JP3816296B2 - 半導体空乏層容量測定方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学センサーに係り、特に半導体空乏層容量の測定装置であるLAPS(Light Addreessable Potentiometric Sensor)に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここで、空乏層(depletion layer)とは、半導体のpn接合面やMOS構造の半導体の内部で伝導電子も正孔もほとんど存在しない薄層をいう。加えた電圧によって空乏層の厚さが敏感に変化するので、ダイオードやトランジスターの特性を支配する。
【0003】
ここで、半導体空乏層容量の測定とは、実際上は、空乏層容量に対応するpHなど化学種の測定、生体表面などの表面電位の測定、半導体の欠陥の検出測定のことである。
【0004】
近年、化学や生物学の各方面においてLAPSに基づいたバイオセンサー[(1)T.Yoshinobu,H.Iwasaki,M.Nakao,S.Nomura,T.Nakanishi,S.Takamatsu and K.Tomita,Bioimages,“Visualization of pH change of E.Coli with a novel pH imaging microscope”,5(1997),pp143−147、(2)G.Gehring,D.L.Patterson,and S.Tu,“Use of light addressable potentiometric sensor for the detection of Escherichia coli O157:H7”,Anal.Biochem.,258(2)(1998),pp293−298.、(3)J.J.Valdes,M.T.Goode,R.R.Brubaker,V.L.Motin,W.H.Boyleston,and J.P.Chambers,“Detection of bacterial DNA sequences via oligonucleotide−based biosensors”,Proc.Int.Symp.Int.Soc.Environ.Biotechnol.,3rd(1997),pp341−345]の応用が盛んになっている。
【0005】
これらの応用においては、環境中のpHやイオン類の変化を検出するのが一般的である。LAPSによる従来の測定手法では、LAPSの光応答特性についていくつかの操作を行わなければならないため、pHの定量測定には時間がかかった。また、ニューロンの電気活性を検出し測定するような、生体と半導体とのインターフェイスの場合にあっては、神経活動電位が非常に強い光電流(バックグラウンド)信号によって変調されるため、その微弱な細胞外部電位の減衰シグナルを拾い出すことは困難であった。LAPSの測定技術を改良することは非常に重要なことであるが、これまではわずかな数の報告が見られるだけであった[(4)Luc J.Bousse S.Mostarshed and D.Hafeman,“A combined measurement of surface potential and zeta potential of an electrolyte/insulator interface of LAPS”,Sensors and Actuators B:10(1992),pp67−71、(5)M.Adami M.Sartore,E.Baldini,A.Rossi and C.Nicolini,,“New measuring principle for LAPS”,Sensors and Actuators B:9(1992),pp25−31、(6)Y.Sasaki,Y.Kanai,H.Uchida,and T.Katsube,“Highly sensitive taste sensors with a new differential LAPS method”,Sensors and Actuators B:24−25(1995),pp819−822]。
【0006】
Bousseら(1992)は、二つのセンサーと二つのLEDを使い、LED1とLED2とのアウトプット電位差を経時的に測定して、表面電位とゼータ電位とを組み合わせて測定することを研究した。Adamiら(1992)も、二つのセンサーと二つのLEDを使い、それに比較器(コンパレーター)を加えて、LAPSによる示差測定を検討した。
【0007】
そこで、従来の化学センサーLAPSの概略構成は、図10に示すようになる。
【0008】
図10は従来の化学センサーLAPSの概略構成図、図11はその化学センサーLAPSの各部の波形図であり、図11(a)は照射光パルスの波形図、図11(b)はコンパレーターからの光電流出力波形図である。
【0009】
