JP2002195997A - 核酸検出用センサ - Google Patents

核酸検出用センサ

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JP2002195997A
JP2002195997A JP2001299134A JP2001299134A JP2002195997A JP 2002195997 A JP2002195997 A JP 2002195997A JP 2001299134 A JP2001299134 A JP 2001299134A JP 2001299134 A JP2001299134 A JP 2001299134A JP 2002195997 A JP2002195997 A JP 2002195997A
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acid chain
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electrodes
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JP2001299134A
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Koji Hashimoto
幸二 橋本
Hirohisa Miyamoto
浩久 宮本
Kazuhiro Henmi
和弘 逸見
Kohei Suzuki
公平 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、多種類の核酸を高速、且つ高精度
に検出することができる核酸検出用センサを提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】本発明は、プローブ核酸鎖が固定化された
平坦面を有する複数の核酸鎖固定化電極(1402)
と、前記核酸鎖固定化電極の平坦面と対向する平坦面を
有し、前記核酸鎖固定化電極の平坦面との間に被験液
(1406)の流路が形成されるよう配置され、前記核
酸鎖固定化電極との間に電流を流すための対極(140
5)と、を備えことを特徴とする核酸検出用センサであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験液中のターゲ
ット核酸鎖が特定の塩基配列を有するか否かを電気化学
的に検出する核酸検出用センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、核酸検出用センサとして核酸鎖固
定化アレイ(DNAアレイ)による遺伝子検査技術が注
目を集めている(「Beattie et al. 1
993, Fodor et al. 1991, K
hrapko et al.1989, Southe
rn et al. 1994」参照)。
【0003】DNAアレイとは、101〜105種類の配
列が異なるDNAを固定化した、数cm角の硝子やシリコ
ンのアレイを指す。アレイ上で蛍光色素や放射線同位元
素(RI)等で標識した被験液遺伝子とを反応させる
か、あるいは未標識の被験液遺伝子と標識オリゴヌクレ
オチドの混合物をサンドイッチハイブリダイゼーション
で反応させる。被験液中にアレイ上のDNAと相補的な配
列が存在すると、アレイ上の特定部位で標識に由来する
信号(蛍光強度、RI強度)が得られる。固定化してお
いたDNAの配列と位置があらかじめ分っていれば、被験
液遺伝子中に存在する塩基配列を簡単に調べることがで
きる。DNAアレイは、微量サンプルで塩基配列に関す
る多くの情報が得られることから、遺伝子検出技術に止
まらずシーケンス技術としても大いに期待されている
(「Pease et al. 1994, Pari
nov et al. 1996」参照)。
【0004】核酸検出用センサ結合した核酸を検出する
手法として、蛍光検出法やRI強度検出法や電気化学的
検出法等がある。この中で、電気化学的手法はサンプル
遺伝子の標識や複雑なシステムが不要である。従って、
システムの小型化が期待できる。これに加えて、電極を
用いているので電気的な反応制御も容易に行うことが可
能であるという利点を有する。
【0005】とりわけ、電気化学的手法を用いた核酸検
出用センサの中でも、種類の異なるプローブ核酸鎖が固
定された電極がX−Yマトリックス状に複数配置された
DNAアレイを構成するセンサは、多種類の核酸を僅か
な時間で検出できる極めて有用な技術として期待されて
いる。しかし、このセンサは、多数の核酸鎖固定化電極
に等しく電圧を印加しなければならない。従って、この
センサは、回路構成が複雑であり、応答速度や精度が十
分でない等の問題点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多種類の核
酸を高速、且つ高精度に検出することができる核酸検出
用センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の核酸
検出用センサは、プローブ核酸鎖が固定化された平坦面
を有する複数の核酸鎖固定化電極と、前記核酸鎖固定化
電極の平坦面と対向する平坦面を有し、前記核酸鎖固定
化電極の平坦面との間に被験液の流路が形成されるよう
配置され、前記核酸鎖固定化電極との間に電流を流すた
めの対極と、を備えことを特徴とする核酸検出用センサ
である。
【0008】核酸鎖固定化電極と対極とを対向配置した
ので、低減した量の被験液で高精度の測定を迅速に行な
うことができる。
【0009】本発明に係る第2の核酸検出用センサは、
プローブ核酸鎖が固定化された複数の核酸鎖固定化電極
と、前記核酸鎖固定化電極との間に電流を流すための対
極と、前記核酸鎖固定化電極毎に1以上設けられ、前記
核酸鎖固定化電極と前記対極間の電圧を一定にするため
の参照電極と、を備えたことを特徴とする核酸検出用セ
ンサである。
【0010】各核酸鎖固定化電極に参照電極が配置され
ているので、測定感度が向上する。
【0011】本発明に係る第3の核酸検出用センサは、
プローブ核酸鎖が固定化され、マトリックス状に配置さ
れた複数の核酸鎖固定化電極と、前記核酸鎖固定化電極
との間に電流を流すための対極と、前記複数の核酸鎖固
定化電極を順次選択する複数の走査線と、前記複数の核
酸鎖固定化電極からの測定信号を伝送する複数の信号線
と、前記複数の信号線に接続された複数のスイッチング
素子と、前記複数のスイッチング素子に接続されたA/
D変換器と、を備えたことを特徴とする核酸検出用セン
サである。
【0012】スイッチング素子により、信号の出力線を
共有化したので、1つのA/D変換器を用意すればよい
ので、構成が簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る核酸検
出用センサは、下記の各構成を備えたことを特徴とす
る。
【0014】(1) 核酸鎖固定化電極と対極とを対向
して配置したこと。
【0015】(2) 参照電極を核酸鎖固定化電極毎に
配置したこと。
【0016】(3) スイッチング素子により、信号の
出力線を共有化したこと。
【0017】本明細書において、「核酸検出用セル」
は、複数の核酸鎖固定化電極が配設された本発明の核酸
検出用センサにおいて、1対の核酸鎖固定化電極と対極
を備える単位区画(単位セル)を意味する。
【0018】核酸鎖固定化電極には、被験液中のターゲ
ット核酸鎖をハイブリダイズするようにプローブ核酸鎖
が固定化されている。核酸鎖固定化電極は、本発明の核
