JPWO2003087669A1 - 溶融炉,ガス化溶融炉及び廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、灰を溶融する燃焼室(11,12,13)と、灰を溶融して生成した溶融スラグ(20)を排出するスラグ落口(17)とを備えた溶融炉(10)において;スラグ落口(17)を交換可能な耐火材で構成した。;スラグ落口(17)の周囲端部の高さをガス流れ上流側が高く、下流側が低くした。また、本発明は、流動層ガス化炉と、一次、二次、三次からなる燃焼室(11,12,13)を備えた溶融炉において、二次燃焼室最低部にスラグ落口部ブロックを形成した。
Description
技術分野
本発明はガス化炉等からの灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、高温燃焼させると共に、該灰を溶融して溶融スラグとする溶融炉並びにガス化溶融システムに関するものである。
背景技術
都市ごみ、産業廃棄物、医療廃棄物、シュレッダーダストや古タイヤ等の廃棄物を焼却して減量化すること、及びその焼却熱を有効に利用することが望まれている。廃棄物の焼却灰は、通常、有害な重金属を含むので、焼却灰を埋め立てにより処理するためには、重金属成分を固化処理するための対策が必要である。更に設備全体のスケールダウン等も求められている。このような課題に対応できる設備として、種々の金属を回収すると共に、灰を溶融して溶融スラグを形成し、この溶融スラグを回収することができ、また熱、電力などのエネルギーを回収することのできる、単なる焼却処理ではなく、熱分解ガス化と高温燃焼の組み合わせであり、マテリアルリサイクルを可能にしたガス化溶融炉(ガス化溶融システム)が近年注目されてきている。
図1は流動床ガス化炉と旋回溶融炉の組み合わせである従来のガス化溶融システムを示す概略図である。図1に示すように、ガス化溶融システムは流動床ガス化炉1と旋回溶融炉10とを備えている。図1に示すガス化溶融システムにおいては、廃棄物は流動床ガス化炉1の流動層2に供給され、ガス化炉1内においてガス化され、未燃炭素や灰を含んだ温度500℃〜600℃程度の未燃ガスを生成した後、この生成ガスを溶融炉10に導き該溶融炉10において投入される二次空気により低空気比(1.3〜1.5程度)で高温燃焼させ、旋回溶融炉10内を灰の融点以上(1300℃以上、好ましくは1350℃程度)にする。この高温状態において、灰を炉壁面に集め溶融スラグ化流を生成する。この溶融スラグはスラグ落口17から炉外に落下し、スラグ冷却水と接触させることにより、水砕スラグとする。
また、灰分を溶融スラグ化して発生した高温燃焼ガスを廃熱ボイラや熱交換器等に導入し、熱エネルギーが回収される。このようなガス化溶融システムにおいて、溶融炉の構造は、灰の溶融状態と円滑な運転維持に影響を与えるため、どのような構造とするかは、システム全体にとっても技術的に重要なポイントと考えられてきた。
図2は従来のこの種の溶融炉の構成例を示す図である。図2において、符号10は溶融炉であり、該溶融炉10は一次燃焼室11、二次燃焼室12、三次燃焼室13を具備している。炉内の燃焼ガス16が通る通路は略V字状に形成され、該V字状の最下部にスラグ落口17が形成された構成である。
ガス化炉1(図1参照)でガス化された未燃炭素や灰を含んだ生成ガス14又は生成ガス14とともに燃焼用ガスを混合したガスは、溶融炉10の一次燃焼室11の上部に炉壁内面の接線方向に導入され、同じく一次燃焼室11に炉壁内面の接線方向に導入された燃焼空気15と混合され、旋回流を形成しながら燃焼し、二次燃焼室12へ移動し高温燃焼(1200℃〜1400度、好ましくは温度1350℃)し、更に三次燃焼室13を通って排ガス16’となって図示しない廃熱ボイラ等に排出される。なお、図2において、符号18,19はそれぞれ昇温・助燃バーナである。また、上記例では、生成ガス14と燃焼空気15の両者を炉壁内面の接線方向に導入する例を説明したが、生成ガス14又は燃焼空気15の何れか一方を炉壁内面の接線方向に導入して旋回流を形成し、他方をこの旋回流に吹き込むように導入し混合燃焼させる場合もある。
上記のように一次燃焼室11の上部に導入された未燃炭素や灰を含んだ生成ガス14と燃焼空気15は旋回流を形成しながら混合・燃焼し、二次燃焼室12、三次燃焼室13へと移動する。この旋回流により灰は炉壁に集められ、高温で溶融され溶融スラグ20となり、炉底を流れ、スラグ落口17からスラグシュート30を通って炉外へ落下する。落下した溶融スラグ20は、図示しないスラグ冷却水と接触して水砕スラグとなり回収される。
図3は溶融炉のスラグ落口の近傍の一例を示す図である。図3に示すように、上記構成の溶融炉10において、溶融炉10の炉壁面から流下する溶融スラグ20が炉底に集まり、スラグ落口17の内壁面17aを伝わりながら落下する。このため、スラグ落口17の内壁面17aは高温の溶融スラグ20に集中的に曝されるため溶損が激しく、溶損が進むとスラグ落口17の内壁を交換する必要がある。更にスラグ落口17は、高温の二次燃焼室12及び三次燃焼室13内と低温のスラグシュート30(このスラグシュート30の下部にはスラグ冷却水があるため、スラグシュート30は低温となる)の境界部となり、温度勾配が生じるため耐火材にとってより厳しい条件であり、破損しやすい状況にある。しかしながら、スラグ落口17の内壁は溶融炉10の内壁と一体になっているから、交換作業が容易でないという問題があった。
また、この溶損・熱的損傷対策としてスラグ落口17の内壁を特に溶損・高熱に強い耐火材で構成することも考えられるが、スラグ落口17の内壁を溶融炉10の内壁と一体に形成しているため、スラグ落口17の内壁のみを溶損・高熱に強い耐火材で構成することが困難であった。また、溶損、高熱に強い耐火材は高価であるため、溶融炉10の内壁を全てこの溶損、高熱に強い耐火材で構成することは不経済となる。
また、溶損量を低減するため、スラグ落口17の内壁に水管を設ける場合もあるが、内壁面17aが過冷却となり、該溶融スラグ20が付着・固化した図3に示すような塊状スラグ21に成長し、最悪の場合、スラグ落口17を閉塞するという問題もある。またこの場合、耐火材は乾燥、焼成しないと本来の強度が発現しないため、水管により過冷却されると、強度不足により破損しやすくなるという問題もある。
他方、図4は上記溶融炉10のスラグ落口部の近傍を示す第二の図である。図4に示すように、スラグ落口17の周囲端部の高さは燃焼ガス16の上流側の高さh1と下流側の高さh2が同じ高さ(h1=h2)、即ちスラグ落口17の周囲端部の高さは同一レベルとなっており、またスラグ落口17の外周部の上面17bはスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっているため、スラグ落口17の外周部の上面17bの上流側に沿って流れる燃焼ガス16はスラグ落口17の内壁面17aに衝突し、該スラグ落口17に乱流が発生する。該乱流によりスラグ落口17より排出する溶融スラグの排出状況に悪影響を与える可能性があるという問題があった。
付随する問題の一つとして、スラグ落口17の内壁面17aに溶融スラグ20が付着・固化し塊状スラグ21に成長し(図3参照)、最悪の場合、スラグ落口17を閉塞するという問題や、有害成分を含む燃焼ガス16がスラグ落口17を通って、炉外に排出し、スラグ冷却水を汚染する等の可能性があるという問題があった。
発明の開示
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題を除去し、溶融炉のスラグ落口の内壁が溶損した場合、その交換が容易で、且つ溶損・破損し難く、更にスラグ落口部の過冷却によるスラグ落口に溶融スラグが付着・固化することを防止できる溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
また、溶融炉のスラグ落口部にガスの乱流が発生することなく、溶融スラグの排出状況に影響を与えることのない溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
また、スラグ落口における溶融スラグの付着・固化状態を検出し、スラグ落口の閉塞を防止あるいは解除できる溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の溶融炉の1態様は、灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、前記スラグ落口を交換可能な耐火材で構成したことを特徴とする。
上記のように、スラグ落口を炉壁部とは別部品の交換可能な耐火材で構成したスラグ落口部ブロックとすることにより、該スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材を用いて予め工場等で所定の製造工程(例えば、成形工程、乾燥工程)を経て製造しておき、溶融炉が設置されている現場に搬入して、溶損したスラグ落口部ブロックと交換することが容易となる。また、スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材(例えば高クロム系耐火材)で構成することにより、スラグ落口の壁部の溶損・破損を抑制することができる。また、スラグ落口の周囲をスラグ落口部ブロックとすることにより、従来のように水管による耐火材冷却を必要としないか又は僅かの冷却で良くなるため過冷却がなくなり、溶融スラグの付着・固化を防止できる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口は中央に開口が形成されたブロックであり、該ブロック上面に燃焼ガス流れの上流側外周からスラグ落口に達する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口部ブロックのブロック上面に燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口に達するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグが集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、スラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、その上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面であり、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されていることを特徴とする。
