JP2001147009A - 廃棄物溶融炉の出滓方法及び廃棄物溶融炉 - Google Patents

廃棄物溶融炉の出滓方法及び廃棄物溶融炉

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JP2001147009A
JP2001147009A JP32963799A JP32963799A JP2001147009A JP 2001147009 A JP2001147009 A JP 2001147009A JP 32963799 A JP32963799 A JP 32963799A JP 32963799 A JP32963799 A JP 32963799A JP 2001147009 A JP2001147009 A JP 2001147009A
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slag
melting furnace
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gas
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Toshiya Tada
俊哉 多田
Mamoru Suyari
護 須鎗
Itaru Yaso
格 八十
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出滓口と冷却手段の間に設けられた排出口
で、出滓口を加熱するバーナー燃焼排ガス及び溶融場か
らの排ガスを引き込まない程度に、冷却手段から発生す
る水蒸気等の低温ガスの大部分を排出し、出滓口付近の
冷却による溶融スラグの固化が抑制でき、また、出滓口
付近を加熱する外部エネルギーを低減できる廃棄物溶融
炉の出滓方法及び廃棄物溶融炉を提供する。 【解決手段】 溶融スラグ2を排出する出滓口1と冷却
手段3の間に、冷却手段3からの低温のガスを排出する
排出口12を1以上設け、溶融場からの排ガスを引き込
まない程度に、冷却手段3からの低温のガスの大部分を
排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】廃棄物をガス化する熱分解炉
で生成した熱分解生成物や、廃棄物を焼却する焼却炉で
生成した焼却残渣及び焼却飛灰を溶融する廃棄物溶融炉
の出滓方法及び廃棄物溶融炉に関し、特に、溶融スラグ
の出滓口付近での溶融スラグの固化による閉塞を抑制す
ることのできる廃棄物溶融炉の出滓方法及び廃棄物溶融
炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、廃棄物溶融炉にはシャフト炉
のような竪型炉、プラズマ炉やアーク炉のようななべ型
炉、旋回流溶融炉などが広く採用されている。これら溶
融炉で製造される溶融スラグを連続出滓することは作業
負荷の低減化、溶融処理の効率化のために重要な技術で
ある。特に、旋回流溶融炉は、その構造上、連続出滓が
必須である。そのため、出滓口が溶融スラグが固化し
て、閉塞してしまえば、設備停止等の原因となる。その
ため、出滓口の溶融スラグによる閉塞を防止するため、
種々の方法が取られている。
【0003】スラグの製造方法には、水冷、空冷、徐冷
の3方法があり、用途によって使い分けられる。通常の
場合、溶融炉内の圧力は負圧であるので、密閉構造にす
る必要があり、その密閉構造に対する設備コストが安
く、取り扱いが簡便となる水冷式が広く採用されてい
る。水冷式は、スラグ出滓口が下部方向に延びて水槽に
水没し、それにより出滓口下部が水封され、炉内の密閉
が保たれている。
【0004】廃棄物溶融炉の連続出滓においては、前述
のように、出滓口が冷えて、溶融スラグが冷却、固化
し、出滓口が閉塞するという問題がある。これは、例え
ば、水冷式の場合は、溶融スラグを水槽に導入して冷
却、固化してスラグとするが、この時、大量の水蒸気が
発生する。これら溶融場からの低温のガスである水蒸気
は出滓口を通過し、溶融炉内部に流れ込み出滓口付近の
溶融スラグを冷却し、固化させてしまう。
【0005】そのため、従来より、出滓口付近をバーナ
ー若しくは誘導加熱等の電気的な手段で直接的に加熱す
る方法が取られている。例えば、特開平9−96407
号公報及び特開平9−96410号公報では、シャフト
炉の底部をバーナーや誘導加熱により加熱している。ま
た、特公昭59−24324号公報では、出滓口をバー
ナーで加熱するとともに、バーナー下方に設けた排出口
より、バーナー燃焼ガスと水槽で発生する水蒸気を排出