酸検出用センサにおいて、作用電極として機能する。な
お、「プローブ核酸鎖」とは、核酸鎖固定化電極に固定
化(結合化)された核酸鎖を指す。また、「ターゲット
核酸鎖」は、前記プローブ核酸鎖に対して相補的な塩基
配列を有し、前記プローブ核酸鎖とハイブリダイゼーシ
ョン反応する核酸鎖であって、被験液中に含まれる核酸
鎖を意味する。
【0019】また、対極は、核酸鎖固定化電極との間に
電流を流すための補助電極として機能する。さらに本発
明の核酸検出用センサの核酸検出用セルの測定方式は、
前記核酸鎖固定化電極と、前記対極とを使用し、前記核
酸鎖固定化電極と、前記対極とのとの間に任意の電圧を
印加し、両電極間に生じる電気化学的変化を検出する二
電極方式であっても良いし、前記二電極方式の核酸鎖固
定化電極又は対極にさらに参照電極をつなぐ三電極方式
の電気化学的測定であっても良い。二電極方式では対極
に電流が流れるため対極の電位を決めている電極/界面
でのキャリアの濃度が変化し、基準となる電位自体が変
化してしまうという欠点がある。一方、三電極方式にお
いては、電流は核酸鎖固定化電極と対極間に流れ、核酸
鎖固定化電極と参照電極の間、対極と参照電極との間は
ほとんど電流が流れず、また参照電極に対し所望の電位
がかかるように核酸鎖固定化電極と対極との間に電圧が
印加されるので、基準となる電位(参照電極の電位)が
変動しない。
【0020】本発明の核酸検出用センサによってターゲ
ット核酸鎖又はプローブ核酸鎖についての知見は次のよ
うに得られる。核酸鎖を含む被験液の存在下で、前記核
酸検出用セル内の核酸鎖固定化電極と対極との間に電圧
を印加する。ターゲット核酸鎖とプローブ核酸鎖との間
にハイブリダイゼーションを生じさせた後に、電極間に
生じる電気化学的な変化を検知する。ターゲット核酸鎖
がプローブ核酸とハイブリダイズすれば、電極間に電気
化学的な変化が生じる。従って、当該変化を検知すれ
ば、プローブ核酸鎖又はターゲット核酸鎖が、特定の塩
基配列を有するか否かを検出することができる。前述し
たハイブリダイズにより電極間に生じる電気化学的変化
は、被験液中に二本鎖認識体を添加し、その二本鎖認識
体の化学的変化に由来する電流変化であることがのぞま
しい。これにより測定を簡易且つ精度良く行うことがで
きる。
【0021】核酸鎖固定化電極に固定化させるプローブ
核酸鎖として、既知の塩基配列を有する核酸鎖を用い
る。被験液中に前記プローブ核酸鎖とハイブリダイゼー
ション反応するターゲット核酸鎖が存在するか否かを検
知してもよい。また、核酸鎖固定化電極に固定化させる
プローブ核酸鎖として未知の塩基配列を有する核酸鎖を
用いる。そして、被検液中に既知の塩基配列を有する核
酸鎖を含有させて、被検液中に前記プローブ核酸鎖とハ
イブリダイゼーション反応するターゲット核酸鎖が存在
するか否かを検知する。このようにして、前記未知の塩
基配列を有するプローブ核酸鎖の配列に対する知見を得
てもよい。
【0022】典型的には、複数の核酸鎖固定化電極の各
々には異なる種類のプローブ核酸鎖が固定化されてい
る。各セル毎に異なった検体を供給して一度に数検体の
検査を行うために、同じ種類のプローブ核酸鎖を固定化
してもよい。
【0023】各核酸検出用セルに、核酸鎖固定化電極が
1個ずつ配設されているので、ターゲット核酸鎖が何れ
の核酸検出用セルにハイブリダイズしたかを調べること
によって、ターゲット核酸鎖又はプローブ核酸鎖の配列
についての知見が得られる。それ故、各核酸検出用セル
は独立して動作するように、各セルの各核酸鎖固定化電
極毎に電気信号を印加するためのスイッチング回路、デ
コーダ回路、又はタイミング回路と、各核酸鎖鎖固定化
電極からの電気信号を出力する回路と、各核酸鎖固定化
電極からの電気信号を外部に出力する為のスイッチング
回路を配置することが望ましい。
【0024】各セルの各核酸鎖固定化電極毎に電気信号
を印加するための前記スイッチング回路等の回路には複
数の走査線が接続されている。走査線には、核酸鎖固定
化電極と信号線との間に配置されたトランジスタ、好ま
しくは薄膜トランジスタなどのスイッチング素子を閉じ
るための信号が与えられる。なお、本明細書において
「信号線」は、作用電極である核酸鎖固定化電極からの
電気的変化を示す信号を伝達する導線を意味する。前記
走査線からの信号によってスイッチング素子が閉じると
核酸鎖固定化電極に電圧が印加されて電気化学的な変化
が生じる。該変化による、電圧(や電流)の変化が前記
信号線によって伝送される。このような複数の電極の制
御には、液晶の表示に用いられているマトリックス方式
を用いることが望ましい。更にはMOSFETを用いた
アクティブマトリックス方式であることが望ましい。ま
た、MOSイメージセンサー型の走査回路も用いること
が可能である。
【0025】図01に、各核酸鎖固定化電極毎に電圧を
印加するための回路を備えた典型的な核酸検出用センサ
の構造を示す。図01は2電極方式の測定方式である場
合を示す。図01の核酸検出用センサにおいて、各核酸
鎖固定化電極102に接続されたスイッチング素子10
3は、タイミング回路106から、走査線104を駆動
するための走査線駆動回路107に順次信号が与えられ
ることにより開閉する。対極101はポテンシオスタッ
ト回路110を介して電源(図示せず)に接続されてい
る。スイッチング素子103が順次開閉すると、核酸鎖
固定化電極102と対極101)に電圧が印加される。
これにより、核酸鎖固定化電極102にハイブリダイズ
した核酸(図示せず)を電気化学的に検出できる。電気
化学的な変化は、信号線105を介して信号検出回路1
09に伝達されて検出される。
【0026】前記信号線は、図02に示されているよう
に、スイッチング素子との接点以外は、絶縁材料で被覆
することが好ましい。図02は、図01の核酸検出用セ
ンサ中の核酸検出用セル(点線の矩形)を、核酸鎖固定
化電極と対極とを横切るように、走査線に平行に切断し
た場合の側面図である。図02では、絶縁基板201の
上に、絶縁膜203で被覆された信号線202と、核酸
鎖固定化電極204と、対極205とが配設されてお
り、信号線202は、被験液に浸漬されるので、信号線
202とスイッチング素子との接点との交点以外は絶縁
膜203で被覆されている。
【0027】絶縁材料で被覆された信号線、スイッチン
グ素子、及び電極の配置は、図02の配置に限定される
ものではなく、任意の配置でも良い。図03は、このよ
うな配置の一例であり、絶縁基板301の上に配設され
た核酸鎖固定化電極302と対極(又は参照電極)30
3の下に、それぞれスイッチング素子304及び305
が置かれている。スイッチング素子304及び305
は、それぞれ両側に存在する絶縁膜306及び307で
被覆されている。図03のように、スイッチング素子を
各電極の下に置けば、核酸鎖固定化電極と対極の上面に
被験液308を添加しても信号線(図示せず)とスイッ
チング素子の接触部分が被験液308に接触しないの
で、絶縁性に優れている。図04の配置でも、図03と
同様に各電極の下にスイッチング素子が置かれているの
で絶縁性に優れているが、スイッチング素子が基板の裏
面に露出する構造である点で、図03の配置とは異な
る。
【0028】核酸検出用セルを構成する各電極は、絶縁
基板上に形成されることが望ましい。絶縁基板の材料と
して、例えば、ガラス、石英ガラス、シリコン、アルミ
ナ、サファイア、フォルステライト、炭化珪素、酸化珪
素、窒化珪素、等の無機絶縁材料、又は、ポリエチレ
