JP2009222249A - ガス化溶融方法およびガス化溶融装置 - Google Patents

ガス化溶融方法およびガス化溶融装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置内壁面へのスラグの付着および成長を防止することが可能なガス化溶融方法およびガス化溶融装置を提供すること。
【解決手段】固体可燃物を還元雰囲気でガス化するガス化炉1と、ガス化炉1の下流側に未燃チャーおよび灰分を含む部分燃焼ガスの搬送ダクト15を介して接続された旋回溶融炉16と、旋回溶融炉16にスラグを排出する出滓口20とを備えている。旋回溶融炉16の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことが可能な酸素バーナ24を旋回溶融炉16の出滓口20の下部に設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、都市ゴミ、産業廃棄物などの固体可燃物をガス化炉でガス化(部分燃焼)し、未燃チャー(未燃炭素分)及び灰分を含む部分燃焼ガスを旋回溶融炉に導入し、空気を供給して灰分を1300℃以上の高温で溶融させてスラグと燃焼ガスに分離するガス化溶融方法およびガス化溶融装置に関するものである。
ガス化溶融装置は、1300℃以上の高温で燃焼させるため、ダイオキシン類の発生を抑えることができ、生成されるスラグを道路の路盤材などに活用することができ、これまで埋め立て処分されていたプラスチック類も処理することができ、廃熱をボイラーの熱源として利用したり、コジェネレーションシステムの構築に利用することができるので、都市ゴミを初めとして、不燃ゴミ、焼却残渣、汚泥、埋立ゴミ等の産業廃棄物まで幅広く処理できる技術として実用化が進んでいる。
図5は、一般的なガス化溶融装置の主要設備の一部破断斜視図である。図5に示すように、ガス化溶融装置は、固体可燃物を熱分解してガス化するガス化炉1と、ガス化炉1の下流側に設けられ、ガス化炉1にて生成された部分燃焼ガスを高温燃焼し、ガス中の灰分を溶融してスラグ化する旋回溶融炉2と、旋回溶融炉2から排出される排ガスを再燃焼する再燃焼室3とを備えており、廃棄物の資源化、減容化および無害化を図るために、旋回溶融炉2から取り出したスラグを路盤材等の土木資材として再利用したり、再燃焼室3から排出される排ガスの廃熱がボイラーの熱源等として有効利用されている。
図5に示すガス化溶融装置において、ガス化炉1は、同図に示す流動層ガス化炉が多く用いられている。流動層ガス化炉は、炉下部の空気供給口4から供給される燃焼空気により流動層が形成され、流動層内に投入した固体可燃物を低空気比で部分燃焼させ、この燃焼熱により高温に維持される流動層内で固体可燃物を熱分解する装置である。ガス化炉1における部分燃焼の結果、固体可燃物に混入した不燃物(鉄、アルミニウムなどの金属を主として含有する物質)は、炉底に設けた排出口5から排出され、生成する部分燃焼ガス(CO、CH4など)、未燃チャー(未燃炭素)、灰分および燃焼生成ガス(H2O、CO2、N2など)は、炉頂部に設けた排出口6から排出され、接続ダクト15を経て旋回溶融炉2の予燃焼部2aに導入される。旋回溶融炉2は、予燃焼部2aと、略円筒形の入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2cとを備えている。以下、旋回溶融炉2に導入される、これら部分燃焼ガス、未燃チャーおよび灰分を総称して未燃ガスと呼ぶ。
予燃焼部2aにおいては、未燃ガス中の部分燃焼ガス(COとCH4など)と必要に応じて補助バーナ8から供給される燃料が、空気供給口7から供給される燃焼用空気によって燃焼して、この燃焼熱により未燃ガス中の未燃チャーの大部分が燃焼する。予燃焼部2aにおいて予燃焼した未燃ガスは、入側旋回溶融部2bの内壁面に沿うように導入され、空気供給口9から供給される燃焼用空気によって未燃ガス中の部分燃焼ガスが燃焼して、この燃焼熱により残りの未燃チャーが燃焼する。上記したように、未燃ガスは入側旋回溶融部2bの内壁面に沿うように導入されるので、図5に矢印10で示すように、入側旋回溶融部2bに導入された未燃ガスは入側旋回溶融部2bから出側旋回溶融部2cに向かって内壁面に沿って螺旋状に旋回しながら移動する旋回流を形成する。この旋回流により未燃ガス中の灰分がサイクロンの原理によって捕集される。この入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2c内の温度は部分燃焼ガスが燃焼することにより約1300ないし1500℃に維持されているので、未燃ガス中の灰分は溶融してスラグとなり、基本的には炉底の出口11から排出される。旋回溶融炉2から排出されたスラグは、水タンク12内に落下して急冷されて水砕スラグとなり、コンベヤ13等の搬送手段により取り出される。取り出された水砕スラグは路盤材等に有効利用することができる。
