JPWO2003073095A1 - 血漿又は血清分離具、血漿又は血清の採取方法、血漿又は血清分離方法、試験担体及びガラス繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、全血より血漿又は血清を分離するための分離具及び該分離具を用いた血漿又は血清の採取方法、さらに詳しくは、血液検査を行う際に、遠心分離器を用いることなく、微量の血液でも迅速に純度の高い血漿又は血清を液状もしくは乾燥状態にて分離・採取するための血漿又は血清分離具及び血漿又は血清の採取方法に関し、並びに血漿又は血清分離具、血漿又は血清分離方法、試験担体及びガラス繊維、さらに詳しくは、遠心分離器を用いずに、溶血を抑制した全血より血漿又は血清を分離するための分離具、該分離具を用いた血漿又は血清分離方法、該分離具を含有する試験担体及びガラス繊維に関する。
背景技術
臨床化学試験もしくは臨床免疫試験においては、多くの定性的、そして定量的な診断の迅速テストが血液をサンプルとして利用する病院関連検査分野で発展した。
これらの臨床試験の一部は、全血で試験することができるが、正確な試験結果を得るために、血液試料から分離された血清あるいは血漿を利用することが必要である。さもなければ、赤血球あるいは血液試料での不純物が、その測定方法である反射光、透過光及び発光を妨害し、測定に影響がある。
臨床検査における血液成分の種類や濃度の測定は、通常注射器採血器具を使用し、採血管に採取した全血を遠心分離して得られる血清または血漿を検体として実施される。
しかし、遠心分離は、全血の量が、数百μL以上必要であり、手間や時間もかかる。また、特に、生化学検査の多くの分野では赤血球等の血球の存在が検査を妨害するため、予め血液から血清または血漿を分離し使用されている。そのため、検査に先立ち、患者や被験者から採取した血液を一旦凝固させた後、遠心分離し、血清を得るという過程を経る必要がある。近年の生化学分析装置は、技術が進みほとんどの検査に使用する検体量は数μL〜数十μLしか必要がないが、採血量は、遠心分離器の仕様と採血管のサイズに依存しており、余分な血液量の採取を行っている。
上記従来の遠心分離法では、検体容量が少ないと、分離した血球と血漿又は血清が再懸濁してしまうため、血漿又は血清だけを回収するのは難しいという問題があった。そのため、遠心分離法では、数百μL〜数mLの検体容量を要し、採血には注射器による採取が必要であるので、被検者に対する負担が大きいという難点を有していた。さらに、遠心分離法では、遠心するための特別な装置が必要であり、バッチでしか処理できず、少数の検体処理にはコスト的にも不利であり、随時且つ即時的な処理にも不向きであった。
また、一般に新生児のビリルビン濃度を測定する方法は、新生児の足の裏面に採血針を刺針して、血液を毛細管により採取するものである。採取した血液は、毛細管用遠心分離器によって血清または血漿を分離し、図17に示したような専用の光度計によりビリルビン吸収波長である450〜460nm近辺の吸光度からビリルビン濃度を換算して検査が行われている。そのため、検査を行うには、専用の遠心器が必要であり、測定よりも分離作業に時間を要していた。
図17において、50は光源、52はチョッパー、54は熱吸収フィルター、56はレンズ、58はフィルターディスク、60a、60bは干渉フィルター、62は毛細管、64は毛細管フォルダー、66はフォトセル、68はアンプ及び70はメーターである。血漿又は血清を分離した血液が収納されている毛細管62を毛細管フォルダー64に保持させ、光源50からの光をチョッパー52、熱吸収フィルター54、レンズ56、干渉フィルター60a、60bを通過させて、毛細管62に照射し、450〜460nm付近の吸光度をフォトセル66によって測定し、ビリルビン濃度をメーター70により検出する。
上記の問題点を解決する手段として、ドライケミストリーが知られている。これは、ガラス繊維などの繊維フィルターからなる血漿又は血清分離層とその下層に位置する反応層とから成り立つプレートに、微量の血液を滴下すると、血漿又は血清分離層にて血漿又は血清が分離され、その下層の反応層にて反応、発色し、これを比色する。このドライケミストリーは、遠心分離器による面倒な血漿又は血清採取を必要としない簡便な方法であるが、血漿又は血清分離層から反応層までを一体化し、専用システムに限り使用することができるものである。また1プレートに1検査項目のみ測定が可能であるため、複数項目を検査するためには、それぞれのプレートを用いなければならず、簡便である割に高価であることなどから、広く普及するには至っていない。
血液から遠心分離器を使わずに血漿又は血清を得る方法も提案されている(特開昭53−72691号、特開昭60−11166号等)。これらの方法は、分離に時間がかかることや、赤血球が目詰まりを起こし、溶血する問題があり、実用化には至っていない。
また、繊維状フィルターを用いた層に血液を加圧して流し血漿又は血清を分離する技術が種々提案されている。特開昭61−38608、特開平4−208856、特開平5−196620に開示されている方法および器具は遠心分離器を用いずに血漿又は血清を採取できるものの、得られる血漿又は血清量が少ない。このため、これらの技術も広く普及するには至っていない。
また、上記従来の血漿又は血清分離フィルターを用いる方法では、血漿又は血清を回収するための加圧、或いは引圧には、特別な装置或いは用器具が必要となり、操作も煩雑になるという課題を有していた。
以上説明したように、臨床検査に使用する微量の血液を短時間に効率よく血漿又は血清成分を分離する器具として充分な性能を有するものはないのが現状である。
他方、上記した如く、遠心分離法には、時間がかかること、微量の全血検体は分離後血清あるいは血漿を採取することが困難なこと、そして検査室外で一般に利用可能でない付帯設備を必要とすることがあげられる。これらの理由のために、ベッドサイド検査や緊急検査等で実施されているポイント・オブ・ケア試験での検査室外で臨床検査技師以外の専門家によって実施される試験に対しては、遠心分離法は完全に不適当である。
これらの問題を避けるために多くの技法が工夫考案され、提案されている。これらの技法においては、一般に多数の材料がフィルターを形成するために使われた。これらのフィルター材料として、ペーパー、織物、ガラスあるいは化繊などの適当なポアサイズを持っている膜材料が従来から知られている。
例えば、米国特許第4,816,224号には、特定の大きさのガラス繊維濾紙と多孔質膜とを積層して用いる方法が開示されている。また、米国特許第4,753,776号は、赤血球凝集剤を担持することができるガラス繊維からなるフィルターと全血を接触させることによって、赤血球から血漿又は血清を分離するための装置に関するものであり、ガラス繊維フィルターの厚さ、直径を規定し、その間に全血を通し毛管力で分離した血漿又は血清を毛管流装置に移送する方法を教示している。しかし、どちらの方法も、血漿又は血清の実用的な分離産出量が通常25%以下であり、容易に目詰まりする。
次に、米国特許第5,665,238号には、ポアサイズ3μ以下のガラス等の繊維フィルターに多糖類であるマンニトールを1〜40%、アルブミンを0.1〜15%含有した層で血清を分離することで高収率の分離を達成する方法が示されているが、この方法の欠点としては、溶血に対する配慮がないことと、分離する時間が長いことが挙げられる。
他の方法としては、米国特許第3,146,163号及びドイツ特許出願公開DE−A−1498577においては、血漿又は血清の分離のために、全血を、植物性赤血球凝集素のような赤血球凝集素で被覆された物質に適用する方法が記載されており、可能な担体物質としてプラスチック及び厚紙のような繊維性物質が挙げられている。
日本特許出願公開昭61−118661には、レクチンを含浸させたマトリックスに全血を適用し、血漿又は血清を単離することからなる全血の分離方法が開示されており、マトリックスとしては、40%までの流体流に対する相対抵抗性を有する吸収性物質が用いられている。さらに、繊維性構造又は繊維構造及びできる限り小さい流体流に対する抵抗性を有するマトリックスが挙げられ、好ましい物質として、綿及びビスコース繊維及びセルロース物質が例示されている。しかしながら、この方法の明らかな欠点は、分離した血漿又は血清を希釈剤でマトリックスから洗浄しなければならないことである。
日本特許出願公開昭64−21362には、全血から血漿又は血清を分離する別の装置が開示されている。該装置は、血球を擬集させる試薬で処理されている吸収性マトリックスを含んでおり、血球を凝集させる試薬として、トロンビン又はレクチンが挙げられている。吸収性マトリックスとしては、疎水性粉末、スポンジ及びクレイ物質、繊維及びポリマーが推奨されており、繊維含有紙は、ポリマーとしても認識され、また濾紙は、好ましいマトリックスとされている。