ン、エチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フ
ッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタ
ール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチ
レン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリルブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹
脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン等の有機
材料が使用可能であるが、これらに限定されない。
【0029】各電極、及び回路等は絶縁材料を介して分
離されていることが望ましい。本発明で用いられる絶縁
材料は特に限定されるものではないが、フォトポリマ
ー、フォトレジスト材料であることが好ましい。レジス
ト材料としては、光露光用フォトレジスト、遠紫外用フ
ォトレジスト、X線用フォトレジスト、電子線用フォト
レジストが用いられる。光露光用フォトレジストには、
主原料が環化ゴム、ポリけい皮酸、ノボラック樹脂があ
げられる。遠紫外用フォトレジストには、環化ゴム、フ
ェノール樹脂、ポリメチルイソプロペニルケトン(PM
IPK),ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が
用いられる。また、X線用レジストには、COP、メタ
ルアクリレートほか、薄膜ハンドブック(オーム社)に
記載の物質を用いることができる、更に電子線用レジス
トには、PMMA等上記文献に記載の物質を用いること
が可能である。ここで用いるレジストは100Å以上1
mm以下であることが望ましい。フォトレジストで電極
を被覆し、リソグラフィーを行うことで、面積を一定に
することが可能になる。これにより、プローブ核酸鎖の
固定化量がそれぞれの電極間で均一になり、再現性に優
れた測定を可能にする。従来、レジスト材料は最終的に
は除去するのが一般的であるが、核酸鎖固定化電極にお
いてはレジスト材料は除去することなく電極の一部とし
て用いることも可能である。この場合は、用いるレジス
ト材料に耐水性の高い物質を使用する必要がある。電極
上部に形成する絶縁層にはフォトレジスト材料以外でも
用いることが可能である。例えば、Si、Ti、Al、
Zn、Pb、Cd、W、Mo、Cr、Ta、Ni等の酸
化物、窒化物、炭化物、その他合金を用いることも可能
である。これらの材料をスパッタ、蒸着あるいはCVD
等を用いて薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで
電極露出部のパターニングを行い、面積を一定に制御す
る。
【0030】前記絶縁基板上には、好ましくは101
105の核酸鎖固定化電極が配置される。好ましい核酸
鎖固定化電極の材料は金であるが、他の材料も使用可能
であり、例えば、金の合金、銀、プラチナ、水銀、ニッ
ケル、パラジウム、シリコン、ゲルマニウム、ガリウ
ム、タングステン等の金属単体及びそれらの合金、ある
いはグラファイト、グラシーカーボン等の炭素等、また
はこれらの酸化物、化合物を用いる事ができる。これら
の電極は、メッキ、印刷、スパッタ、蒸着などでも作製
することができる。蒸着を行う場合は、抵抗加熱法、高
周波加熱法、電子ビーム加熱法により電極膜を形成する
ことができる。また、スパッタリングを行う場合は、直
流2極スパッタリング、バイアススパッタリング、非対
称交流スパッタリング、ゲッタスパッタリング、高周波
スパッタリングで電極膜を形成することが可能である。
ここで、電極に金を使用する場合は、金の結晶構造の
(111)面の配向指数が重要である。配向指数はWi
llsonの方法により以下の式から求められる。
【0031】配向指数(hkl)=IF(hkl)/I
FR(hkl) hkl;面指数 IF(hkl);(hkl)面の相対強度 IFR(hkl);ASTMカードに記載されている標
準金としてのIF(hkl) ここで核酸鎖検出用の核酸鎖固定化電極の場合は配向指
数が1以上であることが求められ、更に配向指数が2以
上であることが望ましい。配向性を高めるために、蒸着
あるいはスパッタリング時に基板を加熱することも有効
である。加熱温度は特に限定される物ではないが、50
℃〜500℃の範囲であることが望ましい。配向性を制
御することで、核酸鎖固定化量を均一に制御することが
可能になる。また、ガラスなどの基板に金等の上記電極
材料を蒸着、あるいはスパッタリングする場合には、基
板と金との間にチタン、あるいはクロム、銅、ニッケ
ル、これらの合金を接着層として単独であるいは組み合
わせて介在させることで、安定な電極層を形成すること
が可能になる。
【0032】核酸鎖固定化電極の形状は、特に限定され
るものではなく、図05〜図07に示したような形状が
好ましい。図06及び図07の形状を用いれば、核酸固
定化電極と対極(あるいは参照電極)との接触面積が大
きいので有利である。図05〜図07は、核酸検出用セ
ル(図01の点線の矩形)を拡大した図であり、図01
の場合と同じように、核酸鎖固定化電極501、60
1、及び701は、それぞれスイッチング素子503、
603、及び703を介して信号線505、605、及
び705に接続されている。対極(又は参照電極)50
2、602、及び702は、核酸鎖固定化電極501、
601、及び701の近傍に配置されている。
【0033】核酸鎖固定化電極へプローブ核酸鎖を固定
化するには、電極表面の活性化を行うことが望ましい。
活性化は硫酸溶液中での電位掃引で行うことが可能であ
る。また、活性化は、混酸、王水、等でも行うことがで
きる。プローブ核酸鎖を構成する材料は特に限定される
ものではないが、DNA、RNA、PNA、その他核酸
類似体を用いることが可能である。
【0034】プローブ核酸鎖の固定化方法は特に限定さ
れない。例えば、プローブ核酸鎖に導入したチオール基
と金との結合を利用すると簡単に固定化を行うことがで
きる。その他、物理吸着、化学吸着、疎水結合、抱埋、
共有結合等で固定化が可能である。また、ビオチン−ア
ビジン結合やカルボジイミドなどの縮合剤を用いること
もできる。これらの場合、あらかじめ電極表面を官能基
を有する分子で修飾しておくことで、固定化を容易にす
ることができる。更に、電極表面への核酸および挿入剤
等の非特異的な吸着を抑制するために、電極表面をメル
カプトエタノール等のメルカプタンや、ステアリルアミ
ンなどの脂質で被覆することが望ましい。
【0035】以下、一例として、金からなる核酸鎖固定
化電極にプローブ核酸鎖を固定化する方法を述べる。電
極は脱イオン水で洗浄後、活性化処理を行う。活性化に
は、0.1〜10mmol/Lの硫酸溶液を用いる。こ
の溶液中で、−0.5〜2V(vs Ag/AgCl)
の範囲で、1v/s〜100000v/sの範囲で電位
を走査させる。これにより、電極表面はプローブ核酸鎖
を固定化できる状態にまで活性化される。固定化に用い
るプローブ核酸鎖には5'あるいは3'末端をチオール基
を導入する。チオール化したプローブ核酸鎖は、固定化
直前までDTT等の還元剤の溶液に溶解し、使用直前に
ゲル濾過あるいは酢酸エチルによる抽出操作等でDTT
を除去する。固定化は至って簡単であり、イオン強度
0.01〜5の範囲でpH5〜10の範囲内の緩衝液中
にプローブ核酸鎖を1ng/mL〜1mg/mLの範囲
になるように溶解し、活性化した直後の電極を浸漬す