そして、旋回溶融炉2へ導入された未燃ガスは入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2cにおいて燃焼した後、出側旋回溶融部2cから再燃焼室3に排出される。再燃焼室3では、空気供給口14から供給される燃焼用空気により空気比が1.2ないし1.5となるように設定されており、燃焼排ガスに含まれる未燃分はここで完全燃焼される。この再燃焼室3から排出される排ガスの保有する顕熱はボイラーの熱源等として有効利用されている。
なお、図5は一般的なガス化溶融装置を示すが、旋回溶融炉2に代えて後記する旋回溶融炉16を用いれば、他の構成機器は図5に示すものと同じものを用いて、本発明のガス化溶融装置として使用することができる。
以上のようにして固体可燃物のガス化溶融が行われるガス化溶融装置において、入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2c内で生成するスラグを適切に溶融させ、排出することがガス化溶融装置の運転をスムーズに行う上において欠かせない。入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2c内で未燃ガス中の灰分が溶融してできたスラグは、入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2cの内壁面に付着した後、落下し、入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2cの下側傾斜面に沿って炉底の出口11に向かって移動するのが基本的な流れであるが、ガス化溶融装置の運転を継続して行うことにより、高融点のスラグが入側旋回溶融部2bと出側旋回溶融部2cの内壁面に付着して成長し、内壁面に付着して成長したスラグの大きな塊が障害となり、やがて、旋回流の形成が困難になって、ガス化溶融装置の運転を続行することが困難な事態に至ってしまう。特に、出側旋回溶融部2cと再燃焼室3との境界の出側旋回溶融部2c側には仕切りとしてのバッフル(図1および図4の番号21参照)が取り付けられており、出側旋回溶融部2c内の温度に比べて再燃焼室3内の温度(約800〜1000℃)は低いので、このバッフルにスラグが付着しやすい。
図6は、図5のガス化溶融装置において、ガス流れの上流側に位置する出側旋回溶融部2cの内壁面と、ガス流れの下流側に位置する再燃焼室3の内壁面とに、それぞれ圧力センサを取り付け、上流側の圧力センサで検知した圧力と下流側の圧力センサで検知した圧力との差の時間的な推移を示す図である。図6の横軸は年月日を示し、縦軸は上記上流側圧力から下流側圧力を差し引いた差圧(kPa)を示す。この場合、固体可燃物として、都市ゴミを使用し、2007年12月1日にガス化溶融装置の運転を開始した。
図6に明らかなように、2007年12月4日頃までは、差圧はほぼゼロであり、出側旋回溶融部2cの内壁面および上記バッフルには、ほとんどスラグは付着していないか、又は内壁面および上記バッフルに付着したスラグ量は少ないと思われる。しかし、2007年12月5日以降、差圧は加速度的に上昇している。これは、出側旋回溶融部2cの内壁面および上記バッフルに付着するスラグ量が増えるのに伴って出側旋回溶融部2c内のガス流路が狭められた結果、出側旋回溶融部2c内を通過するガス圧が上昇したことによるものであると思われる。その後、2007年12月11日に差圧の大きなピークが見られた後、2007年12月12日には一旦低下している。これは、出側旋回溶融部2cの内壁面および上記バッフルに付着したが充分に固着していないスラグの大きな塊が、ガス化溶融装置の炉内温度の変化等外的要因により落下したことによるものではないかと思われる。しかし、2007年12月13日以降は、差圧はどんどん上昇している。なお、2007年12月11日から2007年12月20日にかけて差圧がゼロ以下に落ちている状況が示されているが、これは、何らかの外乱の影響を受けた誤差信号によるものではないかと思われる。