日本特許出願公開昭61−207966は、レクチンを含浸させた吸収性マトリックスを分離層として使用する全血から血漿又は血清を分離するための試薬を教示している。
日本特許出願公開平2−140147には、全血と接触させると赤血球が結合するカチオン性表面を形成するようにポリカチオンを吸収性固体物質上に固定することが開示されており、好ましい担体物質としては紙が挙げられている。
日本特許出願公開昭60−36961には、いくつかの極性基を有する物質を含浸させた吸収性多孔質物質を使用して、全血から血漿又は血清を分離することが開示されている。例えば、紙、パッド及び繊維が一般的に挙げられている。
欧州特許出願公開EP−A−0305803には、赤血球凝集化抗体及び所望によりレクチンを含んでいる繊維含有濾過層、又はガラス繊維の濾過層及びレクチンからなる赤血球含有体液から血球を分離するための装置が開示されている。
上記した公知の全血分離方法のうち、特に、全血を赤血球凝集化作用を有する繊維含有層と接触させ、赤血球を繊維含有層によって保持させる方法が実用上有効であるといえる。しかしながら、この種の繊維含有層を用いる上での問題は、赤血球を繊維含有層と接触させると溶血が生じてしまうことである。
一方、米国特許第5,262,067号は、赤血球凝集化物質を含有するガラス繊維層をポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニルアルコールで被覆して全血から分離する血漿又は血清成分に溶血が実用上影響ない程度に抑えることができるよい方法であるが、分離時間がかかるという問題がある。
溶血は、赤血球からヘモグロビンを放出させ、したがって、血漿又は血清を脱色させる。このような脱色は、比色試験を相当に妨害し得ることから、ガラスによって生じる赤血球の溶血は、その量が少なければ少ない程、測定に対する阻害物質の影響が少ないこととなる。
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、本発明の第一の目的は、微量な血液であっても遠心分離器を用いずに血球成分の漏出や溶血なく血漿又は血清を効率よく分離することができる上、緊急検査や在宅検査など随時性、即時性が要求される医療現場での血液検査において、迅速且つ簡単に全血検体から血漿又は血清を分離回収できる血漿又は血清分離具及び血漿又は血清の採取方法を提供することにある。
また、本発明者は、血漿又は血清から未希釈の血液の細胞成分、特に赤血球を分離することができる可能性を見いだすこと、この分離の際に溶解を生じさせないこと、そして該分離の際の分離速度が速く分離できる可能性を見出すこと、及び特に、分離は臨床検査におけるポイント・オブ・ケア検査においても可能であるべきことを課題として研究を進めたところ、驚くべきことに、ヘキシレングリコール、ブトキシプロパノール又はブトキシメチルアクリルアミドで被覆したガラス繊維を含む繊維含有層を血漿又は血清分離層として用いることによって、実質的に溶血を生じずに、血漿又は血清から未希釈全血の細胞成分を非常に良好に分離するのに適していることを見出し、本発明に到達した。
本発明の第二の目的は、赤血球の分離が迅速に行われるとともに分離能が高く、その上溶血の少ない全血からの血漿又は血清分離方法、分離具、試験担体及びガラス繊維を提供することにある。
発明の開示
上記課題を解決するために、本発明の血漿又は血清分離具の第1の態様は、全血から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材と、該血液分離部材を被覆保持する保持部材と、該血液分離部材の基端部を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部と、該血液分離部材の先端部を被覆する保持部材部分に開口された血漿又は血清採取口とからなり、該血液導入部を介して血液分離部材に全血を導入し、該導入された全血を該血液分離部材の先端部分に血漿又は血清が位置し、該血漿又は血清分離部材の基端部分に血球が位置するように分離し、該血液分離部材の先端部分に位置する血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することができるようにしたことを特徴とする。
本発明の血漿又は血清分離具の第2の態様は、全血から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材からなる第1層と溶血遮断部材からなる第2層と血漿又は血清吸収部材からなる第3層とを有する血液分離積層体と、該血液分離積層体を被覆保持する保持部材と、該血液分離積層体の第1層側を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部と、該血液分離積層体の第3層側を被覆する保持部材部分に開口された血漿又は血清採取口とからなり、該血液導入部を介して血液分離積層体に血液を導入し、該導入された血液を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、該第3層に吸収された血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することができるようにしたことを特徴とする。
本発明の血漿又は血清分離具の第3の態様は、血液から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材からなる第1層と溶血遮断部材からなる第2層と血漿又は血清吸収部材からなる第3層とを有する血液分離積層体と、該血液分離積層体を被覆保持する保持部材と、該血液分離積層体の第1層側を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部とからなり、かつ該第3層が第1層及び第2層から離間し取り外し可能であるように構成し、該血液導入部を介して血液分離積層に全血を導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、この血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができるようにしたことを特徴とする。
上記本発明の血漿又は血清分離具の第3の態様において、上記第3層が第1層及び第2層から離間し取り外し可能であるとともに外気に対して露出可能なように構成し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離した後、血漿又は血清を吸収した第3層を外気に露出して吸収された血漿又は血清を乾燥し、この乾燥した血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することが好ましい。
上記血液分離部材は、血球を溶血させずに捕捉することのできる機能を有した公知の材料であれば、いかなるものでも良いが、繊維質素材及び/又は多孔質体からなるものを用いることができる。
上記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上で被覆されたものであることが好ましい。
上記保持部材は、上記血液分離部材の表面を隙間無く被覆可能な液体不透過な性質を有する部材であればいかなるものでも良いが、透明又は半透明な液体不透過性フィルムであることが好適である。
上記血液導入部を血液の透過が可能な網状部材により被覆することが好ましい。
本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様は、上記した本発明の血漿又は血清分離具の第1の態様を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離部材に導入し、該導入された全血を該血液分離部材によって先端部分に血漿又は血清が位置し、基端部分に血球が位置するように分離させ、該血液分離部材の先端部分に位置する血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することを特徴とする。
本発明の血漿又は血清の採取方法の第2の態様は、上記した本発明の血漿又は血清分離具の第2の態様を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離積層体に導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、該第3層に吸収された血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することを特徴とする。