る。固定化反応は、4〜100℃の範囲で10分から1
晩程度行う。
【0036】プローブ核酸鎖を固定化した後の電極は、
核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)が存在しない条件で保存
し、できれば遮光して行うことが望ましい。しかし、短
期的な場合はウェット状態で保存することが可能であ
る。保存液の組成はハイブリダイゼーション反応を行う
液の組成、Tris−EDTA緩衝液あるいは脱イオン
水であることが望ましい。更に、保存温度は4℃以下
で、好ましくは−20℃であることが望ましい。また、
プローブ核酸鎖を固定化した核酸鎖固定化電極を長期に
保存する場合は、ドライ状態で保存することが望まし
い。ドライにする方法は特に限定されないが、凍結乾
燥、風乾等で行うことができる。ドライの気相は特に限
定されないが、アルゴン等の不活性ガス、窒素、乾燥空
気、あるいは真空状態であることが望ましい。
【0037】電極には、それぞれに印やバーコードを付
けておくと検査の操作性を上げることができる。
【0038】電極上へのプローブ核酸鎖の固定化の際
は、DNAスポッターやDNAアレイヤ−と呼ばれる固
定化装置を用いると比較的容易にプローブ核酸鎖の固定
化を行うことができる。この際、電極の表面を傷つけな
いために、インクジェット方式や静電方式のスポッター
を用いることが望ましい。また、電極表面で直接核酸鎖
の合成を行うことも可能である。
【0039】本発明の核酸検出用センサには、一以上の
対極が配置される。単一の対極を配置する場合、複数の
核酸鎖固定化電極は、単一の対極を共通して使用するこ
とになる。
【0040】核酸鎖固定化電極に所望の電圧を印加する
ことができれば、核酸鎖固定化電極と対極との距離は特
に限定されない。応答速度を早くするためには、例え
ば、1cm以内の距離に配置することが好ましい。
【0041】全ての核酸鎖固定化電極に等しい電圧を印
加するために、対極は全ての核酸鎖固定化電極から等し
い距離になるように配置することが好ましい。
【0042】対極に用いる材料も特に限定されず、核酸
鎖固定化電極で用いられる材料を使用することが可能で
ある。
【0043】本発明の核酸検出用センサを三電極方式で
測定する場合は、参照電極を配置する。銀/塩化銀電極
や水銀/塩化水銀電極などを参照電極として使用し得る
が、他の任意の電極を使用し得る。
【0044】参照電極は、核酸鎖固定化電極と同じ基板
に配置するのが一般的であるが、これ以外の部位に配置
してもよい。
【0045】対極又は参照電極の形状は、特に限定され
ないが、測定精度を高めるために、表面積を大きくしつ
つ、且つ被験液の流れを阻害しない形状が好ましい。例
えば、対極又は参照電極と、核酸鎖固定化電極とが互い
に噛み合ったくし型にすれば、このような条件に適合す
る。
【0046】本発明に係る核酸検出用センサは、核酸検
出用システムを構成していることが望ましい。当該シス
テムは、複数の核酸検出用セルが形成された一つまたは
複数の基板と、前記基板を保持するための密閉容器で、
少なくとも一つ以上の送液のための開口部を有し且つ液
体を貯留するための空間を有する容器と、外部機器へ接
続するための端子を備えた構成を基本としている。
【0047】該システム上には、電気信号を対極および
核酸鎖固定化電極に印加する回路と、電気信号をそれぞ
れの対極およびそれぞれの核酸鎖固定化電極に印加する
ためのスイッチング回路と、各核酸鎖固定化電極からの
電気信号を出力する回路と、各核酸鎖固定化電極からの
電気信号を外部に出力する為のスイッチング回路と、電
源、ポテンショスタット、波形発生装置を備えることが
望ましい。また、前記システムにはマトリックス上に配
置された特定の位置のMOSFETスイッチング素子お
よび核酸鎖固定化電極に電気信号を出力するためのデコ
ーダ回路、スイッチング回路、タイミング回路、メモリ
ー、A/Dコンバーター、波形発生装置、電源、ポテン
ショスタット、電気信号検出回路、等の回路を一つのセ
ンサ上に集積することが望ましい。
【0048】核酸検出用システムには、核酸抽出機構、
核酸精製機構、核酸増幅機構などを集積化することが可
能である。これらの機構を備えた核酸検出用システムを
用いれば、核酸の抽出、増幅、検出などの一連の操作を
全て自動的に行うことができる。
【0049】図08A及び図08B、図08Cには、核
酸検出用システムを構成し得る核酸検出用センサの一例
が示されている。
【0050】図08A及び図08B、図08Cの核酸検
出用センサは、複数の走査線801と、走査線801と
直行するように配置された信号線802と、走査線80
1と信号線802の各交点に配設された薄膜トランジス
タ等のスイッチング素子803と、スイッチング素子8
03に接続された核酸鎖固定化電極804と、各走査線
801を駆動するための走査線駆動回路805と、各信
号線802を駆動するための信号線駆動回路806が設
置された第1の基板807(図08A)と、各対極80
8が設置された第2の基板809(図08C)とを備え
る。各対極808はポテンシオスタット(図示せず)に
接続される。なお、図08A及び図08Bでは、核酸鎖
固定化電極は一つしか書かれていないが、実際には、隣
接する二本の走査線と隣接する二本の信号線とに囲まれ
た各矩形中にそれぞれ一つの核酸鎖固定化電極804が
設置される。
【0051】被験液中のターゲット核酸を検出するに
は、第1の基板807と第2の基板809の間に介在す
るスペースに前記被験液を注入した後、走査線駆動回路
805からスイッチング素子803に駆動信号を与え
る。走査線駆動回路805から出力された駆動信号によ
りスイッチング素子803がオンになり、核酸鎖固定化
電極804と信号線802が電気的に接続される。核酸
鎖固定化電極804と信号線802が電気的に接続され
ると、核酸鎖固定化電極804と対極808の間に電圧
が印加される。これにより、例えば核酸鎖固定化電極8
04にハイブリダイズしたターゲット核酸に挿入された
挿入剤等の物質が酸化される。酸化によって発生した電
流は、信号線802を通って、信号線802の一端に設
けられたパッド810に達し、該パッド810に接続さ
れた電流検出用の外部機器によって検出、定量される。
図08A及び図08B、図08Cの核酸検出用センサ
は、核酸検知部811、走査線駆動回路805、信号線
駆動回路806が一体となって第1の基板807上に形
成されており、信号検出部を備えた核酸検出用システム
に装着して使用される。
【0052】また、図09A及び図09Bに示したような
形状で、対極905は走査線901に電気的に接続され
ており核酸鎖固定化電極の近傍に設置されていてもよ
い。図09A及び図09Bでは、対極905は三本に分枝
した各枝がくし型の形状を有しており、同じ形状を有す
る核酸鎖固定化電極905とは互いにかみ合うように配
置されている。なお、図8A及び図8B、図9A、図9Bに
は参照電極が設けられていない形態の核酸検出用センサ
を示したが、参照電極を設けることものぞましい。参照
電極は、図9A,Bに示すように核酸鎖固定化電極と互い
にかみ合うくし型電極であってもよい。なお、参照電極
が、核酸鎖固定化電極毎に設けられる実施の形態の回路
例については、後述する。
【0053】図10には、本発明の核酸検出用センサが
配置された核酸検出用システムの概略が示されている。
【0054】図10に示す核酸検出用システム1007
は、核酸検出用センサ1001、核酸検出用センサ固定
装置1002、電気信号測定装置1003、CPU10
04、電源1005、及び表示装置1006を備えてい
