JP2005342661A - 物質移動装置及び物質移動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体中の任意の対象物質を特異的に捕捉する機能を有する粒子を分離部に導入する前に混合し、前記粒子と検体の特異的な複合体を形成させ、前記複合粒子を分離素子の流路中を一定の流速で搬送すると同時に電場、磁場、遠心力等の外部力場を印加する事で、複数の異なる物質を物理化学的特性に従い選択的かつ効率的に分離・定量する事ができる分離素子及び分離・検出方法を提供する。
【解決手段】対象となる物質を含む流体を搬送するための流路14と、前記流路中で前記流体を一定の流速で搬送するための搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与するための付与手段10、13とを備え、前記付与手段から付与される、異なる種類の力の合力により、前記物質が前記物質の種類に応じた位置に移動することを特徴とする物質移動装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、対象となる物質を含む流体中の物質を移動することにより分離・検出するための物質移動装置及び物質移動方法に関する。
これまで、検体中の複数の異なる物質を分離・検出するために、一般的にはクロマトグラフィー法や電気泳動法が利用されている。前者は、担体である固定相と移動相中の目的成分の相互作用により他の成分と分離させる方法である。また、後者は、物質の荷電状態および分子サイズに基づいて分離する方法である。
特異性を向上させるため、免疫電気泳動法のように抗原抗体反応と組み合せて用いる手法もあるが、成分分析に適した方法であって、大量の試料を分離精製することはできないという問題がある。
特開昭63−184050号公報、特許登録3029364号、米国特許4708752に記載される上記手法を組み合せ、一方の操作により分取した試料をさらにもう一方の操作により分離を行うこともなされている。
また、特許登録3275504号や特開平8−131190号公報のように酵素反応リアクターと組み合せ酵素反応による生成物を利用して複数成分の検出を行う技術もある。
特開昭63−184050号公報 特許登録 第3029364号公報 米国特許 4708752 特許登録 第3275504号公報 特開平8−131190号公報
しかしながら、これらの従来技術によると、実際の測定サンプル(例えば、血液)に含まれる複数の物質の同時処理に際しては、分子認識のような化学的な性質、荷電状態や分子量のような物理的な性質を同時に利用した高選択的な分離・定量を行うことが困難な場合がある。また、酵素法の場合は、検体の選択の自由度が低くなってしまう場合がある。
本発明は、このような背景技術に鑑みてなされたものであり、分離部に導入する前に、検体中の任意の対象物質を特異的に捕捉する機能を有する粒子と混合し、前記粒子と検体の特異的な複合体を形成せしめ、前記複合粒子を分離素子の流路中を一定の流速で搬送すると同時に電場、磁場、遠心力等の外部力場を印加することで、複数の異なる物質を物理化学的特性に従い選択的かつ効率的に分離・定量することができる分離素子及び分離・検出方法を提供することにある。
本発明は、対象となる物質を含む流体を搬送するための流路と、前記流路中で前記流体を一定の流速で搬送するための搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与するための付与手段とを備え、前記付与手段から付与される、異なる種類の力の合力により、前記物質が前記物質の種類に応じた位置に移動することを特徴とする物質移動装置に関する。
更に本発明は、対象となる物質を含む流体を一定の流速で同一方向に搬送する工程と、前記搬送工程において搬送される前記流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与する工程とを有し、前記付与工程において付与される、異なる種類の力の合力により、前記物質が前記物質の種類に応じた位置に移動することを特徴とする物質移動方法に関する。
本発明は、対象となる物質を含む流体中の物質を物理化学的特性に従い選択的かつ効率的に分離・定量することができる物質移動装置及び物質移動方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明における物質移動装置では、物質が移動する距離は、物質の物性に応じて異なる。複数の物質は、物質の物性に応じ、流速、重力場、電場または磁場等の複数の力場の作用により移動される。
更に本実施形態における移動した物質の位置情報を取得するための情報取得手段は、移動された物質の移動状態を検出することを特徴としている。
本実施の形態の流体中の対象物質は、粒子状の基体上に特異的に捕捉されている。基体は、物質を捕捉するための捕捉体を表面に担持し、検体を分離部に導入される前に、基体と検体とを接触させる手段を更に有していることが好ましく、基体が磁性粒子であることがより好ましい。