することで、出滓口付近の溶融スラグの閉塞が抑制でき
る竪型溶融炉について開示されている。また、特開平1
0−19232号公報では、前述の特公昭59−243
24号公報と同様、バーナーで直接出滓口付近の溶融ス
ラグを加熱し、バーナー燃焼排ガスと共に、水槽で発生
する水蒸気を排出する排出口を設けた溶融炉について開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法及び装置では、水槽から発生する水蒸気ととも
に、出滓口加熱用の高温のバーナー燃焼ガス及び溶融場
からの高温のガスを引き込んで排出口より同時に排出し
ている。そのため、排出配管が高温の溶融場からのガス
によって、腐食される。また、外気に放出するに際して
も、大量かつ高温であるために大掛かりなガス処理施設
が必要であった。さらに、未溶融灰等が排出口付近に付
着するとともに、排出ガス配管のメンテナンスが大変で
あるという問題があった。加えて、高温のバーナー燃焼
排ガスを出滓口下部より排出するため、出滓口全体を効
率良く加熱することができず、出滓口付近が冷却されや
すく、常にバーナーによって出滓口付近を加熱する必要
があった。
【0007】そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなさ
れたものであり、出滓口と冷却手段の間に設けられた排
出口で、出滓口を加熱するバーナー燃焼排ガス及び溶融
場からの排ガスを引き込まない程度に、冷却手段から発
生する水蒸気等の低温ガスの大部分を排出し、出滓口付
近の冷却による溶融スラグの固化が抑制でき、また、出
滓口付近を加熱する外部エネルギーを低減できる廃棄物
溶融炉の出滓方法及び廃棄物溶融炉を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1の発明は、溶融スラグを排出する出
滓口と、溶融場からの排ガスを煙道に導入するガス排出
口と、前記出滓口から排出された溶融スラグが導入さ
れ、これを固化する冷却手段と、を備えた廃棄物溶融炉
からの出滓方法において、前記出滓口と前記冷却手段の
間に排出口を1以上設け、前記排ガスを引き込まない程
度に、前記冷却手段からの低温のガスの大部分を排出す
る廃棄物溶融炉の出滓方法である。この構成によれば、
溶融場からの排ガスや、出滓口を加熱するバーナー燃焼
ガスを引き込まない程度に、冷却手段からの排ガスを排
出するため、排出口より排出されるガスの大部分が、冷
却手段からの水蒸気等の低温のガスのみであるため、排
出ガス処理施設を大掛かりなものとする必要がない。ま
た、溶融場からの排ガス等を引き込まないため、未溶融
灰等を引き込むことも少なく、排出口付近にこれら排出
物が付着することもなく、メンテナンスも容易となる。
【0009】請求項2の発明は、前記廃棄物溶融炉が、
旋回流溶融炉若しくはプラズマ溶融炉である請求項1記
載の廃棄物溶融炉の出滓方法である。この構成によれ
ば、連続出滓が必要な旋回流溶融炉若しくはプラズマ溶
融炉にも適用することができる。
【0010】請求項3の発明は、前記出滓口と前記排出
口との間に加熱手段が設けられていることを特徴とする
請求項1又は2記載の廃棄物溶融炉の出滓方法である。
この構成によれば、出滓口付近の温度を高温に維持する
ことができる。
【0011】請求項4の発明は、前記冷却手段が、出滓
口下部を水封する水槽であることを特徴とする請求項1
乃至3いずれか記載の廃棄物溶融炉である。上記の構成
によれば、水砕水槽を用いた溶融炉であっても、水槽か
ら発生する水蒸気の大部分を排出する。
【0012】請求項5の発明は、溶融スラグを排出する
出滓口と、溶融場からの排ガスを煙道に導入するガス排
出口と、前記出滓口から排出された溶融スラグが導入さ
れ、これを固化する冷却手段と、を備えた廃棄物溶融炉
において、前記出滓口と前記冷却手段の間に、前記冷却
手段からの低温のガスを排出する排出口を1以上設け、
前記排出口に至る前記ガスのプロセス値を測定する測定
手段と、前記プロセス値によって前記ガスの排出量を調
整する排出量調節手段が設けられている廃棄物溶融炉で
ある。上記の構成によれば、排出口より排出される排出
ガスのプロセス値によって、排出ガス流量を調整するこ
とで、冷却手段からの低温のガスの大部分を、溶融場か
らの排ガスや出滓口加熱用バーナーの燃焼排ガス等を引
き込まない程度に排出口から排出することが可能とな
り、出滓口付近の温度を下げることがないため、出滓口
付近での溶融スラグの固化による出滓口の閉塞を抑制す
ることができる。また、バーナーの燃焼排ガスを引き込