本発明の血漿又は血清の採取方法の第3の態様は、上記した本発明の血漿又は血清分離具の第3の態様を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離積層体に導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、この血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができるようにしたことを特徴とする。
本発明の血漿又は血清の採取方法の第3の態様において、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離した後、血漿又は血清を吸収した第3層を外気に露出して吸収された血漿又は血清を乾燥し、この乾燥した血漿又は血清含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができる。また、血漿又は血清を吸収した第3層を取り外した後、血漿又は血清を乾燥させることも同様に可能であり、同じ態様である。
本発明の血漿又は血清分離具の第4の態様は、全血から血漿又は血清を分離する器具において、血液分離部材としてヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆した繊維質材料及び/又は多孔質体を含有することを特徴とする。
上記血漿又は血清分離具は、全血を上記血液分離部材と接触させ、赤血球を前記血液分離部材によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離することによって溶血を抑制することができる。
本発明の血漿又は血清分離方法は、全血を血液分離部材と接触させ、赤血球を該血液分離部材によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する方法であって、上記した本発明の血漿又は血清分離具の第4の態様を用いることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする。
本発明の試験担体は、血液試料成分から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離層及び分離された血漿又は血清を試験するための試験域を含み該血液試料成分の分析物の測定を行うための試験担体であって、該血漿又は血清分離層が上記した血漿又は血清分離具を含有するように構成することによって、溶血を抑制するようにしたことを特徴とする。
上記繊維質素材及び/又は多孔質体として、ガラス繊維、不織布、セルロース繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルホルマールよりなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
特に、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆したガラス繊維が好適である。
上記ブトキシ基が付いたプロパノールとしては、ブトキシプロパノールが好適であり、上記ブトキシ基が付いたアクリルアミドとしては、ブトキシメチルアクリルアミドが好ましい。
本発明のガラス繊維は、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆したことを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の一つの実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図1は、本発明の血漿又は血清分離具の第1の実施の形態を示し、(a)は断面概略図及び(b)は上面概略図である。図1において、10は本発明に係る血漿又は血清分離具である。該血漿又は血清分離具10は血液分離部材12を有し、該血液分離部材12は保持部材14により被覆保持されている。上記保持部材14は、下側の基フィルム14a及び上側の被覆フィルム14bよりなり、該血液分離部材12は該基フィルム14aと被覆フィルム14bの間に挟持固定されている。上記血液分離部材12を保持部材14にて被覆保持固定する際、両者間を隙間無く接着することによって、全血から純度の高い血漿又は血清を分離することが可能となる。該被覆フィルム14bの基端部上面には血液導入部16が形成されており、該血液導入部16と反対側の保持部材14の先端部に血漿又は血清採取口18が開口されている。
20は該血液導入部16を被覆する網状部材である。この網状部材20の設置によって、該血液導入部16から外方に露出する血液分離部材12は被覆されるため、破損等が生じないように保護されることとなる。該網状部材20としては、血液が浸透し表面張力で球状にならない素材であれば、いかなるものでも良く特に限定されないが、ナイロン等のプラスチック素材を用いることができる。
上記血液導入部16の形状は、特別の限定はなく、図1(b)に示したように、円形でもよいし、多角形等のその他の形状でもよい。例えば、図2(第2の実施の形態)及び図3(第3の実施の形態)に示すように、被覆フィルム14bの基端部分の全体を剥離し、血液分離部材12の開口部分が大きくなるように形成することも可能である。
なお、前述した網状部材20で血液導入部16を被覆するのが好ましいが、図3に示したように網状部材20を設けることなく血液分離部材12を外気に対して露出させた状態でも本発明の作用効果が同様に達成されることはいうまでもない。
上記血漿又は血清採取口18の開口方向は保持部材14の上面でもよいし、底面でもよく、さらに先端部分であれば側面のどの部分でもよく、特に限定されない。血漿又は血清採取口18の寸法は、0.02〜1mm径の円形もしくは相当の角形が好ましい。血漿又は血清採取口18の開口方法は特に限定されないが、血液分離部材12を被覆する被覆フィルム14bを注射針のような針状器具等により開口させることが好ましい。
上記血液分離部材12として用いる繊維質素材及び/又は多孔質体としては、ガラス繊維、石綿などの無機繊維;木綿、パルプ、絹等の天然有機繊維;セルロース、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルホルマール、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ビスコースレーヨン等の半合成繊維;合成繊維等を用いることができる。
ガラス繊維フィルターとしては、ポアサイズ平均3〜6μmの硼素酸ガラスが好ましいが、この仕様にあった市販ガラス繊維メンブレンとしては、GF/Dタイプ(Whatman社製)が好適である。
上記血液分離部材に赤血球を凝集させる物質、例えば、カチオンポリマー、レクチン、赤血球に対する抗体等の公知の赤血球凝集化物質を単独又は混合して含有させてもよい。
また、上記血液分離部材として、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミド等の被覆物質を被覆した上記繊維質素材及び/又は多孔質体を含有するものを用いることが好ましい。上記被覆物質は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。特に、ガラス繊維フィルターとして、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上で被覆したガラス繊維を用いることがより好適である。
このガラス繊維よりなり、ヘキシレングリコール、及び/又は官能基としてブトキシ基が付いたプロパノールであるブトキシプロパノール、例えば1−ブトキシ−2−プロパノール、及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドであるブトキシメチルアクリルアミド、例えばN−(ブトキシメチル)アクリルアミド等で被覆したものを使用することにより、分離過程での溶血を実用上問題ない量に抑えることができ、血液の滴下と同時に血漿又は血清と血球の分離が始まり、迅速な分離ができる。
上記ヘキシレングリコール及び/又はブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドのガラス繊維に対する量は、下限値が0.05重量%、好ましくは0.1重量%、さらに好ましくは0.2重量%であり、上限値が3.0重量%、好ましくは2.0重量%、さらに好ましくは1.5重量%である。
ガラス繊維に赤血球を凝集させる物質を被覆させる方法としては、ガラス繊維濾紙の血液分離部材に被覆物質の溶液を含浸させるのが好ましく、例えば、含浸溶液をガラス繊維濾紙に適用するか、又はこれを含浸液中に浸漬させる。