やがて、2007年12月22日になると、差圧が1.5kPaに達して、再燃焼室3の下流側に設置した排ガス処理設備において設計値を超える負圧度に達し、ガス化溶融装置の運転続行は困難と判断して、装置の運転を停止した。このように、ガス化溶融装置の運転を継続して行うことにより、スラグが旋回溶融炉の内壁面および上記バッフルに次々に付着して成長し、やがて、旋回流の形成が困難になって、ガス化溶融装置の運転を続行することが困難な事態に至ってしまうのである。
なお、この種の技術に関連する内容が開示された文献として、特許文献1を挙げることができるが、本願発明に直接関連する発明が開示された公知文献はない。
特開2001−108213号公報
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置内壁面へのスラグの付着および成長を抑えることが可能なガス化溶融方法およびガス化溶融装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のガス化溶融方法は、固体可燃物をガス化炉に供給してガス化させ、未燃チャーおよび灰分を含む部分燃焼ガスを上記ガス化炉から旋回溶融炉に導入して未燃チャーを燃焼させるとともに灰分を溶融してスラグとし、該スラグを上記旋回溶融炉の出滓口から排出するガス化溶融方法において、旋回溶融炉の出滓口下部に設けたバーナから、該旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことを特徴としている。
また、本発明のガス化溶融装置は、固体可燃物を還元雰囲気でガス化するガス化炉と、該ガス化炉の下流側に未燃チャーおよび灰分を含む部分燃焼ガスの搬送ダクトを介して接続された旋回溶融炉と、該旋回溶融炉にスラグを排出する出滓口とを備えたガス化溶融装置において、旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことが可能なバーナを上記旋回溶融炉の出滓口下部に設けたことを特徴としている。
本発明によれば、旋回溶融炉の出滓口下部に設けたバーナから、旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことにより、出滓口およびその下流側内壁面に付着して成長したスラグを火炎により溶融させ、あるいは出滓口およびその下流側内壁面に付着して成長した巨大なスラグの塊を溶断して小片とし、又は内壁面に付着したスラグを火炎流の圧力で引き剥がすことにより、出滓口およびその下流側内壁面へのスラグの付着および成長を抑えて旋回溶融炉内のガス流れの抵抗を少なくし、旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かう旋回流を連続的に形成しうる、ガス化溶融方法およびガス化溶融装置を提供することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しながら説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更することが可能である。
図1は、本発明のガス化溶融装置を構成する機器の中から旋回溶融炉を取り出して示す概略拡大斜視図である。
この旋回溶融炉16は、予燃焼部17と、略円筒形の入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19とを備えている。略V字を形成する入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19の底部側が交わる部分にはスラグを排出する出滓口20が設けられている。旋回溶融炉の内部でも、この出滓口20およびその下流側内壁面ならびに図3に示す再燃焼室3との境界に位置するバッフル21にはスラグが付着して成長しやすい。というのは、入側旋回溶融部18は生成したスラグの付着と成長を防止するために、水平面に対して斜め下方に向かうように傾斜しており、その流れとガス流れの向きが同じであるため、内壁面にスラグが付着しても傾斜面に沿って流下しやすいが、スラグの出滓口20の下方は相対的に温度が低いため多量のスラグが付着しやすくなる。また、入側旋回溶融部18に比べて出側旋回溶融部19内の温度は相対的に低いので、出側旋回溶融部19の内壁面にはスラグが付着して成長しやすい。さらに、上記したように、出側旋回溶融部19内の温度に比べて再燃焼室3内の温度は低いので、出側旋回溶融部19と再燃焼室3との境界に位置するバッフル21にはスラグが付着しやすい。
