JP2017075912A - 検体濃度測定装置およびマイクロ流路チップ - Google Patents

検体濃度測定装置およびマイクロ流路チップ Download PDF

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茂樹 松本
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Abstract

【課題】外部から遠心力などの運動学的作用を加えることなしに、微量の検体から検査対象成分を分離して当該検査対象成分の濃度を測定することができる検体濃度測定装置およびこの検体濃度測定装置に用いられるマイクロ流路チップを提供する。【解決手段】本発明の検体濃度測定装置は、液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる流路、および当該流路を流通した検査対象成分が流入される測定部を有するマイクロ流路チップと、このマイクロ流路チップにおける測定部に対して光を照射する光源と、前記マイクロ流路チップにおける測定部を透過した光を受光する受光部と、この受光部から送信されたデータに基づいて前記検査対象成分の濃度を演算する演算部とを備えてなることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、検体濃度測定装置およびマイクロ流路チップに関する。更に詳しくは、血液などの検体から検査対象成分を分離して濃度を測定する検体濃度測定装置、およびこの検体濃度測定装置に用いられるマイクロ流路チップに関する。
血清(血漿)の色の主体成分であるビリルビンは、主に赤血球内のヘモグロビンの崩壊によって生じる。このビリルビンが体内で増加すると、体全体の皮膚が黄染して黄疸となる。一般に、新生児期に現れる黄疸(新生児の90%程度)の多くは、生理的な症状であり、生後3〜5日で自然に消失する。しかし、生理的黄疸の範囲を超える病的黄疸(黄疸が現れた新生児の20%程度)は、中枢神経障害をもたらす「核黄疸」に進行し、脳性まひ、難聴、知的障害等の重篤な後遺症に帰結する可能性があり、死亡につながる場合がある。これを未然に防ぐために、NICU(新生児集中治療室)や産科では、黄疸が現れた新生児について、血中のビリルビンを定量的に測定して総ビリルビン濃度によってスクリーニングを行い、総ビリルビン濃度の高い新生児に対しては、光線治療が行われている。そして、ビリルビンを定量的に測定する方法としては、主に比色法が採用されている。
比色法によるビリルビンの定量測定方法としては、血漿について、互いに異なる2つの波長における光の吸光度を測定することによって、血漿中に含まれるビリルビンの濃度を測定する、2波長測光による方法が知られている(例えば非特許文献1参照。)。
この2波長測光によるビリルビンの定量測定方法について、具体的に説明すると、以下の通りである。
血液から抽出された血漿中には、ビリルビンの他に、溶血ヘモグロビン(損傷した赤血球内部より漏出したヘモグロビン)が含まれる場合がある。このような場合には、血漿の分光吸収曲線を測定すると、図5に示すように、血漿の吸収曲線は、ビリルビンの吸収曲線と溶血ヘモグロビンと吸収曲線とが合成された吸収曲線となる。図5において、実線は、抽出された血漿の吸収曲線、点線はビリルビンの吸収曲線、一点破線は溶血ヘモグロビンの吸収曲線である。
図5から理解されるように、ビリルビンによる吸収ピークは波長455nmである。しかしながら、波長455nmにおける血漿による吸収には、ビリルビンによる吸収の他に、溶血ヘモグロビンによる吸収が含まれており、従って、波長455nmにおける血漿の吸光度B1 は、ビリルビンの吸光度B2 と溶血ヘモグロビンの吸光度H2 との和である。このため、吸光度B1 のみからビリルビンの濃度を求めることができない。
一方、血漿の吸収曲線において、ビリルビンによる吸収がなく、溶血ヘモグロビンによる吸収のみがある波長575nmに着目すると、血漿の吸光度H1 の値は、波長455nmにおける溶血ヘモグロビンの吸光度H2 の値と近似している。
そこで、波長455nmにおける吸光度B1 の値から、波長575nmにおける吸光度H1 の値を減じることにより、ビリルビンの吸光度B2 の値に近似した値が得られ、この値から、ビリルビンの濃度を求めることが可能となる。
また、血液中のビリルビンの濃度を測定するためには、血液からビリルビンを含む血漿を抽出することが必要である。血液から血漿を抽出する方法としては、毛細管内に封入した血液を、遠心分離処理することにより、血液中の血漿と血球とを分離する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
小川善資、「比色分析装置の基礎」、生物試料分析、生物試料分析科学会、2013年、第36巻、第3号、p.273−280
特開平6−43158号公報