含浸液の量は、0.3重量%〜2.0重量%の範囲がよく、この範囲を超えた場合は、ガラス繊維間の毛管力に影響があり、溶血の溶出、血液の展開する遅延時間の延長を起たす。
上記ガラス繊維フィルターを、ヘキシレングリコール及び/又はブトキシ基が付いたプロパノール及び/又はブトキシ基が付いたアクリルアミドにより被覆させる好適な方法としては、ガラス繊維濾紙を、ヘキシレングリコール、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、又は1−ブトキシ−2−プロパノール含浸液中に浸漬し、取り出した後室温から90℃の範囲で乾燥させる。乾燥時間は、50℃〜90℃の範囲で25分〜80分の範囲で実用上問題ない。
上記血液分離部材12の大きさは、最低採取する血液量に合わせた容積が必要である。その形状は、特に限定されず、四角形、三角形又はその他の多角形、円形、楕円形、及び先端部分を細い形状にした羽子板形状等どのようなものでもよい。例えば、図1及び図2に示したような箱形が好適に用いられるが、先端部が細い形状のものが、血球と血漿又は血清を分離し易く好ましい。但しその厚みに関しては、全血を血球部分と血漿又は血清部分に分離させるために、血液導入部から供給された全血において、血球部分を血液分離部材中に留まらせ、血漿又は血清部分を横方向、即ち血漿又は血清採取口方向に移動させる必要があるため、血球部分が血液分離部材の上面から底面に満たされ、血漿又は血清が血液分離部材内の横方向へ流れるように該血液分離部材12の厚みが設定される。上記血液分離部材の寸法は、検査に必要な血漿又は血清量をもとに、適宜決定すればよく、特に限定されない。
手足等に採血針を刺針して血液を採取する場合においては、採取できる血液量は、約25〜100μLであり、採取される血液量に応じて、上記血液分離部材の厚み及び寸法が適宜定められる。例えば、血液量25μLの場合、厚み0.1〜0.6mmが好適であり、血液量100μLの場合、厚み0.1〜1.4mmが好適である。
上記保持部材14は、上記血液分離部材12の表面を隙間無く被覆可能な液体不透過な性質を有する部材であればいかなるものでも良い。但し、少なくとも該保持部材14の先端の血漿又は血清が分離される箇所の被覆フィルム14bは、血液を押し出せるように軟質でなくてはならない。また、上記保持部材14として透明もしくは半透明な液体不透過性フィルムを用いることが、血液の移動及び血漿又は血清の分離が確認できるため、好適である。上記基フィルム14a及び被覆フィルム14bは、同一材でもよく、又は異なる材を用いても良い。上記保持部材14として、例えば、プラスチックフィルムに粘着剤を塗付させた粘着テープが好適に用いられる。上記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムを単独又は併用して用いることができる。保持部材14の厚さは特に限定されるものではないが、100μm程度が好ましい。
本発明の血漿又は血清の採取方法は、上記した血漿又は血清分離具を用いることによって、微量な血液であっても血球成分の漏出や溶血なく血漿又は血清を効率よく分離することができるものである。
図4は上記した本発明の血漿又は血清分離具の第1の態様(第1〜第3の実施の形態)を用いる本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様の工程順の1例を示すフローチャートであり、図5は図4の各ステップを模式的に示す説明図である。
本発明に係る血漿又は血清の採取方法の第1の態様は、図4及び図5に示した如く、まず血液採取部に針状器具、例えば、採血針40を刺して出血させる(図4ステップ200及び図5(a))。血液採取部は特に限定されないが、例えば手足等が好ましい。出血後、この出血部位に対して本発明の血漿又は血清分離具10の血液導入部16又は網状部材20を当接させて血液42を採取し、血液導入部16より血液42を供給する(図4ステップ202及び図5(b)(c))。
この場合、上述した保持部材14で覆われた血液分離部材12は、血液42を含ませても血球から血漿又は血清が分離し血液分離部材12内が満たされた後は、それ以上の血液を吸収しない。
上記吸収された血液42は、血液分離部材12中を血液導入部16から先端の血漿又は血清採取口18方向へ移動し、血漿又は血清と血球の移動速度差を利用して、血液導入部16側に血球44が、血漿又は血清採取口18側に血漿又は血清30がそれぞれ分離されることにより、血液分離部材12中で血漿又は血清を分離することができる(図4ステップ204及び図5(d))。保持部材14、特に被覆フィルム14bを透明又は半透明なフィルムとすることにより、上記分離過程を被覆フィルム14bを介して目視にて確認することができる。血漿又は血清の採取量は、その血液のヘマトクリット値及び血液分離部材12の血漿又は血清分離能によるものであり、例えば、血液量25μLの場合は、5〜12μLの血漿又は血清が40〜180秒間で血液導入部16から横方向、即ち血漿又は血清採取口18方向に流れ分離する。
この分離された血漿又は血清30は先端部分の血漿又は血清採取口18から液球状にて取り出することができる(図4ステップ206及び図5(e))。取り出した血漿又は血清を定量ピペット46や毛細管等で採取し(図4ステップ208)、必要な検査を実施する(図4ステップ210)。
血漿又は血清の取り出し方法は、特に限定されないが、図5(e)に示した如く、血球44と血漿又は血清30の境界より血漿又は血清側の保持部材14を、器具48や指等を用いて、血液導入部16側から血漿又は血清採取口18側方向へ押すことにより、簡便且つ迅速に血漿又は血清を排出することができる。更に具体的には、例えば、平面に配置する等、底面を押さえて上面を手の爪もしくは硬質な器具48で押さえつつ矢印にて示した先端方向へ移動させ、血漿又は血清採取口18に血漿又は血清30を絞り出し、定量ピペット46や毛細管等で採取すればよい。
血漿又は血清30の採取方法は上記の他にも種々考えられるところであり、例えば、図6に示した如く、押圧具を用いることなく上面と底面を指により押さえつつ、矢印にて図示した方向に爪を移動させ、血漿又は血清採取口18に血漿又は血清30を絞り出し、定量ピペットや毛細管32等で簡便に採取することもできる。また、図7に示した如く、ローラー状の器具を用いて、保持部材を押さえながら矢印にて図示した方向にローラー34を移動させ、血漿又は血清採取口18に血漿又は血清30を絞り出し、定量ピペットや毛細管32等で採取する方法等を用いて簡便に血漿又は血清を採取することも可能である。
血漿又は血清の絞り出し方法の他の例として、血漿又は血清採取口18より、ピペット等の吸引器具を用いて血漿又は血清を吸い出し、採取することも可能である。
上記した方法により採取された血漿又は血清は、いかなる血液検査にも用いることが可能であり、特に限定されない。例えばビリルビン濃度測定検査に用いる場合は、毛細管に採取し前述した毛細管専用ビリルビン測定器(図17)で測定することが好ましい。本発明の血漿又は血清分離具を用いて採取された血漿又は血清は、通常の遠心分離器を用いて採取される血漿又は血清と成分的な差異はなく、生化学的検査を含め、血漿又は血清を用いたあらゆる血液検査に使用することができる。
本発明の血漿又は血清分離具及び血漿又は血清の採取方法を用いることにより、微量の血液より、遠心分離器を用いることなく、純度の高い血漿又は血清を簡便且つ迅速に得ることができる。また、本発明の血漿又は血清分離具及び血漿又は血清の採取方法を用いることにより、乾燥されていない液状の血漿又は血清を入手できるため、直接定量的に血漿又は血清を分析することができる。
上記した本発明の血漿又は血清分離具の第1〜第3の実施の形態においては、平板状の血漿又は血清分離部材12を用い、その基端部分と先端部分、即ち水平方向に血球と血漿又は血清を分離する場合を示したが、血漿又は血清の分離方向は水平方向に限定されるものでなく、垂直方向(上下方向)に分離することも可能であり、以下に説明する。
図8は本発明の血漿又は血清分離具の第4の実施の形態(第2の態様)を示し、(a)は断面概略図、(b)は上面概略図、(c)は下面概略図である。図8において、図1〜図3と同一又は類似部材は同一符号で示される。
図8において、10aは本発明に係る血漿又は血清分離具である。該血漿又は血清分離具10aは血漿又は血清分離積層体13を有し、該血液分離積層体13は保持部材14により被覆保持されている。上記保持部材14は、下側の基フィルム14a及び上側の被覆フィルム14bよりなり、該血液分離積層体50は該基フィルム14a及び被覆フィルム14bの間に挟持固定されている。上記血液分離積層体13を保持部材14にて被覆保持固定する際、両者間を隙間なく接着するのが好適であることは図1の場合と同様である。該保持部材14の材質も図1の場合と同様のものが用いられるが、本発明の血漿又は血清分離具10aの第4の実施の形態では、図10(e)に示されるように、血漿又は血清を取り出す際に、血漿又は血清分離具10aを折曲する必要があるので、保持部材14も折曲可能な材料を用いる必要がある。