る。
【0055】上記のシステムにおいて、核酸検出用セン
サは、通常、図11A及び図11Bのように、接続端子
1101によって、挿脱可能に基板1102上に設置さ
れ、容器1108に収納される。基板1102は、図1
2のごとく、例えばその周囲に接続端子挿入部1201
を有している。図11A及び図11Bにおいて、被験液
1103は、核酸検出用センサ1104を浸漬せしめ得
るように被験液排出口1106を閉鎖した状態で、底部
に設けられた被験液注入口1105から注入される。被
験液1103によって核酸検出用センサ1104を浸漬
した後には、被験液1103に含まれる核酸を核酸検出
用センサ1104上の核酸鎖固定化電極(図示せず)に
ハイブリダイズさせる。ハイブリダイズ中に核酸検出用
センサ1104を加温するときには、気化した被験液は
空気穴1107を通して排出される。被検液中にターゲ
ット核酸が含まれていれば、ターゲット核酸は、核酸検
出用センサ1104上の核酸鎖固定化電極(図示せず)
にハイブリダイズする。従って、被験液1103を被験
液排出口1106から排出させた後にも核酸鎖固定化電
極に結合し続ける。図13A及び図13Bのように、被
験液注入口1305及び被験液排出口1306は、基板
1302の垂直な位置に設けてもよい。
【0056】以下、本発明の核酸検出用センサを用いて
被験液中のターゲット核酸鎖又はプローブ核酸鎖につい
ての知見を得るための操作について詳述する。
【0057】まず、核酸鎖固定化電極と対極との間に介
在する空間中にターゲット核酸鎖を含む被験液を注入す
る。
【0058】検出するターゲット核酸鎖は、特に限定さ
れず、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫等の核酸鎖や遺伝
性疾患の原因遺伝子や各種疾病のマーカー遺伝子などで
良い。例えば、肝炎ウイルス(A、B、C、D、E、
F、G型)、HIV、インフルエンザウイルス、ヘルペ
ス群ウイルス、アデノウイルス、ヒトポリオーマウイル
ス、ヒトパピローマウイルス、ヒトパルボウイルス、ム
ンプスウイル素、ヒトロタウイルス、エンテロウイル
ス、日本脳炎ウイルス、デングウイルス、風疹ウイル
ス、HTLV、等のウイルス感染症、黄色ブドウ球菌、
溶血性連鎖球菌、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ菌、ヘリ
コバクターピロリ菌、カンピロバクター、コレラ菌、赤
痢菌、サルモネラ菌、エルシニア、淋菌、リステリア
菌、レプトスピラ、レジオネラ菌、スピロヘータ、肺炎
マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、マラリア、
赤痢アメーバ、病原真菌、等の細菌感染症、寄生虫、真
菌の検出に用いることができる。また、遺伝性疾患、網
膜芽細胞腫、ウイルムス腫瘍、家族性大腸ポリポーシ
ス、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、神経腺維腫症、家族
性乳ガン、色素性乾皮症、脳腫瘍、口腔癌、食道癌、胃
ガン、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺ガン、甲状腺腫瘍、
乳腺腫瘍、泌尿器腫瘍、男性器腫瘍、女性器腫瘍、皮膚
腫瘍、骨・軟部腫瘍、白血病、リンパ腫、固形腫瘍、等
の腫瘍性疾患の検査にも用いることができる。また、医
療以外にも、食品検査、検疫、医薬品検査、法医学、農
業、畜産、漁業、林業などで遺伝子検査が必要なものに
全て適応可能である。更に、制限酵素断片多系(RFL
P)や1塩基多系(SNPs)、マイクロサテライト配
列等の検出も可能である。また、未知の塩基配列解析に
用いることも可能である。
【0059】これらのターゲット核酸を含有する被験液
も特に限定されず、例えば、血液、血清、白血球、尿、
便、精液、唾液、組織、培養細胞、喀痰等を用いること
ができる。これら被験液からは、通常核酸成分の抽出を
行う。抽出方法は特に限定される物ではなく、フェノー
ルー−クロロホルム法等の液−液抽出法や担体を用いる
固液抽出法を用いることができる。また、市販の核酸抽
出方法QIAamp(QIAGEN社製)、スマイテス
ト(住友金属社製)等を利用することも可能である。
【0060】被験液を前記空間に注入した後に、抽出し
た核酸成分と核酸鎖検出用電極とでハイブリダイゼーシ
ョン反応を行う。反応溶液は、イオン強度0.01〜5
の範囲、pH5〜10の範囲の緩衝液中で行う。この溶
液中にはハイブリダイゼーション促進剤である硫酸デキ
ストランや、サケ精子DNA、牛胸腺DNA、EDT
A、界面活性剤などを添加することが可能である。ここ
に抽出した核酸成分を添加し、90℃以上で熱変性させ
る。核酸鎖検出用電極の挿入は、変性直後、あるいは0
℃に急冷後に行うことができる。反応中は、撹拌、ある
いは振とうなどの操作で反応速度を高めることもでき
る。反応温度は10℃〜90℃の範囲で、また反応時間
は1分以上1晩程度行う。ハイブリダイゼーション反応
は電気化学的に制御が可能であり、核酸鎖固定化電極に
プラス電位を印加することで従来数時間から数日必要で
あったものを数分に短縮することが可能である。一方、
電極表面にマイナス電位を印加すると、非特異的な結合
は除去できる。
【0061】ハイブリダイゼーション反応が終了した
ら、核酸鎖固定化電極の洗浄を行う。洗浄には、イオン
強度0.01〜5の範囲で、pH5〜10の範囲の緩衝
液を用いる。
【0062】洗浄後、電極表面に形成された二本鎖部分
(プローブ核酸鎖とターゲット核酸鎖とのハイブリッ
ド)に選択的に結合する二本鎖認識体、すなわち挿入剤
を作用させ、電気化学的な測定を行う。ここで用いられ
る挿入剤は特に限定される物ではないが、例えば、ヘキ
スト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ド
ウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリ
ジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレ
ーター、ポリインターカレーター等を用いることが可能
である。メタロインターカレーターと呼ばれるルテニウ
ム、コバルト、鉄などの金属錯体や、エチジウムブロマ
イド等の有機化合物、抗体、酵素などの生体高分子を用
いることも可能である。
【0063】挿入剤の濃度は、その種類によって異なる
が、一般的には1ng/mL〜1mg/mLの範囲で使
用する。この際、イオン強度0.001〜5の範囲で、
pH5〜10の範囲の緩衝液を用いる。
【0064】核酸鎖固定化電極を挿入剤と反応させた後
に、洗浄し、電気化学的な測定を行う。電気化学的な測
定は、3電極方式、すなわち参照電極、対極、作用電
極、あるいは2電極方式、すなわち対極、作用電極で行
う。測定では、挿入剤が電気化学的に反応する電位以上
の電位を印加し、挿入剤に由来する反応電流値を測定す
る。この際、電位は定速で掃引するか、あるいはパルス
で印加するか、あるいは、一定電位を印加することがで
きる。測定には、ポテンショスタット、デジタルマルチ
メーター、ファンクションジェネレーター等の装置を用
いて電流、電圧を制御する。得られた電流値を基に、検
量線から標的遺伝子の濃度を算出する。
【0065】電気化学的な信号は、酸化還元電流変化、
酸化還元電位変化、電気容量変化、抵抗変化、電気化学
発光変化を指標にすることが可能である。これらの信号
変化は挿入剤等の二本鎖核酸に特異的に結合する物質の