しかしながら、血液から血漿を分離するために遠心分離を利用する場合には、比較的多量の血液が必要とされ、また、遠心分離機を使用するため、大型の装置を構成することが必要となる、という問題がある。このため、遠心分離を利用せずに、微量の血液から血漿を分離し、当該血漿中のビリルビンの濃度を測定することができる検体濃度測定装置が望まれている。
そこで、本発明の目的は、外部から遠心力などの運動学的作用を加えることなしに、微量の検体から検査対象成分を分離して当該検査対象成分の濃度を測定することができる検体濃度測定装置およびこの検体濃度測定装置に用いられるマイクロ流路チップを提供することにある。
本発明の検体濃度測定装置は、液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる流路、および当該流路を流通した検査対象成分が流入される測定部を有するマイクロ流路チップと、
このマイクロ流路チップにおける測定部に対して光を照射する光源と、
前記マイクロ流路チップにおける測定部を透過した光を受光する受光部と、
この受光部から送信されたデータに基づいて前記検査対象成分の濃度を演算する演算部と
を備えてなることを特徴とする。
本発明の検体濃度測定装置は、前記検体が血液であり、前記検査対象成分が前記血液から分離された血漿に含まれるビリルビンである場合に好適に用いられる。
このような検体濃度測定装置においては、前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域に制限する光学フィルタを備えてなることが好ましい。
また、2つの前記光源を有し、
一方の前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を455nm近傍の波長域に制限する第1の光学フィルタと、
他方の前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を575nm近傍の波長域に制限する第2の光学フィルタと
を備えてなることが好ましい。
本発明のマイクロ流路チップは、上記の検体濃度測定装置に用いられるマイクロ流路チップであって、
液状の検体を流通させる第一流路と、この第一流路から分岐して形成された、当該第一流路に連通する第二流路と、この第二流路を流通した検査対象成分が流入される測定部とを内部に有し、
前記第二流路は、前記第一流路を流通する検体から検査対象成分を分離することが可能な幅を有することを特徴とする。
本発明のマイクロ流路チップにおいては、前記第一流路の幅が10μm以上1000μm以下であり、
前記第二流路の幅が0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
また、前記測定部における厚み方向の幅が10μm以上1000μm以下であることが好ましい。
本発明の検体濃度測定装置によれば、マイクロ流路チップは、液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる流路と、分離された検査対象成分が流入される測定部とを有するため、外部から遠心力などの運動学的作用を加えることなしに、微量の検体から検査対象成分を分離して測定部に貯留することができる。従って、光源によって検査対象成分が貯留した測定部に光を照射して、その透過光を受光部によって検出することにより、比色法を利用して検査対象成分の濃度を測定することができる。
本発明の検体濃度測定装置の一例における構成を示す説明図である。 図1に示す検体濃度測定装置におけるマイクロ流路チップの構成を示す平面図である。 図2に示すマイクロ流路チップの要部を示す説明図であり、(a)は、第一流路、第二流路および測定部を拡大して示す平面図、(b)は、(a)のA−A断面端面図である。 本発明の検体濃度測定装置の一例における構成を示す説明図である。 血漿成分、ビリルビンおよび溶血ヘモグロビンの各々の分光吸収スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の検体濃度測定装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の検体濃度測定装置の一例における構成を示す説明図である。図2は、図1に示す検体濃度測定装置におけるマイクロ流路チップの構成を示す平面図である。図3は、図2に示すマイクロ流路チップの要部を示す説明図であり、(a)は、第一流路、第二流路および測定部を拡大して示す平面図、(b)は、(a)のA−A断面端面図である。
この検体濃度測定装置は、液状の検体である血液から検査対象成分であるビリルビンを含む血漿を分離してビリルビンの濃度を測定するものである。
図1に示す検査対象測定装置は、検査対象成分が流入される測定部26を有するマイクロ流路チップ10と、このマイクロ流路チップ10における測定部26に対して当該マイクロ流路チップ10の厚み方向に光を照射する光源30と、マイクロ流路チップ10における測定部26を透過した光を受光する受光部40と、この受光部40から送信されたデータに基づいて検査対象成分の濃度を演算する演算部を有する制御機構50とを備えてなる。