まないため、外部エネルギーの供給を低減することがで
き、出滓口付近の温度を高温に維持することができる。
【0013】請求項6の発明は、前記プロセス値が、温
度である請求項5記載の廃棄物溶融炉である。この構成
によれば、熱電対等の簡便な装置でプロセス値を測定す
ることができる。
【0014】請求項7の発明は、前記冷却手段からの低
温のガスを排出する排出口より延在する排出管が下向き
に設けられている請求項5記載の廃棄物溶融炉である。
この構成によれば、冷却手段からの低温のガスの排出が
効果的かつ容易に行える。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
具体的に説明する。図1は、この出滓口1付近(図7中
A部)を拡大した断面概略図である。図に示すように、
本実施形態例に係る廃棄物溶融炉の溶融スラグ2を排出
する出滓口1は、出滓口1から排出された溶融スラグ2
が導入され、これを固化する冷却手段の水槽3と、この
水槽3との間に水槽3より発生する溶融場からの排ガス
aに比較して低温の水蒸気を主に排出する排出口12
と、排出口12と出滓口1との間に設けられ溶融スラグ
を直接加熱するバーナー10と、排出口12より排出さ
れるガスの温度を測定する測定手段6と、この測定手段
6に接続され、その温度によって吸引送風機5の吸引量
を制御することで溶融場からの排ガスaを引き込まない
程度に水槽3からの低温の水蒸気の大部分が排出口12
から排出されるように排出量を制御する排出量調節手段
20と、排出口12からの排出ガスを低温化する熱交換
機9とで構成されている。
【0016】出滓口1の下方は、水槽3に導入され、水
封されている。これによって、炉内は負圧に維持されて
いる。水槽3には、溶融スラグ2が導入されて、溶融ス
ラグ2が水砕される。ここで、水槽3は、高温の溶融ス
ラグの導入により、大量の水蒸気を発生する。また、そ
れとともに水槽3は、溶融炉からの輻射伝熱や、バーナ
ー10を使用している場合には、バーナー10の火炎か
らの対流や輻射伝熱によって加熱されることで水蒸気を
発生する。
【0017】バーナー10は、出滓口1付近の溶融スラ
グ2が冷却されないように、溶融スラグ2を直接加熱で
きるようになっている。そのため、バーナー10は出滓
口1に向かって垂れ下がる溶融スラグ2に向けられてい
る。
【0018】排出口12は、前述のように出滓口1と、
水槽3の間に1以上の複数、好ましくは2以上の複数が
設けられている。複数の排出口を設ける場合、図8に示
すように配設する方法がある。そして、排出口12にお
ける排出ガスの温度を測定する温度測定手段6が備えら
れている。
【0019】温度測定手段6は、例えば熱電対であり、
排出口12の温度を測定し、その温度を排出量調節手段
20に送信している。この温度測定手段6は、排出口に
至ろうとする排ガスの温度を測定できる場所に設置され
る。この場所としては、排出口12の中、又は排出口1
2の入り口近傍が好ましい。
【0020】排出量調節手段20は、温度測定手段6か
らの温度に基づいて吸引送風機5による吸引量を制御す
るような構成になっている。
【0021】この吸引送風機5は、熱交換機9を介して
排出口12に接続されている。そして、熱交換機9は、
排出口12からの排出ガスを低温化させるとともに、排
出ガス中の水蒸気を凝縮する。凝縮された水は、水槽3
に戻るようになっている。ここで、排出口12が複数あ
る場合は、個々の排出口12に対して各々に対応する吸
引送風機5を設け、個々の排出口12の温度を測定し、
各排出口12の温度に基づいて個々の吸引送風機5の回
転数を調整することで排出口12からの排出ガスの排出
量を調節するようにしてもよい。また、各排出口12に
各々に対応してダンパを設け、各ダンパを1個の吸引送
風機に接続し、各ダンパの開度調整によって、各排出口
12の排出量を調整することもできる。また、各排出口
12の温度を平均化し、その平均化した温度に基づい
て、1個の吸引送風機5によって、これら複数の排出口
12からの排出ガスの流量を調節するようにもできる。
このように排出口12からの排出ガスの流量の調節はこ
こで示す方法に限定されるものではなく、各排出口12
に至る排ガスの温度に基づいて実質的に低温のガスの大
部分を排出できるものであればよい。
【0022】以上のように本実施形態における廃棄物溶
融炉は、図7に示すように廃棄物を熱分解生成物、チャ
ー及び灰分等に熱分解する熱分解ガス化炉31と、これ
ら熱分解生成物、チャー及び灰分等を燃焼する旋回流溶
融炉32等から構成される熱分解ガス化溶融プロセスに
