電極と共に並列された際に、あるいは点電荷に対して再配置した際に、単一分子トランジスタデバイスが、どのように作動するかを示す、真の表示である。ゲートと分子との間における絶縁体の介入も、ソース-ドレイン電流を変更するものであり、ここでも単一分子検出器の可能性を示唆している。








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本明細書に記載された、特許文献及び刊行物は、本発明が関与する、分野の当業者のレベルを示すものである。これらの文献及び刊行物は、各々の各文献及び刊行物が、具体的かつ別個に参考文献としてここに組み入れられた場合と同程度に、参考文献としてここに組み入れる。
上記の説明は、本発明の特別な態様を例証するものであるが、本発明をその実施に限定するものではない。上記の特許請求の範囲は、その等価物を含めて、本発明の範囲を規定するものである。
図1(A)は、分子ライン全体に渡るスロープ効果を示す図であり、点起源由来の静電電位を可視化している。高度にn-型にドープされたH-Si(100)のSTM像を示す。負に帯電した「ダングリングボンド」を、「DB1」及び「DB2」と標識し、ここで該顕著な白色のバーが、表面-結合分子のラインである。高いサンプルバイアス、-2.4Vにおいて、分子のπ-状態が「ターンオン」されて、分子を鮮明にし(トポグラフィー的に高められ)、また該ライン全体を通してほぼ一定の高さを持つ。図1(B)は、中間的なバイアス、-1.8Vにおいて、分子は暗くなり、該ダングリングボンドDB1からの距離の増大に伴って、次第に不鮮明となる。図1(C)は、負のDBの不在下において、全ての分子は、-1.6Vにおいて暗くなるが、該DBに最も近接する分子は、顕著なままであることが分かる。該DBに近接する分子は、負に帯電したDBの静電電位のために、より高い効果的なチップ-サンプルバイアスを被る。挿入図は、模式的なSi(100)である。図1(D)は、Vs=-2.4V、-2.2V、-2.0V、-1.8V、及び1.6Vに対する、該分子ラインに沿ってとった、断面占有状態の高さプロフィールである。DB2の効果は、該-2.0Vの断面における山部分として、特に明白である。図1(E)は、ダングリングボンドに近接するスチレン分子の根源的なラインに沿った、断面占有状態の高さに関するグラフ表示である。像及びラインの走査データは、一定のトンネル電流40pAにおいて得た。像の面積:10.6nm×10.6nm。
低ドープのn-型H-Si(100)に関する、スロープを持たないラインのSTM像を示す図である。ダングリングボンドは、矢印で示されている。これらの像形成条件下(Vs=-2.0V、80pA)で、ダングリングボンドは、中性であり、また該分子ラインに沿った大幅な高さにおける摂動は観測されない。像の面積:18nm×18nm。 -1.9V、及び50pAにおいて得られた、12nm×12nmのSTM像を示すものである。図3(A)は、矢印で示されているように、各ラインの端部に、ダングリングボンドを持つ、傾斜したスチレンラインを示す。図3(B)は、楔によって表されたように、各ダングリングボンドにおいて反応した、1個の2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)分子を示す。電荷、及び結果としてスロープは存在しない。図3(C)は、-3Vにおいて走査することにより除去された、TEMPO分子を示す。該帯電したダングリングボンドは、矢印で示したように、再生され、また該スロープが、再度出現する。図3(D)は、夫々緑色、黒色、及び赤色で示した、図3(A)-(C)の上方左角部分からの、スチレンラインの高さ占有状態のプロフィールである。
最高エネルギーの分子状態が、該負に帯電したダングリングボンド(紫色の球及び矢印で示した)近傍に局在化されていることを示す、左側における代表的な軌道であり、一方該占有された多様体におけるより深部の分子状態は、該負に帯電したダングリングボンドから更に遠位に局在化され(上部から底部)、右側には、エネルギーの関数としての、分子状態の表面電荷密度を、また上部の状態は、最もエネルギーの高い分子状態の電荷密度であり、その後の各表面は、価電子帯の上部から指定されたエネルギーまでの分子状態の電荷密度の総和を表す。これらの表面は、該スロープ効果がより低い大きさの走査バイアスにおいて現れ、またより高い大きさの走査バイアスにおいて消失する(像が平坦になる)ことを明らかにしており、これは、上記のSTM測定と一致する。明確化のために、シリコンダイマーの列は、該モデルから除外されている。 単一分子トランジスタのグラフ表示であり、シリコン基板(ソース)、ダングリングボンド(ゲート)、トンネル電極(ドレイン)、分子及びトンネルギャップ(チャンネル)を示す。該ダングリングボンド由来の静電ポテンシャルは、崩壊強度の湾曲した赤線で示されている。
図6(A)は、該負に帯電したダングリングボンドからの変動する距離における、スチレン分子の電流-電圧グラフを示す。黒色の曲線(獲得した、DBに最も近いもの)は、より効果的なサンプル-チップ(ソース-ドレイン)バイアスを示し、また該分子ラインに沿って更に離れた位置で得たカーブよりも、低いオンセット電圧及び高い全体としての電流を表す。挿入図は、該DBから4Å及び58Åの位置で測定した、ソース-ドレイン電流の比を示すものである。図6(B)は、変動するソース-ドレイン電圧に対する、ゲート電圧(ダングリングボンド電位)の関数としての、ソース-ドレイン電流のグラフを示す。〜0.26nA/Vなる最大のトランスコンダクタンスが、Vsd = 2.0Vにおいて観測される。 該ダングリングボンドまでの距離の逆数の関数としての、単一基板-結合スチレン分子における、計算されたπx状態及びπy状態の変化を表すグラフである。 電荷レセプタと結合した、代表的なドナー/ブリッジ/アクセプタ系及び本発明による撹乱可溶性実在物を、模式的に示す図である。 単一原子上の電子電荷を選択的に制御するためのデバイスを模式的に示す図である。