併用により効果が促進される。
【0066】本発明の第1の核酸検出用センサは、核酸
鎖固定化電極と、対極との間に被験液が流れるように、
核酸鎖固定化電極と対極とが対向配置されていることを
特徴とする。
【0067】従来のDNAアレイを構成する核酸検出用
センサを、図14Cの及び図14Dに示す。既知配列を
有するプローブ核酸鎖1402が固定化された複数の核
酸鎖固定化電極1401と対極1404とが、同一の基
板1403上に配設され、被験液1406は、上記基板
1403上を流れる。当該配置では、対極1404と各
核酸鎖固定化電極1402の距離が各核酸固定化電極1
401毎に異なる。このような構成では、図中左端のよ
うに核酸鎖固定化電極1401と対極1404との距離
が遠くなる場合があり、応答速度が遅くなる。また、対
極1404と各核酸鎖固定化電極1401との距離が各
核酸鎖固定化電極1401毎に異なるため、十分な測定
精度を達成することもできない。
【0068】これに対して、図14A及び図14Bに示
した本発明の第1の核酸検出用センサでは、プローブ核
酸鎖1402が固定化された核酸鎖固定化電極1401
と対極1404は板状電極であり、被験液1406を挟
持し得るように対向して配置されている。当該配置によ
れば、第1の基板1403上の各核酸鎖固定化電極14
01は全て、第2の基板1405上の対極1404から
等しい距離で、且つ対極1404の近傍に配置すること
ができる。このため、このような配置で電極が配設され
た核酸検出用センサを用いれば、各核酸鎖固定化電極1
401上のプローブ核酸鎖1402とハイブリダイズし
た被験液1406中の検出すべきターゲット核酸鎖全て
に等しい電圧を印加することが可能となる。従って、測
定精度と応答速度が向上する。また、第1の基板130
3と第2の基板1305の間に被験液1306が注入さ
れるので、必要な被験液の量を減らすこともできる。な
お、図14Aは、第1の基板1403の上に参照電極1
407が配置されていない核酸検出用センサを示してい
る。図14Bは、第1の基板1403の上に参照電極1
407が配置されている核酸検出用センサを示してい
る。
【0069】本発明の第1の核酸検出用センサにおい
て、核酸鎖固定化電極が絶縁基板上に形成されている場
合、対極は、核酸鎖固定化電極とともに被験液の流路を
挟むように、核酸鎖固定化電極が配置された基板とは異
なる基板に配置される。
【0070】対極と核酸鎖固定化電極とは異なる基板に
配置すればよいが、全ての核酸鎖固定化電極に等しい電
極を印加するために対極はすべての核酸鎖固定化電極か
ら等しい距離になるように配置することが好ましい。例
えば、核酸鎖固定化電極が平面上に配置されているとき
には、対極は、前記平面と平行な平面上に配置すれば良
い。核酸鎖固定化電極が球面上に配置されているときに
は、対極は、前記球面と同心の球面上に配置すればよ
い。本発明の第1の核酸検出用センサにおいては、核酸
鎖固定化電極と、対極とが共に平坦面を有し、その平坦
面同士が相対するように配置されることが、省スペース
化の点から望ましい。
【0071】本発明の第1の核酸検出用センサにおいて
は、複数の核酸検出用セルを備えており、各セルには一
以上の核酸鎖固定化電極が配置されている。対極は一つ
の核酸鎖固定化電極に対して一つずつ設けてもよい。複
数の核酸検出用セル間で共通、つまり、例えば、複数の
核酸鎖固定化電極に対して対極は一つであってもよい。
【0072】本発明の第1の核酸検出用センサに配置す
べき対極の材料、核酸鎖固定化電極との距離は上述のと
おりである。
【0073】本発明の第1の核酸検出用センサにさらに
参照電極を配置する場合、核酸固定化電極と同じ基板に
配置するのが一般的である。参照電極は、これ以外の部
位に配置してもよい。
【0074】本発明の第2の核酸検出用センサは、参照
電極を各セルに設けたことを特徴とする。
【0075】本発明の第2の核酸検出用センサにおい
て、対極は、複数の核酸鎖固定化電極に共通であっても
よく、核酸検出用セル毎に配置してもよい。対極を複数
配置する場合には、対極は、前記信号線又は走査線の何
れに接続しても良い。
【0076】核酸鎖固定化電極、対極、及び参照電極の
材料、核酸の測定のための操作などは、上述した本発明
の核酸検出用センサの一般的な構成及び使用法に記載さ
れているとおりである。すなわち、プローブ核酸鎖とタ
ーゲット核酸鎖との間で形成されたハイブリッド核酸鎖
による電気化学反応を利用することにより、前記プロー
ブ核酸鎖またはターゲット核酸鎖が特定の塩基配列を有
するか否かを検出する。
【0077】このように、核酸鎖固定化電極毎に参照電
極を備えれば、核酸鎖固定化電極と参照電極間の未補償
抵抗が減少して、測定精度が向上する。核酸鎖固定化電
極毎に電位を制御することができるように、核酸鎖固定
化電極毎に参照電極を備えることが望ましい。
【0078】本発明の第2の核酸検出用センサは、例え
ば、図15に示すような、コントロールアンプ、ボルテ
ッジフロアアンプ、カレントフロアアンプとして機能す
るオペアンプ1607、オペアンプ1608、及びオペ
アンプ1609を備えた微小電流測定用ポテンショスタ
ット回路を使用している。簡単のために、図15のポテ
ンショスタット回路には核酸鎖固定化電極が一つしか図
示されていないが、実際には、本発明の第2の核酸検出
用センサには複数の核酸鎖固定化電極が配設されてい
る。
【0079】この回路は、それぞれコントロールアン
プ、ボルテッジフロアアンプ、カレントフロアアンプの
機能を有する3つのオペアンプを備えている。これらの
回路は、微小電流測定用という点で従来の回路とは異な
っている。それ故、本発明の核酸検出用センサに使用し
得るポテンショスタット回路は微小電流測定用であれば
よい。
【0080】図15の回路中の各オペアンプの機能は以
下のとおりである。
【0081】オペアンプ1607は、反転増幅器の一部
を成しており、対極1602にef(ここでefとはコ
モンの電位を基準としたときの点fの電位を意味するも
のとする、以下同じ)の(1+Zf/Rf)倍の電圧を
加えることによって、efをea(すなわち、Vcc)
に対して一定に保つ(ここで、Zfは、対極1602か
ら参照電極1603に至る電気化学系のインピーダンス
を表す)。オペアンプは、負帰還を有しているので、e
aはeb(コモンの電位)と等しい。図では、コモンは
接地されているが、必ずしも接地しなくてよい。
【0082】オペアンプ1608は、入力電力をZin
/Zout倍に増幅する機能を有している(Zin及び
Zoutは、それぞれ入力インピーダンス及び出力イン
ピーダンスである)。ZinはZoutに比べて非常に
高いので、出力電力は入力電力に比して著しく大きくな
る。オペアンプ1608の機能によって、参照電極16
03の内部抵抗は無視できることになる。
【0083】オペアンプ1609も負帰還を有している
ので、egはehに等しく、それ故、スイッチング素子
1604によって核酸鎖固定化電極1601が信号に接
続されると、核酸鎖固定化電極1601の電位はコモン
の電位と等しくなる。従って、オペアンプ1609は、
作用電極である核酸鎖固定化電極1601の電位をコモ
ンの電位に保つ役割を果たしている。入力電圧をVとす
ると、点0と点a間の抵抗(図示せず)及び点aと点f
間の抵抗の比を1にすれば、オペアンプ1607の作用
により、参照電極1603の電位は、−Vとなる。回路
中の抵抗の抵抗値、及び抵抗の使用の有無は、所望の増
幅率等に応じて適宜選択すればよい。核酸鎖固定化電極