用いられる旋回流溶融炉における溶融スラグの出滓口1
に特徴を有するものである。以下に、その廃棄物溶融炉
からの出滓方法について説明する。
【0023】図5に出滓方法のフローチャートを示す。
上部の旋回流溶融炉で、熱分解生成物、チャー及び灰分
の溶融を開始し始めた時点より排出口12の温度を測定
する(S1)。溶融スラグ2が流下してきたスラグは出
滓口1で高温の燃焼排ガスから分離されてスラグ水砕水
槽に落下し、冷却された後に系外に排出される。一方、
分離された高温の燃焼排ガスは図1中の矢符aのように
煙道に導入される。
【0024】次に、排出口12にいたる排出ガスの温度
を温度測定手段6で測定する。温度測定手段6で測定さ
れた温度は、排出量調節手段20に送信され、その温度
が冷却手段によって予め設定しておいた閾値以上である
かどうか判断する。すなわち、温度が閾値以上かどうか
を判断する(S2)。閾値以上であれば、Yesの方向
に進み排出口12からの排出ガスの流量を下げる(S
3)。閾値未満の場合は、Noの方向に進み排出口12
からの排出ガスの流量を上げる(S4)。ここで、排出
口12からの排出ガスの温度が閾値以上である場合は、
水槽3から発生する水蒸気とともに、上部の旋回流溶融
炉の溶融場からの1200℃以上の高温の排ガスの一部
を引き込んでいると考えられるため、排出流量を抑える
ことで高温の燃焼ガスの引き込みを防ぐことができ、出
滓口1付近を高温に維持することができる。一方で、排
出ガス温度が閾値未満の場合は、溶融場からの高温の排
ガスを引き込むことなく、水槽3からの水蒸気の大部分
を排出していると考えられる。このため、排出流量を維
持するか若しくは排出量を上げることで、出滓口1付近
での溶融スラグ2の冷却、固化を防ぐことになる。
【0025】この判断基準となる排出口12の温度の閾
値は、溶融スラグ2の冷却手段等によって異なり、本実
施形態例の場合は、700〜800℃である。また、判
断基準となる排出口12の温度の閾値は、溶融炉の種類
や大きさ等により適宜設定することで、実質的に冷却手
段の水槽からの低温のガスの大部分を排出することがで
きる。
【0026】また、排出口12からの排出ガスの流量は
生成される溶融スラグ2の量によって、水槽3から発生
する水蒸気量が異なるため、排出ガスの温度によって排
出ガス流量を管理することで、水槽から発生する水蒸気
の大部分を排出口12から排出することができる。その
後、溶融を終了する場合は、Yesに進み、溶融終了す
る。溶融を続ける場合は、Noの方向に進み、前述の操
作を繰り返す。
【0027】排出ガスの排出流量は、排出量調節手段2
0によって制御される吸引送風機5の回転数によって調
節される。排出口12から排出された排出ガスは、熱交
換機9を通り低温化され、水蒸気は凝縮される。凝縮さ
れた水は、水槽3に戻される。また、ガスは、再び旋回
流溶融炉の煙道に戻され、燃焼空気として使用される。
【0028】以上のように、排出口12での温度を測定
し、その温度によって排出される排出ガス流量を調節す
ることで、水槽から発生する水蒸気の大部分を排出する
ことができ、出滓口1付近の冷却、固化を抑制すること
ができる。また、排出される排出ガスが低温であるた
め、熱交換機9等も大型の設備を使用する必要がなく、
また、排出配管もガス温度が低いため、腐食等すること
が少なくなる。
【0029】また、排出口12は、バーナー10の下方
側に設けられ、前述のように排出ガスの排出量が調節さ
れて、水槽3から発生する水蒸気の大部分が排出されて
いるため、バーナー10は水蒸気の影響を受けにくくな
る。すなわち、バーナー10使用時に、水蒸気に助燃料
(外部)エネルギーを奪われることなく火炎温度が適正
に上昇する。例えば、本実施例の廃棄物溶融処理で水槽
3から発生する水蒸気の全てがバーナー10に影響を及
ぼす時と、全く及ぼさない時とで、どの様に火炎温度が
変化するかを計算し図6に示す。図に示すように、標準
的な重油バーナー油量の10倍量の水蒸気が発生した場
合の火炎温度を100%とした時で水蒸気の影響が全く
なくなると火炎温度は28%高くなる。同条件でバーナ
ー油量を2倍にすると、水蒸気の影響があると11%し
か上昇しないが、水蒸気を除けば31%上昇することが
わかる。このことからもわかるように、排出口12での
温度を測定し、水蒸気が主に排出されるように排出量を
調節することで、バーナー10の燃料を低減できる。す
なわち、外部エネルギーの供給を少なくしても、出滓口
1付近の温度を高温に維持することが可能となる。