上記のように、スラグ落口部ブロックの上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面となっており、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されているので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスは、スラグ落口の上部を通過した後、下流側の上面に沿って流れて進むことになり、スラグ落口の内側面に衝突することがないから、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。また、スラグ落口付近のガス流れが平滑化され、排出される溶融スラグの落下にブレを生じなくなる(このブレが大きいと溶融スラグが水砕面でなく、スラグシュート内面に付着する)。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であることを特徴とする。
スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であるので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。更に上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、複数のブロックから構成されることを特徴とする。
上記のようにスラグ落口部ブロックは複数のブロックから構成されるので、スラグ落口部ブロックの製造及び搬送が容易となる。また、破損した場合でも、破損した部分のブロックだけを交換すればよいから、交換が容易となる。
本発明のガス化溶融システムは、廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを生成するガス化炉と、該灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを高温燃焼させ、該灰を溶融する溶融炉とを備えたガス化溶融システムにおいて、溶融炉に、上記溶融炉を用いることを特徴とする。
上記のようにガス化溶融システムの溶融炉に、上記溶融炉を用いることにより、この溶融炉が有する上記特性を発揮し、運用効率のよいガス化溶融システムを構築できる。
また、上記課題を解決するため、本発明の溶融炉の他の態様は、灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、スラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に達するから、従来のように燃焼排ガスはスラグ落口の下流側周端側面に衝突して乱流を発生することなく、スムーズに流れ、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。また、燃焼ガスはスラグ落口の上方を通って下流側上面により向きを変えられるため、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
本発明の1態様によれば、スラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、燃焼ガス流れの上流側の傾斜面にスラグ落口に達する溶融スラグが流下する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、上流側の傾斜面に沿って流れる燃焼ガスが下流側の傾斜面の上に達するように該スラグ落口の周囲端部の高さ及び上流側の傾斜面の傾斜角を設定することにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の下流側周囲側面に衝突して乱流を発生することなくスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に確実に達するから、スムーズな流れとなり、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
また、スラグ落口の外周部は、その上面が落口に向って上昇する傾斜面であるので、スラグ落口の外周部上面の上流側に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
また、スラグ落口の外周部の上面に燃焼ガス通路の上流側傾斜面からスラグ落口に達する溶融スラグが流下するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグがスラグ流下溝を通って集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、溶融スラグがスラグ落口の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の廃棄物の処理方法の1態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側のみにスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを水砕トラフへと流下させて冷却することを特徴とする。
本発明によれば、上記のように一次燃焼室側にのみにスラグ流下溝を有しているから、溶融スラグを該スラグ流下溝に集中させるとともに、燃焼ガスの一部が該スラグ流下溝を流れることにより溶融スラグの冷却を防止することができる。
本発明の廃棄物の処理方法の他の態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却固化し、該冷却固化により発生した水蒸気とともに、前記二次燃焼室のスラグ落口から燃焼ガスを吸引して混合ガスとし、該混合ガスを前記三次燃焼室に導入することを特徴とする。
本発明によれば、上記のようにスラグ冷却固化により発生した水蒸気とともに、スラグ落口から燃焼ガスを吸引することで、該水蒸気によるスラグ落口部の冷却を防止するとともに、燃焼ガスをあわせて吸引することでスラグ落口及びその周辺を高温に保つことができる。
本発明の廃棄物の処理方法の1態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグをスラグシュートにおいて冷却し、前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、上記のように二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
本発明の廃棄物の処理装置は、廃棄物を流動層炉にてガス化して灰分を含む可燃ガスを生成し、溶融炉にて該可燃ガスを燃焼して灰分を溶融スラグ化し、該溶融スラグを冷却する廃棄物の処理装置であって、前記溶融炉は一次燃焼室と、二次燃焼室と、三次燃焼室と、前記二次燃焼室の最低部に配置されるとともに一次燃焼室側にスラグ流下溝を有したスラグ落口部ブロックとを備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ落口部ブロックの下方に前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却するスラグシュートを設けるとともに、前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知する圧力検出器を設け、該圧力検出器により前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室内に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、上記のように二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。
図5は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図5に示すように、溶融炉10の二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部にスラグ落口部ブロック22を設けている。なお、符号23は該スラグ落口部ブロック22の下部に設けた水管である。
図6A乃至図6Cはスラグ落口部ブロック22の構成を示す図で、図6Aは側断面図(図6BのVIA−VIA断面図)、図6Bは平面図、図6Cは側断面図(図6BのVIC−VIC断面図)である。スラグ落口部ブロック22は溶損・高熱に強い耐火材(例えば、高クロム系耐火材(クロムが60%以上の耐火材))で構成され、中央部にスラグ落口17が形成されている。スラグ落口部ブロック22の上面22aは中央のスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっており、スラグ落口17の内側面となる内周面22cは垂直面に形成されている。
上記スラグ落口17の内側面となるスラグ落口部ブロック22の内周面22cの燃焼ガス16流れの上流側(矢印C側)の高さh1は下流側(矢印D側)の高さh2より高く(h1>h2)なっている。また、スラグ落口部ブロック22の上面22aには燃焼ガス16流れの上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dが形成されている。該スラグ流下溝22dは外周側が広く、スラグ落口17側が狭くなっており、その底部が略円弧状に形成されている。
上記構成のスラグ落口部ブロック22を、二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部に設けられた開口部に設置した場合、二次燃焼室12から三次燃焼室13へと流れる燃焼ガス16は、スラグ落口部ブロック22の上面22aに上流側(矢印C側)から流れ込み、スラグ落口17の上部を通って下流側(矢印D側)へと流れるが、上記のように内周面22cの上端の上流側の高さh1が下流側の高さh2より高く(h1>h2)なっており、図6Aに示すように、スラグ落口17の上部を通った燃焼ガス16が内周面22cに衝突することがないように上流側の上面22aの傾斜角度を設定しているから、燃焼ガス16は下流側の上面22aに沿って三次燃焼室13へと流れ、燃焼ガス16はスラグ落口17に流れ込むことはない。
また、スラグ落口部ブロック22は溶融炉の炉壁とは別部品となっているため、水管23により過冷却されることなく、過冷却による溶融スラグ20の付着・固化がなくなる。また、スラグ落口部ブロック22の上面22aには、上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dを設けているので、溶融炉10の内壁面を流下した溶融スラグ20はスラグ流下溝22dに集められ、スラグ落口17に流れ込むから、溶融スラグ20がスラグ落口部ブロック22の表面に付着・固化するのを極力防止することができる。なお、スラグ流下溝22dの数は1個でも又は複数個でもよい。
また、スラグ落口17の内側面となるスラグ落口部ブロック22の内周面22cの長さは、溶融スラグ20の付着・固化を極力防止する観点から、短い方が好ましく、例えば図7に示すように、スラグ落口部ブロック22の高さ寸法hを短くするとよい。
図8は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図9Aはスラグ落口部ブロックの側断面図(図9BのIXA−IXA断面図)、図9Bは図8に示すスラグ落口部ブロック22の平面図である。図9A及び図9Bに示すように、スラグ落口部ブロック22にその上面22aが外周に向かって下降する傾斜面としたものを用いている。そして上面22aの燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dを形成している。