光源30とマイクロ流路チップ10との間の光路上には、透過する光の波長域を制限する光学フィルタ35が配置されている。光学フィルタ35とマイクロ流路チップ10との間には、入射される光を平行化するレンズ38が配置されている。マイクロ流路チップ10と受光部40との間には、マイクロ流路チップ10における測定部26を透過して光を、受光部40に集光するレンズ41が配置されている。また、光源30は、当該光源30に電気を供給する電源31に電気的に接続されている。この電源31は、制御機構50に電気的に接続されている。
マイクロ流路チップ10は、第一基板12および第二基板15よりなるチップ基体11を有し、第一基板12と第二基板15とが接合された板状体によって構成されている。
第一基板12および第二基板15の各々の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば0.1mm以上5.0mm以下である。
チップ基体11(第一基板12および第二基板15)を構成する材料としては、光源部からの光を透過し得るもの、例えばガラス材料や樹脂材料を用いることができる。
マイクロ流路チップ10は、液状の検体を流通させる第一流路20と、この第一流路20に連通する複数の第二流路25とを有する。第二流路25の各々は、第一流路20から分岐して当該第一流路20に対して垂直方向に伸び、等間隔で離間して配列された状態で形成されている。
第一流路20における上流側端は、検体導入部21から導入された検体を貯留する検体貯留部22に接続されている。第一流路20の下流側端は、第一排出部23に接続されている。また、第二流路25の各々の下流側端は、検体から分離された特定の成分が流入される測定部26に接続されている。この測定部26には、第三流路27が接続されており、この第三流路27の下流側端は、第二排出部28に接続されている。
図示の例では、第一流路20は、第一基板12に形成された第一流路用溝13aの内壁面と、第二基板15とによって区画されることにより形成されている。また、第二流路25は、第二基板15に形成された第二流路用溝16の内壁面と、第一基板12とによって区画されることにより形成されている。また、測定部26は、第一基板12に形成された測定部用凹所13bの内壁面と、第二基板15とによって区画されることにより形成されている。
第一流路20、第二流路25および測定部26の各々の内壁面には、親水化処理が施されていることが好ましい。具体的には、第一流路20、第二流路25および測定部26の各々の内壁面における水の接触角が90°以下であることが好ましく、より好ましくは50°以下である。
第一流路20は、液状の検体(例えば血液)を流通させることが可能な幅を有する。本発明において、流路の「幅」とは、流路における当該流路が伸びる方向に垂直な断面において、当該流路の最も小さい幅を意味する。図示の例の第一流路20および第二流路25においては、マイクロ流路チップ10の厚み方向の幅が最も小さい幅である。
このような第一流路20の幅は、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以上300μm以下である。第一流路20の幅が過小である場合には、測定部26に供給することができる特定の成分(例えば血漿)の量が少なくなり、特定の成分を抽出するために相当に長い時間を要する虞がある。一方、第一流路20の幅が過大である場合には、毛細管力が小さくなるために血液が流れるのが遅くなり、測定部26に到達するのに相当に長い時間を要する虞れがある。
また、第一流路20の上流側端から第二流路25との分岐点までの長さは、特に限定されるものではないが、例えば10μm以上100mm以下である。
第二流路25は、第一流路20を流通する検体である血液から検査対象成分であるビリルビンを含む血漿を分離することが可能な幅を有する。
このような第二流路25の幅は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上1.5μm以下である。第二流路25の幅が過小である場合には、抽出することができる特定の成分の量が少なくなる虞がある。一方、第二流路25の幅が過大である場合には、特定の成分以外の成分(例えば赤血球などの血球成分)が混入する虞れがある。
また、第二流路25の長さは、特に限定されるものではないが、例えば1mm以上10mm以下である。
また、第二流路25の数は、例えば10本以上1000本以下である。
また、測定部26における厚み方向の幅が10μm以上1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以上500μm以下である。
また、測定部26における面方向の幅は、それぞれ0.1μm以上1.0mm以下であることが好ましい。