【0030】本実施形態例においては、排出口12と、
吸引送風機5の間に熱交換機9を設けた場合について説
明してきたが、熱交換機の代わりに、図2に示すように
送風機5によって燃焼空気の一部として炉内に供給され
る空気を駆動空気として使用するエゼクタ7を設置する
こともできる。この場合、エゼクタ7は、ダンパ8を介
して吸引送風機5に接続されている。そして、吸引送風
機5から一定の割合で供給される空気がダンパ8で調整
され、水槽3から発生する水蒸気の排出口12からの吸
込量が調整される。この吸込量の調節は、排出量調節手
段20によってダンバ8を通過する空気流量を調整する
ことで、エゼクタ7を通過する駆動空気量を調整するこ
とで行われる。吸い込まれた水蒸気は、そのまま水蒸気
供給口13から溶融炉内に供給される。この場合、水蒸
気が炉内に入ってしまうが、図に示すように、低温ガス
供給口13が、溶融工程が終了している煙道部であり出
滓口1の溶融スラグ2の温度を下げることがないため、
問題はない。この方法では、吸引装置が簡便で、機械的
な可動部がないため、排出部のメンテナンスが容易に行
える。
【0031】また、図示していないが、水槽3の水を出
滓口1及びバーナー10の下部で循環させることによっ
て、そのエゼクタ効果を利用して、水槽3から発生する
水蒸気を上昇させることなく、水槽の水面方向に向ける
ことも可能である。
【0032】なお、プロセス値に温度を用いた場合につ
いて説明してきたが、冷却手段に水槽を用いる水冷式の
溶融炉の場合は、予め発生する水蒸気量を算出すること
が可能であるため、排出口12から排出される水蒸気量
をプロセス値とすることもできる。例えば、水槽の水位
を測定し、その水位の変化によって、排出口12の水蒸
気通過量を算出し、排出口12からの排出量を調整する
ことで、プロセス値に温度を用いた場合と同様の効果を
得ることができる。
【0033】また、出滓口1の上部の溶融炉として旋回
流溶融炉の場合について説明してきたが、プラズマ溶融
炉にも本発明は適用することができる。この場合も、旋
回流溶融炉の場合と同様の効果が得られる。図3及び図
4にその適用例を示す。図3は、熱交換機9を用いた場
合についての適用例であり、図4はエゼクタ7を用いた
場合の適用例を示す。どちらも、排出ガスを溶融炉の煙
道に戻すのではなく、第2燃焼室11に供給する以外
は、その構成等同じなので、同じ符号を付してその詳細
な説明は割愛する。
【0034】また、これまで溶融スラグを冷却、固化す
る冷却手段は水槽に限定されるものではない。例えば、
図9に示すように、出滓口の下方にモールドが設けら
れ、モールド内で徐冷される徐冷式の場合でも本発明は
適用できる。徐冷式の場合で、炉内が負圧である場合、
ベルトコンベアと炉との隙間よりどうしても空気が侵入
してくる。この侵入してくる空気が、水槽を用いた場合
の水蒸気に相応する。したがって、これら外部から侵入
してくる空気が溶融スラグを出滓口付近で冷却、固化さ
せてしまう。この空気をこれまで説明してきた水蒸気と
同様にしてバーナーの下方に設けられた1若しくは2以
上の排出口から排出することで徐冷式の場合にも適用す
ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
請求項1の発明によると、溶融場からの排ガスや、出滓
口を加熱するバーナー燃焼ガスを引き込まない程度に、
冷却手段からの排ガスを排出するため、排出口より排出
されるガスの大部分が、冷却手段からの水蒸気等の低温
のガスであるため、排出ガス処理施設を大掛かりなもの
とする必要がない。また、溶融場からの排ガス等を引き
込まないため、未溶融灰等を引き込むことも少なく、排
出口付近にこれら排出物が付着することもなく、メンテ
ナンスも容易となる。
【0036】請求項2の発明によると、連続出滓が必要
な旋回流溶融炉若しくはプラズマ溶融炉にも適用するこ
とができる効果を奏する。
【0037】請求項3の発明によると、出滓口付近の温
度を高温に維持することができ、出滓口付近の閉塞を抑
制することができる効果を奏する。
【0038】請求項4の発明によると、水砕水槽を用い
た溶融炉であっても、水槽から発生する水蒸気の大部分
を排出することができ、出滓口付近での溶融スラグの冷
却、固化による出滓口の閉塞を抑制することができる効
果を奏する。
【0039】請求項5の発明によると、排出口より排出
される排出ガスのプロセス値によって、排出ガス流量を
調整することで、冷却手段からの低温のガスの大部分
を、溶融場からの排ガスや出滓口加熱用バーナーの燃焼
排ガス等を引き込まない程度に排出口から排出すること