該血漿又は血清分離積層体13は、血液分離部材からなる第1層13aと、溶血遮蔽部材からなる第2層13bと、血漿又は血清吸収部材からなる第3層13cとから構成されている。該第1層13aは血液分離作用を行うもので、図1に示された血液分離部材12と同様の材料によって形成される。該第2層13bは溶血が第3層13cに移行しないように遮蔽作用を行うもので、ニトロセルロースやサイクロポアなどの多孔性フィルム材料から形成される。この多孔性フィルムの孔径としては、0.02μm〜1.2μm程度が使用可能であり、0.2μm〜0.45μm程度が好適である。該第3層13cは分離された血漿又は血清を吸収する作用を行うもので、ガラス繊維、セルロース、不織布、濾紙等の吸水材料が用いられる。
該血液分離積層体13の第1層13a側を被覆する被覆フィルム14bには血液導入部16が形成されている。また、該血液分離積層体13の第3層13c側を被覆する基フィルム14aには血漿又は血清採取口18が開口されている。20は該血液導入部16を被覆する網状部材である。該血液導入部16の形状が特別の限定がないのは前述した通りである。また、該血漿又は血清採取口18の寸法は、前述したと同様に、0.02〜1mm径の円形又は角形が好ましい。
図9は本発明の血漿又は血清分離具の第4の実施の形態を用いる本発明の血漿又は血清の採取方法の第2の態様の工程順の1例を示すフローチャートであり、図10は図9の各ステップを模式的に示す説明図である。
本発明に係る血漿又は血清の採取方法の第2の態様は、図9及び図10に示した如く、血液採取部に針状器具を刺し出血させ(図9ステップ200及び図10(a))、次いで血液導入部より血液を供給する(図9ステップ202及び図10(b)(c))までは、図4及び図5の場合と同様である。
血液分離積層体13の第1層(血液分離部材)13aに導入された血液42中の血漿又は血清30は第3層(血漿又は血清吸収部材)13cの吸収作用によって第3層13cに移動し吸収される。一方、血球44は第1層(血液分離部材)13aに残存したままとなる。したがって、血球44及び血漿又は血清30は第2層50bを介して第1層13a及び第3層13cにそれぞれ分離された状態となる(図9ステップ204a及び105及び図10(d))。この第3層13cに分離吸収された血漿又は血清30は血漿又は血清分離具10aを図10(e)に示したように血漿又は血清採取口18が折曲した場合の外向きの折曲点となるように折曲させることによって血漿又は血清採取口18から液球状にて取り出すことができる(図9ステップ206)。取り出した血漿又は血清を定量ピペットや毛細管等で採取し(図9ステップ208)、必要な検査を実施する(図9ステップ210)。
上記した本発明の血漿又は血清分離具の第4の実施の形態においては、血漿又は血清分離を血漿又は血清分離積層体13を用いて行う点に特徴がある。この血漿又は血清分離積層体13を用いることによって血漿又は血清30は第3層(血漿又は血清吸収部材)13cに吸収分離保持される。したがって、図11に示した血漿又は血清分離具10bのように第3層13cを血漿又は血清分離積層体13の第1層13a及び第2層13bから分離取り外し可能としておけば、この血漿又は血清30を吸収保持した状態の第3層13cを血漿又は血清分離積層体13から取り外して外気に露出させることによって血漿又は血清30を簡単に乾燥させることができる。このように、乾燥状態の血漿又は血清30を保持した第3層13cだけを取り外すことによって乾燥状態の血漿又は血清30の取り扱い態様が多様になる。たとえば、長時間の保存ができ、この乾燥血漿又は血清を遠隔地の検査地点に郵送等によって搬送することが可能となる等の利点がある。図11に示した血漿又は血清分離具10bにおいては、第3層13cに吸収された血漿又は血清30を押し出して溶液で採取することはないので血漿又は血清採取口18は設ける必要がない。この第3層13cに吸収される血漿又は血清30は乾燥されることになるので、あらかじめ基フィルム14aに外気に露出する径大なる穴を開穿しておく構成を採用することもできる。
図12は本発明の血漿又は血清分離具の第5の実施の形態(第3の態様)(図11)を用いる本発明の血漿又は血清の採取方法の第3の態様の工程順の1例を示すフローチャートであり、図13は図12の各ステップを模式的に示す説明図である。図12のステップ200〜205及び図13(a)〜(d)は図9のステップ200〜205及び図10(a)〜(d)と同様であり、血漿又は血清吸収部材(第3層)13cに血漿又は血清30が吸収される。この血漿又は血清30を吸収した第3層13cを取り外して外気に露出させて血漿又は血清30を乾燥させる(図12ステップ207及び図13(e))。なお、ステップ207において、血漿又は血清30を吸収した第3層13cを外気に露出させて血漿又は血清30を乾燥させた後、第3層13cを取り外してもよい。この乾燥血漿又は血清30を郵送等によって検査場所に送付し、必要な検査を実施することができる(図12ステップ210)。
図14は本発明の試験担体の一つの実施の形態を示す断面図であり、イムノクロマトグラフィー法に使用するストリップを試験担体とし、そのサンプルパッドに本発明の血漿又は血清分離具の第4の態様を使用した場合が示されている。
同図において、110は試験担体で、プラスチック等からなる長尺状の支持体板112を有している。該支持体板112の一端部上面には血漿又は血清分離層114が設けられている。この血漿又は血清分離層114としては、本発明の血漿又は血清分離具の第1の態様において上述したヘキシレングリコール、ブトキシ基を有するプロパノール及びブトキシ基を有するアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆した繊維質素材及び/又は多孔質体を含有する血液分離部材が同様に用いられる。特に、赤血球凝集化作用を有するとともにヘキシレングリコール、ブトキシプロパノール及びブトキシメチルアクリルアミドの少なくとも1種を被覆したガラス繊維を含有する血液分離部材を用いることが好ましい。上記血液分離部材を用いることにより、分離過程での溶血を実用上問題ない量に抑えることができ、血液の滴下と同時に血漿又は血清と血球の分離が始まり繊維質素材及び/又は多孔質体内での全血が展開する遅延時間がなく、迅速な分離ができる。
116はガラス繊維等からなるコンジュゲートパッドで、該血漿又は血清分離層114の先端部は、隣接して該支持体板112上に設けられた該コンジュゲートパッド116の基端部分を覆うようにして設けられている。このコンジュゲートパッド116にはラテックスや金コロイド等で標識された抗体もしくは抗原が含まれている。
118は試験域となる展開層で、ニトロセルロール膜等から形成されている。該展開層118は該支持体板112の上面中央部に設けられ、固相バンド120、例えばキャプチャーゾーン120a及びコントロールゾーン120b等によって構成されている。この固相バンド120には抗体もしくは抗原が含まれている。122は該支持体板112の他端部上面に設けられたガラス繊維等からなる吸水層で、固相バンド120で反応しなかった未反応物を吸水作用によって固相バンド120の外側に移動させる働きをする。
上記した試験担体110の作用を以下に説明する。まず、血漿又は血清分離層114に血液試料成分と反応用溶液を滴下すると、該血液試料成分中の赤血球は該血漿又は血清分離層114中のガラス繊維によって保持され、血漿又は血清が分離される。
この分離された血漿又は血清成分と反応用溶液がコンジュゲートパッド116においてラテックスや金コロイド等の標識された抗体もしくは抗原と抗原抗体反応を起こし、生成した反応物及び未反応物が横方向、即ち展開層118に移動する。
この展開層118の固相バンド120で上記反応物が固相バンド120の抗体もしくは抗原と抗原抗体反応を行って上記標識物質によって着色された測定複合体が形成される。固相バンド120内における測定複合体中の標識物質の多少に基づく色素の濃淡を目視、もしくは反射光による固相バンド120の色の濃淡を色素吸収光の強度で表すことによって血液試料成分の分析物の測定を行うことができる。
または、ラテックス自体にも蛍光もしくは発光を伴う物質を着色し、蛍光量もしくは発光量から固相バンドにおける標識物量を求め、定性もしくは定量値として表す。