このような理由で、スラグの出滓口20及びその下流側内壁面ならびに再燃焼室3との境界に位置するバッフル21にはスラグが付着しやすいのである。
出滓口20を覆うようにシュート22が取り付けられており、シュート22の下端面には出滓口20から排出されたスラグを外部に取り出すための出口23が設けられている。24は、出滓口20の下部に設けられて、旋回溶融炉の内壁面に沿って入側旋回溶融部18から出側旋回溶融部19に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流(部分燃焼ガスおよび/又は未燃チャーおよび/又は灰分からなるもの)の流線に沿う方向に火炎を放つことが可能な酸素バーナである。図1において、25は旋回流を模式的に示している。26は点検口である。
図2(a)は、酸素バーナ24の火炎と旋回流との関係を分かりやすく説明するための図である。図2(a)に示すように、旋回溶融炉の出滓口20の下部に設けた酸素バーナ24の火炎27は、旋回流25の流線に沿う方向に放たれる。その結果、火炎27が発する高い熱量は旋回流25に伴われるようにして旋回溶融炉の内壁面に効率的に伝達されるので、出滓口20およびその下流側内壁面ならびに図3に示す再燃焼室3との境界に位置するバッフル21(図1参照)に付着して成長したスラグを溶融させ、あるいは出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21に付着して成長した巨大なスラグの塊を溶断して小片とし、又は内壁面およびバッフル21に付着したスラグを火炎流の圧力で引き剥がすことができるのである。
この実施形態では、図2(a)に示すように、酸素バーナ24が水平面に対してなす仰角αは45゜程度であるが、もちろん、この仰角は実際の旋回流、旋回溶融炉の形状と大きさ、固体可燃物の種類と成分に依存するスラグ形状やスラグの大きさやスラグの付着の度合い、酸素バーナの取り付け位置と酸素バーナの種類、火炎の種類と火炎の温度など、様々な要因によって変化させるべきことは言うまでもない。また、この実施形態では、平面視で見た場合、図2(b)に示すように、酸素バーナ24が入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19の内壁面に対してなす角度βは90゜であるが、必ずしも90゜に限定されるものではなく、仰角と同様に、様々な要因によって変化させることができる。しかしながら、本発明者が現実の旋回溶融炉の内壁面へのスラグの付着状況を観察した結果に基づけば、平面視で見た場合、酸素バーナ24が入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19の内壁面に対してなす角度βは90゜±20゜の範囲内、および仰角αは30゜から60゜の範囲内において、図2(a)において、酸素バーナ24から放たれる火炎27が、旋回流25の流線に沿う方向に放たれるように酸素バーナの位置を選択することが好ましい。
次に、酸素バーナによるスラグの付着抑制効果を確認するために、旋回溶融炉の出滓口20の下部に設ける酸素バーナの位置を、図1に示す位置に設けた場合(本発明)と、図4に示す位置に変更した場合との比較試験を行ったので説明する。
図4では、酸素バーナ28を旋回溶融炉の出滓口20の下部において、出側旋回溶融部19の中心軸に沿う方向、すなわち、図2(a)の旋回流25の中心Cに向かって火炎を放つような位置に取り付けた。
そして、図5に示すガス化溶融装置において、旋回溶融炉として図4に示す位置に酸素バーナ28を取り付けた旋回溶融炉16を用いて、投入口29から都市ゴミを投入して、2008年1月25日に装置の運転を開始した。そのときのガス流れの上流側に位置する出側旋回溶融部の内壁面と、ガス流れの下流側に位置する再燃焼室の内壁面とに、それぞれ圧力センサを取り付け、上流側の圧力センサで検知した圧力と下流側の圧力センサで検知した圧力との差の時間的な推移を図7に示す。この図7の横軸は年月日を示し、縦軸は上記上流側圧力から下流側圧力を差し引いた差圧(kPa)を示す。