また、合力は、(1)少なくとも流体が搬送されるときの流速と、(2)電場、磁場及び重力場から選ばれた少なくとも1以上の合力であることが好ましく、情報取得手段としては、電界効果トランジスタであることが好ましい。
本発明の物質移動装置を、図面を用いてより詳細に説明する。
本発明の物質移動装置の一般的な構成は、図1や図2に代表されるようなマイクロ流体チップ型であることが好ましいが、マイクロ流体チップ型以外であってもよいことは言うまでもない。搬送手段により搬送される流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与するための付与手段としては、図4においては、磁界発生部と電界発生部とを備えている。
以下、図1および図2に代表される本実施形態の物質移動装置の構成を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、物質移動装置を説明するための概略図である。
図1の物質移動装置は、基材1となる基板上に流路4と流路4に搬送液を導入する搬送液インレット2と検体を流路4に導入する検体インレット1と流路4から検体と搬送液とを排出するアウトレット5とが形成されている。
図2は、図1の拡大概略図である。流路8の上流側の端部が搬送液インレット7となり流路8の下流側の端部がアウトレット9となり、流路8の上流部に検体を流路8に導入するための導入口が設けられている。検体は検体インレットから導入され導入口から流路8に導入される。導入口は流路8の検出部の形成されている面に接しないように形成することが好ましい。図中の点線は、検体インレット6、搬送液インレット7およびアウトレット9の仮想の境界を示す線である。
検体中の複数の異なる物質は導入口から流路8に導入され、アウトレット9から排出されるまでの間で分離される。
図3は、本発明の複合粒子を説明するための図である。
検体中の物質(検出対象物質)17を特異的に補足する機能を有する粒子(基体)18は、例えば磁性粒子15の表面に抗体16が形成されたものである。複合粒子11は、検出対象物質17を特異的に補足する機能を有する粒子18を、検出対象物質17を含んだ検体と接触させることで検出対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子18上に検出対象物質17が固定されている。
図4は、物質移動装置の分離部/検出部の構成と動作とを説明する概略図である。
図4に示すように、分離部/検出部は、流路14と搬送液を搬送する搬送手段(図示せず)と、流路14の上流部で複合粒子11を導入する導入部と流路14の底面に検出部が形成されている。更に、検出部12には電界発生部10および磁界発生部13が形成されている。検出部12を含む領域が分離部となる。
図4では、電界発生部10および磁界発生部13は、発生した磁界および電界が、検出部に垂直になるよう配置されている。
電界発生部10の構成は、流路14を介して対向する位置に上部電極と下部電極を設ければよく、電界は、上部電極と下部電極の間に電位差のある電位を印加することで形成することができる。磁場は、永久磁石または電磁石により発生することができる。
図4の構成では、電界発生部10及び磁界発生部13で、搬送液の流れの方向と垂直の向きの電界と磁界とを発生させ、導入部より下流に設置された分離部で検出対象物質17(図3参照)を分離し、検出部12では、分離された複合粒子11を用いて検出対象物質17の検出を位置情報を含んで行っている。また、検出された情報を物質の量を検知するための検知手段(図示せず)が検出手段12に接続され、検知手段は、例えば検出部12からの情報の大きさに基づき、対象物質の量を産出するためのプログラムを格納したコンピュータである。
次に、図4の物質移動装置の分離部/検出部の動作を説明する。
流路14の搬送液インレット(図示せず)から搬送液を流入させ、流路14の上流から複合粒子11を流路14に導入し、搬送液を例えばシリンジポンプのような搬送手段(図示せず)により一定の流速で流路中を流れるようにすることで、複合粒子11を分離部に一定の流速で搬送する。分離部に搬送された複合粒子11は、磁性粒子15を含むので磁界発生部13で発生された磁界と重力とにより検出部12に引き寄せられる。
複合粒子11は、検出対象物質17(図3参照)が表面に固定されている。
検出対象物質17は、検出対象物質17の分子量、磁性粒子との結合量、荷電状態により磁界と電界と搬送液の流速により検出部12に分離された状態で固定される。特に、検出対象物質17が荷電しているので荷電状態により電場により印加されるローレンツ力の大きさおよび方向が異なるため検出部12への移動速度が変り、搬送液の流速が一定であれば、移動速度の速い検出対象物質17が検出部12の上流側に磁場により固定され、移動速度の遅い検出対象物質17が検出部12の下流側に磁場により固定される。
移動速度の差により検出対象物質17を分離するために、図4の構成の場合、検出対象物質を流路14に導入する導入口は、検出部12が形成されている面と異なる壁面に形成する必要がある。
