JPWO2004011660A1 - ユビキノン−10含有溶液の製造方法 - Google Patents

ユビキノン−10含有溶液の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、以下の工程、[1]ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物を培地に培養して得られる培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物に、50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0以上30℃以下の温度に保持する工程、[2]工程[1]で得られる溶液から不溶物を分離取得する工程、[3]工程[2]で得られる不溶物に、85〜100v/v%の濃度のメタノール溶液を加え、30℃より高く80℃以下の温度に保持する工程、および[4]工程[3]で得られる溶液から不溶物を除去する工程、を含むユビキノン−10含有溶液の製造方法が提供される。

Description

本発明は、ユビキノン−10を含有する培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物から、ユビキノン−10を分離精製する方法に関する。
ユビキノン−10は広く動植物の組織、微生物の細胞内に存在し、末端電子伝達系の必須成分として重要な働きをしている。またその薬理作用はうつ血性心不全及び冠不全、栄養障害による筋ジストロフィーなどに有効であり、医薬品としても価値の高い物質である。
ユビキノン−10の製造法としては、ユビキノン−10の含有率が高い微生物を培養して得られる培養物から抽出する方法が一般的である。
該培養物からユビキノン−10を精製する方法としては、従来から有機溶媒等を用いる抽出法が知られている(特開平11−178595号など)。また、該抽出液からユビキノン−10を精製する方法としては、シリカゲルまたは活性アルミナを用いる方法(特開昭63−91360号、特開平1−160953号など)が知られている。
しかしながら、上記抽出法で得られる抽出液は、ユビキノン−10以外にユビキノン−10類縁体を多く含み、該抽出液から晶析法により直接、高純度のユビキノン−10を精製することは困難である。
シリカゲルまたは活性アルミナを用いた方法では、ユビキノン−10類縁体を多く含む該抽出液を用いた場合、ユビキノン−10を効率よく分離精製することはできない。さらに、シリカゲルおよび活性アルミナは高価であり、工業規模での製造においては、コスト高につながるという問題もある。
本発明の目的はユビキノン−10を含有する培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物から、高純度のユビキノン−10を安価に分離精製する方法を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(6)に関する。
(1) 以下の工程、
[1]ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物を培地に培養して得られる培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物に、50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0℃以上30℃以下の温度に保持する工程、
[2]工程[1]で得られる溶液から不溶物を分離取得する工程、
[3]工程[2]で得られる不溶物に、85〜100v/v%の濃度のメタノール溶液を加え、30℃より高く80℃以下の温度に保持する工程、および
[4]工程[3]で得られる溶液から不溶物を除去する工程、を含むユビキノン−10含有溶液の製造方法。
(2) 請求項1記載の方法の工程[2]で得られる不溶物に、再び50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0℃以上30℃以下の温度に保持した後、不溶物を分離取得する工程を、1回以上繰り返してから請求項1記載の工程[3]以降の工程を行うことを特徴とする上記(1)の方法。
(3) ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物が、担子菌、真菌、酵母および細菌からなる群より選ばれる微生物である上記(1)または(2)の方法。
(4) 培養物の処理物が、微生物の培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、該培養物から分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体を洗浄して得られる洗浄菌体、該洗浄菌体の乾燥物または該洗浄菌体の凍結乾燥物であることを特徴とする、上記(1)または(2)の方法。
(5) 上記(1)または(2)の方法で得られるユビキノン−10含有溶液からユビキノン−10の結晶を晶析させることを特徴とするユビキノン−10の結晶の製造方法。
(6) ユビキノン−10の結晶が、90.0%以上の純度の結晶である上記(5)の方法。