図7に明らかなように、2008年1月29日頃までは、差圧はほぼゼロであり、出側旋回溶融部の内壁面およびバッフル21には、ほとんどスラグは付着していないか、又は内壁面およびバッフル21に付着したスラグ量は少ないと思われる。しかし、2008年1月30日以降、差圧はどんどん上昇している。これは、出側旋回溶融部の内壁面およびバッフル21に付着するスラグ量が増えるのに伴って出側旋回溶融部内のガス流路が狭められた結果、出側旋回溶融部内を通過するガス圧が上昇したことによるものであると思われる。なお、2008年1月25の運転開始から後記するように2008年2月20日に酸素バーナの取付位置を変更するまで、図4の酸素バーナ28から放たれる火炎の形状について、燃料が比較的多くて空気量が比較的少ない大径のショートフレームから、燃料が比較的少なくて空気量が比較的多い小径のロングフレームの火炎まで、火炎の形状をいろいろと変更してみたが、その明確な効果は確認できなかった。
そこで、2008年2月20日に、図4に示す取付位置の酸素バーナ28を図1に示す取付位置の酸素バーナ24に変更して、空気比を約1.05に調整し、ノズルチップを変更して、図2(a)に示すように、燃料が比較的少なくて空気量が比較的多い小径のロングフレームの火炎27を酸素バーナ24から旋回流25の流線に沿う方向に放つと、図7に示すように、酸素バーナの取付位置変更前には平均的に約0.7kPaであった差圧が約0.4kPaまで低下した。これは、火炎27が発する高い熱量が旋回流25に伴われるようにして旋回溶融炉の内壁面に効率的に伝達されるので、出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21に付着して成長したスラグを溶融させ、あるいは出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21に付着して成長した巨大なスラグの塊を溶断して小片とし、又は内壁面およびバッフル21に付着したスラグを火炎流の圧力で引き剥がすことにより、出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21へのスラグの付着および成長を抑えて、旋回溶融炉内のガス流れの抵抗を少なくしたことによるものである。
かくして、2008年2月20日に、図5の旋回溶融炉2に代えて酸素バーナ24を図1に示す位置に取り付けた旋回溶融炉16を使用して、ガス化溶融装置の運転を再開した。すなわち、図3に示すガス化溶融装置のガス化炉1の投入口29に都市ゴミを投入すると、炉下部の空気供給口4から供給される約40なしい200℃の燃焼空気によりガス化炉1内に流動層が形成され、流動層内に投入した都市ゴミを約0.3から0.4の低空気比下、約500ないし600℃において部分燃焼させた。ガス化炉1における部分燃焼の結果、都市ゴミに混入した不燃物(鉄、アルミニウムなどの金属やガレキを主として含有する物質)は、炉底に設けた排出口5から排出され、生成する部分燃焼ガス(CO、CH4など)、未燃チャー(未燃炭素)、灰分および燃焼生成ガス(H2O、CO2、N2など)は、炉頂部に設けた排出口6から排出され、接続ダクト15を経て旋回溶融炉16の予燃焼部17に供給された。以下、旋回溶融炉16に導入される、これら部分燃焼ガス、未燃チャーおよび灰分を総称して未燃ガスと呼ぶ。
図3に示す予燃焼部17においては、未燃ガス中の部分燃焼ガスと必要に応じて補助バーナ8から供給される燃料が、空気供給口7から供給される燃焼用空気によって燃焼して、この燃焼熱により未燃ガス中の未燃チャーの大部分は燃焼する。予燃焼部17において予燃焼した未燃ガスは、入側旋回溶融部18の内壁面に沿うように導入される。そして、図3において、空気供給口9から供給される燃焼用空気によって約1.0ないし1.1の空気比で未焼ガス中の部分燃焼ガスが燃焼して、この燃焼熱により残りの未燃チャーが燃焼する。上記したように、未燃ガスは入側旋回溶融部18の内壁面に沿うように導入されるので、矢印25で示すように、入側旋回溶融部18に導入された未燃ガスは入側旋回溶融部18から出側旋回溶融部19に向かって内壁面に沿って螺旋状に旋回しながら移動する旋回流を形成する。この旋回流により未燃ガス中の灰分がサイクロンの原理によって捕集される。この入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19内の温度は部分燃焼ガスが燃焼することにより約1300ないし1500℃に維持されているので、未燃ガス中の灰分は溶融してスラグとなり、一部のスラグは炉底の出口23から排出され、水タンク12内に落下して急冷されて水砕スラグとなり、この水砕スラグはコンベヤ13により取り出される。