光源30としては、検査対象成分の濃度を測定するために必要な波長域を含む光を放射するものが用いられている。この例においては、血漿に含まれるビリルビンの濃度を測定するために必要な455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域を含む光を放射する光源30が用いられている。
このような光源30の具体例としては、互いに異なる波長域の光を放射する2種のLED素子、例えばピーク発光波長450nmのLED素子とピーク発光波長570nmのLED素子とにより構成されたものが挙げられる。
光学フィルタ35としては、透過する光の波長域を、検査対象成分の濃度を測定するために必要な波長域に制限するバンドパスフィルタが用いられている。この例においては、光学フィルタ35として、透過する光の波長域を、血漿に含まれるビリルビンの濃度を測定するために必要な455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域に制限するマルチバンドパスフィルタが用いられている。光学フィルタ35を透過する455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域のバンド幅は、それぞれ半値幅で10nm以上15nm以下である。
受光部40としては、検査対象成分の濃度を測定するために必要な波長域を含む光を検出することが可能なものが用いられている。この例においては、血漿に含まれるビリルビンの濃度を測定するために必要な455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域を含む光を検出することが可能な受光部40が用いられている。
受光部40の具体例としては、フォトダイオード、光電子倍増管(フォトマル)等の高感度光検出器、CdSよりなるフォトレジスタなどよりなるものが挙げられる。この例においては、455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域を同時に検出することが可能なフォトダイオードアレイよりなる受光部40が好ましい。
制御機構50は、検査対象成分の濃度を演算する演算部を有すると共に、光源30に電気を供給する電源31を制御する電源制御部を有する。
この例においては、演算部によって、受光部40から送信された、光の強度に係るデータに基づいて、ビリルビンの濃度が演算される。具体的に説明すると、受光部40から送信されたデータのうち、波長455nmの光の強度に係るデータに基づいて波長455nmにおける吸光度A455 が算出されると共に、波長575nmの光の強度データに基づいて波長575nmにおける吸光度A575 が算出される。ここで、吸光度A455 は、波長455nmにおけるビリルビンの吸光度および溶血ヘモグロビンの吸光度の和とみなすことができる。一方、A575 は、波長575nmにおける溶血ヘモグロビンの吸光度とみなすことができる。そして、波長575nmにおける溶血ヘモグロビンの吸光度は、波長455nmにおける溶血ヘモグロビンの吸光度に近似した値であることから、吸光度A455 から吸光度A575 を減じた値(A455 −A575 )を、波長455nmにおけるビリルビンの吸光度とみなすことができる。そして、吸光度と濃度とが比例関係にあること(ランベルト−ベールの法則)を利用して、予め取得した検量線とA455 −A575 の値とから、ビリルビンの濃度が算出される。
このような検体濃度測定装置においては、先ず、液状の検体(この例では血液)がマイクロ流路チップ10の検体導入部21から導入されて検体貯留部22に貯留される。検体貯留部22に貯留された検体は、毛細管現象によって第一流路20を流通し、第二流路25との分岐点に到達する。そして、この分岐点においては、検体中における第二流路25の幅より大きいサイズの成分(この例では血球)は、第二流路25に進入することができないため、第一流路20を下流側に向かって流通する。一方、検体中における第二流路25の幅より小さいサイズの特定の成分(この例では検査対象成分であるビリルビンを含む血漿)は、第二流路25に進入することができるため、第二流路25を流通し、測定部26に流入される。
そして、マイクロ流路チップ10の測定部26に特定の成分が充填された状態において、光源30から放射された光が、光学フィルタ35およびレンズ38を介して、マイクロ流路チップ10の測定部26に照射される。光学フィルタ35を透過する光、すなわちマイクロ流路チップ10の測定部26に照射される光の波長域は、当該光学フィルタ35によって455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域に制限される。その後、マイクロ流路チップ10の測定部26を透過した光は、受光部40によって検出される。そして、受光部40によって検出された光の強度に係るデータは、制御機構50の演算部に送信され、当該演算部に送信されたデータに基づいて検査対象成分であるビリルビンの濃度が演算される。