磁界により印加される力の向きを逆方向にした場合、検出部を底面と対向する面に設けることで同様の効果が得られることはいうまでもなく、この場合、導入口は底面に近い位置から導入することが好ましい。
図4では水平な流路を用いているが、垂直な流路を形成し電界を流路に平行に印加し、磁場を水平に印加することでも目的を達成することができる。
(1)少なくとも流体が搬送されるときの流速と(2)電界・磁界等の複数の力から選ばれた1以上の力とを適宜選択したときの合力により物質を物質の種類に応じた位置に移動させることができる。複数の物質の比重に差異があれば浮力も力場として使用することができる。複数の物質の各々の物性と選択された力場との作用により複数の物質を分離することができる。
図4の構成の場合、複数の物質に電場を作用させると、物質の電荷に違いがある複数の物質は、印加された電場により物質毎に異なった向き、あるいは大きさの力が作用する。この結果、導入口から流路に導入された複数の物体は、導入口から検出部までの到達する時間が異なり、一定の流速で物質を移動させることで同じ物性の物質毎に検出部への着弾点が異なることになる。この結果複数の物質を分離することができる。
検体インレット6から検体を導入する前に、図3に示すように、検出対象物質を含む検体と対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子18とを反応させ、複合粒子11を形成させておく。
この際、例えば、ヒトAFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体とヒトBFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体をそれぞれ別の磁性粒子に固定化した磁性粒子と検体溶液を約30分間混合し、検出対象のタンパク質との複合粒子11を形成することができる。
図4の構成の場合、複合粒子11は、図5(A)、(B)の模式図に示すように、磁性粒子は磁場から受ける力で流路の下面に移動する力が印加され、溶液が中性条件付近では、前述のヒトAFPはマイナス、ヒトBFPはプラスに帯電しているので、それぞれ電界により正反対の方向への力がかかり、複合粒子11の検出部への着弾点に大きな差異をもたらす。
上述の現象を利用して、複合粒子11を形成している検出対象物質の分離及び結合量等の情報を得ることができる。
磁性粒子を用いる場合、磁場から磁性粒子が上方に移動するような力を加えることもできる。
検出部12は、流路中にライン状に設置され、検出対象の複合粒子11が検出部に到達したことをモニターすることで、着弾点の位置情報として検出する。即ち、検体導入部より下流で検出される複合体ほど、移動速度(垂直方向の移動度)が遅くなっていることになる。
検出対象物質としては、生体物質(タンパク質、核酸、糖鎖)やアレルゲン、バクテリア、ウイルス等の抗体により特異的に認識され、磁性粒子との複合体を形成するものを対象とすることが好ましい。
タンパク質の場合、個々のタンパク質が溶解している溶液のpHにより等電点を境界にして荷電状態がプラスにもマイナスにもなるので、分離に適したpHを設定することができる。
検出対象物質が固定されていない、対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子18と図5(A)の電場から受ける力が上向きの複合粒子11とを混在させて図4の検出素子に導入すると、図5(A)の対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子18に検出物質が固定された結合状態(Bound)の複合粒子11は、電場から上向きの力を受けるので、検出対象物質が固定されていない、対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子18(以下、フリー状態(Free)粒子と称す)よりも検出部の下流に着弾する(図6(a)参照)。
次に、結合粒子の電荷が逆の電荷になるように溶液のpHを変えると、結合状態の複合粒子11は電場からを受ける力が下向きになる。この結果、フリー状態の粒子の着弾点は変らないが結合状態の複合粒子11の検出位置がフリー状態の粒子の検出位置よりも検出部の上流の位置に着弾する(図6(b)参照)。
溶液の液性が変ると測定される図6に代表される検出波形は変化するが、例えば、磁界・電界・溶液のpHを一定にして、各抗体の複合粒子11の着弾点を計測しモデル化し、波形解析から検出対象物質の結合量に関する情報を得ることができる。
1例として、図5(a)、(b)の電場により上向きの力を受ける複合粒子と電場により上向きの力を受ける複合粒子とが混在した場合、図8に示す検出波形が得られる。図8の第1のピークは検出対象物質に電場が印加されると下向きの力が印加される複合粒子によるピークで、第2のピークは検出対象物質が固定されていないフリー状態粒子によるピークで、第3のピークは検出対象物質に電場が印加されると上向きの力が印加される複合粒子によるピークである。図6と同じ、流速、電場、磁場が印加される場合、フリー状態粒子の位置は図6とほぼ同一の位置になる。