なお、展開層118の固相バンド120で反応しなかった未反応物は、吸水層122によって展開層118の固相バンド120の外側に移動せしめられる。
図15は本発明の試験担体の他の実施の形態を示す断面図であり、毛細管力を利用して、全血から血漿又は血清を分離した後キャピラリーに血漿又は血清を取り込み、透明なキャピラリーで、455nm吸収波長があるビリルビンを血漿又は血清から直接比色する場合の試験担体の一例が示されている。
同図において、130は試験担体で、ガラス又は透明プラスチック等からなる長尺状キャピラリー132を有している。該キャピラリー132の一端部にはキャピラリー132の一部を除去して取付部134が形成されている。
該取付部134には血漿又は血清分離層136が設けられている。この血漿又は血清分離層136は、図14の血漿又は血清分離層114と同様の血液分離部材によって形成されている。該血漿又は血清分離層136が設置された部分以外のキャピラリー132の部分は、図15に示すように試験域138として作用する。
上記構成により、まず血漿又は血清分離層136に血液試料成分を滴下すると、該血液試料成分中の赤血球は該血漿又は血清分離層136中のガラス繊維によって保持され、血漿又は血清が分離される。
この分離された血漿又は血清をキャピラリー132、即ち試験域138に毛管力で取り込み、キャピラリー132の上面もしくは底面から光を照射し、底面もしくは上面で検出し、455nmにおける吸光度によってビリルビン濃度を測定する。
以下に本発明の実施例をあげて説明する。
(製造例1)
以下の実施例1及び2においては、図3に示したものと同様の血漿又は血清分離具を下記の如く作製して用いた。
N−(ブトキシメチル)アクリルアミド(和光純薬(株)製)の0.5%水溶液に、幅10mm、長さ20mmの大きさに裁断したガラス繊維フィルターGF/D(Whatman社製、厚み0.2mm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血液分離部材とした。
保持部材として、粘着剤を塗付させたポリプロピレン製のプラスチックフィルム(厚さ100μm)を用いた。上記血液分離部材を、図3(b)のように、血液導入部として10mm×10mmを残して、基フィルム(寸法:20mm×30mm)及び被覆フィルム(寸法:20mm×15mm)を用いて両面を貼り合わせた。その後、図3(a)のように先端部分を注射針(22G径)で被覆フィルムに穴を開け、血漿又は血清採取口とし、血漿又は血清分離具を作製した。すなわち血液の導入部として血液分離部材の上面端部10mm×10mm角を開放した血液導入部を有し、その反対の先端部側面に22G径の血漿又は血清採取口を有し、プラスチックフィルムに覆われた血液分離部材10mm×20mm角状の血漿又は血清分離具である。
(実施例1)
製造例1で製造した本発明の血漿又は血清分離具を用いて血液より血漿又は血清を採取し、血漿又は血清中の総ビリルビン量を測定した。
ビリルビンの血中濃度が違う全血検体10種(検体No.1〜10、血液には抗凝固剤としてヘパリンを用いた)を準備し、血液50μLを血漿又は血清分離具の血液導入部に滴下し、120秒後、血液分離部材上で分離した血漿又は血清を、図4に示すようにプラスチックフィルム上から爪で先端部側面にある血漿又は血清採取口側へ搾りだした。その血漿又は血清を毛細管(製品名:CAPILLARY TUBES、Drummond Scientific Co.製)に毛細管現象によって採取した。
採取した血漿又は血清入り毛細管を図17に示したフォトBHメーターV(総ビリルビン測定器、三光純薬(株)製)にセットし、血漿又は血清中の総ビリルビン量を計測し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1と同一血液(検体No.1〜10)を毛細管に約50μL採取し、その毛細管を毛細管用遠心器(製品名:ラボクリットBH−2000、国産遠心器(株)製、三光純薬(株)販売)に入れ、12000rpmにて遠心操作を5分間行い、血漿又は血清を分離させた後、実施例1と同様の手順で血漿又は血清中の総ビリルビン量を計測し、その結果を表1に示した。
図16は、実施例1の測定結果に対する比較例1の測定結果を、検体毎にプロットしたグラフである。両者の相関関係は図16に示した如く良好であった。表1及び図16の結果から明らかなように、各検体において、本発明の血漿又は血清分離具及び従来の遠心分離器を用いて分離された血漿又は血清中の総ビリルビン量に差異はなかった。
(実施例2)
製造例1で製造した本発明の血漿又は血清分離具を用いて血液より血漿又は血清を採取し、血漿又は血清中のALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)を測定した。
血液3種(検体No.11〜13、血液には抗凝固剤としてEDTAを用いた)を準備し、血液50μLを血漿又は血清分離具の血液導入部に滴下し、120秒後、血液分離部材上で分離した血漿又は血清をプラスチックフィルム上から爪で先端部側面にある血漿又は血清採取口側へ搾りだした。その血漿又は血清を定量ピペットにより、10μL採取し、生化学検査であるALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)をALT試薬(サンテスト L−ALT、片山化学工業社製)を用い、分光光度計(島津製作所製、UV−730)により測定し、その結果を表2に示した。
(比較例2)
実施例2と同一血液(検体No.11〜13)5mLより、従来の遠心分離法により、3000rpmにて10分間遠心分離操作を行い、上澄み血漿又は血清を10μL採取し、実施例1と同様の手順で血漿又は血清中のALTを測定し、その結果を表2に示した。
表2の結果から明らかなように、同一検体中のALT量は、実施例2と比較例2で差異はなかった。
(実施例3)
図8に示したもの(但し、網状部材20を省略したもの)と同様の血漿又は血清分離積層体を有する血漿又は血清分離具を下記の如く作製した。
第1層(血漿又は血清分離部材):製造例1の血漿又は血清分離部材と同様
第2層(溶血遮蔽部材):ニトロセルロース(孔径:0.45μm)
第3層(血漿又は血清吸収部材):ガラス繊維フィルターGF/D(Whatman社製、厚み0.2mm、ポアサイズ平均5.7μm)
保持部材:製造例1と同様
血液導入部:製造例1と同様に作製
血漿又は血清採取口:製造例1と同様に作製
上記のようにして製造した血漿又は血清分離具を用いて実施例1と同様の全血検体を用いて、図10と同様の手順で血漿又は血清を採取し、その後ビリルビン量を計測したところ、実施例1と同様の結果を得ることができた。
(製造例2)
N−(ブトキシメチル)アクリルアミド(和光純薬(株)製)の0.5%水溶液に、幅4mm、長さ15mmの大きさに切ったガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製、厚さ675μm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血漿又は血清分離パッド(即ち、血漿又は血清分離部材)を製造した。
(製造例3)
1−ブトキシ−2−プロパノール(和光純薬(株)製)の0.5%水溶液に、幅4mm、長さ15mmの大きさに切ったガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製、厚さ675μm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血漿又は血清分離パッドを製造した。
(製造例4)
ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール、東京化成工業(株)製)の0.5%水溶液に、幅4mm、長さ15mmの大きさに切ったガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製、厚さ675μm、ポアサイズ平均5.7μm)を浸漬した後、70℃の温度で30分間乾燥させ、血漿又は血清分離パッドを製造した。
(実施例4〜6)
血漿又は血清分離特性:製造例2〜4で製造した本発明のガラス繊維製血漿又は血清分離パッド(実施例4:0.5%N−(ブトキシメチル)アクリルアミド含有ガラス繊維、実施例5:0.5%1−ブトキシ−2−プロパノール含有ガラス繊維、実施例6:0.5%ヘキシレングリコール含有ガラス繊維)の血漿又は血清分離能及び分離した血漿又は血清中のヘモグロビン量を測定した。
血漿又は血清分離能の測定方法:幅4mm×長さ15mmの上記血漿又は血清分離パッドの端にヘマトクリット56%を有する血液80μLをピペットで滴下し、血漿又は血清分離パッド上で分離する血球部分と血漿又は血清部分の面積比を測定した。その結果を表3に示す。