が可能となり、出滓口付近の温度を下げることがないた
め、出滓口付近での溶融スラグの固化による出滓口の閉
塞を抑制することができる。また、バーナーの燃焼排ガ
スを引き込まないため、外部エネルギーの供給を低減す
ることができ、出滓口付近の温度を高温に維持すること
ができる効果を奏する。
【0040】請求項6の発明によると、熱電対等の簡便
な装置でプロセス値を測定することができ、排出口から
排出するガスの制御が容易に行える効果を奏する。
【0041】請求項7の発明によると、溶融場からの排
ガスやバーナーの燃焼ガス等を引き込みにくくし、冷却
手段からの低温のガスの大部分を排出することができる
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を流動床式熱分解ガス化溶融炉に適用し
た本発明の1実施形態例に係る溶融炉の出滓口の断面概
略図である。
【図2】本発明を流動床式熱分解ガス化溶融炉に適用し
た本発明の1実施形態例に係る溶融炉の出滓口の断面概
略図である。
【図3】本発明をプラズマ溶融炉に適用した本発明の1
実施形態例に係る溶融炉の出滓口の断面概略図である。
【図4】本発明をプラズマ溶融炉に適用した本発明の1
実施形態例に係る溶融炉の出滓口の断面概略図である。
【図5】出滓口における排出流量調節手段におけるフロ
ーチャートを示す図である。
【図6】水蒸気発生量と火炎温度との関係を示す図であ
る。
【図7】流動床式熱分解ガス化の断面概略図である。
【図8】本発明における溶融炉の排出口付近の断面概略
図である。
【図9】冷却手段にモールドを用いた溶融炉の断面概略
図である。
【符号の説明】
1 出滓口 2 溶融スラグ 3 水槽 4 燃焼空気供給口 5 送風器 6 温度計 7 エゼクタ 8 ダンパ 9 熱交換機(凝縮器) 10 助燃バーナ 11 2次焼却炉 12 排出口 13 低温ガス供給口 20 排出量調節装置 21 モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八十 格 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3K061 NB08 NB13 NB17 NB21 NB27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融スラグを排出する出滓口と、溶融場
    からの排ガスを煙道に導入するガス排出口と、前記出滓
    口から排出された溶融スラグが導入され、これを固化す
    る冷却手段と、を備えた廃棄物溶融炉からの出滓方法に
    おいて、 前記出滓口と前記冷却手段の間に排出口を1以上設け、
    前記排ガスを引き込まない程度に、前記冷却手段からの
    低温のガスの大部分を排出する廃棄物溶融炉の出滓方
    法。
  2. 【請求項2】 前記廃棄物溶融炉が、旋回流溶融炉若し
    くはプラズマ溶融炉である請求項1記載の廃棄物溶融炉
    の出滓方法。
  3. 【請求項3】 前記出滓口と前記排出口との間に加熱手
    段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の廃棄物溶融炉の出滓方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段が、出滓口下部を水封する
    水槽であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記
    載の廃棄物溶融炉の出滓方法。
  5. 【請求項5】 溶融スラグを排出する出滓口と、溶融場
    からの排ガスを煙道に導入するガス排出口と、前記出滓
    口から排出された溶融スラグが導入され、これを固化す
    る冷却手段と、を備えた廃棄物溶融炉において、 前記出滓口と前記冷却手段の間に、前記冷却手段からの
    低温のガスを排出する排出口を1以上設け、前記排出口
    に至る前記ガスのプロセス値を測定する測定手段と、前
    記プロセス値によって前記ガスの排出量を調整する排出
    量調節手段が設けられている廃棄物溶融炉。
  6. 【請求項6】 前記プロセス値が、温度である請求項5
    記載の廃棄物溶融炉。
  7. 【請求項7】 前記冷却手段からの低温のガスを排出す
    る排出口より延在する排出管が下向きに設けられている
    請求項5記載の廃棄物溶融炉。
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