上記の検体濃度測定装置によれば、マイクロ流路チップ10は、第一流路20を流通する液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる第二流路25と、分離された検査対象成分が流入される測定部26とを有するため、外部から遠心力などの運動学的作用を加えることなしに、微量の検体から検査対象成分を分離して測定部26に貯留することができる。従って、光源30によって検査対象成分が貯留した測定部26に光を照射して、その透過光を受光部40によって検出することにより、比色法を利用して検査対象成分の濃度を測定することができる。
図4は、本発明の検体濃度測定装置の他の例における構成を示す説明図である。この検体濃度測定装置は、液状の検体である血液から検査対象成分であるビリルビンを含む血漿を分離してビリルビンの濃度を測定するものである。
図4に示す検査対象測定装置においては、第1の光源32および第2の光源33が設けられている。具体的に説明すると、第1の光源32は、マイクロ流路チップ10における測定部26に対向するよう配置され、第2の光源33は、第1の光源32からの光の光路に対して垂直な方向に向いた状態で配置されている。第1の光源32および第2の光源33は、に電気を供給する電源31に電気的に接続されている。
第1の光源32からの光の光路と第2の光源33からの光の光路との交点位置には、第1の光源32からの光を透過すると共に第2の光源33からの光を反射するダイクロイックミラー34が、第1の光源32からの光の光路および第2の光源33からの光の光路の各々に対して45°に傾斜した状態で配置されている。
第1の光源32とダイクロイックミラー34との間の光路上には、透過する光の波長域を制限する第1の光学フィルタ36が配置されている。第1の光学フィルタ36とダイクロイックミラー34との間には、入射される光を平行化するレンズ38が配置されている。第2の光源33とダイクロイックミラー34との間の光路上には、透過する光の波長域を制限する第2の光学フィルタ37が配置されている。第2の光学フィルタ37とダイクロイックミラー34との間には、入射される光を平行化するレンズ39が配置されている。図4に示す検体濃度測定装置におけるその他の構成は、図1に示す検体濃度測定装置における構成と同様である。
この例の検査対象測定装置において、第1の光源32としては、例えばピーク発光波長が450nmのLED素子よりなるものが用いられている。一方、第2の光源33としては、ピーク発光波長が570nmのLED素子よりなるものが用いられている。
また、第1の光学フィルタ36としては、透過する光の波長域を455nm近傍の波長域に制限するバンドパスフィルタが用いられている。一方、第2の光学フィルタ37としては、透過する光の波長域を575nm近傍の波長域に制限するバンドパスフィルタが用いられている。第1の光学フィルタ36を透過する455nm近傍の波長域および第2の光学フィルタ37を575nm近傍の波長域のバンド幅は、それぞれ半値幅で10nm以上15nm以下である。
このような検体濃度測定装置においては、図1に示す検体濃度測定装置と同様にして、検体中における第二流路25の幅より小さいサイズの特定の成分(検査対象成分であるビリルビンを含む血漿)が測定部26に流入される。
そして、マイクロ流路チップ10の測定部26に特定の成分が充填された状態において、第1の光源32から放射された光が、第1の光学フィルタ36、レンズ38およびダイクロイックミラー34を介して、マイクロ流路チップ10の測定部26に照射される。これと共に、第2の光源33から放射された光が、第2の光学フィルタ37、レンズ39およびダイクロイックミラー34を介して、マイクロ流路チップ10の測定部26に照射される。その後、マイクロ流路チップ10の測定部26を透過した光は、受光部40によって検出される。そして、受光部40によって検出された光の強度に係るデータは、制御機構50の演算部に送信され、当該演算部に送信されたデータに基づいて検査対象成分であるビリルビンの濃度が演算される。
以上において、マイクロ流路チップ10の測定部26に対して、第1の光源32から光を照射する動作および第2の光源33から光を照射する動作は、同時に行われてもよいが、いずれか一方の動作が行われた後、他方の動作が行われてもよい。
上記の検体濃度測定装置によれば、マイクロ流路チップ10は、第一流路20を流通する液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる第二流路25と、分離された検査対象成分が流入される測定部26とを有するため、外部から遠心力などの運動学的作用を加えることなしに、微量の検体から検査対象成分を分離して測定部26に貯留することができる。従って、第1の光源32および第2の光源33によって検査対象成分が貯留した測定部26に光を照射して、その透過光を受光部40によって検出することにより、比色法を利用して検査対象成分の濃度を測定することができる。