分離時間の測定:血漿又は血清分離パッド上に血液試料成分を滴下し、血球がパッド中を移動し停止するまでの時間を目視により測定した。
その結果を表3に示す。
ヘモグロビン量の測定:幅4mm×長さ15mmの血漿又は血清分離パッドにヘマクリット56%を有する血液150μLをピペットで滴下し、血漿又は血清分離パッド上で分離する血漿又は血清部分に毛細管を当て血漿又は血清を毛細管に採取する。採取した血漿又は血清をフォトBHメーターV(三光純薬(株)製)を用いて、波長575nmで吸光度を測定し、ヘモグロビンコントロール(ヘモコン−N)(アズウェル製)15.1g/dLをレファレンスとして吸光度よりヘモグロビン濃度を算出し、その結果を表3に示した。
(比較例3〜7)
ガラス繊維濾紙GF/D(Whatman社製)(比較例3)、1%マンニトール及び0.1%アルブミン含有ガラス繊維(比較例4)、2%ポリビニルアルコール含有ガラス繊維(比較例5)、ポリブレン含有ガラス繊維(比較例6)及び、2%ポリビニルアルコール及びポリブレン含有ガラス繊維(比較例7)によって実施例4と同様にガラス繊維製血漿又は血清分離パッドを製造し、同様の手順で血漿又は血清分離特性、血漿又は血清分離能及びヘモグロビン量の測定を行い、その結果を実施例4〜6とともに表3に示した。
表3の結果から明らかなように、本発明の血漿又は血清分離パッド(実施例4〜6)は、従来の血漿又は血清分離パッド(比較例3〜7)に比較して、赤血球の分離能と溶血が少ないという特性を有するとともに血漿又は血清の分離時間が迅速であることが判明した。
上記した実施例4〜6では、0.5%ヘキシレングリコール、0.5%N−(ブトキシメチル)アクリルアミド及び0.5%1−ブトキシ−2−プロパノールをそれぞれ単独でガラス繊維に含有させた例を示したが、両者を同一比で混合した場合も実施例4〜6と同様の結果が得られることを確認した。
産業上の利用可能性
以上述べた如く、本発明の血漿又は血清分離具の第1〜第3の態様によれば、従来のように遠心分離機或いは加圧、引圧のための特別な装置や用器具を使用せずに、簡便且つ迅速に、しかも微量且つ不定の容量の全血検体から任意の所定量の血漿又は血清を血球成分の漏出や溶血なく液状もしくは乾燥状態で分離回収することができる。本発明の血漿又は血清の採取方法によれば、微量の全血検体から血漿又は血清を分離回収することができるので、検体採取に注射を用いずに、被検者の指先等への刺針による採血だけで済み、被検者への負担を軽減することができ、また被検者自身による採血も可能となる。さらに、随時、即時的に血液検査を行うことができ、緊急検査や在宅検査においても有効なものとなる。特に、本発明の血漿又は血清の採取方法によれば、新生児の核黄疸検査であるビリルビンの血中濃度測定には、新生児の足裏を刺針して得た血液を本発明の血漿又は血清分離具の第1〜第3の態様を使用して、毛細管に血漿又は血清を採取し即時毛細管専用ビリルビン測定器で測定することができ、病院内での測定、退院後の在宅での出張検査、在宅検診にも随時対応が可能となる。
また、本発明の血漿又は血清分離具の第4の態様によれば、全血から血漿又は血清を分離するに際し、赤血球の分離が迅速に行われるとともに分離能が高く、その上溶血が少ないという大きな効果が達成される。本発明の血漿又は血清分離方法によれば、遠心分離器を用いずに、迅速に溶血を抑制して全血から血漿または血清を分離することができる。本発明の試験担体によれば、臨床検査におけるポイント・オブ・ケア検査においても実質的に溶血を生じずに全血から血漿又は血清を分離することができる。本発明のガラス繊維によれば、溶血を抑制し、血漿又は血清から未希釈全血の細胞成分を非常に良好に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の血漿又は血清分離具の第1の実施の形態を示し、(a)は断面概略図及び(b)は上面概略図である。
図2は、本発明の血漿又は血清分離具の第2の実施の形態を示し、(a)は断面概略図及び(b)は上面概略図である。
図3は、本発明の血漿又は血清分離具の第3の実施の形態を示し、(a)は断面概略図及び(b)は上面概略図である。
図4は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様の工程順の一例を示すフローチャートである。
図5は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様の工程順の一例を模式的に示す説明図である。
図6は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様における血漿又は血清の取り出し方法の一態様を示す概略説明図である。
図7は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第1の態様における血漿又は血清の取り出し方法の他の態様を示す概略説明図である。
図8は、本発明の血漿又は血清分離具の第4の実施の形態を示し、(a)は断面概略図、(b)は上面概略図、(c)は下面概略図である。
図9は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第2の態様の工程順の1例を示すフローチャートである。
図10は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第2の態様の工程順の1例を模式的に示す説明図である。
図11は、本発明の血漿又は血清分離具の第5の実施の形態を示し、(a)は断面概略図であり、(b)は血漿又は血清吸収部材を取外した状態の断面概略図である。
図12は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第3の態様の工程順の1例を示すフローチャートである。
図13は、本発明の血漿又は血清の採取方法の第3の態様の工程順の1例を模式的に示す説明図である。
図14は、本発明の試験担体のデザイン図の一例である。
図15は、本発明の試験担体のデザイン図の他の例である。
図16は、実施例1及び比較例1におけるビリルビン濃度の測定結果を示すグラフである。
図17は、毛細管専用ビリルビン測定装置の1例を示す概略説明図である。
Claims (32)
- 全血から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材と、該血液分離部材を被覆保持する保持部材と、該血液分離部材の基端部を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部と、該血液分離部材の先端部を被覆する保持部材部分に開口された血漿又は血清採取口とからなり、該血液導入部を介して血液分離部材に全血を導入し、該導入された全血を該血液分離部材の先端部分に血漿又は血清が位置し、該血液分離部材の基端部分に血球が位置するように分離し、該血液分離部材の先端部分に位置する血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することができるようにしたことを特徴とする血漿又は血清分離具。
- 全血から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材からなる第1層と溶血遮蔽部材からなる第2層と血漿又は血清吸収部材からなる第3層とを有する血液分離積層体と、該血液分離積層体を被覆保持する保持部材と、該血液分離積層体の第1層側を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部と、該血液分離積層体の第3層側を被覆する保持部材部分に開口された血漿又は血清採取口とからなり、該血液導入部を介して血液分離積層体に全血を導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、該第3層に吸収された血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することができるようにしたことを特徴とする血漿又は血清分離具。
- 全血から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離具であって、血液分離部材からなる第1層と溶血遮蔽部材からなる第2層と血漿又は血清吸収部材からなる第3層とを有する血液分離積層体と、該血液分離積層体を被覆保持する保持部材と、該血液分離積層体の第1層側を被覆する保持部材部分に形成された血液導入部とからなり、かつ該第3層が第1層及び第2層から離間し取り外し可能であるように構成し、該血液導入部を介して血液分離積層体に全血を導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、この血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができるようにしたことを特徴とする血漿又は血清分離具。