上記のように、スラグ落口部ブロック22をその上面22aが外周に向かって下降する傾斜面としたことにより、上面22aに付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉10の二次燃焼室12及び三次燃焼室13の内壁面を流下した溶融スラグ20と共に、内壁面とスラグ落口部ブロック22の外周の接合部に流れ込み、更にスラグ流下溝22dを通ってスラグ落口17に流れ込み落下するから、溶融スラグ20がスラグ落口部ブロック22の表面に付着・固化するのを極力防止することができる。なお、ここでもスラグ流下溝22dの数は1個でも又は複数個でもよい。
また、スラグ落口部ブロック22の上流側の上面22aに流れ込んだ燃焼ガス16は、スラグ落口17に向って上昇する流れ(図9A参照)となって進むことになり、スラグ落口17の上部を流れるから、該スラグ落口17に流れ込む燃焼ガス16を極力抑制することができる。また、上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝22dを通ってスラグ落口17に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
また、上記のようにスラグ落口部ブロック22は、工場で予め耐火材で成形工程、乾燥工程を経てプレキャストブロックとして製造する。これにより、溶損しにくく高熱に強い耐火材(例えば、高クロム系(クロム60%以上))を用いることが可能となる。また、スラグ落口部ブロック22は、複数のブロックに分割して、上記成形工程、乾燥工程を経て製造すると、製造、搬送及び破損部位のみの交換が容易となる。また、上記例ではスラグ落口部ブロック22を円形としたが、溶融炉10の構造に適合するように、楕円形状、角形形状等にしてもよい。
図10は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。図10に示すように、溶融炉10の二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部にスラグ落口17を設けている。スラグ落口17の外周部の上面17bはスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっており、スラグ落口17の周囲端部の高さは燃焼ガス16の流れの上流側の高さh1が下流側の高さh2より高くなっている(h1>h2)。
図11は図10の要部拡大図である。図11に示すように、スラグ落口17の外周部の上面17bの上流側に沿って流れる燃焼ガス16は、該スラグ落口17の上部を通って下流側の上面17bに達するように、上流側上面17bの傾斜角α及びスラグ落口17の周端部上流側の高さh1、下流側の高さh2を設定する。
上記のように、スラグ落口17の外周部の上流側上面17bの傾斜角α及びスラグ落口17の周囲端部上流側の高さh1、下流側の高さh2を設定することにより、スラグ落口17の外周部の上流側上面17bに沿って流れ込んだ燃焼ガス16は、図11に示すように、スラグ落口17の近傍に乱流を発生することなく、該スラグ落口17の上部を通るスムーズな流れとなる。従って、スラグ落口17に流れ込む溶融スラグ20の排出状況に悪影響を与えることがない。また、スラグ落口17を通って炉外に排出される燃焼ガス16を抑制することができる。
図12は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図13Aは図12に示すスラグ落口の側断面図、図13Bは図12に示すスラグ落口の平面図である。ここでは、スラグ落口17の外周部上面17bを図13A及び図13Bに示すように、スラグ落口17に向って上昇する傾斜面としている。そして、外周部上面17bに燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝17dを形成している。
上記のように、スラグ落口17の外周部上面17bをスラグ落口17に向って上昇する傾斜面としたことにより、スラグ落口17の上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガス16は、図13Aに示すように、スラグ落口17に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口17の上部を流れるから、該スラグ落口17に流れ込む燃焼ガス16を極力抑制することができる。また、外周部上面17bがスラグ落口17に向って上昇する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグ20は全て外周に集められ、また、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口17の外周部に集められ、溶融スラグがスラグ落口17の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
また、廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含む生成ガスを生成するガス化炉及び上記構成の溶融炉を設けた本発明に係るガス化溶融システムを構成する場合は、ガス化炉としては、内部循環型流動層ガス化炉、外部循環型流動層ガス化炉、キルン炉等を用いることができる。
また、旋回溶融炉の例で説明したが、本発明は溶融炉のスラグ排出部における閉塞を防止するために、スラグ落口に高さ及び/又は傾斜角をつけることを特色の一つとする場合には、本発明の形態は旋回溶融炉に限定されるものではなく、溶融炉としては任意のものを選択することができる。
図14は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロック32は、一次燃焼室11側のみにスラグ流下溝32dを有している。図15A乃至図15Cはスラグ落口部ブロックを示す図であり、図15Aはスラグ落口部の斜視図、図15Bは図15AのXVB−XVB線断面図、図15Cは図15AのXVC−XVC線断面図である。図15A乃至図15Cに示すように、スラグ落口部ブロック32は一次燃焼室11側に向けられたスラグ流下溝32dを有しており、一次燃焼室11側端部の二次燃焼室12底部に配置される。
このように配置されることで、図15Aに示すように、溶融炉10の内壁面を流下した溶融スラグ20は、スラグ落口部ブロック32の周りに集まり、スラグ流下溝32dから排出される。スラグ排出をスラグ流下溝32dに集中させることで、溶融スラグの冷却を防止している。また、スラグ流下溝32dを燃焼ガス16上流(一次燃焼室)側に配置することで、スラグ流下溝32dに燃焼ガス16の一部が流れるため、溶融スラグ20を高温に保つことができる。
図16は本実施の形態をより詳細に説明するための図である。図17Aおよび17Bは溶融スラグがスラグ落口を流れる状態を示す断面図である。図14および図16に示すように、配管40がスラグシュート30と三次燃焼室13とを接続して設けられており、集塵器41とファン42とが配管40に設けられている。スラグシュート30は水砕トラフを構成し、スラグ落口から排出された溶融スラグ20をスラグ冷却水により冷却し、水砕スラグを形成するようになっている。図14および図16において、スラグシュート30からファン42を用いてスラグ冷却固化により発生した水蒸気とスラグ落口17から燃焼ガス16を吸引して混合ガスとし、この混合ガスを三次燃焼室13に送るように構成されている。このように構成することで、図16および図17Aに示すように、溶融スラグはスラグ落口17を通ってスラグシュート30および水槽43に滑らかに排出される。
なお、スラグシュートから吸引され溶融炉10へ供給される混合ガスの供給位置は三次燃焼室13に特定されるものではない。すなわち、配管40は、ガス化炉と溶融炉とを接続するダクト、一次燃焼室、二次燃焼室、三次燃焼室、廃熱ボイラ手前の煙道のうちの少なくとも1カ所と、スラグシュートとを接続するように構成することができる(図示せず)。この場合、配管40には集塵器41、ファン42が設けられており、昇温装置をさらに設けることもできる。このように構成すると、図16および図17Aに示すように、スラグ落口17の閉塞を防ぐことができ、また溶融スラグはスラグ落口17を通ってスラグシュート30および水槽43に滑らかに排出することができる。このように構成すれば、混合ガス中に未燃炭素分などが含まれていても、燃焼処理することができるので、混合ガスを好適に処理することができる。なお、配管40に昇温装置を設置する場合は、混合ガスを溶融炉に供給しても溶融炉内の顕著な温度低下を引き起こすことがないように、昇温装置によって混合ガスを約200℃以上、好ましくは300℃以上とするとよい。
以上のような構成においても、長時間にわたってシステムの運転をしていると、図14のように、溶融スラグの急速な部分的低温化を防いだとしても、スラグ落口部ブロック32などのスラグ落口付近に溶融スラグが付着・固化してしまって塊状スラグ21に成長し、スラグ落口を閉塞してしまうおそれがある(図17B参照)。このようにスラグ落口が閉塞すると、スラグ落口から溶融スラグは排出されなくなってしまう。また、システムを長時間運転していると、スラグ排出機能が完全に停止せずとも、スラグ付着・固化によりスラグ落口が閉塞気味になるおそれもある。スラグ落口が閉塞気味になることは避けなければならない。その理由は、スラグ落口の開口面積が減少する兆しを示すと、次のような悪循環によりスラグ落口の閉塞が急速に進むからである。すなわち、その悪循環とは、スラグ落口の開口面積が減少すると、それによってここを通過する燃焼ガス16の通風抵抗(圧力損失)が増加するため、吸引される燃焼ガス量の低下を招き、溶融スラグの高温維持が困難になり、さらにスラグ落口の開口面積が減ってしまうという現象である。したがって、スラグ落口が閉塞気味になることは避けなければならない。したがって、上述のような問題発生を積極的に未然に防ぐことは、スラグ落口から溶融スラグを排出するというスラグ排出機能を確保する上では極めて重要である。
この目的を達するため、図18に示す本実施例では、さらにスラグシュート30内と二次燃焼室12内の圧力差を圧力検出器45で測定し、所定圧力差以上になった場合にはスラグ落口が閉塞傾向にあると判断し、二次燃焼室バーナ46でスラグ落口及びその周辺を加熱するようにしている。例えば、圧力検出器45で測定された信号は、第一信号伝達手段を介して図示しない制御装置に送られる。制御装置では所定圧力差以上であるかの判定を行った後、所定圧力差以上である場合には制御装置から二次燃焼室バーナ46を起動させるための起動信号を、第二信号伝達手段を介して二次燃焼室バーナ46へと送るように構成する。このように構成すれば、スラグ落口及びその周辺におけるスラグ閉塞を積極的に防止することができる。
以上説明したように本発明によれば、下記のような優れた効果が期待できる。