1601の電位はコモンの電位に等しいから、核酸鎖固
定化電極1601(作用電極)と参照電極1603との
間には、正確に入力電圧と等しい電圧が印加される。点
gが仮想接地されているため、走査線1606に接続さ
れたスイッチング素子1604によって核酸鎖固定化電
極1601に電圧を印加することによって生じる電流
は、信号線1605上の点gから抵抗1610を経て点
iに達する。抵抗1610による電圧降下を測定するこ
とによって、電流の大きさを測定することができる。
【0084】点gと点iの間に抵抗1610を置くと、
抵抗の両端の電位差によって核酸鎖固定化電極1601
の電位に誤差が生じる。しかし、点gと点iの間に抵抗
1610を置いても、egはコモンの電位に保たれてい
るため、核酸鎖固定化電極1601の電位に誤差は生じ
ない。従って、高精度の電気化学的測定が可能となる。
【0085】図16の回路は、第2の核酸検出用センサ
に使用される他のポテンショスタット回路であり、図1
5の回路と同様に電圧を一定に保つ機能を有する。それ
故、オペアンプ1707、1708及び1709の機能
は、図15の回路の対応するオペアンプと同じである。
【0086】本実施形態の核酸検出用センサに回路は、
図15と同様に、核酸鎖固定化電極毎に参照電極が配置
されているので、従来の回路に比べて、測定精度を有す
る。
【0087】図16においては、簡単のために、参照電
極は一つしか描かれていないが、実際には、各核酸鎖固
定化電極毎に一以上配置されている。
【0088】なお、図16の回路では、走査線に印加さ
れる電位で基準電位を兼ねているので、オペアンプ17
08の非反転入力端子から出る配線は、複数の電極に対
して共通で用いられており、核酸検出用セル当たりの配
線数には含まれない。
【0089】以上のように、本実施形態の核酸検出用セ
ンサは、簡易な配線で、非常に高い測定感度を達成する
ことができる。
【0090】図17の回路は第2の実施形態の核酸検出
用センサに使用される更に他のポテンショスタット回路
であり、図17の回路は、図15及び図16の回路と同
様に電圧を一定に保つ機能を有する。それ故、ポテンシ
ョスタット1807、1808、及び1809の機能の
詳細は、図15又は図16で記載したとおりである。
【0091】図17の回路は、図16の回路とは異な
り、参照電極1803は、走査線1806ではなく、信
号線1804に接続されている。このため、図17の回
路は、参照電極1803が、走査線1806に接続され
ていない。従って、参照電極の基準電位は、走査線18
06の電位と兼ねておらず、印加する電位を自由に設定
できる。このため、図17の回路では、図16の回路に
比べて多種類の挿入剤を使用することがきる。
【0092】図17では、参照電極1803はスイッチ
ング素子1804に接続されているが、スイッチング素
子は省略してもよい。
【0093】また、図17では、核酸鎖固定化電極18
01と参照電極1803がオペアンプ1808の非反転
入力端子に接続された導線を挟むように配置されてい
る。両極が向かい合うように、参照電極1803を核酸
鎖固定化電極1801と同じ側に配置してもよい。
【0094】以上のように、図17の回路は、高い測定
感度を達成することができるとともに、多種類の挿入剤
を使用することができる。
【0095】図18〜図21を参照しながら、本発明の
第3の核酸検出用センサについて説明する。本発明の第
3の核酸検出用センサは、スイッチング素子により、信
号線を共有化したことを特徴とする図18は、通常使用
される核酸検出用センサの上面図であり、図18におい
ては、4×3のX−Yマトリックス状に、プローブ核酸
鎖(図示せず)が固定化された核酸鎖固定化電極190
1が配置されている。なお、実際の核酸検出用センサで
は、対極は、核酸鎖固定化電極1901が配置された平
面の鉛直上方に位置しているが、図18では省略されて
いる。
【0096】各核酸鎖固定化電極1901は、対極とと
もに核酸検出用セルを形成している。
【0097】各核酸鎖固定化電極1901は、トランジ
スタ等のスイッチング素子1902を介して信号線19
03と接続されており、信号線1903はさらに核酸鎖
固定化電極1901からの電流を増幅するためのアンプ
1904及びA/Dコンバーター1905に接続されて
いる。
【0098】スイッチング素子1902には、走査線1
906を介してタイミングパルス発生器1909からク
ロック信号が与えられるので、核酸鎖固定化電極190
1は、図中矢印の方向に左端から一列ずつ順次アクティ
ブとなるように走査される。図18のカウンタ1908
及びXデコーダ1907は信号線のON−OFFを制御
する。核酸鎖固定化電極1901がアクティブとなる
と、核酸鎖固定化電極1901と対極(図示せず)との
間に電圧が印加され、核酸鎖固定化電極1901上にハ
イブリダイズしたターゲット核酸に挿入された挿入剤が
酸化される。酸化時に生じた電気的変化は、信号線19
03を介して前記アンプ1904で増幅された後に、A
/Dコンバーター1905によりA/D変換される。
【0099】図19は、本発明の第3の核酸検出用セン
サの回路例を示す図である。図19の核酸検出用センサ
は、行方向にスイッチング素子が配置され、図19中の
上から下に走査される点が、図18の核酸検出用センサ
と異なっている。
【0100】図19において、核酸鎖固定化電極200
1は、4×3のX−Yマトリックスに配置されており、
各核酸鎖固定化電極2001と対極(図示せず)とが核
酸検出用セルを構成している。
【0101】各核酸鎖固定化電極2001は、アンプ2
002及び電極スイッチング素子2003を介して信号
線2004と接続されている。各信号線2004の一端
には、信号線スイッチング素子2005が接続されてお
り、その後信号線2004は一つになり、A/Dコンバ
ーター2006に接続されている。
【0102】電極スイッチング素子2003には、Xデ
コーダ2007とカウンタ2008により構成される列
方向走査回路から、信号線2012を介して順次電気信
号が与えられる。一方、信号線スイッチング用素子20
05には、Yデコーダ2009とカウンタ2010によ
り構成される行方向走査回路から、順次電気信号が与え
られる。
【0103】図20のように、タイミングパルス発生器
2011から生成されるクロック信号を、それぞれX方
向クロック信号、Y方向クロック信号として列方向走査
回路と行方向走査回路に与えれば、一列一行目の電極
(左上端の電極)から一列二行目の電極、さらに一列三
行目、二列一行目の電極に電圧が印加される。電圧の印
加によって生じた電気的変化はシリアル信号として計測
され、出力信号はAD変換器でA/D変換される。
【0104】図19の核酸検出用センサでは、順次行方
向からの電気信号を検出するために、デコーダとカウン
タにより構成される走査回路を用いた核酸検出用センサ
を示した。図21に示すように図19のデコーダとカウ
ンタは、シフトレジスタ回路2210に置き換えること
ができる。図21の核酸検出用センサの構成は、デコー
タとカウンタがシフトレジスタ回路に置き換えられてい
ることを除いて図19のものと同じである。このよう
に、シフトレジスタ回路を用いると、外部回路構成が簡
単になる。
【0105】図19及び図21に示した第3の核酸検出
用センサは、図18に示した核酸検出用センサと比較し
て、測定を高速化し得るという効果も奏する。
【0106】なお、本発明に係る第1から第3の核酸検
出用センサは、単独で使用することも可能であるし、適
宜組合わせて使用することもできる。