本発明の方法に用いられるユビキノン−10を生産する能力を有する微生物は、該能力を有する微生物であれば、いずれの微生物でもよいが、例えば、ユビキノン−10を生産する微生物として知られている担子菌、真菌、酵母、および細菌をあげることができる。より具体的には、担子菌としてはUstilago属、真菌としてはAspergillus属、Exobasidium属、Geotrichum属、Monascus属、Paecilomyces属、Sporotrichum属およびTilletiopsis属、酵母としてはAureobasidium属、Brettanomyces属、Bullera属、Candida属、Cryptococcus属、Leucosporidium属、Oosporidium属、Rhodotorula属、Rhodosporium属、Schizosaccharomyces属、Sporobolomyces属、Torulopsis属、Tremella属、Trichosporon属およびSporidiobolus属、細菌としては、Acetobacter属、Agrobacterium属、Corynebacterium属、Erythrobacter属、Flavobacterium属、Methylobacter属、Microcyclus属、Paracoccus属、Phyllobacterium属、Protaminobacter属、Pseudomonas属、Rhizobium属、Rhodobacter属およびXantomonas属に属する微生物等をあげることができる。
また、遺伝子組換え等の手法により、ユビキノン合成酵素が強化されたEscherichia属に属する微生物、および該酵素が強化された上記のユビキノン−10を生産する能力を有する微生物も本発明の方法に用いることができる。
上記の微生物を培養するための培地としては、該微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、該微生物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノールなどのアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ならびに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、振盪培養または深部通気攪拌培養などの好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常16時間〜14日間である。培養中のpHは3.0〜9.0に保持することが好ましい。pHの調整は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて行う。
培養が終了した培養物は、そのまま本発明の精製方法に用いることができ、該培養物の処理物もまた、本発明の精製方法に用いることができる。
該培養物の処理物としては、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、該培養物から分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体を洗浄して得られる洗浄菌体、該洗浄菌体の乾燥物または該洗浄菌体の凍結乾燥物等をあげることができる。
上記洗浄菌体とは、ユビキノン−10を実質的に溶解しない溶媒で洗浄した洗浄菌体であり、例えば該溶媒を用いて1〜10回、好ましくは2〜7回、さらに好ましくは3〜5回、洗浄して得られる菌体をあげることができる。
上記洗浄に用いられる溶媒としては、水が好適に用いられる。
なお、本発明において、ユビキノン−10を実質的に溶解しないとは、ユビキノン−10の工業的精製法において許容される程度のユビキノン−10の溶解性はあってもよいことを意味し、具体的にはユビキノン−10の溶解度が0.05%以下、より好ましくは0.02%以下、さらに好ましくは0.01%以下であることをいう。
微生物の菌体は、培養物をろ過、遠心分離、膜分離などの分離操作、好ましくは遠心分離操作によって得ることができる。ろ過は、ヌッチェ、フィルタープレス、バスケット分離機などで行うことができる。
上記培養物および培養物の処理物は、凍結して保存し、必要なときに融解して用いることもできる。
本発明の方法により、上記培養物、該培養物の処理物からユビキノン−10を精製することができるほか、ユビキノン−10の粗精製物からユビキノン−10を精製することもできる。
ユビキノン−10の粗精製物としては、ユビキノン−10類縁体が多く含まれるユビキノン−10含有溶液、乾燥物、凍結乾燥物または晶析物等をあげることができるが、それらの取得方法はいずれの方法であってもよく、例えば、ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物を培養して得られる培養物から従来の方法に従い、有機溶媒等を用いてユビキノン−10を抽出する方法、該抽出液を乾燥または凍結乾燥する方法、および該粗抽出方法により得られた抽出液を晶析する方法等をあげることができる。
ユビキノン−10類縁体が多く含まれるユビキノン−10含有溶液等としては、95重量部のユビキノン−10に対し、ユビキノン−10類縁体が5重量部以上含まれるユビキノン−10含有溶液等をあげることができる。
ユビキノン−10類縁体としては、3−デメトキシユビキノン−10等のユビキノン−10構造類縁物、およびスフェロイデン等のカロテノイド類などをあげることができる。