(1)スラグ落口の周囲を炉壁部とは別部品の交換可能なスラグ落口部ブロックとすることにより、該スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材を用いて予め工場等で所定の製造工程(例えば、成形工程、乾燥工程)を経て製造しておき、溶融炉が設置されている現場に搬入して、溶損・破損したスラグ落口部ブロックと交換することが容易となる。また、スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材(例えば高クロム系耐火材)で構成することにより、スラグ落口の壁部の溶損・破損を抑制することができる。また、スラグ落口の周囲をスラグ落口部ブロックとすることにより、従来のように水管による過冷却がなくなり、溶融スラグの付着・固化を防止できる。
(2)スラグ落口部ブロックのブロック上面に燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口に達するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグが集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、スラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(3)スラグ落口部ブロックの上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面となっており、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されているので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスは、スラグ落口の上部を通過した後、下流側の上面に沿って流れて進むことになり、スラグ落口の内側面に衝突することがないから、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。また、スラグ落口付近のガス流れが平滑化され、排出される溶融スラグの落下にブレを生じなくなる。
(4)スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であるので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。更に上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(5)スラグ落口部ブロックは複数のブロックから構成されるので、スラグ落口部ブロックの製造及び搬送が容易となる。また、破損した場合でも、破損した部分のブロックだけを交換すればよいから、交換が容易となる。
(6)ガス化溶融システムの溶融炉として、上記いずれかの溶融炉を用いることにより、この溶融炉が有する上記特徴を発揮するガス化溶融システムの溶融炉を構築できる。
(7)スラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に達するから、従来のように燃焼排ガスはスラグ落口の下流側周端側面に衝突して乱流を発生することなく、スムーズに流れ、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
(8)燃焼ガスはスラグ落口の上方を通って下流側上面により向きを変えられるため、スラグ落口に流れこむ燃焼ガスの量を極力抑制することができる。
(9)スラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、上流側の傾斜面に沿って流れる燃焼ガスが下流側の傾斜面の上に達するように該スラグ落口の周囲端部の高さ及び上流側の傾斜面の傾斜角を設定することにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の下流側周囲側面に衝突して乱流を発生することなくスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に確実に達するから、スムーズな流れとなり、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
(10)スラグ落口の外周部は、その上面がスラグ落口に向って上昇する傾斜面であるので、スラグ落口の外周部上面の上流側に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
(11)スラグ落口の外周部の上面に燃焼ガス通路の上流側傾斜面からスラグ落口に達する溶融スラグが流下するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。
(12)溶融スラグがスラグ流下溝を通って集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、溶融スラグがスラグ落口の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(13)スラグ落口部ブロックは一次燃焼室側にのみにスラグ流下溝を有しているから、溶融スラグを該スラグ流下溝に集中させるとともに、燃焼ガスの一部が該スラグ流下溝を流れることにより溶融スラグの冷却を防止することができる。
(14)スラグ冷却固化により発生した水蒸気とともに、スラグ落口から燃焼ガスを吸引することで、該水蒸気によるスラグ落口部の冷却を防止するとともに、燃焼ガスをあわせて吸引することでスラグ落口及びその周辺を高温に保つことができる。
(15)二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、ガス化炉等からの灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、高温燃焼させると共に、該灰を溶融して溶融スラグとする溶融炉並びにガス化溶融システムに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は従来のガス化溶融システムを示す概略図である。
図2は従来の溶融炉の構成例を示す図である。
図3は溶融炉のスラグ落口の近傍の一例を示す図である。
図4は溶融炉のスラグ落口の近傍の他の例を示す図である。
図5は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。
図6A乃至図6Cはスラグ落口部ブロックの構成を示す図で、図6Aは側断面図(図6BのVIA−VIA線断面図)、図6Bは平面図、図6Cは側断面図(図6BのVIC−VIC線断面図)である。
図7は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部ブロックの一例を示す図である。
図8は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。
図9Aは図8に示すスラグ落口部ブロックの側断面図(図9BのIXA−IXA線断面)、図9Bは図8に示すスラグ落口部ブロックの平面図である。
図10は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。
図11は図10の要部拡大図である。
図12は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。
図13Aはスラグ落口の側断面図、図13Bは平面図である。
図14は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。
図15A乃至図15Cはスラグ落口部ブロックを示す図であり、図15Aはスラグ落口部の斜視図、図15Bは図15AのXVB−XVB線断面図、図15Cは図15AのXVC−XVC線断面図である。
図16は図14の要部拡大図である。
図17A及び図17Bはスラグ落口部を通過する溶融スラグの流れを示す断面図である。
図18は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。
本発明はガス化炉等からの灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、高温燃焼させると共に、該灰を溶融して溶融スラグとする溶融炉並びにガス化溶融システムに関するものである。
背景技術
都市ごみ、産業廃棄物、医療廃棄物、シュレッダーダストや古タイヤ等の廃棄物を焼却して減量化すること、及びその焼却熱を有効に利用することが望まれている。廃棄物の焼却灰は、通常、有害な重金属を含むので、焼却灰を埋め立てにより処理するためには、重金属成分を固化処理するための対策が必要である。更に設備全体のスケールダウン等も求められている。このような課題に対応できる設備として、種々の金属を回収すると共に、灰を溶融して溶融スラグを形成し、この溶融スラグを回収することができ、また熱、電力などのエネルギーを回収することのできる、単なる焼却処理ではなく、熱分解ガス化と高温燃焼の組み合わせであり、マテリアルリサイクルを可能にしたガス化溶融炉(ガス化溶融システム)が近年注目されてきている。
図1は流動床ガス化炉と旋回溶融炉の組み合わせである従来のガス化溶融システムを示す概略図である。図1に示すように、ガス化溶融システムは流動床ガス化炉1と旋回溶融炉10とを備えている。図1に示すガス化溶融システムにおいては、廃棄物は流動床ガス化炉1の流動層2に供給され、ガス化炉1内においてガス化され、未燃炭素や灰を含んだ温度500℃〜600℃程度の未燃ガスを生成した後、この生成ガスを溶融炉10に導き該溶融炉10において投入される二次空気により低空気比(1.3〜1.5程度)で高温燃焼させ、旋回溶融炉10内を灰の融点以上(1300℃以上、好ましくは1350℃程度)にする。この高温状態において、灰を炉壁面に集め溶融スラグ化流を生成する。この溶融スラグはスラグ落口17から炉外に落下し、スラグ冷却水と接触させることにより、水砕スラグとする。
また、灰分を溶融スラグ化して発生した高温燃焼ガスを廃熱ボイラや熱交換器等に導入し、熱エネルギーが回収される。このようなガス化溶融システムにおいて、溶融炉の構造は、灰の溶融状態と円滑な運転維持に影響を与えるため、どのような構造とするかは、システム全体にとっても技術的に重要なポイントと考えられてきた。
図2は従来のこの種の溶融炉の構成例を示す図である。図2において、符号10は溶融炉であり、該溶融炉10は一次燃焼室11、二次燃焼室12、三次燃焼室13を具備している。炉内の燃焼ガス16が通る通路は略V字状に形成され、該V字状の最下部にスラグ落口17が形成された構成である。
ガス化炉1(図1参照)でガス化された未燃炭素や灰を含んだ生成ガス14又は生成ガス14とともに燃焼用ガスを混合したガスは、溶融炉10の一次燃焼室11の上部に炉壁内面の接線方向に導入され、同じく一次燃焼室11に炉壁内面の接線方向に導入された燃焼空気15と混合され、旋回流を形成しながら燃焼し、二次燃焼室12へ移動し高温燃焼(1200℃〜1400度、好ましくは温度1350℃)し、更に三次燃焼室13を通って排ガス16’となって図示しない廃熱ボイラ等に排出される。なお、図2において、符号18,19はそれぞれ昇温・助燃バーナである。また、上記例では、生成ガス14と燃焼空気15の両者を炉壁内面の接線方向に導入する例を説明したが、生成ガス14又は燃焼空気15の何れか一方を炉壁内面の接線方向に導入して旋回流を形成し、他方をこの旋回流に吹き込むように導入し混合燃焼させる場合もある。