検出部12は、電界効果トランジスタ(FET)や光検出器、磁気検出器等が利用できる。
電界効果トランジスタを用いた場合、例えば、図9(a)、(b)に示すように、複数の電界効果トランジスタ(以下、FETと略す)を検出部に形成し、各FETに一定のゲート電圧とソース・ドレイン電圧とを印加し、各FETのソース・ドレイン電流をモニターする。FET上に堆積した物質の量によりソース・ドレイン電流が変動するので、検出をリアルタイムに行うこともできる。
FETは検出部に、図9(a)に示すように、ゲート幅方向が流路の流れ方向に延在するようにFETを形成するか、図9(b)に示すようにゲート幅方向を流路の流れと直行するように形成することができる。尚、図9(a)はFETを1列作った例を示しているが複数列設けても良いことはいうまでもない。
これに対し、分離処理後に磁界によって検出部12表面に捕捉された複合粒子11を光検出器を用いて検出することも可能である。光により検出する場合は、検出部に光を集光して照射し、物質が発する蛍光等を照射した位置毎にCCDラインセンサやCCDアレイ等で観測することで検出を行うことができる。
磁気検出器を用いる場合は、磁気抵抗効果を有する磁気検出素子を検出部にライン状あるいはアレイ状に複数配置し、検出部に設けたコイル(流路を覆うように設ければ良い)に電流を印加し、複合粒子11から生じる浮遊磁界を各磁気素子のデータとして取得することで実現できることはいうまでもない。
検出対象物質を特異的に認識する2次抗体を利用した場合、酵素標識抗体との組み合せによる電極による検出、蛍光標識抗体、化学発光標識抗体との組み合せによる光検出が可能である。特に標識2次抗体を利用しない場合は、FETや磁気抵抗効果による磁気検出が可能である。
酵素標識には、例えば、グルコース酸化酵素、コリン酸化酵素、ラクトース酸化酵素などが挙げられる。化学発光標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼが挙げられる。
本発明の分離素子及び分離・検出方法により、検出対象物質をその物理化学的な性質に従って選択的に分離することができるため、多項目の検出対象の分離・定量や粒子上で複合体を形成した検出対象物質の結合量を分離・定量することができる。また、検体を同時に処理できるため、処理時間が短縮される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<第1の実施例>
図1は、本発明の第1の実施例の物質移動装置を説明するための概略図である。
図1の物質移動装置の構成は、基材1となる基板上に流路4と流路4に搬送液を導入する搬送液インレット2と検体を流路4に導入する検体インレット1と流路4から検体と搬送液とを排出するアウトレット5とが形成されている。
次に、図1の物質移動装置の製造方法を説明する。
本実施例では、基板としてガラス基板を用い、ガラス基板上にレーザーにより幅100μm、深さ50μmの流路4を形成する。搬送液と検体とを流路4に導入する搬送液インレット2と検体インレット1の2つのインレットからの送液は、シリンジポンプなどにより行う。
分離に用いる磁性粒子として、市販の超常磁性粒子表面をプロテインAによりコートされたMicromod社(ドイツ)製のmicromer−Mを用いた。プロテインAとIgG抗体のFc領域は特異的に結合するため、任意の抗体の固定化を行うことができる。測定対象とする検体として、ヒトαフェトプロテイン(AFP)及びヒト塩基性フェトプロテイン(BFP)をリン酸緩衝生理食塩水に溶解したものを用いる。
ヒトAFPは、等電点4.9の酸性糖タンパク質、ヒトBFPは、等電点8.5〜9.2の塩基性タンパク質である。ヒトAFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体とヒトBFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体をそれぞれ別の磁性粒子に固定化する。ヒトAFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体とヒトBFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体をそれぞれ別の磁性粒子に固定化した磁性粒子と検体溶液を約30分間混合し、検出対象のタンパク質との複合粒子11を形成する。この時、必要に応じて、非特異的に吸着したタンパク質をTween20などの界面活性剤処理にて除去してもよい。
検出部は、流路内に図7のように、基材22となるガラス基板上に通常の低温ポリシリコン法あるいは高温ポリシリコン法を用いて電界効果トランジスタ21をアレイ状に形成し、電界効果トランジスタ21上に電界効果トランジスタ21の保護膜となるパッシベーション膜24を形成し保護する。パッシベーション膜24は通常のCVD法により形成された酸化膜を用いるが窒化膜等の絶縁膜であれば特に問題はない。