- 前記第3層が第1層及び第2層から離間し取り外し可能であるとともに外気に対して露出可能なように構成し、前記第3層に血漿又は血清が吸収されて分離した後、血漿又は血清を吸収した第3層を外気に露出して吸収された血漿又は血清を乾燥し、この乾燥した血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことを特徴とする請求項3記載の血漿又は血清分離具。
- 前記血液分離部材が、繊維質素材及び/又は多孔質体からなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- 前記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ガラス繊維、不織布、セルロース繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルホルマールよりなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の血漿又は血清分離具。
- 前記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上で被覆されたものであることを特徴とする請求項5又は6記載の血漿又は血清分離具。
- 前記繊維質素材が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項7記載の血漿又は血清分離具。
- 前記ブトキシ基が付いたプロパノールが、ブトキシプロパノールであることを特徴とする請求項7又は8記載の血漿又は血清分離具。
- 前記ブトキシ基が付いたアクリルアミドが、ブトキシメチルアクリルアミドであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- 前記保持部材が透明又は半透明な液体不透過性フィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- 前記血液導入部を血液の透過が可能な網状部材により被覆することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- 請求項1記載の血漿又は血清分離具を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離部材に導入し、該導入された全血を該血液分離部材によって先端部分に血漿又は血清が位置し、基端部分に血球が位置するように分離させ、該血液分離部材の先端部分に位置する血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することを特徴とする血漿又は血清の採取方法。
- 請求項2記載の血漿又は血清分離具を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離積層体に導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、該第3層に吸収された血漿又は血清を該血漿又は血清採取口から採取することを特徴とする血漿又は血清の採取方法。
- 請求項3記載の血漿又は血清分離具を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離積層体に導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、この血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができるようにしたことを特徴とする血漿又は血清の採取方法。
- 請求項4記載の血漿又は血清分離具を用い、血液採取部に針状器具を刺して出血させ、当該出血部位に該血漿又は血清分離具の血液導入部を当接させて全血を血液分離積層体に導入し、該導入された全血を該第1層に血球が位置し、該第3層に血漿又は血清が吸収されて分離し、血漿又は血清を吸収した第3層を外気に露出して吸収された血漿又は血清を乾燥し、この乾燥した血漿又は血清を含有する第3層を取り外すことによって血漿又は血清を採取することができるようにしたことを特徴とする血漿又は血清の採取方法。
- 前記血液分離部材が、繊維質素材及び/又は多孔質体からなるものであることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ガラス繊維、不織布、セルロース繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルホルマールよりなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項17記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上で被覆されたものであることを特徴とする請求項17又は18記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記繊維質素材が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項19記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記ブトキシ基が付いたプロパノールが、ブトキシプロパノールであることを特徴とする請求項19又は20記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記ブトキシ基が付いたアクリルアミドが、ブトキシメチルアクリルアミドであることを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記保持部材が透明又は半透明な液体不透過性フィルムであることを特徴とする請求項13〜22のいずれか1項記載の血漿又は血清の採取方法。
- 前記血液導入部を血液の透過が可能な網状部材により被覆することを特徴とする請求項13〜23のいずれか1項記載の血漿又は血清の採取方法。
- 全血から血漿又は血清を分離するための分離具において、血液分離部材として、ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆した繊維質素材及び/又は多孔質体を含有することを特徴とする血漿又は血清分離具。
- 前記ブトキシ基が付いたプロパノールが、ブトキシプロパノールであることを特徴とする請求項25記載の血漿又は血清分離具。
- 前記ブトキシ基が付いたアクリルアミドが、ブトキシメチルアクリルアミドであることを特徴とする請求項25又は26記載の血漿又は血清分離具。
- 前記繊維質素材及び/又は多孔質体が、ガラス繊維、不織布、セルロース繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルホルマールよりなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- 全血を前記血液分離部材と接触させ、赤血球を前記血液分離部材によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する器具であって、前記血液分離部材を用いることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項記載の血漿又は血清分離具。
- ヘキシレングリコール、ブトキシ基が付いたプロパノール及びブトキシ基が付いたアクリルアミドよりなる群から選択される1種又は2種以上を被覆したことを特徴とするガラス繊維。
- 全血を血液分離部材と接触させ、赤血球を該血液分離部材によって保持させることにより全血から血漿又は血清を分離する方法であって、請求項25〜29のいずれか1項記載の分離具を用いることによって溶血を抑制するようにしたことを特徴とする全血からの血漿又は血清分離方法。
- 血液試料成分から血漿又は血清を分離するための血漿又は血清分離層及び分離された血漿又は血清を試験するための試験域を含み該血液試料成分の分析物の測定を行うための試験担体であって、該血漿又は血清分離層が請求項25〜29のいずれか1項記載の分離具を含有するように構成することによって、溶血を抑制するようにしたことを特徴とする試験担体。
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