上記のように一次燃焼室11の上部に導入された未燃炭素や灰を含んだ生成ガス14と燃焼空気15は旋回流を形成しながら混合・燃焼し、二次燃焼室12、三次燃焼室13へと移動する。この旋回流により灰は炉壁に集められ、高温で溶融され溶融スラグ20となり、炉底を流れ、スラグ落口17からスラグシュート30を通って炉外へ落下する。落下した溶融スラグ20は、図示しないスラグ冷却水と接触して水砕スラグとなり回収される。
図3は溶融炉のスラグ落口の近傍の一例を示す図である。図3に示すように、上記構成の溶融炉10において、溶融炉10の炉壁面から流下する溶融スラグ20が炉底に集まり、スラグ落口17の内壁面17aを伝わりながら落下する。このため、スラグ落口17の内壁面17aは高温の溶融スラグ20に集中的に曝されるため溶損が激しく、溶損が進むとスラグ落口17の内壁を交換する必要がある。更にスラグ落口17は、高温の二次燃焼室12及び三次燃焼室13内と低温のスラグシュート30(このスラグシュート30の下部にはスラグ冷却水があるため、スラグシュート30は低温となる)の境界部となり、温度勾配が生じるため耐火材にとってより厳しい条件であり、破損しやすい状況にある。しかしながら、スラグ落口17の内壁は溶融炉10の内壁と一体になっているから、交換作業が容易でないという問題があった。
また、この溶損・熱的損傷対策としてスラグ落口17の内壁を特に溶損・高熱に強い耐火材で構成することも考えられるが、スラグ落口17の内壁を溶融炉10の内壁と一体に形成しているため、スラグ落口17の内壁のみを溶損・高熱に強い耐火材で構成することが困難であった。また、溶損、高熱に強い耐火材は高価であるため、溶融炉10の内壁を全てこの溶損、高熱に強い耐火材で構成することは不経済となる。
また、溶損量を低減するため、スラグ落口17の内壁に水管を設ける場合もあるが、内壁面17aが過冷却となり、該溶融スラグ20が付着・固化した図3に示すような塊状スラグ21に成長し、最悪の場合、スラグ落口17を閉塞するという問題もある。またこの場合、耐火材は乾燥、焼成しないと本来の強度が発現しないため、水管により過冷却されると、強度不足により破損しやすくなるという問題もある。
他方、図4は上記溶融炉10のスラグ落口部の近傍を示す第二の図である。図4に示すように、スラグ落口17の周囲端部の高さは燃焼ガス16の上流側の高さh1と下流側の高さh2が同じ高さ(h1=h2)、即ちスラグ落口17の周囲端部の高さは同一レベルとなっており、またスラグ落口17の外周部の上面17bはスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっているため、スラグ落口17の外周部の上面17bの上流側に沿って流れる燃焼ガス16はスラグ落口17の内壁面17aに衝突し、該スラグ落口17に乱流が発生する。該乱流によりスラグ落口17より排出する溶融スラグの排出状況に悪影響を与える可能性があるという問題があった。
付随する問題の一つとして、スラグ落口17の内壁面17aに溶融スラグ20が付着・固化し塊状スラグ21に成長し(図3参照)、最悪の場合、スラグ落口17を閉塞するという問題や、有害成分を含む燃焼ガス16がスラグ落口17を通って、炉外に排出し、スラグ冷却水を汚染する等の可能性があるという問題があった。
発明の開示
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題を除去し、溶融炉のスラグ落口の内壁が溶損した場合、その交換が容易で、且つ溶損・破損し難く、更にスラグ落口部の過冷却によるスラグ落口に溶融スラグが付着・固化することを防止できる溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
また、溶融炉のスラグ落口部にガスの乱流が発生することなく、溶融スラグの排出状況に影響を与えることのない溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
また、スラグ落口における溶融スラグの付着・固化状態を検出し、スラグ落口の閉塞を防止あるいは解除できる溶融炉及びガス化溶融システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の溶融炉の1態様は、灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、前記スラグ落口を交換可能な耐火材で構成したことを特徴とする。
上記のように、スラグ落口を炉壁部とは別部品の交換可能な耐火材で構成したスラグ落口部ブロックとすることにより、該スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材を用いて予め工場等で所定の製造工程(例えば、成形工程、乾燥工程)を経て製造しておき、溶融炉が設置されている現場に搬入して、溶損したスラグ落口部ブロックと交換することが容易となる。また、スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材(例えば高クロム系耐火材)で構成することにより、スラグ落口の壁部の溶損・破損を抑制することができる。また、スラグ落口の周囲をスラグ落口部ブロックとすることにより、従来のように水管による耐火材冷却を必要としないか又は僅かの冷却で良くなるため過冷却がなくなり、溶融スラグの付着・固化を防止できる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口は中央に開口が形成されたブロックであり、該ブロック上面に燃焼ガス流れの上流側外周からスラグ落口に達する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口部ブロックのブロック上面に燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口に達するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグが集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、スラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、その上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面であり、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されていることを特徴とする。
上記のように、スラグ落口部ブロックの上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面となっており、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されているので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスは、スラグ落口の上部を通過した後、下流側の上面に沿って流れて進むことになり、スラグ落口の内側面に衝突することがないから、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。また、スラグ落口付近のガス流れが平滑化され、排出される溶融スラグの落下にブレを生じなくなる(このブレが大きいと溶融スラグが水砕面でなく、スラグシュート内面に付着する)。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であることを特徴とする。
スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であるので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。更に上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の一態様によれば、スラグ落口部ブロックは、複数のブロックから構成されることを特徴とする。
上記のようにスラグ落口部ブロックは複数のブロックから構成されるので、スラグ落口部ブロックの製造及び搬送が容易となる。また、破損した場合でも、破損した部分のブロックだけを交換すればよいから、交換が容易となる。
本発明のガス化溶融システムは、廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを生成するガス化炉と、該灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを高温燃焼させ、該灰を溶融する溶融炉とを備えたガス化溶融システムにおいて、溶融炉に、上記溶融炉を用いることを特徴とする。
上記のようにガス化溶融システムの溶融炉に、上記溶融炉を用いることにより、この溶融炉が有する上記特性を発揮し、運用効率のよいガス化溶融システムを構築できる。
また、上記課題を解決するため、本発明の溶融炉の他の態様は、灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、スラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に達するから、従来のように燃焼排ガスはスラグ落口の下流側周端側面に衝突して乱流を発生することなく、スムーズに流れ、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。また、燃焼ガスはスラグ落口の上方を通って下流側上面により向きを変えられるため、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
本発明の1態様によれば、スラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、燃焼ガス流れの上流側の傾斜面にスラグ落口に達する溶融スラグが流下する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする。
上記のようにスラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、上流側の傾斜面に沿って流れる燃焼ガスが下流側の傾斜面の上に達するように該スラグ落口の周囲端部の高さ及び上流側の傾斜面の傾斜角を設定することにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の下流側周囲側面に衝突して乱流を発生することなくスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に確実に達するから、スムーズな流れとなり、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
また、スラグ落口の外周部は、その上面が落口に向って上昇する傾斜面であるので、スラグ落口の外周部上面の上流側に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