これらの図に示すように、バルク半導体(Si)101上に絶縁体層102を形成し、その上に測定試料である単一の電解質103を設ける。バルク半導体101には交流電圧源(電圧値可変)105の電圧Vを印加し、その交流電圧源105の一端を増幅器(アンプ)106の第1入力端子に入力し、上記電解質103には電極104を接触させ、その出力は、比較器106の第2入力端子に入力する。
【0010】
一方、バルク半導体(Si)101の裏面からは、図11(a)に示すような照射光パルス107を照射する。
【0011】
このように構成したので、空乏層101Aにバイアス電圧を印加すると、空乏層101Aの厚さはその部分の表面電位と相関し、LAP・pHセンサーにおいては、この表面電位は電解質103のpH値に依存する。空乏キャパシタンスの局部値は、振幅変調した光源をバルク半導体(Si)101に照射したときに発生する、図11(b)に示すような、AC光電流Iout で読み取ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の化学センサーLAPSの構成では、図11(b)に示すように、高いバックグラウンドを有しており、ノイズも高くなり、正確な光電流波形を得ることができないといった問題があった。
【0013】
本発明は、上記状況に鑑みて、簡単で、低ノイズ・低バックグラウンドの半導体空乏層容量測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕半導体空乏層容量測定方法において、第1と第2の電解質−絶縁体層−半導体バルク構造からなるセンサーをセットし、前記半導体バルクの空乏層にバイアス電圧を印加し、前記半導体バルクの裏面に前記第1と第2の電解質にそれぞれ対応する二つの位相をずらした光パルスを照射し、前記第1と第2の電解質に接続される電極からの出力の差を導出することを特徴とする。
【0015】
〔2〕上記〔1〕記載の半導体空乏層容量測定方法において、前記電解質のpHの測定を行うことを特徴とする。
【0016】
〔3〕半導体空乏層容量測定装置において、第1と第2の電解質−絶縁体層−半導体バルク構造からなるセンサーと、前記半導体バルクの空乏層にバイアス電圧を印加する手段と、前記半導体バルクの裏面に前記第1と第2の電解質にそれぞれ対応する二つの位相をずらした光パルスを照射する手段と、前記第1と第2の電解質に接続される電極からの出力の差を導出することを特徴とする。
【0017】
〔4〕上記〔3〕記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記絶縁体層がSi3 N4 /SiO2 、前記半導体バルクがSiバルクであることを特徴とする。
【0018】
〔5〕上記〔3〕記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記光パルスは10kHz〜30kHzのレーザー光であることを特徴とする。
【0019】
〔6〕上記〔3〕記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記第1と第2の電解質は測定セルと対照セルであることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の実施例を示す半導体空乏層容量測定システムの概略構成図、図2はその半導体空乏層容量測定システムの各部の波形を示す図であり、図2(a)は第1の照射光パルスの波形図、図2(b)は第2の照射光パルスの波形図で、図2(c)は増幅器に入力される波形(相殺される)図、図2(d)は増幅器からの光電流出力波形図である。
【0022】
これらの図において、1はバルク半導体(Si)、2は絶縁体層、3は絶縁体層2上に形成される測定試料としての第1の電解質(測定セル)、4はその第1の電解質3の電極、5は絶縁体層2上に形成される対照試料としての第2の電解質(対照セル)、6はその第2の電解質5の電極、7はDC電圧源(電圧値可変)、8は第1の電解質3及び第2の電解質5に接続されるとともに、DC電圧源7に接続される増幅器である。9は第1の照射光パルス、10は第2の照射光パルスであり、これらのパルスは二つの位相をずらしたもの(out−of−phase)となっている。
【0023】
このように構成したので、LAPSはEIS〔第1、第2の電解質3、5−絶縁体(Si3 N4 /SiO2 )層2−バルク半導体(Si)1〕構造からなる。この構造の空乏層1AにDC電圧源7によるバイアス電流を印加すると、空乏層1Aの厚さはその部分の表面電位と相関し、LAP・pHセンサーにおいては、この表面電位は電解質のpH値に依存する。空乏キャパシタンスの局部値は、振幅変調した照射光パルスをバルク半導体(Si)1に照射したときに発生するAC光電流で読み取ることができる。
【0024】