本発明の方法で用いられるメタノール溶液としては、メタノールおよびメタノール水溶液をあげることができる。また、メタノールに他の有機溶媒等を添加して得られるメタノール溶液もまた、本発明の目的を達成することができる限りにおいて、本発明の方法で用いられるメタノール溶液としてあげることができる。
上記の方法で得られる微生物の培養物若しくは該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物に50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0℃以上30℃以下の温度に保持することにより、ユビキノン−10高含有不溶物を取得することができる。上記メタノール溶液の濃度と温度は、メタノール溶液が該濃度および温度においてユビキノン−10を実質的に溶解しない濃度と温度の組み合わせであれば、いかなる濃度と温度の組み合わせであってもよい。例えば、メタノール溶液としてメタノールまたはメタノール水溶液を用いる場合、濃度が50〜100v/v%で温度が0〜30℃、より好ましくは濃度が70〜100v/v%で温度が10〜20℃、さらに好ましくは濃度が80〜100v/v%で温度が20℃の組み合わせをあげることができる。
上記濃度と温度で培養物等を含む溶液を保持する方法としては、例えば攪拌機で30分間〜10時間、好ましくは1〜5時間、さらに好ましくは1〜2時間撹拌する方法をあげることができる。該方法により、該培養物等に含まれるユビキノン−10以外のユビキノン−10類縁体をメタノール溶液中に抽出することができ、ユビキノン−10含有不溶物を得ることができる。
上記工程で得られるユビキノン−10含有不溶物は、ろ過、遠心分離、膜分離などの分離操作によって溶液と分離することができる。ろ過は、ヌッチェ、フィルタープレス、バスケット分離機などで行うことができる。
上記一連の工程によって得られる不溶物に再度50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、上記一連の工程を1回以上、例えば数回繰り返すことにより、目的とする濃度のユビキノン−10含有不溶物を取得してもよい。
上記工程で得られるユビキノン−10含有不溶物に、85〜100v/v%の濃度のメタノール溶液を加え、30℃より高く80℃以下の温度に保持することにより、ユビキノン−10を含有するメタノール溶液を取得することができる。
上記不溶物に加えるメタノール溶液の濃度と温度は、使用するメタノール溶液が該濃度および温度において、上記工程において分離取得される不溶物に含有されるユビキノン−10を溶解し、かつユビキノン−10以外の夾雑物質を実質的に溶解しない濃度と温度であれば、いかなる濃度と温度の組み合わせであってもよい。具体的には例えば、メタノール溶液の濃度が85〜100v/v%で濃度が30℃より高く80℃以下、より好ましくは濃度が90〜100v/v%で温度が50〜70℃、さらに好ましくは濃度が95〜100v/v%で温度が60〜70℃の組み合わせをあげることができる。
上記濃度と温度でメタノール溶液を保持する方法としては、例えば攪拌機で30分間〜10時間、好ましくは1〜5時間、さらに好ましくは1〜2時間撹拌する方法をあげることができる。該方法により、ユビキノン−10を含有するメタノール溶液を取得することができる。
上記工程により取得されるユビキノン−10を含有するメタノール溶液から不溶物を除去することにより、ユビキノン−10含有溶液を分離、取得することができる。不溶物を除去する方法としては、ろ過、遠心分離、膜分離などの分離操作によって溶液と分離する方法をあげることができる。ろ過は、ヌッチェ、フィルタープレス、バスケット分離機などで行うことができる。
上記工程により取得されるユビキノン−10含有溶液からユビキノン−10の結晶を、晶析法等を用いて晶析させることにより、ユビキノン−10の結晶を取得することができる。
本発明の方法に用いられる晶析方法としては、本発明の方法で得られるユビキノン−10含有溶液からユビキノン−10の結晶を晶析させることができる方法であればいかなる方法でもよいが、例えば濃縮晶析法、冷却晶析法およびそれらを組み合わせた方法等をあげることができる。晶析条件は、ユビキノン−10の結晶が晶析する条件であれば、どのような条件でもよく、該条件は、当業者であれば試行錯誤なく設定することができる。冷却晶析法における晶析条件としては、上記工程で得られたユビキノン−10含有溶液を、1〜30時間、好ましくは2〜20時間、より好ましくは5〜15時間かけて、0〜30℃、好ましくは10〜25℃、より好ましくは15〜20℃まで冷却する条件をあげることができる。
上記晶析方法により晶析した結晶を、ろ過、遠心分離、膜分離によって溶液と分離した後、乾燥させることによりユビキノン−10の結晶を取得することができる。得られた結晶に、85〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、30℃より高く80℃より低い温度に保持して該結晶を溶解させた後、上記結晶方法を1回以上、例えば数回繰り返すことにより、該結晶の純度を高めることができる。
本発明の方法で得られるユビキノン−10の結晶としては、ユビキノン−10の純度が90.0%以上、好ましくは95.0%以上、より好ましくは97.0%以上、さらに好ましくは99.0%以上のユビキノン−10の結晶をあげることができる。