また、スラグ落口の外周部の上面に燃焼ガス通路の上流側傾斜面からスラグ落口に達する溶融スラグが流下するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグがスラグ流下溝を通って集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、溶融スラグがスラグ落口の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
本発明の廃棄物の処理方法の1態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側のみにスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを水砕トラフへと流下させて冷却することを特徴とする。
本発明によれば、上記のように一次燃焼室側にのみにスラグ流下溝を有しているから、溶融スラグを該スラグ流下溝に集中させるとともに、燃焼ガスの一部が該スラグ流下溝を流れることにより溶融スラグの冷却を防止することができる。
本発明の廃棄物の処理方法の他の態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却固化し、該冷却固化により発生した水蒸気とともに、前記二次燃焼室のスラグ落口から燃焼ガスを吸引して混合ガスとし、該混合ガスを前記三次燃焼室に導入することを特徴とする。
本発明によれば、上記のようにスラグ冷却固化により発生した水蒸気とともに、スラグ落口から燃焼ガスを吸引することで、該水蒸気によるスラグ落口部の冷却を防止するとともに、燃焼ガスをあわせて吸引することでスラグ落口及びその周辺を高温に保つことができる。
本発明の廃棄物の処理方法の1態様は、廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグをスラグシュートにおいて冷却し、前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、上記のように二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
本発明の廃棄物の処理装置は、廃棄物を流動層炉にてガス化して灰分を含む可燃ガスを生成し、溶融炉にて該可燃ガスを燃焼して灰分を溶融スラグ化し、該溶融スラグを冷却する廃棄物の処理装置であって、前記溶融炉は一次燃焼室と、二次燃焼室と、三次燃焼室と、前記二次燃焼室の最低部に配置されるとともに一次燃焼室側にスラグ流下溝を有したスラグ落口部ブロックとを備え、前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、前記スラグ落口部ブロックの下方に前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却するスラグシュートを設けるとともに、前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知する圧力検出器を設け、該圧力検出器により前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室内に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、上記のように二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。
図5は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図5に示すように、溶融炉10の二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部にスラグ落口部ブロック22を設けている。なお、符号23は該スラグ落口部ブロック22の下部に設けた水管である。
図6A乃至図6Cはスラグ落口部ブロック22の構成を示す図で、図6Aは側断面図(図6BのVIA−VIA断面図)、図6Bは平面図、図6Cは側断面図(図6BのVIC−VIC断面図)である。スラグ落口部ブロック22は溶損・高熱に強い耐火材(例えば、高クロム系耐火材(クロムが60%以上の耐火材))で構成され、中央部にスラグ落口17が形成されている。スラグ落口部ブロック22の上面22aは中央のスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっており、スラグ落口17の内側面となる内周面22cは垂直面に形成されている。
上記スラグ落口17の内側面となるスラグ落口部ブロック22の内周面22cの燃焼ガス16流れの上流側(矢印C側)の高さh1は下流側(矢印D側)の高さh2より高く(h1>h2)なっている。また、スラグ落口部ブロック22の上面22aには燃焼ガス16流れの上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dが形成されている。該スラグ流下溝22dは外周側が広く、スラグ落口17側が狭くなっており、その底部が略円弧状に形成されている。
上記構成のスラグ落口部ブロック22を、二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部に設けられた開口部に設置した場合、二次燃焼室12から三次燃焼室13へと流れる燃焼ガス16は、スラグ落口部ブロック22の上面22aに上流側(矢印C側)から流れ込み、スラグ落口17の上部を通って下流側(矢印D側)へと流れるが、上記のように内周面22cの上端の上流側の高さh1が下流側の高さh2より高く(h1>h2)なっており、図6Aに示すように、スラグ落口17の上部を通った燃焼ガス16が内周面22cに衝突することがないように上流側の上面22aの傾斜角度を設定しているから、燃焼ガス16は下流側の上面22aに沿って三次燃焼室13へと流れ、燃焼ガス16はスラグ落口17に流れ込むことはない。
また、スラグ落口部ブロック22は溶融炉の炉壁とは別部品となっているため、水管23により過冷却されることなく、過冷却による溶融スラグ20の付着・固化がなくなる。また、スラグ落口部ブロック22の上面22aには、上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dを設けているので、溶融炉10の内壁面を流下した溶融スラグ20はスラグ流下溝22dに集められ、スラグ落口17に流れ込むから、溶融スラグ20がスラグ落口部ブロック22の表面に付着・固化するのを極力防止することができる。なお、スラグ流下溝22dの数は1個でも又は複数個でもよい。
また、スラグ落口17の内側面となるスラグ落口部ブロック22の内周面22cの長さは、溶融スラグ20の付着・固化を極力防止する観点から、短い方が好ましく、例えば図7に示すように、スラグ落口部ブロック22の高さ寸法hを短くするとよい。
図8は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図9Aはスラグ落口部ブロックの側断面図(図9BのIXA−IXA断面図)、図9Bは図8に示すスラグ落口部ブロック22の平面図である。図9A及び図9Bに示すように、スラグ落口部ブロック22にその上面22aが外周に向かって下降する傾斜面としたものを用いている。そして上面22aの燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝22dを形成している。
上記のように、スラグ落口部ブロック22をその上面22aが外周に向かって下降する傾斜面としたことにより、上面22aに付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉10の二次燃焼室12及び三次燃焼室13の内壁面を流下した溶融スラグ20と共に、内壁面とスラグ落口部ブロック22の外周の接合部に流れ込み、更にスラグ流下溝22dを通ってスラグ落口17に流れ込み落下するから、溶融スラグ20がスラグ落口部ブロック22の表面に付着・固化するのを極力防止することができる。なお、ここでもスラグ流下溝22dの数は1個でも又は複数個でもよい。
また、スラグ落口部ブロック22の上流側の上面22aに流れ込んだ燃焼ガス16は、スラグ落口17に向って上昇する流れ(図9A参照)となって進むことになり、スラグ落口17の上部を流れるから、該スラグ落口17に流れ込む燃焼ガス16を極力抑制することができる。また、上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝22dを通ってスラグ落口17に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
また、上記のようにスラグ落口部ブロック22は、工場で予め耐火材で成形工程、乾燥工程を経てプレキャストブロックとして製造する。これにより、溶損しにくく高熱に強い耐火材(例えば、高クロム系(クロム60%以上))を用いることが可能となる。また、スラグ落口部ブロック22は、複数のブロックに分割して、上記成形工程、乾燥工程を経て製造すると、製造、搬送及び破損部位のみの交換が容易となる。また、上記例ではスラグ落口部ブロック22を円形としたが、溶融炉10の構造に適合するように、楕円形状、角形形状等にしてもよい。
図10は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。図10に示すように、溶融炉10の二次燃焼室12と三次燃焼室13の間の底部にスラグ落口17を設けている。スラグ落口17の外周部の上面17bはスラグ落口17に向って下降する傾斜面となっており、スラグ落口17の周囲端部の高さは燃焼ガス16の流れの上流側の高さh1が下流側の高さh2より高くなっている(h1>h2)。
図11は図10の要部拡大図である。図11に示すように、スラグ落口17の外周部の上面17bの上流側に沿って流れる燃焼ガス16は、該スラグ落口17の上部を通って下流側の上面17bに達するように、上流側上面17bの傾斜角α及びスラグ落口17の周端部上流側の高さh1、下流側の高さh2を設定する。
上記のように、スラグ落口17の外周部の上流側上面17bの傾斜角α及びスラグ落口17の周囲端部上流側の高さh1、下流側の高さh2を設定することにより、スラグ落口17の外周部の上流側上面17bに沿って流れ込んだ燃焼ガス16は、図11に示すように、スラグ落口17の近傍に乱流を発生することなく、該スラグ落口17の上部を通るスムーズな流れとなる。従って、スラグ落口17に流れ込む溶融スラグ20の排出状況に悪影響を与えることがない。また、スラグ落口17を通って炉外に排出される燃焼ガス16を抑制することができる。
図12は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。図13Aは図12に示すスラグ落口の側断面図、図13Bは図12に示すスラグ落口の平面図である。ここでは、スラグ落口17の外周部上面17bを図13A及び図13Bに示すように、スラグ落口17に向って上昇する傾斜面としている。そして、外周部上面17bに燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口17に達するスラグ流下溝17dを形成している。