本発明では、LAPS測定において、一つの照射光パルスではなく、二つの位相をずらした(out−of−phase)第1、第2の照射光パルス9、10を使用し、一種の示差検出的な手法によって、低ノイズ・低バックグラウンドの結果を得ることができる。
【0025】
より詳細に述べると、ヘテロ構造(Si3 N4 /SiO2 /Si)のSi層は、二つの異なった箇所において第1、第2の照射光パルス9、10(レーザー9およびレーザー10)によって照射される。測定セル3と対照セル4は、照射点の直上のSi3 N4 表面に設置する。第1、第2の照射光パルス9、10の強度は図2(a)および図2(b)に示すように、同一周波数で位相がずれる(out−of−phase)ように変調する。照射光パルスの強度、光束の直径、セル面積、電解質体積、その他のパラメータが同一であれば、二つのセルで発生する光電流は、同一で位相が逆になっている。
【0026】
以下、具体例について説明する。
【0027】
図3は本発明の具体例を示す半導体空乏層容量測定システムの構成図である。
【0028】
この図において、11はバルク半導体(Si)とその上に形成される絶縁体(Si3 N4 /SiO2 )層からなるセンサ、12は測定セル、13はその測定セルに接続されるAg/AgClのロッドからなる電極、14はこの電極13に印加されるバイアス電圧源(可変電圧印加)、15はアース、16は対照セル、17はその対照セル16に接続されるAg/AgClのロッドからなる電極、18は対照バイアス電圧源(可変電圧印加)、19はアース、20はセンサ11の裏面に接触する金属コンタクトであり、この金属コンタクト20は増幅器(プリ・アンプ)23の第1の入力端子に接続される。また、増幅器23の第2の入力端子はアース24に接続される。
【0029】
一方、センサ11の裏面には、例えば、10kHz〜30kHzの第1のレーザー光21と、移相回路25によって、同一周波数で位相がずれる第2のレーザー光22をそれぞれ照射する。
【0030】
図4はその半導体空乏層容量測定装置のLAPS信号のタイムシーケンスであり、図4(a)は第1のレーザー光による光電流特性を示す図、図4(b)は第2のレーザー光による光電流特性を示す図、図4(c)は第1のレーザー光と第2のレーザー光が合わせられたことによる光電流特性図である。
【0031】
このように、センサ11の共通の裏面コンタクトに二つの位相をずらした電圧を印加すると、図2(c)に示したように、相互のノイズや基底要素が相殺されるため、図4(c)にプロットしたように、低ノイズ・低バックグラウンドとなる。電解質のpH値や一つのセルの表面電位が変化すると、そのセルの光電流も変化するため、その変化に比例した差信号が出力される。
【0032】
この測定方法をpH測定に用いた。従って、センサーの校正値さえ得ておけば、pHは差信号から直接測定することができる。
【0033】
従って、この場合、検出データをスムージングしたり2度にわたって差を求めたりする操作が必要ないため、従来法よりも測定は迅速になる。
【0034】
LAPSを使い、通常の方法で、LAPSの光電流応答のバイアス・シフト量から電解質のpHを測定した。光電流応答の電圧方向のシフト量は、測定pHバッファーと対照pHバッファー(対照に何を選んだとしても)との変曲点電位の差として求められる。LAPSに関して言えば、変曲点電位は、応答光電流の二次微分がゼロ値を横切るときのバイアス電圧である。
【0035】
図5はLAPSのバイアス/Vに対する応答光電流/V特性図、図6はその変曲点電位の求め方を示す図である。
【0036】
測定データの変曲点P電位を求める作業は、測定データのノイズの影響を受けるため、予めその曲線をフィルタリングにより滑らかにしておかなければならない。それに、曲線の勾配が急になるほど、計算精度は上がる。勾配が急であればゼロ値を横切る点がより正確に求められ、pH測定の精度が良くなるためである[(7)M.Sartore,M.Adami,and C.Nicolini,“Computer simulation and optimization of a light−addressable potentiometric sensor”,Biosensors Bioelectronics.,7(1992)57−64]。
【0037】
この方法では、まず、最初に両バイアスを調節して、たとえば測定セルのバイアス電圧がVmiであったときの、二つのセル中の対照溶液(この場合pH−4.55)の「最少差異」信号(vr )を求める。
【0038】
次いで、「測定セル」中のpHバッファーを変えて、新たなpH値に対応する差信号(vmpH )を求める。そして、「測定セル」のバイアス電圧を変えて、変えたバイアス電圧VmpH に対する「最少差異」信号を求める。ここでの測定セルのバイアス電圧の変化が、使用しているLAPSのSi3 N4 層のpH感度となる。差信号とバイアス変化のどちらか一方または両方を使ってpHの定量値を計算する。バイアス走査にパソコンを使えば、pH測定を自動的に、迅速に行うことができる。