第1図は、メタノール水溶液に対するユビキノン−10の溶解度を表す図である。図中、メタノール水溶液温度が、●は70℃、△は50℃、◆は30℃、▽は20℃におけるユビキノン−10の溶解度を示す。
以下、本発明の実施例を示すが、本実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1 ユビキノン−10とユビキノン−10類縁体混合物からのユビキノン−10類縁体の効率的除去方法
以下の第1表記載の組成を有する培地をpH9.0に調整し、炭酸カルシウムを1%添加した後、121℃で10分間滅菌した1.8Lの培地を入れた3Lの発酵槽にユビキノン−10生産菌であるRhodobactersphaeroides ATCC 21286を植菌し、8日間、28℃、撹拌回転数450rpmで培養した。表中、トレースエレメントとは、88mg/lのテトラホウ酸ナトリウム(ホウ砂、Na・10HO)、37mg/lのモリブデン酸アンモニウム[(NHMo24・4HO]、8.8mg/lの硫酸亜鉛(ZnSO)、270mg/lの硫酸銅(CuSO・5HO)、7.2mg/lの塩化マンガン(MnCl・4HO)および970mg/lの塩化第2鉄(FeCl・6HO)からなる溶液を示す。
Figure 2004011660
培養終了後、0.3mlの培養物に、20%のフェリシアン化カリウム[KFe(CN)]溶液を1μl、2−ブタノールを0.3mlおよびガラスビーズを0.3ml加え、マルチビーズショッカーMB200(安井器械社製)を用いて30分間振盪して菌体を破砕することにより、ユビキノン−10およびユビキノン−10類縁体を完全に抽出した。該破砕抽出液を15000rpmで10分間、遠心分離して得られる上清をHPLC分析した結果、ユビキノン−10に対する3−デメトキシユビキノン−10の比率は1%であった。
一方、培養終了後、培養物を遠心分離により集菌して得られた80gの湿菌体を水で3回洗浄し、洗浄菌体を取得した。該洗浄菌体に10、20、40または60℃の100v/v%のメタノールを500ml加え1時間撹拌した後、遠心分離し、沈殿物を取得した。得られた沈殿物のユビキノン−10に対する3−デメトキシユビキノン−10(3−dmUBD)の比率を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果を第2表に示す。
Figure 2004011660
上記結果から、本発明の方法を用いることにより、ユビキノン−10とユビキノン−10類縁体を含有する溶液から、ユビキノン−10類縁体を効率よく除去できることが確認された。
実施例2 メタノール溶液に対するユビキノン−10の溶解度
ユビキノン−10標品(和光純薬社製)を用いて、メタノール水溶液に対するユビキノン−10の溶解度を、溶液の濃度と温度の関係において調べた。結果を第1図に示す。
ユビキノン−10の溶解度は、メタノール濃度とメタノール水溶液温度に比例して増加することが示された。
実施例3 ユビキノン−10生産菌の菌体からのユビキノン−10の精製
実施例1と同様の方法により取得したRhodobacter sphaeroides ATCC 21286の湿菌体80gを水で3回洗浄し、洗浄菌体を取得した。該洗浄菌体に抽出溶媒としてメタノール500mlを加え20℃で1時間撹拌した後、遠心分離し、夾雑物を多く含むメタノール溶液相を除いた。得られた沈殿物に対し、上記メタノール抽出操作を2回繰り返した。
次に、再度メタノールを加えて60℃で1時間撹拌した後、ろ過により抽出液を取得した。該抽出液中には1重量部の3−デメトキシユビキノン−10に対し、99重量部のユビキノン−10が含まれていた。
該抽出液を5時間以上かけて20℃まで冷却することでユビキノン−10を析出させ、ユビキノン−10の粗結晶を取得した。該結晶を40℃のメタノールに0.5g/Lとなるように溶解した後、5時間かけて20℃まで冷却することにより、ユビキノン−10の結晶を取得した。該結晶の純度は99.5%であった。
実施例4 ユビキノン−10生産菌の乾燥菌体からのユビキノン−10の精製
実施例1と同様の方法で取得した培養物を遠心分離して得られた80gの湿菌体に水を添加して、スラリー状態に戻した後、スプレードライヤーで乾燥菌体を取得した(水分含量2.0w/w%)。該乾燥菌体に抽出溶媒として500mlのメタノールを加え、20℃で1時間撹拌した後、遠心分離し、メタノール溶液相を除いた。得られた沈殿物に対し、上記メタノール抽出操作を2回繰り返した。
次に、再度メタノールを加えて60℃で1時間撹拌した後、ろ過により抽出液を取得した。該抽出液中には1重量部の3−デメトキシユビキノン−10に対し、99重量部のユビキノン−10が含まれていた。
該抽出液を5時間以上かけて20℃まで冷却することでユビキノン−10を析出させ、ユビキノン−10の粗結晶を取得した。該結晶を40℃のメタノールに0.5g/Lとなるように溶解した後、5時間以上かけて20℃まで冷却することにより、ユビキノン−10の結晶を取得した。該結晶の純度は99.5%であった。
実施例5 ユビキノン−10生産菌の培養物からのユビキノン−10の精製
実施例1と同様の方法で取得した培養物0.5Lに、0.5Lのメタノールを加え、20℃で1時間攪拌した後、遠心分離し、メタノール溶液相を除いた。得られた沈殿物に対し、上記メタノール抽出操作を3回繰り返した。