上記のように、スラグ落口17の外周部上面17bをスラグ落口17に向って上昇する傾斜面としたことにより、スラグ落口17の上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガス16は、図13Aに示すように、スラグ落口17に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口17の上部を流れるから、該スラグ落口17に流れ込む燃焼ガス16を極力抑制することができる。また、外周部上面17bがスラグ落口17に向って上昇する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグ20は全て外周に集められ、また、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口17の外周部に集められ、溶融スラグがスラグ落口17の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
また、廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含む生成ガスを生成するガス化炉及び上記構成の溶融炉を設けた本発明に係るガス化溶融システムを構成する場合は、ガス化炉としては、内部循環型流動層ガス化炉、外部循環型流動層ガス化炉、キルン炉等を用いることができる。
また、旋回溶融炉の例で説明したが、本発明は溶融炉のスラグ排出部における閉塞を防止するために、スラグ落口に高さ及び/又は傾斜角をつけることを特色の一つとする場合には、本発明の形態は旋回溶融炉に限定されるものではなく、溶融炉としては任意のものを選択することができる。
図14は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロック32は、一次燃焼室11側のみにスラグ流下溝32dを有している。図15A乃至図15Cはスラグ落口部ブロックを示す図であり、図15Aはスラグ落口部の斜視図、図15Bは図15AのXVB−XVB線断面図、図15Cは図15AのXVC−XVC線断面図である。図15A乃至図15Cに示すように、スラグ落口部ブロック32は一次燃焼室11側に向けられたスラグ流下溝32dを有しており、一次燃焼室11側端部の二次燃焼室12底部に配置される。
このように配置されることで、図15Aに示すように、溶融炉10の内壁面を流下した溶融スラグ20は、スラグ落口部ブロック32の周りに集まり、スラグ流下溝32dから排出される。スラグ排出をスラグ流下溝32dに集中させることで、溶融スラグの冷却を防止している。また、スラグ流下溝32dを燃焼ガス16上流(一次燃焼室)側に配置することで、スラグ流下溝32dに燃焼ガス16の一部が流れるため、溶融スラグ20を高温に保つことができる。
図16は本実施の形態をより詳細に説明するための図である。図17Aおよび17Bは溶融スラグがスラグ落口を流れる状態を示す断面図である。図14および図16に示すように、配管40がスラグシュート30と三次燃焼室13とを接続して設けられており、集塵器41とファン42とが配管40に設けられている。スラグシュート30は水砕トラフを構成し、スラグ落口から排出された溶融スラグ20をスラグ冷却水により冷却し、水砕スラグを形成するようになっている。図14および図16において、スラグシュート30からファン42を用いてスラグ冷却固化により発生した水蒸気とスラグ落口17から燃焼ガス16を吸引して混合ガスとし、この混合ガスを三次燃焼室13に送るように構成されている。このように構成することで、図16および図17Aに示すように、溶融スラグはスラグ落口17を通ってスラグシュート30および水槽43に滑らかに排出される。
なお、スラグシュートから吸引され溶融炉10へ供給される混合ガスの供給位置は三次燃焼室13に特定されるものではない。すなわち、配管40は、ガス化炉と溶融炉とを接続するダクト、一次燃焼室、二次燃焼室、三次燃焼室、廃熱ボイラ手前の煙道のうちの少なくとも1カ所と、スラグシュートとを接続するように構成することができる(図示せず)。この場合、配管40には集塵器41、ファン42が設けられており、昇温装置をさらに設けることもできる。このように構成すると、図16および図17Aに示すように、スラグ落口17の閉塞を防ぐことができ、また溶融スラグはスラグ落口17を通ってスラグシュート30および水槽43に滑らかに排出することができる。このように構成すれば、混合ガス中に未燃炭素分などが含まれていても、燃焼処理することができるので、混合ガスを好適に処理することができる。なお、配管40に昇温装置を設置する場合は、混合ガスを溶融炉に供給しても溶融炉内の顕著な温度低下を引き起こすことがないように、昇温装置によって混合ガスを約200℃以上、好ましくは300℃以上とするとよい。
以上のような構成においても、長時間にわたってシステムの運転をしていると、図14のように、溶融スラグの急速な部分的低温化を防いだとしても、スラグ落口部ブロック32などのスラグ落口付近に溶融スラグが付着・固化してしまって塊状スラグ21に成長し、スラグ落口を閉塞してしまうおそれがある(図17B参照)。このようにスラグ落口が閉塞すると、スラグ落口から溶融スラグは排出されなくなってしまう。また、システムを長時間運転していると、スラグ排出機能が完全に停止せずとも、スラグ付着・固化によりスラグ落口が閉塞気味になるおそれもある。スラグ落口が閉塞気味になることは避けなければならない。その理由は、スラグ落口の開口面積が減少する兆しを示すと、次のような悪循環によりスラグ落口の閉塞が急速に進むからである。すなわち、その悪循環とは、スラグ落口の開口面積が減少すると、それによってここを通過する燃焼ガス16の通風抵抗(圧力損失)が増加するため、吸引される燃焼ガス量の低下を招き、溶融スラグの高温維持が困難になり、さらにスラグ落口の開口面積が減ってしまうという現象である。したがって、スラグ落口が閉塞気味になることは避けなければならない。したがって、上述のような問題発生を積極的に未然に防ぐことは、スラグ落口から溶融スラグを排出するというスラグ排出機能を確保する上では極めて重要である。
この目的を達するため、図18に示す本実施例では、さらにスラグシュート30内と二次燃焼室12内の圧力差を圧力検出器45で測定し、所定圧力差以上になった場合にはスラグ落口が閉塞傾向にあると判断し、二次燃焼室バーナ46でスラグ落口及びその周辺を加熱するようにしている。例えば、圧力検出器45で測定された信号は、第一信号伝達手段を介して図示しない制御装置に送られる。制御装置では所定圧力差以上であるかの判定を行った後、所定圧力差以上である場合には制御装置から二次燃焼室バーナ46を起動させるための起動信号を、第二信号伝達手段を介して二次燃焼室バーナ46へと送るように構成する。このように構成すれば、スラグ落口及びその周辺におけるスラグ閉塞を積極的に防止することができる。
以上説明したように本発明によれば、下記のような優れた効果が期待できる。
(1)スラグ落口の周囲を炉壁部とは別部品の交換可能なスラグ落口部ブロックとすることにより、該スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材を用いて予め工場等で所定の製造工程(例えば、成形工程、乾燥工程)を経て製造しておき、溶融炉が設置されている現場に搬入して、溶損・破損したスラグ落口部ブロックと交換することが容易となる。また、スラグ落口部ブロックを溶損・高熱に強い耐火材(例えば高クロム系耐火材)で構成することにより、スラグ落口の壁部の溶損・破損を抑制することができる。また、スラグ落口の周囲をスラグ落口部ブロックとすることにより、従来のように水管による過冷却がなくなり、溶融スラグの付着・固化を防止できる。
(2)スラグ落口部ブロックのブロック上面に燃焼ガス通路の上流側外周からスラグ落口に達するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。また、溶融スラグが集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、スラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(3)スラグ落口部ブロックの上面がスラグ落口に向かって下降する傾斜面となっており、該スラグ落口外周の上端が燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されているので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスは、スラグ落口の上部を通過した後、下流側の上面に沿って流れて進むことになり、スラグ落口の内側面に衝突することがないから、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。また、スラグ落口付近のガス流れが平滑化され、排出される溶融スラグの落下にブレを生じなくなる。
(4)スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であるので、スラグ落口部ブロックの上流側の上面に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。更に上面が外周に向かって下降する傾斜面であるため、上面に付着した溶融スラグは全て外周に集められ、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグがスラグ落口部ブロックの外周部に集まり、スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグがスラグ落口部ブロックの表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(5)スラグ落口部ブロックは複数のブロックから構成されるので、スラグ落口部ブロックの製造及び搬送が容易となる。また、破損した場合でも、破損した部分のブロックだけを交換すればよいから、交換が容易となる。
(6)ガス化溶融システムの溶融炉として、上記いずれかの溶融炉を用いることにより、この溶融炉が有する上記特徴を発揮するガス化溶融システムの溶融炉を構築できる。
(7)スラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に達するから、従来のように燃焼排ガスはスラグ落口の下流側周端側面に衝突して乱流を発生することなく、スムーズに流れ、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
(8)燃焼ガスはスラグ落口の上方を通って下流側上面により向きを変えられるため、スラグ落口に流れこむ燃焼ガスの量を極力抑制することができる。