〈実施例1〉
図2に示す構成に従って、下記の仕様のマイクロ流路チップを作製した。
チップ基体は、材質がポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂で、第一基板の厚みが1.0mm、第二基板の厚みが1.0mmである。第一流路は、長さが100mm、厚み方向の幅が100μm、面方向の幅が300μmである。第二流路は、長さが1.0mm、厚み方向の幅が2μm、面方向の幅が50μmであり、第二流路用溝の数は10本である。測定部は、厚み方向の幅が100μm、面方向の幅がそれぞれ1000μm×1000μmである。また、第一流路の上流側端から、当該第一流路の最も上流側において分岐した第二流路との分岐点までの長さは、50mmである。
上記のマイクロ流路チップを用い、図1に示す構成の検体濃度測定装置を作製した。
そして、マイクロ流路チップに、ヒトの血液5μLを導入し、5分間放置した。その後、光源を点灯させることにより、マイクロ流路チップの測定部に光を照射し、測定部を透過した光を受光部によって検出することにより、制御機構の演算部においてビリルビンの濃度を求めた。
〈参考例〉
ヒトの血液を導入したマイクロ流路チップの代わりに、遠心分離によってヒトの血液から抽出した血漿が充填された容器を用いたこと以外は、実施例1において同様にしてビリルビンの濃度を求めた。
実施例1において測定されたビリルビンの濃度と、参考例において測定されたビリルビンの濃度とを比較したところ、両者は同等の値を示していることが確認された。
10 マイクロ流路チップ
11 チップ基体
12 第一基板
13a 第一流路用溝
13b 測定部用凹所
15 第二基板
16 第二流路用溝
20 第一流路
21 検体導入部
22 検体貯留部
23 第一排出部
25 第二流路
26 測定部
27 第三流路
28 第二排出部
30 光源
31 電源
32 第1の光源
33 第2の光源
34 ダイクロイックミラー
35 光学フィルタ
36 第1の光学フィルタ
37 第2の光学フィルタ
38,39 レンズ
40 受光部
41 レンズ
50 制御機構

Claims (7)

  1. 液状の検体から検査対象成分を分離して流通させる流路、および当該流路を流通した検査対象成分が流入する測定部を有するマイクロ流路チップと、
    このマイクロ流路チップにおける測定部に対して光を照射する光源と、
    前記マイクロ流路チップにおける測定部を透過した光を受光する受光部と、
    この受光部から送信されたデータに基づいて前記検査対象成分の濃度を演算する演算部と
    を備えてなることを特徴とする検体濃度測定装置。
  2. 前記検体が血液であり、前記検査対象成分が前記血液から分離された血漿に含まれるビリルビンであることを特徴とする請求項1に記載の検体濃度測定装置。
  3. 前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を455nm近傍の波長域および575nm近傍の波長域に制限する光学フィルタを備えてなることを特徴とする請求項2に記載の検体濃度測定装置。
  4. 2つの前記光源を有し、
    一方の前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を455nm近傍の波長域に制限する第1の光学フィルタと、
    他方の前記光源と前記受光部との間の光路上に配置された、透過する光の波長域を575nm近傍の波長域に制限する第2の光学フィルタと
    を備えてなることを特徴とする請求項2に記載の検体濃度測定装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の検体濃度測定装置に用いられるマイクロ流路チップであって、
    液状の検体を流通させる第一流路と、この第一流路から分岐して形成された、当該第一流路に連通する第二流路と、この第二流路を流通した検査対象成分が流入される測定部とを内部に有し、
    前記第二流路は、前記第一流路を流通する検体から検査対象成分を分離することが可能な幅を有することを特徴とするマイクロ流路チップ。
  6. 前記第一流路の幅が10μm以上1000μm以下であり、
    前記第二流路の幅が0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ流路チップ。
  7. 前記測定部における厚み方向の幅が10μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のマイクロ流路チップ。
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