次に、再度メタノールを加えて60℃で1時間撹拌した後、ろ過により抽出液を取得した。該抽出液中には1重量部の3−デメトキシユビキノン−10に対し、99重量部のユビキノン−10が含まれていた。
該抽出液を5時間以上かけて20℃まで冷却することでユビキノン−10を析出させ、ユビキノン−10の粗結晶を取得した。該結晶を40℃のメタノールに0.5g/Lとなるように溶解した後、5時間以上かけて20℃まで冷却することにより、ユビキノン−10の結晶を取得した。該結晶の純度は99.5%であった。
実施例6 メタノール水溶液を用いたユビキノン−10の精製
実施例1と同様の方法で取得した培養物を遠心分離して得られた80gの湿菌体を水で洗浄して洗浄菌体を取得した。該菌体に80v/v%のメタノール水溶液を添加し、20℃で1時間撹拌した後、遠心分離し、メタノール溶液相を除いた。得られた沈殿物に対し、上記メタノール抽出操作を5回繰り返した。
次に、95v/v%メタノール溶液を添加して60℃で1時間攪拌した後、ろ過により抽出液を取得した。該抽出液中には1重量部の3−デメトキシユビキノン−10に対し、99重量部のユビキノン−10が含まれていた。
該抽出液を5時間以上かけて20℃まで冷却することでユビキノン−10を析出させ、ユビキノン−10の粗結晶を取得した。次に該結晶を40℃のメタノールに0.5g/Lとなるように溶解した後、5時間以上かけて20℃まで冷却することにより、ユビキノン−10の結晶を取得した。該結晶の純度は99.5%であった。
実施例7 ユビキノン−10の粗精製物からのユビキノン−10の精製
実施例1と同様の方法で取得した培養物を遠心分離して得られた湿菌体を常法に従い2−ブタノールを用いてユビキノン−10を抽出し、該抽出液に含有されるユビキノン−10を常法に従い合成吸着樹脂に吸脱着させて得られるユビキノン−10含有画分を濃縮晶析することにより純度82.9%のユビキノン−10の粗精製物を取得した。該粗精製物に80v/v%の含水メタノール溶液を添加し、20℃で1時間撹拌した後、遠心分離し、メタノール溶液相を除いた。得られた沈殿物に対し、上記メタノール抽出操作を5回繰り返した。
次に、95v/v%メタノール溶液を添加して60℃で1時間攪拌した後、ろ過により抽出液を取得した。該抽出液中には1重量部の3−デメトキシユビキノン−10に対し、99重量部のユビキノン−10が含まれていた。
該抽出液を5時間以上かけて20℃まで冷却することでユビキノン−10を析出させ、ユビキノン−10の粗結晶を取得した。次に該結晶を40℃のメタノールに0.5g/Lとなるように溶解した後、5時間以上かけて20℃まで冷却することにより、ユビキノン−10の結晶を取得した。該結晶の純度は99.5%であった。
本発明の方法によれば、ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物の培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10粗精製物から高純度のユビキノン−10を安価に精製することができる。

Claims (6)

  1. 以下の工程、
    [1]ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物を培地に培養して得られる培養物、該培養物の処理物、またはユビキノン−10の粗精製物に、50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0℃以上30℃以下の温度に保持する工程、
    [2]工程[1]で得られる溶液から不溶物を分離取得する工程、
    [3]工程[2]で得られる不溶物に、85〜100v/v%の濃度のメタノール溶液を加え、30℃より高く80℃以下の温度に保持する工程、および
    [4]工程[3]で得られる溶液から不溶物を除去する工程、
    を含むユビキノン−10含有溶液の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法の工程[2]で得られる不溶物に、再び50〜100v/v%の濃度になるようにメタノール溶液を加え、0℃以上30℃以下の温度に保持した後、不溶物を分離取得する工程を、1回以上繰り返してから請求項1記載の工程[3]以降の工程を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ユビキノン−10を生産する能力を有する微生物が、担子菌、真菌、酵母および細菌からなる群より選ばれる微生物である請求項1または2記載の方法。
  4. 培養物の処理物が、微生物の培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、該培養物から分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体を洗浄して得られる洗浄菌体、該洗浄菌体の乾燥物または該洗浄菌体の凍結乾燥物であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  5. 請求項1または2記載の方法で得られるユビキノン−10含有溶液からユビキノン−10の結晶を晶析させることを特徴とするユビキノン−10の結晶の製造方法。
  6. ユビキノン−10の結晶が、90.0%以上の純度の結晶である請求項5記載の方法。
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