Claims (33)

  1. 静電的に制御された原子的な規模の導電性デバイスであって、
    局在化された電子電荷を有する撹乱種、
    該局在化された電子電荷と関連する電子導電率における変化を誘発するのに十分な距離にて、該撹乱種に近接する、電子導電率を有する検知種、及び
    該検知種を介して、該導電率を測定するエレクトロニクスを含むことを特徴とする、上記導電性デバイス。
  2. 該撹乱種が、シリコン原子から伸びたダングリングボンドである、請求項1記載のデバイス。
  3. 該距離が、0.5〜8nmの範囲にある、請求項1記載のデバイス。
  4. 該検知種を介する電子伝導を、電流電圧(IV)分光分析法により測定する、請求項1記載のデバイス。
  5. 該検知種が、単一の又は集合としての原子又は分子である、請求項1記載のデバイス。
  6. 該単一の又は該集合としての原子又は分子が、固体表面上での滞留状態、固体本体中、液相中、ゲル中、気相中、溶液中、又は懸濁液中からなる群から選択される状態にある、請求項5記載のデバイス。
  7. 該導電率を測定するエレクトロニクスが、固体又はゼラチン状の基板上にパターン化された、電気的接点を含む、請求項1記載のデバイス。
  8. 該検知種に対する電気伝導が、少なくとも、該検知種に対して結合した又は物理的に収着された一原子又は分子接触種を含む、請求項7記載のデバイス。
  9. 該局在化された電子電荷と関連する、該検知種の電子導電率における該変化の際に、該接触種が、物理的又は化学的状態を変化する、請求項8記載のデバイス。
  10. 該検知種を介する、該伝導を測定するエレクトロニクスが、電子伝達錯体を媒介としたブリッジを含む、請求項1記載のデバイス。
  11. 該攪乱種が、単一の又は複数の原子又は分子からなる群から選択される、請求項1記載のデバイス。
  12. 該攪乱種が、固体表面又は固体本体内に広がる、単一の又は複数のイオン化された不純物原子又は分子である、請求項11記載のデバイス。
  13. 該攪乱種が、点欠陥、間隙、空孔、ドーパント、ドメイン、及び結晶粒界からなる群から選択される、少なくとも1種の半導体結晶欠陥である、請求項1記載のデバイス。
  14. 該攪乱種が、H:Si (100)表面上の負に帯電したダングリングボンドである、請求項1記載のデバイス。
  15. 該エレクトロニクスが、トランジスタの電子導電率における変化に応答するスイッチ特性を有する、請求項1記載のデバイス。
  16. 該導電率を、室温にて測定する、請求項1記載のデバイス。
  17. 該導電率が、温度依存性を有し、また該デバイスが、温度計として動作する、請求項16記載のデバイス。
  18. 更に、該検知種に近接する化学種をも含み、かつ該化学種の存在及び/又はその濃度と相関関係を持つ、化学種示差電子導電率を誘発する、請求項1記載のデバイス。
  19. 更に、該電子導電率における差動入力を誘発する、エネルギー入力部を含み、ここで該入力部は、光イオン化、機械的振動、磁場、及び粒子衝撃からなる群から選択される、請求項1記載のデバイス。
  20. 該検知種が、立体的に分割されたアレイを画成する、複数の検知種を含む、請求項1記載のデバイス。
  21. 該攪乱種が、立体的に分割されたアレイを画成する、複数の攪乱種を含む、請求項1記載のデバイス。
  22. 原子的な規模の、一時的に制御されたトランジスタであって、
    アースに対する、基板電位にバイアスされた基板;
    基板原子から伸びた、かつ一群の帯電状態中の、一帯電状態を持つ、ダングリングボンド;
    該ダングリングボンドに近接する、局在化された電子電荷内の、アースされた電気的接点;
    該ダングリングボンドに近接する、電子導電率を有する検知種;及び
    該基板に関してバイアスされて、該基板電位が、該基板原子の帯電状態に対して、一電子だけ変性され、かつ依然として該一群の帯電状態にある、検知種接点、を含むことを特徴とする、上記トランジスタ。
  23. 該アースされた電気接点の距離が、0.5〜8nmなる範囲にある、請求項22記載のトランジスタ。
  24. 該検知種が、単一の又は集合としての原子又は分子である、請求項22記載のトランジスタ。
  25. 該単一の又は該集合としての原子又は分子が、該基板上に存在する、請求項22記載のトランジスタ。
  26. 該ダングリングボンドが、+1、0及び1なる群の帯電状態を持つ、シリコン原子上にある、請求項22記載のトランジスタ。
  27. 該検知種が、立体的に分割されたアレイを画成する、複数の検知種を含む、請求項22記載のトランジスタ。
  28. 静電的に制御された原子的規模の、導電性デバイスの動作方法であって、
    局在化された電子電荷を持つ、攪乱種又は分子種を帯電させて、静電場を誘起する工程;及び
    電子導電率を、該静電場に近接する、検知原子又は分子を介して追跡する工程、を含むことを特徴とする、上記動作方法。
  29. 該検知種を介する電子導電率が、該攪乱種と該検知種との間の距離が増大するにつれて、減少する、請求項28記載の方法。
  30. 該検知種が、芳香族部分を持つ、請求項28記載の方法。
  31. 該攪乱種が、固体表面から伸びたダングリングボンドである、請求項28記載の方法。
  32. 該表面が、H:Si (100)である、請求項31記載の方法。
  33. 該検知種が、立体的に整列された複数の分子を含む、請求項31記載の方法。
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