ガス化溶融装置の運転を継続するうちに、やがて、図3に示す入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19の内壁面、特に、入側旋回溶融部18と出側旋回溶融部19の底部側が交わる部分に設けられるスラグの出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21には上記した理由によりスラグが付着しやすくなるが、旋回溶融炉の出滓口20の下部に設けた酸素バーナ24から、図2に示すように、旋回流25の流線に沿う方向に火炎27を放つことにより、出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21に付着して成長したスラグを溶融して除去し、あるいは出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21に付着して成長した巨大なスラグの塊を溶断して小片とし、又は内壁面およびバッフル21に付着したスラグを火炎流の圧力で引き剥がすことにより、出滓口20およびその下流側内壁面ならびにバッフル21へのスラグの付着および成長を抑えて旋回溶融炉内のガス流れの抵抗を少なくしたので、ガス化溶融装置の運転を停止しなければならないような事態に至ることはなかった。
そして、出側旋回溶融部19から排出された燃焼排ガスは、再燃焼室3に導入され、再燃焼室3は、空気供給口14から供給される燃焼用空気により空気比が1.2ないし1.5となるように設定されているので、燃焼排ガスに含まれる未燃分はここで完全燃焼され、この再燃焼室3から排出される排ガスの保有する顕熱はボイラーの熱源等として有効利用することができる。
本発明のガス化溶融装置の一部を構成する旋回溶融炉として好適な一実施例の概略拡大斜視図である。 図2(a)は図1の旋回溶融炉の出滓口下部に設けた酸素バーナの火炎と旋回流との関係を説明するための図、図2(b)は酸素バーナと旋回溶融炉との平面的な位置関係を説明するための図である。 本発明のガス化溶融装置の主要設備の一部破断斜視図である。 本発明と比較するための旋回溶融炉の一例の概略拡大斜視図である。 一般的なガス化溶融装置の主要設備の一部破断斜視図である。 ガス化溶融装置の上流側に位置する出側旋回溶融部と下流側に位置する再燃焼室との内圧の差の時間的な推移を示す一例である。 ガス化溶融装置の上流側に位置する出側旋回溶融部と下流側に位置する再燃焼室との内圧の差の時間的な推移を示す別の例である。
符号の説明
1 ガス化炉
2 旋回溶融炉
2a 予燃焼部
2b 入側旋回溶融部
2c 出側旋回溶融部
3 再燃焼室
4 空気供給口
5 排出口
6 排出口
7 空気供給口
8 補助バーナ
9 空気供給口
10 旋回流
11 出口
12 水タンク
13 コンベヤ
14 空気供給口
15 接続ダクト
16 旋回溶融炉
17 予燃焼部
18 入側旋回溶融部
19 出側旋回溶融部
20 出滓口
21 バッフル
22 シュート
23 出口
24 酸素バーナ
25 旋回流
26 点検口
27 火炎
28 酸素バーナ
29 投入口

Claims (2)

  1. 固体可燃物をガス化炉に供給してガス化させ、未燃チャーおよび灰分を含む部分燃焼ガスを上記ガス化炉から旋回溶融炉に導入して未燃チャーを燃焼させるとともに灰分を溶融してスラグとし、該スラグを上記旋回溶融炉の出滓口から排出するガス化溶融方法において、旋回溶融炉の出滓口下部に設けたバーナから、該旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことを特徴とするガス化溶融方法。
  2. 固体可燃物を還元雰囲気でガス化するガス化炉と、該ガス化炉の下流側に未燃チャーおよび灰分を含む部分燃焼ガスの搬送ダクトを介して接続された旋回溶融炉と、該旋回溶融炉にスラグを排出する出滓口とを備えたガス化溶融装置において、旋回溶融炉の内壁面に沿って入口側から出口側に向かって螺旋状に旋回しながら移動する旋回流の流線に沿う方向に火炎を放つことが可能なバーナを上記旋回溶融炉の出滓口下部に設けたことを特徴とするガス化溶融装置。
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