【0107】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、多
種類の核酸を高速、且つ高精度に検出することができる
核酸検出用センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数の電極が配置された本発明の実施例の核
酸検出用チップを示す模式図。
【図2】 本発明の実施例の核酸検出用チップにおける
電極と信号線の配置を示した図。
【図3】 本発明の実施例の核酸検出用チップにおける
電極と信号線の他の配置を示した図。
【図4】 本発明の実施例の核酸検出用チップにおける
電極と信号線の他の配置を示した図。
【図5】 複数の電極が配置された本発明の実施例の核
酸検出用チップの単位区画の拡大図。
【図6】 複数の電極が配置された本発明の実施例の核
酸検出用チップの単位区画の拡大図。
【図7】 複数の電極が配置された本発明の実施例の核
酸検出用チップの単位区画の拡大図。
【図8】 図8A及び図08Bは、核酸検出用システム
に装着可能な核酸検出用チップを示した図。
【図9】 図09A及び図09B、図09Cは、核酸検
出用システムに装着可能な核酸検出用チップを示した
図。
【図10】 核酸検出用チップが配置された核酸検出用
システムを示した図。
【図11】 図11A及び図11Bは、容器に収納され
た本発明の実施例の核酸検出用チップを示す図。
【図12】 本発明の実施例の核酸検出用チップを装着
すべき基板を示す図。
【図13】 図13A及び図13Bは、容器に収納され
た本発明の実施例の核酸検出用チップを示す図。
【図14】 図14A〜図14Dは、電極が対向した位
置に配置されている本発明の実施例の核酸検出用チップ
と電極が対向した位置に配置されていない従来の核酸検
出用チップとを比較した図。
【図15】 本発明の第2の核酸検出用チップの実施例
に適用される回路の一例を示す図。
【図16】 本発明の第2の核酸検出用チップの実施例
に適用される回路の他の一例を示す図。
【図17】 本発明の第2の核酸検出用チップの実施例
に適用される回路の他の一例を示す図。
【図18】 電極が対向した位置に配置された本発明の
実施例の核酸検出用チップの構成を示した図。
【図19】 電極が対向した位置に配置された本発明の
実施例の核酸検出用チップにおける配線を示した図。
【図20】 各単位区画に電圧を印加するための信号及
び出力信号を示した図。
【図21】 電極が対向した位置に配置された本発明の
実施例の核酸検出用チップにおける配線を示した図。
【符号の説明】
1401…核酸鎖固定化電極 1402…プローブ核酸鎖 1403…第1の基板 1404…対極 1405…第2の基板 1406…被験液 1407…参照電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 37/00 102 33/566 C12Q 1/68 A 37/00 102 C12N 15/00 F // C12Q 1/68 G01N 27/46 336G 336B 301M (72)発明者 逸見 和弘 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 公平 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2号 株 式会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 FB02 FB05 4B024 AA19 AA20 CA01 CA11 HA14 HA19 4B029 AA23 BB20 CC03 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ42 QQ52 QR32 QR35 QR55 QS34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブ核酸鎖が固定化された平坦面を
    有する複数の核酸鎖固定化電極と、 前記核酸鎖固定化電極の平坦面と対向する平坦面を有
    し、前記核酸鎖固定化電極の平坦面との間に被験液の流
    路が形成されるよう配置され、前記核酸鎖固定化電極と
    の間に電流を流すための対極と、を備えことを特徴とす
    る核酸検出用センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核酸検出用センサにおい
    て、前記対極は、所定数の前記核酸鎖固定化電極に対し
    て共通に設けられていることを特徴とする核酸検出用セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の核酸検出用センサにおい
    て、前記対極は、前記核酸鎖固定化電極毎に1以上設け
    られていることを特徴とする核酸検出用センサ。
  4. 【請求項4】 プローブ核酸鎖が固定化された複数の核
    酸鎖固定化電極と、 前記核酸鎖固定化電極との間に電流を流すための対極
    と、 前記核酸鎖固定化電極毎に1以上設けられ、前記核酸鎖
    固定化電極と前記対極間の電圧を一定にするための参照
    電極と、を備えたことを特徴とする核酸検出用センサ。
  5. 【請求項5】 前記核酸鎖固定化電極と前記参照電極
    は、くし型電極であり、かみ合うように配置されている
    ことを特徴とする請求項4記載の核酸検出用センサ。
  6. 【請求項6】 前記参照電極又は走査線からの信号を
    入力する第1の増幅器と、 参照電位を入力して前記対極に所定の電位を印加する第
    2の増幅器と、 前記第1の増幅器の出力側と前記参照電位との間に接続
    された参照抵抗と、を更に備えたことを特徴とする請求
    項4記載の核酸検出用センサ核酸検出用センサ。
  7. 【請求項7】 プローブ核酸鎖が固定化され、マトリッ
    クス状に配置された複数の核酸鎖固定化電極と、 前記核酸鎖固定化電極との間に電流を流すための対極
    と、 前記複数の核酸鎖固定化電極を順次選択する複数の走査
    線と、 前記複数の核酸鎖固定化電極からの測定信号を伝送する
    複数の信号線と、 前記複数の信号線に接続された複数のスイッチング素子
    と、 前記複数のスイッチング素子に接続されたA/D変換器
    と、を備えたことを特徴とする核酸検出用センサ。
  8. 【請求項8】 前記核酸鎖固定化電極及び前記対極は、
    二本鎖認識体と核酸鎖を含む被験液に晒され、前記プロ
    ーブ核酸鎖と被検液中の核酸鎖のハイブリダイゼーショ
    ンにより生じる、前記二本鎖認識体に由来する前記核酸
    鎖固定化電極及び対極間の電流変化を検出することを特
    徴とする請求項1又は請求項4又は請求項7記載の核酸
    検出用センサ。
  9. 【請求項9】 前記核酸鎖固定化電極毎に設けられ、前
    記核酸鎖固定化電極と前記対極間の電圧を一定にするた
    めの参照電極を更に備えたことを特徴とする請求項1又
    は請求項7に記載の核酸検出用センサ。
  10. 【請求項10】 前記対極と前記核酸鎖固定化電極と同
    一平面に形成され、前記対極が前記核酸鎖固定化電極を
    取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項
    4又は請求項7に記載の核酸検出用センサにおいて、核
    酸検出用センサ。
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