分離・検出処理は、前述の複合粒子11を検体インレット1より導入し、搬送液インレット2から導入したリン酸緩衝生理食塩水を搬送液として、検体を分離部に送液する。搬送液としては、他にTris−塩酸緩衝液やホウ酸緩衝液など検体と反応性のない溶液であれば問題ない。分離部に後述の外部の電界発生部10(図4参照)と磁界発生部13(図4参照)から電界と磁界を印加し、ヒトAFP及びヒトBFPをそれぞれの成分に分離、検出を行う。
電界と磁界とを検出面方向に垂直に印加する。電界と磁界とを検出面方向に垂直に印加すると、中性条件付近では、ヒトAFPはマイナス、ヒトBFPはプラスに帯電しているので、それぞれ電界により正反対の方向への力がかかり、複合粒子11の検出部への着弾点に大きな差異をもたらす。この時、複合粒子11へのヒトAFPおよびヒトBFPの結合量により電界から受ける力の大きさが変わることは言うまでもない。
結果として、検出部12である電界効果トランジスタアレイ21表面で捕捉されるまでの搬送時間が変化し、着弾点の位置の差として検出されることになる。移動度の小さいものは、導入部より離れた位置に於いて検出される。各トランジスタの出力と検出位置の関係から検出対象物質の分離・同定及び複合体を形成している検出対象物質の定量を波形解析から行うことができる。方法は、既知の濃度の検体の波形から得られるピーク強度やピーク面積等により検量線を予め作成し、作成した検量線と測定した波形との比較から算出すればよい。
本発明の物質移動装置の構造の一例を示す概略図である。 図1の概略図の検体導入部を示す詳細図である。 本発明の磁性粒子の構成を示す概略図である。 本発明の分離部の構成を示す概略図である。 本発明の分離原理を示す模式図である。 本発明の検出信号例を示す概略図である。 実施例1の分離・検出部を示す概略図である。 本発明の検出信号例を示す概略図である。 検出部でのFETの配置の概略図である。
符号の説明
1 検体インレット
2 搬送液インレット
3 基材
4 流路
5 アウトレット
6 検体インレット
7 搬送液インレット
8 流路
9 アウトレット
10 電界発生部
11 複合粒子
12 検出部
13 磁界発生部
14 流路
15 磁性粒子
16 抗体
17 検出対象物質
18 対象物質を特異的に補足する機能を有する粒子
19 ゲート電極/配線
20 ソース・ドレイン電極/配線
21 電界効果トランジスタ
22 基材
23 流路
24 パッシベーション膜

Claims (10)

  1. 対象となる物質を含む流体を搬送するための流路と、
    前記流路中で前記流体を一定の流速で搬送するための搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される前記流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与するための付与手段とを備え、
    前記付与手段から付与される、異なる種類の力の合力により、前記物質が前記物質の種類に応じた位置に移動することを特徴とする物質移動装置。
  2. 前記移動した物質の位置情報を取得するための情報取得手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の物質移動装置。
  3. 前記情報取得手段が、電界効果トラジスタであることを特徴とする請求項2記載の物質移動装置。
  4. 前記情報取得手段から得られる情報の大きさに基づき、前記物質の量を検知するための手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物質移動装置。
  5. 前記物質が移動する距離は、前記物質の物性に応じて異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物質移動装置。
  6. 前記合力は、
    (1)少なくとも前記流体が搬送されるときの流速と、
    (2)重力、電力及び磁力から選ばれる少なくとも1つとの合力であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の物質移動装置。
  7. 前記物質を特異的に捕捉するための捕捉体が基体上に担持されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の物質移動装置。
  8. 前記検体を前記流路に導入する前に、前記基体と前記検体とを接触させるための手段を更に有することを特徴とする請求項7記載の物質移動装置。
  9. 前記基体が、磁性粒子であることを特徴とする請求項7または8記載の物質移動装置。
  10. 対象となる物質を含む流体を一定の流速で同一方向に搬送する工程と、
    前記搬送工程において搬送される前記流体中の物質に対して異なる種類の力を同時に付与する工程とを有し、
    前記付与工程において付与される、異なる種類の力の合力により、前記物質が前記物質の種類に応じた位置に移動することを特徴とする物質移動方法。
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