(9)スラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、上流側の傾斜面に沿って流れる燃焼ガスが下流側の傾斜面の上に達するように該スラグ落口の周囲端部の高さ及び上流側の傾斜面の傾斜角を設定することにより、スラグ落口の外周部の上流側の上面に沿って流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口の下流側周囲側面に衝突して乱流を発生することなくスラグ落口の上方を通り、下流側の上面に確実に達するから、スムーズな流れとなり、溶融スラグの排出状況に悪影響を与えることがない。
(10)スラグ落口の外周部は、その上面がスラグ落口に向って上昇する傾斜面であるので、スラグ落口の外周部上面の上流側に流れ込んだ燃焼ガスはスラグ落口に向って上昇する流れとなって進むことになり、スラグ落口に流れ込む燃焼ガスを極力抑制することができる。
(11)スラグ落口の外周部の上面に燃焼ガス通路の上流側傾斜面からスラグ落口に達する溶融スラグが流下するスラグ流下溝を形成したので、溶融炉の内壁面を流下した溶融スラグが該スラグ流下溝を通ってスラグ落口に流れ込むから、溶融スラグの排出位置が限定される。
(12)溶融スラグがスラグ流下溝を通って集中的に流れるため、スラグ量の少ない施設規模、運転状態であっても、溶融スラグの冷却が起りにくくなり、溶融スラグがスラグ落口の外周部表面に付着・固化するのを極力防止することができる。
(13)スラグ落口部ブロックは一次燃焼室側にのみにスラグ流下溝を有しているから、溶融スラグを該スラグ流下溝に集中させるとともに、燃焼ガスの一部が該スラグ流下溝を流れることにより溶融スラグの冷却を防止することができる。
(14)スラグ冷却固化により発生した水蒸気とともに、スラグ落口から燃焼ガスを吸引することで、該水蒸気によるスラグ落口部の冷却を防止するとともに、燃焼ガスをあわせて吸引することでスラグ落口及びその周辺を高温に保つことができる。
(15)二次燃焼室内とスラグシュート内との圧力差を検知して、該圧力値が所定値以上となった場合には、スラグ落口部がスラグ付着・固化により閉塞傾向にあると予測し、二次燃焼室バーナでスラグ落口及びその周辺を加熱してスラグ閉塞を防止することができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、ガス化炉等からの灰及び未燃炭素を含む生成ガスを導入し、高温燃焼させると共に、該灰を溶融して溶融スラグとする溶融炉並びにガス化溶融システムに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は従来のガス化溶融システムを示す概略図である。
図2は従来の溶融炉の構成例を示す図である。
図3は溶融炉のスラグ落口の近傍の一例を示す図である。
図4は溶融炉のスラグ落口の近傍の他の例を示す図である。
図5は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。
図6A乃至図6Cはスラグ落口部ブロックの構成を示す図で、図6Aは側断面図(図6BのVIA−VIA線断面図)、図6Bは平面図、図6Cは側断面図(図6BのVIC−VIC線断面図)である。
図7は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部ブロックの一例を示す図である。
図8は本発明に係る溶融炉のスラグ落口の近傍を示す図である。
図9Aは図8に示すスラグ落口部ブロックの側断面図(図9BのIXA−IXA線断面)、図9Bは図8に示すスラグ落口部ブロックの平面図である。
図10は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。
図11は図10の要部拡大図である。
図12は本発明に係る溶融炉のスラグ落口部の近傍を示す別の一実施例を示す図である。
図13Aはスラグ落口の側断面図、図13Bは平面図である。
図14は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。
図15A乃至図15Cはスラグ落口部ブロックを示す図であり、図15Aはスラグ落口部の斜視図、図15Bは図15AのXVB−XVB線断面図、図15Cは図15AのXVC−XVC線断面図である。
図16は図14の要部拡大図である。
図17A及び図17Bはスラグ落口部を通過する溶融スラグの流れを示す断面図である。
図18は本発明に係る別の一実施例の溶融炉を示す図である。
Claims (12)
- 灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、
該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、
前記スラグ落口を交換可能な耐火材で構成したことを特徴とする溶融炉。 - 請求項1に記載の溶融炉において、
前記スラグ落口は中央に開口が形成されたブロックであり、該ブロック上面に燃焼ガス流れの上流側外周からスラグ落口に達する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする溶融炉。 - 請求項2に記載の溶融炉において、
前記スラグ落口部ブロックは、その上面が前記スラグ落口に向かって下降する傾斜面であり、該スラグ落口外周の上端が前記燃焼ガス流の上流側が高く下流側が低く形成されていることを特徴とする溶融炉。 - 請求項2に記載の溶融炉において、
前記スラグ落口部ブロックは、その上面が外周に向かって下降する傾斜面であることを特徴とする溶融炉。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶融炉において、
前記スラグ落口部ブロックは、複数のブロックから構成されることを特徴とする溶融炉。 - 廃棄物をガス化して灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを生成するガス化炉と、
該灰及び未燃炭素を含む可燃ガスを高温燃焼させ、該灰を溶融する溶融炉とを備えたガス化溶融システムにおいて、
前記溶融炉に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溶融炉を用いることを特徴とするガス化溶融システム。 - 灰を含む可燃ガスを燃焼して該灰を溶融する燃焼室と、
該灰を溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ落口とを備えた溶融炉において、
前記スラグ落口の周囲端部の高さを燃焼ガス流れの上流側が高く、下流側が低くしたことを特徴とする溶融炉。 - 請求項7に記載の溶融炉において、
前記スラグ落口の外周部の上面はスラグ落口に向って上昇する傾斜面となっており、燃焼ガス流れの上流側の傾斜面にスラグ落口に達する溶融スラグが流下する少なくとも1個のスラグ流下溝を形成したことを特徴とする溶融炉。 - 廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、
前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、
前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、
前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側のみにスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、
前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、
前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを水砕トラフへと流下させて冷却することを特徴とする廃棄物の処理方法。 - 廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、
前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、
前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、
前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、
前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、
前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却固化し、
該冷却固化により発生した水蒸気とともに、前記二次燃焼室のスラグ落口から燃焼ガスを吸引して混合ガスとし、該混合ガスを前記三次燃焼室に導入することを特徴とする廃棄物の処理方法。 - 廃棄物を流動層炉にてガス化し、灰を含む可燃ガスを生成し、該可燃ガスを燃焼して溶融炉にて灰分を溶融スラグ化する廃棄物の処理方法であって、
前記溶融炉は一次燃焼室、二次燃焼室及び三次燃焼室を備え、
前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、
前記二次燃焼室の最低部に配置されたスラグ落口部ブロックは、一次燃焼室側にスラグ流下溝を有し、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該溶融スラグを該スラグ流下溝より排出し、
前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、
前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグをスラグシュートにおいて冷却し、
前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱することを特徴とする廃棄物の処理方法。 - 廃棄物を流動層炉にてガス化して灰分を含む可燃ガスを生成し、溶融炉にて該可燃ガスを燃焼して灰分を溶融スラグ化し、該溶融スラグを冷却する廃棄物の処理装置であって、
前記溶融炉は一次燃焼室と、二次燃焼室と、三次燃焼室と、前記二次燃焼室の最低部に配置されるとともに一次燃焼室側にスラグ流下溝を有したスラグ落口部ブロックとを備え、
前記溶融スラグを前記一次燃焼室の壁面に捕集して前記二次燃焼室へと流下させ、該二次燃焼室の壁面にある溶融スラグを該スラグ流下溝へと流下させて該スラグ流下溝より排出し、前記三次燃焼室へ導かれた燃焼ガスから該三次燃焼室の壁面に溶融スラグを捕集し、前記スラグ落口部ブロックへと流下させて前記スラグ流下溝から排出し、
前記スラグ落口部ブロックの下方に前記スラグ流下溝から排出された溶融スラグを冷却するスラグシュートを設けるとともに、前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知する圧力検出器を設け、
該圧力検出器により前記二次燃焼室内とスラグシュート内との間の圧力差を検知して、該圧力差が所定値以上となった場合に前記二次燃焼室内に設けられた二次燃焼室バーナを起動させて該スラグ落口部周辺を加熱するようにしたことを特徴とする廃棄物の処理装置。
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