【0039】
以下、実験例について、図3を参照しながら説明する。
【0040】
センサー11は、〈100〉配向のn−タイプSi(1〜10Ω・cm、厚み180μm)によるAu/Si/SiO2 /Si3 N4 層からなるヘテロ構造である。二つの赤外レーザー(λ=830nm)は第1のレーザー21と第2のレーザー22で、センサー11の裏面から照射する。二つのレーザーは周波数10kHz〜30kHzであり、移相回路25によって互いに〜180°位相をずらしてある。最少差異の光電流信号を得るために、ときには移相回路25によって位相の微調整を行う必要がある。
【0041】
二つのセル12、16は25mm離して、照射点の直上のSi3 N4 表面に設置されている。いずれのセルも直径8mmと小さく、シリコーンゴムのシールを用い、電解質に接触している。片方のセルが対照バッファー、他方が測定バッファーに使われる。二つのセル12、16にはそれぞれAg/AgClロッドの電極13、17を用い、DC電源18により規定の対照電圧を電解質16に加えるための電極とする。Ag/AgClロッドの電極13、17は、実験室でAgロッドにAgClを厚く電着して調製した。10MΩの抵抗と、100μFのコンデンサを並列にしたものを電源に直列に接続してDC電流の漏洩を防いだ。光電流の差信号は、裏面の金属コンタクト20によって受けて、106 倍に増幅し、プリ・アンプ(比較器)23で電圧に変換した。読み取りにはオッシロスコープ(図示なし)を使った。
【0042】
この半導体空乏層容量測定装置による測定にはpH−3.55からpH−5.65の範囲の種々のバッファーを使用した。バッファーは実験室で調製し、それぞれのpH値を常に実験直前に測定した。まず、初めに測定セル12および対照セル16に、対照溶液としてpH−4.55のバッファーを充填した。第1のレーザー光21のみ照射、第2のレーザー光22のみ照射、それに第1のレーザー光21と第2のレーザー光22を同時に照射して、応答光電流を測定した。
【0043】
次いで、図7のバイアス/Vに対する変換された光電流/Vの特性図に示すように、測定しようとするpHの最高値においても光電流が飽和に達していないところを慎重に選んで、pH測定の操作点とした。強く反転した場合には、両セルの光電流は同じ値にならない。これはおそらく、両方のセルのセンシング表面の不均一性、レーザーの強度や光束直径のミスマッチなどに起因すると思われる。
【0044】
また、最少差異信号(vr )を得るために、両セルのDCバイアスは操作点の近くに調整した。この実験では、測定セル12と対照セル16につき、それぞれ1.390V(Vbi)及び1.445V(Vmi)に調整し、最少差異信号(vr )は、13.3mVp−pであった。測定セル21及び対照セル16のベース光電流信号はそれぞれ211mVp−p及び210mVp−pであった。両レーザー間の位相シフトは、最少差異信号を得るために、180°近辺に調整した。ここで、一例として、対照セル16のバッファーをpH−4.55のままにして測定セル12のバッファーをpH−3.55に変えてみる。pH値の変化によって、測定セル12の表面電位と光電流の振幅が変わり、差異信号(vmpH )は25.3mVp−pとなった。pH変化による光電流の変化は、この二つの差異信号の電圧差、すなわち(vmpH −vr )として計算される。
【0045】
図8に、種々のpHバッファーについての差異信号を示す。電圧差は、pH値が増加すると対照pHバッファーに対してプラスになり、pH値が減少するとマイナスになるものとした。
【0046】
概念的には、光電流の変化は、バッファーのpHに敏感な絶縁体表面電位の変化によるものである。ここで、測定セル12のDCバイアスを増加させると、そのセルの光電流は増加し、vmpH (差異信号)は減少して、新たなバイアスの1504.5mV(VmpH )におけるvr (最少差異信号)にまで減少する。測定セルにおける初めのバイアス(Vmi)と新たなバイアス(VmpH )の差が、センサー11のpH感度(mV/pH)そのものである。測定バッファーのpH値が対照バッファーのpH値よりも高いときには、測定セル12のバイアスを減少させて、最少差異信号(vr )を得る。
【0047】
図9に示すように、種々のpH値に対して、対照pHバッファーのバイアスとのバイアスの差をプロットすると、pH感度が得られる。実験したpH範囲におけるpH感度の平均値は57.6mV/pHで、これはNernst値に非常に近かった。この測定システムにはpHの測定範囲にある程度の限界がある。
【0048】
図7に見られたように、表面電位変化がわずか350mV変化するだけで、センサーが累積から反転へと切り替わるのである。この実験で得られたように、感度が58mV/pH近辺である場合には、安全に測定できるpH範囲は6pH(たとえばpH−4からpH−10)ということになる。pH測定の全行程は、データ収集および測定バッファーにおけるバイアス走査にパソコンを使うことによって、自動化できる。
【0049】
上記したように、LAPSについての一般的な測定方法を示した。原理的に、ここに示した測定システムは、LAPSをバイオセンサーに応用する場合に、低ノイズ・低バックグラウンドに向けての手だてとなる。新たな測定システムの応用の一つとして、pH測定を検討した。pH−3.55からpH−5.65の範囲において、pH感度は57.9mV/pHであり、これはNernst値に非常に近いものであった。ポテンショスタットやロックイン増幅器のような高価な装置を使わずに、直接、迅速に高感度でpHを測定できる計測装置を提供することができた。
【0050】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0052】
(A)簡単で、低ノイズ・低バックグラウンドの半導体空乏層容量測定を行うことができる。
【0053】
(B)新たな、迅速で高感度なpHの直接測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す半導体空乏層容量測定システムの概略構成図である。
【図2】 本発明の実施例を示す半導体空乏層容量測定システムの各部の波形を示す図である。
【図3】 本発明の具体例を示す半導体空乏層容量測定システムの構成図である。
【図4】 本発明の具体例を示す半導体空乏層容量測定装置のLAPS信号のタイムシーケンスである。
【図5】 本発明の具体例を示すLAPSのバイアス/Vに対する応答光電流/V特性図である。
【図6】 本発明の具体例を示すLAPSのバイアス/Vに対する応答光電流/Vの変曲点電位の求め方を示す図である。
【図7】 本発明の具体例を示すLAPSのバイアス/Vに対する変換された光電流/Vの特性図である。
【図8】 本発明の具体例を示すLAPSの種々のpHバッファーについての差異信号を示す図である。
【図9】 本発明の具体例を示すLAPSの種々のpH値に対して、対照pHバッファーのバイアスとのバイアスの差をプロットした図である。
【図10】 従来の化学センサーLAPSの概略構成図である。
【図11】 従来の化学センサーLAPSの各部の波形図である。
【符号の説明】
1 バルク半導体(Si)
1A 空乏層
2 絶縁体層
3 第1の電解質(測定セル)
4 第1の電解質の電極
5 第2の電解質(対照セル)
6 第2の電解質の電極
7 DC電圧源(電圧値可変)
8,23 増幅器
9 第1の照射光パルス
10 第2の照射光パルス
11 センサー
12 測定セル
13,17 電極(Ag/AgClのロッド)
14,18 バイアス電圧源(可変電圧印加)
15,19,24 アース
16 対照セル
20 金属コンタクト
21 第1のレーザー光
22 第2のレーザー光
25 移相回路
Claims (6)
- 半導体空乏層容量測定方法において、
(a)第1と第2の電解質−絶縁体層−半導体バルク構造からなるセンサーをセットし、
(b)前記半導体バルクの空乏層にバイアス電圧を印加し、
(c)前記半導体バルクの裏面に前記第1と第2の電解質にそれぞれ対応する二つの位相をずらした光パルスを照射し、
(d)前記第1と第2の電解質に接続される電極からの出力の差を導出することを特徴とする半導体空乏層容量測定方法。 - 請求項1記載の半導体空乏層容量測定方法において、前記電解質のpHの測定を行うことを特徴とする半導体空乏層容量測定方法。
- 半導体空乏層容量測定装置において、
(a)第1と第2の電解質−絶縁体層−半導体バルク構造からなるセンサーと、
(b)前記半導体バルクの空乏層にバイアス電圧を印加する手段と、
(c)前記半導体バルクの裏面に前記第1と第2の電解質にそれぞれ対応する二つの位相をずらした光パルスを照射する手段と、
(d)前記第1と第2の電解質に接続される電極からの出力の差を導出することを特徴とする半導体空乏層容量測定装置。 - 請求項3記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記絶縁体層がSi3 N4 /SiO2 、前記半導体バルクがSiバルクであることを特徴とする半導体空乏層容量測定装置。
- 請求項3記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記光パルスは10kHz〜30kHzのレーザー光であることを特徴とする半導体空乏層容量測定装置。
- 請求項3記載の半導体空乏層容量測定装置において、前記第1と第2の電解質は測定セルと対照セルであることを特徴とする半導体空乏層容量測定装置。
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